JP7399420B2 - 筋かい金具 - Google Patents

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Description

本開示は、筋かい金具に関する。
従来、木造軸組工法が用いられる木造住宅の中で、仕口部に取り付けられる鋼板製の連結具が知られている。仕口部が柱材及び横架材から成る場合の連結具として、特許文献1には、本体板と、本体板の一端に設けられ柱材と接合する取付け板と、本体板の他端に設けられ横架材と接合する取付け板とを備える仕口金物が開示されている。
また、仕口部が、柱材及び横架材加え、更に筋かい材(斜材)を含む場合に使用される連結具として、筋かい金具が知られている。筋かい金具は、特許文献1の仕口金物と同様に、本体板及び本体板の両端に設けられた取付け板を備え、本体板の板面の中央に、筋かい材の板面が接合される。柱材、横架材及び筋かい材は、ビス等の接合具によって、筋かい金具とそれぞれ連結される。
特許第5698520号公報
ここで、地震等に起因する水平力が耐力壁に入力され、筋かい材の材軸方向の荷重が筋かい材から筋かい金具に入力されると、偏心荷重が金物に作用し、本体板と筋かい材との接合部において、本体板が構面外に突出する変形、すなわち、面外変形が生じ易くなる。面外変形が生じると、本体板と筋かい材との接合部で連結用のビスが抜け出し、接合部の接合強度および剛性が低下する。また、筋かい金具と柱材との接合部、又は、筋かい金具と横架材との接合部においても、面外変形の発生によって、筋かい金具の端部が回転する状態(捻じり)が発生し易くなるため、接合部の接合強度および剛性が低下する。
本開示は、上記の問題に鑑み、筋かい金具に入力される偏心荷重の影響を緩和し、接合部の接合強度および剛性の低下を抑制できる筋かい金具を提供する。
本開示のある態様に係る筋かい金具は、木製の柱材と木製の横架材との間に設けられた木製の筋かい材と接合する接合面を有する鋼製の本体板と、本体板における柱材側の端部に、それぞれが本体板の厚み方向の両側に柱材の延びる方向に沿って交互に配置され柱材と接合する板状の複数の第1取付け片を有し、複数の第1取付け片の板面が本体板の板面と交差して設けられた第1接合部と、本体板における横架材側の端部に、それぞれが本体板の厚み方向の両側に横架材の延びる方向に沿って交互に配置され横架材と接合する板状の複数の第2取付け片を有し、複数の第2取付け片の板面が本体板の板面と交差して設けられた第2接合部と、を備える。
上記の態様では、本体板における柱材との接合部では、複数の第1取付け片のうち少なくとも2個の第1取付け片が、本体板の厚み方向の両側に本体板を挟んで配置されるため、2個で一対の第1取付け片を用いて、本体板を厚み方向の両側から支持できる。このため、例えば、取付け板が本体板の厚み方向の一方側に偏って張り出し、対を成す取付け板が接合部に設けられていない筋かい金具と比べ、接合部における接合強度を高めることができる。
加えて、複数の第1取付け片が、柱材の延びる方向に沿って、本体板に交互に配置されている。すなわち、第1接合部におけるある位置において、本体板の厚み方向の一方側に第1取付け片が設けられている位置の他方側には、第1取付け片は設けられていない。このため、接合面が存在する範囲を、本体板の厚み方向の両側に確保しつつ、接合面をなす部材の使用量を低減することができる。
一方、本体板の横架材との接合部においても、柱材との接合部と同様に、複数の第2取付け片のうち少なくとも2個の第2取付け片が、本体板の厚み方向の両側に、本体板を挟んで配置される。一対の第2取付け片によって、本体板を厚み方向の両側から支持可能になるので、横架材との接合部においても接合強度を高めることができる。
加えて、複数の第2取付け片が、横架材の延びる方向に沿って、本体板に交互に配置されている。このため、本体板の横架材との接合部においても、柱材との接合部と同様に、接合面が存在する範囲を、本体板の厚み方向の両側に確保しつつ、接合面をなす部材の使用量を低減することができる。よって、上記構成に係る筋かい金具によれば、柱材との接合部、及び、横架材との接合部の両方において、入力される偏心荷重を抑制することができる。
本開示によれば、筋かい金具に入力される偏心荷重の影響を緩和し、接合部の接合強度および剛性の低下を抑制できる。
本実施形態に係る筋かい金具を説明する斜視図である。 図2(A)は、本実施形態に係る筋かい金具を説明する正面図であり、図2(B)は、本実施形態に係る筋かい金具を説明する平面図である。 本実施形態に係る筋かい金具を、第1接合部の第1取付け片の接合面側を正面から見て説明する左側面図である。 本実施形態の変形例に係る筋かい金具を説明する斜視図である。 比較例に係る筋かい金具を説明する斜視図である。 図6(A)は、第1接合部及び第2接合部にそれぞれ3枚の取付け片を有する本実施形態に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向(筋かい材の延びる方向)への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図であり、図6(B)は、比較例に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図である。 