JP7404635B2 - 配向液晶化合物層積層体の製造方法 - Google Patents

配向液晶化合物層積層体の製造方法 Download PDF

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本発明は、配向液晶化合物層を転写するための転写用フィルムに関する。更に詳しくは、配向液晶化合物層からなる位相差層が積層された円偏光板などの偏光板や位相差板を製造する時や、配向液晶化合物層からなる偏光層を有する偏光板を製造する時などに用いられる、配向液晶化合物層を転写するための転写用フィルムに関する。
従来、画像表示装置においては、外来光の反射を低減するために、画像表示パネルの視聴者側のパネル面に円偏光板を配置している。この円偏光板は、直線偏光板とλ/4等の位相差フィルムとの積層体により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続くλ/4等の位相差フィルムにより円偏光に変換する。円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面で反射する際に偏光面の回転方向が逆転し、この反射光は、逆に、λ/4等の位相差フィルムにより、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換され、その後直線偏光板により遮光されるため、外部への出射が抑えられる。このように、円偏光板は、偏光板にλ/4等の位相差フィルムを貼り合わせたものが用いられている。
位相差フィルムとしては、環状オレフィン(特許文献1参照)、ポリカーボネート(特許文献2参照)、トリアセチルセルロースの延伸フィルム(特許文献3参照)などの単体の位相差フィルムが用いられている。また、位相差フィルムとしては、透明フィルム上に液晶化合物からなる位相差層を有する積層体の位相差フィルム(特許文献4,5参照)が用いられている。上記において液晶化合物からなる位相差層を設ける際には、液晶化合物を転写しても良いことが記載されている。
また、液晶化合物からなる位相差層を透明フィルムに転写することにより位相差フィルムを作成する方法は特許文献6等で知られている。このような転写法により、λ/4等の液晶化合物からなる位相差層を透明フィルム上に設け、λ/4フィルムとする方法も知られている(特許文献7,8参照)。
これらの転写法では転写用の基材として様々なものが紹介されており、中でもポリエステル、トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィンなどの透明樹脂フィルムが多く例示されている。トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィンなどの未延伸フィルムは、複屈折性がなく、位相差層をフィルム基材に設けた状態で位相差層の状態を検査(評価)することができる点で好ましいが、これらのフィルムは、高価であるだけでなく、フィルムを薄くした場合に機械的強度に劣り、必ずしも最適なものではなかった。
一方、延伸フィルムは、未延伸フィルムに比べ機械的強度に優れ、転写用のフィルム基材として好ましいが、転写した位相差層の配向方向が設計通りの配向方向にならず、そこからずれる問題がしばしば生じていた。そして、このような設計からずれた配向方向の位相差を有する偏光板をディスプレイに使用すると、光漏れなどの問題を生じることがあった。特に二軸延伸ポリエステルフィルムは、比較的安価であり、かつ優れた機械的強度、耐熱性を有し、これらの点では転写用のフィルム基材として非常に好ましいが、ポリエステルフィルムでは、この配向方向のずれ、及びそれによる光漏れの問題が特に顕著であった。
特開2012-56322号公報 特開2004-144943号公報 特開2004-46166号公報 特開2006-243653号公報 特開2001-4837号公報 特開平4-57017号公報 特開2014-071381号公報 特開2017-146616号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、配向液晶化合物層を転写するための離型性のフィルムとして、液晶化合物層を設けたままであっても、液晶化合物層の配向状態を検査することができる配向液晶化合物層転写用フィルム、配向液晶化合物層転写用積層体及びこれの検査方法を提供することである。さらに、前記配向液晶化合物層転写用積層体を用いて、配向液晶化合物層積層体を製造する方法を提供することである。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。代表的な本発明は以下のとおりである。
項1.
配向液晶化合物層を転写するための転写用フィルムであって、前記転写用フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に金属薄膜層が積層されており、金属薄膜層の基材フィルムが積層された側とは反対側に離型面を有する、配向液晶化合物層転写用フィルム。
項2.
前記基材フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムである項1に記載の配向液晶化合物層転写用フィルム。
項3.
前記離型面の表面粗さSRaが30nm以下である請求項1又は2に記載の配向液晶化合物層転写用フィルム。
項4.
前記金属薄膜層がアルミニウムの蒸着層である項1~3のいずれかに記載の配向液晶化合物層転写用フィルム。
項5.
基材フィルム、金属薄膜層、配向液晶化合物層がこの順で積層されている配向液晶化合物層転写用積層体。
項6.
基材フィルム、金属薄膜層、配向液晶化合物層がこの順で積層されている配向液晶化合物層転写用積層体を準備する工程(A)、配向液晶化合物層転写用積層体の配向液晶化合物層面を転写対象物表面に積層する工程(B)、配向液晶化合物層転写用フィルムを剥離し、対象物表面に液晶化合物配向層を転写する工程(C)を含む、配向液晶化合物層積層体の製造方法。
項7.
基材フィルム、金属薄膜層、配向液晶化合物層がこの順で積層されている配向液晶化合物層転写用積層体の配向液晶化合物層の配向状態を検査する方法であって、配向液晶化合物層転写用積層体の配向液晶化合物層側から偏光を照射する工程(イ)、反射した偏光を受光する工程(ロ)を含む、配向液晶化合物層転写用積層体の検査方法。
本発明により、配向液晶化合物層を転写するための離型性のフィルムとして、液晶化合物層を設けたままであっても、液晶化合物層の配向状態を検査することができる配向液晶化合物層転写用フィルム、配向液晶化合物層転写用積層体及びこれの検査方法を提供することができる。さらに、前記配向液晶化合物層転写用積層体を用いて、配向液晶化合物層積層体を製造することができる。
本発明の配向液晶化合物層転写用フィルムは、配向液晶化合物層を転写するための転写用フィルムである。配向液晶化合物層転写用フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に金属薄膜層が積層されており、金属薄膜層の基材フィルムが積層されている側とは反対側に離型面を有する。さらに、転写物である配向液晶化合物層は金属薄膜層側に設けられる。発明者らは、このような構成を採ることで配向液晶化合物層の配向状態を検査する時には、配向液晶化合物層面から光を照射して、配向液晶化合物層を通過後に金属薄膜層で反射され、さらに配向液晶化合物層を通過した反射光の偏光状態を検査することで、配向液晶化合物層の配向状態を知ることができること、さらにこの場合には、基材フィルムに配向の有無や配向の方向、その乱れなどに全く影響を受けずに配向液晶化合物層の配向状態を検査できることを見いだし、本発明に至った。なお、以下、配向液晶化合物層転写用フィルムを単に転写用フィルムと称する場合がある。
(基材フィルム)
基材フィルムの樹脂としては特に限定はなく、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、など、樹脂フィルムとなるものであれば制限なく使える。これらの中でも、機械的強度、耐熱性、供給安定性などの面からポリエステルが好ましく、さらにはポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートは共重合されていてもよい。共重合されるジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、などが挙げられる。共重合されるクリコール成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの共重合成分の量は配向液晶化合物層転写用フィルム基材としての物性を維持できる限り制限はないが、ジカルボン酸成分、ジオール成分をそれぞれ100モル%とした場合、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
基材フィルムの厚みの下限は好ましくは1μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは8μmであり、特に好ましくは10μmである。上記以上にすることで、取り扱い性に優れ、工程中の伸びが抑えられ、設計通りの配向状態の配向液晶化合物層を転写することができる。
基材フィルムの厚みの上限は好ましくは100μmであり、より好ましくは70μmであり、さらに好ましくは60μmであり、特に好ましくは50μmであり、最も好ましくは48μmである。上記以下にすることで、取り扱い性、生産性、低コストにすることができる。
基材フィルムのフィルム流れ方向(MD方向)の弾性率の下限は好ましくは1GPaであり、より好ましくは2GPaである。基材フィルムのMD方向とは垂直の方向(TD方向)の弾性率の下限は好ましくは1GPaであり、より好ましくは2GPaである。弾性率を上記以上にすることで、取り扱い性に優れ、工程中の伸びが抑えられ、設計通りの配向状態の配向液晶化合物層を転写することができる。
基材フィルムのMD方向の弾性率の上限は好ましくは10GPaであり、より好ましくは8GPaである。基材フィルムのTD方向の弾性率の上限は好ましくは10GPaであり、より好ましくは8GPaである。上記以下にすることで一般的な方法でフィルムを製造することができる。
基材フィルムの150℃30分熱収縮率の下限は好ましくは-1%であり、より好ましくは0%である。150℃30分熱収縮率の上限は好ましくは5%であり、より好ましくは4%であり、さらに好ましくは3%であり、特に好ましくは2%、最も好ましくは1.5%である。上記範囲にすることで、液晶化合物層の乾燥、配向処理などの各工程での加熱時のフィルムの変形が抑えられ、設計通りの配向状態の配向液晶化合物層を転写することができる。
なお、熱収縮率はMD方向に対して、0度、45度、90度、135度のすべての方向で上記範囲であることが好ましい。
基材フィルムの95℃30分最大熱収縮率の上限は、好ましくは2.5%であり、より好ましくは2%であり、さらに好ましくは1.2%であり、特に好ましくは1%であり、最も好ましくは0.8%である。基材フィルムの95℃最大熱収縮率の下限は好ましくは0.01%である。上記範囲内とすることで、液晶化合物層の乾燥、配向処理などの各工程での加熱時のフィルムの変形が抑えられ、設計通りの配向状態の配向液晶化合物層を転写することができる。
(基材フィルムの構成)
構成としては、単層でも共押出による複数層であっても良い。複数層の場合は、表層(金属薄膜層との積層面の層A)/裏面層(B)、A/B/A(金属薄膜層との積層面の層と裏面層が同一)、A/中間層(C)/B、などの構成が挙げられる。
