JP7403979B2 - 定着装置 - Google Patents

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本発明は、記録材にトナー像を定着させる定着装置に関する。
定着装置として、記録材を加熱するための定着ベルトをヒータにより加熱する構成が従来から知られている。また、ヒータとして、基板の両面に互いに長さが異なる発熱体を配置し、記録材のサイズに合わせた加熱が可能な構成が提案されている(特許文献1)。ヒータは、基板上に設けられた発熱体と、発熱体を基板上に設けられた電極に接続する導電体と、を有している。
特開2016-24321号公報
ここで、特許文献1に記載の構成において、発熱体と導電体とを厚み方向に重ねて形成することで、発熱体と導電体とを接続することが考えられる。しかしながら、発熱体と導電体とがいずれも接続部以外の部分と同じ厚さのままで接続部において重ねた場合、接続部が他の部位に比べて局所的に厚くなってしまう。この場合、接続部の厚みが定着ベルトとヒータとの接触を妨げ、伝熱を阻害してしまう虞がある。その結果、接続部と他の部位とで定着ベルトに対して温度ムラを発生してしまう。そして、この接続部の位置が定着ニップ部を通過する記録材の幅の範囲内にあると、その温度ムラが記録材に定着される画像の光沢ムラなどの画像不良を招いてしまう虞がある。
本発明は、温度ムラの発生を抑制可能な定着装置を提供することを目的とする。
本発明の定着装置は、回転可能に設けられた無端状の定着ベルトと、基板と、前記定着ベルトの内周面に当接する側の前記基板の第1面に設けられ、通電により発熱する第1発熱体と、前記基板に設けられ、通電により発熱すると共に前記定着ベルトの回転方向に交差する幅方向に関して前記第1発熱体より長い第2発熱体と、前記基板に設けられ、前記第1発熱体を電源に接続するための第1導電体と、前記第1発熱体の前記幅方向の端部と前記第1導電体とが前記第1面に直交する厚み方向に重なって接続される第1接続部と、を有し、前記定着ベルトの内周面に当接されて前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、前記定着ベルトの外周面に当接して、前記定着ベルトとの間に記録材を搬送しつつ記録材に形成されたトナー像を定着させるための定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、を備え、前記第1発熱体は、前記幅方向の長さが前記定着ニップ部を通過可能な最大サイズの記録材の前記幅方向の長さよりも短く、前記第2発熱体は、前記幅方向の長さが前記最大サイズの記録材の前記幅方向の長さよりも長く、前記第1発熱体は、前記第1接続部において前記第1発熱体の前記幅方向における前記最大サイズの記録材の通紙領域の中央位置よりも前記厚み方向に薄く、前記第1導電体は、前記第1接続部において前記第1導電体の前記幅方向における中央位置よりも前記厚み方向に薄い、ことを特徴とする。
本発明によれば、温度ムラの発生を抑制することができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る定着装置の概略構成断面図。 (a)第1の実施形態に係るヒータの裏面側の概略構成平面図、(b)同じく表面側の概略構成平面図、(c)(b)のA-A断面図、(d)(b)のB-B断面図、(e)(b)のC-C断面図。 第1の実施形態に係るヒータの製造過程における表面側の概略構成断面図であり、(a)発熱体の下層の形成後、(b)発熱体の上層の形成後、(c)導電体の下層の形成後、(d)導電体の上層の形成後、(e)ガラス保護層の形成後。 (a)第2の実施形態に係るヒータの裏面側の概略構成平面図、(b)同じく表面側の概略構成平面図、(c)(b)のD-D断面図。 比較例のヒータの接続部の概略構成断面図。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1~図4を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置100は、装置本体内に4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部PY、PM、PC、PKを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。本実施形態では、画像形成部PY、PM、PC、PKを後述する中間転写ベルト8の回転方向に沿って配置した中間転写タンデム方式としている。画像形成装置100は、装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Sに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。
まず、画像形成装置100の記録材の搬送プロセスについて説明する。記録材Sは、カセット62内に積載される形で収納されており、給送ローラ63により画像形成タイミングに合わせて1枚ずつ搬送パス64に給送される。また、不図示の手差しトレイに積載された記録材Sが1枚ずつ搬送パス64に給送されてもよい。記録材Sは搬送パス64の途中に配置されたレジストレーションローラ65へ搬送されると、レジストレーションローラ65により記録材Sの斜行補正やタイミング補正が行われた後に二次転写部T2へと送られる。二次転写部T2は、後述するように、中間転写ベルト8の二次転写内ローラ66に張架された部分と二次転写外ローラ67とにより形成される転写ニップ部である。二次転写部T2では、二次転写内ローラ66に二次転写電圧が印加されることで、トナー像が中間転写ベルト8から記録材Sへ二次転写される。
