以下、添付図面に従って本開示の技術に係る非接触式通信装置、磁気テープドライブ、非接触式通信システム、非接触式通信装置の動作方法、及びプログラムの実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。DRAMとは、“Dynamic Random Access Memory”の略称を指す。SRAMとは、“Static Random Access Memory”の略称を指す。NVMとは、“Non-Volatile Memory”の略称を指す。ROMとは、“Read Only Memory”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-Chip”の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。RFIDとは、“Radio Frequency Identifier”の略称を指す。LTOとは、“Linear Tape-Open”の略称を指す。IBMとは、“International Business Machines Corporation”の略称を指す。CMとは、“Cartridge Memory”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。
一例として図1に示すように、磁気テープシステム2は、本開示の技術に係る「非接触式通信システム」の一例であり、磁気テープカートリッジ10及び磁気テープドライブ30を備えている。磁気テープドライブ30には、磁気テープカートリッジ10が装填される。磁気テープカートリッジ10は、磁気テープMTを収容している。磁気テープドライブ30は、装填された磁気テープドライブ30から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTを走行させながら、磁気テープMTに対してデータを記録したり、磁気テープMTからデータを読み取ったりする。
次に、図2~図4を参照しながら、磁気テープカートリッジ10の構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ10の磁気テープドライブ30(図5参照)への装填方向を矢印Aで示し、矢印A方向を磁気テープカートリッジ10の前方向とし、磁気テープカートリッジ10の前方向の側を磁気テープカートリッジ10の前側とする。以下に示す構造の説明において、「前」とは、磁気テープカートリッジ10の前側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向とし、磁気テープカートリッジ10の右方向の側を磁気テープカートリッジ10の右側とする。以下に示す構造の説明において、「右」とは、磁気テープカートリッジ10の右側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印B方向と逆の方向を左方向とし、磁気テープカートリッジ10の左方向の側を磁気テープカートリッジ10の左側とする。以下に示す構造の説明において、「左」とは、磁気テープカートリッジ10の左側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を磁気テープカートリッジ10の上方向とし、磁気テープカートリッジ10の上方向の側を磁気テープカートリッジ10の上側とする。以下に示す構造の説明において、「上」とは、磁気テープカートリッジ10の上側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ10の前方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の後方向とし、磁気テープカートリッジ10の後方向の側を磁気テープカートリッジ10の後側とする。以下に示す構造の説明において、「後」とは、磁気テープカートリッジ10の後側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ10の上方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の下方向とし、磁気テープカートリッジ10の下方向の側を磁気テープカートリッジ10の下側とする。以下に示す構造の説明において、「下」とは、磁気テープカートリッジ10の下側を指す。
また、以下の説明では、磁気テープカートリッジ10の仕様としてLTOを例に挙げて説明するが、これはあくまでも一例に過ぎず、IBM3592の磁気テープカートリッジの仕様に準じていてもよい。
一例として図2に示すように、磁気テープカートリッジ10は、平面視略矩形であり、かつ、箱状のケース12を備えている。ケース12は、本開示の技術に係る「ケース」の一例である。ケース12には、磁気テープMTが収容される。ケース12は、ポリカーボネート等の樹脂製であり、上ケース14及び下ケース16を備えている。上ケース14及び下ケース16は、上ケース14の下周縁面と下ケース16の上周縁面とを接触させた状態で、溶着(例えば、超音波溶着)及びビス止めによって接合されている。接合方法は、溶着及びビス止めに限らず、他の接合方法であってもよい。
ケース12の内部には、カートリッジリール18が回転可能に収容されている。カートリッジリール18は、リールハブ18A、上フランジ18B1、及び下フランジ18B2を備えている。リールハブ18Aは、円筒状に形成されている。リールハブ18Aは、カートリッジリール18の軸心部であり、軸心方向がケース12の上下方向に沿っており、ケース12の中央部に配置されている。上フランジ18B1及び下フランジ18B2の各々は円環状に形成されている。リールハブ18Aの上端部には上フランジ18B1の平面視中央部が固定されており、リールハブ18Aの下端部には下フランジ18B2の平面視中央部が固定されている。なお、リールハブ18Aと下フランジ18B2が一体として成型されていてもよい。
リールハブ18Aの外周面には、磁気テープMTが巻き回されており、磁気テープMTの幅方向の端部は上フランジ18B1及び下フランジ18B2によって保持されている。
ケース12の右壁12Aの前側には、開口12Bが形成されている。磁気テープMTは、開口12Bから引き出される。
一例として図3に示すように、磁気テープカートリッジ10にはカートリッジメモリ19が搭載されている。カートリッジメモリ19は、下ケース16に設けられている。より具体的には、カートリッジメモリ19は、下ケース16の右後端部に収容されている。カートリッジメモリ19は、本開示の技術に係る「非接触式通信媒体」の一例である。本実施形態では、いわゆるパッシブ型のRFIDタグがカートリッジメモリ19として採用されている。
カートリッジメモリ19には、磁気テープMTに関する情報が記憶されている。磁気テープMTに関する情報とは、例えば、磁気テープカートリッジ10を管理する管理情報100(図12参照)を指す。管理情報には、例えば、カートリッジメモリ19に関する情報(例えば、後述のCM識別子106A)、磁気テープカートリッジ10を特定可能な情報(例えば、後述のカートリッジ識別子106B)、磁気テープMTの記録容量、磁気テープMTに記録されているデータの概要、データの項目、及びデータの記録形式等を示す情報が含まれている。
カートリッジメモリ19は、非接触式読み書き装置との間で非接触通信を行う。非接触式読み書き装置としては、例えば、磁気テープカートリッジ10の製造工程で使用される非接触式読み書き装置(例えば、図30に示す非接触式読み書き装置50B)、及び、磁気テープドライブ(例えば、図5に示す磁気テープドライブ30)内で使用される非接触式読み書き装置(例えば、図5~図7等に示す非接触式読み書き装置50A)が挙げられる。非接触式読み書き装置は、バッテリ(図示省略)又は商用電源から供給される電力を用いて作動する。
非接触式読み書き装置は、一般的にリーダライタとも称されている装置であり、カートリッジメモリ19に対して、非接触式で各種情報の読み書きを行う。詳しくは後述するが、カートリッジメモリ19は、非接触式読み書き装置から与えられた磁界MF(図6等参照)に対して電磁的に作用することで電力を生成する。そして、カートリッジメモリ19は、生成した電力を用いて作動し、磁界MFを介して非接触式読み書き装置と通信を行うことで非接触式読み書き装置との間で各種情報の授受を行う。なお、通信方式は、例えば、ISO14443又はISO18092等の公知の規格に準じる方式であってもよいし、ECMA319のLTO仕様に準じる方式等であってもよい。
一例として図3に示すように、下ケース16の右後端部の底板16Aの内面には、支持部材20が設けられている。支持部材20は、カートリッジメモリ19を傾斜させた状態で下方から支持する一対の傾斜台である。一対の傾斜台は、第1傾斜台20A及び第2傾斜台20Bである。第1傾斜台20A及び第2傾斜台20Bは、ケース12の左右方向に間隔を隔てて配置されており、下ケース16の後壁16Bの内面及び底板16Aの内面に一体化されている。第1傾斜台20Aは、傾斜面20A1を有しており、傾斜面20A1は、後壁16Bの内面から底板16Aの内面に向けて下り傾斜している。また、第2傾斜台20Bは、傾斜面20B1を有しており、傾斜面20B1も、後壁16Bの内面から底板16Aの内面に向けて下り傾斜している。
支持部材20の前方側には、一対の位置規制リブ22が左右方向に間隔を隔てて配置されている。一対の位置規制リブ22は、底板16Aの内面に立設されており、支持部材20に配置された状態のカートリッジメモリ19の下端部の位置を規制する。
一例として図4に示すように、底板16Aの外面には基準面16A1が形成されている。基準面16A1は、平面である。ここで、平面とは、底板16Aを下側にして下ケース16を水平面に置いた場合において、水平面に対して平行な面を指す。ここで、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。支持部材20の傾斜角度θ、すなわち、傾斜面20A1及び傾斜面20B1(図3参照)の傾斜角度は、基準面16A1に対して45度である。なお、45度は、あくまでも一例に過ぎず、“0度<傾斜角度θ<45度”であってもよいし、45度以上であってもよい。
カートリッジメモリ19は、基板26を備えている。基板26は、基板26の裏面26Aを下側に向けて支持部材20上に置かれ、支持部材20は、基板26の裏面26Aを下方から支持する。基板26の裏面26Aの一部は、支持部材20の傾斜面、すなわち、傾斜面20A1及び20B1(図3参照)に接触しており、基板26の表面26Bは、上ケース14の天板14Aの内面14A1側に露出している。
上ケース14は、複数のリブ24を備えている。複数のリブ24は、ケース12の左右方向に間隔を隔てて配置されている。複数のリブ24は、上ケース14の天板14Aの内面14A1から下側に突設されており、各リブ24の先端面24Aは、傾斜面20A1及び20B1(図3参照)に対応した傾斜面を有する。すなわち、各リブ24の先端面24Aは、基準面16A1に対して45度に傾斜している。