図7(A)は、本実施形態における筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位と面外変形の変位との関係を説明するグラフ図であり、図7(B)は、比較例における筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位と、面外変形の変位との関係を説明するグラフ図である。 本実施形態及び比較例において、筋かい材の材軸方向への強制変位と得られた反力との関係をそれぞれ説明するグラフ図である。 図9(A)は、スリットを有する本実施形態に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図であり、図9(B)は、スリットを有さない本実施形態に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図である。 図10(A)は、第1接合部及び第2接合部にそれぞれ2枚の取付け片を有する変形例に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図であり、図10(B)は、第1接合部及び第2接合部にそれぞれ3枚の取付け片を有する本実施形態に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図である。 比較例に係る筋かい金具の構造モデルにおいて、筋かい材の材軸方向への強制変位を与えた際に生じた面外変形の変位を示すコンター図である。
以下に本開示の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。但し、図面における厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、XYZ方向を説明する際、特に「+」又は「-」の符号が付されない場合には、「X方向」、「Y方向」及び「Z方向」の語は、XYZ軸がそれぞれ延びる方向を単に示す。
-筋かい金具の構造-
まず、本実施形態に係る筋かい金具10の構造を、図1~図4を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る筋かい金具10は、例えば、木造住宅の中で、柱材24、横架材26及び筋かい材22の仕口部に取り付けられ、柱材24、横架材26及び筋かい材22に対し、3面で同時に接合する連結具として使用できる。
柱材24、横架材26及び筋かい材22は、いずれも木製の部材である。横架材26は、図1中のX方向に沿って略水平に設けられると共に、柱材24は、横架材26の上側に差し込まれ、図1中のY方向に沿って略鉛直に立てられている。なお、横架材26が、柱材24に差し込まれていてもよい。筋かい材22は、柱材24と横架材26との間に、それぞれと交差する方向に沿って設けられている。筋かい金具10は、鋼製であり、本体板12と、第1接合部14と、第2接合部16とを備える。
(本体板)
本体板12は、筋かい材22と接合する接合面を有する。図1中には、本体板12の奥側の板面で、筋かい材22が本体板12に接合する場合が例示されているが、これに限定されず、本体板12の手前側の板面で、筋かい材22が本体板12に接合してもよい。
本体板12は、図2(A)に示すように、板面を正面から見て略扇状であり、扇の中心角側の領域が部分的に除かれている。ただし、本開示では、本体板の形状は、扇状に限定されず、第1接合部14及び第2接合部16を設けることが可能である限り、多角形状や円形状等、他の形状に適宜変更できる。また、中心角側の領域が部分的に除かれなくてもよい。
図1及び図2(A)に示したように、本体板12の筋かい材22との接合面の位置には、6個のビス孔18A1~18A6が設けられている。6個のビス孔18A1~18A6には、筋かい材との接合に用いられるビス(図1参照)が、接合具として挿通される。ビスの符号の付記は省略する。なお、ビス孔の位置及び個数は、適宜変更できる。また、本体板12には、仮想中心線Cを挟んで6個のビス孔18A1~18A6と線対称の位置に、別の6個のビス孔(符号省略)が設けられている。なお、接合具は、ビスである必要はなく、例えば、木ネジや釘等の他の部材も接合具として使用できる。
仮想中心線Cは、本体板12の板面を正面から見て、図2(A)中の交点Aから本体板12に向かって延び、柱材24と横架材26との間に形成される角度(2θ)を2等分する線である。交点Aは、柱材24の本体板12側の外縁と横架材26の本体板12側の外縁との交点である(図1参照)。本実施形態では、本体板12の形状は、仮想中心線Cに対して線対称に構成されている。
(第1接合部)
第1接合部14は、本体板12における柱材24側の端部に設けられ、3枚の第1取付け片14A~14Cを有する。3枚の第1取付け片14A~14Cは、図2(A)中の扇状の本体板12の左上側の弦に対応する位置に配置されている。3枚の第1取付け片14A~14Cの板面は、本体板12の板面と交差していると共に、図1中の柱材24の右側と接合する。
3枚の第1取付け片14A~14Cは、それぞれ板状であり、本体板12の厚み方向の両側に、柱材24の延びる方向に沿って交互に配置されている(図1及び図3参照)。換言すると、3枚の第1取付け片14A~14Cは、千鳥状に配置されている。また、3枚の第1取付け片14A~14Cの寸法は、略同じである。
