JP7401155B2 - 手術支援装置 - Google Patents
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Description
ところで、術者の手の可動範囲には限りがあり、場合によっては手術具を意図した通りに動かせない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、手術を適切に行うことが可能な手術支援装置を提供することを目的とする。
これにより、マスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携を解除することが可能となる。特に、所定の方向の並進動作或いは所定の軸の軸周り方向の回動動作のみを対象として連携を解除することが可能に構成されることにより、術者の多様な要望に合致する操作態様を提供することができる。
以下、実施の形態の手術支援システムSについて添付図を参照して説明する。
なお、参照する図面に記載された各構成は、本発明を実現するための一例を示したものにすぎない。従って、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて様々な変更が可能である。また一度説明した構成については重複を避けるため、以降、同一符号を付して再度の説明を省略することがある。
なお、マスタ側装置1の説明においては、マスタ側装置1から見た術者の方向を前方として前後左右を示す。即ち、術者はマスタ側装置1の前方に位置する。
なお、両装置が連携されている状態とは、マスタ側装置1の操作ユニット4に対する操作に応じてスレイブ側装置2が備える鉗子などの各部が駆動される状態とされる。また、両装置が連携されていない状態とは、マスタ側装置1の操作ユニット4に対する操作を行ったとしても、スレイブ側装置2が備える鉗子などの各部が駆動されることはなく各部の位置や姿勢等が維持される状態とされる。
ベースアームフロント28はベースアームリア27に対して水平方向に延出可能とされることにより、ベースアームフロント28の先端に取り付けられているステージ21の位置を調整可能とされる。
シャフトの先端部が体腔301の内部に挿入された状態において、内視鏡ユニットのシャフトの先端部から照明光が照射され、撮像素子によって体腔301の内部の状態が撮影される。該撮影に基づく画像の取得は、例えば、図1に示す第2フットボタン6によって実行される。
また術者は、右用操作ユニット4Rに対する操作を行うことにより右用アーム22Rに取り付けられた手術具24Rの位置及び姿勢を遠隔操作可能とされる。また、術者は、左用操作ユニット4Lに対する操作を行うことにより左用アーム22Lに取り付けられた手術具24Lの位置及び姿勢を遠隔操作可能とされる。
また、その場合には、内視鏡24S以外の手術具24が右用操作ユニット4Rによって遠隔操作されてもよいし、左用操作ユニット4Lによって遠隔操作されてもよいし、右用操作ユニット4R及び左用操作ユニット4Lの双方を用いて遠隔操作されてもよい。
マスタ側装置1の操作ユニット4とスレイブ側装置2の手術具24の連携について添付図を参照して説明する。
先ず、マスタ側装置1の操作ユニット4の構成について説明する。
図3は右用操作ユニット4Rの斜視図であり、図4は左用操作ユニット4Lの斜視図である。
従って、手術具24の姿勢が基準姿勢に対して長手方向に延びる軸の軸周り方向に180deg回転した姿勢とされている場合、即ち上下が逆さまの姿勢とされている場合には、手術具24の上下の方向が逆となる。
ジョイント部53は、取付土台部52に取り付けられる端部が端部53aとされ、リンク機構54に取り付けられる端部が端部53bとされる。
また、支持部55を上下方向や左右方向に移動させた場合についても、リンク機構54の変形がなされると共に、それぞれのジョイント部53の端部53bが回動され、ジョイント部53とリンク機構54の成す角度が変化する。
また、左手の親指と人差し指の指先同士を近づけるように動かすことで取付端部69に対して開閉部73の先端部が近づくように操作される(閉操作Cl)。そして、左手の親指と人差し指の指先同士を遠ざけるように動かすことで取付端部69に対して開閉部73の先端部が遠ざかるように操作される(開操作Op)。
具体的に、クラッチ操作子76が前方(取付端部69から離隔する方向、即ち、術者側)に引かれている状態においては、操作ユニット4に対する操作を行ってもスレイブ側装置2の各部が動作しないようにされる。
このようにして、先端片83の回動動作Pa’及び開閉動作OC’が実現される。
