JP7403941B2 - ブラジャー用パッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラジャー用パッドの製造方法に関する。
ポリウレタンフォームは、ソフト感及び形状保持性があるため、ブラジャー用パッドに使用されている。
特許文献1には、ブラジャー用パッドとして、ストレッチ性、弾力性及び表面硬さが改善されたポリウレタンフォームを、熱プレス成形によりパッド形状に賦形したものが記載されている。
特開2016-47909号公報
ブラジャー用パッドには、バストのボリュームアップやフィット感などが求められている。
しかし、特許文献1に記載されているブラジャー用パッドは、バストを下から支えてリフトアップする機能に乏しく、バストのボリュームアップ作用やフィット感が充分ではなかった。さらに、熱プレス成形されたブラジャー用パッドは、熱プレスによってポリウレタンフォームのセルが潰されるため、使用時や洗濯時にセルが潰された状態で繰り返し引っ張られたり、曲げられたりすることにより、皺が発生し易い問題もある。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、バストのボリュームアップ作用やフィット感が良好であり、使用時や洗濯時に皺の発生し難いブラジャー用パッドの製造法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、金型の下型の型面にポリウレタンフォーム原料を吐出し、前記金型の下型と上型間で発泡させるブラジャー用パッドの製造方法であって、前記下型の型面は、前記ブラジャー用パッドの一部を成形する一部成形型面と、前記ブラジャー用パッドの前記一部と曲線もしくは直線の双方あるいはいずれか一方により境界線を形成して残部を成形する残部成形型面とに分けられ、前記一部成形型面と前記残部成形型面との境界には、前記境界に沿って突起が該突起の上端と前記上型の型面との間に隙間を残すように設けられ、前記ポリウレタンフォーム原料は、硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料からなり、前記硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料のうち、硬度の高いポリウレタンフォーム原料を前記一部成形型面に吐出する一方、硬度の低いポリウレタンフォーム原料を前記残部成形型面に吐出し、前記金型の下型と上型間での発泡時に、前記下部側成形型面で発泡した硬度の高いポリウレタンフォームと前記上部側成形型面で発泡した硬度の低いポリウレタンフォームを、前記突起の上端と前記上型の型面との間の隙間で一体に結合することを特徴とする。
なお、前記境界線は、ブラジャー用パッドの上下左右任意の位置に引くことができる。複数の境界線を引くことも可能だが、一本の線で2つの領域に区分されるのが、成形するうえでも、量産する効率からも好ましい。
請求項2の発明は、前記請求項1において、前記突起の上端と前記上型の型面との間の間隔は3~10mmであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記突起の高さは1~2mmであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料は、前記硬度の高いポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを前記硬度の低いポリウレタフォーム原料のイソシアネートインデックスよりも高くすることでポリウレタンフォームの硬度を異ならせたことを特徴とする。
本発明によれば、残部部分よりも一部部分の硬度が高いブラジャー用パッドを得ることができる。本発明により製造されたブラジャー用パッドは、残部部分よりも一部部分の硬度が高いため、着用によりバストを下側から持ち上げて(リフトアップして)バストの形を補正し、バストのボリュームアップを図ることができると共に、フィット感も良好である。なお、リフトアップするための高硬度となる一部部分は、下側から持ち上げる場合に限定されず、ストラップに繋がる腋寄り上部付近を高硬度とすることでもリフトアップが可能である。この腋寄り上部付近を高硬度とすることで、胸部を中央へ寄せ、上方へ吊り上げる補整機能をブラジャーに付与できる。さらに、金型にポリウレタンフォーム原料を吐出して発泡させるモールド成形でブラジャー用パッドを製造するため、製造されたブラジャー用パッドは、熱プレス成形とは異なり、ポリウレタンフォームのセルが潰されていないことから、使用時や洗濯時に皺が発生し難くなる。
ブラジャー用パッドの一実施形態の平面図である。 図1の2-2断面図である。 金型の一実施形態における下型の平面図である。 図3の4-4位置における金型の断面図及びA部の拡大図である。 ポリウレタンフォーム原料の吐出時を示す金型の断面図である。 ポリウレタンフォーム原料の発泡時を示す金型の断面図である。 実施例の配合及び硬度の測定結果を示す表である。
図1及び図2に示すブラジャー用パッド10は、本発明の製造方法によって得られたものである。図示のブラジャー用パッド10は、バストの片側を覆うものであるが、本発明の製造方法は、左右のパッドが一連になったものを製造する場合も含まれる。
