JP7407591B2 - 無機材料の加工に用いる油剤組成物及び加工液 - Google Patents

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Description

本発明は、無機材料の切削加工、研削加工等に用いる加工液及びその調製に用いられる油剤組成物に関する。
無機材料の切削加工及び研削加工においては、加工用油剤を用いて、工具の寿命延長やワーク(被加工物)の平滑性を向上させる等して生産性を高める工夫等がなされている。このような加工用油剤としては、耐微生物劣化性に優れた水溶性金属加工剤(特許文献1)や、安全性を鑑みた、皮膚刺激性の小さい水溶性金属加工油剤組成物(特許文献2)等が知られている。
近年、ワークを切削加工すると、加工用油剤がせん断を受け、微細化されてミストとして空気中を漂った結果、作業場や工作機械がミスト中の油性成分等で汚れてしまうことが問題となっており、ミストの発生を抑制する試みがなされている。
特許文献3には、ポリアクリル酸、その共重合体及びそれらの塩、セルロース誘導体並びにスチレンとマレイン酸とポリオキシアルキレン化合物との共重合体から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物からなるミスト抑制剤を含有することを特徴とする低ミスト水溶性金属加工用油剤が開示されている。
特許文献4には、N-ビニルアシル化合物に由来する構造単位と、アクリルアミドスルホン酸に由来する構造単位とを0.01~2重量%の割合で含有するコポリマーを含む水性冷却潤滑剤が開示されている。
特許文献5には、水溶液が下限臨界溶解温度(LCST)を持つポリマーからなる水系加工油用オイルミスト抑制剤を含有する水溶性加工油剤が開示されており、上記ポリマーは、例えば、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等を構成モノマーとして含むポリマーであることが記載されている。
特許文献6には、潤滑剤に添加されるミスト抑制剤であって、カチオン性モノマーおよびアニオン性モノマーを構成成分として含むポリマー、または両性電解質のモノマーを構成成分として含むポリマーであって、そのカチオン性基:アニオン性基の数の比が70:30~5:95であるポリマーを有効成分として含有するミスト抑制剤が開示されている。
また、特許文献7には、重量平均分子量が100,000~1,000,000のポリアルキレンオキシドと、水とを含む、水溶性金属加工油剤が開示されている。
特開2008-81602号公報 特開2009-161585号公報 特開2000-129282号公報 特開2001-59096号公報 特開2011-231304号公報 特開2013-177546号公報 WO2014-155870号公報
特許文献7にも一般論として記載されているが、水溶性加工用油剤は、不水溶性加工用油剤に比べて粘度が低いため、ワークを切削加工等に供した場合に、ミストとなって飛散しやすい傾向にある。
切削加工、研削加工等の際には、工作機械(旋盤、フライス盤、ボール盤、研削盤、歯切盤等)を精度よく摺動させるために、種々の油溶性潤滑油(油圧作動油、ギア油、摺動面油等)が使用される。従来、ワーク加工を行うと、加工用油剤の中にこれらの潤滑油が混入してしまうことが知られている。
本発明は、水に希釈して加工液(加工用油剤)を調製するために使用する、水分散性又は水溶性が付与された油剤組成物を提供すること、並びに、この油剤組成物を水で希釈して調製した加工液であって、新液だけでなく、ワーク加工が進行して潤滑油が混入した場合においても、ミストの発生が抑制される加工液を提供することを目的とする。
本発明者らは、JIS K 2283に準じて40℃で測定された動粘度(以下、この条件で測定された動粘度を、単に「動粘度」ということがある)が40mm/秒以下の油と、塩基性化合物と、モノカルボン酸と、炭素原子数が15以上のポリカルボン酸(カルボキシル基を2つ以上有する化合物)と、水とを含み、実質的に、水と同等の粘度である加工液(使用前の新液又は使用初期の液)、並びに、ワーク加工を行って潤滑油が混入した液のいずれにおいても、低粘度であるがためにミストが発生しやすくなるという予想に反して、ミスト発生が抑制されるという知見を得て、本発明を見い出すに至った。
本発明は、以下に示される。
1.無機材料の加工に用いる油剤組成物であって、
(A)動粘度が40mm/秒以下の油、
(B)カルボン酸、及び
(C)塩基性化合物、
を含有し、
上記成分(B)が、(B1)カルボキシル基を1つ有する化合物(但し、縮合物を除く)と、(B2)炭素原子数が15以上であり、カルボキシル基を2つ以上有する化合物とを、質量比0:100~45:55で含むことを特徴とする油剤組成物。
2.上記成分(B2)が、カルボキシル基を2つ有する化合物、又は、カルボキシル基を3つ有する化合物を含む上記項1に記載の油剤組成物。
3.更に、水を含有する上記項1又は2に記載の油剤組成物。