なお、3枚の第1取付け片14A~14Cの千鳥配置の柱材24の延びる方向に沿った順番は、図3中では、本体板12の右側、左側、右側であるが、本開示では、これに限定されず、本体板12の左側、右側、左側の順番であってよい。また、本開示では、3枚の第1取付け片14A~14Cの寸法は、部分的又は全体的に互いに異なっていてもよい。
第1取付け片14A~14Cは、例えば、一枚の扇状の鋼板部材を用意し、用意した鋼板部材の一方の端部を略直角に折り曲げることによって、本体板12と一体的に成形できる。なお、第1取付け片14A~14Cと本体板12との折り曲げ角度、すなわち、交差角度は、直角に限定されない。
第1取付け片14A~14Cの成形方法としては、折り曲げに限定されず、例えば、第1取付け片として別に用意した3枚の板状部材を、本体板12の端部に溶接等によって固定してもよい。また、第1取付け片14A~14Cの素材は、鋼製に限定されないが、筋かい金具10の強度や製造の容易さ等を考慮して、鋼製であることが好ましい。
(第2接合部)
第2接合部16は、本体板12における横架材26側の端部に設けられ、3枚の第2取付け片16A~16Cを有する。3枚の第2取付け片16A~16Cは、図2(A)中の扇状の本体板12の右下側の弦に対応する位置に配置されている。3枚の第2取付け片16A~16Cの板面は、本体板12の板面と交差していると共に、図1中の横架材26の上面と接合する。
3枚の第2取付け片16A~16Cは、それぞれ板状であり、本体板12の厚み方向の両側に、横架材26の延びる方向に沿って交互に配置されている(図1及び図2(B)参照)。3枚の第2取付け片16A~16Cは、3枚の第1取付け片14A~14Cと同様に、千鳥状に配置されている。また、3枚の第2取付け片16A~16Cの寸法は、略同じである。
第1取付け片14A~14Cの場合と同様に、3枚の第2取付け片16A~16Cの千鳥配置の横架材26の延びる方向に沿った順番は、図2(B)中に例示された順番と反対であってよい。また、3枚の第2取付け片16A~16Cの寸法は、部分的又は全体的に互いに異なっていてもよい。
第2取付け片16A~16Cの成形方法は、第1取付け片14A~14Cと同様に、一枚の鋼板部材の他方の端部を略直角に折り曲げることによって、本体板12と一体的に成形できる。また、第2取付け片16A~16Cと本体板12との折り曲げ角度は、直角に限定されない。
また、第1取付け片14A~14Cと同様に、第2取付け片16A~16Cの成形方法は、折り曲げに限定されない。また、第2取付け片16A~16Cの素材は、第1取付け片14A~14Cと同様に、鋼製に限定されないが、筋かい金具10の強度や製造の容易さ等を考慮して、鋼製であることが好ましい。また、第1接合部14と第2接合部16との間で、それぞれの取付け片の枚数が、互いに異なってもよい。
本実施形態に係る筋かい金具10は、図2(A)に示すように、交点Aから測った第1接合部14の距離と、交点Aから測った第2接合部14の距離とは、略同じである。すなわち、筋かい金具10の形状は、全体的に、仮想中心線Cに対して線対称であり、筋かい金具10を仮想中心線Cに対して180°回転させても、回転前の形状と回転後の形状とは、同じである。
このため、本実施形態に係る筋かい金具10は、いわゆる「左右使い」が可能であり、本体板12の表裏2枚の板面のどちらを用いても、本体板12と筋かい材22とは接合できる。ただし、本開示では「左右使い」が可能であることは、必須ではない。
<変形例>
図1~図3中に示した筋かい金具10では、第1取付け片14A~14Cの枚数、及び、第2取付け片16A~16Cの枚数は、いずれも3枚であったが、本開示では、これに限定されない。第1接合部を成す第1取付け片の枚数、及び、第2接合部を成す第2取付け片の枚数は、いずれも、2枚以上の複数枚であればよい。
例えば、図4に示すように、変形例に係る筋かい金具10Aでは、第1接合部14は、2枚の第1取付け片14D,14Eによって構成されていると共に、第2接合部16は、2枚の第2取付け片16D,16Eによって構成されている。第1取付け片14D,14E及び第2取付け片16D,16Eのそれぞれにおいては、1枚につき、3個のビス孔が上下方向に千鳥状に配置されている。しかし、ビス孔の位置及び個数は適宜変更できる。
また、変形例では、図4に示したように、本体板12と筋かい材22との接合面、及び、第1接合部14との間の領域に、本体板12の面外変形を促進する断面積減少部20としてのスリットが設けられている。また、本体板12と筋かい材22との接合面、及び、第2接合部16との間の領域にも、本体板12の面外変形を促進する断面積減少部20としてのスリットが設けられている。
具体的には、スリットは、図4中で略水平に延びる長孔状であり、本体板12において、第1接合部14と6個のビス孔18A1~18A6との間に、鉛直方向に略等間隔で4本設けられている。また、本体板12において、第2接合部16と第2接合部16寄りの6個のビス孔との間に、図4中で略鉛直に延びる長孔状のスリットが、水平方向に略等間隔で4本設けられている。なお、断面積減少部20は、本体板12の第1接合部14側、及び、本体板12の第2接合部16側のうち、一方にのみ設けられてもよい。
