JP7398734B2 - 引き戸の制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、引き戸を開閉する際の制動装置に関するものである。
従来から、建物の開口部には、ガイドレールに沿って移動する引き戸が設置されている。近年では、引き戸を閉じる際に、閉鎖位置(開口部を完全に塞ぐ位置)まで引き戸を自動的に移動させる自閉式の引き戸が使用されるようになってきている。
このような自閉式の引き戸では、引き戸を閉鎖する際(閉鎖位置まで移動させる際)に、引き戸が勢いよく戸枠に衝突して衝撃音を発生させたり、誤って手指を引き戸と戸枠の間に挟んだりすることが問題となっていた。
このような問題を解決するために、引き戸を閉鎖位置の近傍において制動する引き戸の制動装置が開発されている。例えば、特許文献1では、両端に係止溝を有するケーシングと、ダンパと、ダンパの両端にそれぞれ軸支された一対のフック部材と、フック部材間に架け渡されたバネとからなる引戸の戸閉具が開示されている。
特開2009-127293号公報
ところで、特許文献1の戸閉具を含む従来の引き戸の制動装置では、一対のフック部材間にバネが架け渡されているため、フック部材が係止溝から離脱して移動を開始すると、これと同時にダンパが作動するようになっていた。そのため、バネによる引込力によってダンパの制動力が阻害されていた。
そこで、本発明は、バネによる引込力によってダンパによる制動力が阻害されにくい、引き戸の制動装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の引き戸の制動装置は、戸枠に対する戸板の移動を制御する引き戸の制動装置であって;前記戸枠は、前記戸板に向かって突出するように所定位置に配置されるバネトリガ及びダンパトリガを備え;前記戸板は、長手方向の両端近傍にそれぞれ係止溝が設けられたケーシングと、前記ケーシングの長手方向に沿ってそれぞれ移動する一対のバネスライダと、前記一対のバネスライダ間に架け渡された引張弾性体と、シリンダ部とロッド部とを有するダンパと、前記シリンダ部及び前記ロッド部にそれぞれ取り付けられて前記ケーシングの長手方向に沿って移動する一対のダンパスライダと、を備え;前記戸板を移動させる際に、一方の前記ダンパスライダが前記ダンパトリガに衝突するようにされ、かつ、一方の前記バネスライダが前記バネトリガに衝突して、前記バネスライダが前記ケーシングの前記係止溝から離脱するようにされている。
このように、本発明の引き戸の制動装置は、戸枠は、バネトリガ及びダンパトリガを備え;戸板は、ケーシングと一対のバネスライダと、一対のバネスライダ間に架け渡された引張弾性体と、ダンパと、一対のダンパスライダと、を備え;戸板を移動させる際に、一方のダンパスライダがダンパトリガに衝突するようにされ、かつ、一方のバネスライダがバネトリガに衝突して、バネスライダがケーシングの係止溝から離脱するようにされている。このように、バネスライダとダンパスライダが別体として構成されていることで、バネによる引込力によってダンパによる制動力が阻害されにくい、引き戸の制動装置となる。
戸枠及び戸板の全体構成を破断して説明する正面図である。(a)は開状態であり、(b)は制動開始時(ダンパスライダ衝突時)であり、(c)は閉状態である。 引き戸の制動装置の側面図である。 引き戸の制動装置のケーシングを省略して内部機構を示す側面図である。 引き戸の制動装置の断面図である。 図4のA部の拡大断面図である。 引き戸の制動装置の構成を分解して説明する分解斜視図である。 引き戸の制動装置のダンパスライダ衝突時の断面図である。 引き戸の制動装置のバネスライダ衝突時の断面図である。 誤動作復帰嵌合時のバネスライダとバネトリガの説明図である。(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。 誤動作復帰嵌合時のバネスライダとバネトリガの作用図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例では、戸板を上部に配置されたガイドローラ(吊車)で吊下支持されている場合について説明するが、これは例示であって、この例に限定されるものではない。下部に配置されたガイドローラによって支持される戸板にも本発明を適用することができる。
(全体構成)
まず、図1を用いて、引き戸1の全体構成を説明する。引き戸1は、戸枠10と、戸板11と、によって開口部90を塞ぐように構成されている。戸枠10は、四角形の枠体であり、その内部に左右にスライド移動できるように戸板11が設置されている。