カートリッジメモリ19が支持部材20に配置された状態で、上述したように上ケース14が下ケース16に接合されると、各リブ24の先端面24Aは、基板26に対して表面26B側から接触し、基板26は、各リブ24の先端面24Aと支持部材20の傾斜面20A1及び20B1(図3参照)とで挟み込まれる。これにより、カートリッジメモリ19の上下方向の位置がリブ24によって規制される。
一例として図5に示すように、磁気テープドライブ30は、搬送装置34、磁気ヘッド36、及び制御装置38を備えている。磁気テープドライブ30には、磁気テープカートリッジ10が装填される。磁気テープドライブ30は、磁気テープカートリッジ10から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTに磁気ヘッド36を用いてデータを記録し、かつ、引き出した磁気テープMTから磁気ヘッド36を用いてデータをリニアサーペンタイン方式で読み取る装置である。なお、本実施形態において、データの読み取りとは、換言すると、データの再生を指す。
制御装置38は、磁気テープドライブ30の全体の動作を制御する。本実施形態において、制御装置38は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御装置38は、FPGAによって実現されるようにしてもよい。また、制御装置38は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、制御装置38は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
搬送装置34は、磁気テープMTを順方向及び逆方向に選択的に搬送する装置であり、送出モータ40、巻取リール42、巻取モータ44、複数のガイドローラGR、及び制御装置38を備えている。なお、ここで、順方向とは、磁気テープMTの送り出し方向を指し、逆方向とは、磁気テープMTの巻き戻し方向を指す。
送出モータ40は、制御装置38の制御下で、磁気テープカートリッジ10内のカートリッジリール18を回転させる。制御装置38は、送出モータ40を制御することで、カートリッジリール18の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
磁気テープMTが巻取リール42によって巻き取られる場合(ロードする場合)には、制御装置38は、磁気テープMTが順方向に走行するように送出モータ40を回転させる。送出モータ40の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール42によって巻き取られる磁気テープMTの速度に応じて調整される。
巻取モータ44は、制御装置38の制御下で、巻取リール42を回転させる。制御装置38は、巻取モータ44を制御することで、巻取リール42の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
磁気テープMTが巻取リール42によって巻き取られる場合には、制御装置38は、磁気テープMTが順方向に走行するように巻取モータ44を回転させる。磁気テープMTをカートリッジリール18に巻き戻す場合(アンロードする場合)には、制御装置38は、磁気テープMTが逆方向に走行するように送出モータ40及び巻取モータ44を回転させる。巻取モータ44の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール42によって巻き取られる磁気テープMTの速度に応じて調整される。このようにして送出モータ40及び巻取モータ44の各々の回転速度及び回転トルク等が制御装置38によって調整されることで、磁気テープMTに張力が付与される。
本実施形態では、送出モータ40及び巻取モータ44の回転速度及び回転トルク等が制御されることにより磁気テープMTに掛けられる張力が制御されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープMTに掛けられる張力は、ダンサローラを用いて制御されるようにしてもよいし、バキュームチャンバに磁気テープMTを引き込むことによって制御されるようにしてもよい。
複数のガイドローラGRの各々は、磁気テープMTを案内するローラである。磁気テープMTの走行経路は、複数のガイドローラGRが磁気テープカートリッジ10と巻取リール42との間において磁気ヘッド36を跨ぐ位置に分けて配置されることによって定められている。
磁気ヘッド36は、磁気素子ユニット46及びホルダ48を備えている。磁気素子ユニット46は、走行中の磁気テープMTに接触するようにホルダ48によって保持されている。磁気素子ユニット46は、搬送装置34によって搬送される磁気テープMTにデータを記録したり、搬送装置34によって搬送される磁気テープMTからデータを読み取ったりする。
磁気テープドライブ30は、非接触式読み書き装置50Aを備えている。非接触式読み書き装置50Aは、本開示の技術に係る「非接触式通信装置」の一例である。非接触式読み書き装置50Aは、磁気テープカートリッジ10が装填された状態の磁気テープカートリッジ10の下側にてカートリッジメモリ19の裏面26Aに正対するように配置されている。なお、磁気テープカートリッジ10が磁気テープドライブ30に装填された状態とは、例えば、磁気ヘッド36による磁気テープMTに対するデータの読み取りを開始する位置として事前に定められた位置に、磁気テープカートリッジ10が到達した状態を指す。
一例として図6に示すように、非接触式読み書き装置50Aは、磁気テープカートリッジ10の下側からカートリッジメモリ19に向けて磁界MFを放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ19を貫通する。
一例として図7に示すように、非接触式読み書き装置50Aは、制御装置38に接続されている。制御装置38は、制御信号を非接触式読み書き装置50Aに出力する。制御信号は、カートリッジメモリ19を制御する信号である。非接触式読み書き装置50Aは、制御装置38から入力された制御信号に従って、磁界MFをカートリッジメモリ19に向けて放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ19の裏面26A側から表面26B側に貫通する。
非接触式読み書き装置50Aは、カートリッジメモリ19との間で非接触通信を行うことで、制御信号に応じたコマンドをカートリッジメモリ19に与える。より詳しく説明すると、非接触式読み書き装置50Aは、制御装置38の制御下で、コマンドをカートリッジメモリ19に空間伝送する。詳しくは後述するが、コマンドは、カートリッジメモリ19に対する指令を示す信号である。
なお、ここでは、制御装置38の制御下で、非接触式読み書き装置50Aがコマンドをカートリッジメモリ19に空間伝送する形態例を挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープカートリッジ10が製造される段階、磁気テープカートリッジ10が検品される段階、又は磁気テープカートリッジ10が出荷される段階では、非接触式読み書き装置50B(図30参照)が、制御装置38とは異なる制御装置の制御下で、コマンドをカートリッジメモリ19に空間伝送する。
コマンドが非接触式読み書き装置50Aからカートリッジメモリ19に空間伝送される場合、磁界MFには、非接触式読み書き装置50Aによって、制御装置38からの指示に応じたコマンドが含まれる。換言すると、磁界MFには、非接触式読み書き装置50Aによってコマンドが重畳される。すなわち、非接触式読み書き装置50Aは、制御装置38の制御下で、磁界MFを介してコマンドをカートリッジメモリ19に送信する。
カートリッジメモリ19の表面26Bには、ICチップ52及びコンデンサ54が搭載されている。ICチップ52及びコンデンサ54は、表面26Bに接着されている。また、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及びコンデンサ54は封止材56によって封止されている。ここでは、封止材56として、紫外線に反応して硬化する紫外線硬化樹脂が採用されている。なお、紫外線硬化樹脂は、あくまでも一例に過ぎず、紫外線以外の波長域の光に反応して硬化する光硬化樹脂を封止材56として使用してもよいし、熱硬化性樹脂を封止材56として使用してもよいし、他の接着剤を封止材56として使用してもよい。
一例として図8に示すように、カートリッジメモリ19の裏面26Aには、アンテナコイル60がループ状に形成されている。ここでは、アンテナコイル60の素材として、銅箔が採用されている。銅箔は、あくまでも一例に過ぎず、例えば、アルミニウム箔等の他種類の導電性素材であってもよい。アンテナコイル60は、非接触式読み書き装置50から与えられた磁界MF(図6及び図7参照)が作用することで誘導電流を誘起する。
カートリッジメモリ19の裏面26Aには、第1導通部62A及び第2導通部62Bが設けられている。第1導通部62A及び第2導通部62Bは、はんだを有しており、表面26BのICチップ52(図7及び図9参照)及びコンデンサ54(図7及び図9参照)に対してアンテナコイル60の両端部を電気的に接続している。
一例として図9に示すように、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及びコンデンサ54は、ワイヤ接続方式で互いに電気的に接続されている。具体的には、ICチップ52の正極端子及び負極端子のうちの一方の端子が配線64Aを介して第1導通部62Aに接続されており、他方の端子が配線64Bを介して第2導通部62Bに接続されている。また、コンデンサ54は、一対の電極を有する。図9に示す例では、一対の電極は、電極54A及び54Bである。電極54Aは、配線64Cを介して第1導通部62Aに接続されており、電極54Bは、配線64Dを介して第2導通部62Bに接続されている。これにより、アンテナコイル60に対して、ICチップ52及びコンデンサ54は並列に接続される。
一例として図10に示すように、ICチップ52は、内蔵コンデンサ80、電源回路82、コンピュータ84、クロック信号生成器86、信号処理回路88、及び電力測定回路90を備えている。ICチップ52は、磁気テープカートリッジ10以外の用途にも使用可能な汎用タイプのICチップである。
カートリッジメモリ19は、電力生成器70を備えている。電力生成器70は、非接触式読み書き装置50Aから与えられた磁界MFがアンテナコイル60に対して作用することで電力を生成する。具体的には、電力生成器70は、共振回路92を用いて交流電力を生成し、生成した交流電力を直流電力に変換して出力する。
電力生成器70は、電源回路82及び共振回路92を有する。共振回路92は、コンデンサ54、アンテナコイル60、及び内蔵コンデンサ80を備えている。内蔵コンデンサ80は、ICチップ52に内蔵されているコンデンサであり、電源回路82もICチップ52に内蔵されている回路である。内蔵コンデンサ80は、アンテナコイル60に対して並列に接続されている。