ブラジャー用パッド10は、ポリウレタンフォームからなり、バストの片側を覆うことができる椀状からなる。ブラジャー用パッド10は、バストの乳首よりも下側と当接する一部(以下、下部側ともいう)部分11と、下部側部分11よりも上部の残部(以下、上部側ともいう)部分13とで構成されている。ブラジャー用パッド10の外側面(身体に接する側とは反対側の面)には、下部側部分11と上部側部分13との境界位置に該境界に沿って溝15が沿って形成されている。
あるいは、バストの乳輪を覆う円弧状に一つの境界線を引き、パッド両側には図2、符号16にしめす曲線を繋いで下部側部分11と上部側部分13を形成することもできる。
下部側部分11は、バストを下側から支えて持ち上げることができように、上部側部分13よりも硬度が高くされている。下部側部分11の硬度は、アスカーF型で70~80程度が好ましい。
上部側部分13は、バストの上部側をソフトに包み込んで保護できるように、下部側部分11よりも硬度が低くされている。上部側部分13の硬度は、アスカーF型で50~60程度が好ましい。
溝15は、後述するブラジャー用パッド10の製造に使用する金型30(図4に示す)における下型31の型面に設けられている突起41によって形成される部分である。溝15の底部16の位置でブラジャー用パッド10の厚みが薄くなりすぎると、溝15の底部16で強度が低下してブラジャー用パッド10が洗濯時に破断する可能性があるため、溝15の底部16におけるブラジャー用パッド10の厚みは、3~10mmが好ましい。溝15の形状は、下型30突起41の形状と対応し、図示のブラジャー用パッド10ではV字形の溝である。なお、下型31の突起41については、ブラジャー用パッド10の製造方法の欄で詳述する。
ブラジャー用パッド10の厚みは、バストのサイズ等によって異なるが、例として外周縁部17の厚みが1.5mm~3mm、外周縁部17で包囲される本体部18の中央の厚みが8mm~12mmの例を挙げる。本体部18の厚みは中央側で厚く、外周縁側で薄くされている。なお、本体部18は、前記下部側部分11と上部側部分13で構成される。
ブラジャー用パッド10の製造方法について説明する。ブラジャー用パッドの製造は、金型内でポリウレタンフォーム原料を発泡させるモールド成形で行われる。図3及び図4に示す金型30は、ブラジャー用パッド10の製造に用いられるものであり、下型31と上型51とよりなる。
下型31は、ブラジャー用パッド10の形状と対応した窪んだ型面33を有する。下型33の型面33は、ブラジャー用パッド10の下部側11を成形する下部側成形型面35と、前記ブラジャー用パッドの上部側13を成形する上部側成形型面37とに分けられ、前記下部側成形型面35と前記上部側成形型面37との境界には、前記境界に沿って突起41が設けられている。
突起41は、該突起41で形成されるブラジャー用パッド10の溝15の位置がバストの乳首よりも下側となる位置に設けられる。突起41は、下部側成形型面35に吐出されるポリウレタンフォーム原料と上部側成形型面37に吐出されるポリウレタンフォーム原料が、混ざることなく、それぞれ吐出された型面で発泡するように発泡方向を規制するものである。それぞれの型面に吐出されたポリウレタンフォーム原料は、反応の進行によって急速に粘度が増大して流動性が低下するため、突起41の高さtは、吐出直後のポリウレタンフォーム原料の流動を規制可能な高さで良く、0.5~2.0mm程度が好ましい。より詳しくは、パッド中央部の高さは、2.0mmであり、パッド縁部の高さは、0.5mmである。
突起41は、該突起41の上端と上型51の型面53との間に隙間43を残して設けられる。隙間43は、下部側成形型面35で発泡したポリウレタンフォームと上部側成形型面37で発泡したポリウレタンフォームを結合一体化させるために設けられている。ポリウレタンフォーム原料は、発泡硬化時に接着性を発揮するため、下部側成形型面35で発泡したポリウレタンフォームと上部側成形型面37で発泡したポリウレタンフォームとが、前記隙43の部分で接触して結合一体化する。突起41によってブラジャー用パッドの下部側部分11と上部側部分13との境界に溝15が形成される。
前記隙間43を構成する突起41の上端と上型51の型面53との間の間隔は、下部側成形型面35で発泡したポリウレタンフォームと上部側成形型面37で発泡したポリウレタンフォームとの結合一体化が可能で、かつブラジャー用パッド10の下部側部分11と上部側部分13との境界の溝15における強度確保のため、2~3mmが好ましい。
ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とイソシアネート成分とからなり、ポリウレタンフォーム用注入機で混合されてノズルから金型の下型に吐出される。
ポリオール成分は、ポリオール、触媒、発泡剤及び適宜の助剤からなる。
ポリオールは、ポリウレタンフォーム原料として通常に用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。特に、衣料とともに洗濯されることを考慮すると、ポリエーテルポリオールが好ましい。また、末端水酸基にエチレンオキサイド(EO)が付加重合されたEO付加ポリオールは、反応性が高く、金型の内部で好適に発泡することから、好ましいポリオールである。
EO付加ポリオール中のアルキレンオキサイド単位の全量を100質量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率(以下、EO率と記載する)は、高すぎても低すぎても、金型内で適切に発泡しないため、15~55%が好ましく、より好ましくは15~20%である。