基材フィルムは未延伸フィルムであっても延伸フィルムであっても良いが、弾性率や耐熱性を高くできる、生産性が高い、といった点で、延伸フィルムであることが好ましい。
未延伸フィルムは、ポリエステルや環状ポリオレフィンの様に熱溶融性の樹脂の場合は、溶融した樹脂を冷却ロール上にシート状に押し出して得ることができる。また、トリアセチルセルロースの様に熱分解しやすいものは、溶剤に溶解させたドープを金属ベルト等の上に流し出し、溶剤を除去して得ることができる。
延伸フィルムとする場合には、冷却ロール状にシート状に押し出す際にドラフト比を高くする、これらによって得られた未延伸フィルムを延伸することで得ることができる。
延伸としては一軸延伸、弱二軸延伸(二軸方向に延伸しているが一方の方向が弱いもの)、二軸延伸、いずれもかまわないが、MD方向、TD方向に均等な特性を持たせるためには二軸延伸であることが好ましい。
二軸延伸の場合は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であっても良い。縦方向の延伸は速度差の異なるロール群による延伸が好ましく、横方向の延伸や同時二軸延伸はテンター延伸が好ましい。
配向液晶化合物層転写用フィルムは工業的にはフィルムを巻回したロールで供給される。ロール幅の下限は好ましくは30cmであり、より好ましくは50cmであり、さらに好ましくは70cmであり、特に好ましくは90cmであり、最も好ましくは100cmである。
ロール幅の上限は好ましくは5000cmであり、より好ましくは4000cmであり、さらに好ましくは3000cmである。
フィルム長さは500m以上が好ましく、さらには1000m以上が好ましい。また、フィルムの長さは30000m以下が好ましく、さらには20000m以下が好ましい。
(基材フィルムの表面処理)
基材フィルムは金属薄膜層や後述する平坦化コート層との密着性を向上させるため、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行っても良い。
基材フィルムに易接着コート層を設けても良い。易接着コート層は、樹脂を溶媒に溶解させた塗工液組成物を基材フィルムに塗工、乾燥させて設けることができる。基材フィルムへの塗工はフィルムの製膜工程中で行うインラインコート、フィルムを一旦巻き取った後、このフィルムに塗工するオフラインコートのいずれであってもよい。
易接着コート層に用いられる樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂などが挙げられ、基材フィルムの樹脂や薄膜層の金属の種類によって適宜選択される。
易接着コート層には架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ樹脂、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
易接着コート層の厚みの下限は好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0,005μmであり、さらに好ましくは0.01μmである。易接着コート層の厚みの上限は好ましくは2μmであり、より好ましくは1μmであり、さらに好ましくは0.5μmであり、特に好ましくは0.3μmである。
(平坦化コート)
基材フィルムの金属薄膜層との界面は平坦であることが好ましい。製膜後の基材フィルムの表面粗さが大きい場合には平坦化コートを行うこともできる。平坦化コートに用いられる樹脂は、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアミドなど一般にコート剤の樹脂として用いられるものが挙げられる。メラミン、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキサゾリン化合物などの架橋剤を用いることも好ましい。これらは有機溶剤や水に溶解または分散させたコート剤として塗工され乾燥させる。またはアクリルの場合は無溶剤で塗工され、放射線で硬化させても良い。
なお、本発明において、易接着コート層や平坦化コート層も含めて基材フィルムと呼ぶことがある。
(金属薄膜層)
基材フィルムには金属薄膜層が積層されている。金属薄膜層に用いられる金属としては特に限定はないが、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、スズ、インジウム、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムが価格面や薄膜のしやすさなどから好ましい。
金属薄膜層の積層方法としてはドライプロセスや金属箔を貼り合わせる方法などがあるが、ドライプロセスが好ましい。ドライプロセスとしては、真空蒸着、スパッタ、CVD法などが挙げられ、生産性の面で真空蒸着が好ましい。
金属薄膜層の厚さの下限は好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0.005μmであり、さらに好ましくは0.01μmであり、特に好ましくは0.03μmである。上記以上とすることで、液晶化合物の配向状態を検査する際に必要な反射率を得ることができる。
金属薄膜層の厚さの上限は好ましくは10μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは3μmであり、特に好ましくは2μmであり、最も好ましくは1μmである。上記を越えても反射率は同程度であり、ドライプロセスの場合は製膜に時間がかかり生産性に劣ることがある。
(金属薄膜層の表面処理)
金属薄膜層は酸化処理、窒化処理などの表面処理を行っても良い。また、金属薄膜層は離型層との密着性を向上させるために表面処理コートを行っても良い。表面処理としては、チタン、シリコン等のカップリング剤処理、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂などの樹脂コートなどが挙げられる。
(離型層)
金属薄膜層は金属薄膜層の上に転写物である配向液晶化合物層又は配向制御層を直接設けてもよい。また、金属薄膜層表面にさらに離型層を設けても良い。
離型層としては、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、オレフィン樹脂、長鎖アクリレート共重合アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
離型層の厚みの下限は好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.05μmであり、さらに好ましくは0.07μmであり、特に好ましくは0.1μmである。離型層の厚みの上限は好ましくは10μmであり、より好ましくは7μmであり、さらに好ましくは5μmであり、特に好ましくは3μmである。上記範囲とすることで必要な離型性を確保すると共に高生産性、低コストとすることができる。
表面処理コート層の好ましい厚みは上記の易接着コート層の範囲と同じである。
(離型面の表面粗さ)
本発明においては、離型面は平滑であることが好ましい。離型面の表面粗さが大きい場合は、配向制御層であればラビング時に凸部分の配向制御層が剥がれる、凸部分の麓部や凹部分のラビングが不十分となり、配向液晶化合物層の配向が乱れるため、欠陥が生じる場合がある。
また、ラビング配向制御層であっても光配向制御層であっても、配向制御層を設けた状態で巻き取った場合、裏面層と擦れることにより、凸部分の配向制御層に穴が空く、圧力により配向が乱れる、等考えられる。これら配向制御層の欠陥により、配向制御層上に液晶化合物配向を設ける時にその微少部分で液晶化合物の配向が起こらないことが原因と考えられる。
なお、本発明において、離型面とは配向液晶化合物層(配向制御層を設ける場合は配向制御層)が設けられる面である。
離型面の粗さSRaは下限が好ましくは1nmであり、より好ましくは1.5nmであり、さらに好ましくは2.0nmである。離型面の粗さSRaの上限は好ましくは30nmであり、より好ましくは25nmであり、さらに好ましくは20nmであり、特に好ましくは15nmであり、最も好ましくは10nmである。
離型面の十点平均面粗さSRzの下限は好ましくは5nmであり、より好ましくは10nmであり、さらに好ましくは13nmである。離型面の十点平均面粗さSRzの上限は好ましくは200nmであり、より好ましくは150nmであり、さらに好ましくは120nmであり、特に好ましくは100nmであり、最も好ましくは80nmである。
離型面の最大高さSRy(離型面最大山高さSRp+離型面最大谷深さSRv)の下限は好ましくは10nmであり、より好ましくは15nmであり、さらに好ましくは20nmである。離型面最大高さSRyの上限は好ましくは300nmであり、より好ましくは250nmであり、さらに好ましくは150nmであり、特に好ましくは120nmであり、最も好ましくは100nmである。
離型面の0.5μm以上の突起数の上限は好ましくは5個/mであり、より好ましくは4個/mであり、さらに好ましくは3個/mであり、特に好ましくは2個/mであり、最も好ましくは1個/mである。
上記範囲にすることで、一般的な平滑化の方法で、配向液晶化合物層の微小領域での欠陥(ピンホール状欠陥)を低減させることができる。
なお、上記離型面の粗さは、離型面に直接ラビング処理を行う場合はラビング処理を行う前の離型面の粗さである。
(離型面を平滑にする方法)
離型面を上記範囲にするためには、まず、基材フィルムの金属薄膜層を設ける面の表面粗さを小さくすることが好ましい。そのための方法としては以下が挙げられる。
・基材フィルムの離型面側層が粒子を含まないものとする。
・基材フィルムの離型面側層が粒子を含む場合は粒径の小さな粒子とする。
・基材フィルムの離型面側層が粒子を含む等の理由で表面粗さが大きい場合は平坦化コートを設ける。
なお、本発明において、基材フィルムの「離型面側層」とは、基材フィルムを構成する樹脂の各層のうち、離型面が存在する側の層(基材フィルムの各層のうち、離型面に最も近い層)を意味する。ここで、基材フィルムが単一の層である場合も離型面側層と呼ぶ場合がある。基材フィルムが単一層の場合、後述する裏面側層と離型面側層が同一層となる。
また、上記以外に原料や製造工程を以下のようにクリーンにすることも重要である。
・原料樹脂として、異物や粗大粒子を含まないものを用いる。
・原料樹脂搬入から製膜機投入までの環境をクリーンにする
・製膜時、溶融樹脂にフィルターをかけ、凝集粒子や異物を除去する。
・コート剤にフィルターをかけ、異物を除去する。
・製膜、コート、乾燥時にクリーン環境下で行う。
離型面側層は平滑化のためには実質的に粒子を含まないことが好ましい。実質的に粒子を含まないとは、50ppm未満であり、30ppm未満である。
一方、基材フィルムの滑り性を上げるため、粒子を含んでいても良い。粒子を含む場合、粒子含有量の下限は好ましくは50ppmであり、より好ましくは100ppmである。離型面側層の粒子含有量の上限は好ましくは20000ppmであり、より好ましくは10000ppmであり、さらに好ましくは8000ppmであり、特に好ましくは6000ppmである。上記を越えると、表層の粗さが好ましい範囲内にできないことがある。
離型面側層の粒子径の下限は好ましくは0.005μmであり、より好ましくは0.01μmであり、さらに好ましくは0.02μmである。離型面側層の粒子径の上限は好ましくは3μmであり、より好ましくは1μmであり、さらに好ましくは0.5μmであり、特に好ましくは0.3μmである。上記を越えると、離型面側層の粗さが好ましい範囲内にできないことがある。