上記した二次転写部T2までの記録材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部T2まで送られて来るトナー像の形成プロセスについて説明する。まず、画像形成部PY~PKについて説明する。ただし、画像形成部PY~PKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外、ほぼ同一に構成される。そこで、以下では代表してイエローの画像形成部PYを例に説明し、その他の画像形成部PM、PC、PKについては説明を省略する。
画像形成部PYは、主に感光ドラム1Y、帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y等から構成される。回転駆動される像担持体としての感光ドラム(円筒状の感光体)1Yの表面は、帯電装置2Yにより予め表面を一様に帯電され、その後、画像情報の信号に基づいて駆動される露光装置3Yによって静電潜像が形成される。次に、感光ドラム1Y上に形成された静電潜像は、現像装置4Yによってトナーにより現像され、トナー像として可視像化される。その後、感光ドラム1Yと中間転写ベルト8を挟んで対向配置される一次転写ローラ5Yにより所定の加圧力および一次転写バイアスが与えられ、感光ドラム1Y上に形成されたトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。一次転写後の感光ドラム1Y上に僅かに残る転写残トナーは、不図示のクリーニングブレードなどにより除去され、再び次の画像形成プロセスに備える。
中間転写体としての中間転写ベルト8は、テンションローラ10、二次転写内ローラ66、および駆動ローラ7によって張架されている。そして、中間転写ベルト8は、駆動ローラ7によって図中矢印R2方向へと移動するように駆動される。上述の画像形成部PY~PKにより処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト8上に一次転写された移動方向上流の色のトナー像上に順次重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト8上に形成され、二次転写部T2へと搬送される。なお、二次転写部T2を通過した後の転写残トナーは、転写クリーナ装置11によって中間転写ベルト8から除去される。
以上、それぞれ説明した搬送プロセスおよび画像形成プロセスにより、中間転写ベルト8から記録材Sにトナー像が二次転写される。その後、記録材Sは定着装置30へと搬送され、定着装置30により加熱及び加圧されることにより、トナー像が記録材S上に溶融固着される。こうしてトナー像が定着された記録材Sは、排出ローラ69により排出トレイ601上に排出される。なお、画像形成装置100は上記した画像形成動作などの各種制御を行うための制御部300を備えている。また、上述の一連の画像形成動作は、装置本体の上面の操作部、或いは、ネットワークを経由した各入力信号に従って制御部300が制御している。
[定着装置]
次に、本実施形態の定着装置30について、図2を用いて説明する。ここで、定着装置は、急速温度上昇によるウォームアップタイムの短縮と多様なサイズの記録材への対応が求められている。ウォームアップタイムを短縮すべく定着装置のヒータの熱容量を小さくする場合、最大サイズの記録材の幅に合わせた長さの発熱体のみを設けたヒータが考えられる。但し、定着ニップ部で記録材が通過する通過領域に対して、定着ニップ部で記録材が通過しない非通過領域の温度が高くなり過ぎてしまう。このため、従来から非通過領域の温度上昇を抑制することが求められている。本実施形態では、定着装置30のヒータ600を複数の記録材のサイズに対応した複数の発熱体を有する構成とすることで、非通過領域の温度上昇を抑制するようにしている。
図2に示すように、本実施形態の定着装置30は、定着ベルトユニット60と、加圧ローラ70とを備え、画像形成装置100(図1参照)の装置本体に着脱可能に設けられている。定着ベルトユニット60は、詳しくは後述するが、定着ベルト650と、ヒータ600とを有し、ヒータ600により定着ベルト650が加熱される。
ニップ形成部材及び回転体としての加圧ローラ70は、装置本体に回転可能に支持されている。また、加圧ローラ70は、その長手方向が定着ベルトユニット60に対し平行となるように配置され、定着ベルトユニット60の定着ベルト650の外周面に当接して、定着ベルトユニット60に加圧されるように設けられている。加圧ローラ70は、例えば金属製(例えばステンレス)の芯金71の外周に、厚さ約3mmのシリコーンゴム等の弾性層72、さらに弾性層72の外周に厚さ約40μmのPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂からなる離型層73を有するものである。加圧ローラ70は、芯金71の両端部が定着装置30の不図示の装置フレームの側板間に回転可能に軸受保持されることで装置フレームに回転可能に支持される。
定着ベルト650と加圧ローラ70との間には、後述するように定着ニップ部Nが形成されている。それ故、不図示のモータにより加圧ローラ70が回転されると、この定着ニップ部Nで生じる摩擦力によって、加圧ローラ70の回転力が定着ベルト650に伝達される。こうして、定着ベルト650は加圧ローラ70により回転駆動される(所謂、加圧ローラ駆動方式)。記録材Sは、これら回転する加圧ローラ70と定着ベルト650とにより形成される定着ニップ部Nで挟持搬送される。