ポリオールの官能基数は、2~4であることが好ましく、3であることが特に好ましい。ポリオールの平均分子量は、3500~10000であることが好ましく、より好ましくは5000~8000である。
また、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、EO率15~55%のポリオールの含有量を50質量部以上とすることにより、金型内で良好な発泡を行うことができ、EO率15~55%のポリオールの含有量を80質量部以上とすることで、柔軟性の高いブラジャー用パッドを成形することができる。
ポリオールとして、EO率15~55%のポリオールと共に、比較的分子量の低い活性水素化合物(以下、低分子量活性水素化合物と記載する)を用いてもよい。低分子量活性水素化合物は、官能基数が1から3の水酸基末端を有する化合物であり、重量平均分子量が2000以下、3官能の化合物にあっては、600~800が好ましい。
触媒は、ポリウレタンフォーム原料として通常に使用されるものであればよい。例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルホリン、N-エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種または2種以上を併用したものを、ポリウレタンフォーム原料として用いることが可能である。触媒の配合量は、ポリオールを100質量部とした場合に、1.2~3.5質量部が好ましい。
発泡剤は、水、ペンタン、シクロペンタン、メチレンクロライド、炭酸ガス等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。発泡剤として、水を用いた場合には、ポリオールを100質量部とした場合に、1~5質量部であることが好ましい。
助剤としては、整泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、希釈剤等が挙げられる。
整泡剤としては、例えば、シリコーン系化合物、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。整泡剤の配合量は、ポリオールを100質量部とした場合に、0.5~2.0質量部が好ましい。
イソシアネート成分としては、ポリイソシアネートが含まれる。ポリイソシアネートは、ポリウレタンフォーム原料として通常に用いられるものが使用される。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4‘-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種または2種以上を使用することができる。
金型30の下型31の型面35に吐出するポリウレタンフォーム原料は、下部側成形型面35に吐出する硬度の高いポリウレタンフォーム原料と、上部側成形型面37に吐出する硬度の低いポリウレタンフォーム原料との硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料からなる。硬度の高いポリウレタンフォーム原料は、アスカーF型で70~80程度の硬度を有するポリウレタンフォームが得られるものであり、一方、硬度の低いポリウレタンフォーム原料は、アスカーF型で50~60程度の硬度を有するポリウレタンフォームが得られるものである。
硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料は、イソシアネートインデックスを異ならせたり、ポリオールの種類を異ならせたり、特には、ポリマーポリオールを使用し、このポリマーポリオールの添加量を異ならせたりすることなどにより硬度を異ならせることができる。
特に、イソシアネートインデックスを異ならせることによりポリウレタンフォーム原料の硬度を異ならせる方法は、ポリオール成分の配合及び使用するポリイソシアネートを変更することなく、ポリオール成分とイソシアネート成分の混合割合を異ならせるだけでよいため、ポリウレタンフォーム原料の調達や作業などの点で好ましい方法である。
イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基や発泡剤としての水などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[ポリイソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。イソシアネートインデックスを高くするとポリウレタンフォームの硬度が高くなり、一方、イソシアネートインデックスを低くするとポリウレタンフォームの硬度を低くできる。
イソシアネートインデックスの好ましい範囲は80~105であり、下部側成形型面35に吐出する硬度の高いポリウレタンフォーム原料と上部側成形型面37に吐出する硬度の低いポリウレタンフォーム原料とのイソシアネートインデックスの差は、10~35が好ましい。
図5に示すように、下型31の型面33の下部側成形型面35に硬度の高いポリウレタンフォーム原料P1を注入すると共に、上部側成形型面37には硬度の低いポリウレタンフォーム原料P2を注入する。符号61、62は注入機のノズルである。下部側成形型面35と上部側成形型面37へのポリウレタンフォーム原料の吐出は、何れの成形型面を先にしてもよく、あるいは同時に行ってもよい。
