JP7403974B2 - 条件付き作動式の摩擦装置を備えたトーショナルダンパ - Google Patents

条件付き作動式の摩擦装置を備えたトーショナルダンパ Download PDF

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Description

本発明は、自動車のトランスミッションの分野に関し、特に、自動車のトランスミッションに装備するためのトーショナルダンパの分野に関する。
内燃機関が発生するトルクは一定ではなく、エンジンのシリンダ内での連続爆発によって引き起こされる非周期性を有する。こうした非周期性によって振動が発生し、これらの振動がギヤボックスに伝達され、それによって、特に不快な衝撃、ノイズおよび騒音公害が発生する可能性がある。したがって、一般に、自動車のトランスミッションは、ギヤボックスの上流で振動をフィルタリング可能なトーショナルダンパを備え、特に不快な衝撃、ノイズまたは騒音公害を回避する。このようなトーショナルダンパは、特にデュアルマスフライホイール(DMF)であり、あるいは、クラッチディスクまたはトルクリミッタの一部をなす。
トーショナルダンパは、トランスミッション機構の上流部分に結合される入力要素と、トランスミッション機構の下流部分に結合される出力要素とを含む。入力要素と出力要素は、軸Xを中心として相対的に回転移動する。トーショナルダンパはさらに、入力要素と出力要素との間でトルク伝達するように構成されたばね等の弾性部材を含む。弾性部材は、入力要素から出力要素に向けて(順方向の)駆動トルクを伝達し、出力要素から入力要素に向けて(逆方向の)抵抗トルクを伝達することができる。トーショナルダンパは、ヒステリシス装置とも呼ばれる摩擦装置を含み、該摩擦装置は、入力要素と出力要素との相対的な回転時に摩擦抵抗トルクを及ぼし、これによって弾性部材に蓄積されたエネルギーの一部を摩擦により発散することができる。
一般に、振動の振幅は、熱機関の始動時の方が大きく、熱機関の通常の動作条件ではそれよりも小さい。そのため、従来技術では、所望の動作段階中、特に始動時に一段と大きな摩擦トルクが及ぼされるように、出力要素に対する入力要素のいくつかの相対的な位置でのみ摩擦抵抗トルクを及ぼす条件付き作動式の摩擦装置が知られている。特に、出力要素から入力要素に向かって抵抗トルクが伝達されるときのみ摩擦トルクを発生する条件付き作動式の摩擦装置が知られている。このようなトーショナルダンパは、熱機関の始動時に出力要素から入力要素に向かって抵抗トルクが伝達されるとき、熱機関の始動時の振動をフィルタリングするために特に有効であることがわかっている。これは、たとえば、トーショナルダンパが、上流に配置された熱機関と下流に配置された電気機械との間に配置され、熱機関が電気機械を介して始動される場合にあてはまる。
このようなヒステリシス装置を実現するために、該ヒステリシス装置は、入力要素および出力要素の一方と摩擦接触し、抵抗トルクがトーショナルダンパを通過するとき、入力要素および出力要素の他方によりもっぱら回転駆動される、摩擦リングを含む。
しかしながら、本出願人は、伝達トルクが弱いとき、特に自動車のギヤボックスがニュートラル位置にあるとき、十分な振動フィルタリングを保証できない点で、このようなトーショナルダンパが完全に満足のいくものではないとみなしている。
本発明の基本的な考えは、抵抗トルクが伝達されるときに作動する条件付き作動式の摩擦装置を備え、その一方で、伝達される駆動トルクが弱いとき十分な振動フィルタリングを保証可能な、トーショナルダンパを提案することからなる。
1つの実施形態によれば、本発明は、自動車のトランスミッション機構の上流部分と下流部分との間に配置されるためのトーショナルダンパを提供し、本トーショナルダンパは、
-軸Xを中心として相対的に回転移動する第1の要素および第2の要素であって、第1および第2の要素の一方が、トランスミッション機構の上流部分に組み合わされ、第1および第2の要素の他方が、トランスミッション機構の下流部分に組み合わされる、第1および第2の要素と、
-非周期性を緩和して、第1の要素と第2の要素の間でトルクを伝達するように構成された弾性ダンパシステムとを含み、この弾性ダンパシステムは、
-一方では、第1の要素の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間、他方では、第2の要素の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間に配置された、少なくとも1つの第1の弾性部材を含み、駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるとき、第1および第2の要素の順方向の第1の当接領域の間で、また、抵抗トルクが出力要素から入力要素に向けて伝達されるとき、第1および第2の要素の逆方向の第1の当接領域の間で、上記第1の弾性部材が圧縮されるようにした、第1の弾性装置と、
-一方では、第1の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間、他方では、第2の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間に配置された、少なくとも1つの第2の弾性部材を含み、この第2の弾性部材が、トーショナルダンパの休止位置で、第1の要素の順方向の第2の当接領域の周方向の隙間jにより分離され、それによって、順方向のトルク閾値以上の駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるときだけ、第1および第2の要素の順方向の上記第2の当接領域の間で第2の弾性部材が圧縮されるようにした、条件付き作動式の第2の弾性装置と、