定着装置30は、加圧ローラ70が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト650が従動回転状態になると、ヒータ600に通電が行われる。そして、ヒータ600の温度が目標温度に立ち上がり温調された状態の時、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Sが不図示の入り口ガイドに沿って案内されて導入される。
定着ニップ部Nにおいて、記録材Sのトナー像担持面側が定着ベルト650の外面に密着し、記録材Sが定着ベルト650と共に移動する。記録材Sが定着ニップ部Nでの挟持搬送過程において、ヒータ600からの熱が定着ベルト650を介して記録材Sに付与され、未定着トナー像が記録材S上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Sは、定着ベルト650から分離され排出される。尚、定着ニップ部Nにおいて、定着ベルト650とヒータ600との接触領域を加熱ニップ部とする。
[定着ベルトユニット]
次に、定着ベルトユニット60の構成について詳しく説明する。定着ベルトユニット60は、装置本体に加圧ローラ70側に向けて移動可能に設けられている。定着ベルトユニット60は、定着ベルト650、定着ベルト650の内側に非回転に配置されたヒータホルダ660及びステイ670、ヒータ600を有している。
[定着ベルト]
定着ベルト(定着フィルム)650は、無端状(筒状)に形成されて可撓性を有するもので、本実施形態の場合、薄肉のフィルム状のベルトである。このような定着ベルト650は、基材上に弾性層が形成され、更に弾性層の上に最表面層が形成されたものである。基材は、例えばステンレスを厚さ30μmの円筒状に形成したものである。弾性層は、例えば厚さ約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)であり、基材上にリングコート法などの適宜の方法により形成されている。最表面層は、例えば厚さ20μmのPFA樹脂チューブであり、弾性層を被覆している。そして、定着ベルト650の内周面には、潤滑剤としてのグリスが塗布されている。これは、定着ベルト650の内周面とヒータホルダ660との摺動性を向上させるためである。なお、定着ベルト650の基材としては、ステンレス以外にもニッケル系金属材料やポリイミド等の耐熱樹脂などを用いてもよい。
定着ベルト650は、後述するヒータホルダ660に着脱可能であり、定着ベルト650の回転方向に交差する幅方向(長手方向)の両端部に配置された不図示のフランジ部によって回転可能に、且つ、幅方向の移動が規制されるように支持されている。フランジ部は、定着ベルト650の幅方向端部に内嵌されて、幅方向端部を回転可能に支持する円筒部と、定着ベルト650の幅方向端縁と当接可能な当接部とを有する。円筒部は、定着ベルト650の幅方向端部を内側から円筒状態に保持しつつ、定着ベルト650の回転を案内している。
ここで、加圧ローラ70と定着ベルト650とは、加圧ローラ70や定着ベルトユニット60の取り付け誤差などによって、僅かに平行からずれた状態に配置される場合がある。その場合に、定着ベルト650は回転する加圧ローラ70により図中矢印X方向に回転しながら幅方向に寄り移動し得る。このため、定着ベルト650が幅方向に寄り移動したときには、フランジ部の当接部が定着ベルト650の幅方向端部を受け止めて定着ベルト650の幅方向への移動を規制する。なお、ヒータホルダ660とステイ670とはフランジ部に取り付けられることで、定着ベルト650の内側に非回転に配置される。フランジ部は、定着ベルトユニット60の不図示の側板などに保持される。
[ステイ]
ステイ670は、定着ベルト650に沿って幅方向に延びる例えば金属製の剛性部材(板金)であり、ここではヒータホルダ660側に開口を有するように横断面が略U字状に形成されている。このステイ670は、定着ベルトユニット60と加圧ローラ70との間で作用する加圧力によって、ヒータホルダ660が変形しないようにヒータホルダ660を補強するものである。ステイ670は、幅方向両端部に上述のフランジ部が固定されている。両端部のフランジ部は、不図示の加圧機構により所定の押圧力(例えば、90~320N)で加圧ローラ70に向けて押圧されている。これにより、加圧力がフランジ部からステイ670及びヒータホルダ660を介して定着ベルト650に作用し、定着ベルト650と加圧ローラ70とが所望の圧接力で圧接される。定着ベルト650と加圧ローラ70とを圧接させることにより、定着ベルト650と加圧ローラ70との間に、記録材Sの搬送方向に所定の幅を有する定着ニップ部Nが形成される。トナー像が形成された記録材Sは、定着ニップ部Nで加圧されて搬送される。なお、ステイ670は定着ベルト650の内周面に摺擦するような形状に形成されていてもよい。
[ヒータホルダ]
ヒータホルダ660は、例えば液晶ポリマー樹脂などの耐熱性が高く且つ断熱性の高い樹脂製の部材により形成され、後述するヒータ600を保持するとともに定着ベルト650をガイドする役割を果たしている。ヒータホルダ660には、ステイ670側の面と反対側(定着ニップ部N側)の面に、ヒータ600を嵌合して保持可能な嵌め込み溝が幅方向に沿って延びた形状に形成されている。ヒータホルダ660に保持されたヒータ600は、表面が定着ベルト650の内周面に当接して、回転する定着ベルト650を加熱可能である。これにより、記録材Sが定着ニップ部Nにより挟持搬送されている際に、ヒータ600によって生じた熱が定着ベルト650を介して記録材Sに伝導し、未定着のトナー像が加熱溶融されて記録材S上に定着される。ヒータ600は、不図示のヒータ制御回路によって制御される。
[ヒータ]