離型面側層が粒子を含まない場合や粒径の小さな粒子とした場合であってもその下層が粒子を含む場合は下層の粒子の影響により離型面側層の粗さが高くなる場合がある。このような場合は、離型面側層の厚みを大きくする、粒子を含まない下層(中間層)を設ける等の方法をとることが好ましい。
離型面側層の厚みの下限は好ましくは0.1μmであり、より好ましくは0.5μmであり、さらに好ましくは1μmであり、特に好ましくは3μmであり、最も好ましくは5μmである。離型面側層の厚みの上限は基材フィルムの全厚みに対して、好ましくは97%、より好ましくは95%、さらに好ましくは90%である。
粒子を含まない中間層は、実質的に粒子を含まないという意味で、粒子の含有量は50ppm未満であることが好ましく、さらに30ppm未満であることが好ましい。基材フィルムの全厚みに対して、中間層の厚みの下限は好ましくは10%、より好ましくは20%、さらに好ましくは30%である。上限は好ましくは95%、より好ましくは90%である。
基材フィルムの金属薄膜層積層側の表面粗さは、SRa、SRz、SRyは離型面の表面粗さの好ましい範囲と同じである。また、0.5μm以上の突起数も離型面の好ましい範囲と同じである。
(金属薄膜層の表面粗さ)
金属薄膜層の表面粗さは小さいことが好ましい。液晶化合物を配向させる時に偏光紫外線を照射する場合があるが、表面粗さが大きい場合は金属表面で乱反射する偏光紫外線の量が多くなり、設定通りの配向状態が得られない場合がある。
金属薄膜層の表面粗さは、SRa、SRz、SRyは離型面の表面粗さの好ましい範囲と同じである。また、0.5μm以上の突起数も離型面の好ましい範囲と同じである。
金属薄膜層をドライプロセスで行った場合、基本的に基材フィイルムの表面粗さが反映される。従って、金属薄膜層の表面粗さを小さくする方法は上述の通りである。
なお、蒸着などのプロセスではスプラッシュ(金属の突沸)が生じるとその飛沫が金属薄膜層に付着し、部分的な凸部が生じる場合がある。スプラッシュが生じないよう、蒸着のプロセス管理を行うことが好ましい。
(離型層の表面粗さ)
金属薄膜層の上に離型層を設けた場合は離型層の表面粗さを金属薄膜層の表面粗さ以下にすることができる。この場合、離型層には粒子を含まないようにする、粒子を含む場合は微小な粒子とする、離型層の塗工液にフィルターをかけて凝集粒子や異物を除去する、コート、乾燥時にクリーン環境下で行う、などの方法を採ることが好ましい。
(配向液晶化合物層転写用フィルムの光沢度)
本発明の配向液晶化合物層転写用フィルムは離型面側から測定した場合に高い光沢度を持っていることが好ましい。光沢度の下限は好ましくは200%であり、より好ましくは300%であり、さらに好ましくは400%であり、特に好ましくは450%である。最も好ましくは500%である。光沢度を上記以上にすることで、偏光紫外線により液晶化合物を配向させる時に設定通りの配向状態が得られる。また、配向液晶化合物層の配向状態を検査する時の正確性を確保することができる。
光沢度は、JIS Z8741(1997)の鏡面光沢度測定方法に基づき、屈折率1.567であるガラス表面において60°の入射角の場合反射率10%を光沢度100(%)として測定した値である。
光沢度は、金属薄膜層の表面粗さを小さくすること、離型層を設ける場合は透明性の高い離型層にすることで、高くすることができる。
(裏面の粗さ)
また、離型面を平滑にしても配向液晶化合物層に欠点が生じる場合があり、これは転写フィルムの離型面とは反対側の表面(以下、裏面という。また、基材フィルムを構成する各層のうち、裏面を有する層を、裏面層と呼ぶこととする)を特定の粗さにすることにより防止することができることが分かった。
これは、配向液晶化合物層転写用フィルムはロール状に巻き取られており、表面と裏面が接しているため、裏面の粗さが表面に転写するためであることがわかった。配向液晶化合物層塗工前の配向液晶化合物層転写用フィルムでは離型層に裏面の凸部が転写して凹部が形成される。金属薄膜層が離型面である場合は、裏面の凸部により金属薄膜層にピンホールが空く場合もある。
また、配向液晶化合物層を設けた配向液晶化合物層転写用フィルムは、配向液晶化合物層を保護するため、マスキングフィルムを貼り合わせて巻き取られる場合もあるが、コスト低減のため、そのまま巻き取られることも多い。この場合、配向制御層を設けた状態で巻き取った場合は配向制御層が裏面の凸部により、凹む、穴が空く、配向制御層の配向が乱れるといった現象が起こっていると考えられる。また、配向液晶化合物層を設けた後では、裏面の凸部により、配向液晶化合物層に穴が空く、配向が乱れるといった現象が起こっていると考えられる。特に巻芯部では圧力が高くこれらの現象が起こりやすい。
裏面の中心面平均粗さSRaの下限は好ましくは2nmであり、より好ましくは3nmであり、さらに好ましくは4nm、特に好ましくは5nmである。上記未満であると滑り性が悪くなり、ロール搬送時、巻き取り時などに滑らかに滑らずキズが付きやすくなるとなることがある。
裏面の中心面平均粗さSRaの上限は好ましくは50nmであり、より好ましくは45nmであり、さらに好ましくは40nmである。上記を越えると欠点が多くなることがある。
裏面の十点平均面粗さSRzの下限は、好ましくは7nmであり、より好ましくは10nmであり、さらに好ましくは15nmであり、特に好ましくは20nmであり、最も好ましくは25nmである。
裏面の十点平均面粗さSRzの上限は好ましくは1500nmであり、より好ましくは1200nmであり、さらに好ましくは1000nmであり、特に好ましくは700nmであり、最も好ましくは500nmである。上記を越えると欠点が多くなることがある。
裏面の最大高さSRy(裏面最大山高さSRp+裏面最大谷深さSRv)の下限は好ましくは15nmであり、より好ましくは20nmであり、さらに好ましくは25nmであり、特に好ましくは30nmであり、最も好ましくは40nmである。裏面の最大高さSRyの上限は好ましくは2000nmであり、より好ましくは1500nmであり、さらに好ましくは1200nmであり、特に好ましくは1000nmであり、最も好ましくは700nmである。上記を越えると欠点が多くなることがある。
2μm以上の突起数の上限は好ましくは5個/mであり、より好ましくは4個/mであり、さらに好ましくは3個/mであり、特に好ましくは2個/mであり、最も好ましくは1個/mである。上記を越えると欠点が多くなることがある。
裏面を上記範囲とするためには、基材フィルムが延伸フィルムの場合、以下の方法が挙げられる。
・基材フィルムの裏面層を特定の粒子を含むものにする。
・基材フィルムの中間層に粒子を含むものを用い、裏面層に粒子を含まないものとして厚みを薄くする。
・基材フィルムの裏面層の粗さが大きい場合は平坦化コートを設ける。
・基材フィルムの裏面層が粒子を含まない場合は易滑コートを設ける。
裏面層に含有される粒子の粒子径の下限は好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.05μmであり、さらに好ましくは0.1μmである。上記未満であると滑り性が悪くなり、巻き取り不良が起こる場合がある。
裏面層に含有される粒子の粒子径の上限は好ましくは5μmであり、より好ましくは3μmであり、さらに好ましくは2μmであある。上記を越えると裏面が粗くなりすぎることがある。
裏面層が粒子を含む場合、粒子含有量の下限は、好ましくは50ppmであり、より好ましくは100ppmである。上記未満であると粒子を添加した滑り性の効果が得られないことがある。
裏面層の粒子含有量の上限は好ましくは10000ppmであり、より好ましくは7000ppmであり、さらに好ましくは5000ppmである。上記を越えると裏面が粗くなりすぎることがある。
裏面層の厚みの下限は好ましくは0.1μmであり、より好ましくは0.5μmであり、さらに好ましくは1μmであり、特に好ましくは3μmであり、最も好ましくは5μmである。裏面層の厚みの上限は基材フィルムの全厚みに対して、好ましくは95%、より好ましくは90%、さらに好ましくは85%である。
中間層に粒子を含ませ、裏面層は粒子を含まずに薄くすることで裏面の粗さを制御することも好ましい。このような形態を取ることで、粒子の脱落を防ぎながら裏面の粗さを確保することができる。
中間層の粒子の粒径や添加量としては、裏面層の粒子と同様である。この場合の裏面層の厚みの下限は好ましくは0.5μmであり、より好ましくは1μmであり、さらに好ましくは2μmである。厚みの上限は好ましくは30μmであり、より好ましくは25μmであり、さらに好ましくは20μmである。
基材フィルムの裏面が粗い場合、裏面に平坦化コート層を設けることも好ましい。平坦化コート層は、表面の平坦化コートで挙げたものを同様に用いることができる。
裏面平坦化コート層の厚みの下限は好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.03μmであり、さらに好ましくは0.05μmである。上記未満であると平坦化の効果が小さくなることがある。
裏面平坦化コート層の厚みの上限は好ましくは10μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは3μmである。上記を超えても平坦化の効果が飽和してしまう。
基材フィルムの裏面層を粒子を含まないものとし、裏面に粒子を含有する易滑コートを設けてもよい。
裏面易滑コート層に含まれる粒子の粒子径の下限は好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.05μmである。上記未満であると易滑性が得られないことがある。
裏面易滑コート層に含まれる粒子の粒子径の上限は好ましくは5μmであり、より好ましくは3μmであり、さらに好ましくは2μmであり、特に好ましくは1μmである。上記を越えると裏面の粗さが高すぎることがある。
裏面易滑コート層の粒子含有量の下限は好ましくは0.1質量%であり、より好ましくは0.5質量%であり、さらに好ましくは1質量%であり、特に好ましくは1.5質量%であり、最も好ましくは2質量%である。上記未満であると易滑性が得られないことがある。
裏面易滑コート層の粒子含有量の上限は好ましくは20質量%であり、より好ましくは15質量%であり、さらに好ましくは10質量%である。上記を越えると裏面の粗さが高すぎることがある。
裏面易滑コート層厚みの下限は好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.03μmであり、さらに好ましくは0.05μmである。
裏面易滑コート層厚みの上限は好ましくは10μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは3μmであり、特に好ましくは2μmであり、最も好ましくは1μmである。
上記では延伸フィルムの場合を説明したが、トリアセチルセルロースなど溶剤に溶解したドープを金属ベルト等に展開して溶剤を乾燥させる流延法による製膜方法の場合でも粒子を添加することで、粗さを調節することができる。溶剤の除去に伴い粒子による凹凸が上面(金属ベルトの反対面)に生じる。この場合、金属ベルトの表面粗さを小さくして金属ベルト面を離型面とすることが好ましい。また、ドープに粒子が含まれる場合、溶剤含有量が多い状態で金属ベルトから剥離すると粒子による凹凸が金属ベルト面にも出る場合があるため、溶剤含有量が少ない状態まで乾燥後、金属ベルトから剥離することも好ましい。これらの剥離のタイミングで粗さを調整することもできる。また、溶剤を若干量含んだ状態でテンター内で延伸乾燥させる場合は、延伸倍率等で粗さを調整することもできる。また、粒子を含まない場合では金属ベルトの粗さを調節して、金属ベルト面を裏面としても良い。また、粗さの異なるロール間を通しながら乾燥すると共に粗さを表面に転写させても良い。