戸板11は、四角形に形成されており、上部に配置されたガイドローラ12、13によって吊り下げ支持されている。すなわち、戸枠10の上枠部材には下向きのC字状断面のレール(チャンネル部材)10aが取り付けられており、このレール10aの内部をガイドローラ12、13が走行(転動)することによって、戸板11が吊り下げられた状態でスライド移動するようになっている。この他、下部には、下部レール11b及び下部ガイド10bが設置されていることが好ましい。
さらに、本実施例の戸板11の上縁近傍には、両端のガイドローラ12、13の間に、戸枠10に対する戸板11の移動を制御する引き戸の制動装置2が設置されている。この引き戸の制動装置2の詳細な構成については後述する。引き戸の制動装置2は、図1(a)に示す開状態では制動機能を発揮せず、図1(b)に示す戸板11を閉める方向に移動させる途中の所定の位置(制動開始時)から、図1(c)に示す閉状態まで、制動機能を発揮するようになっている。
(引き戸の制動装置の構成)
そして、本実施例の引き戸の制動装置2は、図2~図6に示すように、戸枠10側の構成として、バネトリガ32及びダンパトリガ31を備えるとともに;戸板11側の構成として、ケーシング40と、一対のバネスライダ51、52と、一対のバネスライダ51、52間に架け渡された引張弾性体であるバネ53と、ダンパ63と、一対のダンパスライダ61、62と、を備えている。そして、引き戸の制動装置2は、戸板11を戸閉まり方向に移動させる際に、一方側のダンパスライダ61(62)がダンパトリガ31に衝突するようにされ、所定の時間差(位相差)の後に、同じ一方側のバネスライダ51(52)がバネトリガ32に衝突して、バネスライダ51(52)がケーシング40の係止溝40bから離脱してスライド溝40a内を摺動するようにされている。
(戸枠側の構成)
前述したように、引き戸の制動装置2は、戸枠10側の構成として、バネトリガ32及びダンパトリガ31を備えている。なお、図示しないが、バネトリガ32及びダンパトリガ31は、戸枠10の右端近傍にも配置されている(図1参照)。バネトリガ32は、戸枠10に固定されるベース部と、ベース部から突出する突起32aと、突起32aよりも中央寄りに配置された誤動作復帰用の鉤状のキャッチ部32bと、を一体に備えている。このベース部は、タッピング等によって戸枠10に固定される。このベース部には、複数の取付孔(本実施例では3つ)が形成されており、いずれかの取付位置を選択することによって、ダンパトリガ31に対する距離(位相差)を調整できるようになっている。
さらに、下方に向かって突出する突起32aには、後述するバネスライダ51(52)の凹部51aが嵌合するようになっている。また、キャッチ部32bには、バネスライダ51(52)が誤動作によって突起32aと嵌合しなかった場合でも、バネスライダ51(52)の凹部51aの中央寄りの壁部が係止・保持されるようになっている。
ダンパトリガ31は、戸枠10に固定されるベース部と、ベース部の端面であるストッパ面31aと、を備えている。このベース部は、タッピング等によって戸枠10に固定される。このストッパ面31aには、後述するダンパスライダ61(62)の突起61aが衝突(当接)するようになっている。
そして、ダンパトリガ31は、バネトリガ32よりも中央寄りの位置に所定の距離をおいて設置されているため、先にダンパスライダ61(62)がダンパトリガ31に衝突し、所定の時間差(位相差)をおいて、後にバネスライダ51(52)がバネトリガ32に嵌合するようになっている。
この際、ダンパトリガ31のストッパ面31aは、バネトリガ32の突起32aのよりも上方に位置しており、バネスライダ51(52)の移動を妨げないようになっている。つまり、バネスライダ51(52)は、ダンパスライダ61(62)よりも外側に位置しているため、先にダンパトリガ31の位置を通過するが、ダンパトリガ31が上方に位置しているため、これとは接触しないようになっている。
また、ダンパトリガ31及びバネトリガ32は、戸枠10の開閉方向の両方の端部に配置されていることで、戸板11を第一の方向に移動させた場合の終端近傍と、戸板11を第一の方向とは反対方向である第二の方向に移動させた場合の終端近傍と、の両方において動作するようになっている。例えば、図中の左方向に移動させた場合には左のダンパトリガ31とダンパスライダ61が衝突し、その後、左のバネトリガ32とバネスライダ51が嵌合する。逆に、図中の右方向に移動させた場合には右のダンパトリガ31とダンパスライダ62が衝突し、その後、右のバネトリガ32とバネスライダ52が嵌合する。