4.上記項1から3のいずれか一項に記載の油剤組成物を水で希釈させてなることを特徴とする無機材料加工用加工液。
本発明の油剤組成物は、無機材料の切削加工、研削加工等において使用する、ミスト発生抑制効果を有する加工液(無機材料加工用加工液)の原料として好適である。特に、ワーク加工が進行して加工液に潤滑油等が混入した場合に、ミスト発生量の増大率が抑制される。従って、ミスト発生が抑制された作業環境を維持しながら、ワーク加工を行うことができる。尚、成分(A)は、鉱物油、動植物油及び合成油のいずれでもよく、成分(B)及び成分(C)との組み合わせにより、上記効果を確実に得ることができる。
〔実施例〕においてミスト発生量を評価する装置を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油剤組成物は、上記のように、動粘度が40mm/秒以下の油である成分(A)と、カルボン酸である成分(B)と、塩基性化合物である成分(C)とを含有し、上記成分(B)が、(B1)カルボキシル基を1つ有する化合物(但し、縮合物を除く)と、(B2)炭素原子数が15以上であり、カルボキシル基を2つ以上有する化合物とを、質量比0:100~45:55で含むことを特徴とする組成物である。
上記成分(A)の種類は、特に限定されず、鉱物油(以下、「鉱油」という)、動植物油、合成油等が挙げられる。これらのうち、鉱油及び合成油が好ましい。
上記鉱油は、石油を蒸留精製して得られた油であり、水素添加物、改質油等であってもよい。
上記合成油としては、エステル系合成油、炭化水素系合成油等が挙げられる。これらのうち、エステル系合成油が好ましい。エステル系合成油は、特に好ましくは、炭化水素基の炭素原子数が8~30のカルボン酸と、炭素原子数1~30のアルコールとからなるエステルであり、例えば、オレイン酸メチル、オレイン酸2-エチルヘキシル、ネオペンチルグリコールジオレエート、オレイルオレエート、ネオペンチルグリコールジカプリレート、トリメチロールプロパンカプリレート、トリカプリル酸グリセライド、トリオレイン酸グリセライド、ペンタエリストールテトラカプリレート等から選ばれた少なくとも1種とすることができる。また、炭化水素系合成油としては、ポリアルファオレフィン、イソパラフィン、ポリブテン、GTL等が挙げられる。尚、ポリエーテルは上記合成油に含まないものとする。
本発明の油剤組成物に含まれる成分(A)は、1種のみでも2種以上でもよい。
上記成分(A)の動粘度(JIS K 2283に準拠、40℃)は、ミスト発生抑制効果の観点から、40mm/秒以下であり、好ましくは30mm/秒以下、より好ましくは28mm/秒以下、更に好ましくは25mm/秒以下である。尚、下限は、通常、1mm/秒、好ましくは3mm/秒である。
上記成分(B)は、カルボン酸、即ち、カルボキシル基を有する有機化合物であり、(B1)カルボキシル基を1つ有する化合物(但し、縮合物を除く)と、(B2)炭素原子数が15以上であり、カルボキシル基を2つ以上有する化合物とを特定の割合で含む混合物である。
上記成分(B1)は、カルボキシル基を1つ有する化合物であれば、特に限定されない。但し、上記のように、縮合物からなるカルボキシル基含有化合物は除かれ、例えば、リシノール酸の縮合物、12-ヒドロキシステアリン酸の縮合物等は上記成分(B1)に含まれない。
上記成分(B1)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される。
-COOH (1)
(式中、Rは炭化水素基である。)
上記一般式(1)において、Rは、直鎖又は分岐の鎖状構造を含む炭化水素基及び環状構造を含む炭化水素基のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を含む炭化水素基であってもよい。
本発明において、Rは、好ましくは、鎖状構造を含む炭化水素基であり、特に好ましくは、脂肪族炭化水素基である。Rが脂肪族炭化水素基の場合、上記一般式(1)の化合物におけるカルボキシル基の位置は、特に限定されず、分子の末端でもよいし、第2級炭素原子又は第3級炭素原子がある場合、カルボキシル基は、これらの炭素原子に結合していてもよい。
上記炭化水素基Rの炭素原子数は、特に限定されず、好ましくは9以上、より好ましくは11~21である。また、上記炭化水素基は、炭素・炭素不飽和結合を含んでもよい。
上記成分(B1)として、好ましい化合物は、ラウリン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノレイン酸、リノール酸、ステアリン酸等が挙げられる。
本発明の油剤組成物に含まれる成分(B1)は、1種のみでも2種以上でもよい。
上記成分(B2)は、炭素原子数が15以上であり、カルボキシル基を2つ以上有する化合物である。
上記成分(B2)は、好ましくは、下記一般式(2)で表される。
-(COOH) (2)
(式中、Rは炭化水素基であり、nは2以上の整数である。)
