JP2020532385A - トリムアルゴリズムおよび反転アルゴリズムを含むアルゴリズムで、ロール、ピッチ、およびヨーの位置合わせをし直すロボット手術システム - Google Patents

トリムアルゴリズムおよび反転アルゴリズムを含むアルゴリズムで、ロール、ピッチ、およびヨーの位置合わせをし直すロボット手術システム Download PDF

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Abstract

ロボット手術システムまたはシミュレータは、入力装置と、表示装置と、処理ユニットと、を含む。表示装置は、入力装置と動作可能に関連付けられる手術ツールの表示を含む。処理ユニットは、入力装置と通信し、手術ツールの表示と関連付けられて表示を第1の移動軸周りで、第1の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させる。位置合わせ構成では、入力装置は表示と第1の回転軸周りで位置合わせされる。入力装置が表示と位置合わせずれとなっている場合、処理ユニットは、入力装置が第1の回転軸周りで位置合わせ構成から第1の所定のずれだけ位置合わせずれになるまで、入力装置のスケーリングされた回転を変化させて入力装置を第1の位置合わせ構成に復帰させる。【選択図】図2

Description

ロボット手術システムは、侵襲を最小限に抑える医療手術に使用されている。医療手術中、ロボット手術システムは、外科医がユーザインターフェースとのインターフェースをとることにより制御される。ユーザインターフェースにより、外科医は患者に作用するエンドエフェクタを操作することができる。ユーザインターフェースは、外科医により移動可能であって、ロボット手術システムを制御する入力コントローラまたはハンドルを含む。
ロボット手術システムは通常、スケーリング倍率を使用して外科医の手の動きを縮小して、患者内のエンドエフェクタの望ましい位置を決定し、外科医がエンドエフェクタを患者の内部でより正確に移動させることができるようにしていた。しかしながら、スケーリング倍率がより大きくなると、外科医は入力装置ハンドルをより遠くに移動させてエンドエフェクタを同じ距離だけ移動させる必要があった。入力装置ハンドルの運動範囲は固定されているので、これは、スケーリング倍率がより大きくなる場合、外科医が入力ハンドルの運動範囲の末端に届くようにする頻度がより多くなる可能性があることを意味している。
加えて、医療手術中、外科医は、エンドエフェクタをロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸周りで回転させて、エンドエフェクタを適切に配置して組織に作用させる必要がある。さらに、医療手術中、入力ハンドルを入力ハンドルに対して移動させてクラッチ状態にすると、入力ハンドルがエンドエフェクタと、ロール軸、ピッチ軸、および/またはヨー軸のうちの1つ以上の軸周りで位置合わせずれになる可能性がある。
入力ハンドルをエンドエフェクタと医療手術中に位置合わせし直すロボット手術システムが引き続き必要となる。
本開示は概して、ユーザインターフェースの入力装置の移動を外科手術中のロボットシステムのツールの移動に、ロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸のうちの1つ以上の軸周りで、「トリム」アルゴリズムおよび/または「反転」アルゴリズムを含むアルゴリズムでスケーリングすることに関する。
本開示の1つの態様では、ロボット手術システムまたはシミュレータは、入力装置と、表示装置と、処理ユニットと、を含む。入力装置は、第1の回転軸周りで回転可能である。表示装置は、入力装置と動作可能に関連付けられる手術ツールの表示を含む。処理ユニットは、入力装置と通信し、手術ツールの表示と動作可能に関連付けられて、手術ツールの表示を第1の移動軸周りで、第1の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させる。入力装置は、入力装置が手術ツールの表示と第1の回転軸周りで位置合わせされる位置合わせ構成を有する。入力装置が手術ツールの表示と第1の回転軸周りで位置合わせずれになっている場合、処理ユニットは、入力装置が第1の回転軸周りで、位置合わせ構成から第1の所定のずれだけ位置合わせずれになるまで、第1の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転を変化させて入力装置を第1の位置合わせ構成に復帰させる。第1の所定のずれは、約5°〜約45°の範囲とすることができる。