変形例では、断面積減少部20としてのスリットが設けられていることによって、筋かい金具10Aに偏心荷重が入力された際、本体板12の面外変形が、スリットの近傍で集中的に発生する。すなわち、断面積減少部20によって、面外変形の発生位置を限定し、接合面の面外変形が制御される。なお、断面積減少部20としてのスリットの形状は、長孔状に限定されず、接合面の面外変形を制御する目的の範囲内で、任意の形状に設定できる。同様に、スリットの本数も4本に限定されず、適宜、変更できる。
また、本開示では、断面積減少部20としてはスリットに限定されない。断面積が他の領域より少なく本体板12の面外変形を促進できる限り、例えば肉厚が薄い部位を設ける等の手段が用いられてもよい。変形例に係る筋かい金具10Aの他の構成については、図1~図3に示した筋かい金具10と同様であるため、重複説明を省略する。
-シミュレーション解析-
次に、本発明者らは、2枚以上の第1接合部14、及び、2枚以上の第2接合部16を有する本開示に係る筋かい金具10,10Aの効果を確認するために、4種類のシミュレーションを実施した。以下、4種類のシミュレーションの内容及びそれぞれのシミュレーション解析結果を、図5~図11を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、「シミュレーション解析」を単に「解析」とも称する。
まず、図5に示すように、シミュレーションにおいて本開示の筋かい金具10,10Aと対比するため、比較例に係る筋かい金具10Fを用意した。比較例では、第1接合部14は、1枚の板状の第1取付け片14Fによって構成されていると共に、第2接合部16は、1枚の板状の第2取付け片16Fによって構成されている。比較例に係る筋かい金具10Fの他の構成については、本実施形態に係る筋かい金具10と同様であるため、重複説明を省略する。
<解析1:取付け片の交差配置の有無と変位との関係>
まず、図6(A)に示すように、本実施形態に係る筋かい金具10の構造モデルを用意した。なお、以下の説明では、説明の便宜上、「本実施形態に係る筋かい金具の構造モデル」を単に「本実施形態」とも称する。また、「変形例に係る筋かい金具の構造モデル」についても、単に「変形例」とも称すると共に、「比較例に係る筋かい金具の構造モデル」についても、単に「比較例」とも称する。
用意された筋かい金具10の第1接合部14には3枚の第1取付け片14A~14Cが、本体板12を挟んで上下方向に交差して配置されると共に、第2接合部16には3枚の第2取付け片16A~16Cが、本体板12を挟んで奥行方向に交差して配置されている。なお、図6、図9~図11のそれぞれのコンター図中では、解析上、実質的な影響が生じないため、図1中の筋かい金具10の本体板12の右下側に位置する6個のビス孔の図示は、省略されている。
また、解析1では、図6(A)中の第1接合部14の3枚の第1取付け片14A~14Cにそれぞれ2個ずつ設けられたビス孔のうち、右上側の1個のビス孔にそれぞれビスが挿通され、第1接合部14が柱材24に固定された場合を設定した。また、図6(A)中の第2接合部16の3枚の第2取付け片16A~16Cにそれぞれ2個ずつ設けられたビス孔のうち、右側の1個のビス孔にそれぞれビスが挿通され、第2接合部16が横架材26に固定された場合を設定した。また、図6(A)中の本体板12に設けられた6個のビス孔18A1~18A6のすべてにビスが挿通され、本体板12が筋かい材22に固定された場合を設定した。
また、解析1では、地震等によって筋かい耐力壁に水平力がかかった場合を想定し、ここでは、仕口部における本体板12に対し、筋かい材の材軸方向(図1中の筋かい材22参照)に沿って6mm程度の強制変位を与えた。そして、筋かい金具10の各部に生じた面外変形の変位(mm)として、図6(A)中のZ方向に沿った変位(変位量)を解析した。
図6(A)のコンター図には、本実施形態において解析された、筋かい材が延びる方向に沿って6mm程度の強制変位を本体板12に与えた時の面外変形の変位(mm)が、白色、灰色及び黒色の3種類の色に分けて表されている。白色の領域は、0mm未満の変位、すなわち、図6(A)中で-Z方向への変位が生じたことを意味する。また、灰色の領域は、0mm以上、15mm以下の+Z方向への変位が生じたことを意味する。また、黒色の領域は、15mmを超える+Z方向への変位が生じたことを意味する。
一方、図6(B)中には、比較例に係る筋かい金具10Fの構造モデルが例示されている。筋かい金具10Fの第1接合部14には、1枚の板状の取付け片14Fが、本体板12の一方側(図6(B)中の本体板12より左下側)にのみ突出して配置されている。また、第2接合部16には、1枚の板状の取付け片16Fが、第1接合部14の取付け片14Fの突出する側と同じ側である、本体板12の一方側にのみ突出して配置されている。
比較例では、図6(B)中の第1接合部14に設けられた6個のビス孔のすべてにビスが挿通された場合を設定した。また、図6(B)中の第2接合部16に設けられた6個のビス孔のうち最も右側のビス孔、このビス孔の左下に位置する2個のビス孔、最も左側のビス孔、及びこのビス孔の右上に位置する2個のビス孔の4個のビス孔に、それぞれビスが挿通された場合を設定した。また、図6(B)中の本体板12に設けられた6個のビス孔18A1~18A6のすべてにビスが挿通された場合を設定した。