(戸板側の構成)
前述したように、引き戸の制動装置2は、戸板11側の構成として、ケーシング40と、一対のバネスライダ51、52と、一対のバネスライダ51、52間に架け渡された引張弾性体であるバネ53と、ダンパ63と、一対のダンパスライダ61、62と、を備えている。ケーシング40は、金属や合成樹脂などによって、上部が開いたコ字状に形成されるものであり、その側面には、戸板11の開閉方向に延びるスライド溝40aと、スライド溝40aの外寄りの位置で分岐された係止溝40bと、が形成されている。スライド溝40aは、バネスライダ51(52)がバネトリガ32に嵌合している場合に、バネスライダ51(52)が回転軸57を回転中心として(図中の)時計回りに回転した状態で、バネスライダ51(52)の回転軸57及び移動軸58を開閉方向に案内するものである。係止溝40bは、バネスライダ51(52)がバネトリガ32に嵌合していない場合に、バネスライダ51(52)が回転軸57を回転中心として(図中の)反時計回りに回転した状態で、移動軸58を保持するものである。
バネスライダ51、52は、後述する引張弾性体としてのバネ53の両端に取り付けられるケース55、56に、それぞれ回転軸57を介して揺動(回転)自在に支持されている。バネスライダ51(52)は、バネトリガ32に嵌合する凹部51aと、回転軸57について凹部51aの反対側に配置される移動軸58と、を備えている。この回転軸57は、回転軸57は、バネスライダ51(52)の側方から突出しており、ケーシング40のスライド溝40a内を摺動する。
そして、移動軸58は、バネスライダ51(52)の揺動によって、ケーシング40のスライド溝40a又は係止溝40bのいずれかに配置されるようになっている。すなわち、バネスライダ51(52)がバネトリガ32と嵌合して揺動されると、係止溝40bを脱してスライド溝40aに移動する。他方、バネスライダ51(52)がバネトリガ32と嵌合していなければ、係止溝40bに留まるようになっている。
すなわち、バネスライダ51(52)がバネトリガ32と嵌合すると、バネ53がロック解除されて収縮するようになり、バネスライダ51(52)がバネトリガ32と嵌合しないと、バネ53がロックされて収縮しないようになる。この際、本実施例の引き戸の制動装置2では、ダンパ63の動作は、ダンパスライダ61(62)とダンパトリガ31との位置関係のみによって決定されるものであり、ここで説明したバネスライダ51(52)及びバネ53の動作とは関連付けられていない。
バネ53は、いわゆるつるまきバネ(コイルスプリング)であり、一方の端部が(第1の)バネスライダ51を有する(第1の)ケース55に繋げられるとともに、他方の端部が(第2の)バネスライダ52を有する(第2の)ケース56に繋げられる。
そして、(第1)のバネスライダ51が(第1)のバネトリガ32に嵌合・固定されると、(第2の)バネスライダ52及びこれと一体になっている戸板11を(第1の)バネトリガ32の方向に引っ張る。逆に、(第2の)バネスライダ52が(第2の)バネトリガ32に嵌合・固定されると、(第1の)バネスライダ51及びこれと一体になっている戸板11を(第2の)バネトリガ32の方向に引っ張る。この際、後述するダンパ63によって抵抗を受けて、戸板11はゆっくりと移動するようになる。
ダンパ63は、ロッド部63aとシリンダ部63bによって構成される、オイルダンパ又はエアダンパである。ダンパ63は、ダンパトリガ31に対する衝撃を吸収する機能と、バネ53の引込力による移動の速度を減衰させる機能と、を有している。
ロッド部63aとシリンダ部63bには、それぞれ(第1の)ダンパスライダ61と(第2の)ダンパスライダ62が取り付けられている。これらのダンパスライダ61、62は、ケーシング40のL字形に形成された上縁に篏合して摺動するようになっている。そして、ダンパスライダ61(62)には、上方に突出した突起61a(62a)が形成されている。そして、突起61a(62a)は、戸板11が外側に向けて所定位置まで移動するとダンパトリガ31のストッパ面31aに当接(衝突)するように配置されている。