加熱部材としてのヒータ600は、図3(a)~(e)に示すように、幅方向を長手とする絶縁性、耐熱性、低熱容量のヒータ基板(基板)610、複数の発熱体623a~623c、保護ガラス611を有する。尚、ここでの幅方向とは、定着ニップ部N(図2参照)で記録材Sを搬送する方向に直交する方向でもある。発熱体623a~623cは、ヒータ基板610の表面に複数(本実施形態では3本)設けられている。保護ガラス611は、絶縁を確保するためにヒータ基板610の表面に設けられている。そして、上述のように、ヒータ600は、ヒータホルダ660(図2参照)に固定的に支持されている。このようなヒータ600は、発熱体623a~623cの何れか1つの発熱体への電力供給により急峻な立ち上がり特性で昇温可能な低熱容量のセラミックヒータである。
図2に示すように、定着ベルト650の内周面に当接するヒータ600の表面側には、摺擦層として例えば厚さ10μm程度のポリイミド層が形成されている。ヒータ600にポリイミド層を形成することにより、定着ベルト650とヒータ600との摺擦抵抗を低減でき、もって定着ベルト650を回転させるための駆動トルクの低減や定着ベルト650の摺擦による磨耗の低減を図ることができる。なお、定着ベルト650の基材として、ポリイミド等の耐熱樹脂を用いた場合には、ヒータ600の摺動層としてのポリイミド層を省略しても良い。ヒータ600の詳しい構成については後述する。
[温度センサ]
本実施形態では定着ベルト650の温度を管理するために、ヒータ600の温度を検出する温度センサ630が設けられている。本実施形態では、例えばサーミスタセンサなどの接触型の温度センサ630を採用している。但し、温度センサ630は、非接触型でも良い。温度センサ630は、検知部がヒータ600の定着ベルト650とは反対側の裏面に接触するように、ヒータホルダ660内に配置されている。また、温度センサ630は、ヒータ600の幅方向及び長手方向の中央部に1個配置され、ヒータ600の中央付近の温度を検出する。そして、ヒータ600に設けられた複数の発熱体の温度調整のための制御を、共通の温度センサ630により行っている。なお、温度センサ630は1個に限られず、定着ベルト650の幅方向に亘って複数個が配置されていてもよい。また、温度センサ630が複数ある場合には、定着ベルト650の回転方向にずらして配置しても良い。
[サーモスタット]
また、本実施形態では、ヒータ600の温度が所定の温度を超えた時に、ヒータ600への電力供給を遮断できるようにサーモスタット631が設けられている。サーモスタット631は、ヒータ600の裏面側でヒータホルダ660に配置されている。サーモスタット631は、例えば温度が所定温度以上になるとバイメタルが反転して接点を開放して電力供給を遮断し、温度が所定温度より低くなるとバイメタルが反転前に戻って接点を閉じて電源供給を開始するスイッチである。サーモスタット631は、ヒータ600の中央付近に配置され、所定の温度に達すると内部の接点が離れて開放状態に保持される。更にサーモスタット631は、ヒータ制御回路とヒータ600との間に接続されている。
[ヒータ制御]
次に、ヒータ600の制御について説明する。ヒータ600、温度センサ630及びサーモスタット631は、ヒータ制御回路により制御される。ヒータ制御回路(ドライバ回路)は、制御部300による制御下で、ヒータ600への通電のオンオフを含む発熱状態を調整するためのものである。尚、ヒータ制御回路としては、既存の適宜なものを使用することができるので、詳細な説明を省略する。
制御部300は、ヒータ600の制御の他、画像形成装置100全体の制御を行う。このような制御部300は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するものである。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。なお、制御部300は、マイコンのようなヒータ600の制御の専用に用意したものであっても良い。この場合、定着装置30に設けられていても良い。
本実施形態の場合、制御部300は、温度センサ630の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいてヒータ600の温度が目標温度(例えば、200℃前後)に維持されるように、ヒータ制御回路を制御可能である。ヒータ制御回路によりヒータ600に対する電力供給(通電)が制御されることに応じて、ヒータ600の発熱状態が変化する。
本実施形態の制御構成では、選択された記録材のサイズに応じて電力を供給する発熱体を、発熱体623a~623cから選択している。例えば、記録材としてA4サイズの用紙が選択された場合には、制御部300のCPUは、発熱体623bへの電力供給量を調整して目標温度に制御している。
[ヒータの詳細]
次に、本実施形態のヒータ600の詳細について、図3(a)~図3(e)を用いて説明する。図3(a)はヒータ600の裏面側を示し、図3(b)はヒータ600の表面側を示す。図3(c)は図3(b)のヒータ600のA-A断面図を示し、図3(d)は図3(b)のヒータ600のB-B断面図を示し、図3(e)は図3(b)のヒータ600のC-C断面図を示す。なお、図3(b)において、図中矢印Xは、定着ニップ部Nにおける定着ベルト650の回転方向、即ち、記録材Sの搬送方向を示している(図2参照)。
加熱部材としてのヒータ600は、ヒータ基板610と、ヒータ600が定着ベルト650の内周面と当接する側であるヒータ基板610の表面(第1面)に設けられ、通電により発熱する複数の発熱体623a~623cとを有している。尚、発熱体623a、623cは第1発熱体の一例に相当し、発熱体623bは第2発熱体の一例に相当し、幅方向に関して発熱体623a、623cより長い。また、ヒータ600は、電源から給電される共通電極621A,独立電極622a~622cと、各発熱体623a~623cを共通電極621A,独立電極622a~622cを介して電源に接続するための導電体624a~624cと、を有している。尚、導電体624a、624cは第1導電体の一例に相当し、導電体624bは第2導電体の一例に相当する。更に、ヒータ600は、各発熱体623a~623cの幅方向の端部と導電体624a~624cとが表面に直交する厚み方向に重なって接続される接続部625a~625cを有している。尚、接続部625a、625cは第1接続部の一例に相当し、接続部625bは第2接続部の一例に相当する。