コンデンサ54は、ICチップ52に対して外付けされたコンデンサである。ICチップ52は、本来、磁気テープカートリッジ10とは異なる用途でも用いることが可能な汎用のICチップである。そのため、内蔵コンデンサ80の容量は、磁気テープカートリッジ10で用いられるカートリッジメモリ19で要求される共振周波数を実現するには不足している場合がある。そこで、カートリッジメモリ19では、磁界MFが作用することで共振回路92を予め定められた共振周波数で共振させる上で必要な容量値を有するコンデンサとして、ICチップ52に対してコンデンサ54が後付けされている。なお、予め定められた共振周波数は、磁界MFの周波数に相当する周波数(例えば、13.56MHz)であり、カートリッジメモリ19及び/又は非接触式読み書き装置50の仕様等によって適宜決定されればよい。また、コンデンサ54の容量は、内蔵コンデンサ80の容量の実測値に基づいて定められている。また、ここでは、コンデンサ54が外付けされている形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されず、ICチップ52に対してコンデンサ54が事前に組み込まれていてもよい。
共振回路92は、磁界MFがアンテナコイル60を貫通することでアンテナコイル60によって誘起された誘導電流を用いて、予め定められた共振周波数の共振現象を発生させることで交流電力を生成し、生成した交流電力を電源回路82に出力する。
電源回路82は、整流回路及び平滑回路等を有する。整流回路は、複数のダイオードを有する全波整流回路である。全波整流回路は、あくまでも一例に過ぎず、半波整流回路であってもよい。平滑回路は、コンデンサ及び抵抗を含んで構成されている。電源回路82は、共振回路92から入力された交流電力を直流電力に変換し、変換して得た直流電力(以下、単に「電力」とも称する)をICチップ52内の各種の駆動素子に供給する。電源回路82によって生成される電力は、磁界MFの強度が大きいほど制限範囲内で大きくなる。
電力の供給先である各種の駆動素子としては、コンピュータ84、クロック信号生成器86、及び信号処理回路88が挙げられる。電力生成器70によってICチップ52内の各種の駆動素子に対して電力が供給されることで、ICチップ52は、電力生成器70によって生成された電力を用いて動作する。
コンピュータ84は、カートリッジメモリ19の全体の動作を制御する。クロック信号生成器86は、クロック信号を生成して信号処理回路88等に出力する。信号処理回路88等は、クロック信号生成器86から入力されたクロック信号に従って動作する。クロック信号生成器86は、コンピュータ84の指示に従って、クロック信号の周波数を変更する。
信号処理回路88は、共振回路92に接続されている。信号処理回路88は、復号回路(図示省略)及び符号化回路(図示省略)を有する。信号処理回路88の復号回路は、アンテナコイル60によって受信された磁界MFからのコマンドを抽出して復号し、コンピュータ84に出力する。コンピュータ84は、コマンドに対する応答信号を信号処理回路88に出力する。すなわち、コンピュータ84は、信号処理回路88から入力されたコマンドに応じた処理を実行し、処理結果を応答信号として信号処理回路88に出力する。コンピュータ84から応答信号が入力されると、信号処理回路88の符号化回路は、応答信号を符号化することで変調して共振回路92に出力する。共振回路92は、信号処理回路88の符号化回路から入力された応答信号を、磁界MFを介して非接触式読み書き装置50Aに送信する。
電力測定回路90は、本開示の技術に係る「測定回路」の一例であり、電源回路82によって生成された電力を測定し、測定した電力に関する情報である電力情報110をコンピュータ84に出力する。これにより、コンピュータ84は、電力測定回路90から入力された電力情報110に応じた処理を実行することが可能となる。
一例として図11に示すように、コンピュータ84は、CPU94、NVM96、及びRAM98を備えている。CPU94、NVM96、及びRAM98は、バス99に接続されている。
CPU94は、コンピュータ84の動作を制御する。NVM96の一例としては、EEPROMが挙げられる。EEPROMは、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、EEPROMに代えて強誘電体メモリであってもよく、ICチップ52に搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。NVM96には、管理情報100(図12参照)等が記憶されている。RAM98は、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。RAM98の一例としては、DRAM又はSRAM等が挙げられる。
また、バス99には、クロック信号生成器86、信号処理回路88、及び電力測定回路90も接続されている。従って、CPU94は、クロック信号生成器86からクロック信号を取得したり、信号処理回路88との間で信号の授受を行ったり、電力測定回路90から電力情報110を取得したりすることができる。
CPU94は、信号処理回路88から入力されたコマンドに応じた処理を実行する。コマンドの種類としては、例えば、ポーリングコマンド、読出コマンド、及び書込コマンド等が挙げられる。CPU94は、信号処理回路88から入力されたポーリングコマンドに応じてポーリング処理を実行する。
ポーリング処理は、非接触式読み書き装置50との間で通信を確立する処理であり、例えば、読出処理及び書込処理の前段階の準備処理として行われる。CPU94は、信号処理回路88から入力された読出コマンドに応じて読出処理を実行する。読出処理は、NVM96から管理情報100(図12参照)等を読み出す処理である。CPU94は、信号処理回路88から入力された書込コマンドに応じて書込処理を実行する。書込処理は、NVM96に管理情報100(図12参照)等を書き込む処理である。
また、コマンドの種類としては、ポーリングコマンド、読出コマンド、及び書込コマンド以外にも、例えば、電力情報送信要求コマンド及び識別子送信要求コマンドが挙げられる。CPU94は、信号処理回路88から入力された電力情報送信要求コマンドに応じて電力情報送信処理を実行する。電力情報送信処理は、電力測定回路90から電力情報110を取得し、取得した電力情報110を応答信号として信号処理回路88等を介して非接触式読み書き装置50Aに送信する処理である。CPU94は、信号処理回路88から入力された識別子送信要求コマンドに応じて識別子送信処理を実行する。識別子送信処理は、NVM96から後述の識別子106(図12参照)を取得し、取得した識別子106を応答信号として信号処理回路88等を介して非接触式読み書き装置50Aに送信する処理である。
一例として図12に示すように、NVM96は、管理情報記憶ブロック102及びプログラム記憶ブロック104を含む複数の記憶ブロックを有する。管理情報記憶ブロック102には、管理情報100が記憶されている。管理情報100は、CM識別子106A及びカートリッジ識別子106Bを含む情報である。CM識別子106Aとは、カートリッジメモリ19を特定可能な識別子(例えば、カートリッジメモリ19の製造シリアル番号)を指す。カートリッジ識別子106Bとは、磁気テープカートリッジ10を特定可能な識別子(例えば、磁気テープカートリッジ10の製造シリアル番号)を指す。なお、以下では、CM識別子106A及びカートリッジ識別子106Bを特に区別して説明する必要がない場合、識別子106と表記する。
プログラム記憶ブロック104には、CM応答処理プログラム108が記憶されている。一例として図13に示すように、CPU94は、プログラム記憶ブロック104からCM応答処理プログラム108を読み出し、読み出したCM応答処理プログラム108をRAM98上で実行する。CPU94は、RAM98上で実行するCM応答処理プログラム108に従ってCM応答処理(図28参照)を行う。CM応答処理は、CPU94がCM応答処理プログラム108に従って取得部94A及び通信部94Bとして動作することによって実現される。
上述したように、ポーリング処理が実行されることによって非接触式読み書き装置50Aと通信部94Bとの間で通信が確立すると、一例として図14に示すように、通信部94Bは、非接触式読み書き装置50Aから与えられたコマンドに応じた応答信号を非接触式読み書き装置50Aに送信する。非接触式読み書き装置50Aが電力情報送信要求コマンドを送信すると、通信部94Bは、アンテナコイル60を介して電力情報送信要求コマンドを受信する。そして、取得部94Aは、通信部94Bによって電力情報送信要求コマンドが受信されると、電力測定回路90から電力情報110を取得する。
本実施形態では、電力情報110の一例として、電源回路82によって既定期間内に生成された電力の変動傾向を示す情報が用いられている。ここで、既定期間とは、例えば、数ミリ秒~数百ミリ秒の一定時間で区切られた期間を指す。既定期間は、固定値であってもよいし、ICチップ52の動作状況、及び/又は、外部(例えば、非接触式読み書き装置50A)から与えられたコマンド等に応じて変更される可変値であってもよい。また、電力の変動傾向とは、例えば、電力の経時変化を指す。電力の経時変化は、リアルタイムで測定された電力の絶対値の経時変化であってもよいし、電力の移動平均値の経時変化であってもよい。また、電力の変動傾向は、電力の増減の傾向であってもよい。電力の増減は、リアルタイムで測定された電力の絶対値の増減であってもよいし、電力の移動平均値の増減であってもよい。
また、本実施形態において、電力情報110は、電力の相対値で規定された情報である。ここで、電力の相対値とは、電源回路82によって生成される最大の電力に対する現在の電力(例えば、現在の電力の絶対値)の割合を指す。また、本開示の技術はこれに限定される必要はなく、電力情報110は、電力の基準値との相違度で規定された情報であってもよいし、単純な電力の絶対値で規定された情報であってもよい。ここで、基準値とは、例えば、基準の電力として予め定められた電力(例えば、一定期間内に測定された電力の絶対値の移動平均値)を指す。従って、電力の基準値との相違度とは、現在の電力(例えば、現在の電力の絶対値)と基準値との差分、又は、現在の電力及び基準値のうちの一方に対する他方の割合等であってもよい。
通信部94Bは、取得部94Aによって取得された電力情報110を、電力情報送信要求コマンドに対する応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信する。非接触式読み書き装置50Aは、通信部94Bから応答信号として送信された電力情報110を受信する。具体的には、通信部94Bから応答信号として送信された電力情報110は、後述の送受信装置112(図15参照)によって受信される。
また、非接触式読み書き装置50Aが識別子送信要求コマンドを送信すると、通信部94Bは、アンテナコイル60を介して識別子送信要求コマンドを受信する。そして、取得部94Aは、通信部94Bによって識別子送信要求コマンドが受信されると、管理情報記憶ブロック102から識別子106を取得する。