COPなど、溶融樹脂をキャストし未延伸フィルムとして用いる場合でも粒子を添加することは粗さを調節する好ましい方法である。無機粒子など熱膨張係数が基材フィルム樹脂と異なる粒子を用いることで、冷却時に起こる熱収縮で添加粒子による凹凸を表面に形成することができる。この場合、溶融樹脂をシート状に押し出す冷却ロールの表面粗さを小さくすることで離型面とすることが好ましい。また、冷却ロールを粗くして粗さを転写し、裏面としても良い。フィルム樹脂のTg以上の温度で粗さの異なるロール間を通して粗さを転写させても良い。
なお、これらの未延伸フィルムでも平滑コートや粒子を含有する易滑コートにより粗さを調整することもできる。
(配向液晶化合物層転写用積層体)
次に、本発明の配向液晶化合物層転写用積層体について説明する。なお、以降、簡略化して、配向液晶化合物層転写用積層体を、転写用積層体と呼ぶことがある。
本発明の配向液晶化合物層転写用積層体は、配向液晶化合物層と本発明の配向液晶化合物層転写用フィルムが積層された構造を有する。配向液晶化合物層は、金属薄膜層の基材フィルムとは反対側(金属薄膜層側)に設けられる。
配向液晶化合物層は配向液晶化合物層転写用フィルム上に塗工し配向させる必要がある。配向させる方法としては、配向液晶化合物層の下層(転写用フィルムの離型面)にラビング処理等を行い配向制御機能を付与する方法や、液晶化合物を塗布後に偏光紫外線等を照射して直接液晶化合物を配向させる方法がある。
(配向制御層)
また、転写用フィルムに配向制御層を設け、この配向制御層上に配向液晶化合物層を設ける方法も好ましい。なお、本発明において、配向液晶化合物層単独ではなく配向制御層と配向液晶化合物層を合わせた総称としても配向液晶化合物層と呼ぶことがある。配向制御層としては、配向制御層上に設けた液晶化合物などの層を所望の配向状態にすることができるものであれば、どのような配向制御層でもよいが、樹脂の塗工膜をラビング処理したラビング処理配向制御層や、偏光の光照射により分子を配向させて配向機能を生じさせる光配向制御層が好適な例として挙げられる。
(ラビング処理配向制御層)
ラビング処理により形成される配向制御層に用いられるポリマー材料としては、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリイミドおよびその誘導体、アクリル樹脂、ポリシロキサン誘導体などが好ましく用いられる。
以下、ラビング処理配向制御層の形成方法を説明する。まず、上記のポリマー材料を含むラビング処理配向制御層塗布液を転写用フィルムの離型面上に塗布したのち、加熱乾燥等を行ない、ラビング処理前の配向制御層を得る。配向制御層塗布液は架橋剤を有していても良い。
ラビング処理配向制御層塗布液の溶剤としては、ポリマー材料を溶解するものであれば制限なく用いることができる。具体例としては、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、セロソルブ、などのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、ガンマーブチロラクトン、などのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、などのケトン系溶剤;トルエン又はキシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。
ラビング処理配向制御層塗布液の濃度は、ポリマーの種類や製造しようとする配向制御層の厚みによって適宜調節できるが、固形分濃度で表して、0.2~20質量%とすることが好ましく、0.3~10質量%の範囲が特に好ましい。塗布する方法としては、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が採用される。
加熱乾燥温度は、転写用フィルムにもよるが、基材フィルムがPETの場合30℃~170℃の範囲が好ましく、より好ましくは、50~150℃、さらに好ましくは、70~130℃である。乾燥温度が低い場合は乾燥時間を長く取る必要が生じ、生産性に劣る場合がある。乾燥温度が高すぎる場合、転写用フィルムが熱で伸びたり、熱収縮が大きくなったりし、設計通りの光学機能が達成できなくなったり、平面性が悪くなる場合がある。加熱乾燥時間は例えば0.5~30分であればよく、1~20分がより好ましく、さらには2~10分がより好ましい。
ラビング処理配向制御層の厚さは、0.01~10μmであることが好ましく、さらには0.05~5μm、特には0.1μm~1μmであることが好ましい。
次に、ラビング処理を施す。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に擦ることにより実施することができる。一般的には、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの繊維の起毛布のラビングローラーを用い、配向制御層表面をラビング処理する。長尺状のフィルムの長手方向に対して斜めの所定方向に配向する配向液晶化合物層を設けるためには配向制御層のラビング方向もそれに合った角度にする必要がある。角度の調整は、ラビングローラーと転写用フィルムとの角度調整、転写用フィルムの搬送速度とローラーの回転数の調整で合わせることができる。
なお、転写用フィルムの離型面に直接ラビング処理を行って転写用フィルム表面に配向制御機能を持たせることも可能であり、この場合も本発明の技術範囲に含まれる。
(光配向制御層)
光配向制御層とは、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む塗工液を転写用フィルムに塗布し、偏光、好ましくは偏光紫外線を照射することによって配向規制力を付与した配向膜のことをいう。光反応性基とは、光照射により液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、あるいは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応又は光架橋反応を起こすものが、配向性に優れ、位相差層や偏光膜の液晶状態を保持する点で好ましい。以上のような反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合であると好ましく、C=C結合、C=N結合、N=N結合、C=O結合からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ-ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基などが挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾンなどの構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基などや、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基などが挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基及びハロゲン化アルキル基などの置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応を起こしうる光反応性基が好ましく、シンナモイル基及びカルコン基が、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいため好ましい。さらにいえば、光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。主鎖の構造としては、ポリイミド、ポリアミド、(メタ)アクリル、ポリエステル、等が挙げられる。
具体的な配向制御層としては、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特開2002-229039号公報、特開2002-265541号公報、特開2002-317013号公報、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、特開2013-33248号公報、特開2015-7702号公報、特開2015-129210号公報に記載の配向制御層が挙げられる。
光配向制御層形成用塗工液の溶剤としては、光反応性基を有するポリマー及びモノマーを溶解するものであれば制限なく用いることができる。具体例としてはラビング処理配向制御層の形成方法で挙げたものが例示できる。光配向制御層形成用塗工液には、光重合開始剤、重合禁止剤、各種安定剤を添加することも好ましい。また、光反応性基を有するポリマー及びモノマー以外のポリマーや光反応性基を有するモノマーと共重合可能な光反応性基を有しないモノマーを加えても良い。
光配向制御層形成用塗工液の濃度、塗布方法、乾燥条件もラビング処理配向制御層の形成方法で挙げたものが例示できる。厚みもラビング処理配向制御層の好ましい厚みと同様である。
偏光は、配向前の光配向制御層面の方向から照射する。
偏光の波長は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収できる波長領域のものが好ましい。具体的には、波長250~400nmの範囲の紫外線が好ましい。偏光の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArFなどの紫外光レ-ザ-などが挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプが好ましい。
偏光は、例えば前記光源からの光に偏光子を通過させることにより得られる。前記偏光子の偏光角を調整することにより、偏光の方向を調整することができる。前記偏光子は、偏光フィルターやグラントムソン、グランテ-ラ-等の偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子が挙げられる。偏光は、実質的に平行光であると好ましい。
照射する偏光の角度を調整することにより、光配向制御層の配向規制力の方向を任意に調整することができる。
照射強度は重合開始剤や樹脂(モノマー)の種類や量で異なるが、例えば365nm基準で10~10000mJ/cmが好ましく、さらには20~5000mJ/cmが好ましい。
(配向液晶化合物層)
配向液晶化合物層は、液晶化合物が配向されたものであれば特に制限はない。具体的な例としては、液晶化合物と二色性色素を含む偏光膜(偏光子)、棒状やディスコティック液晶化合物を含む位相差層が挙げられる。
(偏光膜)
偏光膜は一方向のみの偏光を通過させる機能を有し、二色性色素を含む。
(二色性色素)
二色性色素とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。
二色性色素は、300~700nmの範囲に吸収極大波長(λMAX)を有するものが好ましい。このような二色性色素は、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素及びアントラキノン色素などが挙げられるが、中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素は、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素及びスチルベンアゾ色素などが挙げられ、好ましくはビスアゾ色素及びトリスアゾ色素である。二色性色素は単独でも、組み合わせても良いが、色調を調整(無彩色)にするため、2種以上を組み合わせることが好ましい。特には3種類以上を組み合わせるのが好ましい。特に、3種類以上のアゾ化合物を組み合わせるのが好ましい。