そして、前述したバネスライダ51(52)と、ダンパスライダ61(62)とは、位相差復帰バネ70によって、互いに連繋されている。そして、位相差復帰バネ70は、自然長の状態(伸びも縮みもしていない状態)で、バネスライダ51(52)とダンパスライダ61(62)の距離(位相差)が所定の値となるように調整されている。したがって、閉じた状態(フルストローク時)から戸板11を開く際には、バネスライダ51(52)の移動に伴って、バネスライダ51(52)によって引っ張られるようにしてダンパスライダ61(62)も移動する。
(作用)
次に、図7、図8を用いて、本実施例の引き戸の制動装置2の作用について説明する。まず、図7(a)~(c)を用いて、引き戸の制動装置2のダンパスライダ衝突時の作用について説明する。開いた状態の戸板11を手で持って、戸枠10に向かってスライドさせていくと、ダンパスライダ61(62)がダンパトリガ31と衝突する。そうすると、ダンパ63によってスライド移動の衝撃(運動エネルギー)のピーク値付近が熱エネルギーに変換されて吸収される。したがって、戸板11の衝突は緩和されることになる。
一方、ダンパスライダ衝突時の状態では、バネスライダ51(52)の移動軸58はケーシング40の係止溝40bに嵌合しているため、バネスライダ51(52)の位置は固定されたままであり、バネ53は伸びたままで弾性力(縮もうとする力)を保持した状態となっている。
次に、図8(a)~(c)を用いて、引き戸の制動装置2のバネスライダ衝突時の作用について説明する。ダンパスライダ衝突後に、さらに戸板11をそのまま戸枠10に向かってスライドさせていくと、所定の位相差の後に、バネスライダ51(52)がバネトリガ32と衝突する。
そうすると、バネスライダ51(52)の凹部51aがバネトリガ32の突起32aと嵌合し、バネスライダ51(52)の移動軸58はケーシング40の係止溝40bからスライド溝40aに移動(離脱)する。したがって、バネスライダ51(52)はスライド移動可能となり、バネ53は弾性力(縮もうとする力)によって縮もうとして、反対側のバネスライダ52(51)及びこれと一体の戸板11を引き寄せることになる。
このバネスライダ衝突後の状態では、ダンパ63によって戸板11の引込み移動の運動エネルギー(バネの弾性エネルギーに起因する)が熱エネルギーに変換されて吸収される。したがって、バネ53のみによって引き込む場合と比べると、戸板11の速度は抵抗を受けて減速されることになる。
(誤動作復帰)
次に、図9、図10を用いて、本実施例の引き戸の制動装置2の誤動作復帰構造と、その作用について説明する。まず構造について説明すると、図9(a)~(c)に示すように、誤動作復帰構造として、バネトリガ32の突起32aよりも内寄り(戸板11を開く側)に、キャッチ部32bが形成されている。このキャッチ部32bは、全体として内向きのコ字状(C字状)に形成されており、両方の先端部が鉤状に形成されている。そして、この鉤状の先端部によって、バネスライダ51(52)の凹部51aの内側の側壁部を掛止するようになっている。
次に、誤動作復帰構造の作用について説明すると、図10(a)~(c)に示すように、誤動作が生じると、正常動作においてバネトリガ32と嵌合するはずのバネスライダ51がバネトリガ32と嵌合しない。そうすると、バネ53の弾性力(縮もうとする力)によって、反対側のバネスライダ52及びこれと一体の戸板11を引き寄せようとする。ところが、バネスライダ51はバネトリガ32と嵌合していないため、バネスライダ51はバネスライダ52側(図中、右側)に引き寄せられる。
そうすると、このバネスライダ51の移動は、バネトリガ32のキャッチ部32bによって阻止される。すなわち、バネスライダ51の凹部51aがキャッチ部32bに捕捉される。その後、バネスライダ51が捕捉・固定されると、戸板11はバネスライダ51側(図中、左側)に引き寄せられることになる。なお、誤動作状態では、キャッチ部32b(異常動作の位置)と突起32a(正常動作の位置)の距離の分だけ、戸板11と戸枠10の間に隙間が生じている。
そして、誤動作状態から復帰させる際には、戸板11を開いてバネスライダ51の移動軸58をケーシング40の係止溝40bに嵌合させると、正常状態に復帰する。つまり、特に誤動作状態を意識することなく、戸板11を開く通常の動作をすることによって、バネスライダ51を正常動作の位置へと復帰させることができる。
(効果)
次に、本実施例の引き戸の制動装置2の奏する効果を列挙して説明する。
