JP7406775B1 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

広い範囲に対して効率よく処理を行うことが可能なプラズマ処理装置を提供するプラズマ処理装置(10)は、被処理材を保持するホルダ(16)、板面をホルダ(16)へ向けた2枚で一対の電極板(30)、電極板(30)を貫通する複数の貫通孔(42)、電極板(30)の一方に対して高周波で電圧を印加することによりプラズマを発生させる高周波電源(74)、電極板(30)を挟んで被処理材と対向する位置に設けられ、電極板(30)の近傍の電子密度を高めることにより、プラズマの密度を高める電磁石(32)を備える。

Description

本発明は、被処理物にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置に関する。
基板などの被処理材に対し、プラズマを用いて、デスミア処理、エッチング処理、成膜処理などの各種プラズマ処理を行うプラズマ処理装置が広く知られている。例えば、下記特許文献1には、プラズマを発生させる2枚の平行電極板を、板面を被処理材とは垂直な方向へ向けて配置した装置が記載されている。また、下記特許文献2には、複数の貫通孔を有する2枚の平行電極板を、板面を被処理材へ向けて配置した装置が記載されている。
国際公開第2014/142023号 国際公開第2017/159838号
しかしながら、上記特許文献1のように、板面を被処理材とは垂直な方向へ向けた場合、狭い範囲に対してしか処理を行えないといった問題があった。また、特許文献2のように、板面を被処理材へ向けた場合、処理範囲は広くなるものの、プラズマ密度が低く処理効率が悪いといった問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、広い範囲に対して効率よく処理を行うことが可能なプラズマ処理装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のプラズマ処理装置は、被処理材を保持するホルダと、表面を前記ホルダへ向けて配置された第1電極板と、前記第1電極板の裏面側に前記第1電極板とは平行に配置された第2電極板と、からなる2枚で一対の電極板と、前記第1、第2電極板の両方を貫通する複数の貫通孔と、前記電極板の一方に対して高周波で電圧を印加することにより前記電極板の近傍にプラズマを発生させる高周波電源と、前記電極板を挟んで前記被処理材と対向する位置に設けられ、前記電極板の近傍の電子密度を高めることにより、前記プラズマの密度を高める磁石と、を備える。
前記磁石を、前記貫通孔に対応して複数設けてもよい。
前記磁石は、供給する電力により磁力が変化する電磁石であってもよい。
前記磁石により、前記プラズマの密度が低い領域の磁力を他の領域よりも高くしてもよい。
前記電極板を移動させることにより、前記ホルダとの距離を調整する調整機構を設けてもよい。
前記第1電極板を接地して前記第2電極板に前記高周波電源から電圧を印加する第1状態と、前記第2電極板及び前記ホルダを接地して前記第1電極板に前記高周波電源から電圧を印加する第2状態と、を切り替える切り替え機構を備え、前記第1状態においては、前記電極板の近傍にプラズマ発生用の気体を供給することによって、前記第2電極板の近傍にホローカソード放電によるプラズマを発生させ、前記第2状態においては、前記第1電極板から前記ホルダへ向かうグロー放電によるプラズマを発生させてもよい。
前記第2状態においては、前記グロー放電によるプラズマに加えて、前記電極板の近傍に前記気体を供給することによって、前記第2電極板の近傍にホローカソード放電によるプラズマを発生させてもよい。
本発明のプラズマ処理装置によれば、広い範囲に対して効率よく処理を行うことができる。
プラズマ処理装置の概略的な構成図である。 プラズマ発生器の説明図である。 電極板と電磁石の説明図である。 電極板と永久磁石の説明図である。 電極板と永久磁石の説明図である。 電極板と永久磁石の説明図である。 電極板と永久磁石の説明図である。 プラズマ発生器の電気的な構成の概略を示す説明図である。 第1状態を示す説明図である。 第2状態を示す説明図である。 第2状態でプラズマ生成用のガスを供給した場合を示す説明図である。 磁石有りの場合における、電流、電圧の特性、プラズマ密度、電子温度、プラズマ電位、飽和イオン電流、及び、飽和電子電流を示す説明図である。 磁石無しの場合における、電流、電圧の特性、プラズマ密度、電子温度、プラズマ電位、飽和イオン電流、及び、飽和電子電流を示す説明図である。
