JP7401075B2 - 内視鏡操作システム - Google Patents
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Description
集中力や体力が必要な検査や手術を行う操作者の負担を軽減する内視鏡操作システムについて、発明者らが特許文献1として提案したものが知られている。
制御装置が、位置情報から速度情報と外力推定値を算出して、位置情報と速度情報と外力推定値とに基づいて第1操作手段および第2操作手段と軟性内視鏡とへの加速度指令値を算出し、加速度指令値とからマスター駆動手段およびスレーブ駆動手段が駆動される加速度制御型にて制御することで、各種の力を測定する各種のセンサを設けることなくマスター装置およびスレーブ装置を制御することができる。
このように構成することで、信号にノイズが重畳しやすいロードセルを使用しなくても、外力推定値を算出するようにすることができる。
このように構成することで、ロードセルにより静止摩擦力を測定することができるため、外力推定値に静止摩擦力を反映させることができる。
第1外力推定値を算出するときにロードセルを使用しないときのメリットと、第2外力推定値を算出するときにロードセルを使用したときのメリットとの両方を併せ持たせることができる。
進退方向動作用スイッチが連動と非連動とを指定することにより、第1操作手段の進退方向の移動に対して可動部の移動を微小としたときに、第1操作手段を何回も往復させることで支持手段を操作者の希望の方向に移動させることができる。
アングルロック用スイッチにより固定が指示されることにより、挿入部の先端部の湾曲状態を維持させることができる。
挿入部を被術者の体内に挿入する際に、また挿入して挿入部を軸回転させる際に、精密動作用スイッチにより支持手段の移動の比率を小さくことにより、スレーブ装置を微小動作とすることができる。
把持部における枠体の一辺が開くので、簡単に挿入部を懸架部から取り出したり、懸架部に取り付けたりすることができる。
本発明の実施の形態1に係る内視鏡操作システムについて、図面に基づいて説明する。
なお、本明細書においては、軟性内視鏡を被術者の体内へ挿入したり、排出したりする方向を進退方向と称し、被術者の体内に挿入される軟性内視鏡の挿入部の軸線回りに回転することを軸回転と称する。
図1に示す内視鏡操作システム1は、被術者側となるスレーブ装置2と、操作側となるマスター装置3と、スレーブ装置2とマスター装置3とを制御する制御装置4と、モータドライバ装置5,6(図13から図16参照)と、表示装置7と、入力装置8とを備えている。
図2に示すように、スレーブ装置2は、スレーブ装置2全体を支持する基台部21と、進退方向に移動する可動部22と、軟性内視鏡Eの挿入部E1を進退方向F1に沿って支持する懸架部23とを備えている。
レール部212(スレーブレール部)は、棒状部材211aの長さ方向に沿って形成された板状部材により形成されている。レール部212は、可動部22が移動するための案内溝として直線状溝が両側面に設けられている。
図3(A)および同図(B)に示すように、進退方向駆動部213(スレーブ駆動手段)は、可動部22に連結された筒状のコイル部213aと、フレーム部211の長さ方向に沿って配置され、コイル部213aの空洞部分を貫通するシャフト部213bとを備えたコアレスリニア型モータ(リニアスライダ)である。
また、可動部22は、図5に示すように、軟性内視鏡Eのハンドル部を駆動する2つのハンドル駆動部225と、軟性内視鏡Eのハンドル部の回転の動作状態を検出するハンドル検出部226(スレーブ検出手段)とを備えている。
図4に示すように、軸回転駆動部222(スレーブ駆動手段)は、保持部224に取り付けられた大ギア2221と、大ギア2221と噛み合う小ギア2222と、小ギア2222に回転軸が連結された駆動源となるモータ2223とを備えている。
ロータリエンコーダ223(スレーブ検出手段)は、モータ2223の回転軸に連結されている。ロータリエンコーダ223は、モータ2223よる可動部22の回転を検出し、スレーブ装置2の軸回転の位置情報(スレーブ位置)を軸回転の位置信号(スレーブ状態信号)により軸回転の動作状態として出力する。