通信部94Bは、取得部94Aによって取得された識別子106を、識別子送信要求コマンドに対する応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信する。非接触式読み書き装置50Aは、通信部94Bから応答信号として送信された識別子106を受信する。なお、ここでは、CM識別子106A及びカートリッジ識別子106Bが応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信される形態例を挙げて説明しているが、これはあくまでも一例に過ぎず、CM識別子106A及びカートリッジ識別子106Bのうちの一方が応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信されるようにしてもよい。
一例として図15に示すように、非接触式読み書き装置50Aは、送受信装置112、コンピュータ114、受付デバイス116、及びディスプレイ118を備えている。送受信装置112は、カートリッジメモリ19に対して磁界MF(図6及び図7参照)を付与することでカートリッジメモリ19内に対して電力を誘起させ、かつ、カートリッジメモリ19と電磁誘導により結合することでカートリッジメモリ19との間で情報の送受信を行う。ここで、情報の送受信とは、例えば、上述したコマンドのカートリッジメモリ19への送信と、カートリッジメモリ19からの応答信号の受信とを指す。
送受信装置112は、アンテナコイル120及び通信回路122を備えている。通信回路122は、コンピュータ114に接続されており、コンピュータ114からの指示に従って動作する。通信回路122にはアンテナコイル120が接続されており、通信回路122は、コンピュータ114からの指示に従って、アンテナコイル120から磁界MFを放出する。詳しくは後述するが、磁界MFの強度は、コンピュータ114からの指示に従って通信回路122によって調整される。
通信回路122は、コンピュータ114からの指示に従って磁界MF(図6及び図7参照)にコマンドを重畳させることでカートリッジメモリ19にコマンドを送信する。また、通信回路122は、カートリッジメモリ19によって磁界MFに重畳された応答信号を、アンテナコイル120を介して受信し、受信した応答信号を復号してコンピュータ114に出力する。コンピュータ114は、通信回路122から入力された応答信号に従って動作する。
コンピュータ114には、受付デバイス116及びディスプレイ118が接続されている。受付デバイス116は、ハードキー及び/又はタッチパネル等であり、非接触式読み書き装置50Aの使用者等(以下、単に「使用者等」とも称する)からの指示を受け付ける。コンピュータ114は、受付デバイス116によって受け付けられた指示に従って動作する。ディスプレイ118は、本開示の技術に係る「提示装置」の一例であり、コンピュータ114の制御下で各種情報を表示する。ディスプレイ118の一例としては、ELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。なお、ここでは、情報を提示する具体的手段の一例としてディスプレイ118を例示しているが、これに限らず、ディスプレイ118に代えて、又は、ディスプレイ118と共に、スピーカ、バイブレータ、及び/又はプリンタ等を用いてもよく、使用者等に必要な情報を提示することが可能な提示装置であればよい。
一例として図16に示すように、コンピュータ114は、CPU124、NVM126、及びRAM128を備えている。CPU124、NVM126、及びRAM128は、バス130に接続されている。
CPU124は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例であり、コンピュータ114の動作を制御する。NVM126の一例としては、EEPROMが挙げられる。EEPROMは、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、EEPROMに代えて強誘電体メモリであってもよく、非接触式読み書き装置50Aに搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。RAM128は、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。RAM128の一例としては、DRAM又はSRAM等が挙げられる。
バス130には、受付デバイス116及びディスプレイ118も接続されている。従って、CPU124は、受付デバイス116によって受け付けられた指示を把握したり、ディスプレイ118を制御したりすることができる。また、バス130には、通信回路122も接続されている。従って、CPU124は、通信回路122を制御することで磁界MFを発生させたり、磁界MFの強度を調整したり、変調したコマンドを磁界MFに重畳させることでカートリッジメモリ19に送信したり、通信回路122によって復号された応答信号を取得したりすることができる。
一例として図17に示すように、NVM126は、プログラム記憶ブロック132及びテーブル記憶ブロック134を含む複数の記憶ブロックを有する。プログラム記憶ブロック132には、支援処理プログラム136が記憶されている。なお、支援処理プログラム136は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。
ところで、非接触式読み書き装置50Aからカートリッジメモリ19までの距離、及び/又は、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との位置関係等は、磁気テープカートリッジ10の仕様及び/又は製造誤差等によって、ばらつくことが予想される。このようなばらつきは、磁界MFが作用することによってカートリッジメモリ19内で生成される電力にも影響を及ぼすことが予想される。カートリッジメモリ19内での電力を安定させるためには、磁気テープカートリッジ10とカートリッジメモリ19との組み合わせ毎に最適な磁界MFの強度を予め定めておくことが好ましい。
そこで、本実施形態に係る非接触式読み書き装置50Aでは、テーブル記憶ブロック134に磁界強度テーブル138が記憶されている。磁界強度テーブル138は、識別子106と最適磁界強度とが対応付けられたテーブルである。具体的には、磁界強度テーブル138では、カートリッジ識別子106B毎に、複数のCM識別子106Aの各々に対して最適磁界強度が対応付けられている。カートリッジ識別子106Bに対して対応付けられているCM識別子106Aは、カートリッジ識別子106Bにより特定される磁気テープカートリッジ10に搭載されているカートリッジメモリ19を特定する識別子である。カートリッジ識別子106BについてCM識別子106A毎に対応付けられている最適磁界強度は、カートリッジ識別子106Bにより特定される磁気テープカートリッジ10に搭載されているカートリッジメモリ19に対して付与する磁界MFの最適な強度として予め定められた強度である。磁界MFの最適な強度として予め定められた強度は、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、カートリッジメモリ19を安定して動作させるのに要する磁界MFの強度として予め導き出された強度である。
一例として図18に示すように、CPU124は、プログラム記憶ブロック132から支援処理プログラム136を読み出し、読み出した支援処理プログラム136をRAM128上で実行する。CPU124は、RAM128上で実行する支援処理プログラム136に従って支援処理(図24参照)を行う。支援処理は、送受信装置112(図15参照)によって受信された電力情報110(図14参照)に基づいて、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信を支援する処理である。なお、CPU124によって行われる支援処理を含む処理は、本開示の技術に係る「特定処理」の一例である。
支援処理は、条件設定処理、磁界強度制御処理、及び提示処理を含む処理である。CPU124は、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示に従って、条件設定処理、磁界強度制御処理、及び提示処理を選択的に実行する。処理実行指示は、条件設定処理実行指示、磁界強度制御処理実行指示、及び提示処理実行指示の何れかである。受付デバイス116によって条件設定処理実行指示が受け付けられると、CPU124によって条件設定処理が実行される。受付デバイス116によって磁界強度制御処理実行指示が受け付けられると、CPU124によって磁界強度制御処理が実行される。受付デバイス116によって提示処理実行指示が受け付けられると、CPU124によって提示処理が実行される。
条件設定処理は、送受信装置112(図15参照)によって受信された電力情報110(図14参照)に基づいて既定状態到達条件を満足させる処理である。ここで、既定状態到達条件とは、カートリッジメモリ19内の電力、すなわち、電力測定回路90によって測定された電力の状態を既定状態に到達させる条件を指す。電力の状態を既定状態に到達させる条件とは、磁界MFの強度が電力の状態を既定状態に到達させる強度である、という条件を指す。なお、既定状態とは、カートリッジメモリ19の動作が安定した状態を指す。ここで、「カートリッジメモリ19の動作が安定した状態」とは、例えば、カートリッジメモリ19が電力不足に陥ることなく、ICチップ52が、非接触式読み書き装置50Aから与えられたコマンドに応じた処理を滞りなく実行可能な状態を指す。
磁界強度制御処理は、送受信装置112(図15参照)によって受信された電力情報110(図14参照)に基づいて磁界MFの強度を制御する処理である。提示処理は、送受信装置112(図15参照)によって受信された電力情報110(図14参照)に基づく参考情報144(図23参照)をディスプレイ118(図16及び図23参照)に対して表示させる処理である。
一例として図19に示すように、通信回路122は、磁界強度パラメータ140を保持している。磁界強度パラメータ140は、本開示の技術に係る「パラメータ」の一例である。磁界強度パラメータ140は、磁界MFの強度を調整するパラメータであり、CPU124によって制御される。通信回路122は、アンテナコイル120から放出させる磁界MFの強度を、CPU124によって制御される磁界強度パラメータ140に従って調整する。この場合、例えば、磁界強度パラメータ140の値が増減すると、これに伴って磁界MFの強度も増減する。
条件設定処理では、CPU124が、通信回路122に対して電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させる。これに応じて、カートリッジメモリ19から電力情報110が送受信装置112へ送信される。送受信装置112は、カートリッジメモリ19から送信された電力情報110を受信し、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110を取得する。