イソシアネートインデックスを異ならせることによりポリウレタンフォーム原料の硬度を異ならせる場合、一つの注入機及びノズルを使用し、下型31の型面33における一方の成形型面にポリウレタンフォーム原料を吐出した後、ポリオール成分に対するポリイソシアネートの量を変えて他方の成形型面にポリウレタンフォーム原料を吐出するようにしてもよい。また、イソシアネートインデックスあるいは配合が異なる二種類のポリウレタンフォーム原料を、それぞれ別の注入機に収容し、それぞれの注入機のノズルから下型の対応する成形型面に吐出するようにしてもよい。
硬度の高いポリウレタンフォーム原料P1と硬度の低いポリウレタンフォーム原料P2を下型31の型面33の対応する成形型面に吐出した後、金型30を閉じる。閉型により、下型31の型面33の下部側成形型面35と上部側成形型面37の境界に設けられている突起41の上端と上型51の型面53との間に前記隙間43が形成される。
下部側成形型面35に吐出された硬度の高いポリウレタンフォーム原料P1と、上部側成形型面37に吐出された硬度の低いポリウレタンフォーム原料P2は、図6の(6-A)に示すように、下部側成形型面35と上部側成形型面37との境界に設けられている突起41により、下部側成形型面35と上部側成形型面37との間の流動が妨げられ、突起41の両側のそれぞれの成形型面で上方へ発泡する。
その後、図6の(6-B)及び(6-C)に示すように、下部側成形型面35で発泡した硬度の高いポリウレタンフォーム11Aと、上部側成形型面37で発泡した硬度の低いポリウレタンフォーム13Aが、突起41の上端と上型51の型面53間の隙間43で接触し、それぞれのポリウレタンフォームの接着性によって結合一体化し、ブラジャー用パッドが形成される。その後、金型30を開けて図1及び図2に示したブラジャー用パッド10が取り出される。
前記の説明では、金型を開けた状態でポリウレタンフォーム原料を金型内に吐出し、その後に金型を閉じて発泡させるオープンモールド法を示したが、本発明の製造方法は、金型の上型に注入口を設け、金型を閉じた状態で上型の注入口からポリウレタンフォーム原料を金型内に注入して発泡させるクローズドモールド法でもよい。
以下の成分を図7に示す配合としてイソシアネートインデックスを異ならせた高硬度ポリウレタンフォーム原料及び低高度ポリウレタンフォ-ム原料と、図3及び図4に示した金型とほぼ同様の金型を用い、高硬度ポリウレタンフォーム原料を下型の下部側成形型面に吐出する一方、低硬度ポリウレタンフォーム原料を下型の上部側成形型面に吐出し、閉型して発泡させることにより、実施例1~3のブラジャー用パッドを作製した。
<ポリオール成分>
・ポリオール;ポリエーテルポリオール、平均分子量:7000、官能基数:3、水酸基価:24、EO率:17%
・触媒;トリメチレンジアミン、商品名:33LV、エアプロジャパン製
・整泡剤;商品名:SZ1346E、東レ・ダウ製
・発泡剤;水
<イソシアネート成分>
・ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、NCO含有%:29.9%
金型は、下型の下部側成形型面と上型の型面間の容積が100~200ml、下型の上部側成形型面と上型の型面間の容積が100~200mlである。突起の高さは0.5~2.0mm、突起の上端と上型の型面間の間隔(隙間)は3~10mm、突起の基部の幅(厚み)は2~3mm、突起の断面形状はV字状である。下型の型面と上型の型面間の間隔は、中央の最大部で5~12mm、周縁部で1.5~3.0mmである。
金型の温度は67~73℃とし、注入機は2成分系高圧注入機(ポリウレタンエンジニアリング社製)を用い、下型の下部側成形型面に高硬度ポリウレタンフォーム原料を20ml吐出し、下型の上部側成形型面に低硬度ポリウレタンフォーム原料を20ml吐出し、金型を閉じて発泡させ、7分後に脱型した。なお、この金型は、下型の下部側成形型面と上型の型面間の容積が150ml、下型の上部側成形型面と上型の型面間の容積が150mlである。突起の平均高さは12.5mm、突起の上端と上型の型面間の間隔(隙間)は、平均7mm、突起の基部の幅(厚み)は2.5mm、突起の断面形状はV字状である。下型の型面と上型の型面間の間隔は、中央の最大部で9mm、周縁部で2.0mmである。
各実施例のブラジャー用パッドについて、内面側(身体と接触する側)の下部側部分と上部側部分の表面硬度(アスカーF型、高分子計器株式会社製)を用いて測定した。測定結果は図7に示す。
実施例1は、下部側成形型面に吐出する高硬度ポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを98とする一方、上部側成形型面に吐出する低高度ポリレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを85とした例である。実施例1のブラジャー用パッドの硬度(アスカーF型)は、高硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された下部側部分が70、低硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された上部側部分が50であり、下部側部分が上部側部分よりも硬度が高くなっている。なお、ポリオール成分とは、ポリオール、整泡剤、触媒、発泡剤が混合された配合混合液をいう。