上記炭化水素基Rの炭素原子数は15以上であり、好ましくは16以上、より好ましくは18以上、更に好ましくは19以上である。尚、上限は、通常、70、好ましくは60、より好ましくは52である。また、上記炭化水素基は、炭素・炭素不飽和結合を含んでもよい。
また、上記一般式(2)におけるnは2以上であり、好ましくは2又は3である。
上記一般式(2)において、Rは、直鎖又は分岐の鎖状構造を含む炭化水素基及び環状構造を含む炭化水素基のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を含む炭化水素基であってもよい。環状構造は、芳香環及び脂肪族環のいずれでもよいが、脂肪族環が好ましい。また、環状構造を含む炭化水素基は、有橋脂環式炭化水素基であってもよい。
本発明において、Rは、鎖状構造を含む炭化水素基、並びに、鎖状構造及び環状構造を含む炭化水素基が好ましい。これらの場合、化合物におけるカルボキシル基の位置は、特に限定されず、分子の末端でもよいし、第2級炭素原子又は第3級炭素原子がある場合、カルボキシル基は、これらの炭素原子に結合していてもよい。また、2つ又はそれ以上のカルボキシル基は、互いに異なる炭素原子に結合しているか、又は、特定の1つの炭素原子に結合しているものとすることができる。
上記成分(B2)として、好ましい化合物は、5-カルボキシ-4-ヘキシルシクロヘキサ-2-エン-1-オクタン酸、8,13-ジメチル-8,13-エイコサジエン2酸、ダイマー酸(不飽和脂肪酸を2分子加熱重合して得られたジカルボン酸)、トリマー酸(不飽和脂肪酸を3分子加熱重合して得られたトリカルボン酸)等が挙げられる。尚、上記不飽和脂肪酸は、好ましくは、炭素原子数が16~22の脂肪族モノカルボン酸であり、例えば、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸等)、エイコセン酸、ドコセン酸(エルカ酸等)、テトラコセン酸等が挙げられる。
本発明の油剤組成物に含まれる成分(B2)は、1種のみでも2種以上でもよい。
本発明に係る成分(B)において、成分(B1)及び成分(B2)の質量比は、本発明の効果が確実に得られることから、0:100~45:55であり、好ましくは0:100~30:70である。
本発明の油剤組成物において、成分(B)の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果が確実に得られることから、成分(A)の含有量を100質量部とした場合に、好ましくは1~100質量部、より好ましくは1~25質量部である。
上記成分(C)は、特に限定されず、有機化合物及び無機化合物のいずれでもよい。有機化合物としては、アミン等が挙げられる。また、無機化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、アンモニウム塩等が挙げられる。本発明の油剤組成物に含まれる成分(C)は、1種のみでも2種以上でもよい。本発明においては、アミンが好ましく、例えば、炭化水素における水素原子の少なくとも1つがアミノ基に置換された化合物、ポリアミンのアルキレンオキサイド(EO、PO、BO等)付加物、複素環式アミン等が挙げられる。
本発明においては、これらのうち、前者の化合物が好ましく、脂肪族化合物(脂肪族アミン)、脂環式化合物(脂環式アミン)及び芳香族化合物(芳香族アミン)のいずれでもよく、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれでもよい。また、前者の化合物は、更に、他の水素原子の少なくとも1つがヒドロキシ基等に置換された化合物であってもよい。
脂肪族アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のモノアミン;1,4-ジアミノブタン、ジブチルアミノプロピルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルエチレンジアミン、N、N、N’、N’-テトラ(C~C12アルキル)ジアミン等のジアミン等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する脂肪族アミン(アルカノールアミン)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、ジエチルモノイソプロパノールアミン、N,N-ジブチルアミノエタノール、N,N-ジ-n-ブチルアミノイソプロパノール、N,N-ジ-n-プロピルアミノイソプロパノール、N,N-ジ-tert-ブチルジエタノールアミン、N,N-エチレンジアミン(ジイソプロパノール)、N,N-エチレンジアミン(ジエタノール)、モノ-n-ブチルジエタノールアミン、モノエチルジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルエタノール、N-ヒドロキシエチル-N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)アミン等が挙げられる。