そして、比較例においても、本実施形態に係る筋かい金具10の場合と同様に、仕口部おける本体板12に対し、筋かい材の材軸方向に沿って6mm程度の強制変位を与えた。そして、筋かい金具10Fの各部に生じた面外変形の変位(mm)として、図6(B)中のZ方向に沿った変位(変位量)を解析した。
図6(B)のコンター図には、比較例において解析された面外変形の変位(mm)が、白色、灰色及び黒色の3種類の色に分けて表されている。それぞれの色の意味は、本実施形態の場合と同様である。
また、図7(A)のグラフ図には、解析1で得られた、本実施形態の本体板12に入力された強制変位(変位量)の大きさと、本体板12の6個のビス孔18A1~18A6の位置におけるZ方向の面外変形の変位との関係を表す6本の軌跡が示されている。また、図7(B)のグラフ図には、解析1で得られた、比較例の本体板12に入力された強制変位の大きさと、本体板12の6個のビス孔18A1~18A6の位置におけるZ方向の面外変形の変位との関係を表す6本の軌跡が示されている。
解析1で用いられるビス孔18A1~18A6の形状としては、XY平面上に形成される開口面が正円状であると共に、ビス孔18A1~18A6が本体板12の厚み方向(Z方向)に沿って本体板12を貫通するように形成された場合を設定した。また、面外変形の変位が解析される「ビス孔18A1~18A6の位置」は、XYZの3軸方向におけるそれぞれのビス孔18A1~18A6の存在幅における中心位置で設定した。
すなわち、円形状のビス孔の存在する領域に含まれる複数の座標データのうち、例えばX方向において最小値の座標がX1であると共に最大値の座標がX2である場合、ビス孔の中心位置のX座標は「(X2-X1)/2」の値によって定義できる。また、Y方向及びZ方向についても同様に、ビス孔の中心位置のY座標及びZ座標が定義できる。そして、XYZの3軸方向において定義された中心位置における変位を、ビス孔の位置の面外変形の変位として設定できる。
(解析1の結果)
図6(A)に示したように、本実施形態では、0mm以上、15mm以下の+Z方向への変位が、全体的に生じている。また、主に、図6(A)中で本体板12の右側の領域で1.5mm程度、本体板12において6個のビス孔18A1~18A6と第1接合部14との間の領域で1.3mm程度、及び、本体板12において第2接合部16との付け根の領域で、1.5mm程度の-Z方向の変位が生じている。しかし、15mmを超える+Z方向への変位は、生じていない。
一方、図6(B)に示したように、比較例でも、0mm以上、15mm以下の+Z方向への変位が、全体的に生じている。また、図6(B)中で第1接合部14の取付け片14Fの左下側の領域では、0.005mm程度の―Z方向の変位が生じている。また、第2接合部16の取付け片16Fにおいて横架材の延びる方向の両端の領域では、0.008mm程度の-Z方向の変位が生じている。更に、本体板12における第1接合部14の近傍であって、下側に位置する2個のビス孔18A5,18A6の周囲の領域で、15mmを超える+Z方向への変位が生じている。
図6(A)及び図6(B)より、取付け片が交差配置されている本実施形態に係る筋かい金具10の場合、取付け片が交差配置されていない比較例に係る筋かい金具10Fと比べ、15mmを超える大きな面外変形の変位が生じていないことが分かる。
また、図7(A)に示したように、本実施形態では強制変位が大きくなるに従って、本体板12における第1接合部14の近傍で上側に位置するビス孔18A1を除き、残りの5個のビス孔18A2~18A6の位置におけるそれぞれの+Z方向の変位も大きくなる。また、第1接合部14の近傍で上側に位置するビス孔18A1の位置における+Z方向の変位は、強制変位が3mm位に到達するまでは、強制変位の増大に従って大きくなるが、その後は、概ね一定である。
また、本実施形態では、第1接合部14の近傍で下側に位置するビス孔18A5の位置におけるZ方向の変位は、他の5個のビス孔の位置における変位と比べ、最も大きい。本実施形態では、例えば、強制変位が6mmの場合、ビス孔18A5のZ方向の変位は、約10mmである。
一方、図7(B)に示したように、比較例では、強制変位の増大に従って、6個のビス孔18A1~18A6の位置のすべてにおいて、+Z方向の変位が大きくなる。また、比較例でも、本実施形態と同様に、本体板12における第1接合部14の近傍の下側に位置するビス孔18A5の位置のZ方向の変位は、他の5個のビス孔の位置における変位と比べ、最も大きい。しかし、比較例では、強制変位が6mmの場合、ビス孔18A5のZ方向の変位は、17mm以上であり、本実施形態において対応するビス孔18A5のZ方向の約10mmの変位と比べ、1.7倍以上の変位が生じていることが分かる。
図7(A)及び図7(B)から、取付け片が交差配置されている本実施形態に係る筋かい金具10の場合、取付け片が交差配置されていない比較例に係る筋かい金具10Fと比べ、筋かい材22との接合面における面外変形を効果的に抑制できることが分かる。
<解析2:取付け片の交差配置の有無と反力との関係>
解析2では、解析1と同様に、筋かい材の材軸方向に沿って本体板12が強制変位するように、筋かい金具に負荷を与えて本体板12に面外変形を生じさせ、強制変位と筋かい金具から得られた反力(kN)との関係を解析した。図8中には、解析結果から、本実施形態及び比較例のそれぞれにおいて得られた軌跡が示されている。