好ましいアゾ化合物としては、特開2007-126628号公報、特開2010-168570号、特開2013-101328号、特開2013-210624号に記載の色素が挙げられる。
二色性色素はアクリルなどのポリマーの側鎖に導入された二色性色素ポリマーであることも好ましい。これら二色性色素ポリマーとしては特開2016-4055号で挙げられるポリマー、特開2014-206682号の[化6]~[化12]の化合物が重合されたポリマーが例示できる。
偏光膜中の二色性色素の含有量は、二色性色素の配向を良好にする観点から、偏光膜中、0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1.0~15質量%がさらに好ましく、2.0~10質量%が特に好ましい。
偏光膜には、膜強度や偏光度、膜均質性の向上のため、さらに重合性液晶化合物が含まれていることが好ましい。なお、ここで重合性液晶化合物は膜として重合後の物も含まれる。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。
重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。液晶性を示す化合物は、サーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、また、サーモトロピック液晶における、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
重合性液晶化合物は、より高い偏光特性が得られるという点でスメクチック液晶化合物が好ましく、高次スメクチック液晶化合物がより好ましい。重合性液晶化合物が形成する液晶相が高次スメクチック相であると、配向秩序度のより高い偏光膜を製造することができる。
具体的な好ましい重合性液晶化合物としては、例えば、特開2002-308832号公報、特開2007-16207号公報、特開2015-163596号公報、特表2007-510946号公報、特開2013-114131号公報、WO2005/045485号公報、Lub et al.Recl.Trav.Chim.Pays-Bas,115,321-328(1996)などに記載のものが挙げられる。
偏光膜中の重合性液晶化合物の含有割合は、重合性液晶化合物の配向性を高くするという観点から、偏光膜中70~99.5質量%が好ましく、より好ましくは75~99質量%、さらに好ましくは80~97質量%であり、特に好ましくは83~95質量%である。
偏光膜は偏光膜組成物塗料を塗工して設けることができる。偏光膜組成物塗料は、溶剤、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤及び、重合性非液晶化合物、架橋剤等を含んでもよい。
溶剤としては、配向層塗布液の溶剤として挙げたものが好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性液晶化合物を重合させるものであれば限定はされないが、光により活性ラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。重合開始剤としては、例えばベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩などが挙げられる。
増感剤は光増感剤が好ましい、例えば、キサントン化合物、アントラセン化合物、フェノチアジン、ルブレン等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、チオフェノール類が挙げられる。
重合性非液晶化合物としては、重合性液晶化合物と共重合するものが好ましく、例えば、重合性液晶化合物が(メタ)アクリロイルオキシ基を有する場合は(メタ)クレート類が挙げられる。(メタ)クリレート類は単官能であっても多官能であっても良い。多官能の(メタ)アクリレート類を用いることで、偏光膜の強度を向上させることができる。重合性非液晶化合物を用いる場合は偏光膜中に1~15質量%とすることが好ましく、さらには2~10質量%、特には3~7質量%にすることが好ましい。15質量%を越えると偏光度が低下することがある。
架橋剤としては、重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物の官能基と反応しうる化合物が挙げられ、イソシアネート化合物、メラミン、エポキシ樹脂、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
偏光膜組成物塗料を転写用フィルム上または配向制御層上に直接塗工後、必要により乾燥、加熱、硬化することにより、偏光膜が設けられる。
塗工方法としては、塗布する方法としては、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が採用される。
塗工後の転写用フィルムは温風乾燥機、赤外線乾燥機などに導かれ、30~170℃、より好ましくは50~150℃、さらに好ましくは70~130℃で乾燥される。乾燥時間は0.5~30分が好ましく、1~20分がより好ましく、さらには2~10分がより好ましい。
加熱は、偏光膜中の二色性色素および重合性液晶化合物をより強固に配向させるために行うことができる。加熱温度は、重合性液晶化合物が液晶相を形成する温度範囲にすることが好ましい。
偏光膜組成物塗料に重合性液晶化合物が含まれる場合は、硬化するのが好ましい。硬化方法としては、加熱及び光照射が挙げられ、光照射が好ましい。硬化により二色性色素を配向した状態で固定することができる。硬化は、重合性液晶化合物に液晶相を形成させた状態で行うのが好ましく、液晶相を示す温度で光照射して硬化してもよい。光照射における光としては、可視光、紫外光及びレーザー光が挙げられる。取り扱いやすい点で、紫外光が好ましい。
照射強度は重合開始剤や樹脂(モノマー)の種類や量で異なるが、例えば365nm基準で100~10000mJ/cmが好ましく、さらには200~5000mJ/cmが好ましい。
偏光膜は、偏光膜組成物塗料を配向制御層上に塗布することで、色素が配向層の配向方向に添って配向し、その結果、所定方向の偏光消光軸を有することになるが、配向制御層を設けず直接転写用フィルムに塗工した場合は、偏光光を照射して偏光膜形成用組成物を硬化させることで、偏光膜を配向させることもできる。その後加熱処理することで二色性色素を強固に高分子液晶の配向方向に添って配向させることが好ましい。
偏光膜の厚さは、0.1~5μmであり、好ましくは0.3~3μm、より好ましくは0.5~2μmである。
(位相差層)
位相差層は液晶表示装置の偏光子と液晶セルの間に光学補償のために設けられるものや、円偏光板のλ/4層、λ/2層等が代表的なものとして挙げられる。液晶化合物としては、生や負のAプレート、正や負のCプレート、Oプレートなど、目的に合わせて棒状液晶化合物やディスコティック液晶化合物などを使用することができる。
位相差の程度は、液晶表示装置の光学補償として用いられる場合は、液晶セルのタイプ、セルに用いられる液晶化合物の性質により適宜設定される。例えば、TN方式の場合はディスコティック液晶を用いたOプレートが好ましく用いられる。VA方式やIPS方式の場合、棒状液晶化合物やディスコティック液晶化合物を用いたCプレートやAプレートが好ましく用いられる。また、円偏光板のλ/4位相差層、λ/2位相差層の場合は、棒状化合物を用いて、Aプレートとすることが好ましく用いられる。これらの位相差層は単層だけでなく、組み合わせて複数の層にして用いられても良い。
これらの位相差層に用いられる液晶化合物としては、配向状態を固定できるという面で、二重結合などの重合性基を持つ重合性液晶化合物であることが好ましい。
棒状液晶化合物の例としては、特開2002-030042号公報、特開2004-204190号公報、特開2005-263789号公報、特開2007-119415号公報、特開2007-186430号公報、及び特開平11-513360号公報に記載された重合性基を有する棒状液晶化合物が挙げられる。
具体的な化合物としては、
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-Ph2-OCO-Ph1-O-(CH-OCO-CH=CH
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-NPh-OCO-Ph1-O-(CH-OCO-CH=CH
CH=CHCOO-(CH-O-P1h-COO-Ph2-OCH
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-Ph1-Ph1-CHCH(CH)C
式中、m、nは2~6の整数であり、
Ph1、Ph2は1,4-フェニル基(Ph2は2位がメチル基であっても良い)であり、
NPhは2,6-ナフチル基である
が挙げられる。
これらの棒状液晶化合物は、BASF社製からLC242等として市販されており、それらを利用することができる。
これらの棒状液晶化合物は複数種を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、ディスコティック液晶化合物としては、ベンゼン誘導体、トルキセン誘導体、シクロヘキサン誘導体、アザクラウン系、フェニルアセチレン系マクロサイクル等が挙げられ、特開2001-155866号公報に様々なものが記載されており、これらが好適に用いられる。
中でもディスコティック化合物としては、下記一般式(1)で表されるトリフェニレン環を有する化合物が好ましく用いられる。
式中、R1~R6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル基、又は-O-Xで示される基(ここで、Xは、Xはアルキル基、アシル基、アルコキシベンジル基、エポキシ変性アルコキシベンジル基、アクリロイルオキシ変性アルコキシベンジル基、アクリロイルオキシ変性アルキル基である)である。R1~R6は、下記一般式(2)で表されるアクリロイルオキシ変性アルコキシベンジル基(ここで、mは4~10)であることが好ましい。
位相差層は位相差層用組成物塗料を塗工して設けることができる。位相差層用組成物塗料は、溶剤、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤及び、重合性非液晶化合物、架橋剤等を含んでもよい。これらは、配向制御層や偏光膜の部分で説明した物を用いることができる。
位相差層用組成物塗料を転写用フィルムの離型面または配向制御層上に塗工後、乾燥、加熱、硬化することにより、位相差層が設けられる。
これらの条件も配向制御層や偏光膜の部分で説明した条件が好ましい条件として用いられる。
位相差層は複数設けられることがあるが、この場合、1つの転写用フィルム上に複数の位相差層を設けてこれを対象物に転写しても良く、1つの転写用フィルム上に単一の位相差層を設けたものを複数種用意してこれらを対象物に順に転写しても良い。
また、偏光膜と位相差層を1つの転写用フィルム上に設け、これを対象物に転写しても良い。さらに、偏光子と位相差層の間に保護層を設けたり、位相差層の上や位相差層の間に保護層を設ける場合がある。これらの保護層も位相差層や偏光膜と共に転写用フィルム上に設けて対象物に転写しても良い。