脂環式アミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロヘキシルアミン、モノ(C~C18アルキル)ジシクロヘキシルアミン、ジ(C~C18アルキル)シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルエチレンジアミン、シクロヘキシルプロピレンジアミン、シクロヘキシルブチレンジアミン、ジ(4-アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス-(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6-ビス-(アミノメチル)ビシクロ-[2,2,1]ヘプタン等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する脂環式アミンとしては、2-ヒドロキシシクロヘキシルアミン、3-ヒドロキシシクロヘキシルアミン、4-ヒドロキシシクロヘキシルアミン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリ(メチルフェニル)アミン、トリ(エチルフェニル)アミン、トリ(プロピルフェニル)アミン、トリ(ブチルフェニル)アミン、トリ(フェノキシフェニル)アミン、トリ(ベンジルフェニル)アミン、ジフェニルメチルアミン、ジフェニルエチルアミン、ジフェニルプロピルアミン、ジフェニルブチルアミン、ジフェニルヘキシルアミン、ジフェニルシクロヘキシルアミン、N,N’-ジシクロヘキシルアニリン、N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン、N,N’-ジプロピルアニリン、N,N’-ジブチルアニリン、N,N’-ジヘキシルアニリン、(メチルフェニル)ジメチルアミン、(エチルフェニル)ジメチルアミン、(プロピルフェニル)ジメチルアミン、(ブチルフェニル)ジメチルアミン、ビス(メチルフェニル)メチルアミン、ビス(エチルフェニル)メチルアミン、ビス(プロピルフェニル)メチルアミン、ビス(ブチルフェニル)メチルアミン等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する芳香族アミンとしては、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、6-アミノ-2-ナフトール、5-アミノ-1-ナフトール、4'-ヒドロキシ-[1,1'-ビフェニル]-4-アミン、4-アミノ-4'-ヒドロキシジフェニルメタン、N,N’-ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N’-ジ(ヒドロキシプロピル)アニリン、N,N’-ジ(ヒドロキシブチル)アニリン、ジイソプロパノール-p-トルイジン等が挙げられる。
上記複素環式アミンとしては、ピリジン系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、モルホリン系化合物、ピペラジン系化合物、ピペリジン系化合物等が挙げられる。
上記成分(C)は、ヒドロキシ基を有するアミンを含むことが好ましく、ヒドロキシ基を有する脂肪族アミンを含むことがより好ましい。更には、ヒドロキシ基を有する脂肪族アミンと、いずれも、ヒドロキシ基等の他の官能基を含まない、脂肪族アミン、脂環式アミン及び芳香族アミンから選ばれた少なくとも1種との組み合わせが更に好ましく、ヒドロキシ基を有する脂肪族アミンと、ヒドロキシ基等の他の官能基を含まない脂環式アミンとの組み合わせが特に好ましい。
本発明の油剤組成物において、成分(C)の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果が確実に得られることから、成分(A)の含有量を100質量部とした場合に、好ましくは1~250質量部、より好ましくは1~175質量部である。
本発明の油剤組成物は、必要に応じて、更に、他の成分を含有することができる。他の成分は、従来、水系の油剤組成物に配合される添加剤として知られるものであれば、特に限定されず、水、界面活性剤、極圧添加剤、アルコール(アミノ基を有するアルコールを除く)、消泡剤、防食剤、防錆剤、防腐剤、硬水軟化剤、香料、染料等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、成分(A)を除く高い動粘度の油を含有してもよい。
本発明の油剤組成物は、上記の成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む原料を混合することにより、製造することができる。本発明において、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む油剤組成物を、そのまま、無機材料の切削加工、研削加工等に用いることはできるが、好ましくは、水で希釈して、材料加工に用いる加工液(無機材料加工用加工液)を調製するための原液である。このような加工液を調製する場合においても、本発明の油剤組成物は、水を含有することが好ましく、その場合の水の含有割合の上限は、加工液の調製しやすさの観点から、組成物全体に対して、好ましくは60質量%、より好ましくは50質量%である。