条件設定処理では、CPU124が、送受信装置112から取得した電力情報110を参照して、既定状態到達条件を満足させるように磁界強度パラメータ140を調整する。CPU124は、送受信装置112から取得した電力情報110と、カートリッジメモリ19の動作を安定させる電力として予め定められた電力(以下、「比較対象電力」とも称する)とを比較し、比較結果を参照して、磁界MFの強度が電力の状態を既定状態に到達させる強度になるように磁界強度パラメータ140を調整する。すなわち、CPU124は、送受信装置112から取得した電力情報110が比較対象電力よりも小さい場合に、カートリッジメモリ19内の電力、すなわち、電力測定回路90によって測定される電力を、少なくとも比較対象電力に相当する電力に到達させる磁界MFの強度が実現されるように磁界強度パラメータ140を調整する。
一例として図20に示すように、磁界強度制御処理では、CPU124が、通信回路122に対して電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させる。これに応じて、カートリッジメモリ19から電力情報110が送受信装置112へ送信される。送受信装置112は、カートリッジメモリ19から送信された電力情報110を受信し、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110を取得する。
磁界強度制御処理では、CPU124が、通信回路122に対して識別子送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させる。これに応じて、カートリッジメモリ19から識別子106が送受信装置112へ送信される。送受信装置112は、カートリッジメモリ19から送信された識別子106を受信し、CPU124は、送受信装置112によって受信された識別子106を取得する。
一例として図21に示すように、磁界強度制御処理では、CPU124が、送受信装置112から取得した識別子106に対応する最適磁界強度を磁界強度テーブル138から導出する。すなわち、CPU124は、送受信装置112から取得したカートリッジ識別子106B及びCM識別子106Aに対応する最適磁界強度を磁界強度テーブル138から導出する。
一例として図22に示すように、磁界強度制御処理では、CPU124が、送受信装置112から取得した電力情報110から現在の磁界MFの強度を推定する。磁界MFの強度の推定は、磁界強度演算式142を用いて行われる。磁界強度演算式142は、電力情報110を独立変数とし、磁界MFの強度を従属変数とした演算式である。そのため、CPU124は、電力情報110を磁界強度演算式142に代入することで現在の磁界MFの強度を算出する。ここで、磁界強度演算式142を用いた演算結果をそのまま現在の磁界MFの強度としてもよいが、CPU124は、過去の複数の演算結果と最新の演算結果とを用いて現在の磁界MFの強度を推定するようにしてもよい。この場合、現在の磁界MFの強度を推定する方法の一例としては、補間法(例えば、外挿)を用いた方法が挙げられる。
なお、ここでは、磁界強度演算式142を例示しているが、これはあくまでも一例に過ぎず、電力情報110と磁界MFの強度とが1対1で対応付けられたテーブルから磁界MFの強度が導出(推定)されるようにしてもよい。また、CPU124は、学習済みの機械学習モデルを用いて現在の磁界MFの強度を推定するようにしてもよい。
ここで、CPU124は、カートリッジメモリ19に対して適用される磁界MFの強度として予め定められた強度よりも高い強度で磁界MFを発生させる。具体的には、電力情報110から推定した現在の磁界MFの強度が、識別子106に対応する磁界MFの強度、すなわち、磁界強度テーブル138から導出された磁界MFの強度以下の場合に、CPU124が、識別子106に対応する磁界MFの強度よりも大きな磁界MFの強度にするように磁界強度パラメータ140を調整する。これにより、識別子106に対応する磁界MFの強度よりも大きな強度の磁界MFがアンテナコイル120からカートリッジメモリ19に放出される。
このように、識別子106に対応する磁界MFの強度よりも大きな強度の磁界MFがアンテナコイル120からカートリッジメモリ19に放出された状態で、CPU124は、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との通信を確立させる。CPU124は、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との通信を確立させた状態で、磁界MFの強度を特定強度に変更する。
ここで、特定強度とは、例えば、識別子106に対応する磁界MFの強度、すなわち、磁界強度テーブル138から導出された磁界MFの強度を指す。つまり、CPU124は、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との通信を確立させた状態で、磁界MFの強度を、識別子106に対応する磁界MFの強度にするように磁界強度パラメータ140を調整する。
このように、識別子106に対応する磁界MFの強度、すなわち、磁界強度テーブル138から導出された磁界MFの強度に対応する磁界強度パラメータ140がCPU124によって設定されることで、アンテナコイル120からカートリッジメモリ19に放出される磁界MFの強度が、識別子106に対応する磁界MFの強度に相当する強度に変更される。
一例として図23に示すように、提示処理では、CPU124が、通信回路122に対して電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させる。これに応じて、カートリッジメモリ19から電力情報110が送受信装置112へ送信される。送受信装置112は、カートリッジメモリ19から送信された電力情報110を受信し、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110を取得する。CPU124は、送受信装置112から取得した電力情報110に基づいて参考情報144を生成する。参考情報144は、例えば、電力情報110から特定される電力のレベル(以下「電力レベル」とも称する)を示す電力レベル情報である。図23に示す例では、参考情報144の一例として、安定電力レベルの下限値と電力レベルの経時変化とが対比可能なグラフが示されている。安定電力レベルとは、例えば、上述した既定状態を維持可能な電力レベルを指す。
CPU124は、ディスプレイ118に対して参考情報144を表示させる。図23に示す例では、安定電力レベルの下限値と電力レベルの経時変化とが対比可能なグラフがディスプレイ118に表示されている態様が示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、ディスプレイ118に対して、グラフと共に、又は、グラフに代えて、最新の電力レベルを示す数値を表示させるようにしてもよいし、ディスプレイ118に対して、最新の電力レベルと、安定電力レベルの下限値との両方を対比可能に数値で表示させるようにしてもよい。また、電力レベルが安定電力レベルの下限値以上の場合に、電力レベルが安定電力レベルの下限値以上であることを示す情報(例えば、画像及び/又はメッセージ)がディスプレイ118に表示されるようにしてもよいし、電力レベルが安定電力レベルの下限値を下回った場合に、電力レベルが安定電力レベルの下限値を下回ったことを示す情報(例えば、画像及び/又はメッセージ)がディスプレイ118に表示されるようにしてもよい。また、ディスプレイ118による可視表示に限らず、ディスプレイ118による可視表示に代えて、又は、ディスプレイ118による可視表示と共に、スピーカ、バイブレータ、及び/又はプリンタを用いた情報の提示が行われるようにしてもよい。
次に、磁気テープシステム2の作用について図24~図28を参照しながら説明する。
図24は、支援処理プログラム136(図17及び図18参照)に従って非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行される支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図24に示す支援処理の流れは、本開示の技術に係る「非接触式通信装置の動作方法」の一例である。
図24に示す支援処理では、先ず、ステップST10で、CPU124は、受付デバイス116によって処理実行指示が受け付けられたか否かを判定する。ステップST10において、受付デバイス116によって処理実行指示が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、支援処理はステップST22へ移行する。ステップST10において、受付デバイス116によって処理実行指示が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、支援処理はステップST12へ移行する。
ステップST12で、CPU124は、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が条件設定処理実行指示であるか否かを判定する。ステップST12において、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が条件設定処理実行指示でない場合は、判定が否定されて、支援処理はステップST16へ移行する。ステップST12において、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が条件設定処理実行指示の場合は、判定が肯定されて、支援処理はステップST14へ移行する。
ステップST14で、CPU124は、一例として図25に示す条件設定処理を実行し、その後、支援処理はステップST22へ移行する。
一例として図25に示すように、条件設定処理では、先ず、ステップST14Aで、CPU124は、送受信装置112に対して、電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させ、その後、条件設定処理はステップST14Bへ移行する。電力情報送信要求コマンドがカートリッジメモリ19に送信されると、カートリッジメモリ19は、電力情報110を送信する(図28のステップST54参照)。
ステップST14Bで、CPU124は、送受信装置112によって電力情報110が受信されたか否かを判定する。ステップST14Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信されていない場合は、判定が否定されて、ステップST14Bの判定が再び行われる。ステップST14Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信された場合は、判定が肯定されて、条件設定処理はステップST14Cへ移行する。
ステップST14Cで、CPU124は、既定状態設定条件を満足しているか否かを判定する。ステップST14Cにおいて、既定状態設定条件を満足している場合は、判定が肯定されて、条件設定処理はステップST14Eへ移行する。ステップST14Cにおいて、既定状態設定条件を満足していない場合は、判定が否定されて、条件設定処理はステップST14Dへ移行する。
ステップST14Dで、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110を取得し、取得した電力情報110を参照して既定状態到達条件を満足させるように磁界強度パラメータ140を調整し、その後、条件設定処理はステップST14Eへ移行する。
