JP5721678B2 - 引込み装置ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、建築物又は家具の開き戸に引込み力を付与する引込み装置ユニットに関する。
開き戸に引込み力を付与する引込み装置ユニットとして、枠に取り付けられる引込み装置と、開き戸に取り付けられるトリガと、を備える引込み装置ユニットが知られている(例えば特許文献1参照)。引込み装置には、トリガを掴む引込みアームが設けられる。引込みアームがトリガを引き込むことで、開き戸が自動的に閉じられる。
図22に示すように、引込み装置5は、枠1に取り付けられるケース2と、ケース2に対して開き方向及び閉じ方向に回転可能な引込みアーム3と、引込みアーム3が開いた状態を維持するように付勢力を与えるコイルばね(図示せず)と、を備える。コイルばねは、開いた状態の引込みアーム3が閉じ方向に所定角度以上回転するとき、引込みアーム3に閉じ方向の付勢力を与える。
引込みアーム3がトリガ4を引き込むきっかけは、トリガ4が引込みアーム3に当接することによる。トリガ4が引込みアーム3に当接すると、引込みアーム3が閉じ方向に回転する。引込みアーム3が閉じ方向に所定角度以上回転すると、コイルばねの付勢力によってトリガ4を介して開き戸6に引込み力が付与される。
この引込み装置によれば、開き戸を所定角度以上に開くと、引込みアーム3とトリガ4との係合が外れるので、少ない力で開き戸を開くことができるという効果がある。
特開2009−263964号公報
従来の引込み装置ユニットにあっては、開き戸を開くとき、上述のように引込みアーム3とトリガ4とが離れる。引込み装置ユニットを円滑に作動させるためには、引込みアーム3とトリガ4とが当接するように、引込みアーム3及びトリガ4の位置を調節する必要がある。しかし、引込みアーム3とトリガ4との間の距離が離れている従来の引込み装置ユニットにあっては、引込みアーム3及びトリガ4の位置を調節するために、開き戸6を開いたり、閉じたりする動作を繰り返す必要があり、引込みアーム3及びトリガ4の位置の調節がしにくいという課題がある。
そこで本発明は、開き戸を開いたときにも、引込みアームとトリガとを接近させることができる引込み装置ユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとがスライド可能に連結される連結リンクと、前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、前記開き戸を閉じるとき、前記第一のリンクに回転可能にかつスライド可能に係合する前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニットである。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の引込み装置ユニットにおいて、前記連結リンクには、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの長さが所定値以上になるのを制限するストッパが設けられることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の引込み装置ユニットにおいて、前第一のリンク及び前第二のリンクのいずれか一方には、弾性変形可能な凸部が設けられ、他方には前凸部が嵌まる凹部が設けられることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の引込み装置ユニットにおいて、前記開き戸が全閉状態から全開状態に至るまでの間、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクに係合し続けることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとが連結される連結リンクと、前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、前記引込みアーム及び前記第一のリンクのいずれか一方には、長穴又は溝が形成され、前記引込みアーム及び前記第一のリンクの他方には、前記長穴又は前記溝に嵌まるピンが設けられ、前記開き戸を閉じるとき、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニットである。