-第2の要素を直接または間接的に摩擦するように構成され、かつ第1の要素の逆方向の第2の当接領域と第2の弾性部材との間に配置された少なくとも1つの作動部材に回転結合された、第1の摩擦リングを含む条件付き作動式の摩擦装置であって、抵抗トルクの伝達のために、第1の要素の逆方向の第2の当接領域が作動部材を介して第2の要素の逆方向の第2の当接領域に対して第2の弾性部材を圧縮するとき、条件付き作動式の摩擦装置が第1および第2の要素の間で摩擦トルクを及ぼすようにされている、条件付き作動式の摩擦装置と、
を含む。
このようなトーショナルダンパでは、順方向のトルク閾値未満の駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるとき、第1の弾性装置だけが振動をフィルタリングすることを保証する。さらに、条件付き作動式の摩擦装置は、第1の弾性装置と協働しないので、本摩擦装置が第1の弾性装置の動作を妨害することがなく、これによって、抵抗トルクの伝達時に作動する条件付き作動式の摩擦装置の存在にもかかわらず、伝達トルクが弱いときでも振動を十分にフィルタリングすることを保証できる。
他の有利な実施形態によれば、このようなトーショナルダンパは、1つまたは複数の以下の特徴を有することができる。
1つの実施形態によれば、第1の弾性装置は、上記第1の弾性部材が、0より大きい全ての駆動トルクに対して第1および第2の要素の順方向の第1の当接領域の間で圧縮されるように構成される。
1つの実施形態によれば、第1の弾性装置は、順方向のトルク閾値未満の駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるとき、上記第1の弾性部材が、第1および第2の要素の順方向の第1の当接領域の間で圧縮されるように構成される。
1つの実施形態によれば、条件付き作動式の摩擦装置は、抵抗トルクの伝達時にもっぱら作動されるように構成される。
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第2の弾性部材は、トーショナルダンパの休止位置で、第2の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間で予備圧縮される。
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第2の弾性部材は、休止位置で、第2の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間で、予備圧縮値で予備圧縮され、条件付き作動式の第2の弾性装置は、抵抗トルクの伝達のために、第1の要素の逆方向の第2の当接領域が作動部材を介して第2の要素の逆方向の第2の当接領域に対して第2の弾性部材を圧縮すると、条件付き作動式の摩擦装置によって発生する摩擦トルクより大きい戻しトルクを条件付き作動式の第2の弾性装置が及ぼすようにされている。換言すれば、少なくとも1つの第2の弾性部材は、伝達される抵抗トルクがどうあろうと、第2の要素の逆方向の第2の当接領域が作動部材を介して第1の要素の逆方向の第2の当接領域に対して第2の弾性部材を圧縮する限り、条件付き作動式の摩擦装置によって発生する摩擦トルクよりも大きい戻しトルクを条件付き作動式の第2の弾性装置が及ぼすような値で予備圧縮される。したがって、1つまたは複数の第2の弾性部材は、駆動トルクが伝達されても作動部材と第2の要素との間で圧縮され続けることはない。
1つの実施形態によれば、トーショナルダンパの休止位置で、第1の弾性装置は予備圧縮されていないか、あるいは、5Nm未満の予備圧縮値で予備圧縮されている。これにより、トーショナルダンパを通過するトルクが弱いときもトーショナルダンパの性能を一段と高めることができる。
1つの実施形態によれば、第1の弾性装置の剛性と、第2の弾性部材と第1の要素の順方向の第2の当接領域との間の周方向の隙間jとは、順方向のトルク閾値が10~60Nm、特に20Nm~60Nmの範囲にあるようにされる。
1つの実施形態によれば、第2の弾性部材は、トーショナルダンパの休止位置で、第2の要素の逆方向の第2の当接領域の周方向の隙間kにより分離され、第2の弾性部材は、逆方向のトルク閾値以上の抵抗トルクが出力要素から入力要素に向けて伝達されるときだけ、第1および第2の要素の逆方向の第2の当接領域の間で圧縮されるようになっている。
1つの実施形態によれば、作動部材は、周方向の隙間kと同じ周方向の隙間によって第2の要素の逆方向の第2の当接領域から分離されている。
1つの実施形態によれば、第1の弾性部材の剛性と、第2の弾性部材と第2の要素の逆方向の第2の当接領域との間の周方向の隙間kとは、逆方向のトルク閾値が5~30Nmの範囲にあるようにされる。
1つの実施形態によれば、第1および第2の要素の一方がカバーを含み、第1および第2の要素の他方が、本カバーの両側にそれぞれ配置される2個のガイドリングを含んでいる。
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第1の弾性部材と少なくとも1つの第2の弾性部材は、同一の直径に配置される。