本発明の無機材料加工用加工液は、水を含んでいてもよい油剤組成物を水(蒸留水、脱
イオン水、水道水、工業用水等)で、例えば、10~50倍に希釈させてなる、無機材料の加工に好適な液である。本発明の無機材料加工用加工液において、水の含有割合は、加工液全体に対して、好ましくは4~99質量%、より好ましくは5~99質量%である。
上記のように、加工液を調製する場合には、本発明の油剤組成物を水で希釈するのみでよいため、本発明の油剤組成物は、水で希釈すると透明又は半透明化するソリュブル型油剤と、水を加えて希釈すると白濁するエマルション型油剤とに大別されるが、ソリュブル型及びエマルション型のいずれでもよい。
本発明において、水を含有する油剤組成物及び無機材料加工用加工液では、好ましくは、成分(A)、成分(B)及び成分(C)が水に分散又は溶解されており、成分(A)の乳化状態も良好であり、液として均一である。従って、無機材料からなるワークを、切削加工、研削加工、プレス加工、圧延加工、鍛造加工等に供する場合には、終始、安定組成の加工液を用いることができるので、加工製品の生産性を向上させることができる。
上記各種のワーク加工の際には、工作機械(旋盤、フライス盤、ボール盤、研削盤、歯切盤等)を精度よく摺動させるために、通常、油溶性潤滑油(油圧作動油、ギア油、摺動面油等)が使用される。ワーク加工が進行すると、加工液の中にこれらの潤滑油が混入してしまうが、このような場合においても、従来に比べて、ミストの発生が大きく抑制される。
本発明の無機材料加工用加工液を適用する無機材料は、金属、合金、セラミックス、炭素又はこれらの複合材料とすることができるが、好ましくは金属及び合金であり、より好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、インコネル、チタン、チタン合金、ステンレス、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄等である。
本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例を挙げるが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、いずれも質量基準である。
1.油剤組成物の製造原料
実施例及び比較例で用いた製造原料を示す。
1-1.油
(1)A-1
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が9mm/秒の鉱油を用いた。
(2)A-2
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が4mm/秒の鉱油を用いた。
(3)A-3
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が22mm/秒の鉱油を用いた。
(4)A-4
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が25mm/秒の鉱油を用いた。
(5)A-5
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が9mm/秒の合成油を用いた。
(6)A-6
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が25mm/秒の合成油を用いた。
(7)A’-7
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が45mm/秒の鉱油を用いた。
(8)A’-8
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が80mm/秒の鉱油を用いた。
(9)A’-9
JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が48mm/秒の合成油を用いた。
1-2.カルボン酸
(1)B1-1
オレイン酸を用いた。
(2)B2-1
Ingevity社製5-カルボキシ-4-ヘキシルシクロヘキサ-2-エン-1-オクタン酸「ダイアシッド1550」(商品名)を用いた。
Figure 0007407591000001
(3)B2-2
岡村製油社製8,13-ジメチル-8,13-エイコサジエン2酸「IPU-22」(商品名)を用いた。
Figure 0007407591000002
(4)B2-3
ハリマ化成社製ダイマー酸(炭素原子数36)「ハリダイマー200」(商品名)を用いた。
Figure 0007407591000003
(5)B2-4