請求項に記載の発明は、開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとが連結される連結リンクと、前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、前記引込みアームは、前記第一のリンクの長手方向にスライド可能であると共に、前記引込みアームの先端部に回転可能に連結されるスライダを有し、前記開き戸を閉じるとき、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニットである。
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の引込み装置ユニットにおいて、前記開き戸が所定角度以上開いてから全開状態に至るまでの間、前記引込みアームが前記開いた状態を維持するように付勢力が与えられることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、開き戸が開いたときにも、引込みアームと第一のリンク(トリガ)とが接近した状態を保つ。したがって、引込み装置の位置の調節が容易になる。
請求項に記載の発明によれば、連結リンクに開き戸の開き角度を制限する機能を付加できるので、開き戸に当接する戸当たりを別途設ける必要がなくなる。
請求項に記載の発明によれば、開き戸が開いた状態を維持することが可能になる。
請求項に記載の発明によれば、引込み装置の誤動作、すなわち、引込みアームが第一のリンクに係合せずに閉じた状態になるのを防止できる。
請求項又はに記載の発明によれば、引込みアームに第一のリンクを回転可能にかつスライド可能に係合させることができる。
請求項に記載の発明によれば、開き戸が所定角度以上開いてから全閉状態になるまでの間、開き戸に引込みアームから閉じ方向の引込み力が付与されるのを防止できる。したがって、少ない力で開き戸を開くことができる。
本発明の第一の実施形態の引込み装置ユニットの斜視図 引込み装置の外観斜視図 引込み装置の分解斜視図 引込み装置の動作図(図4(a)は引込みアームが開いた状態を示し、図4(b)は思案点の状態を示し、図4(c)は引込みアームが閉じた状態を示す) 連結リンクの斜視図(図5(a)は連結リンクが伸長した状態を示し、図5(b)は連結リンクが縮小した状態を示す) 連結リンクの詳細図(図6(a)は側面図を示し、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図を示す) 連結リンクの断面図(図7(a)は図7(c)のD部拡大図を示し、図7(b)は図7(c)のE部拡大図を示す) 連結リンクの断面図(図8(a)は図8(b)のA部拡大図を示す) 引込み装置及び連結リンクの動作図(開き戸が全開状態) 引込み装置及び連結リンクの動作図(開き戸の開き度60°) 引込み装置及び連結リンクの動作図(開き戸の開き度30°) 引込み装置及び連結リンクの動作図(開き戸が全閉状態) 開き戸の開閉動作に伴う引込みアームとピンの位置関係を示す図 本発明の第二の実施形態の引込み装置ユニットの斜視図 本発明の第二の実施形態の引込み装置の外観斜視図 本発明の第二の実施形態の引込み装置の分解斜視図 本発明の第二の実施形態の引込み装置ユニットの平面図(開き戸が全開状態) 本発明の第三の実施形態の引込み装置ユニットの平面図(開き戸が全開状態) 本発明の第三の実施形態の引込み装置ユニットの平面図(開き戸の開き度30°) 本発明の第四の実施形態の引込み装置ユニットの平面図(開き戸が全開状態) 本発明の第五の実施形態の引込み装置ユニットの斜視図(開き戸が全開状態) 従来の引込み装置ユニットの斜視図
以下添付図面に基づいて本発明の第一の実施形態の引込み装置ユニットを詳細に説明する。図1は、引込み装置ユニットの斜視図を示す。引込み装置ユニットは、引込みアーム11を有する引込み装置と、トリガとしてのピン12を有する連結リンク15と、を備える。枠16には、ヒンジ17(図9参照)を介して開き戸18が垂直軸たるヒンジ軸19(図9参照)の回りを回転可能に取り付けられる。枠16と開き戸18との間には、連結リンク15が架け渡される。連結リンク15は、一端部が枠16に垂直軸の回りを回転可能に連結され、他端部が開き戸18に垂直軸の回りを回転可能に連結される。連結リンク15は、互いにスライド可能な第一のリンクとしてのアウターレール13と、第二のリンクとしてのインナーレール14と、を備える。開き戸18の開閉動作に伴って、連結リンク15が伸縮する。
開き戸18の上面には、引込み装置21(図2参照)が埋め込まれる。開き戸18の上面には、連結リンク15との干渉を避けるために、開き戸18の上面から一段掘り下げた第一の切り込み18aが形成される。第一の切り込み18aに引込み装置21が埋め込まれる。第一の切り込み18aにはさらに、第一の切り込み18aから一段掘り下げた第二の切り込み18bが形成される。引込み装置21の引込みアーム11は第二の切り込み18bから側方に出没する。