ヒータ600は、定着ベルト650の内周面に当接されて定着ベルト650を加熱する。ヒータ基板610は、絶縁性及び耐熱性を有し、さらに熱伝導性の高い素材、例えばアルミナや窒化アルミ等のセラミックを用いて形成されている。本実施形態では、記録材Sの搬送方向に関して、ヒータ600の幅は8mmである。複数の発熱体623a~623cは、複数のサイズの記録材に対応すべく、定着ベルト650の回転方向に交差する幅方向の長さが互いに異なる。本実施形態では、ヒータ基板610の表面と反対側の裏面(第2面)には、発熱体は設けられていない。
図3(b)に示すように、ヒータ基板610の表面には、銀パラジウム(Ag/Pd)等を用いて、互いに幅方向の長さが異なる3本の発熱体623a~623cが印刷、焼成されている。そして、これら発熱体623a~623cは、銀(Ag)等で形成される導電体624a~624cにより、幅方向の一端側は3個の独立電極622a~622cにそれぞれ接続され、他端側は1個の共通電極621Aに接続されている。3個の独立電極622a~622c及び共通電極621Aは、それぞれヒータ制御回路と接続されている。なお、これら発熱体623a~623c、導電体624a~624cは、図3(c)に示すように、例えば厚さ60~90μmの保護ガラス611で覆われている。
[各発熱体の配置について]
次に、複数の発熱体623a~623cの配置について、図3(a)~図3(c)を用いて説明する。本実施形態のヒータ600は、複数の発熱体623a~623cのうちの幅方向の長さが最も長い発熱体623bは、ヒータ基板610の表面に設けられている。また、表面に設けられた3本の発熱体623a~623cは、幅方向の長さが長い方から順番に、発熱体623b、発熱体623a、発熱体623cとなる。この場合に、定着ベルト650の回転方向に関して、幅方向の長さが最も長い発熱体623bが発熱体623aと発熱体623cとの間に配置されている。更に、発熱体623a~623cは、定着ベルトの回転方向の上流から下流(定着ニップ部Nで記録材Sが搬送される方向の上流から下流、矢印X方向)に、発熱体623c、発熱体623b、発熱体623aの順番で配置されている。
図3(c)に示すように、各発熱体623a~623cの幅は0.8mmで、発熱体と発熱体の隙間Gは0.6mmにしている。よって、発熱領域の幅は、0.8mm×3+0.6mm×2=3.6mmである。この発熱領域は、定着ニップ部Nの中でもヒータ600と定着ベルト650とが接触する加熱ニップ部に収まるように配置されている。各発熱体623a~623cと、各幅方向長さに対応する代表的な記録材Sとしてのシート(ここでは用紙)のサイズとの関係を表1に示す。発熱体623a~623cの幅方向長さは、シートサイズに対して21mm長く設定している。これは、発熱体623a~623cを発熱させたときに、幅方向の伝熱によって端部の温度が下がってしまうことと、記録材Sを連続通紙した時に記録材Sが通過しない領域が発熱するのを抑えることを鑑みたためである。
Figure 0007403979000001
本実施形態では、発熱体623a、623cは、幅方向の長さが定着ニップ部Nを通過可能な最大サイズの記録材Sの幅方向の長さよりも短い。また、発熱体623bは、幅方向の長さが最大サイズの記録材Sの幅方向の長さよりも長い。また、定着装置には、その機種に応じて画像保証領域がある。画像保証領域とは、定着ニップ部Nを通過した記録材のトナー像を正常に定着できることを保証する領域である。具体的には、定着ニップ部Nを通過可能な最大サイズの記録材の幅方向の長さ以上の範囲を画像保証領域としている。本実施形態では、画像保証領域は、定着ニップ部Nを通過可能な最大サイズの記録材Sの幅方向の長さより僅かに長く設定しており、ここでは最大サイズの記録材Sの幅方向の長さである297mmより3mm長い300mmとしている。
[比較例の接続部]
ここで、図6に比較例のヒータ200を示す。比較例では、図6に示すように、発熱体223と導電体224の接続部225において、発熱体223と導電体224とを同じ厚さのままで基板210の厚み方向にオーバーラップさせている。このため、接続部225は、他の部位に比べて局所的に厚くなってしまう。例えば、発熱体223及び導電体224の厚みを同じ10μmとした場合、接続部225は他の部分に対して10μm厚くなる。そして、このような接続部225が、ヒータ200が定着ベルト650と接触する表面側にあると、接続部225の局所的な厚みがヒータ200と定着ベルト650の接触を妨げることになり、伝熱を阻害してしまう虞がある。この結果、接続部225がその定着装置の画像保証領域内に含まれる場合、定着ニップ部を通過することで記録材に定着される画像に光沢ムラなどの画像不良が発生する虞がある。そこで、本実施形態では、以下の構成により、接続部225の局所的な厚みを抑制するようにしている。
[接続部]
次に、本実施形態の複数の接続部625a~625cについて、図3(b)を用いて説明する。発熱体623aの幅方向の端部と導電体624aの端部とが、厚み方向に重なって接続部625aにおいて接続されている。同様に、発熱体623bの幅方向の端部と導電体624bの端部とが、厚み方向に重なって接続部625bにおいて接続され、発熱体623cの幅方向の端部と導電体624cの端部とが、厚み方向に重なって接続部625cにおいて接続されている。各接続部625a~625cにおいて厚み方向に重ねて接続されることにより、発熱体623a~623cと導電体624a~624cとは、安定的に導通される。