(1)上述してきたように、本実施例の引き戸の制動装置2は;戸枠10は、バネトリガ32及びダンパトリガ31を備え;戸板11は、係止溝40bが設けられたケーシング40と、ケーシングの長手方向に沿ってそれぞれ移動する一対のバネスライダ51、52と、一対のバネスライダ51、52間に架け渡されたバネ53と、ロッド部63aとシリンダ部63bとを有するダンパ63と、ロッド部63a及びシリンダ部63bにそれぞれ取り付けられてケーシングの長手方向に沿って移動する一対のダンパスライダ61、62と、を備え;戸板11を移動させる際に、一方のダンパスライダ61(62)がダンパトリガ31に衝突するようにされ、かつ、一方のバネスライダ51(52)がバネトリガ32に衝突して、バネスライダ51(52)がケーシング40の係止溝40bから離脱するようにされている。このように、バネスライダ51(52)とダンパスライダ61(62)が別体として構成されていることで、バネ53による引込力によってダンパ63による制動力が阻害されにくい、引き戸の制動装置2となる。さらに、バネスライダ51(52)とダンパスライダ61(62)とは、開閉方向にみると重なっており直列の位置関係にあるため、装置全体を狭い空間に配置できる。
つまり、従来のように、ダンパの両端に一対のスライダが取り付けられて、スライダ間にバネが架け渡されると、バネによるスライダの移動とダンパによる衝撃吸収とが同時に生じるため、互いに機能を阻害することになっていた。これに対して本実施例の構成であれば、バネスライダ51(52)の移動と、ダンパスライダ61(62)の移動と、が切り離されているため、互いに機能を阻害することはない。逆に言うと、同等の制動力が必要であれば、ダンパ63として弱いものを使用することができる。
より具体的に言うと、本実施例の引き戸の制動装置2では、ダンパ63用のダンパスライダ61(62)がダンパトリガ31に衝突した後に、バネ53用のバネスライダ51(52)がバネトリガ32に嵌合(衝突)するようになっているため、ダンパ63によって衝撃のピーク値が吸収された後に、バネ53の力で戸板11を引き込んでいくことになる。
さらに、本実施例では、バネストローク(バネの移動距離)を短くすることによって、従来よりも弱いバネ53を使用することが可能となる。つまり、バネストロークが長い場合には、より変位や荷重の大きい領域で引き込むことになるため、(閉じ荷重を一定とすれば)バネとして強いバネを使用する必要がある。これに対してバネストロークが短い場合には、より変位や荷重の小さい領域で引き込むことになるため、(閉じ荷重を一定とすれば)バネとして弱いバネを使用することができるようになる。そうすると、逆に戸板11を開ける際の荷重を小さくすることができるのである。
(2)また、ダンパスライダ61(62)のダンパトリガ31に対する衝突と、バネスライダ51(52)のバネトリガ32に対する衝突と、の間には、所定の位相差が設けられていることが好ましい。このように構成すれば、衝撃のピークをダンパ63によって吸収した後、バネ53による引き込み動作へと、動作を滑らかに遷移させることができる。
(3)さらに、バネスライダ51(52)とダンパスライダ61(62)との間に架け渡されて、位相差を所定の位相差に復帰させる位相差復帰バネ70をさらに備えることが好ましい。このように構成すれば、位相差を設定値に復帰させることができる。つまり、本実施例では、ダンパスライダ61(62)とバネスライダ51(52)とが直接的に連繋されていないため、バネスライダ51(52)が戸板11の移動に伴って待機状態の位置まで戻っても、ダンパスライダ61(62)は縮んだままの状態となってしまう。そこで、ダンパスライダ61(62)とバネスライダ51(52)を位相差復帰バネ70で繋ぐことによって、バネスライダ51(52)によってダンパスライダ61(62)を引っ張ることで戻の位相差まで復帰させることができるようになる。
(4)また、バネトリガ32及び/又はダンパトリガ31の少なくともいずれか一方には、複数の取付孔が形成されて、互いに対する相対的な距離を調整できるようになっている。このように構成すれば、使用形態や好みに応じて、位相差を最適な値に調整することができる。
(5)さらに、ケーシング40の上縁には長手方向に沿ってレールが形成され、ダンパスライダ61、62は、このレールに嵌合して摺動するようになっていることが好ましい。このようにすれば、特別にレールを設けることなく、ダンパスライダ61、62を開閉方向に案内することができる。