内視鏡24Sは、例えば全体として軸状に形成され、手術具保持装置23に保持される第1シャフト部80と、一端部が第1シャフト部80の先端部に接続された第2シャフト部81と、第2シャフト部81の他端部に接続される第3シャフト部84と、第3シャフト部84に保持されるカメラヘッド85とを有して構成されている。
しかし手術中には、内視鏡24Sの画角の変更が必要となる場面も存在する。その場合には、右用操作ユニット4Rまたは左用操作ユニット4Lの何れかに対する操作に応じて内視鏡24Sの位置及び姿勢を変化させてもよい。例えば、右用操作ユニット4Rと手術具24Rの連携を解除した後に右用操作ユニット4Rと内視鏡24Sの連携を開始させてもよい。
これにより、内視鏡24Sから適切な画角に基づく画像を得ることができ、手術をやりやすくすることができる。
このようにして、内視鏡24Sの姿勢変更が実現される。
手術を円滑に行うために手術支援システムSが備える機能構成について説明する。
先ず、マスタ側装置1の機能構成について図14を参照して説明する。本図は、手術支援システムSにおけるマスタ側装置1とスレイブ側装置2の機能ブロック図である。
なお、マスタ側駆動制御部FM3は、マスタ側制御部93が備える各種機能を実現するために他の機能や部によって制御され得る。即ち、マスタ側駆動制御部FM3は、他の機能や部から出力されたコマンドに基づいてマスタ側駆動部90を制御するための処理を実行可能とされている。
このような制御を行うために、力覚提示処理部FM4は、マスタ側駆動制御部FM3に対する指示を行う。
具体的に、マスタ側位置検出部FM5は、マスタ側センサ91からの出力信号に基づいてマスタ側駆動部90の位置及び姿勢等を検出して制御量変換部FM6へ出力する。
ニュートラルアシスト機能FM7は、マスタ側装置1が備える操作ユニット4のデルタ機構50を適切な位置に誘導するための機能である。
例えば、スレイブ側装置2の各可動部が、通電がきれた場合にブレーキがかかり位置及び姿勢が維持されるように構成された無励磁作動形ブレーキとしての電磁ブレーキ機構を備えていてもよい。この場合には、電磁ブレーキに対する通電を停止させることにより各可動部にブレーキが掛かり各可動部の位置及び姿勢が維持される。このように、制御量変換部FM6による動作量の算出に手を加えなくても実現可能である。
具体的には、ニュートラルアシスト機能FM7は、左右それぞれの把持機構59が各方向において可動域の略中央付近に位置するように、左右のデルタ機構50が備える各部を可動させる。
設定画面G1は二つのタブを備えた画面として構成されており、図15は「Setting1」と表示された第1設定タブTab1が選択された状態を示している。この画面を設定画面G1aとする。
リストアングルスケーリング機能FM8は、パン方向回動操作Paに対する回動動作Pa’の回動量や、ピッチ方向回動操作Piに対する回動動作Pi’の回動量や、ロール方向回動操作Roに対する回動動作Ro’の回動量を変更するための機能である。
また、比率選択欄Sel4の代わりにスライダ操作子を設けることにより、比率を略無段階に変更可能とされていてもよい。
また、マスタ側制御部93が一部のスケーリング機能を備えていなくてもよい。
ロールクラッチ機能FM9は、ロール方向回動操作Roを行った際にスレイブ側装置2の手術具24の先端部の回動動作Ro’を行うか否かを決定する機能である。
スレイブ側装置2は、スレイブ側駆動部100、スレイブ側センサ101、スレイブ側制御部102、スレイブ側通信部103とを備えている。
なお、内視鏡24Sが備えるイメージセンサ等もスレイブ側センサ101の一例である。
マスタ側装置1が備える上述した各種機能を実現するにあたってマスタ側制御部93としての演算処理部が実行する処理の流れの一例を示す。
ニュートラルアシスト機能FM7に係る処理として、マスタ側制御部93は図17に示す一連の処理を実行する。
一方、ニュートラルアシスト機能がOFFである場合、マスタ側制御部93はステップS104において、該機能をONに設定する。
即ち、マスタ側制御部93は、左右それぞれの把持機構59が各方向において可動域の略中央付近に位置するように、左右のデルタ機構50が備える各部を可動させる。
なお、ニュートラルアシスト機能の実行においては、上述したように、力覚提示処理部FM4による力覚提示を利用して行ってもよい。
一方、該連携を再開させる条件が成立していないと判定した場合、マスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携が中断された状態でステップS101の処理へと戻る。
リストアングルスケーリング機能FM8に係る処理として、マスタ側制御部93は図18に示す一連の処理を実行する。
ロールクラッチ機能FM9に係る処理として、マスタ側制御部93は図19に示す一連の処理を実行する。