ステップST14Eで、CPU124は、条件設定処理を終了する条件(以下、「条件設定処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。条件設定処理終了条件の第1の例としては、条件設定処理の実行が開始されてから第1既定時間(例えば、数十秒から数百秒の範囲内で予め指定された時間)が経過した、という条件が挙げられる。条件設定処理終了条件の第2の例としては、ステップST14Dの処理の実行回数が第1既定回数(例えば、数回から数百回の範囲内で予め定められた回数)に達した、という条件が挙げられる。条件設定処理終了条件の第3の例としては、条件設定処理を終了させる指示が受付デバイス116によって受け付けられたという条件が挙げられる。
ステップST14Eにおいて、条件設定処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、条件設定処理はステップST14Aへ移行する。ステップST14Eにおいて、条件設定処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、条件設定処理が終了する。
図24に示す支援処理において、ステップST16で、CPU124は、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が磁界強度制御処理実行指示であるか否かを判定する。ステップST16において、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が磁界強度制御処理実行指示でない場合(受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が提示処理実行指示の場合)は、判定が否定されて、支援処理はステップST20へ移行する。ステップST16において、受付デバイス116によって受け付けられた処理実行指示が磁界強度制御処理実行指示の場合は、判定が肯定されて、支援処理はステップST18へ移行する。
ステップST18で、CPU124は、一例として図26に示す磁界強度制御処理を実行し、その後、支援処理はステップST22へ移行する。
一例として図26に示すように、磁界強度制御処理では、先ず、ステップST18Aで、CPU124は、送受信装置112に対して、電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させ、その後、磁界強度制御処理はステップST18Bへ移行する。電力情報送信要求コマンドがカートリッジメモリ19に送信されると、カートリッジメモリ19は、電力情報110を送信する(図28のステップST54参照)。
ステップST18Bで、CPU124は、送受信装置112によって電力情報110が受信されたか否かを判定する。ステップST18Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信されていない場合は、判定が否定されて、ステップST18Bの判定が再び行われる。ステップST18Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信された場合は、判定が肯定されて、磁界強度制御処理はステップST18Cへ移行する。
ステップST18Cで、CPU124は、送受信装置112に対して、識別子送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させ、その後、磁界強度制御処理はステップST18Dへ移行する。識別子送信要求コマンドがカートリッジメモリ19に送信されると、カートリッジメモリ19は、識別子106を送信する(図28のステップST60参照)。
ステップST18Dで、CPU124は、送受信装置112によって識別子106が受信されたか否かを判定する。ステップST18Dにおいて、送受信装置112によって識別子106が受信されていない場合は、判定が否定されて、ステップST18Dの判定が再び行われる。ステップST18Dにおいて、送受信装置112によって識別子106が受信された場合は、判定が肯定されて、磁界強度制御処理はステップST18Eへ移行する。
ステップST18Eで、CPU124は、送受信装置112によって受信された識別子106(ステップST18Dで受信された識別子106)に対応する磁界MFの強度(最適磁界強度)を磁界強度テーブル138から導出し、その後、磁界強度制御処理はステップST18Fへ移行する。
ステップST18Fで、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110(ステップST18Bで受信された電力情報110)から、磁界強度演算式142を用いて現在の磁界MFの強度を推定し、その後、磁界強度制御処理はステップST18Gへ移行する。
ステップST18Gで、CPU124は、ステップST18Fで推定した現在の磁界MFの強度がステップST18Eで導出した磁界MFの強度以下であるか否かを判定する。ステップST18Gにおいて、ステップST18Fで推定した現在の磁界MFの強度がステップST18Eで導出した磁界MFの強度以下でない場合は、判定が否定されて、磁界強度制御処理はステップST18Kへ移行する。ステップST18Gにおいて、CPU124は、ステップST18Fで推定した現在の磁界MFの強度がステップST18Eで導出した磁界MFの強度以下の場合は、判定が肯定されて、磁界強度制御処理はステップST18Hへ移行する。
ステップST18Hで、CPU124は、磁界MFの強度を、ステップST18Eで導出した磁界MFの強度よりも大きな強度にするように磁界強度パラメータ140を調整し、その後、磁界強度制御処理はステップST18Iへ移行する。
ステップST18Iで、CPU124は、通信回路122に対して、ポーリングコマンドをカートリッジメモリ19へ送信させる。そして、CPU124は、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との間の通信が確立したか否かを判定する。ステップST18Iにおいて、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との間の通信が確立していない場合は、判定が否定されて、ステップST18Iの判定が再び行われる。ステップST18Iにおいて、非接触式読み書き装置50Aとカートリッジメモリ19との間の通信が確立した場合は、判定が肯定されて、磁界強度制御処理はステップST18Jへ移行する。
ステップST18Jで、CPU124は、磁界MFの強度を、ステップST18Eで導出した磁界MFの強度にするように磁界強度パラメータ140を調整し、その後、磁界強度処理はステップST18Kへ移行する。
ステップST18Kで、CPU124は、磁界強度制御処理を終了する条件(以下、「磁界強度制御処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。磁界強度制御処理終了条件の第1の例としては、磁界強度制御処理の実行が開始されてから第2既定時間(例えば、第1既定時間と同じ時間)が経過した、という条件が挙げられる。磁界強度制御処理終了条件の第2の例としては、ステップST18Gの処理の実行回数が第2既定回数(例えば、第1既定回数と同じ回数)に達した、という条件が挙げられる。磁界強度制御処理終了条件の第3の例としては、磁界強度制御処理を終了させる指示が受付デバイス116によって受け付けられたという条件が挙げられる。
ステップST18Kにおいて、磁界強度制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、磁界強度制御処理はステップST18Aへ移行する。ステップST18Kにおいて、磁界強度制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、磁界強度制御処理が終了する。
図24に示す支援処理において、ステップST20で、CPU124は、一例として図27に示す提示処理を実行し、その後、支援処理はステップST22へ移行する。
一例として図27に示すように、提示処理では、先ず、ステップST20Aで、CPU124は、送受信装置112に対して、電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19へ送信させ、その後、提示処理はステップST20Bへ移行する。電力情報送信要求コマンドがカートリッジメモリ19に送信されると、カートリッジメモリ19は、電力情報110を送信する(図28のステップST54参照)。
ステップST20Bで、CPU124は、送受信装置112によって電力情報110が受信されたか否かを判定する。ステップST20Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信されていない場合は、判定が否定されて、ステップST20Bの判定が再び行われる。ステップST20Bにおいて、送受信装置112によって電力情報110が受信された場合は、判定が肯定されて、提示処理はステップST20Cへ移行する。
ステップST20Cで、CPU124は、送受信装置112によって受信された電力情報110(ステップST20Bで受信された電力情報110)に基づいて参考情報144を生成し、その後、提示処理はステップST20Dへ移行する。
ステップST20Dで、CPU124は、ディスプレイ118に対して、ステップST20Cで生成した参考情報144を表示させ、その後、提示処理はステップST20Eへ移行する。
ステップST20Eで、CPU124は、提示処理を終了する条件(以下、「提示処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。提示処理終了条件の第1の例としては、提示処理の実行が開始されてから第3既定時間(例えば、第1既定時間と同じ時間)が経過した、という条件が挙げられる。提示処理終了条件の第2の例としては、ステップST20Dの処理の実行回数が第3既定回数(例えば、第1既定回数と同じ回数)に達した、という条件が挙げられる。提示処理終了条件の第3の例としては、提示処理を終了させる指示が受付デバイス116によって受け付けられたという条件が挙げられる。
ステップST20Eにおいて、提示処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、提示処理はステップST20Aへ移行する。ステップST20Eにおいて、提示処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、提示処理が終了する。
図24に示す支援処理において、ステップST22で、CPU124は、支援処理を終了する条件(以下、「支援処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。支援処理終了条件の第1の例としては、支援処理の実行が開始されてから第4既定時間(例えば、第1~第3既定時間よりも長い時間であって、事前に指定された時間)が経過した、という条件が挙げられる。支援処理終了条件の第2の例としては、ステップST14、ステップST18、及びステップST20の実行回数の累計が第4既定回数(例えば、第1~第3既定回数と同じ回数)に達した、という条件が挙げられる。支援処理終了条件の第3の例としては、支援処理を終了させる指示が受付デバイス116によって受け付けられたという条件が挙げられる。