図8のグラフ図の上側の実線の軌跡は、本実施形態に係る筋かい金具10の本体板12に入力された強制変位(変位量)の大きさと、得られた反力との関係を示す。また、図8のグラフ図の下側の破線の軌跡は、比較例に係る筋かい金具10Fの本体板12に入力された強制変位(変位量)の大きさと、得られた反力との関係を示す。
(解析2の結果)
図8に示すように、本実施形態に係る筋かい金具10の場合、強制変位の増大に従って、得られた反力の値も、途中で低下することなく、右上がりに大きくなる。すなわち、筋かい金具10は顕著な面外変形が抑制されたことで耐力が上昇し、安定した荷重変形関係を示すことが分かる。
一方、比較例に係る筋かい金具10Fの場合、強制変位が1mm位の位置までは、強制変位の増大に従って、得られた反力の値も大きくなる。しかし、強制変位が1mm位を超える辺りの位置で、得られた反力の値が、一旦下降する。すなわち、筋かい金具10Fの面外への変形が顕著に発生し、耐力が低下したことが分かる。
そして、比較例では、強制変位が2mm位を超える辺りで、得られた反力の値は、再び大きくなる。図8より、本実施形態に係る筋かい金具10では、比較例に係る筋かい金具10Fと比べ、耐力の急激な低下が生じないと共に、より大きな反力が得られたことが分かる。すなわち、本実施形態の耐力および剛性は、比較例に比べ、上昇している。
<解析3:断面積減少部の有無と、変位との関係>
図9(A)中には、本実施形態に係る筋かい金具10に断面積減少部20としてのスリットが設けられた場合の構造モデルが例示されている。図9(A)中の筋かい金具10の構造モデルは、スリットを有する点で、図6(A)中の本実施形態に係る筋かい金具10の構造モデルと異なるが、他の構成は同様である。図9(A)中の筋かい金具10の第1接合部14には3枚の第1取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んでY方向に交差して配置されると共に、第2接合部16には3枚の第2取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んでX方向に交差して配置されている。
また、図9(B)中の筋かい金具10の構造モデルは、図6(A)中の本実施形態に係る筋かい金具10の構造モデルと同様である。図9(B)中の筋かい金具10には、図9(A)中の筋かい金具10と異なり、断面積減少部20としてのスリットは設けられていない。また、解析3における解析方法は、解析1で説明した解析方法と同様である。
(解析3の結果)
図9(A)中には、面外変形によって、+Z方向に、4.0mm以上、4.5mm未満の範囲内で変位した領域12Aが、点状のパターンが付されて例示されている。また、本体板12の領域12A以外の部分では、+Z方向の面外変形が生じているが、変位は、4.0mm未満である。すなわち、本実施形態では、+Z方向の面外変形の変位は、4.5mm以下に抑えられている。
一方、図9(B)中には、面外変形によって、+Z方向に4.0mm以上、10mm未満の範囲内で変位した領域12Bが、点状のパターンが付されて例示されている。また、図9(B)中の本体板12における領域12Bの内側には、面外変形によって、+Z方向に10mmを超えて変位した領域12Cが、斜線のパターンが付されて例示されている。すなわち、図9(B)より、比較例では、面外変形の変位の最大値が10.0mm以上である。また、本体板12の領域12B及び領域12C以外の領域では、+Z方向の面外変形が生じているが、変位は、4.0mm以下である。
図9(A)及び図9(B)より、スリットが設けられた方が、本体板12全体において、面外変形をより抑制できることが分かる。特に、6個のビス孔18A1~18A6の周囲の領域における面外変形を抑制できることが分かる。
<解析4:取付け片の個数の違いと面外変形の変位との関係>
図10(A)中には、変形例に係る筋かい金具10A(図4参照)に、断面積減少部20としてのスリットが設けられた場合の構造モデルが例示されている。図10(A)中の筋かい金具10Aの構造モデルは、スリットを有する点で、図4中の変形例に係る筋かい金具10Aと異なるが、他の構成は同様である。
筋かい金具10Aの第1接合部14には、2枚の第1取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んで上下方向に交差して配置されると共に、第2接合部16には2枚の第2取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んで奥行方向に交差して配置されている。
また、図10(B)中の筋かい金具10の構造モデルは、図9(A)中で断面積減少部20としてのスリットが設けられた場合の筋かい金具10の構造モデルと同様である。筋かい金具10の第1接合部14には、3枚の第1取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んでY方向に交差して配置されると共に、第2接合部16には3枚の第2取付け片(符号省略)が、本体板12を挟んでX方向に交差して配置されている。また、解析3における解析方法は、解析1で説明した解析方法と同様である。
また、図11中には、比較例に係る筋かい金具10F(図5参照)に、断面積減少部20としてのスリットが設けられた場合の構造モデルが例示されている。図11中の筋かい金具10Fの構造モデルは、スリットを有する点で、図5中の比較例に係る筋かい金具10Fと異なるが、他の構成は同様である。