<装置概要>
図1において、本発明のプラズマ処理装置10は、被処理材である基板12の表面に対してプラズマ処理を行うものである。プラズマ処理装置10は、プラズマを発生させるプラズマ発生器14、基板12がセットされるホルダ16を備え、これらがチャンバ18内に収められている。チャンバ18には真空ポンプ20が接続されており、プラズマ処理を行う場合は、真空ポンプ20を作動させ、ヂャンバ18内が所定の真空度に維持される。なお、本例では、被処理材が基板12である例で説明を行うが、被処理材は基板12以外であってもよい。また、被処理材の形状は板状に限定されず、凹凸や段差、湾曲を含む立体的な形状であってもよい。
チャンバ18には、MFC(マスフローコントローラ)22、24が接続されている。MFC22は、プラズマ発生器14と基板12との間に、成膜用のガスを供給する。成膜用のガスは、例えばメタン、アセチレン、ブタジエン、チタニウムテトライソプロポキシド(TTIP)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、テトラメチルシラン(TMS)などを選択して供給される。
他方、MFC24は、配管26を介してプラズマ発生器14に接続されており、プラズマ発生器14の内部、より具体的には、後述する電極板30の近傍に、プラズマ生成用のガスを供給する。プラズマ生成用のガスは、プラズマにより処理する方法に応じて選択され、例えばアルゴンやアルゴンと酸素の混合ガス、酸素或いは窒素の単独などであり、さらにはヘリウム、二酸化炭素、亜酸化窒素、水素、空気およびそれらの混合ガスでもよい。
<電極板-ホルダ間距離調整機構>
プラズマ発生器14は、前述した配管26の他、電極板30、電磁石32、を備え、これらがベース34に取り付けられて一体化されている。プラズマ発生器14は、ベース34がステー36を介してチャンバ18内に設けられたスライドレール38にスライド自在に支持されており、サーボアクチュエータ40から駆動力の供給を受けて、ホルダ16へ向かう方向、及び、ホルダ16から遠ざかる方向へとスライド移動する。これにより、プラズマ発生器14(電極板30)とホルダ16(基板12)との間の距離が変化する。このように、スライドレール38とサーボアクチュエータ40とによりプラズマ発生器14(電極板30)をスライド自在に支持する機構は、電極板30を移動させることによりホルダ16との距離を調整する、本発明の調整機構として機能する。
電極板30とホルダ16との間の距離は、プラズマ処理の種類や被処理材の種類、過去の処理において得られたデータなどに基づき最適な位置に決定される。そして、決定された位置に電極板30を移動してプラズマ処理が行われる。なお、プラズマ処理中は、電極板30の位置を固定する構成であってもよいし、プラズマ処理中にプラズマの発生状態やプラズマ処理の進行状態をモニタリングし、モニタリング結果に基づいてプラズマ処理中にリアルタイムで電極板30の位置を制御してもよい。また、本例では、電極板30(プラズマ発生器14)を移動させる例で説明をしたが、ホルダ16を移動させることにより電極板30とホルダ16との間の距離を調整する構成としてもよい。
<電極板の構造>
図2に示すように、電極板30は、表面をホルダ16へ向けた第1電極板30aと、第1電極板30aの裏面側に第1電極板30aとは平行に配置された第2電極板30bとの2枚で一対となっている。このように、電極板30の板面を基板12へ向けることにより、広い範囲に対してプラズマ処理を行うことが可能となる。なお、第1電極板30aと第2電極板30bは隙間を空けて配置され、本例ではこの隙間にプラズマ生成用のガスを供給している。また、本例では、電極板30(第1、第2電極板30a、30b)を円板状に形成し、電極板30の中心部(円の中心部)からプラズマ生成用のガスを供給している。
電極板30には、第1、第2電極板30a、30bの両方を貫通する複数の貫通孔42が設けられている。そして、本例では、電極板30中心部(円の中心部)から放射状に貫通孔42を設けている。また、本例では、電極板30の中心部から外側へ向かうほど、単位面積あたりの孔数が増加するように、貫通孔42を設けている。こうすることで、各貫通孔42で均質なプラズマを生成することができる。つまり、電極板30の側縁部はベース34によって封止されているため、電極板30の中心部から供給されたプラズマ生成用のガスは電極板30の側縁部に溜まり(濃度(圧力)が高くなり)、電極板30の中心部と側縁部とでプラズマ生成用のガスの濃度差(圧力差)が生じる傾向があるが、側縁部のほうが貫通孔42の孔数を多くすることにより、前述した濃度差(圧力差)を減少させて各貫通孔42で均質なプラズマを生成することができる。なお、電極板30の形状は、円板状(円形)に限定されず、楕円形状や矩形であってもよい。また、貫通孔42の具体的な位置や個数については、本例に限定されず適宜変更できる。