ステップST22において、支援処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、提示処理はステップST10へ移行する。ステップST22において、支援処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、支援処理が終了する。
図28は、CM応答処理プログラム108(図12及び図13参照)に従って非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行されるCM応答処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図28に示すCM応答処理では、先ず、ステップST50で、通信部94Bは、非接触式読み書き装置50Aから送信された電力情報送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されたか否かを判定する。ステップST50において、電力情報送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されていない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST56へ移行する。ステップST50において、電力情報送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信された場合は、判定が肯定されて、CM応答処理はステップST52へ移行する。
ステップST52で、取得部94Aは、電力測定回路90から電力情報110を取得し、その後、CM応答処理はステップST54へ移行する。
ステップST54で、通信部94Bは、ステップST52で取得された電力情報110を、信号処理回路88を介して応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信し、その後、CM応答処理はステップST62へ移行する。
ステップST56で、通信部94Bは、非接触式読み書き装置50Aから送信された識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されたか否かを判定する。ステップST56において、識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されていない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST62へ移行する。ステップST56において、識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信された場合は、判定が肯定されて、CM応答処理はステップST58へ移行する。
ステップST58で、取得部94Aは、管理情報記憶ブロック102から識別子106を取得し、その後、CM応答処理はステップST60へ移行する。
ステップST60で、通信部94Bは、ステップST58で取得された識別子106を、信号処理回路88を介して応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信し、その後、CM応答処理はステップST62へ移行する。
ステップST62で、通信部94Bは、CM応答処理を終了する条件(以下、「CM応答処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。CM応答処理終了条件の一例としては、CM応答処理を終了させる指示が受付デバイス116によって受け付けられたという条件が挙げられる。ステップST62において、CM応答処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST50へ移行する。ステップST62において、CM応答処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、CM応答処理が終了する。
以上説明したように、磁気テープシステム2では、カートリッジメモリ19に対して磁界MFを作用させることによってカートリッジメモリ19内で誘起された電力が電力測定回路90によって測定され、測定された電力に関する電力情報110が、非接触式読み書き装置50Aの送受信装置112によって受信される。そして、非接触式読み書き装置50AのCPU124によって、送受信装置112で受信された電力情報110に基づいて支援処理が実行される。支援処理は、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信を支援する処理である。従って、本構成によれば、電力情報110に基づく支援処理が行われない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、磁気テープシステム2では、支援処理に含まれる処理として条件設定処理が非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行される。条件設定処理は、非接触式読み書き装置50Aの送受信装置112によって受信された電力情報110に基づいて、カートリッジメモリ19内の電力の状態を既定状態に到達させる条件、すなわち、既定状態到達条件を満足させる処理である。従って、本構成によれば、カートリッジメモリ19内の電力の状態を既定状態に到達させない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、磁気テープシステム2では、条件設定処理が非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行されることで、カートリッジメモリ19内の電力の状態を、カートリッジメモリ19の動作が安定した状態に到達させるようにしている。従って、本構成によれば、カートリッジメモリ19内の電力の状態を、カートリッジメモリ19の動作が安定した状態に到達させない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、磁気テープシステム2では、条件設定処理が非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行されることで、磁界MFの強度を、カートリッジメモリ19内の電力の状態を既定状態に到達させる強度にしている。従って、本構成によれば、磁界MFの強度を、カートリッジメモリ19内の電力の状態を既定状態に到達させる強度にしない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、磁気テープシステム2では、支援処理に含まれる処理として磁界強度制御処理が非接触式読み書き装置50AのCPU124によって実行される。磁界強度制御処理は、非接触式読み書き装置50Aの送受信装置112によって受信された電力情報110に基づいて磁界MFの強度を制御する処理である。従って、本構成によれば、電力情報110に基づいて磁界MFの強度が何ら制御されない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、磁気テープシステム2では、非接触式読み書き装置50AのCPU124によって磁界強度制御処理が実行されることで、カートリッジメモリ19に対して適用される磁界MFの強度として予め定められた強度(識別子106に対応する最適磁界強度)よりも高い強度で磁界MFを発生させるようにしている。従って、本構成によれば、カートリッジメモリ19に対して適用される磁界MFの強度として予め定められた強度以下の強度で磁界MFを発生させる場合に比べ、カートリッジメモリ19の動作を安定させることができる。
また、磁気テープシステム2では、非接触式読み書き装置50AのCPU124によって磁界強度制御処理が実行されることで、カートリッジメモリ19に対して適用される磁界MFの強度として予め定められた強度よりも高い強度で磁界MFを発生させ、これによってカートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間の通信を確立させる。そして、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間の通信を確立させた状態で、磁界MFの強度が特定強度(例えば、識別子106に対応する最適磁界強度)に変更される。従って、本構成によれば、カートリッジメモリ19に対して適用される磁界MFの強度として予め定められた強度よりも高い強度で常に磁界MFを発生させる場合に比べ、無駄な電力消費を抑制することができる。
また、磁気テープシステム2では、通信回路122の磁界強度パラメータ140がCPU124によって設定されることで磁界MFの強度が特定強度(例えば、識別子106に対応する最適磁界強度)に変更される。従って、本構成によれば、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの距離を調整することによってカートリッジメモリ19に対して付与される磁界MFの強度を強めたり弱めたりする場合に比べ、カートリッジメモリ19に対して最適な強度の磁界MFを付与することができる。
また、磁気テープシステム2では、電力情報110に基づく参考情報144がCPU124によってディスプレイ118に表示される。従って、本構成によれば、電力情報110に基づく参考情報144を使用者等に対して認識させることができる。
また、磁気テープシステム2では、ディスプレイ118に表示される参考情報144が電力情報110から特定される電力レベルを示す電力レベル情報である。従って、本構成によれば、電力情報110から特定される電力レベルを使用者等に対して認識させることができる。
また、磁気テープシステム2では、電力情報110として既定期間内での電力の変動傾向を示す情報が用いられている。従って、本構成によれば、既定期間内での電力の変動傾向が用いられない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信を、既定期間内での電力の変動傾向を考慮して安定させることができる。
また、磁気テープシステム2では、電力情報110が電力の相対値又は電力の基準との相違度で規定された情報とされている。従って、本構成によれば、電力情報110が電力の相対値又は電力の基準との相違度で規定された情報でない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信を、電力の相対値又は電力の基準との相違度を考慮して安定させることができる。