1つの実施形態によれば、第1の弾性装置の剛性K1は、3~12Nm/°である。
1つの実施形態によれば、第1の弾性部材は、互いに内部に取り付けられた同軸の2個の直線ばねを含む。
1つの実施形態によれば、第2の弾性装置の剛性K2は6~25Nm/°である。
1つの実施形態によれば、第2の弾性部材は、互いに内部に取り付けられた同軸の2個の直線ばねを含む。
1つの実施形態によれば、カバーは、第1および第2の弾性部材の各々に対して1個の開口部を含み、各開口部が、周方向に対向する2つの端部を有し、それぞれ、順方向の第1の当接領域の一方および逆方向の第1の当接領域の一方、または、順方向の第2の当接領域の一方および逆方向の第2の当接領域の一方を形成する。
1つの実施形態によれば、ガイドリングは、第1および第2の弾性部材の各々に対して各々が1個の開口部を含み、各開口部が、周方向に対向する2つの端部を有し、それぞれ、順方向の第1の当接領域の一方および逆方向の第1の当接領域の一方、または、順方向の第2の当接領域の一方および逆方向の第2の当接領域の一方を形成する。
1つの実施形態によれば、第1の弾性装置は、軸Xを中心として周方向に配分された複数の第1の弾性部材を含み、第1の弾性部材の各々が、一方では、第1の要素の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間、他方では、第2の要素の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間に配置される。
1つの実施形態によれば、条件付き作動式の第2の弾性装置は、軸Xを中心として周方向に配分された複数の第2の弾性部材を含み、第2の弾性部材の各々が、一方では、第1の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間、他方では、第2の要素の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間に配置され、第2の弾性部材の各々が、トーショナルダンパの休止位置で、第1の要素の個々の順方向の第2の当接領域から周方向の隙間jだけ分離されている。
1つの実施形態によれば、条件付き作動式の摩擦装置は、第2の弾性部材の各々に対して1個の作動部材を含み、各作動部材が、第2の弾性部材の一方と第1の要素の個々の逆方向の第2の当接領域との間に配置される。
1つの実施形態によれば、条件付き作動式の摩擦装置は、作動部材を支持する作動リングを含み、この作動リングが、周方向の隙間を伴って、または隙間なしに、第1の摩擦リングと回転結合される。
1つの実施形態によれば、この作動部材または各作動部材が作動脚部である。
1つの実施形態によれば、作動リングと第1の摩擦リングとは、この作動リングと第1の摩擦リングとのうちの一方により支持される軸方向脚部が、他方に設けられたノッチ内に収容されることによって互いに回転結合される。
1つの実施形態によれば、軸方向フィンガが周方向の隙間を伴ってノッチ内に収容される。
1つの実施形態によれば、条件付き作動式の摩擦装置は、さらに、
-第1の要素に固定された支持リングと、
-第1の要素に回転結合される第2の摩擦リングであって、第1の摩擦リングが支持リングと第2の摩擦リングとの間に軸方向に配置された、第2の摩擦リングと、
-一方ではガイドリングに、他方では第2の摩擦リングに当接して、第2の摩擦リングを第1の摩擦リングに、この第1の摩擦リングを支持リングに当接するようにされた、たとえば皿ばね状の弾性リングと、
を含む。
1つの実施形態によれば、本発明は、また、熱機関を備えた上流部分と、発電機を備えた下流部分と、上記トーショナルダンパとを含み、トーショナルダンパの入力要素が、上流部分に結合され、トーショナルダンパの出力要素が下流部分に結合される、自動車のトランスミッション機構に関する。
1つの実施形態によれば、順方向のトルク閾値は、条件付き作動式の摩擦装置の摩擦トルクより大きい。
1つの実施形態によれば、逆方向のトルク閾値は、条件付き作動式の摩擦装置の摩擦トルクより大きい。
本発明は、添付図面を参照しながら限定的ではなく例としてのみなされた本発明の複数の特定の実施形態の以下の説明を読めば、いっそう理解され、本発明の他の目的、細部、特徴および長所がいっそう明らかになるであろう。
1つの実施形態によるトーショナルダンパを示す分解組立斜視図である。 カバーと作動リングを透かしにより点線で示した、図1のトーショナルダンパの正面図である。 カバーと作動リングを透かしにより点線で示した、図2の領域IIIの詳細図である。 カバーと作動リングを透かしにより点線で示した、図2の領域IVの詳細図である。 カバーと作動リングを透かしにより点線で示した、第2の実施形態によるトーショナルダンパのための図3に対応する詳細図である。 1つの実施形態によるトーショナルダンパの入力要素と出力要素との間の揺動に応じて伝達されるトルクを示す特徴のグラフである。 別の実施形態によりトーショナルダンパの入力要素と出力要素との間の揺動に応じて伝達されるトルクを示す特徴のグラフである。 本発明によるものではないトーショナルダンパの入力要素と出力要素との間の揺動に応じて伝達されるトルクを示す特徴のグラフである。