例えば、鉗子としての手術具24が備える二つの先端片83の形状が異なる場合に、手術具24の先端部を好適な姿勢とするために回動動作Ro’を180deg行う必要があるケースが存在するが、このようなケースにおいてロールクラッチ機能は好適である。
手術支援システムSは、手術具24の先端部の並進移動を行う際の操作量と実際の移動量のスケーリングが可能とされていてもよい。例えば、図15に示す設定画面G1aにおいては、位置スケーリング選択欄Sel1が設けられている例を示した。
上述した手術支援システムSにおける手術支援装置は、スレイブ側装置2を遠隔操作するためのマスタ側装置1であって、所定の可動域を有しスレイブ側装置の可動部(アーム22の可動部や手術具保持装置23の可動部や手術具24の可動部、即ち、スレイブ側駆動部100)の操作に用いられる第1操作子(把持部71或いは把持機構59)と、第1操作子に対応して設けられた第2操作子(クラッチ操作子76)と、第1操作子に対する操作入力に応じて可動部の制御を行う制御部(マスタ側制御部93)と、を備え、制御部は、第2操作子に対する操作が行われた場合に第1操作子の位置を所定の可動域における所定位置(可動域の略中央)に移動させる処理を行うものである。
この処理は、上述したニュートラルアシスト機能FM7が実行する処理である。
これにより、第1操作子が所定の可動域における端付近に位置した場合に術者が操作しやすい位置、具体的には、可動域の略中央付近に第1操作子を移動させることができる。
従って、可動域の限界に達してしまい術者の意図した操作ができなくなってしまうことが防止され、手術を行いやすくすることができる。また、可動域に基づく操作ミスを減らすことができ安全性の観点からも好適である。
これにより、術者の手を優しく誘導することが可能となり、術者の手を痛めずに好適な操作位置に第1操作子を動かすことができる。
これにより、マスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携を解除した上で第1操作子を所定の位置に移動させる処理を実行することができ、安全性の面で好適である。
即ち、三つの軸の軸方向とは、手術具24の軸が延びる方向から手術具24の先端部を見た場合に、前後方向(手術具24の軸方向)、左右方向(手術具24が鉗子であれば、鉗子の先端片83が並ぶ方向、)及び上下方向(前後方向と左右方向の双方に直交する方向)とされる。そして、手術具24の先端部の姿勢が変わらないように並進移動されて各可動域の中心位置に移動される。
これにより、術者は好みに応じてニュートラルアシスト機能のONとOFFを切り換えることができる。従って、複数の術者がマスタ側装置1を利用する場合であっても、術者ごとに異なる設定をすることができ、利便性の向上を図ることができる。
これにより、ニュートラルアシスト機能を利用した場合に並進操作だけでなく回動操作においても好適な位置に自動的に調整されるため、最適な手の位置及び手の姿勢から手術を再開することができる。
これにより、術者は、把持部71を把持した状態で手術具24の先端部の並進移動及び回動動作を行いながら第2操作子についての操作も可能となり、操作容易性を向上させることができる。
両手のクラッチ操作子76の同時操作によってニュートラルアシスト機能が発動するように構成することで、誤動作を防止することができる。
これにより、両手のクラッチ操作子76の同時操作によってニュートラルアシスト機能が発動する場合に必然的に右用第1操作子と右用可動部の連携、及び左用第1操作子と左用可動部の連携が共に解除(中断)され、安全性の面でより好適である。
これにより、第1操作子を小さく動かすだけで対応する可動部を大きく可動させることなどが可能となる。
従って、術者は自信の手首の可動範囲内の動きで手術具24の先端部を意図した通りに動かすことができ、操作性の向上を図ることが可能となる。
また、上述したニュートラルアシスト機能を用いる回数を低減させることができ、円滑且つ迅速な手術を行うことが可能となる。
これにより、術者の手首の可動域以上に手術具24の先端部を回動させることができる。従って、種々の操作を行いやすくすることができる。
これにより、術者が手首をひねるようにして操作を行うことにより手術具24の先端部をロール方向に回動させる場合に、手首の可動域以上の動作を手術具24の先端部にさせることができる。
これにより、術者はパン方向及びピッチ方向についての操作量と可動量を選択することができる。従って、術者の好みに対応関係をカスタマイズすることができるため、マスタ側装置1を利用する術者が複数いる場合に好適である。
これにより、術者は第2モニタ8に表示された設定画面G1bに配置された比率選択欄Sel4に対する選択操作を行うことで、対応関係を変更することができる。従って、変更操作が容易となり、手術の妨げになってしまうことを抑制することができる。