接続部625aについて、図3(e)を用いて詳細に説明する。接続部625aにおいて、発熱体623aは、発熱体623aの接続部625a以外(第1接続部以外)の部分よりも厚み方向に薄い薄肉部623xを有している。また、接続部625aにおいて、導電体624aは、導電体624aの接続部625a以外の部分よりも厚み方向に薄い薄肉部624xを有している。本実施形態では、発熱体623aの接続部625a以外の部分の厚みと、導電体624aの接続部625a以外の部分の厚みとは、いずれも10μmとしている。そして、発熱体623aの薄肉部623xの厚みと、導電体624aの薄肉部624xの厚みは、いずれも5μmとしている。従って、接続部625aの厚みは合計10μmであり、接続部625a以外と変わらないようになっている。尚、接続部625aの幅方向の長さは、例えば1mmとしている。接続部625cの構成は、接続部625aと同様である。これは、発熱体623cの幅方向の長さは、発熱体623aと同様に、定着ニップ部Nを通過可能な最大サイズの記録材Sの幅方向の長さ、及び画像保証領域よりも短いためである。これに対し、発熱体623bは画像保証領域よりも長いため、接続部625bは、画像保証領域である300mmよりも外側に配置されるので、接続部625aのような薄肉部を設けていない。
[接続部の製造手順]
次に、複数の接続部625aの製造手順について、図4(a)~図4(e)を用いて説明する。尚、ここでは、接続部625aの製造手順について説明するが、接続部625cも同様の構成であるため同様の製造手順により製造することができる。まず、ヒータ基板610に発熱体623aの1層目として銀パラジウムのペーストを印刷して厚さ5μmで塗布した後、焼成する(図4(a))。次に、ヒータ基板610に発熱体623aの2層目として銀パラジウムのペーストを印刷して厚さ5μmで塗布した後、焼成する(図4(b))。このとき、発熱体623aの2層目は、接続部625aになる部分において1層目よりも幅方向に1mm短く塗布する。言い換えれば、発熱体623aの2層目は、接続部625aに塗布されないように幅方向にずらして塗布する。これにより、発熱体623aの端部に厚さ5μmの段差状の薄肉部623xが形成される。
それから、ヒータ基板610に導電体624aの1層目として銀のペーストを接続部625aから外れた位置に印刷して厚さ5μmで塗布した後、焼成する(図4(c))。このとき、導電体624aの1層目は、その端部が発熱体623aの1層目の幅方向端部と突き当たるように塗布することが好ましい。次に、ヒータ基板610に導電体624aの2層目として銀のペーストを印刷して厚さ5μmで塗布した後、焼成する(図4(d))。このとき、導電体624aの2層目は、接続部625aになる部分において1層目よりも幅方向に1mm長く塗布する。言い換えれば、導電体624aの2層目は、接続部625aにおいて発熱体623aの1層目と厚み方向に重なるように塗布する。これにより、導電体624aの端部に厚さ5μmの段差状の薄肉部624xが形成され、接続部625aになる部分において導電体624aの薄肉部624xと発熱体623aの薄肉部623xとが厚み方向に重なる。そして、合計の厚さがほぼ10μmとなり、他の部位との厚みの差を発生させない、或いは、厚みの差が小さい接続部625aが作製される。最後に、発熱体623a及び導電体624aの上に保護ガラス611を塗布し、焼成する(図4(e))。
尚、本実施形態では、接続部625aにおいて、薄肉部623x,624xをいずれも厚さ5μmとしたが、これには限られず、それぞれの薄肉部が他の部位の厚さ(例えば10μm)より薄ければよい。即ち、本実施形態では、接続部625aにおける薄肉部623x,624xの合計の厚さとしては、20μm未満であればよく、13μm以下であることが好ましく、10μmであることがより好ましい。
上述したように本実施形態の定着装置30の場合、幅方向の長さが定着ニップ部Nを通過可能な最大サイズの記録材Sの幅方向の長さよりも短い発熱体623a、623cと導電体624a、624cとの接続部625a、625cの厚さを薄くしている。即ち、発熱体623aは、接続部625aにおいて発熱体623aの接続部625a以外の部分よりも厚み方向に薄くし、導電体624aも、接続部625aにおいて導電体624aの接続部625a以外の部分よりも厚み方向に薄くしている。発熱体623cと導電体624cとの接続部625cも同様である。発熱体623a、623cは、最大サイズの記録材よりも幅方向の長さが短いため、接続部625a、625cは、画像保証領域内に位置する。本実施形態では、上述のように接続部625a、625cの厚み方向の厚さを抑えることができるので、接続部625a、625cが定着ベルト650とヒータ600との接触を妨げることを抑制し、伝熱を阻害しにくくできる。その結果、接続部625a、625cと他の部位とで定着ベルト650に対して温度ムラを発生してしまうことを抑制し、温度ムラによる定着画像の光沢ムラなどの画像不良が発生することを抑制可能である。
また、本実施形態の定着装置30によれば、発熱体623a~623cは、いずれもヒータ基板610の表面に設けられている。このため、裏面に設けられる場合に比べて、熱伝達効率の低下を抑制することができる。