また、図10及び図11のコンター図には、解析された面外変形の変位(mm)が、白色、灰色及び黒色の3種類の色に分けて表されている。白色の領域は、-Z方向における5mm以上の変位が生じたことを意味する。また、灰色の領域は、-Z方向における5mm以下、かつ、+Z方向における5mm以下の変位が生じたことを意味する。また、黒色の領域は、+Z方向において5mmを超える変位が生じたことを意味する。解析4における色分け以外の他の解析方法は、解析1で説明した解析方法と同様である。
(解析4の結果)
図10(A)に示したように、第1接合部14及び第2接合部16に2枚の取付け片がそれぞれ設けられた筋かい金具10Aでは、本体板12の右側の領域で、5mmを超える+Z方向への変位が生じている。また、本体板12における2個のビス孔18A5,18A6の周囲の領域で、5mm以上の-Z方向への変位が生じている。また、その他の領域では、-Z方向における5mm以上の変位、又は、+Z方向における5mm以下の変位が、生じている。
また、図10(B)に示したように、第1接合部14及び第2接合部16に3枚の取付け片がそれぞれ設けられた筋かい金具10では、-Z方向における5mm以上の変位は、生じていない。また、5mmを超える+Z方向への変位は、生じていない。筋かい金具10では、全体的に、変位は、-Z方向における5mm以下、かつ、+Z方向における5mm以下の範囲内に収まっている。
一方、図11に示したように、第1接合部14及び第2接合部16に複数枚の取付け片をいずれも有さない比較例に係る筋かい金具10Fでは、本体板12における4個のビス孔18A3~18A6の周囲の領域で、5mmを超える+Z方向への変位が生じている。図10及び図11より、取付け片の枚数が多い筋かい金具の方が、取付け片の枚数が少ない筋かい金具より、筋かい材22との接合面における面外変形を有効に抑制できることが分かる。
(作用効果)
本実施形態に係る筋かい金具10によれば、本体板12における柱材24との接合部では、複数の第1取付け片14A~14Cのうち少なくとも2個の第1取付け片14A~14Cが、本体板12の厚み方向の両側に本体板12を挟んで配置される。このため、2個で一対の第1取付け片14A~14Cによって、本体板12を厚み方向の両側から支持できる。よって、柱材24側の取付け片14Fが本体板12の厚み方向の一方側に偏って張り出し、対を成す取付け片が接合部に設けられていない、比較例に係る筋かい金具10Fと比べ、接合部における接合強度を高めることができる。
加えて、複数の第1取付け片14A~14Cが、柱材24の延びる方向に沿って、本体板12に交互に配置されている。すなわち、第1接合部14におけるある位置において、本体板12の厚み方向の一方側に第1取付け片14A~14Cが設けられている位置の他方側には、第1取付け片14A~14Cは設けられていない。このため、接合面が存在する範囲を、本体板12の厚み方向の両側に確保しつつ、接合面をなす部材の使用量を低減することができる。
一方、本体板12の横架材26との接合部においても、柱材24との接合部と同様に、複数の第2取付け片16A~16Cのうち少なくとも2個の第2取付け片16A~16Cが、本体板12の厚み方向の両側に、本体板12を挟んで配置される。一対の第2取付け片16A~16Cによって、本体板12を厚み方向の両側から支持可能になるので、横架材26との接合部においても、接合強度を高めることができる。
加えて、複数の第2取付け片16A~16Cが、横架材26の延びる方向に沿って、本体板12に交互に配置されている。このため、本体板12の横架材26との接合部においても、柱材24との接合部と同様に、接合面が存在する範囲を、本体板12の厚み方向の両側に確保しつつ、接合面をなす部材の使用量を低減することができる。よって、上記構成に係る筋かい金具10によれば、柱材24との接合部、及び、横架材26との接合部の両方において、入力される偏心荷重に対する耐性を高めることができる。
よって、本実施形態に係る筋かい金具10によれば、筋かい金具10に入力される偏心荷重の影響を緩和し、接合部の接合強度および剛性の低下を抑制できる。
また、本実施形態では、本体板12の柱材24との接合部において、3枚の第1取付け片14A~14Cが、本体板12の厚み方向の両側に配置されるため、2対の第1取付け片14A~14Cによって、本体板12を厚み方向の両側から支持可能になる。
また、3枚の第1取付け片14A~14Cが、柱材24の延びる方向に沿って交互に配置されるため、一方の対を成す2枚の第1取付け片14A,14Bの並設方向と、他方の対をなす2枚の第1取付け片14B,14Cの並設方向とが、異なる。すなわち、本体板12が一方の対の第1取付け片14A,14Bの並設方向と交差すると共に、一方の対とは異なる角度で、他方の対の第1取付け片14B,14Cの並設方向とも交差する。このため、本体板12をより安定的に支持できる。
一方、本体板12の横架材26との接合部においても、柱材24との接合部と同様に、3枚の第2取付け片16A~16Cが、本体板12の厚み方向の両側に配置される。このため、2対の第2取付け片16A~16Cによって、本体板12を厚み方向の両側から支持可能になる。また、本体板12が一対の第2取付け片16A~16Cの並設方向と交差すると共に、一方の対とは異なる角度で、他の一対の第2取付け片16A~16Cの並設方向とも交差するため、本体板12をより安定的に支持できる。