以下の説明および請求項では、説明の中で与えられる定義に従ってトーショナルダンパの諸要素を示すために、「外側」および「内側」という用語ならびに「軸方向」および「半径方向」という方向を使用する。便宜上、「半径方向」は、「軸方向」を決定するトーショナルダンパの回転軸Xに直交し、上記軸から遠ざかりながら内側から外側に向かう方向であり、「周方向」は、トーショナルダンパの軸に直交し、かつ半径方向に直交する方向である。「外側」および「内側」という用語は、トーショナルダンパの回転軸Xを基準として他の要素に対する1つの要素の相対的な位置を定義するために使用され、そのため、軸に近い要素は、半径方向周辺部に配置される外側要素との対置により内側と呼ばれる。
トーショナルダンパ1は、自動車のトランスミッション機構に配置するためのものである。特定の1つの実施形態では、トーショナルダンパは、下流に配置される熱機関と、上流に配置される発電機との間に配置されて、特に熱機関の始動を保証する。
図示された実施形態では、トーショナルダンパ1は、トルクリミッタの摩擦ディスク2に結合される。このようなトルクリミッタは、自動車のトランスミッション機構を通るトルクを制限し、過負荷に弱い設備を保護することをめざしている。こうした用途では、摩擦ディスク2が摩擦ライニング3を含み、該摩擦ライニングは、弾性負荷をかけられたプレッシャープレート(図示せず)を用いて、熱機関のクランクシャフトに固定された駆動フライホイールに回転結合される支持ディスク(図示せず)に押し付けられる。プレッシャープレートの弾性負荷は、トランスミッション機構を通るトルクがトルクリミッタの始動閾値未満であるとき、摩擦ディスク2と駆動フライホイールとが回転結合され、トランスミッション機構を通るトルクが上記始動閾値以上であるとき、摩擦ディスクと駆動フライホールとの相対的な回転が可能になるようなものとされ、これによって、トランスミッション機構を通るトルクを制限することができる。しかしながら、本発明は、このような用途に制限されず、たとえばデュアルマスフライホイールまたはクラッチディスク等の他の用途でも同様にトーショナルダンパ1を使用可能であることに留意されたい。
図1に図示したように、摩擦ディスク2は、たとえばリベット5を用いて摩擦ライニング3が両側に固定される固定される外側ディスク4と、ハブ6とを含む。ハブ6は、従動軸(図示せず)に形成される係合スプラインと協働するための内側スプラインを含む。トーショナルダンパ1は、外側ディスク4に回転結合される入力要素7と、ハブ6に回転結合される出力要素8と、非周期性を緩和する弾性ダンパシステムとを含み、該弾性ダンパシステムは、入力要素7から出力要素8に向けて(順方向の)駆動トルクを伝達し、出力要素8から入力要素7に向けて(逆方向の)抵抗トルクを伝達するように構成されている。
図示されている実施形態では、入力要素7が2個のガイドリング9、10を含み、出力要素8は、この2個のガイドリング9、10の間に軸方向に配置されるカバー11を含む。しかしながら、図示されていない代替的な実施形態では構造が逆であり、外側ディスク4に固定された入力要素7がカバーを含み、出力要素8は、カバーの両側に軸方向に配置されてハブ6に回転固定された2個のガイドリングを含む。
図1では、一方のガイドリング10が、1組のリベット12により外側ディスク4に固定され、2個のガイドリング9、10が、スペーサを形成する第2組のリベット13により互いに固定されている。
さらに、カバー11は内周を有し、この内周には、カバー11とハブ6とを回転結合するようにハブ6の外面に設けられた歯列と係合する歯列が設けられている。
弾性ダンパシステムは、弾性部材14、15、16、17を含む。図示されている実施形態では、弾性部材14、15、16、17が、軸Xを中心として同一の直径に周方向に配分された複数の直線コイルばねを含んでいる。図示されている変形実施形態では、弾性ダンパシステムは、互いの内部に同軸に配置された2個のコイルばねから各々が構成された4個の弾性部材14、15、16、17を含む。
カバー11とガイドリング9、10は、弾性部材14、15、16、17のうちの1個を各々が収容する開口部18、19、20をそれぞれ含んでいる。開口部の周方向に対向する端部は、弾性部材14、15、16、17の端部に当接するための当接領域を形成する半径方向の領域を含む。
図示された実施形態では、弾性部材の各端部が、弾性部材14、15、16、17の端部に及ぼされる応力を適切に配分することを保証するための支持キャップ21を備える。支持キャップ21の各々は、3つの当接領域すなわちカバー11の当接領域および2個の各ガイドリング9、10の当接領域に向かい合って配置される。
動作時に、エンジントルクが順方向すなわちガイドリング9、10から弾性部材14、15、16、17を介してカバー11に伝達されると、ガイドリング9、10は、図2の矢印f1に示された第1の回転方向に従ってカバー11に対して回転する。そのため、弾性部材14、15、16、17の各々は、第1の端部ではガイドリング9、10の順方向の2つの当接領域に当接し、第2の端部ではカバー11の順方向の当接領域に当接する。その反対にエンジントルクが逆方向すなわちカバー11からガイドリング9、10に向かって伝達されると、ガイドリング9、10は図2の矢印f2に示された第2の回転方向に従ってカバー11に対して回転する。したがって、弾性部材14、15、16、17の各々は、その第1の端部でカバー11の逆方向の当接領域に当接し、第2の端部でガイドリング9、10の逆報告の2個の当接領域に当接する。そのため、弾性部材は、ガイドリング9、10からカバー11に向かって(順方向の)駆動トルクを伝達し、カバー11からガイドリング9、10に向かって(逆方向の)抵抗トルクを伝達することができる。