図3(A)に示すように、保持部224(支持手段)は、軟性内視鏡Eの操作部E2を担持する棚部2241と、挿入部E1と操作部E2との連結部分を囲って保持する筒部2242とを備えている。筒部2242は、軸線に沿った境界によって2分割され、蓋を開けるように開閉して軟性内視鏡Eを脱着することができる。
中継部2252は、第1嵌合部2251aに連結する第1中継部2252aと、第2嵌合部2251bに連結する第2中継部2252bとを備えている。
大ギア2253は、第1中継部2252aに連結された第1大ギア2253aと、第2中継部2252bに連結された第2大ギア2253bとを備えている。
小ギア2254は、第1大ギア2253aに噛み合う第1小ギア2254aと、第2大ギア2253bに噛み合う第2小ギア2254bとを備えている。
モータ2255は、第1小ギア2254aを駆動する第1モータ2255aと、第2小ギア2254bを駆動する第2モータ2255bとを備えている。
図7(A)および同図(B)に示すように、一対のレール部232は、上下2列に並べられている。レール部232は、天面および底面に長さ方向に沿った溝232aが形成されている。
スライド部233は、レール部232の一対の溝232aに嵌合する一対の凸部が形成され、溝232aに沿って移動する。スライド部233は、レール部232の長さ方向に沿って、上段のレール部232と下段のレール部232の交互に並べられている。
図8に示すように、把持部2333は、四角形の枠体に形成され、挿入部E1を内部に貫通させることで保持する。把持部2333は、四辺に対応する棒状部材2333a~2333dと、棒状部材2333aに回転自在に取り付けられたリング部材2333eと、棒状部材2333a~2333dを各角部で支持する支持部材2333f~2333hと備えている。
支持部材2333fの一対の突出部の先端部には、棒状部材2333b,2333cの一端部が固定されている。棒状部材2333bの他端部には、棒状部材2333bを中心に回転するL字状の支持部材2333gが設けられている。また、棒状部材2333cの他端には、水平方向に向いて切り欠き部が形成された支持部材2333hが設けられている。
支持部材2333gが棒状部材2333bを中心に回転して、棒状部材2333dが支持部材2333hの切り欠き部から出入りすることで、ゲート部2330が形成されている。
図9に示すように、マスター装置3は、マスター装置3全体を支持する基台部31と、進退方向F2に移動する可動部32とを備えている。
レール部312(マスターレール部)は、棒状部材311aの長さ方向に沿って形成された板状部材により形成されている。レール部312は、可動部32が移動するための案内溝として直線状溝が両側面に設けられている。
図10に示すように、進退方向駆動部313(マスター駆動手段)は、可動部32に連結された筒状のコイル部313aと、フレーム部311の長さ方向に沿って配置され、コイル部313aの空洞部分を貫通するシャフト部313bとを備えたコアレスリニア型モータ(リニアスライダ)である。
指示部322(第1操作手段)は、操作者が把持して、可動部32を、進退方向へ移動させたり、軸回転させたりする把手である。
図11(A)および同図(B)に示すように、軸回転駆動部323(マスター駆動手段)は、指示部322の軸線に沿って延びるシャフト3231と、シャフト3231により回転する大ギア3232と、大ギア3232に噛み合う小ギア3233と、小ギア3233が回転軸に連結されたモータ3234とを備えている。
第1ロータリエンコーダ3253(マスター検出手段)は、第1モータ3252cの回転軸に連結されている。
第2操作棒駆動部3254(マスター駆動手段)は、前後方向への傾斜角度に応じて回転する第2軸部3254aと、第2軸部3254aからの回転を伝達する第2ギア群3254bと、第2ギア群3254bに連結された第2モータ3254cとを備えている。
第2ロータリエンコーダ3255(マスター検出手段)は、第2モータ3254cの回転軸に連結されている。