(6)また、バネトリガ32は、バネスライダ51(52)の誤動作復帰用のキャッチ部32bをさらに有することが好ましい。このように構成すれば、誤動作によって引き込みが不全となった場合でも、戸板11を一旦開いて閉じると、自動的にバネスライダ51(52)の凹部51aがバネトリガ32と嵌合して、移動軸58が係止溝40bに嵌入して正常に動作するようになる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例ではバネトリガ32とダンパトリガ31は別体に形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、バネトリガ32とダンパトリガ31は一体に形成されていてもよい。
また、実施例では、バネトリガ32に複数の取付孔が形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ダンパトリガ31に複数の取付孔を設けてもよい。
1 引き戸
10 戸枠
10a レール
10b 下部ガイド
11 戸板
11b 下部レール
12 ガイドローラ
13 ガイドローラ
2 引き戸の制動装置
31 ダンパトリガ
31a ストッパ面
32 バネトリガ
32a 突起
32b キャッチ部
40 ケーシング
40a スライド溝
40b 係止溝
51 (第1の)バネスライダ
51a 凹部
52 (第2の)バネスライダ
53 バネ(引張弾性体)
55 ケース
56 ケース
57 回転軸
58 移動軸
61 (第1の)ダンパスライダ
61a 突起
62 (第2の)ダンパスライダ
63 ダンパ
63a ロッド部
63b シリンダ部
70 位相差復帰バネ
90 開口部

Claims (6)

  1. 戸枠に対する戸板の移動を制御する引き戸の制動装置であって;
    前記戸枠は、
    前記戸板に向かって突出するように所定位置に配置されるバネトリガ及びダンパトリガを備え;
    前記戸板は、
    長手方向の両端近傍にそれぞれ前記戸板の開閉方向に延びるスライド溝と、前記スライド溝の外寄りの位置で分岐された係止溝と、が設けられたケーシングと、
    前記ケーシングの長手方向に沿ってそれぞれ移動する一対のバネスライダと、
    前記一対のバネスライダ間に架け渡された引張弾性体と、
    シリンダ部とロッド部とを有するダンパと、
    前記シリンダ部及び前記ロッド部にそれぞれ取り付けられて前記ケーシングの長手方向に沿って移動する一対のダンパスライダと、を備え;
    前記スライド溝は、前記バネスライダが前記バネトリガに嵌合している場合に、前記バネスライダが回転軸を回転中心として正回転して、前記バネスライダの回転軸及び移動軸を前記戸板の開閉方向に案内するようにされ、
    前記係止溝は、前記バネスライダが前記バネトリガに嵌合していない場合に、前記バネスライダが回転軸を回転中心として逆回転して、前記バネスライダの前記移動軸を保持するようにされており、
    前記戸板を移動させる際に、
    一方の前記ダンパスライダが前記ダンパトリガに衝突するようにされ、かつ、
    一方の前記バネスライダが前記バネトリガに衝突して嵌合することで、前記バネスライダの前記移動軸が前記ケーシングの前記係止溝から離脱して前記スライド溝に移動するようにされている、引き戸の制動装置。
  2. 前記ダンパスライダの前記ダンパトリガに対する衝突と、前記バネスライダの前記バネトリガに対する衝突と、の間には、所定の位相差が設けられている、請求項1に記載された引き戸の制動装置。
  3. 前記バネスライダと前記ダンパスライダとの間に架け渡される位相差復帰バネをさらに備える、請求項1又は請求項2に記載された引き戸の制動装置。
  4. 前記バネトリガ及び/又は前記ダンパトリガの少なくともいずれか一方には、複数の取付孔が形成されて、相対的な距離を調整できるようになっている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された引き戸の制動装置。
  5. 前記ケーシングの上縁には長手方向に沿ってレールが形成され、前記ダンパスライダは、前記レールに嵌合して摺動するようになっている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された引き戸の制動装置。
  6. 前記バネトリガは、前記バネスライダの誤動作復帰用のキャッチ部をさらに有する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された引き戸の制動装置。
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