尚、上述した本実施形態の定着装置30では、接続部625aにおいて、発熱体623aの薄肉部623xを厚み方向でヒータ基板610側に形成し、導電体624aの薄肉部624xを厚み方向で保護ガラス611側に形成した場合について説明した。但し、これには限られず、接続部625aにおいて、発熱体623aの薄肉部623xを厚み方向で保護ガラス611側に形成し、導電体624aの薄肉部624xを厚み方向でヒータ基板610側に形成するようにしてもよい。
また、上述した本実施形態の定着装置30では、接続部625aは、発熱体623aの薄肉部623x及び導電体624aの薄肉部624xがいずれも平坦に1層ずつ形成されている場合について説明したが、これには限られない。例えば、各薄肉部が階段状に2段以上形成されるようにしてもよく、あるいは、各薄肉部が傾斜した斜面状に形成されるようにしてもよい。いずれの場合も、発熱体623aの薄肉部623x及び導電体624aの薄肉部624xを厚み方向に重ねることにより、接続部625aの厚み方向の厚さを抑えることができる。
また、上述した本実施形態の定着装置30では、発熱体623bは、最大サイズの記録材よりも幅方向の長さが長く、画像保証領域よりも長いため、接続部625bは、画像保証領域である300mmよりも外側に配置される。このため、接続部625は、接続部625aのような薄肉部により形成していない。但し、これには限られず、この接続部625bにおいても、接続部625aと同様に、薄肉部により形成してもよい。例えば、発熱体623bは、第2接続部において発熱体623bの第2接続部以外の部分よりも厚み方向に薄く、導電体(第2導電体)624bは、第2接続部において導電体624bの第2接続部以外の部分よりも厚み方向に薄く形成する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、図5(a)~図5(c)を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、ヒータ基板610の裏面にも発熱体623d~623fを有している点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
本実施形態のヒータ600Aの詳細について、図5(a)~図5(c)を用いて説明する。図5(a)はヒータ600Aの裏面側を示し、図5(b)はヒータ600Aの表面側を示し、図5(c)は図5(b)のヒータ600AのD-D断面図を示す。本実施形態では、第1の実施形態に対して、表裏両面に発熱体を有することにより、対応できるシートサイズを増やすようにしている。尚、ヒータ基板610の表面の構成については、第1の実施形態と同様である。
本実施形態のヒータ600Aでは、ヒータ基板610の裏面に設けられた3本の発熱体623d~623fは、幅方向の長さが長い方から順番に、発熱体623e、発熱体623f、発熱体623dとなる。この場合に、定着ベルト650の回転方向に関して、幅方向の長さが最も長い発熱体623eが発熱体623dと発熱体623fとの間に配置されている。更に、発熱体623d~623fは、定着ベルトの回転方向の上流から下流(矢印X方向)に、発熱体623d、発熱体623e、発熱体623fの順番で配置されている。尚、発熱体623d~623fは第3発熱体の一例に相当する。また、ヒータ600Aは、電源から給電される共通電極621B,独立電極622d~622fと、各発熱体623d~623fを共通電極621B,独立電極622d~622fを介して電源に接続するための導電体624d~624fと、を有している。
図5(c)に示すように、各発熱体623d~623fの幅は0.8mmで、発熱体と発熱体の隙間Gは0.6mmにしている。よって、発熱領域の幅は、0.8mm×3+0.6mm×2=3.6mmである。この発熱領域は、定着ニップ部Nの中でもヒータ600Aと定着ベルト650とが接触する加熱ニップ部に収まるように配置されている。各発熱体623d~623fと、各幅方向長さに対応する代表的な記録材Sとしてのシート(ここでは用紙)のサイズとの関係を表2に示す。発熱体623d~623fの幅方向長さは、シートサイズに対して21mm長く設定している。これは、発熱体623d~623fを発熱させたときに、幅方向の伝熱によって端部の温度が下がってしまうことと、記録材Sを連続通紙した時に記録材Sが通過しない領域が発熱するのを抑えることを鑑みたためである。
Figure 0007403979000002
本実施形態のヒータ基板610の裏面の複数の接続部625d~625fについて、説明する。発熱体623dの幅方向の端部と導電体624dの端部とが、厚み方向に重なって接続部625dにおいて接続されている。同様に、発熱体623eの幅方向の端部と導電体624eの端部とが、厚み方向に重なって接続部625eにおいて接続され、発熱体623fの幅方向の端部と導電体624fの端部とが、厚み方向に重なって接続部625fにおいて接続されている。各接続部625d~625fにおいて厚み方向に重ねて接続されることにより、発熱体623d~623fと導電体624d~624fとは、安定的に導通される。
ここで、各接続部625d~625fでは、発熱体623d~623fと導電体624d~624fとが薄肉部を形成することなく、他の部分と同じ厚さで厚さ方向にオーバーラップしている。このため、ヒータ600Aの裏面では、各接続部625d~625fにおいて局所的に厚みが大きくなってしまう部分が発生する。これに対し、ヒータ600Aの裏面は表面と違い、ヒータ基板610を介して定着ニップ部Nの加熱ニップ部に接するため、接続部625d~625fを定着ニップ部Nの加熱ニップ部内に設けても定着ベルト650への伝熱は阻害されない。これにより、発熱体623d~623fと導電体624d~624fとを裏面に形成する際に、表面のように薄肉部を形成する場合に比べて製造時間を短縮することができる。