実施例2は、下部側成形型面に吐出した高硬度ポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを100とする一方、上部側成形型面に吐出する低高度ポリレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを87とした例である。実施例2のブラジャー用パッドの硬度(アスカーF型)は、高硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された下部側部分が75、低硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された上部側部分が55であり、下部側部分が上部側部分よりも硬度が高くなっている。
実施例3は、下部側成形型面に吐出した高硬度ポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを105とする一方、上部側成形型面に吐出する低高度ポリレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを90とした例である。実施例3のブラジャー用パッドの硬度(アスカーF型)は、高硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された下部側部分が82、低硬度ポリウレタンフォーム原料から形成された上部側部分が62であり、下部側部分が上部側部分よりも硬度が高くなっている。
このように、本発明は、残部部分よりも一部部分の硬度が高い(例えば上部側部分よりも下部側部分の硬度が高い)ブラジャー用パッドを製造することができ、製造されたブラジャー用パッドは、着用によりバストを下側から持ち上げてバストの形を補正し、バストのボリュームアップを図ることができると共に、フィット感も良好である。さらに、本発明は、金型にポリウレタンフォーム原料を吐出して発泡させるモールド成形でブラジャー用パッドを製造するため、製造されたブラジャー用パッドは、熱プレス成形とは異なり、ポリウレタンフォームのセルが潰されていないことから、使用時や洗濯時に皺を発生し難くできる。
10:ブラジャー用パッド
11:下部側部分
11A:硬度の高いポリウレタンフォーム
13:上部側部分
13A:硬度の低いポリウレタンフォーム
15;溝部分
16:溝の底部
17:外周縁部
18:本体部
30:金型
31:下型
33:下型の型面
35:下部側成形型面
37:上部側成形型面
41:突起
43:隙間
51:上型
53:上型の型面
61,62:注入機のノズル
P1:硬度の高いポリウレタンフォーム原料
P2:硬度の低いポリウレタンフォーム原料

Claims (4)

  1. 金型の下型の型面にポリウレタンフォーム原料を吐出し、前記金型の下型と上型間で発泡させるブラジャー用パッドの製造方法であって、
    前記下型の型面は、前記ブラジャー用パッドの一部を成形する一部成形型面と、前記ブラジャー用パッドの前記一部と曲線もしくは直線の双方あるいはいずれか一方により境界線を形成して残部を成形する残部成形型面とに分けられ、前記一部成形型面と前記残部成形型面との境界には、前記境界に沿って突起が該突起の上端と前記上型の型面との間に隙間を残すように設けられ、
    前記ポリウレタンフォーム原料は、硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料からなり、
    前記硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料のうち、硬度の高いポリウレタンフォーム原料を前記一部成形型面に吐出する一方、硬度の低いポリウレタンフォーム原料を前記残部成形型面に吐出し、
    前記金型の下型と上型間での発泡時に、前記一部成形型面で発泡した硬度の高いポリウレタンフォームと前記残部成形型面で発泡した硬度の低いポリウレタンフォームを、前記突起の上端と前記上型の型面との間の隙間で一体に結合することを特徴とするブラジャー用パッドの製造方法。
  2. 前記突起の上端と前記上型の型面との間の間隔は3~10mmであることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー用パッドの製造方法。
  3. 前記硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料は、前記硬度の高いポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスを前記硬度の低いポリウレタフォーム原料のイソシアネートインデックスよりも高くすることでポリウレタンフォームの硬度を異ならせたことを特徴とする請求項1または2に記載のブラジャー用パッドの製造方法。
  4. 前記硬度の異なる二種類のポリウレタンフォーム原料は、ポリオールに、末端水酸基にエチレンオキサイド(EO)が付加重合されたEO付加ポリオールを含み、
    前記EO付加ポリオールは、アルキレンオキサイド単位の全量を100質量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率(EO率)が15~20%であり、
    前記ポリオールの全量100質量部に対して前記EO率15~20%のポリオールの含有量が80質量部以上であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のブラジャー用パッドの製造方法。
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