<磁力によるプラズマ制御>
図3に示すように、電極板30の裏面側かつ電極板30の近傍には電磁石32が設けられている。本例では、貫通孔42の孔数に対応する数の電磁石32を用意し、各貫通孔42の背後に1つずつ電磁石32を配置している。各電磁石32には、それぞれ可変コンバータ52が接続されている。各可変コンバータ52は、電源54から電力の供給を受けて作動し、各電磁石32が発生する磁力の大きさを個別に制御する。このように、電極板30の近傍で磁力を発生させることにより、電極板30の近傍の電子密度を向上させることができ、これに伴ってプラズマの密度も向上させることができる。
また、本例では、各電磁石32の磁力を可変コンバータ52によって個別に制御可能なため、位置に応じて磁力を異ならせることにより、位置毎のプラズマ密度の均質化や、所望の位置のみプラズマ密度を向上させるといったことが可能である。なお、各電磁石32の磁力は、プラズマ処理の種類や被処理材の種類、過去の処理において得られたデータなどに基づき最適な大きさに決定される。そして、決定した磁力を維持した状態でプラズマ処理が行われる。
このように、各電磁石32の磁力は、適宜変更できるが、電極板30の外側へ向かうほど低く(中心へ向かうほど高く)することが好ましい。こうすることで、電極板30の中心と外側とでプラズマ密度を均質化できる。つまり、前述のように、本例では、電極板30の外側へ向かうほどプラズマ生成用のガスの濃度(圧力)が高くなる(プラズマ密度が高くなる)傾向にある。このため、電極板30の中心へ向かうほど磁力を高くすることにより、電極板30の中心へ向かうほど電子の密度を高く(電子の量を多く)してプラズマ密度を高めることができ、電極板30の中心と外側とでプラズマ密度を均質化できる。
なお、本発明は、プラズマ処理中に磁力を固定する(各電磁石32の磁力を変化させない)構成に限定されない。プラズマ処理中にプラズマの発生状態やプラズマ処理の進行状態をモニタリングし、モニタリング結果に基づいてプラズマ処理中にリアルタイムで各電磁石32の磁力を制御してもよい。
また、本例では、各貫通孔42に対応する位置に電磁石32を配置した例で説明をしたが、電磁石32の配置位置や設置個数は適宜変更できる。さらに、各電磁石32の極性(N極、S極のいずれを電極板30へ向けるか)についても適宜変更できるので、例えば、電磁石32の全てをN極を電極板30へ向けてもよいし、反対に、電磁石32の全てをS極を電極板30へ向けてもよい。また、中心側の電磁石32はS極を電極板30へ向け、外側の電磁石32はN極を電極板30へ向けるといったように、位置に応じて極性を異ならせてもよい。もちろん、プラズマ処理中にプラズマの発生状態やプラズマ処理の進行状態をモニタリングし、モニタリング結果に基づいてプラズマ処理中にリアルタイムで各電磁石32の極性を変化させてもよい。
なお、本例では、磁力が可変の電磁石32を用いる例で説明をしたが、電磁石32に変えて永久磁石を用いてもよい。永久磁石を用いる場合、例えば、図4に示すように、各貫通孔42に対応する位置に、N極を電極板30へ向けた状態で永久磁石60を配置するといったことが考えられる。また、図5に示すように、図4に対して、一部の永久磁石60の極性を逆転させてもよい(一部の永久磁石60をS極を電極板30へ向けた状態で配置してもよい)。
さらに、図6に示すように、ドーナツ型(リング状)の2つの永久磁石62、64を同心円状に設けてもよい。図6の例では、内側の永久磁石62についてはS極を電極板30へ向けて配置し、外側の永久磁石64についてはN極を電極板30へ向けて配置している。
また、図7に示すように、ドーナツ型の1つの永久磁石66のみを設けてもよい。図7の例では、N極を電極板30へ向けて永久磁石66を配置するとともに、外側へ向かうほど永久磁石66の厚みを薄くすることにより、外側へ向かうほど磁力が低くなるように(中心へ向かうほど磁力が高くなるように)構成している。こうすることで、位置毎のプラズマ密度を均質化できる。つまり、前述のように、本例では、電極板30の外側へ向かうほどプラズマ生成用のガスの濃度(圧力)が高くなる(プラズマ密度が高くなる)傾向にある。これに対し、電極板30の中心へ向かうほど磁力を高くすることにより、電極板30の中心へ向かうほど電子の量を多くしてプラズマ密度を高めることができ、電極板30の中心と外側とでプラズマ密度を均質化できる。