進退方向動作用スイッチ326は、図9に示すマスター装置3の指示部322への進退方向の操作をスレーブ装置2と連動させたり、非連動としたりすることを指示するスイッチである。
アングルロック用スイッチ327は、挿入部E1の先端部の動作にブレーキを掛けたブレーキ状態としたり、操作棒3251の操作に従って先端部が湾曲するフリー状態としたりすることが選択できるスイッチである。
精密動作用スイッチ328は、マスター装置3の指示部322への操作に対するスレーブ装置2への動作比率を、通常モードと精密モードとの2段階から選択するスイッチである。
制御装置4は、内視鏡制御プログラムが動作するコンピュータにより実現されている。制御装置4は、図12に示すように、進退方向制御部41と、軸回転制御部42と、第1ハンドル制御部43と、第2ハンドル制御部44と、表示制御部45と、入力制御部46と、記憶部47と、出力部48とを備えている。
進退方向制御部41は、精密動作用スイッチ328からの指示に基づいて、マスター装置3の指示部322の進退方向への移動に対するスレーブ装置2の可動部22の移動の比率を小さくする。
第1ハンドル制御部43および第2ハンドル制御部44は、図9に示すアングルロック用スイッチ327からの指示に基づいて、挿入部E1の先端部の湾曲を指示する上下ハンドルE31と左右ハンドルE32(図6(A)参照)とを回転させるハンドル駆動部225(図5参照)をブレーキ状態としたり、フリー状態としたりする。
表示制御部45は、進退方向制御部41、軸回転制御部42、第1ハンドル制御部43および第2ハンドル制御部44から情報を受けて、表示装置7へ表示する機能を備えている。入力制御部46は、入力装置8からの入力情報に基づいて制御装置4全体を制御する。
出力部48は、記憶部47に格納されたデータを外部へLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)を介して出力する。出力部48の出力形式は任意のものが採用できるが、例えば、CSV(Comma Separated Values)としたり、バイナリデータとしたりすることができる。
記憶部47により各データが保存でき、出力部48によりデータが取り出せるので、熟練の操作者の操作を、未熟な操作者が、後で学習して、習熟度を向上させることができる。
進退方向制御部41は、図10に示すリニアエンコーダ214から進退方向の位置情報に応じて、図2に示すスレーブ装置2の可動部22を進退方向駆動部213により同方向へ移動させる。
スレーブ装置2の可動部22が進退方向へ移動すると、または、進退方向に沿った外力がスレーブ装置2に加わると、その状態が、図13に示すリニアエンコーダ214から進退方向の位置情報として、進退方向制御部41に出力される。
進退方向制御部41は、リニアエンコーダ214からの位置情報に応じて、図9に示すマスター装置3の可動部32を進退方向駆動部313により同方向へ移動させる。
軸回転制御部42は、ロータリエンコーダ223から軸回転の位置情報に応じて、図2に示すスレーブ装置2の可動部22を軸回転駆動部222により同方向へ軸回転させる。
スレーブ装置2の可動部22が軸回転すると、または、軸回転に沿った外力がスレーブ装置2に加わると、その状態が、図14に示すロータリエンコーダ223から軸回転の位置情報として、軸回転制御部42に出力される。
軸回転制御部42は、ロータリエンコーダ223からの位置情報に応じて、図9に示すマスター装置3の可動部32を軸回転駆動部323により同方向へ軸回転させる。
第1ハンドル制御部43は、第1ロータリエンコーダ3253からの位置情報に応じて、図2に示すスレーブ装置2に搭載された軟性内視鏡Eの上下ハンドルE31(図6(A)参照)を、ハンドル駆動部225(図5参照)により同方向へ回転させる。
ハンドル駆動部225により上下ハンドルE31が回ると、または、挿入部E1の上下方向への湾曲に対する外力が挿入部E1に加わり、ハンドル駆動部225に伝達されると、その状態が、図15に示す第1ロータリエンコーダ2261から回転の位置情報として、第1ハンドル制御部43に出力される。