態様では、入力装置は、第1の回転軸と直角な第2の回転軸周りで回転可能である。処理ユニットは、入力装置と通信することができ、手術ツールの表示と動作可能に関連付けられて、第2の移動軸周りの手術ツールの表示を、第2の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させることができる。位置合わせ構成では、入力装置は、手術ツールの表示と第2の回転軸周りで位置合わせされる。入力装置が手術ツールの表示と第2の回転軸周りで位置合わせずれとなる場合、処理ユニットは、入力装置が第2の回転軸周りで、位置合わせ構成から第2の所定のずれだけ位置合わせずれとなるまで、第2の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転を変化させて入力装置を位置合わせ構成に復帰させる。第1の所定のずれは、第2の所定のずれに等しくすることができる。あるいは、第1の所定のずれは、第2の所定のずれよりも大きくするか、または小さくすることができる。例えば、第1の所定のずれは、約16°〜約45°の範囲とすることができ、第2の所定のずれは、約5°〜約15°の範囲とすることができる。
いくつかの態様では、入力装置は、第1および第2の回転軸と直角な第3の回転軸周りで回転可能である。処理ユニットは、入力装置と通信することができ、手術ツールの表示と動作可能に関連付けられて、第3の移動軸周りの手術ツールの表示を、第3の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させることができる。位置合わせ構成では、入力装置は、手術ツールの表示と第3の回転軸周りで位置合わせされる。入力装置が、手術ツールの表示と第3の回転軸周りで位置合わせずれとなる場合、処理ユニットは、入力装置が第3の回転軸周りで、位置合わせ構成から第3の所定のずれだけ、位置合わせずれとなるまで、第3の回転軸周りの入力装置のスケーリングされた回転を変化させて入力装置を位置合わせ構成に復帰させる。
特定の態様では、第1の所定のずれは、第2および第3の所定のずれの各ずれに等しい。あるいは、第1の所定のずれは、第2または第3の所定のずれよりも大きくするか、または小さくすることができる。さらに、第2の所定のずれは、第2の所定のずれよりも大きくするか、または小さくすることができる。第1、第2、および/または第3の所定のずれは、ユーザにより選択可能とすることができる。追加または代替として、第1、第2、および/または第3の所定のずれは、ツールの表示に基づいて少なくとも部分的に決定することができる。入力装置が、手術ツールの表示と第1、第2、および/または第3の回転軸周りで、所定の位置合わせずれよりも大きい量だけ位置合わせずれになっている場合、第1、第2、および/または第3の回転軸のそれぞれ1つの回転軸周りの位置合わせ構成は、該当する回転軸周りで180°反転させることができる。
本開示の別の態様では、手術ロボットまたは手術シミュレータを操作する方法は、処理ユニットが、第1の回転軸周りのロボット手術システムの入力装置の回転を受けることと、入力装置の回転を、ツールの表示の回転に表示装置で第1の移動軸周りでスケーリングすることと、を含む。入力装置が第1の回転軸周りのツールの表示と所定のずれ以内になるまで、入力装置を位置合わせ構成から離れて移動させて入力装置をツールの表示に位置合わせし直す場合に、処理ユニットは、入力装置の回転を縮小する。
態様では、入力装置の回転をツールの表示の回転に表示装置でスケーリングすることは、入力装置が、第1の回転軸周りのツールの表示と所定のずれ以内になるまで、入力装置を位置合わせ構成に向かって移動させて入力装置をツールの表示に位置合わせし直す場合に、処理ユニットが入力装置の回転を拡大することを含む。当該方法は、所定のずれを選択することを含むことができる。追加または代替として、所定のずれを選択することは、処理ユニットが、所定のずれを、ツールの表示に基づいて決定することを含むことができる。
いくつかの態様では、当該方法は、入力装置が、ツールの表示と、所定の位置合わせずれよりも大きく位置合わせずれとなる場合に、入力装置の位置合わせ構成を第1の回転軸周りで180°反転させることを含む。
本開示の例示的な実施形態のさらなる詳細および態様が、添付の図を参照して以下により詳細に説明される。
本開示の様々な態様が、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する図面を参照して本明細書において以下に説明される。
本開示によるユーザインターフェースおよびロボットシステムの概略図である。 図1のユーザインターフェースの制御アームの端部で支持される入力装置の斜視図である。 図1のロボットシステムの表示装置の図であり、第1の位置にある状態の手術部位内のツールの表示を示す。 図3の表示装置の図であり、表示装置のロール軸周りで約180°回転した図3のツールの表示を示す。