築野食品工業社製トリマー酸(炭素原子数54)「ツノダイム346」(商品名)を用いた。
Figure 0007407591000004
(6)B3-1
ドデカンジカルボン酸を用いた。
1-3.塩基性化合物
(1)アミン混合物C-1
2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン及びジシクロヘキシルアミンの混合物である。
(2)アミン混合物C-2
2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン及びジシクロヘキシルアミンの混合物である。
1-4.乳化助剤
リシノレイン酸縮合物、石油スルホン酸ナトリウム及び高級アルコールを用いた。
1-5.添加剤
(1)非鉄金属防食剤
城北化学工業社製1,2,3-ベンゾトリアゾール「BT-120」(商品名)を用いた。
(2)消泡剤
東レ・ダウコーニング社製シリコーン・エマルジョン「DOWSIL FS Antifoam 1224」(商品名)を用いた。
(3)防腐剤
ロンザジャパン社製1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン「PROXEL AM」(商品名)を用いた。
(4)非イオン界面活性剤
第一工業製薬社製ポリオキシアルキレンデシルエーテル「XL-40」(商品名)を用いた。
2.油剤組成物の製造並びに加工液の製造及び評価
上記の製造原料を用いて表1~表6の油剤組成物を製造した後、水で20倍に希釈し、加工液を得た。そして、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行い、これらの結果を各表に併記した。
(1)ミスト確認試験
図1に示すミスト発生量評価装置1を用いた。このミスト発生量評価装置1は、ツガミ社製マシニングセンター「VMA4-III」(型式名)2と、そのチャンバー(温度:20℃~25℃、湿度:50~60%RH)内において、クーラントタンク3に収容した加工液を、噴射ノズル4から、回転数10000rpmで回転するドリル5に対して吐出させて(吐出圧:0.5MPa、吐出時間:60秒間)、ミストを発生させ、マシニングセンター2の外部に配設した、日本カノマックス社製ピエゾバランス式粉じん計「3521」(型式名)6を使用して(インパクター:10μm、98%カットインパクタノズル)、120秒に渡ってサンプリングし、ミスト量を測定した。また、実際にワーク加工を行う場合には、潤滑油等が併用され、この潤滑油が加工油に混入してしまうことを想定して、潤滑油入り加工油に対しても同じ方法でミスト量の測定を行った。尚、潤滑油入り加工油として、加工油に対して、シェルルブリカンツジャパン社製「シェル トナ S3M68」(商品名)が2%となるように添加し、毎分10リットルの流速で10日間ポンプ循環させることにより調製したものを用いた。
(2)材料加工性試験
アルミニウム合金鋳物(AC4C)の転造タップの加工性を確認した。「〇」は、材料加工性が良好であることを、「×」は、材料加工性が劣ることを示す。
実施例1-1
表1に示す原料、即ち、25部の鉱油A-1と、8部のアミン混合物C-1と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-1と、2部のジカルボン酸B3-1と、6部のリシノレイン酸縮合物と、6.5部の石油スルホン酸ナトリウムと、1.5部の高級アルコールと、0.1部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、44.6部の水とを混合し、ソリュブル型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表1参照)。
実施例1-2~1-5及び比較例1-1~1-3
表1に示す原料を用いて、実施例1-1と同様にして、各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表1参照)。
Figure 0007407591000005
比較例1-1は、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が、〔背景技術〕にて示した特許文献2(特開2009-161585号公報)における実施例1等と同じく、50:50である、本発明の範囲外の例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、ミストの発生が増大した。比較例1-2もまた、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が本発明の範囲外である例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、比較例1-1よりも大量にミストが発生した。更に、比較例1-3は、本発明に係る成分(B2)に代えて、炭素原子数が12のドデカンジカルボン酸を用い、オレイン酸と、ドデカンジカルボン酸との質量比を約43:57とした例である。炭素原子数が15未満のポリカルボン酸であるため、ミスト発生の抑制効果は得られなかった。一方、実施例1-1~1-5は、本発明の油剤組成物の構成を有する例であり、潤滑油入りの加工液の場合、潤滑油を含まない加工液に比べると、ミストの発生量は増大したが、増大率は、比較例1-1及び1-2よりも低かった。