引込みアーム11はアウターレール13のピン12に係合する。引込みアーム11には、ピン12が嵌まる長穴11aが形成される。開き戸18が全閉状態から全開状態まで至る間、アウターレール13のピン12は引込みアーム11に嵌まったままである。
図2ないし図4を参照しつつ、引込み装置21の構成を説明する。図2は、引込み装置21の外観斜視図を示す。引込み装置21は、開き戸18の上面に取り付けられるケース22と、ケース22から露出する引込みアーム11と、を備える。ケース22は開き戸18の上面に沿って細長い直方体形状に形成される。ケース22には長さ方向の両端部に一対の止め金22aが設けられる。ケース22は止め金22aを介して開き戸18の上面に固定される。ケース22の上部には切り欠き22bが形成される。この切り欠き22bから引込みアーム11が露出する。引込みアーム11が垂直軸の回りを回転するとき、引込みアーム11の先端部はケース22の側方に突出する。
図3は、引込み装置21の分解斜視図を示す。ケース22の長さ方向の中央部には、引込みアーム11が垂直軸の回りを回転可能に設けられる。ケース22の、引込みアーム11を挟んだ一方の側には、引込みアーム11を回転駆動させるクランク機構26が設けられる。ケース22の引込みアーム11を挟んだ他方の側には、引込みアーム11に制動力を付与するダンパ機構27が設けられる。
ケース22は、上壁部22−1と、左右一対の側壁部22−2と、を有する。ケース22の下面及び長さ方向の両端部には、部品を組み込むための開口22cが形成される。
引込みアーム11は、長穴11aが形成される板状のアーム本体23と、アーム本体23に結合されるアームブロック24と、を備える。アーム本体23とアームブロック24とは三つの軸、すなわちアーム軸28、クランク連結軸29、ダンパ連結軸30によって結合される。アーム軸28の先端はケース22に結合される。アーム軸28には、アームブロック24、アーム本体23及びワッシャ31が通される。アーム本体23及びアームブロック24はアーム軸28の回りを回転する。アームブロック24の側面には、クランク機構26のリンク32が挿入可能なスリット24aが形成される。また、アームブロック24の側面には、ダンパ機構27のスライドブロック33が挿入可能な切り欠き24bが形成される。
クランク機構26は、ケース22に長さ方向にスライド可能に支持されるスライドブロック41と、スライドブロック41に一端部が回転可能に連結されると共に、引込みアーム11に他端部が回転可能に連結されるリンク32と、スライドブロック41を引込みアーム11に向かって押す付勢手段としてのコイルばね42と、コイルばね42を支持する支持ブロック43と、コイルばね42のばね力を調整するばね力調整機構44と、を備える。
支持ブロック43はケース22にリベット等の結合手段を介して結合される。ばね力調整機構44は、調整ねじ45と、調整ねじ45に螺合し、調整ねじ45の回転に伴って昇降するねじブロック46と、ねじブロック46の昇降に伴ってケース22の長さ方向に移動するばね受具47と、を備える。ねじブロック46及びばね受具47には、ねじブロック46の昇降運動とばね受具47の長さ方向の直線運動とが連動するように、互いに当接する傾斜面が形成される。調整ねじ45を回すことによって、ばね受具47の位置が調整される。
図4を参照しつつ、クランク機構26の動作を説明する。引込みアーム11は図4(a)に示す開いた状態から、図4(b)に示す思案点の状態を経て、図4(c)に示す閉じた状態まで回転する。閉じた状態では、引込みアーム11はケース22と平行になる。
図4(a)に示す開いた状態では、クランク機構26のコイルばね42は引込みアーム11にさらに開く方向に付勢力を付与する。このとき、引込みアーム11はケース22の側壁に当接しているので、引込みアーム11はさらに開く方向に回転することはなく、開いた状態を維持する。
引込みアーム11を閉じる方向に回転させると、図4(b)に示すように、引込みアーム11のアーム軸28、リンク32の引込みアーム11側の回転軸32a、リンク32のスライドブロック41側の回転軸32bが一直線に並ぶ。この状態がクランク機構26の思案点である。
引込みアーム11が思案点からさらに閉じ方向に回転すると、クランク機構26のコイルばね42は引込みアーム11に閉じ方向の付勢力を付与する。引込みアーム11はコイルばね42の付勢力によって閉じ状態になるまで回転する。引込みアーム11の閉じ状態では、引込みアーム11はケース22の側壁に当接していて、さらに閉じ方向に回転することはない。