第1ハンドル制御部43は、第1ロータリエンコーダ2261からの位置情報に応じて、図9に示すマスター装置3の操作棒3251を第1操作棒駆動部3252(図11(B)参照)により同方向へ回転させる。
第2ハンドル制御部44は、第2ロータリエンコーダ3255からの位置情報に応じて、図2に示すスレーブ装置2に搭載された軟性内視鏡Eの左右ハンドルE32(図6(A)参照)を、ハンドル駆動部225(図5参照)により同方向へ回転させる。
ハンドル駆動部225により左右ハンドルE32が回ると、または、挿入部E1の左右方向への湾曲に対する外力が挿入部E1に加わり、ハンドル駆動部225に伝達されると、その状態が、図16に示す第2ロータリエンコーダ2262から回転の位置情報として、第2ハンドル制御部44に出力される。
第2ハンドル制御部44は、第2ロータリエンコーダ2262からの位置情報に応じて、マスター装置3の操作棒3251を第2操作棒駆動部3254により同方向へ回転させる。
図12に示す進退方向制御部41と、軸回転制御部42との構成が同じであるため、図17(A)に、第1制御部410として示している。また、第1ハンドル制御部43による軟性内視鏡Eにおける上下ハンドルE31の回転制御と、第2ハンドル制御部44による左右ハンドルE32の回転制御とは、構成が同じであるため、図17(B)に、第2制御部420として示している。
第1制御部410には、マスター装置3の進退方向または軸回転が制御される第1マスター制御部411が含まれている。また、第1制御部410には、スレーブ装置2の進退方向または軸回転が制御される第1スレーブ制御部412が含まれている。
この第1マスター制御部411および第1スレーブ制御部412は、図18に示す局所制御部である共通ユニット部430Aにより構成される。従って、第1マスター制御部411としての共通ユニット部430Aにおける制御対象は指示部322(図9参照)であり、第1スレーブ制御部412としての共通ユニット部430Aにおける制御対象は軟性内視鏡E(図2参照)である。
この取得された動作の状態は、基本的には駆動源(図2および図9に示す進退方向駆動部213,313(リニア型モータ)、図2および図9に示す軸回転駆動部222,323)からの力と、外力による力の和となる。
位置センサにより動作のデータには、その2つが混在しているため、動作のデータから駆動源からの力を差し引いた外力からの力を抽出するのが、「外乱オブザーバ」であり、更に、位置力・抵抗力・摩擦力まで考慮したのが「外力推定オブザーバ」である。
そうすることで、制御対象でなく理想モデルの動きに強制的に合わせる(ロバスト制御)。ノミナルモデルでは抵抗や摩擦が考慮されていないため、制御対象への入力の力情報Foutは、加速度参照値x”refに質量mを乗算器435にて乗算した力情報Frefから力情報Fdistを減算器436により減算した力であり、この力情報Foutに基づいて制御対象が制御される。従って、制御対象は、抵抗(c)や摩擦(Ffric)のない動き、つまり加速度指令値に基づいて動くことになる。
減算器4102a,4102bにより、位置情報xmと速度情報x'mから位置情報xsと速度情報x'sが減算される。これにより、マスター装置3とスレーブ装置2の位置のずれ、速度のずれが算出される。
減算器4102a,4102bからの出力は、乗算器4103a,4103bにより比例定数が乗算されることでずれを早く修正するように動作させることができる。そして、乗算器4103a,4103bのそれぞれの出力は、加算器4104により加算されることで、位置と速度とに基づく加速度指令値が算出される。
外力推定値Fm‐extと外力推定値Fs‐extとの差分は、除算器4106により質量が除算されることで、加速度指令値となる加速度が算出される。
また、除算器4106からの出力は、加算器4104からの出力と加算器4107bにより加算されることで第1スレーブ制御部412への加速度指令値を算出する。