保護層としては透明樹脂の塗工層が挙げられる。透明樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂など特に限定するものではない。これら樹脂に架橋剤を加えて架橋構造としても良い。また、ハードコートのようなアクリルなどの光硬化性の組成物を硬化させたものであっても良い。また、保護層を転写用フィルム上に設けた後、保護層をラビング処理し、その上に配向制御層を設けることなく配向液晶化合物層を設けても良い。
(配向液晶化合物層積層体の製造方法)
次に、本発明の配向液晶化合物層積層体の製造方法について説明する。
配向液晶化合物層積層体としては、配向液晶化合物層を偏光子とした偏光板、配向液晶化合物層を位相差層とした位相差板、配向液晶化合物層を位相差層とした位相差層積層偏光板などが挙げられる。また、液晶セルや有機ELセルなどの画像表示セルに直接配向液晶化合物層の偏光子や位相差層を貼り合わせた画像表示パネル、表面のカバーシート、カバーケースなどに直接配向液晶化合物層の偏光子や位相差層を設けたものも含まれる。
本発明の配向液晶化合物層積層体の製造方法は、転写対象物の表面に本発明の配向液晶化合物層転写用積層体の配向液晶化合物層面を貼り合わせて中間積層体を形成する工程、及び中間積層体から転写用フィルムを剥離し、対象物表面に配向液晶化合物層を転写する工程を含む。転写対象物は、上記の偏光板や位相差板であれば保護フィルムなどであり、位相差層積層偏光板であれば偏光板であり、画像表示セル、表面カバーシート、カバーケース、などである。
以下、配向液晶化合物層が円偏光板に用いられる配向液晶化合物層である場合を例として説明する。円偏光板の場合、位相差層(転写用積層体中では、配向液晶化合物層と称される)としてはλ/4位相差層が用いられる。λ/4位相差層の正面レタデーションは100~180nmが好ましい。さらに好ましくは120~150nmである。円偏光板としてλ/4位相差層のみを用いる場合、λ/4位相差層の配向軸(遅相軸)と偏光子の透過軸は35~55度が好ましく、より好ましくは40度~50度、さらに好ましくは42~48度である。ポリビニルアルコールの延伸フィルムの偏光子と組み合わせて用いる場合には、偏光子の吸収軸が長尺偏光子フィルムの長さ方向となることが一般的であるため、長尺の転写用フィルムにλ/4位相差層を設ける場合は長尺の転写用フィルムの長さ方向に対して上記範囲となるように液晶化合物を配向させることが好ましい。なお、偏光子の透過軸の角度が上記と異なる場合は偏光子の透過軸の角度を加味して上記関係になるよう液晶化合物を配向させる。
λ/4位相差層と転写用フィルムが積層された転写用積層体中のλ/4位相差層を偏光板に転写することで円偏光板を作成する。具体的には、偏光板と転写用積層体のλ/4位相差層面を貼り合わせて中間積層体を形成し、この中間積層体から転写用フィルムを剥離する。偏光板は偏光子の両面に保護フィルムが設けられているものでも良いが、片面のみに保護フィルムが設けられているものが好ましい。片面のみに保護フィルムが設けられている偏光板であれば、偏光子の保護フィルムが積層されている面とは反対面(偏光子面)に位相差層を貼り合わせることが好ましい。両面に保護フィルムが設けられているのであれば位相差層は画像セル側を想定している面に貼り合わせることが好ましい。画像セル側を想定している面とは、低反射層、反射防止層、防眩層など一般的に視認側に設けられる表面加工がされていない面である。位相差層が貼り合わされる側の保護フィルムはTAC、アクリル、COPなどで位相差のない保護フィルムであることが好ましい。
偏光子としてはPVA系のフィルムを単独で延伸して作成した偏光子や、ポリエステルやポリプロピレンなどの未延伸基材にPVAを塗工し、基材ごと延伸して作成した偏光子を偏光子保護フィルムに転写したものや、液晶化合物と二色性色素からなる偏光子を偏光子保護フィルムに塗工するか転写したもの等が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。
貼り付ける方法としては、接着剤、粘着剤など従来知られているものを用いることができる。接着剤としてはポリビニルアルコール系接着剤、アクリルやエポキシなどの紫外線硬化型接着剤、エポキシやイソシアネート(ウレタン)などの熱硬化型接着剤が好ましく用いられる。粘着剤は、アクリルやウレタン系、ゴム系などの粘着剤が挙げられる。また、アクリル基材レスの光学用透明粘着剤シートを用いることも好ましい。
偏光子として転写型のものを用いる場合、転写用積層体の位相差層(配向液晶化合物層)上に偏光子を転写し、その後、偏光子と位相差層を対象物(偏光子保護フィルム)に転写しても良い。
偏光子の位相差層を設ける側とは反対側の偏光子保護フィルムとしてはTAC、アクリル、COP、ポリカーボネート、ポリエステルなど一般に知られているものが使用できる。中でもTAC、アクリル、COP、ポリエステルが好ましい。ポリエステルはポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステルの場合は、面内レタデーション100nm以下、特には50nm以下のゼロレタデーションフィルムであるか、3000nm~30000nmの高レタデーションフィルムであることが好ましい。
ポリエステルの高レタデーションフィルムを用いる場合、偏光サングラスをかけて画像を見た場合のブラックアウトや着色を防止する目的では、偏光子の透過軸とポリエステルフィルムの遅相軸の角度は30~60度の範囲が好ましく、さらには35~55度の範囲が好ましい。裸眼で角度の浅い斜め方向から観察した場合の虹斑などの低減のためには、偏光子の透過軸とポリエステルフィルムの遅相軸の角度は10度以下、さらには7度以下にするか、もしくは80~100度、さらには83~97度にすることが好ましい。
偏光子の位相差層を設ける側とは反対側の偏光子保護フィルムには、防眩層、反射防止層、低反射層、ハードコート層などが設けられていても良い。
(複合位相差層)
λ/4位相差層単独では可視光領域の広い範囲に渡ってλ/4とならずに着色が生じることがある。そのため、λ/4位相差層がλ/2位相差層と組み合わせて用いられる場合がある。λ/2位相差層の正面レタデーションは200~360nmが好ましい。さらに好ましくは240~300nmである。
この場合、λ/4位相差層とλ/2位相差層を合わせてλ/4となるような角度に配置されることが好ましい。具体的には、λ/2位相差層の配向軸(遅相軸)と偏光子の透過軸の角度(θ)は5~20度が好ましく、より好ましくは7度~17度である。λ/2位相差層の配向軸(遅相軸)とλ/4の配向軸(遅相軸)との角度は、2θ+45度±10度の範囲が好ましく、より好ましくは2θ+45度±5度の範囲であり、さらに好ましくは2θ+45度±3度の範囲である。
この場合も、ポリビニルアルコールの延伸フィルムの偏光子と組み合わせて用いる場合には、偏光子の吸収軸が長尺偏光子フィルムの長さ方向となることが一般的であるため、長尺の転写用フィルムにλ/2位相差層やλ/4位相差層を設ける場合は長尺の転写用フィルムの長さ方向または長さの垂直方向に対して上記範囲となるように液晶化合物を配向させることが好ましい。なお、偏光子の透過軸の角度が上記と異なる場合は偏光子の透過軸の角度を加味して上記関係になるよう液晶化合物を配向させる。
これらの方法や、位相差層の例としては、特開2008-149577号公報、特開2002-303722号公報、WO2006/100830号公報、特開2015-64418号公報等を参考とすることができる。
さらに、斜めから見た場合の着色の変化などを低減するためにλ/4位相差層の上にCプレート層を設けることも好ましい形態である。Cプレート層はλ/4位相差層やλ/2位相差層の特性に合わせ、正または負のCプレート層が用いられる。
これらの積層方法としては、例えば、λ/4位相差層とλ/2位相差層の組合せであれば、
・偏光子上に転写によりλ/2位相差層を設け、さらにその上にλ/4位相差層を転写により設ける。
・転写用フィルム上にλ/4位相差層とλ/2位相差層をこの順に設け、これを偏光子上に転写する。
・転写用フィルム上にλ/4位相差層とλ/2位相差層と偏光膜をこの順に設け、これを対象物に転写する。
・転写用フィルム上にλ/2位相差層と偏光膜をこの順に設け、これを対象物に転写し、さらにこの上にλ/4位相差層を転写する。
などの様々な方法を採用することができる。
また、Cプレートを積層する場合も、偏光子上に設けられたλ/4位相差層の上にCプレート層を転写する方法や、転写用フィルムにCプレート層を設け、さらにこの上にλ/4位相差層かλ/2位相差層とλ/4位相差層を設けてこれを転写する方法などの様々な方法が採用できる。
このようにして得られた円偏光板の厚みは、120μm以下であることが好ましい。より好ましくは100μm以下、さらには90μm以下、特には80μm以下が好ましく、最も好ましくは70μm以下である。
(配向液晶化合物層の配向状態の検査)
配向液晶化合物層を積層した配向液晶化合物層転写用フィルム(すなわち、配向液晶化合物層転写用積層体)は、配向液晶化合物層が位相差層であってもその光学特性を配向液晶化合物層転写用フィルムに積層した状態で検査できる。検査を行うための光は配向液晶化合物層面側から照射される。配向液晶化合物層を通過した光は金属薄膜層で反射され、さらに反射光は再び配向液晶化合物層を通過する。この反射光の偏光状態を検査することで、配向液晶化合物層の配向状態を知ることができる。この場合には、基材フィルムの配向の有無や配向の方向、その乱れなどに影響を受けずに配向液晶化合物層の配向状態を検査できる。
(位相差層の検査)
位相差層(配向液晶化合物層)の光学状態を検査するためには、検査に用いる光源と検査対象である配向液晶化合物層転写用積層体(配向液晶化合物層が位相差層である)との間に偏光フィルターを設け、配向液晶化合物層側から直線偏光を照射し、配向液晶化合物層側に設置した受光器でその反射光を受光して偏光状態を検出する。例としてさらに詳細を説明する。
通常、円偏光等に用いられるλ/4位相差層などは、基材フィルムの流れ方向に対して斜め方向に配向しているため、基材フィルムの流れ方向に対して平行または垂直の直線偏光を照射することが好ましい。基材フィルムの流れ方向に対して平行とは-10~+10度が好ましく、より好ましくは-7~7度、さらに好ましくは-5~5度、特に好ましくは-3~3度、最も好ましくは-2~2度である。基材フィルムの流れ方向に対して垂直とは80~100度が好ましく、より好ましくは83~97度、さらに好ましくは85~95度、特に好ましくは87~93度、最も好ましくは88~92度である。通常用いられるポリビニルアルコールを延伸した偏光子は流れ方向に垂直な透過軸を有しているため、上記範囲を超えると実際の状態との差が大きくなり、正確な評価ができなくなる場合がある。
受光器と検査対象である配向液晶化合物層転写用積層体(配向液晶化合物層が位相差層である)との間にも、偏光フィルターを設けることが好ましい。例えば、配向液晶化合物層がλ/4位相差層やλ/4位相差層とλ/2位相差層との組合せであるような直線偏光を円偏光にするものである場合、設計通りの液晶化合物層の配向状態であれば反射光は直線偏光となっている。この直線偏光の振動方向の光を透過させないような角度に偏光フィルターを設置することで、位相差層が設定通りのものである場合には受光器で検出した光は消光状態であるが、光の漏れがある場合には位相差層が設計からずれていることが分かる。