<パワーインプット切り替えによるプラズマ制御>
図8に示すように、ホルダ16は、バイアス電源70を介して接地(アース)されている。また、電極板30には、切り替え回路72(切り替え機構)を介して、高周波電源74が接続されている。さらに、電極板30は、切り替え回路72を介して、接地されている。高周波電源74は、高周波で電圧を供給する(パワーアウトプットする)ものであり、例えば、RF(Radio Frequency)電源(高周波電源)、MF(Medium Frequency)電源(高周波電源)、プラズマとの整合性を得るためのMB(マッチングボックス)などから構成される。
切り替え回路72は、回路切り替え用のスイッチなどを含んで構成され、図9に示すように、第1電極板30aを接地し、第2電極板30bにパワーインプットする(高周波電源74からの電圧を印加する)第1状態と、図10に示すように、第1電極板30aにパワーインプットし、第2電極板30bを接地する第2状態との間で、パワーインプット及び接地の切り替えを行う。このように、プラズマ処理装置10では、切り替え回路72で、第1状態と第2状態とを切り替えることにより、各状態で異なる態様のプラズマを発生させる。
具体的には、図9に示す第1状態では、MFC24(配管26)からプラズマ生成用のガスを供給した場合に、第2電極板30bの近傍にホローカソード放電によるプラズマが発生する。このとき、このプラズマ(ホローカソード放電によるプラズマ)は、2点鎖線で示す領域80で発生する。第1状態では、基板12側の第1電極板30aを接地電極とすることで、プラズマの中に基板12が暴露しない構成であり、プラズマシースによる影響を抑制して基板12への負荷を軽減できるので、プラズマ処理としてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)など成膜を行う場合に適している。
他方、図10に示す第2状態では、第1電極板30aからホルダ16へ向かうグロー放電によるプラズマが発生する。このとき、このプラズマ(グロー放電によるプラズマ)は、2点鎖線で示す領域82で発生する。第2状態では、第1状態とは逆に、接地されたホルダ16へ向けてプラズマが発生し、プラズマの中に基板12が暴露される構成であり、基板12への負荷は大きくなるが、プラズマ処理としてデスミア処理やエッチング処理などを行う場合に適している。
また、第2状態においては、プラズマ生成用のガスを未供給の状態であっても、チャンバ18内に残留するガスによって前述のように領域82にグロー放電によるプラズマが発生するが、MFC24(配管26)らプラズマ生成用のガスを供給した場合には、図11に示すように、領域82において、グロー放電によるプラズマが発生することに加えて、第1電極板30aの近傍の2点鎖線で示す領域84において、第1状態と同様のホローカソード放電によるプラズマも発生する。この状態(第2状態においてプラズマ生成用ガスを供給することにより、グロー放電によるプラズマとホローカソード放電によるプラズマとの2種類のプラズマを発生させた状態)では、2種類のプラズマを発生させることによりプラズマ密度を高めることができるので、処理効率の向上が可能である。
以上のように、プラズマ処理装置10では、第1状態においてホローカソード放電によるプラズマを発生させる態様(第1態様)と、第2状態においてプラズマ生成用のガスを提供せずにグロー放電によるプラズマのみを発生させる態様(第2態様)と、第2状態においてプラズマ生成用のガスを提供してグロー放電によるプラズマに加えてホローカソード放電によるプラズマを発生させる態様(第3態様)との3つの態様でプラズマを発生させることが可能である。これにより、プラズマ処理装置10によれば、プラズマ処理の種類や被処理材の種類、プラズマの発生状況やプラズマ処理の進行状況などに応じて最適な態様を選択でき、プラズマ処理プロセスの応用範囲を広げることができる。
また、プラズマ処理として、例えば、1つの(共通の)被処理材に対し、成膜処理を行った後にエッチング処理を行うなど、処理の特性(プラズマ処理装置に対する要求)が異なる複数のプラズマ処理を連続して行う場合、従来であれば、複数のプラズマ処理のそれぞれに対応した複数のプラズマ処理装置を用いたり、一方のプラズマ処理を行った後に、プラズマ処理装置の大掛かりな仕様変更を行ってから他方のプラズマ処理を行うなどの必要があり多大な手間がかかってしまうといった問題があった。これに対し、本発明のプラズマ処理装置10によれば、切り替え回路72によりパワーインプット及び接地の切り替えを行うといった簡単な作業で特性の異なる複数のプラズマ処理を1台の装置により行うことが可能であり、プラズマ処理プロセスの応用範囲を広げることができる。