これにより、スレーブ装置2とマスター装置3とで、進退方向の位置または軸回転の位置にずれが生じている場合に、スレーブ装置2には早く修正するようにプラス方向に指示され、マスター装置3には加速を抑えるようにマイナス方向に指示される。
本実施の形態1では、減算器4107aからの加速度指令値に減算器4108aにより力情報Fm-pos(x)を減算して補正を掛けている。これは、コアレスリニア型モータにより形成された進退方向駆動部313(図9参照)では、シャフト部313bに内蔵された磁石の不均一さから生じるコイル部313aとの位置関係のずれを解消させるためである。
この第2マスター制御部421および第2スレーブ制御部422は、図17(A)に示す第1制御部410と同様に、図18に示す共通ユニット部430Aにより構成される。
従って、第2マスター制御部421としての共通ユニット部430Aにおける制御対象は操作棒3251あり、第2スレーブ制御部422としての共通ユニット部430Aにおける制御対象は軟性内視鏡Eの上下ハンドルE31および左右ハンドルE32と、挿入部E1の先端部である。
このように、実質的に加算器4203により外力推定値Fm‐extから外力推定値Fs‐extを減算しているため、その分の摩擦力を動摩擦として加えることで、ロック状態とフリー状態との間での違和感のない操作感を仮想的に実現することが可能である。
この加速度参照値x’’m-refから算出される力情報Foutに基づいて、スレーブ装置2であれば、ハンドル駆動部225が駆動され、マスター装置3であれば、第1操作棒駆動部3252および第2操作棒駆動部3254が駆動される。
(1)図10に示すリニアエンコーダ314が、軟性内視鏡E(図2参照)の進退方向F1を指示する指示部322の動作状態
(2)図11(A)に示すロータリエンコーダ324が、軟性内視鏡Eの軸回転を指示する指示部322の動作状態
(3)図11(B)に示す第1ロータリエンコーダ3253が、挿入部E1の上下方向への湾曲を指定する操作棒3251の前後方向の動作状態
(4)図11(B)に示す第2ロータリエンコーダ3255が、挿入部E1の左右方向への湾曲を指定する操作棒3251の左右方向の動作状態
(5)図3(A)に示すリニアエンコーダ214が、軟性内視鏡Eの進退方向の移動の動作状態
(6)図4に示すロータリエンコーダ223が、軟性内視鏡Eの軸回転の動作状態
(7)図5に示すハンドル検出部226が、上下ハンドル、左右ハンドルの動作状態
(1)軟性内視鏡が大腸内を進行する際に、腸管の長軸方向から進行が外れないように、腸管の長軸方向への進行・挿入を維持しながら(軸保持操作)、
(2)先端では襞をひとつひとつ畳み込みながら堅実に進み、
(3)直腸S状結腸移行部、S状結腸、S状結腸下行結腸移行部を含めた大腸の屈曲部では、回旋(主に右回旋)を併用しながら腸管短縮を行って、挿入していくものである。
つまり、無駄な動きが多くなり、そうこうするうちに軸保持を失い(または最初から軸を意識していない)、その結果(2)および(3)でも進むことができないことが多くなることで、軟性内視鏡を無理に押しながら挿入部を挿入してしまうため、腸間膜を過伸展させて苦痛の原因となる。
つまり、この内視鏡操作システム1の装置構成が、無駄な動きを吸収するため、難題である軸保持操作が装置構成により実現できるため、習得すべき技量の中心は(2)と(3)となり、技量の均一化の早期実現が可能である。
その上で、内視鏡操作システム1では、力覚フィードバック機能を有しているため、(2)および(3)を行う場合でも、無理な動きを抑制することができる。
進退方向動作用スイッチ326が非連動を指示したときには、進退方向制御部41は、図13に示すように、スレーブ状態信号を停止し、モータドライバ装置5から進退方向駆動部213への制御電流を停止する。そうすることで、スレーブ装置2はフリー状態となる。
従って、指示部322の進退方向の移動に対して可動部22の移動を微小としたときに、指示部322を何回も往復させることで可動部22を操作者の希望の方向に移動させることができる。
従って、図2に示す挿入部E1を被術者の体内に挿入した状態で挿入部E1の湾曲状態を固定すれば、操作者が誤って操作棒3251を動かして、挿入部E1の先端部の湾曲状態が変化してしまうことを抑止することができる。