実施例2-1
表2に示す原料、即ち、25部の鉱油A-1と、8部のアミン混合物C-1と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-2と、2部のジカルボン酸B3-1と、5部のリシノレイン酸縮合物と、6.5部の石油スルホン酸ナトリウムと、0.5部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、47.1部の水とを混合し、ソリュブル型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表2参照)。
実施例2-2~2-3及び比較例2-1
表2に示す原料を用いて、実施例2-1と同様にして、ソリュブル型の各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表2参照)。
Figure 0007407591000006
比較例2-1は、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が本発明の範囲外である例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、ミストの発生が増大した。一方、実施例2-1~2-3は、本発明の油剤組成物の構成を有する例であり、潤滑油入りの加工液において、ミスト発生の増大率が抑制された。
実施例3-1
表3に示す原料、即ち、25部の鉱油A-1と、8部のアミン混合物C-1と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-3と、2部のジカルボン酸B3-1と、5部のリシノレイン酸縮合物と、6.5部の石油スルホン酸ナトリウムと、0.5部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、47.1部の水とを混合し、ソリュブル型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表3参照)。
実施例3-2~3-4及び比較例3-1
表3に示す原料を用いて、実施例3-1と同様にして、ソリュブル型の各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表3参照)。
Figure 0007407591000007
比較例3-1は、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が本発明の範囲外である例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、ミストの発生が増大した。一方、実施例3-1~3-4は、本発明の油剤組成物の構成を有する例であり、潤滑油入りの加工液において、ミスト発生の増大率が抑制された。
実施例4-1
表4に示す原料、即ち、25部の鉱油A-1と、8部のアミン混合物C-1と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-4と、2部のジカルボン酸B3-1と、3.5部のリシノレイン酸縮合物と、6.5部の石油スルホン酸ナトリウムと、0.1部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、48.1部の水とを混合し、ソリュブル型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表4参照)。
実施例4-2~4-4及び比較例4-1
表4に示す原料を用いて、実施例4-1と同様にして、ソリュブル型の各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表4参照)。
Figure 0007407591000008
比較例4-1は、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が本発明の範囲外である例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、ミストの発生が増大した。一方、実施例4-1~4-4は、本発明の油剤組成物の構成を有する例であり、潤滑油入りの加工液において、ミスト発生の増大率が抑制された。
実施例5-1