ここで、本開示の実施形態は、同様の参照番号が、いくつかの図の各図の同一の要素または対応する要素を指している図面を参照して詳細に説明される。本明細書において使用されるように、「臨床医」という用語は、医師、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、医療支援従事者を含むことができる。この説明の全体を通して、「近位」という用語は、臨床医に最も近い装置部分または装置の構成要素部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠い装置部分または装置の構成要素部分を指している。加えて、本明細書において使用されるように、「ニュートラル」という用語は、近位および遠位以外の部分を意味すると理解される。
本開示は概して、ロボットシステムのツールを外科手術中に移動させるユーザインターフェースの入力装置の移動のスケーリングに関する。特に、本開示は、ツールのロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸の周りの移動のスケーリングに関する。ロボットシステムは、ユーザインターフェースの入力装置を、ロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸のうちの1つ以上の軸の周りのツールの位置に位置合わせし直すように構成される位置合わせアルゴリズムを含む。加えて、ロボットシステムは、入力装置をロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸の各軸の周りで完全に位置合わせする代わりに、入力装置を、ロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸のうちの1つ以上の軸の周りで、所定のオフセットだけずれて保持することができるようにする「トリム」アルゴリズムを含むことができる。追加または代替として、ロボットシステムは、入力装置が、ロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸のそれぞれ1つの軸の周りで位置合わせずれとなっている所定の量よりも大きい量だけ位置合わせずれになっている場合に、入力装置をツールに対して位置合わせした構成を、ロール軸、ピッチ軸、およびヨー軸のそれぞれ1つの軸の周りで180°回転させる「反転」アルゴリズムを含むことができる。
図1を参照すると、本開示によるロボット手術システム1は、ロボットシステム10、処理ユニット30、およびユーザインターフェース40として概略図示されている。ロボットシステム10は概して、リンケージ12およびロボットベース18を含む。リンケージ12は、組織に作用するように構成されるエンドエフェクタまたはツール20を移動可能に支持する。リンケージ12は、アームの形態とすることができ、各アームは、組織に作用するように構成されるエンドエフェクタまたはツール20を支持する端部14を有する。加えて、アーム12の端部14は、手術部位「S」を撮像する撮像装置16を含むことができる。ユーザインターフェース40は、処理ユニット30を介してロボットベース18と通信する。
ユーザインターフェース40は、3次元画像を表示するように構成される表示装置44を含む。表示装置44は、手術部位「S」の3次元画像を表示し、3次元画像は、アーム12の端部14に位置決めされる撮像装置16により撮影されるデータを含むことができる、および/または手術現場の周りで位置決めされる撮像装置(例えば、手術部位「S」内に位置決めされる撮像装置、患者「P」に隣接して位置決めされる撮像装置、撮像アーム52の遠位端に位置決めされる撮像装置56)により撮影されるデータを含むことができる。撮像装置(例えば、撮像装置16、56)は、手術部位「S」の視覚画像、赤外線画像、超音波画像、X線画像、感熱画像、および/または任意の他の既知のリアルタイム画像を撮影することができる。撮像装置は、撮影した撮像データを処理ユニット30に送信し、処理ユニット30は、手術部位「S」の3次元画像を撮像データからリアルタイムに生成し、3次元画像を表示装置44に送信して表示する。
ユーザインターフェース40は、制御アーム43に支持される入力ハンドル42も含み、制御アーム43により、臨床医がロボットシステム10を操作することができる(例えば、アーム12、アーム12の端部14、および/またはツール20を移動させる)。入力ハンドル42の各入力ハンドルは、処理ユニット30と通信して制御信号を処理ユニット30に送信し、フィードバック信号を処理ユニット30から受信する。追加または代替として、入力ハンドル42の各入力ハンドルは入力装置46(図2)を含むことができ、入力装置46により、外科医がアーム12の端部14で支持されるツール20を操作することができる(例えば、クランプする、把持する、突出させる、開放する、閉鎖する、回転させる、突き刺す、スライスするなど)。