これにより、術者の手首の可動域よりも大きく可動部を動かすことができる。従って、マスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携を解除せずに一回の操作で所望の操作を実現することができ、利便性の向上を図ることができる。
これにより、術者の手首を大きく動かしても可動部を小さく動かすことが可能となるため、より精密な操作に好適に対応することができる。従って、操作ミスを減らすことができ、手術の安全性を向上させることができる。
これにより、マスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携を解除することが可能となる。
特に、所定の方向の並進動作或いは所定の軸の軸周り方向の回動動作のみを対象として連携を解除することが可能に構成されることにより、術者の多様な要望に合致する操作態様を提供することができ、利便性の向上を図ることができる。
これにより、術者が手首をひねるようにして操作を行うことにより手術具24の先端部をロール方向に回動させる場合に、手首の可動域に阻まれて所望の操作ができない場合に、ロール方向における連携を解除することができ、手首を操作しやすい姿勢に戻すことが可能となる。これにより、ロール方向の回動動作を多く行いたい場合に適切な動作が可能な環境を提供することができる。
これにより、術者は、例えば、ロール方向についての回動操作に対してスレイブ側の可動部におけるロール方向の回動動作を行うか否かを選択することができる。従って、術者の好みに対応関係をカスタマイズすることができるため、マスタ側装置1を利用する術者が複数いる場合に好適である。
特にタッチパネル機能を備えた表示部に対する操作を行うことで実現可能な構成を備えることにより直感的に操作できるため、誤操作を起こしにくく好適である。
これにより、術者は第2モニタ8に表示された設定画面G1bに配置されたロールクラッチボタンBtn2に対する選択操作を行うことで、ロール方向の回動操作についてのマスタ側装置1とスレイブ側装置2の連携をするか否か、変更することができる。従って、変更操作が容易となり、手術の妨げになってしまうことを抑制することができる。
特にタッチパネル機能を備えた表示部に対する操作を行うことで実現可能な構成を備えることにより直感的に操作できるため、誤操作を起こしにくく好適である。
これにより、設定変更が容易とされる。従って、手術の進行を妨げることなく設定変更を行うことが可能となる。
2 スレイブ側装置
59 把持機構(第1操作子、右用第1操作子、左用第1操作子)
70 第1連結部(連続部分)
71 把持部(第1操作子、把持部)
76 クラッチ操作子(第2操作子、右用第2操作子、左用第2操作子)
93 マスタ側制御部(制御部)
100 スレイブ側駆動部(可動部)
Claims (3)
- スレイブ側装置を遠隔操作するためのマスタ側装置であって、
所定の可動域を有し前記スレイブ側装置の可動部の操作に用いられる第1操作子と、
前記第1操作子に対する特定操作に応じて前記可動部をロール方向に回動させる制御を行う制御部と、
前記マスタ側装置と前記スレイブ側装置の連携を解除する連携解除操作子と、を備え、
前記制御部は、
前記連携解除操作子に対する操作の有無に応じて、前記特定操作に基づく前記可動部のロール方向の回動の実施可否を決定する処理を行い、
前記連携解除操作子の操作中においては前記特定操作に基づく前記可動部のロール方向とパン方向とピッチ方向の回動を規制し且つ前記第1操作子のロール方向の回動の規制を解除し前記第1操作子のパン方向とピッチ方向の回動を規制した第1状態と、前記連携解除操作子の操作中においては前記特定操作に基づく前記可動部のロール方向とパン方向とピッチ方向の回動を規制し且つ前記第1操作子のロール方向とパン方向とピッチ方向の回動を規制した第2状態と、を切り替え可能とされた
手術支援装置。 - 前記制御部による表示処理によって画像が表示される表示部を備え、
前記制御部は、
所定の選択肢を選択するための選択操作子を設けた画面を前記表示部に表示し、
前記所定の選択肢が選択された場合に、前記第1状態へと切り替える
請求項1に記載の手術支援装置。 - 前記所定の選択肢として、前記第1状態への切り替えを選択する第1選択肢と、前記第2状態への切り替えを選択する第2選択肢のみが設けられ、
前記選択操作子は、操作されるごとに前記第1選択肢が選択された状態と前記第2選択肢が選択された状態とを切り換えるボタン操作子とされた
請求項2に記載の手術支援装置。
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