表5に示す原料、即ち、25部の鉱油A-2と、8部のアミン混合物C-1と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-1と、2部のジカルボン酸B3-1と、6部のリシノレイン酸縮合物と、6.5部の石油スルホン酸ナトリウムと、1.5部の高級アルコールと、0.1部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、44.6部の水とを混合し、ソリュブル型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表5参照)。
実施例5-2~5-5及び比較例5-1~5-4
表5に示す原料を用いて、実施例5-1と同様にして、ソリュブル型の各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表5参照)。
表5は、鉱油又は合成油の動粘度が互いに異なる油剤組成物の例を示すものであり、実施例1-1で得られた油剤組成物及び加工液の配合及び評価結果も併記した。
Figure 0007407591000009
表5には、鉱油又は合成油の動粘度を変化させた場合の、ミストの発生量等を調べた結果が示されている。比較例5-1~5-4は、動粘度(40℃)が40mm/秒を超える油を用いた例であり、調製した加工液だけでなく、潤滑油入りの加工液においても、ミストの発生量が高かった。一方、実施例1-1及び5-1~5-5は、動粘度(40℃)が40mm/秒以下の油を用いた例であり、潤滑油入りの加工液の場合、潤滑油を含まない加工液に比べると、ミストの発生量は増大したが、その値は、比較例5-1~5-4よりも低かった。
実施例6-1
表6に示す原料、即ち、50部の鉱油A-1と、11部のアミン混合物C-2と、1部のモノカルボン酸B1-1と、4部のジカルボン酸B2-1と、2部のジカルボン酸B3-1と、6部のリシノレイン酸縮合物と、5部の石油スルホン酸ナトリウムと、3部の高級アルコールと、0.1部のベンゾトリアゾールと、0.3部の消泡剤と、0.5部の防腐剤と、0.5部の非イオン界面活性剤と、16.6部の水とを混合し、エマルション型の油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察したところ、配合成分の乳化状態は良好であった。
その後、上記の方法で加工液を調製し、この加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表6参照)。
実施例6-2~6-4及び比較例6-1~6-2
表6に示す原料を用いて、実施例6-1と同様にして、エマルション型の各油剤組成物を得た。次いで、得られた油剤組成物を目視観察して乳化状態の評価を行った。その後、上記の方法で加工液を調製し、各加工液に対して、ミスト確認試験、及び、無機材料の加工性試験を行った(表6参照)。
Figure 0007407591000010
比較例6-1は、本発明に係る成分(B1)及び成分(B2)の質量比が本発明の範囲外である例であり、調製した加工液においてミストの発生は抑制されたが、潤滑油入りの加工液では、ミストの発生が増大した。また、比較例6-2は、本発明に係る成分(A)に代えて、動粘度が40mm/秒を超える油を用いた例であり、潤滑油を含まない加工液、及び、潤滑油入りの加工液の両方において、ミスト発生が顕著であった。一方、実施例6-1~6-4は、本発明の油剤組成物の構成を有する例であり、潤滑油入りの加工液において、ミスト発生の増大率が抑制された。
本発明の油剤組成物及び無機材料加工用加工液は、金属、合金等の無機材料からなるワーク加工に有用である。例えば、切削加工、研削加工等において飛散するミスト量が少なく、油を含む飛散物による、作業場、工作機械等の汚れの発生が抑制されるので、従来よりも良好な環境条件でワーク加工を行うことができ、無機材料からなる部材の安定製造を行うことができる。
1:ミスト発生量評価装置
2:マシニングセンター
3:クーラントタンク
4:噴射ノズル
5:ドリル
6:ピエゾバランス粉じん計

Claims (4)

  1. 無機材料の加工に用いる油剤組成物であって、
    (A)JIS K 2283に準ずる動粘度(40℃)が40mm/秒以下の油、
    (B)カルボン酸、及び
    (C)塩基性化合物、
    を含有し、
    前記成分(B)が、(B1)下記一般式(1)で表される化合物と、(B2)炭素原子数が15以上であり、カルボキシル基を2つ以上有する化合物とを、質量比0:100~45:55で含み、
    前記成分(C)が、ヒドロキシ基を有するアミンを含むことを特徴とする油剤組成物。
    -COOH (1)
    (式中、Rは炭素数11~21の炭化水素基である。)
  2. 前記成分(B2)が、カルボキシル基を2つ有する化合物、又は、カルボキシル基を3つ有する化合物を含む請求項1に記載の油剤組成物。
  3. 更に、水を含有する請求項1又は2に記載の油剤組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の油剤組成物を水で希釈させてなることを特徴とする無機材料加工用加工液。
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