図2をさらに参照すると、入力ハンドル42の各入力ハンドルは、所定の作業空間内を移動可能であり、アーム12の端部14、例えばツール20を手術部位「S」内で移動させる。表示装置44上の3次元画像の向きは、入力ハンドル42の移動により、アーム12の端部14が表示装置44上で見られるように移動するように設定される。3次元画像は、アーム12の端部14の移動が3次元画像内に収まるように入力ハンドル42の移動をスケーリングしながら静止したままとなる。3次元画像の向きを維持するために、入力ハンドル42の運動学的マッピングは、アーム12の端部14の向きに対するカメラの向きに基づいている。表示装置44上の3次元画像の向きは、患者「P」の上方からのビューに対して鏡像折り返しを行うことができる、または回転させることができる。加えて、表示装置44上の3次元画像のサイズは、手術部位の実際の構造よりも大きくなるように、または小さくなるようにスケーリングして、臨床医が手術部位「S」内の構造のより良好なビューを有することができるようにする。入力ハンドル42を移動させると、以下に詳述するように、ツール20が手術部位「S」内で移動する。ツール20の移動は、ツール20を支持するアーム12の端部14の移動を含むこともできる。
ロボット手術システム1の構成および操作の詳細な説明については、米国特許第8,828,023号を参照することができ、米国特許第8,828,023号の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
上に詳述したように、ユーザインターフェース40は、外科手術を患者に行うロボットシステム10と動作可能に通信するが、ユーザインターフェース40は、手術シミュレータ(図示せず)と動作可能に通信して、ロボットシステムおよび/またはツールを、シミュレートされた環境で仮想的に作動させることができることが想定される。例えば、ロボット手術システム1は、ユーザインターフェース40がロボットシステム10を作動させるように連結される第1のモードと、ユーザインターフェース40が手術シミュレータに連結されてロボットシステムを仮想的に作動させる第2のモードと、を有することができる。手術シミュレータは、スタンドアロンユニットであっても、または処理ユニット30内に組み込まれてもよい。手術シミュレータは、ユーザインターフェース40とのインターフェースをとる臨床医に、視覚、聴覚、力、および/または触覚フィードバックを臨床医に対してユーザインターフェース40を介して行うことにより仮想的に応答する。例えば、臨床医が入力ハンドル42とのインターフェースをとると、手術シミュレータは、組織に仮想的に作用する担当ツールを移動させる。手術シミュレータにより臨床医が、外科手術を患者に行う前に、外科手術を施すことができるようにすることが想定される。加えて、手術シミュレータは、外科処置に関して臨床医を訓練するために使用することができる。さらに、外科シミュレータは、「合併症」を、提案した外科手術中にシミュレートして臨床医が、外科手術を計画することができるようにする。
ツール20の移動は、入力ハンドル42の移動に対してスケーリングされる。入力ハンドル42を所定の作業空間内で移動させると、入力ハンドル42は制御信号を制御ユニット30に送信する。処理ユニット30は、制御信号に応答して、制御信号を分析してツール20を移動させる。処理ユニット30は、入力ハンドル42の移動に応答して、スケーリングした制御信号をロボットベース18に送信してツール20を移動させる。処理ユニット30は制御信号を、Inputdistance(例えば、入力ハンドル42のうちの1つの入力ハンドルで移動させた距離)をスケーリング倍率Sで除算することによりスケーリングして、スケーリングしたOutputdistance(例えば、端部14のうちの1つの端部を移動させた距離)になるようにする。スケーリング倍率Sは、約1〜約10の範囲(例えば、3)である。スケーリング倍率は、以下の方程式で表わされる:
Outputdistance=Inputdistance/S
スケーリング倍率Sがより大きくなると、入力ハンドル42の移動に対するツール20の移動がより小さくなることを理解されたい。