上述したように本実施形態の定着装置30の場合も、表面の複数の発熱体のうち、最大サイズの記録材よりも幅方向の長さが短い発熱体623a、623cの接続部625a、625cの厚さを小さくしている。このため、接続部625a、625cが定着ベルト650とヒータ600Aとの接触を妨げることを抑制し、伝熱を阻害しにくくできる。一方、発熱体623d~623fも、最大サイズの記録材よりも幅方向の長さが短いが、これらは裏面に設けられているため、接続部625d~625fが定着ベルト650への伝熱に影響を及ぼすことは殆どない。その結果、接続部625aと他の部位とで定着ベルト650に対して温度ムラを発生してしまうことを、抑制可能である。
尚、上述した第1の実施形態の定着装置30では、表面に3本の発熱体623a~623cが形成されているが、2本でも良いし、4本以上であってもよい。また、第2の実施形態の定着装置30では、表面及び裏面のそれぞれに3本ずつの発熱体623a~623fが形成されているが、これには限られず、例えば裏面に形成する発熱体は2本でも良いし、4本以上であってもよい。また、表面と裏面とに形成する発熱体の数は同じでなくてもよい。
30…定着装置、60…定着ベルトユニット、70…加圧ローラ(ニップ形成部材)、600,600A…ヒータ(加熱部材)、610…ヒータ基板(基板)、623a,623c…発熱体(第1発熱体)、623b…発熱体(第2発熱体)、623d,623e,623f…発熱体(第3発熱体)、624a,624c…導電体(第1導電体)、624b…導電体(第2導電体)、625a,625c…接続部(第1接続部)、625b…接続部(第2接続部)、650…定着ベルト、N…定着ニップ部、S…記録材。

Claims (8)

  1. 回転可能に設けられた無端状の定着ベルトと、
    基板と、前記定着ベルトの内周面に当接する側の前記基板の第1面に設けられ、通電により発熱する第1発熱体と、前記基板に設けられ、通電により発熱すると共に前記定着ベルトの回転方向に交差する幅方向に関して前記第1発熱体より長い第2発熱体と、前記基板に設けられ、前記第1発熱体を電源に接続するための第1導電体と、前記第1発熱体の前記幅方向の端部と前記第1導電体とが前記第1面に直交する厚み方向に重なって接続される第1接続部と、を有し、前記定着ベルトの内周面に当接されて前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、
    前記定着ベルトの外周面に当接して、前記定着ベルトとの間に記録材を搬送しつつ記録材に形成されたトナー像を定着させるための定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、を備え、
    前記第1発熱体は、前記幅方向の長さが前記定着ニップ部を通過可能な最大サイズの記録材の前記幅方向の長さよりも短く、
    前記第2発熱体は、前記幅方向の長さが前記最大サイズの記録材の前記幅方向の長さよりも長く、
    前記第1発熱体は、前記第1接続部において前記第1発熱体の前記幅方向における前記最大サイズの記録材の通紙領域の中央位置よりも前記厚み方向に薄く、
    前記第1導電体は、前記第1接続部において前記第1導電体の前記幅方向における中央位置よりも前記厚み方向に薄い、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2発熱体は、前記基板の前記第1面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱部材は、前記基板に設けられ、前記第2発熱体を電源に接続するための第2導電体と、前記第2発熱体の前記幅方向の端部と前記第2導電体とが前記厚み方向に重なって接続される第2接続部と、を有し、
    前記第2発熱体は、前記第2接続部において前記第2発熱体の前記幅方向における前記通紙領域の中央位置と同じ厚さを有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記第2導電体は、前記第2接続部において前記第2導電体の前記幅方向における中央位置と同じ厚さを有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  5. 前記加熱部材は、前記基板に設けられ、前記第2発熱体を電源に接続するための第2導電体と、前記第2発熱体の前記幅方向の端部と前記第2導電体とが前記厚み方向に重なって接続される第2接続部と、を有し、
    前記第2発熱体は、前記第2接続部において前記第2発熱体の前記幅方向における前記最大サイズの記録材の通紙領域の中央位置よりも前記厚み方向に薄い、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  6. 前記第2導電体は、前記第2接続部において前記第2導電体の前記幅方向における中央位置よりも前記厚み方向に薄い、
    ことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  7. 前記加熱部材は、前記基板の前記第1面とは反対側の第2面に設けられ、通電により発熱すると共に前記幅方向の長さが前記最大サイズの記録材の前記幅方向の長さよりも短い第3発熱体を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記厚み方向において、
    前記第1接続部の前記第1発熱体と前記第1導電体との厚さは、前記幅方向における中央位置の前記第1発熱体の厚さと同じである、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
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