従って、操作開始する際のセットアップ時間を短縮することができ、緊急時にもスレーブ装置2から挿入部E1を取り外して、術者が軟性内視鏡Eを持って対応することができる。
つまり、スレーブ装置は、コンピュータを、軟性内視鏡、前記軟性内視鏡を保持する支持手段、スレーブ駆動信号により前記軟性内視鏡を駆動するスレーブ駆動手段、前記軟性内視鏡の動作状態を検出して、スレーブ状態信号として出力するスレーブ検出手段として機能させる、スレーブ装置のシミュレーションプログラムを動作させたものとすることができる。
スレーブ装置を、シミュレーションプログラムをコンピュータで動作させたものとすることで、内視鏡操作システムを訓練用のシミュレーション装置とすることができる。
本発明の実施の形態2に係る内視鏡操作システムを図面に基づいて説明する。
本実施の形態2に係る内視鏡操作システムは、ロードセルにより力を測定した測定値に基づいて、外力推定値を算出するものである。
なお、図19においては、図18と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
従って、図17(A)に示す第1制御部410および図17(B)に示す第2制御部320は、第1マスター制御部411および第1スレーブ制御部412と、第2マスター制御部421および第2スレーブ制御部422とが、共通ユニット部430Bとなる。
また、図18に示す共通ユニット部430Aでは、実際の動きを実モデルで逆算した推定入力を、遅れ要素を加味して演算する実モデル用演算手段438としているが、図19に示す共通ユニット部430Bでは、ロードセルの遠位側の質量Mpにより外力推定を行うロードセルモデル用演算手段438xとしている。
ロードセルモデル用演算手段438xは、ロードセルの遠位側の質量Mpによる慣性力を打ち消すためのものである。この場合、ロードセルの遠位側の質量Mpには、何も接触するものがないため、摩擦モデルの考慮は不要である。
これは、ロードセルからの測定値が示す向きと、制御対象からの位置から演算された力の向きが、反対であるときには実質的に、加算器439xによる減算となるからである。
図18に示す共通ユニット部430Aでは、加速度から外力推定値を演算しているため、外力推定値に静止摩擦力を考慮させることができない。しかし、ロードセルであれば、動作していなくても力が測定できるため、外力推定値に静止摩擦力を加味させることができる。
特に、進退方向を移動する、スレーブ装置2の可動部22は、軟性内視鏡を保持しており、また、マスター装置3の可動部32も指示部322(回旋ハンドル)を備えているため、重量がある。
従って、ロードセルにより測定された力(測定値)や、ロードセルモデル用演算手段438xにより算出された力により、外力推定値を演算することで、更に実際の感触に近い操作感覚が得ることができる。
本発明の実施の形態3に係る内視鏡操作システムを図面に基づいて説明する。
本実施の形態3に係る内視鏡操作システムにおける、図20に示す共通ユニット部430Cは、実施の形態1に係る共通ユニット部430A(図18参照)と、実施の形態2に係る共通ユニット部430B(図19参照)との両方の機能を備えたものである。
なお、図20においては、図18および図19と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
また、ロードセルを用いた共通ユニット部430Bでは、外力推定値に静止摩擦力を反映させることができる。
従って、共通ユニット部430Cは、図18に示す共通ユニット部430Aと図19に示す共通ユニット部430Bとのメリットを併せ持つことができる。
2 スレーブ装置
21 基台部
211 フレーム部
211a 棒状部材
211b 連結部材
212 レール部
213 進退方向駆動部
213a コイル部
213b シャフト部
214 リニアエンコーダ
214a 走査ヘッド
214b スケール
22 可動部
221 台座部
222 軸回転駆動部
2221 大ギア
2222 小ギア
2223 モータ