弾性部材14、15、16、17は2個のグループに配分され、弾性部材15、17が第1の弾性装置に属し、弾性部材14、16が条件付き作動式の第2の弾性装置に属する。
図4に詳細に図示した第1の弾性装置の弾性部材15、17は、カバー11に対するガイドリング9、10の揺動角度がどうであろうと作動する。このため、第1の弾性装置の弾性部材15、17は、カバー11とガイドリング9、10との間に隙間なしに周方向に配置される。換言すれば、トーショナルダンパ1の休止位置では、弾性部材15、17の各端部がカバー11の当接領域とガイドリング9、10の2個の当接領域とに同時に当接する。
有利には、第1の弾性装置が発生する剛性は3~12Nm/°である。さらに、第1の弾性装置の低トルクフィルタリングの品質を損なわないようにするために、第1の弾性装置の弾性部材15、17がトーショナルダンパの休止位置で予備圧縮される場合、この予備圧縮の値は小さい。そのため、有利には、第1の弾性装置は、5Nm未満の予備圧縮値で予備圧縮される。
さらに、図3に図示した条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16は、カバー11に対するガイドリング9、10の順方向の揺動の閾値角度αを起点としてのみ作動する。このため、トーショナルダンパ1の休止位置では、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16の2つの各端部が、ガイドリング9、10の順方向の2個の当接領域または逆方向の2個の当接領域に当接し、各弾性部材14、16に対して、カバー11の順方向の当接領域22と上記弾性部材14、16に向かい合った端部との間に周方向の隙間jが存在する。
図5に図示した変形実施形態では、条件付き作動式の第2の弾性装置は、カバー11に対するガイドリング9、10の順方向の揺動の閾値角度αを起点として、かつ、カバー11に対するガイドリング9、10の逆方向の揺動の閾値角度βを起点としてのみ作動する。したがって、トーショナルダンパ1の休止位置では、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16の2個の各端部は、ガイドリング9、10の順方向の2個の当接領域または逆方向の2個の当接領域に当接する。さらに、上記休止位置では、各弾性部材14、16に対して、カバー11の順方向の当接領域22と上記弾性部材14、16に向かい合った端部との間に周方向の隙間jが、また、カバー11の逆方向の当接領域23と上記弾性部材14、16に向かい合った端部との間に周方向の隙間kが存在する。
有利には、条件付き作動式の第2の弾性装置が発生する剛性が6~25Nm/°である。
さらに、弾性部材14、16とカバーの順方向の当接領域22との間の周方向の隙間jは、第1の弾性装置の剛性に応じて決定され、条件付き作動式の第2の弾性装置が介在する順方向のトルク閾値が10~60Nmの範囲にあるようにされる。
また、弾性部材14、16とカバーの逆方向の当接領域23との間の周方向の隙間kは、第1の弾性装置の剛性に応じて決定され、条件付き作動式の第2の弾性装置が介在する逆方向のトルク閾値が5~30Nmの範囲にあるようにされる。
有利には、1つの実施形態によれば、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16が、ガイドリング9、10の開口部18、19の内部で周方向に予備圧縮される。
図1を再び参照すると、弾性のダンパシステムが、いくつかの動作段階で弾性部材14、15、16、17内に蓄積されたエネルギーの一部を摩擦によって発散することをめざした条件付き作動式摩擦装置を同様に含んでいることがわかる。
条件付き作動式の摩擦装置は、作動リング24と、この作動リング24とガイドリングの一方9とにそれぞれ回転結合される第1および第2の摩擦リング25、26とを含んでいる。
このため、作動リング24は、第1の摩擦リング25に設けられたノッチ28に収容される軸方向フィンガ27を含み、作動リング24と第1の摩擦リング25とを回転結合するようにされている。さらに、第2の摩擦リング26は、ガイドリング9に設けられたノッチ30に収容される軸方向フィンガ29を含み、双方を回転結合するようにされている。
作動リング24は、さらに、2個の作動脚部31すなわち、条件付き作動式の第2の弾性装置の各弾性部材14、16に対する1つの作動脚部を含む。図3から図5に図示したように、作動脚部31の各々は、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16の端部の一方と、カバー11に向かい合った逆方向の当接領域23との間に挿入される。
したがって、作動リング24は、カバー11に対するガイドリング9、10の逆方向(矢印f2)への相対的な運動時に、特に、ガイドリングへのカバー11の抵抗トルクの伝達のために各弾性部材14、16が一方の作動脚部31を介して個々の逆方向の当接領域23により圧縮されるときのみ、条件付き作動式の摩擦装置が作動されるように、ガイドリング9、10に対して移動する。