<効果の確認>
以下、図12、図13を用い、本発明の効果の確認結果について説明を行う。効果の確認は、本発明のプラズマ処理装置10(図1-図3参照)を用い、電磁石32に電圧を印加して磁力を発生させた場合(磁石有りの場合)と、電磁石32に電圧を印加せずに磁力を発生させなかった場合(磁石無しの場合)と、でプラズマ密度の違いを調べることにより行った。
プラズマ密度は、ラングミュアプローブを用いて測定した。具体的には、磁石無しの場合と磁石有りの場合とのそれぞれでプラズマを発生させた。そして、それぞれの場合で共通の位置にプローブを挿入し、印加電圧を掃引することにより得られた電流[A]と電圧[V]の特性に基づき、プラズマ密度[個/cm]、電子温度[eV]、プラズマ電位[V]、飽和イオン電流[mA]、及び、飽和電子電流[mA]を求めた。結果は図12、図13に示す通りである。
図12、図13に示すように、プラズマ密度は、磁石有りの場合は1立方センチメートルあたり「7.139E11」個であるのに対し、磁石無しの場合は1立方センチメートルあたり「1.103E」個であり、本発明ように磁石有りとする(磁力により電極板の近傍の電子密度を向上させる)ことにより、磁石無しの場合と比較して格段にプラズマ密度を高くできることが確認できた。
10 プラズマ処理装置
12 基板(被処理材)
14 プラズマ発生器
16 ホルダ
18 チャンバ
20 真空ポンプ
22、24 MFC
26 配管
30 電極板
30a 第1電極板
30b 第2電極板
32 電磁石
34 ベース
36 ステー
38 スライドレール
40 サーボアクチュエータ
42 貫通孔
52 可変コンバータ
54 電源
60、62、64、66 永久磁石
70 バイアス電源
72 切り替え回路(切り替え機構)
74 高周波電源
80、82、84 領域(プラズマ発生領域)

Claims (6)

  1. 処理材を保持するホルダと、
    表面を前記ホルダへ向けて配置された第1電極板と、前記第1電極板の裏面側に前記第1電極板とは平行に配置された第2電極板と、からなる2枚で一対の電極板と、
    前記第1、第2電極板の両方を貫通する複数の貫通孔と、
    前記電極板の一方に対して高周波で電圧を印加することにより前記電極板の近傍にプラズマを発生させる高周波電源と、
    前記電極板を挟んで前記被処理材と対向する位置に設けられ、前記電極板の近傍の電子密度を高めることにより、前記プラズマの密度を高める磁石と、
    を備える、とともに、
    前記第1電極板を接地して前記第2電極板に前記高周波電源から電圧を印加する第1状態と、前記第2電極板及び前記ホルダを接地して前記第1電極板に前記高周波電源から電圧を印加する第2状態と、を切り替える切り替え機構を備え、
    前記第1状態においては、前記電極板の近傍にプラズマ発生用の気体を供給することによって、前記第2電極板の近傍にホローカソード放電によるプラズマを発生させ、
    前記第2状態においては、前記第1電極板から前記ホルダへ向かうグロー放電によるプラズマを発生させる、プラズマ処理装置。
  2. 記磁石を、前記貫通孔に対応して複数設けた、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記磁石は、供給する電力により磁力が変化する電磁石である、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記磁石により、前記プラズマの密度が低い領域の磁力を他の領域よりも高くする、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記電極板を移動させることにより、前記ホルダとの距離を調整する調整機構を備えた、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記第2状態においては、前記グロー放電によるプラズマに加えて、前記電極板の近傍に前記気体を供給することによって、前記第2電極板の近傍にホローカソード放電によるプラズマを発生させる、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
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