223 ロータリエンコーダ
224 保持部
2241 棚部
2242 筒部
225 ハンドル駆動部
2251 嵌合部
2251a 嵌合部
2251b 第2嵌合部
2252 中継部
2252a 第1中継部
2252b 第2中継部
2253 大ギア
2253a 第1大ギア
2253b 第2大ギア
2254 小ギア
2254a 第1小ギア
2254b 第2小ギア
2255 モータ
2255a 第1モータ
2255b 第2モータ
226 ハンドル検出部
2261 第1ロータリエンコーダ
2262 第2ロータリエンコーダ
23 懸架部
231 支柱部
232 レール部
232a 溝
233 スライド部
2331 足部
2332 腕部
2333 把持部
2333a,2333b,2333c,2333d 棒状部材
2333f,2333g,2333h 支持部材
2333e リング部材
2330 ゲート部
3 マスター装置
31 基台部
311 フレーム部
311a 棒状部材
311b 連結部材
312 レール部
313 進退方向駆動部
313a コイル部
313b シャフト部
314 リニアエンコーダ
314a 走査ヘッド
314b スケール
32 可動部
321 台座部
322 指示部
323 軸回転駆動部
3231 シャフト
3232 大ギア
3233 小ギア
3234 モータ
324 ロータリエンコーダ
325 ハンドル指示部
3251 操作棒
3252 第1操作棒駆動部
3252a 第1軸部
3252b 第1ギア群
3252c 第1モータ
3253 第1ロータリエンコーダ
3254 第2操作棒駆動部
3254a 第2軸部
3254b 第2ギア群
3254c 第2モータ
3255 第2ロータリエンコーダ
326 進退方向動作用スイッチ
327 アングルロック用スイッチ
328 精密動作用スイッチ
4 制御装置
41 進退方向制御部
42 軸回転制御部
43 第1ハンドル制御部
44 第2ハンドル制御部
45 表示制御部
46 入力制御部
47 記憶部
48 出力部
410 第1制御部
411 第1マスター制御部
412 第1スレーブ制御部
4101a,4101b,4101c 乗算器
4102a,4102b 減算器
4103a,4103b 乗算器
4104 加算器
4105 加算器
4106 除算器
4107a 減算器
4107b 加算器
4108a 減算器
420 第2制御部
4201,4202 スイッチ
4203 加算器
421 第2マスター制御部
422 第2スレーブ制御部
430A,430B,430C 共通ユニット部
431 微分フィルタ
432 遅れ要素
433 ノミナルモデル用演算手段
434 減算器
435 乗算器
436 減算器
437 遅れ要素
438 実モデル用演算手段
438x ロードセルモデル用演算手段
439 減算器
439x 加算器
441,442 乗算器
443 加算器
5,6 モータドライバ装置
7 表示装置
8 入力装置
E 軟性内視鏡
E1 挿入部
E2 操作部
E31 上下ハンドル
E32 左右ハンドル
F1,F2 進退方向
Claims (8)
- 軟性内視鏡の動作を指示するためのマスター装置と、前記マスター装置からの指示により軟性内視鏡を動作させるスレーブ装置と、前記マスター装置および前記スレーブ装置を制御する制御装置とを備え、
前記マスター装置は、前記軟性内視鏡の進退方向および軸回転の動作指示する第1操作手段と、前記軟性内視鏡における挿入部の先端部の湾曲方向を指示する第2操作手段と、前記第1操作手段の動作状態、および前記第2操作手段の動作状態を検出して、マスター状態信号を出力するマスター検出手段と、前記第1操作手段および前記第2操作手段への操作力に対する反力を駆動信号により駆動するマスター駆動手段とを備え、
前記スレーブ装置は、前記軟性内視鏡を保持する支持手段と、前記軟性内視鏡の進退方向の移動および軸回転と上下ハンドルおよび左右ハンドルの回転とを駆動信号により駆動するスレーブ駆動手段と、前記軟性内視鏡の進退方向の移動および軸回転と前記上下ハンドルおよび左右ハンドルの動作状態を検出して、スレーブ状態信号を出力するスレーブ検出手段と、前記挿入部を進退方向に沿って支持する懸架部とを備え、