なお、上記実施形態では、支援処理に含まれる処理として、条件設定処理、磁界強度制御処理、及び提示処理を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、支援処理には、記憶処理が含まれていてもよい。ここで、記憶処理とは、電力情報110に基づく情報を記憶装置に記憶させる処理である。電力情報110に基づく情報の一例としては、参考情報144(図23参照)が挙げられる。また、ここで、記憶装置の一例としては、NVM126、及び/又は、非接触式読み書き装置50Aと通信可能に接続された外部装置(サーバ、パーソナル・コンピュータ、又はスマートデバイス等)のメモリ(例えば、非一時的記憶媒体)が挙げられる。また、記憶装置は、カートリッジメモリ19のNVM96であってもよい。この場合、例えば、非接触式読み書き装置50Aが参考情報144をNVM96に書き込む書込コマンドをカートリッジメモリ19に送信し、カートリッジメモリ19のICチップ52が書込コマンドに従ってNVM96に参考情報144が書き込まれるようにすればよい。
このように、支援処理に含まれる処理として記憶処理がCPU124によって実行されるようにすれば、電力情報110に基づく情報が記憶装置に何ら記憶されない場合に比べ、カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Aとの間での情報の送受信の安定に寄与することができる。
また、上記実施形態では、カートリッジメモリ19は、非接触式読み書き装置50Aから送信された電力情報送信要求コマンドに応じて電力情報110を非接触式読み書き装置50Aに送信する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、カートリッジメモリ19は、非接触式読み書き装置50Aからの要求に関わらず、電力情報110を断続的に非接触式読み書き装置50Aに送信するようにしてもよい。この場合、非接触式読み書き装置50AのCPU124は、カートリッジメモリ19から送信された電力情報110が送受信装置112によって受信される毎に、支援処理が実行されるようにしてもよい。
このように、カートリッジメモリ19が電力情報110を断続的に非接触式読み書き装置50Aに送信する場合、例えば、図29に示すCM応答処理がCPU94によって実行される。
図29に示すCM応答処理では、ステップST50Aで、通信部94Bは、非接触式読み書き装置50Aから送信された識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されたか否かを判定する。ステップST50Aにおいて、識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信されていない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST56Aへ移行する。ステップST50Aにおいて、識別子送信要求コマンドが信号処理回路88によって受信された場合は、判定が肯定されて、CM応答処理はステップST52Aへ移行する。
ステップST52Aで、取得部94Aは、管理情報記憶ブロック102から識別子106を取得し、その後、CM応答処理はステップST54Aへ移行する。
ステップST54Aで、通信部94Bは、ステップST52Aで取得された識別子106を、信号処理回路88を介して応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信し、その後、CM応答処理はステップST62Aへ移行する。
ステップST56Aで、取得部94Aは、電力情報110を非接触式読み書き装置50Aに送信するタイミングである電力情報送信タイミングが到来したか否かを判定する。電力情報送信タイミングの第1の例としては、第5既定時間(例えば、数ミリ秒から数百ミリ秒の範囲内で指定された時間)毎に到来するタイミングが挙げられる。また、電力情報送信タイミングの第1の例としては、電力測定回路90によって測定された電力(電力の絶対値、電力の移動平均値、及び電力の基準値との相違度)の変動量(例えば、単位時間あたりの変動量)の絶対値が閾値を超えたタイミングが挙げられる。閾値は、固定値であってもよいし、与えられた条件、及び/又は、与えられた指示に従って変更される可変値であってもよい。つまり、電力情報送信タイミングは、一定の期間毎に到来するタイミングであってもよいし、不定期に到来するタイミングであってもよい。
ステップST56Aにおいて、電力情報送信タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST62Aへ移行する。ステップST56Aにおいて、電力情報送信タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、CM応答処理はステップST58Aへ移行する。
ステップST58Aで、取得部94Aは、電力測定回路90から電力情報110を取得し、その後、CM応答処理はステップST60Aへ移行する。
ステップST60Aで、通信部94Bは、ステップST58Aで取得された電力情報110を、信号処理回路88を介して応答信号として非接触式読み書き装置50Aに送信し、その後、CM応答処理はステップST62Aへ移行する。
ステップST62Aで、通信部94Bは、CM応答処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップST62Aにおいて、CM応答処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、CM応答処理はステップST50Aへ移行する。ステップST62Aにおいて、CM応答処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、CM応答処理が終了する。
このように、図29に示すCM応答処理が実行されることで、非接触式読み書き装置50Aは、電力情報送信要求コマンドをカートリッジメモリ19に送信せずとも電力情報110を得ることができる。
また、上記実施形態では、磁気テープドライブ30が、磁気テープカートリッジ10から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTに磁気ヘッド36を用いてデータを記録し、かつ、引き出した磁気テープMTから磁気ヘッド36を用いてデータを読み取る形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープカートリッジ10から磁気テープMTを引き出した磁気テープMTに対してデータの記録又は読取のみが行われる磁気ヘッド(図示省略)が用いられてもよい。
また、上記実施形態では、非接触式読み書き装置50Aが磁気テープドライブ30に搭載されている態様例が示されているが、本開示の技術はこれに限定されない。磁気テープカートリッジ10が製造される段階、磁気テープカートリッジ10が検品される段階、又は磁気テープカートリッジ10が出荷される段階では、一例として図30に示すように、非接触式読み書き装置50Bが使用される。非接触式読み書き装置50Bは、本開示の技術に係る「非接触式通信装置」の一例であり、例えば、据え置き型又は携帯型のリーダライタである。
図30に示す例では、上下方向に重ねられた複数の磁気テープカートリッジ10がプラスチックフィルムでシュリンクされたパッケージ200内の各磁気テープカートリッジ10のカートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Bとの間で情報の送受信が行われる。カートリッジメモリ19と非接触式読み書き装置50Bとの間の情報の送受信は、磁気テープカートリッジ10の後側において複数の磁気テープカートリッジ10が重ねられた方向に沿って非接触式読み書き装置50Bを移動させながら行われる。この場合、例えば、非接触式読み書き装置50Bは、磁界MFのオンとオフとを繰り返しながら磁気テープカートリッジ10の各々に対して磁界MFを順次に放出することで、カートリッジメモリ19との間で情報の送受信を行う。
また、上記実施形態では、NVM126に支援処理プログラム136が記憶されている形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図31に示すように、支援処理プログラム136が記憶媒体300に記憶されていてもよい。記憶媒体300は、非一時的記憶媒体である。記憶媒体300の一例としては、SSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
記憶媒体300に記憶されている支援処理プログラム136は、コンピュータ114にインストールされる。CPU124は、支援処理プログラム136に従って支援処理を実行する。図31に示す例では、CPU124は、単数のCPUであるが、複数のCPUであってもよい。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ114に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶装置に支援処理プログラム136を記憶させておき、カートリッジメモリ19からの要求に応じて支援処理プログラム136がダウンロードされ、コンピュータ114にインストールされるようにしてもよい。
図31に示す例では、コンピュータ114が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ114に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータ114に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
支援処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、支援処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで支援処理を実行する。
支援処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、支援処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、支援処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、支援処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、支援処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の支援処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
[付記]
プロセッサと、
磁気テープカートリッジに搭載された非接触式記憶媒体に対して磁界を付与することで上記非接触式記憶媒体内に対して電力を誘起させ、かつ、上記非接触式記憶媒体と電磁誘導により結合することで上記非接触式記憶媒体との間で情報の送受信を行う送受信装置と、を備える非接触式通信装置であって、
上記非接触式記憶媒体は、上記電力を測定する測定回路を有し、上記測定回路によって測定された上記電力に関する電力情報を上記非接触式通信装置に送信し、
上記送受信装置は、上記電力情報を受信し、
上記プロセッサは、上記送受信装置によって受信された上記電力情報に基づいて、上記送受信を支援する支援処理を実行する
非接触式通信装置。