入力ハンドル42の移動をX、Y、およびZ座標軸に沿ってスケーリングする場合の詳細な説明については、同一出願人が保有する2015年9月21日に出願された「Dynamic Input Scaling for Controls of Robotic Surgical System」と題する国際特許出願第PCT/US2015/051130号、および2016年1月20日に出願された国際特許出願第PCT /US2016/14031号を参照されたく、これらの開示の各開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2および図3をさらに参照すると、X、Y、およびZ座標軸の各座標軸に対する入力装置46の回転は、ロール軸「R」、ピッチ軸「P」、およびヨー軸「Y」(RPY)周りのツール20の回転にスケーリングすることができる。ロール軸「R」が、表示装置44に表示される通り、ツール、例えばツール20のエンドエフェクタに位置合わせされるのに対し、ピッチ軸「P」およびヨー軸「Y」の向きは、表示装置44に表示される通り、カメラフレームに設定されて、ハンドル42および/または入力装置46の運動が表示装置44の臨床医のビューを基準とするようになる。具体的には、ピッチ軸「P」は、ハンドルのニュートラルフレームのX座標軸周りであり、ヨー軸「Y」は、ハンドルのニュートラルフレームのY座標軸周りである。R軸、P軸、Y軸の各軸周りの入力装置46の回転のスケーリングは、拡大するように、縮小するように、またはニュートラルを保つように行うことができる。回転を拡大するようにスケーリングすることにより、臨床医は、R軸、P軸、Y軸の特定の1つの軸周りの入力装置46の回転を縮小して、該当するRPY軸周りのツール20の所望の回転を実現することができる。この拡大スケーリングにより臨床医は、人体の自然な動きを超えた器用さを持つことができる。例えば、臨床医は、ツール20を、臨床医の手首の動きで可能となる範囲を超えて入力装置46を離すことなくロールさせることができる。これとは異なり、回転を縮小することにより、臨床医は、入力装置46の回転に応答して、ツール20のR軸、P軸、Y軸の特定の1つ軸周りのツール20の回転をより正確に制御することができる。
R軸、P軸、Y軸の各軸周りの入力装置46の回転は、ツール20の回転に異なる方式でスケーリングすることができる。例えば、制御シャフト43周りの入力装置46の回転、すなわちロール軸「R」周りの回転は拡大することができ、ピッチ軸「P」周りの入力装置46の回転はニュートラルにスケーリングすることができ、ヨー軸「Y」周りの入力装置46の回転は、縮小することができる。本明細書では、スケーリングの任意の他の組み合わせが想到され、本開示の一部を形成する。
外科手術中、入力装置46の回転は、R軸、P軸、Y軸周りのツール20の回転に対して「clutched(クラッチ状態にする)」ことができる。入力装置46をツール20に対して「clutching(クラッチ状態にすること)」は、臨床医が手動で選択することができる、またはロボット手術システム1により自動的に選択することができる。入力装置46をR軸、P軸、Y軸周りで回転するツール20と関連付けし直すか、または「declutched(デクラッチ状態にする)」場合、入力装置46は、ツール20の向きと、R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸周りで位置合わせずれとなる可能性がある。
ロボット手術システム1は、RPYスケーリング倍率を変化させて、入力装置46で手術している臨床医に知覚されないように入力装置46をツール20と位置合わせし直すことができる。入力装置46をツール20と位置合わせし直すために、位置合わせされた位置、または中心とされる位置から離反する方向のスケーリング倍率は、ツール20が入力装置46に位置合わせされるまで臨床医が入力ハンドル46を位置合わせ構成に向かって移動させる場合よりも大きく縮小することができる。入力ハンドル46が位置合わせ構成に向かって移動するときの入力ハンドル46の移動を縮小することにより、ロボット手術システム10は、入力装置46がツール20の位置に、入力装置46とのインターフェースをとっている臨床医に気付かれないように「追いつく」ことを可能にする。例えば、RPYスケーリング倍率のうちの1つ以上のスケーリング倍率は、入力装置46が、位置合わせ構成から離反して移動する場合に約5%〜約200%の範囲で(例えば、25%または50%に)増加することができ、RPYスケーリング倍率は、入力装置46が位置合わせ構成に向かって移動する場合に不変のままとすることができる。追加または代替として、RPYスケーリング倍率のうちの1つ以上のスケーリング倍率は、入力装置46が、位置合わせ構成に向かって移動することによりツール20が入力装置46の位置に追いつくようになる場合に、約5%〜約200%の範囲で(例えば、25%または50%に)減少することができる。ツール20が入力装置46に位置合わせされると、RPYスケーリング倍率は、拡大する、縮小する、またはニュートラルとすることができるように対称に作用するように戻ることができる、例えば同じスケーリング倍率を有することができる。このようにして、ツール20に対する入力装置46の移動をスケーリングすることにより、ツール20は、入力装置46が静止している場合に静止したままであり、ツール20は、臨床医が入力装置46を移動させるのに応答してのみ移動することを理解できるであろう。