検査に用いる光源と配向液晶化合物層転写用積層体との間の偏光フィルターと、受光器と配向液晶化合物層転写用積層体との間の偏光フィルターは同一であってもよい。例えば、検査対象フィルムの幅を覆うような大きな偏光フィルターを用い、この偏光フィルターの配向液晶化合物層転写用積層体とは反対の側に光源と受光器を設置してもよい。
配向液晶化合物層が液晶ディスプレイに用いられる光学補償層などの場合は、配向液晶化合物層転写用積層体(配向液晶化合物層が位相差層である)と投光側偏光フィルターまたは受光側偏光フィルターとの間、もしくは両方の間に、配向液晶化合物層転写用積層体の位相差層により変化した偏光状態の反射光が設計通りの状態になった場合に直線偏光に変換させるための位相差板を設けることが好ましい。
この場合も上記と同様に位相差層が設定通りのものである場合には受光器で検出した光は消光状態であるが、光の漏れがある場合には位相差層が設計からずれていることが分かる。
また、設置する偏光フィルターの角度や位相差板の角度・位相差が少し異なる受光器を複数種設置し、位相差層の位相差や配向方向がどの方向にどれだけずれているかを検知することもできる。
(偏光膜の検査)
配向液晶化合物層が偏光膜の場合は自然光(非偏光光)を照射し、反射する光を偏光フィルターを介して受光することで偏光膜を検査することができる。
また、偏光フィルターを介して直線偏光とした光を偏光膜が積層された配向液晶化合物層転写用フィルムに照射してその反射光を受光することで検査することができる。
これらの場合、偏光フィルターは配向液晶化合物層転写用フィルムに設けられた偏光膜が設計通りになっている場合に消光する角度に設定する。
なお、偏光フィルターの角度が少し異なる受光器を複数種設置し、配向方向がどの方向にどれだけずれているかを検知することもできる。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されず、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)基材フィルムの150℃のMD方向、TD方向、45度方向、135度方向における熱収縮率
JIS C 2318-1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定
すべき方向に対し、フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、200mm間隔
で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定する。次いで、フィルムを15
0℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、
5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定する。以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A-B)/A×100
(2)基材フィルムの95℃最大熱収縮率
スリットロールの各切り出し部から切り出されたポリエステルフィルムを一辺21cmの正方形状に切り出し、23℃、65%RHの雰囲気で2時間以上放置した。このポリエステルフィルムの中央を中心とする直径80mmの円を描き、二次元画像測定機(MITUTOYO製QUICK IMAGE)を使用して、フィルムの流れ方向を0度として5度間隔で直径を測定した。ここで、フイルム流れ方向を0度として、フィルム上面において時計回り(右回り)を正の角度、反時計回り(左回り)を負の角度と設定した。直径を測定したため、-90度~85度の範囲の測定で、全方向について測定された。次いで、このポリエステルフィルムを95℃で30分間、温湯中で加熱処理した後、23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した。その後、上記と同様に円の直径を5度間隔で測定した。熱処理前の直径をLo、熱処理後の同方向の直径をLとし、下記の式に従って、各方向の熱収縮率を求め、全方向での熱収縮率のうち最大となる値を最大熱収縮率とした。
熱収縮率(%)=((L0- L)/ L0)×100
(3)基材フィルムの弾性率:JIS C-2318に準じて行った
(4)固有粘度
ポリエステル0.2gをフェノール/1,1,2,2-テトラクロルエタン(60/4
0(重量比))の混合溶媒50ml中に溶解し、30℃でオストワルド粘度計を用いて測
定した。
(5)三次元表面粗さSRa、SRz、SRy
触針式三次元粗さ計(SE-3AK、株式会社小阪研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたり、針の送り速度0.1mm/秒で測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(SPA-11)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に解析装置を用いて中心面平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)、最大高さ(SRy)を求めた。
(6)蒸着される面側の基材フィルム表面の0.5μm以上の突起数及び、基材フィルム裏面の2.0μm以上の突起数
基材フィルム長手方向に幅100mm、長さ100mmの試験片を切り出し、これを2枚の偏光板の間に鋏込んでクロスニコル状態とし、消光位が保たれる状態にセットした。この状態でニコン万能投影機V-12(測定条件:投影レンズ50倍、透過照明光束切替えノブ50倍、透過光検査)を用いて、光が透過し、光り輝くように見える部分(キズ、異物)の長径が50μm以上あるものを検出した。このように検出された部分を、試験片から適当な大きさに切り取り、3次元形状測定装置(菱化システム社製、マイクロマップTYPE550;測定条件:波長550nm、WAVEモード、対物レンズ10倍)を用い、フィルム面に対して垂直方向から観察し、測定した。このとき、フィルム面に対して垂直方向から観察したときに50μm以内に近接する凹凸は、同一のキズ、異物としてこれらを覆う長方形を想定し、この長方形の長さ及び幅をキズ、異物の長さ及び幅とした。このキズ、異物に関して、断面映像(SURFACEPROFILE DISPLAY)を用いて、欠点数を定量した。なお、測定は20枚の試験片について行い、1m当たりの欠点数に換算した。蒸着される面側の基材フィルム表面について、高低差(最も高いところと低いところの差)が0.5μm以上のものの欠点数を数えた。基材フィルムの裏面について、高低差2.0μm以上のものの欠点数を数えた。
(7)鏡面光沢度
JIS Z8741(1997)の鏡面光沢度測定方法に基づき、屈折率1.567であるガラス表面において60°の入射角の場合反射率10%を光沢度100(%)として測定した値である。光沢度の測定条件は以下のとおりである。なお、鏡面光沢度は、転写用フィルムについて、離型面側から測定した。
測定条件:Gs(60°)
測定装置:株式会社村上色彩技術研究所製 ディジタル光沢計「(GM-3D)」
<基材フィルム用ポリエステル樹脂の製造>
(粒子不含有ポリエステル(PET(X))の製造)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(X)の固有粘度は0.62dl/gであり、環状三量体の含有量は1.05質量%不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(X)と略す。)
(炭酸カルシウム粒子含有ポリエステル(PET(Z-Ca)の製造))
PET(X)の製造において、
・260℃に昇温し、リン酸トリメチルを添加した15分後に、下記炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを、生成ポリエステルに対して、10000ppmとなるよう添加したこと、
・95%カット径が20μmのナスロンフィルター(日本精線(株)製)で濾過処理を行ったこと
以外は同様にして、固有粘度が0.63dl/gの炭酸カルシウム粒子含有ポリエチレンテレフタレートを得た。
なお、炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーは、平均粒子径が0.6μmの炭酸カルシウム粒子(富士シリシア社製)をエチレングリコール中に仕込み、さらに95%カット径が30μmのビスコースレーヨン製フィルターで濾過処理を行い製造した。
(シリカ粒子含有ポリエステル(PET(Z-Si1)の製造))
PET(Z-Ca)の製造において、炭酸カルシウム粒子の代わりにシリカ粒子として平均粒径が0.2μmの多孔質コロイダルシリカ用いた以外は同様に行った。
(シリカ粒子含有ポリエステル(PET(Z-Si2)の製造))
PET(Z-Ca)の製造において、炭酸カルシウム粒子の代わりにシリカ粒子として平均粒径が0.06μmの多孔質コロイダルシリカ用いた以外は同様に行った。
(架橋ポリスチレン粒子含有ポリエステル(PET(Z-St))の製造
ベント付き二軸押出機にPET(X)と平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子の10質量%水分散体を給し、280℃で加熱溶融した。ベント孔を1kPa以下の減圧度にして水分を除去した。溶融したポリエステルを95%カット径が20μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られた架橋ポリスチレン粒子含有ポリエステル(PET(Z-St)の固有粘度は0.62dl/gで、架橋ポリスチレン粒子含有量は10000ppmであった。
(フィルムA1の製造)
基材フィルムの離型面側層用原料として粒子を含有しないPET(X)樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給し、反対面層(裏面層)用原料としてPET(X)樹脂ペレットと粒子を含有するポリエステル(PET(Z-Ca)樹脂ペレットを粒子量が3000ppmとなるようにブレンドしたものを乾燥して押出機2に供給し、285℃で溶解した。この2種の溶融ポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種2層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.3倍延伸した後、テンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃で幅方向に3.5倍に延伸した。引き続き、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、10秒間で熱固定処理し、さらに3.0%の緩和処理を行った。引き続き、離型面側層の表面にコロナ処理を行い巻き取り、二軸延伸フィルムを得た。離型面側層の厚みが10μm、裏面層側の厚みが22μmであった。
(フィルムA2の製造)
押出機1、2のいずれにも粒子を含有しないPET(X)樹脂ペレットを供給し、未延伸フィルムを作った。
テンター延伸機に導く前に下記塗工液を片面(裏面層側)に塗布した以外はA1の製造と同様に行った。
(塗布液1)
水 50.00質量部
イソプロピルアルコール 36.10質量部
ポリエステル水分散体 13.00質量部
(東洋紡製 MD-1200 固形分濃度34質量%)
コロイダルシリカ 0.60質量部
(日産化学製、MP2040、平均粒径200nm、固形分濃度40質量%)
界面活性剤(フッ素系、固形分濃度10質量%) 0.30質量部
(フィルムA3の製造)