1つの変形実施形態によれば、作動リング24の軸方向フィンガ27は、第1の摩擦リング25のノッチ28に周方向の隙間を伴って収容され、第1の摩擦リング25に対する作動リング24の揺動閾値角度を起点としてのみ、第1の摩擦リング25がガイドリング9、10に対して回転駆動され、かつ条件付き作動式の摩擦装置が作動されるようになっている。上記揺動閾値角度はたとえば約3°である。これにより、図3の変形実施形態では、カバー11からガイドリング9、10に伝達される抵抗トルクが閾値を超えたときのみ、条件付き作動式の摩擦装置を作動することができる。
さらに、図5に示した変形実施形態では、各作動脚部31と、個々の逆方向の当接領域23との間に、上記周方向の隙間kと同じ周方向の隙間が存在し、条件付き作動式の第2の弾性装置が作動するときのみ、すなわち逆方向のトルク閾値より大きい抵抗トルクが伝達されるときのみ、条件付き作動式の摩擦装置が逆方向に作動するようにされている。
作動リング24は、カバー11の回転が作動リング24を摩擦により回転駆動しないようにカバー11に対して軸方向の隙間を伴って取り付けられる。
条件付き作動式の摩擦装置は、さらに、たとえばリベットを用いてガイドリング9に固定される支持リング32と、弾性リング33とを含む。第1および第2の摩擦リング25、26ならびに弾性リング33は、ガイドリング9と支持リング32との間にサンドイッチ状に挟まれる。図示された実施形態では、弾性リング33が、一方ではガイドリング9に当接し、他方では第2の摩擦リング26に当接して、第2の摩擦リング26を第1の摩擦リング25に当接させ、この第1の摩擦リングを支持リング32に当接させるようにしている。したがって、第1の摩擦リング25が作動リング24によりガイドリング2に対して回転駆動されると、一方では、第1の摩擦リング25と第2の摩擦リング26との間に、他方では第1の摩擦リング25と支持リング32との間に摩擦が及ぼされる。
弾性リング33は、一般に、皿ばね状のリングである。第1および第2の摩擦リング25、26は、たとえば任意で繊維強化したプラスチック材料から形成される。
次に、トーショナルダンパ1の動作について説明する。
駆動トルク、すなわちガイドリング9、10からカバー11に向かって伝達されるトルクによりトーショナルダンパ1が付勢されると、ガイドリング9、10はカバー11に対し、図2から図5に矢印f1で示した順方向の回転方向に角度φの回転を行う。この角度φが揺動閾値角度α未満である限り、第1の弾性装置の弾性部材15、17だけが作動する。
角度φが揺動閾値角度α以上になると、条件付き作動式の第2の弾性装置が作動する。実際、周方向の隙間jが補正されると、カバー11は、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16に当接し、それらを圧縮して、これらの弾性部材が第1の弾性装置の弾性部材15、17と並行して作用するようにする。条件付き作動式の摩擦装置は、駆動トルクがトーショナルダンパ1を通るときは使用されない。
抵抗トルクすなわち、カバー11からガイドリング9、10に向けて伝達されるトルクによりトーショナルダンパ1が付勢されると、ガイドリング9、10は、カバー11に対して図2から図5に矢印f2で示した逆の回転方向に角度φの回転を行う。
図3の変形実施形態では、抵抗トルクがトーショナルダンパ1を通ると、第1の弾性装置ならびに条件付き作動式の第2の弾性装置が作動される。さらに、条件付き作動式の摩擦装置も同様に作動され、第1の摩擦リング25が、作動リング24の軸方向フィンガ27を介してガイドリング9、10に対して回転駆動される。したがって、第1の摩擦リング25は、一方では第2の摩擦リング26を、他方では支持リング32を摩擦する。そのため、条件付き作動式の摩擦装置は、抵抗トルクがトーショナルダンパ1を通るとき、第1の弾性装置と条件付き作動式の第2の弾性装置との弾性部材14、15、16、17内に蓄積されたエネルギーを摩擦により発散することができる。
図5に示した変形実施形態では、条件付き作動式の第2の弾性装置と条件付き作動式の摩擦装置とは、周方向の隙間kが補正され、角度φが揺動閾値角度β以上になるときのみ作動する。
図8は、本発明を代表しないトーショナルダンパに対し、上記トーショナルダンパの出力要素に対する入力要素の軸Xを中心とする相対的な揺動に応じて、トーショナルダンパを通るトルクCを示すグラフである。このトーショナルダンパは、条件付き作動式の第2の弾性装置を含んでいないこと、および、出力要素から入力要素に向かって抵抗トルクが伝達されるときに作動される条件付き作動式の摩擦装置が、カバーの逆方向の当接領域と第1の弾性装置の弾性部材との間に挿入される作動脚部を含まないことにおいて、上記トーショナルダンパとは異なっている。
逆方向への相対的な揺動の場合(左下枠部)、条件付き作動式の摩擦装置が作動され、グラフは、逆方向の相対的な揺動角度が上昇するか下降するかに応じて同じ経路を通らない。2つの異なる経路があるという事実は、往路時(休止角度位置から行程終了位置に向けて)および復路時(行程終了位置から休止角度位置に向けて)のエネルギー発散を示しており、このようなエネルギー発散は、条件付き作動式の摩擦装置によって引き起こされる。
このグラフは、特に、順方向への揺動閾値角度αを起点としてのみ作動される弾性部材に条件付き作動式の摩擦装置が結合されないという本発明の特徴を有さないトーショナルダンパの低トルク領域での不都合を示すことができる。