1つの実施形態では、RPYスケーリング倍率は、該当するRPY軸の位置合わせずれ量に基づいて変化する可能性がある。例えば、ロール軸「R」が約15度位置合わせずれとなると、ロール軸「R」のスケーリング倍率は、入力装置46が位置合わせ構成に向かって移動する場合に約10%縮小する可能性があり、ロール軸「R」が約30度位置合わせずれとなると、ロール軸「R」は、入力装置46が位置合わせ構成に向かって移動する場合に約20%縮小する可能性がある。スケーリング倍率の変化は、直線的関係、指数関数的関係、多項式関係、直線段階的関係、または他の数学的関係とすることができると考えられる。スケーリング倍率が距離または位置合わせずれ量に基づいて変化することに関する詳細な説明については、2016年1月20日に出願された国際特許出願第PCT/US16/14031号を参照することができ、この国際特許出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、ロボット手術システム1は、ツール20との入力装置46の位置合わせずれが、所定のずれになるまで、または所定のずれ以内になるまで、RPYスケーリング倍率を変化させて入力装置46をツール20と位置合わせし直すことができる。例えば、入力装置46は、ツール20とロール軸周りで100°位置合わせずれとなっている可能性がある。ロボット手術システム1は、入力装置46が、入力装置46に対して約10°〜約45°の範囲(例えば、約30°)の所定のずれになる、または「トリム(調整量)」になるまで、ロールスケーリング倍率を変化させることができる(例えば、入力装置46が位置合わせ構成から離れるときにロールスケーリング倍率を増加させる、および/または入力装置46が位置合わせ構成に向かって移動するときにロールスケーリング倍率を減少させる)。一旦、入力装置46が、入力装置46に対して所定のずれになると、ロボット手術システム1は、ロールスケーリング倍率を変化させて入力装置46をツール20と位置合わせし直すのを止める。
入力装置46がツール20から、R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸周りでずれたままとすることができることにより、当該位置で臨床医は、手および/または腕の位置を外科手術中に、より快適に維持することができる。所定のずれは、R軸、P軸、Y軸の各軸周りで同じとすることができる、または異ならせることができる。例えば、所定のずれは、R軸、P軸、Y軸の各軸周りで約5°〜約45°の範囲(例えば、約15°)とすることができる。あるいは、ロール軸周りの所定のずれは約30°とすることができ、ピッチ軸周りの、およびヨー軸周りの所定のずれは約15°とすることができる。
所定のずれは、ロボット手術システム1により設定することができる、またはユーザが選択することができる。所定のずれは、ロボット手術システム1により、入力装置46と関連付けられるアーム12に接続されるツール20のタイプに基づいて設定することができる、および/またはロボット手術システム1により、外科手術のタイプに基づいて設定することができる。所定のずれが増加すると、ツール20の制御が、より困難になる可能性があることを理解できるであろう。したがって、限界値を、ユーザが所定のずれを選択した場合に設定される最大限界値に設定することができる。
図3および図4を参照すると、位置合わせずれが所定の位置合わせずれよりも大きい場合、R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸を「反転させる」と有用となり得る。R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸は、該当する軸周りの位置合わせ構成が、該当する軸周りで180°回転する場合に反転する。該当する軸周りで「反転させる」ことは、ツール20が非対称である、または方向性がある(例えば、フック、湾曲したはさみ、湾曲した解剖用器具など)場合、ツール20の制御に有用となり得る。例えば、ツール20が、図3の表示装置44に示されるように、開口部21が右に向いたフックである場合、ツール20をロール軸「R」周りで「反転させる」ことができ、開口部21が、図4に示す表示装置44に図示される通り、左に向くようになる。所定の位置合わせずれは、約125°〜約195°の範囲(例えば、約135°)とすることができる。追加または代替として、臨床医は、R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸を、ボタン、音声コマンド、またはGUI入力を使用して「反転させる」ことができる。ロボット手術システム1は、「トリム」および「反転」アルゴリズムの両方を組み込むことができると考えられる。