このため、本実施形態によれば、柱材24との接合部、及び、横架材26との接合部の両方における接合強度を、更に高めることができる。なお、第1取付け片を3枚以上設ければ、2対以上の第1取付け片によって本体板12を厚み方向の両側から支持できる。また、第2取付け片を3枚以上設ければ、2対以上の第2取付け片によって本体板12を厚み方向の両側から支持できる。
また、本実施形態では、断面積減少部20の位置における本体板12の面外変形を促進することによって断面積減少部20以外の位置における面外変形の発生を抑制する。このため、本体板12の降伏後の接線剛性の低下を抑制し、安定した最大耐力を確保できる。
また、本実施形態では、比較的簡易な加工で形成可能なスリットによって断面積減少部20を実現できるので、加工負担を抑えることができる。
また、通常、木造住宅では、正面から見て外縁が矩形状のフレームにおける隣接する2個の角部に位置する仕口部のように、2個の仕口部が、左右対称的に配置される場合が多い。ここで、本実施形態に係る筋かい金具10では、第1接合部14と第2接合部16とは、仮想中心線Cに対して互いに線対称に配置されている。
このため、隣接する2個の仕口部において、筋かい金具10と柱材24との接合位置と、筋かい金具10と横架材26との接合位置と、筋かい金具10と筋かい材22との接合位置と、を左右対称的に形成でき、構造上の安定性を高めることができる。また、2種類の異なる筋かい金具10を別々に用意する手間を省略し、1種類の筋かい金具10を用意するだけで済むため、筋かい金具10の加工、及び、現場での施工の合理化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る左右対称的な筋かい金具10を、仮想中心線Cに対して180°回転させて用いる場合、回転前の第1接合部14には回転後に横架材26が接合されると共に、回転前の第2接合部16には回転後に柱材24が接合されることになる。ここで、本開示では、第1接合部に柱材24が接合されると共に第2接合部に横架材26が接合されることになる。このため、本実施形態に係る筋かい金具10を回転させる場合には、回転前と回転後との間で「第1接合部」と「第2接合部」とを互いに読み替えればよい。
<その他の実施形態>
本開示は、上記の実施形態によって説明されたが、この説明は、本発明を限定するものではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。
また、図1~図11中に示した構成を部分的に組み合わせて、本開示に係る筋かい金具を構成することもできる。本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本開示の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
10,10A 筋かい金具
12 本体板
14 第1接合部
14A~14E 第1取付け片
16 第2接合部
16A~16E 第2取付け片
18A1~18A6 ビス孔
20 断面積減少部
22 筋かい材
24 柱材
26 横架材
A 交点
C 仮想中心線

Claims (5)

  1. 木製の柱材と木製の横架材との間に設けられた木製の筋かい材と接合する接合面を有し前記筋かい材の厚み方向における中心から偏心して配置された鋼製の本体板と、
    前記本体板における前記柱材側の端部に、それぞれが前記本体板の厚み方向の両側に前記柱材の延びる方向に沿って交互に配置され前記柱材と接合する板状の複数の第1取付け片を有し、複数の前記第1取付け片の板面のすべて挿入孔を有して前記本体板の板面と交差して設けられた第1接合部と、
    前記本体板における前記横架材側の端部に、それぞれが前記本体板の厚み方向の両側に前記横架材の延びる方向に沿って交互に配置され前記横架材と接合する板状の複数の第2取付け片を有し、複数の前記第2取付け片の板面のすべて挿入孔を有して前記本体板の板面と交差して設けられた第2接合部と、
    を備える、筋かい金具。
  2. 前記第1取付け片及び前記第2取付け片は、いずれも3枚以上設けられている、
    請求項1に記載の筋かい金具。
  3. 前記本体板における前記第1接合部と前記接合面との間の領域、又は、前記本体板における前記第2接合部と前記接合面との間の領域に、断面積減少部が設けられている、
    請求項1又は2に記載の筋かい金具。
  4. 前記断面積減少部は、スリットである、
    請求項3に記載の筋かい金具。
  5. 前記本体板の板面を正面から見て、前記柱材の前記本体板側の外縁と前記横架材の前記本体板側の外縁との交点から前記本体板に向かって延び、前記柱材と前記横架材との間に形成される角度を2等分する仮想中心線を設定した場合、
    前記第1接合部と前記第2接合部とは、前記仮想中心線に対して互いに線対称に配置されている、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の筋かい金具。
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