実際、このようなトーショナルダンパ1では、摩擦システムは、トーショナルダンパ1をその休止位置に戻そうとして弾性部材によって発生する戻しトルクより大きい摩擦抵抗トルクを発生する。この場合、休止位置への復路では、弾性部材が、作動リングの作動脚部とガイドリングの当接領域(図8、領域A)との間で圧縮された状態にとどまる。
その後、駆動トルクがトーショナルダンパ1を通ると、摩擦装置によって発生する摩擦トルクを駆動トルクが上回るまで弾性部材がカバー11と作動リング24の作動脚部との間で圧縮される。そのため、順方向の0Nm付近の低トルクに対するフィルタリングを損なうピークが観察される(図8、領域B)。そこで、このようなトーショナルダンパは、伝達されたトルクが0か、または弱いとき、たとえば自動車のギヤボックスがニュートラル位置にあるとき、十分な振動フィルタリングを保証することができない。
図7は、カバー11に対するガイドリング9、10の相対的な揺動に応じて、図5の変形実施形態によるトーショナルダンパ1を介して伝達されるトルクCを示すグラフである。このような実施形態では、同様に、条件付き作動式の摩擦システムは、トーショナルダンパ1を休止位置に戻そうとして条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材4、16によって発生する戻しトルクより大きい摩擦抵抗トルクを発生可能である。そのため、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16は、同様に、カバー11と作動リング24の作動脚部31との間で圧縮された状態にとどまることが可能である。しかし、図4と関連して説明したトーショナルダンパ1では、順方向の角度揺動閾値未満の駆動トルクがトーショナルダンパ1を通過するとき、第1の弾性装置だけが作動される。そのため、圧縮された状態における条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16のロックが、この低トルク領域での振動のフィルタリングに影響しない。
次いで、相対的な揺動が順方向への揺動閾値角度αに達すると、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16は、伝達される駆動トルクが、条件付き作動式の摩擦装置によって発生する摩擦トルクを上回ることができるまで、カバー11と作動リング24の作動脚部31の間で圧縮され続ける。そのため、同様にピークが観察される(図、領域P)。しかし、この場合、ピークは、より大きな駆動トルク値側に移っているので、自動車のギヤボックスがニュートラル位置にあるとき、このピークが振動のフィルタリングを損なわない。
図6は、カバー11に対するガイドリング9、10の相対的な揺動に応じて、図5の別の変形実施形態によるトーショナルダンパ1を介して伝達されるトルクCを示している。この変形実施形態によれば、条件付き作動式の第2の弾性装置の弾性部材14、16は、ガイドリング9、10の開口部18、19の内部で周方向に予備圧縮され、弾性部材14、16の予備圧縮値の和は、条件付き作動式の摩擦装置によって発生可能な摩擦トルクより大きい。そのため、第2の弾性装置は常に、条件付き作動式の摩擦装置によって発生する摩擦トルクより大きい戻しトルクを及ぼす。したがって、図6のグラフではピークが一切観察されない。
複数の特定の実施形態と関連して発明を説明してきたが、本発明は少しもそれに制限されず、記載された手段のあらゆる技術的同等物ならびに、発明の範囲に入るならば、それらの組み合わせを含むことは言うまでもない。
「含む(comporter)」、「備える(comprendre)」または「含有する(inclure)」という動詞およびそれらの活用形の使用は、請求の範囲に表明されたもの以外の要素または工程の存在を除外しない。
各請求項において、カッコ内のあらゆる参照符号は、請求の範囲を制限するものとしてこれを解釈してはならない。

Claims (10)

  1. 自動車用のトランスミッション機構の上流部分と下流部分との間に配置するためのトーショナルダンパ(1)であって、前記トーショナルダンパ(1)が、
    -軸Xを中心として相対的に回転移動する第1の要素(11)および第2の要素(9、10)であって、前記第1および第2の要素の一方(9、10;11)が、トランスミッション機構の上流部分に結合されるための入力要素であり、前記第1および第2の要素の他方(11;9、10)が、トランスミッション機構の下流部分に結合されるための出力要素である、第1および第2の要素と、
    -非周期性を緩和して、前記第1の要素(11)および第2の要素(9、10)の間でトルクを伝達するように構成された弾性ダンパシステムとを含み、前記弾性ダンパシステムは、
    -一方では、前記第1の要素(11)の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間、他方では、前記第2の要素(9、10)の順方向の第1の当接領域と逆方向の第1の当接領域との間に配置された、少なくとも1つの第1の弾性部材(15、17)を含み、駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるとき、前記第1および第2の要素の前記順方向の第1の当接領域の間で、また、抵抗トルクが出力要素から入力要素に向けて伝達されるとき、前記第1および第2の要素の逆方向の第1の当接領域の間で、前記第1の弾性部材(15、17)が圧縮されるようにした、第1の弾性装置と、