追加または代替として、ロボット手術システム1は、「反転」アルゴリズムと同様の「スナップ」アルゴリズムを含むことができる。「スナップ」は、R軸、P軸、Y軸のうちの1つ以上の軸が所定の位置合わせずれよりも大きく位置合わせずれとなる場合に発生する。例えば、ロール軸「R」が約45°位置合わせずれになっている場合、ロール軸「R」のトリム(調整量)が、45°のずれに急になり得る。スナップアルゴリズムは、複数の連続的なずれを含むことができ、特定のRPY軸が所定の位置合わせずれを上回るたびに、それぞれのRPY軸が、所定の位置合わせずれに関連するずれに「スナップする(急になる)」。例えば、ロール軸「R」は、ロール軸「R」周りで15度、30度、または45度の間隔を空けた所定のスナップ点を有することができる。
図2に戻って参照すると、入力装置46は、RPYスケーリング倍率のうちの1つ以上のスケーリング倍率のスケーリングを変更するボタン47を含む。例えば、ボタン47を押下すると、ロール軸「R」周りのスケーリング倍率は、所定の値に拡大または縮小することができる。あるいは、ボタン47を押下すると、入力装置46をロール軸「R」周りでクラッチアウト状態(乖離状態)とすることができるのに対し、他の軸は、入力装置46の移動に関係付けられたままである。
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容する広い範囲として捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきであると考えられるので、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではないことが意図される。上の実施形態の任意の組み合わせが、さらに想定され、添付の特許請求の範囲内にある。したがって、上の説明は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、他の変形を本明細書に添付される特許請求の範囲内で想定するであろう。

Claims (18)

  1. ロボット手術システムまたはシミュレータであって、
    第1の回転軸周りで回転可能な入力装置と、
    前記入力装置と動作可能に関連付けられる手術ツールの表示を含む表示装置と、
    前記入力装置と通信し、手術ツールの前記表示と動作可能に関連付けられて、手術ツールの前記表示を第1の移動軸周りで、前記第1の回転軸周りの前記入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させる処理ユニットと、を備え、前記入力装置は、前記入力装置が、手術ツールの前記表示と前記第1の回転軸周りで位置合わせされる位置合わせ構成を有し、
    前記入力装置が、手術ツールの前記表示と前記第1の回転軸周りで位置合わせずれとなる場合に、前記処理ユニットは、前記入力装置が、前記第1の回転軸周りで前記位置合わせ構成から第1の所定のずれだけ、位置合わせずれとなるまで、前記第1の回転軸周りの前記入力装置の前記スケーリングされた回転を変化させて、前記入力装置を前記第1の位置合わせ構成に復帰させる、ロボット手術システムまたはシミュレータ。
  2. 前記第1の所定のずれは、5°〜45°の範囲である、請求項1に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  3. 前記入力装置は、前記第1の回転軸と直角な第2の回転軸周りで回転可能であり、前記処理ユニットは、前記入力装置と通信し、手術ツールの前記表示と動作可能に関連付けられて、手術ツールの前記表示を第2の移動軸周りで、前記第2の回転軸周りの前記入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させ、前記位置合わせ構成では、前記入力装置を手術ツールの前記表示に、前記第2の回転軸周りで位置合わせし、前記入力装置が、手術ツールの前記表示に、前記第2の回転軸周りで位置合わせずれとなる場合、前記処理ユニットは、前記入力装置が、前記第2の回転軸周りで前記位置合わせ構成から第2の所定のずれだけ、位置合わせずれとなるまで、前記第2の回転軸周りの前記入力装置の前記スケーリングされた回転を変化させて、前記入力装置を前記位置合わせ構成に復帰させる、請求項1に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  4. 前記第1の所定のずれは、前記第2の所定のずれに等しい、請求項3に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  5. 