基材フィルム離型層側用原料としてPET(X)樹脂ペレットとPET(Z-Si2)樹脂ペレットをブレンドしたものを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給し、反対面層(裏面層)用原料としてPET(X)樹脂ペレットと粒子を含有するポリエステル(PET(Z-Si1)およびPET(Z-St))樹脂ペレットをブレンドしたものを乾燥して押出機2に供給し、中間層用原料としてPET(X)樹脂ペレットを乾燥して押出機3に供給し、285℃で溶解した。この3種の溶融ポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、3種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、離型面側層と裏面層の厚みが所定の値になるように各押し出し機の吐出量を調整した。後はA1と同様に行った。離型面側層の厚みが5μm、裏面層側の厚みが5μm、中間層の厚みが22μmであった。
(アルミニウムの蒸着)
得られたフィルムA1、A2、A3を幅方向に3等分にスリットし、右側部(走行方向の上流側から見て右側部)のスリットロール(それぞれA1r、A2r、A3r)の離型面側層の表面に真空蒸着機を用いてアルミニウムの蒸着層を設けた。それぞれのアルミニウム蒸着フィルムをA1rAl-1、A1rAl-2、A2rAl、A3rAlとした。
実施例1
アルミニウム蒸着フィルムA1rAl-1をA4の大きさに切り出し、アルミニウム蒸着面をナイロン製の起毛布が巻かれたラビングロールで擦り、ラビング処理した。ラビングは切り出した長方形の短辺に対して45度(MDに対して45度)になるように行った。
(位相差層の形成)
引き続き、ラビング処理を施した面に、下記の位相差層形成用溶液をバーコート法により塗布した。110℃で3分間乾燥し、紫外線を照射して硬化させλ/4位相差層を設けた。
(位相差層形成用溶液)
LC242(BASF社製)75質量部
下記に示す化合物 20質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
イルガキュア379 3質量部
界面活性剤 0.1質量部
メチルエチルケトン 250質量部
実施例2
アルミニウム蒸着フィルムA1rAl-1をA4の大きさに切り出し、アルミニウム蒸着面にアンカーコートとして、共重合ポリエステル樹脂(バイロンRV200)のトルエン/メチルエチルケトン(1/1)5%溶液を塗工、乾燥させて2μmのアンカーコート層を設けた。さらに、その上に離型層として下記コート剤を塗布し、加熱オーブン中で150℃3分間乾燥させた。離型層の厚みは1μmであった。
(離型層コート剤)
・メラミン架橋アルキル変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー社製:テスファイン322:固形分40%)10質量部
・P-トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製:ドライヤー900)0.1質量部
・溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1質量部)40質量部
なお、塗工液は2μmのフィルターで濾過した。
(ラビング処理配向層の形成)
離型層面に下記組成のラビング処理配向層用塗料をバーコーターを用いて塗布し、80℃で5分間乾燥し厚み200nmの膜を形成した。引き続き、得られた膜の表面をナイロン製の起毛布が巻かれたラビングロールで処理し、ラビング配向処理層を積層した基材フィルムを得た。ラビングは切り出した長方形の短辺に対して45度(MDに対して45度)になるように行った。
完全ケン化型ポリビニルアルコール 分子量800 2質量部
イオン交換水 100質量部
界面活性剤 0.5質量部
(位相差層の形成)
実施例1と同様にしてラビング配向処理層上にλ/4位相差層を設けた。
実施例3
(光配向層の形成)
(光配向層用塗料の合成)
特開2013-33248号公報の実施例1、実施例2、実施例3の記載に基づき、下記式のポリマーのシクロペンタノン5質量%溶液を製造した。
(光配向層の形成)
実施例2と同様にして離型層を設け、離型層面に上記組成の光配向層用塗料をバーコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥し厚み150nmの膜を形成した。引き続き偏光UV光を照射し、光配向層を積層した。偏光紫外線の電場振動方向は切り出した長方形の短辺に対して45度(MDに対して45度)になるように行った。
(位相差層の形成)
実施例1と同様にして光配向処理層上にλ/4位相差層を設けた。
実施例4、5、6
アルミニウム蒸着フィルムとしてそれぞれA1rAl-2、A2rAl、A3rAlを用いた以外は実施例1と同様にして、ラビング処理したアルミニウム蒸着膜上にλ/4位相差層を設けた。
比較例1
ポリエステルフィルムA1の離型層側面にコロナ処理をせず、実施例2と同様にしてラビング処理配向層、位相差層を設けた。
(光漏れ検査)
ガラス板の上に転写用積層体(位相差層を設けた転写フィルム)を、位相差層を上にして置き、さらに2cm上方に偏光板をスペーサーを介して位相差面を覆うように載せた。偏光板の上方からCOB面発光タイプの白色LEDを照射し、偏光板の上方に設置したCCDカメラにより消光状態を観察した。なお、λ/4位相差層の配向方向(ラビング方向)と偏光板の消光軸方向は45度になるようにした。
◎:明るく感じるところはなく全体が消光状態であった。
○:消光状態よりもわずかな透過光が認められた。
△:透過光が認められたが位相差状態を評価することは可能であった。
×:透過光が多く、位相差状態を評価することは困難であった。
いずれの実施例でも、λ/4位相差層の波長分散性に伴うわずかな透過光が認められたが、位相差層の検査は可能であった。なお、λ/4位相差層とλ/2位相差層の組合せなどで波長分散性を制御した場合は消光状態になると考えられる。
また、全面で均一な消光状態であり、全面で設計通りの配向状態の配向液晶化合物層が作成されていた。
さらに、比較例の評価ではガラス板の代わりに鏡を用い、上記と同様に評価した。
また、別途、ガラス板の上に偏光板、位相差層を設けた転写フィルムを、位相差層を上にして置き、さらにその上にλ/4波長板をサンプルの位相差層による円偏光をキャンセルして元の直線偏光にできるような方向に置いた。これの2cm上方に偏光板をスペーサーを介して載せ、下方からCOB面発光タイプの白色LEDを照射し、CCDカメラにより透過光での消光状態を観察した。なお、λ/4位相差層の配向方向(ラビング方向)と下方の偏光板の吸収軸方向は45度にし、2枚の偏光板はクロスニコルになるようにした。
上記と同じ基準で評価を行ったが、いずれの場合も消光状態とはならず、基材のフィルムのレタデーションによる着色があり、位相差層の評価はできなかった。
(ピンホール検査)
上記の光漏れ検査において、さらに消光状態を肉眼(中央部15cm×20cm)および20倍のルーペ(5cm×5cm)で観察し、以下の基準で評価した。
◎:肉眼で輝点は認められず、ルーペ観察でも輝点はほとんど認められなかった(5cm×5cmで2個以下)。
○:肉眼で輝点は認められず、ルーペ観察で少数の輝点が認められた(5cm×5cmで3個以上20個以下)。
△:肉眼で輝点は認められなかったが、ルーペ観察で輝点が認められた(5cm×5cmで20個を超える)。
×:肉眼で輝点が認められたか、または、輝点が認められなかったがルーペ観察で観察された多くの輝点の存在に起因するとみられる全体的な光の漏れがあった。
(重ね合わせ後のピンホール検査)
各実施例で得られた転写用積層体の位相差層設置面と反対面を重ね合わせ、10分間、1kg/cmの加重を掛けた。このサンプルの位相差層の欠点を、ピンホールの検査と同様にして検査した。
(基材積層偏光子の製造)
熱可塑性樹脂基材として極限粘度0.63のポリエチレンテレフタレートを用いて厚さ100μmの未延伸フィルムを作成し、この未延伸フィルムの片面に、重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールの水溶液を塗布および乾燥して、PVA層を形成した。
得られた積層体を、120℃で周速の異なるロール間で長手方向に2倍に延伸して巻き取った。次に、得られた積層体を4%のホウ酸水溶液で30秒間の処理を行った後、ヨウ素(0.2%)とヨウ化カリウム(1%)の混合水溶液で60秒間浸漬し染色し、引き続き、ヨウ化カリウム(3%)とホウ酸(3%)の混合水溶液で30秒間処理した。
さらに、この積層体を72℃のホウ酸(4%)とヨウ化カリウム(5%)混合水溶液中で長手方向に一軸延伸を行い、引き続き、4%ヨウ化カリウム水溶液で洗浄、エアナイフで水溶液を除去した後に80℃のオーブンで乾燥し、両端部をスリットして巻き取り、幅30cm、長さ1000mの基材積層偏光子を得た。合計の延伸倍率は6.5倍で、偏光子の厚みは5μmであった。なお、厚みは基材積層偏光子をエポキシ樹脂に包埋して切片を切り出し、光学顕微鏡で観察して読み取った。
(偏光板の作成)
超複屈折ポリエステルフィルム(コスモシャイン(R)SRF 厚さ80μm 東洋紡社製)に紫外線硬化型接着剤を用いて上記基材積層偏光子の偏光子面を貼り合わせた後、基材積層偏光子の基材を剥離した。さらにこれの偏光子面に市販の光学粘着剤シートを積層した。粘着剤シートの離型フィルムを剥離し、実施例の配向液晶化合物層が積層された転写用フィルムの配向液晶化合物層面と粘着剤層を貼り合わせ、その後、各実施例の転写用フィルムを剥離して円偏光板を得た。
得られた円偏光板をλ/4位相差層を下にして鏡の上に置き、上方からCOB面発光タイプの白色LEDを照射し、反射防止機能を検査した。
いずれのサンプルも全面でほぼ消光状態であり、ピンホールもなく、優れた反射防止機能を有していた。
なお、コスモシャイン(R)SRFの遅相軸と偏光子の消光軸とは垂直になるようにし、コスモシャイン(R)SRFのMD方向と実施例の転写用フィルムのMD方向は平行になるようにした。

Claims (5)

  1. 基材フィルム、金属薄膜層、配向液晶化合物層がこの順で積層されている配向液晶化合物層転写用積層体を準備する第一の工程、前記配向液晶化合物層転写用積層体の配向液晶化合物層面を転写対象物表面に積層する第二の工程、前記配向液晶化合物層転写用積層体の基材フィルムおよび金属薄膜層を剥離し、対象物表面に配向液晶化合物層を転写する第三の工程を含む、配向液晶化合物層積層体の製造方法であって、前記配向液晶化合物層積層体が、配向液晶化合物層を偏光子とした偏光板、配向液晶化合物層を位相差層とした位相差層積層偏光板、のいずれかである配向液晶化合物層積層体の製造方法。
    但し、前記位相差層は、円偏光板のλ/4層、円偏光板のλ/2層のいずれかである。
  2. 前記基材フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムである請求項1に記載の配向液晶化合物層積層体の製造方法。
  3. 前記金属薄膜層の基材フィルムが積層されている側とは反対側に設けられた離型面の表面粗さSRaが30nm以下である請求項1又は2に記載の配向液晶化合物層積層体の製造方法。
  4. 前記金属薄膜層がアルミニウムの蒸着層である請求項1~3のいずれかに記載の配向液晶化合物層積層体の製造方法。
  5. 前記配向液晶化合物層積層体が、配向液晶化合物層を位相差層とした円偏光板である請求項1~4のいずれかに記載の配向液晶化合物層積層体の製造方法。
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