    -一方では、前記第1の要素(11)の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間、他方では、前記第2の要素(9、10)の順方向の第2の当接領域(22)と逆方向の第2の当接領域(23)との間に配置された、少なくとも1つの第2の弾性部材(14、16)を含み、前記第2の弾性部材(14、16)が、前記トーショナルダンパ(1)の休止位置で、前記第1の要素(11)の順方向の第2の当接領域(22)の周方向の隙間jにより分離され、それによって、順方向のトルク閾値以上の駆動トルクが入力要素から出力要素に向けて伝達されるときだけ、前記第1および第2の要素の順方向の第2の当接領域の間で前記第2の弾性部材(14、16)が圧縮されるようにした、条件付き作動式の第2の弾性装置と、
    -前記第2の要素(9、10)を直接または間接的に摩擦するように構成され、かつ前記第1の要素(11)の逆方向の第2の当接領域(23)と前記第2の弾性部材(14、16)との間に配置された少なくとも1つの作動部材(31)に回転結合された、第1の摩擦リング(25)を含む条件付き作動式の摩擦装置であって、抵抗トルクの伝達のために、前記第1の要素(11)の前記逆方向の第2の当接領域(23)が、前記作動部材(31)を介して前記第2の要素(9、10)の逆方向の第2の当接領域に対して前記第2の弾性部材(14、16)を圧縮するとき、前記条件付き作動式の摩擦装置が前記第1および第2の要素の間で摩擦トルクを及ぼすようにされている、条件付き作動式の摩擦装置と、
    を含み、
    前記条件付き作動式の摩擦装置は、前記作動部材(31)を支持する作動リング(24)を含み、この作動リングが、周方向の隙間を伴って、または隙間なしに、前記第1の摩擦リング(25)と回転結合される、トーショナルダンパ。
  2. 前記少なくとも1つの第2の弾性部材(14、16)が、前記トーショナルダンパ(1)の休止位置で、前記第2の要素(9、10)の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間で予備圧縮されている、請求項1に記載のトーショナルダンパ(1)。
  3. 前記少なくとも1つの第2の弾性部材(14、16)が、休止位置で、前記第2の要素(9、10)の順方向の第2の当接領域と逆方向の第2の当接領域との間で、予備圧縮値で予備圧縮され、前記条件付き作動式の第2の弾性装置は、抵抗トルクの伝達のために、前記第1の要素(11)の逆方向の第2の当接領域(23)が、前記作動部材(31)を介して前記第2の要素(9、10)の逆方向の第2の当接領域に対して前記第2の弾性部材(14、16)を圧縮するとき、前記条件付き作動式の摩擦装置によって発生する摩擦トルクより大きい戻しトルクを及ぼすようにされている、請求項2に記載のトーショナルダンパ(1)。
  4. 前記トーショナルダンパ(1)の休止位置で、前記第1の弾性装置が予備圧縮されていないか、あるいは、5Nm未満の予備圧縮値で予備圧縮されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)。
  5. 前記第1の弾性装置の剛性と、前記第2の弾性部材(14、16)と前記第1の要素(11)の順方向の第2の当接領域(22)との間の周方向の隙間jとは、前記順方向のトルク閾値が10~60Nmの範囲にあるようにされる、請求項1から4のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)。
  6. 前記第2の弾性部材(14、16)が、前記トーショナルダンパ(1)の休止位置で、前記第2の要素(9、10)の逆方向の第2の当接領域(23)の周方向の隙間kにより分離され、前記第2の弾性部材(14、16)は、逆方向のトルク閾値以上の抵抗トルクが出力要素から入力要素に向けて伝達されるときだけ、前記第1および第2の要素の逆方向の第2の当接領域の間で圧縮されるようになっている、請求項1から5のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)。
  7. 前記第1の弾性部材(15、17)の剛性と、前記第2の弾性部材(14、16)と前記第2の要素(9、10)の逆方向の第2の当接領域との間の周方向の隙間kとは、前記逆方向のトルク閾値が5~30Nmの範囲にあるようにされる、請求項6に記載のトーショナルダンパ(1)。
  8. 前記第1および第2の要素の一方がカバー(11)を含み、前記第1および第2の要素の他方が、前記カバー(11)の両側にそれぞれ配置される2個のガイドリング(9、10)を含んでいる、請求項1から7のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)。
  9. 前記条件付き作動式の摩擦装置が、もっぱら抵抗トルクの伝達時に作動されるように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)。
  10. 熱機関を備えた上流部分と、発電機を備えた下流部分と、請求項1からのいずれか一項に記載のトーショナルダンパ(1)とを含み、前記トーショナルダンパ(1)の入力要素が上流部分に結合され、前記トーショナルダンパ(1)の出力要素が下流部分に結合される、自動車のトランスミッション機構。
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