前記懸架部は、枠体の一辺が開閉して、前記挿入部が出入りする把持部を備えており、
前記制御装置は、前記マスター装置からのマスター状態信号と、前記スレーブ装置からのスレーブ状態信号とに基づいた双方向力覚フィードバックにより、前記マスター装置および前記スレーブ装置への駆動信号を生成することで、前記マスター装置に加えられた操作力を前記スレーブ装置へ出力し、前記スレーブ装置に発生した力を前記マスター装置に出力する内視鏡操作システム。 - 前記マスター検出手段は、前記第1操作手段の進退方向の位置および軸回転の位置を示す位置情報と、前記第2操作手段により指定する前記上下ハンドルおよび左右ハンドルの回転の位置を示す位置情報とを、マスター状態信号として出力するものであり、
前記スレーブ検出手段は、前記軟性内視鏡の進退方向の位置および軸回転の位置を示す位置情報と、前記上下ハンドルおよび左右ハンドルの回転の位置を示す位置情報とを、スレーブ状態信号として出力するものであり、
前記制御装置は、位置情報を微分して速度情報を算出すると共に、前記第1操作手段および前記第2操作手段に加わる外力と前記軟性内視鏡に加わる外力とを外力推定値として算出し、前記位置情報と、前記速度情報と、前記外力推定値とに基づいて、前記第1操作手段および前記第2操作手段と軟性内視鏡とへの加速度指令値を算出し、前記加速度指令値に基づいて前記マスター駆動手段および前記スレーブ駆動手段が駆動される請求項1記載の内視鏡操作システム。 - 前記制御装置は、前記マスター装置および前記スレーブ装置を制御対象として入力される力情報と、実際の動きを実モデルで逆算した推定入力を演算する実モデル用演算手段の出力との差を減算器により減算して、前記外力推定値を算出する請求項2記載の内視鏡操作システム。
- 前記マスター装置および前記スレーブ装置における進退方向に移動する可動部にロードセルが設けられ、
前記制御装置は、前記ロードセルによる測定値と、前記ロードセルの遠位側の質量により外力推定を行うロードセルモデル用演算手段からの出力とを加算器により加算して、前記外力推定値を算出する請求項2記載の内視鏡操作システム。 - 前記マスター装置および前記スレーブ装置における進退方向に移動する可動部にロードセルが設けられ、
前記制御装置は、前記マスター装置および前記スレーブ装置を制御対象として入力する力情報と、実際の動きを実モデルで逆算した推定入力を演算する実モデル用演算手段の出力との差を減算器により減算して、第1外力推定値を算出すると共に、前記ロードセルによる測定値と、前記ロードセルの遠位側の質量により外力推定を行うロードセルモデル用演算手段からの出力とを加算器により加算して、第2外力推定値を算出し、前記第1外力推定値と前記第2外力推定値とを所定の割合で合算して、前記外力推定値として算出する請求項2記載の内視鏡操作システム。 - 前記マスター装置は、前記マスター装置の前記第1操作手段への進退方向の操作を前記スレーブ装置と連動させたり、非連動としたりすることを指示する進退方向動作用スイッチを備え、
前記制御装置は、前記進退方向動作用スイッチにより非連動が指示されたときに、スレーブ状態信号を停止する請求項1または2記載の内視鏡操作システム。 - 前記マスター装置は、前記軟性内視鏡における挿入部の湾曲状態を固定するためのアングルロック用スイッチを備え、
前記制御装置は、前記アングルロック用スイッチにより固定が指示されたときに、前記挿入部の先端部の湾曲を指示する上下ハンドルと左右ハンドルとを回転させる前記スレーブ駆動手段をブレーキ状態とする請求項1から3のいずれかの項に記載の内視鏡操作システム。 - 前記マスター装置は、精密動作用スイッチを備え、
前記制御装置は、前記精密動作用スイッチからの指示に基づいて、前記第1操作手段の進退方向への移動と軸回転とに対する前記スレーブ装置の前記支持手段の移動の比率を小さくする請求項1から4のいずれかの項に記載の内視鏡操作システム。
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