前記第1の所定のずれは、前記第2の所定のずれよりも大きい、請求項3に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  6. 前記第1の所定のずれは、約16°〜約45°の範囲であり、前記第2の所定のずれは、約5°〜約15°の範囲である、請求項5に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  7. 前記入力装置は、前記第1および第2の回転軸と直角な第3の回転軸周りで回転可能であり、前記処理ユニットは、前記入力装置と通信し、手術ツールの前記表示と動作可能に関連付けられて、手術ツールの前記表示を第3の移動軸周りで、前記第3の回転軸周りの前記入力装置のスケーリングされた回転に基づいて回転させ、前記位置合わせ構成では、前記入力装置を手術ツールの前記表示に、前記第3の回転軸周りで位置合わせし、前記入力装置が、手術ツールの前記表示に、前記第3の回転軸周りで位置合わせずれとなる場合、前記処理ユニットは、前記入力装置が、前記第3の回転軸周りで前記位置合わせ構成から第3の所定のずれだけ、位置合わせずれとなるまで、前記第3の回転軸周りの前記入力装置の前記スケーリングされた回転を変化させて、前記入力装置を前記位置合わせ構成に復帰させる、請求項3に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  8. 前記第1の所定のずれは、前記第2の所定のずれ、および前記第3の所定のずれの各ずれに等しい、請求項7に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  9. 前記第1の所定のずれは、前記第2の所定のずれ、および第3の所定のずれの各ずれよりも大きい、請求項7に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  10. 前記第2の所定のずれは、前記第3の所定のずれよりも大きい、請求項9に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  11. 前記第1の所定のずれは、ユーザにより選択可能である、請求項1に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  12. 前記第1の所定のずれは、手術ツールの前記表示に基づいて決定される、請求項1に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  13. 前記入力装置が、手術ツールの前記表示と前記第1の回転軸周りで、所定の位置合わせずれよりも大きい量だけ位置合わせずれとなる場合、前記位置合わせ構成を前記第1の回転軸周りで180°反転させる、請求項1に記載のロボット手術システムまたはシミュレータ。
  14. 手術ロボットまたは手術シミュレータを操作する方法であって、前記方法は、
    処理ユニットで、第1の回転軸周りのロボット手術システムの入力装置の回転を受けることと、
    前記入力装置の前記回転をツールの表示の回転に、表示装置で第1の移動軸周りでスケーリングすることであって、前記入力装置が、前記第1の回転軸周りのツールの前記表示と所定のずれ以内になるまで、前記入力装置を位置合わせ構成から離れて移動させて前記入力装置をツールの前記表示に位置合わせし直す場合に、前記処理ユニットが前記入力装置の回転を縮小する、スケーリングすることと、を含む、方法。
  15. 前記入力装置の回転をツールの前記表示の前記回転に、表示装置で前記第1の移動軸周りでスケーリングすることは、前記入力装置が、前記第1の回転軸周りのツールの前記表示と前記所定のずれ以内になるまで、前記入力装置を位置合わせ構成に向かって移動させて前記入力装置をツールの前記表示に位置合わせし直す場合に、前記処理ユニットが前記入力装置の回転を拡大することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記所定のずれを選択することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記所定のずれを選択することは、前記処理ユニットが前記所定のずれを、ツールの前記表示に基づいて決定することを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記入力装置が、所定の位置合わせずれよりも大きい前記ツールの前記表示と位置合わせずれとなる場合に、前記入力装置の前記位置合わせ構成を、前記第1の回転軸周りで180°反転させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
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