図3に示すように、ダンパ機構27は、ケース22にリベット等の結合手段を介して固定される支持ブロック51と、支持ブロック51内に平行に収容される一対のダンパ52と、ケース22に長さ方向にスライド可能に設けられるスライドブロック33と、を備える。スライドブロック33はダンパ52のロッドに当接する。スライドブロック33には、ダンパ連結軸30が通される長穴33aが開けられる。
図4を参照しつつ、ダンパ機構27の動作を説明する。引込みアーム11が図4(a)に示す開いた状態から図4(b)に示す思案点を経由して図4(c)に示す閉じた状態まで回転するとき、スライドブロック33は図中左方向に移動して、ダンパ52のロッドを縮める。ロッドが縮められるときにダンパ52は抵抗力を発生させるので、引込みアーム11の閉じ方向の回転が制動される。
図5ないし図8を参照しつつ、連結リンク15の構成を説明する。図5に示すように、連結リンク15は、開き戸18に垂直軸の回りを回転可能に連結される第一のリンクとしてのアウターレール13と、枠16に垂直軸の回りを回転可能に連結される第二のリンクとしてのインナーレール14と、を備える。アウターレール13及びインナーレール14は、いずれも一方向に細長く形成される。インナーレール14はアウターレール13の内側に嵌まっており、アウターレール13に対して長さ方向にスライド可能である。アウターレール13に対するインナーレール14のスライドに伴って、連結リンク15の一端部から他端部までの長さが変化する。図5(a)は連結リンク15が伸長した状態を示し、図5(b)は連結リンク15が縮小した状態を示す。
アウターレール13には、引込みアーム11の長穴11aに係合するピン12が設けられる。長穴11aから抜けるのを防止できるように、ピン12の先端部の外径は中央部の外径よりも大きくなっている。アウターレール13の一端部には、円盤61が垂直軸の回りを回転可能に取り付けられる。円盤61は開き戸18の上面に固定される。インナーレール14の一端部には、連結プレート62が垂直軸の回りを回転可能に取り付けられる。連結プレート62は枠16の下面に固定される。
図6(b)の断面図に示すように、アウターレール13は断面C形に形成される。アウターレール13内に断面T字形のインナーレール14が挿入される。インナーレール14はアウターレール13に長さ方向にのみ移動可能である。図6(b)におけるインナーレール14の左右方向及び上下方向の移動は、アウターレール13によって制限される。
図7は縮んだ状態の連結リンク15の長さ方向に沿った断面図を示す。図7(b)に示すように、アウターレール13の一端部には垂直軸を介して円盤61が回転可能に設けられる。図7(a)に示すように、アウターレール13の他端部には、凹部68を形成するための壁構成ブロック63がリベット等の結合手段を介して固定される。アウターレール13の他端部には、インナーレール14の上下方向の移動を制限するための蓋64が嵌められる。この蓋64と壁構成ブロック63との間に凹部68が形成される。インナーレール14がアウターレール13から伸びたとき、この凹部68にインナーレール14の弾性変形可能な凸部としてのV字形状のばね65が嵌まる(図8(a)参照)。図7(b)に示すように、インナーレール14の一端部には、V字形状のばね65がリベット等の結合手段を介して結合される。V字形状のばね65はアウターレール13に向かって突出している。インナーレール14には、抜け防止片66がリベット等の結合手段を介して結合される。
図8(b)に示すように、インナーレール14がアウターレール13から伸びたとき、インナーレール14のストッパがアウターレール13のストッパに当接し、インナーレール14及びアウターレール13の長さが所定値以上になるのが制限される。具体的には、インナーレール14の抜け防止片66(ストッパ)がアウターレール13の壁構成ブロック63(ストッパ)に当接する。これと同時に、インナーレール14のV字形状のばね65がアウターレール13の凹部68に嵌まる。このため、インナーレール14が伸長した状態がばね力によって維持される。
図9ないし図12を参照しつつ、引込み装置21及び連結リンク15の動作を説明する。図9は全開状態(開き角度90°の状態)、図10は開き角度60°の状態、図11は開き角度30°の状態、図12は全閉状態(開き角度0°の状態)を示す。まず、連結リンク15及び引込み装置21の位置関係を説明する。開き戸18の回転中心になるヒンジ軸19から開き戸18に対するアウターレール13の回転中心C1までの長さは、開き戸18の回転中心になるヒンジ軸19から枠16に対するインナーレール14の回転中心C2までの長さよりも長い。引込み装置21は、ヒンジ軸19と開き戸18に対するアウターレール13の回転中心C1との間に配置される。
開き戸18の全開状態では、連結リンク15は伸長した状態にある。連結リンク15が伸長した状態にあるとき、連結リンク15はストッパによってさらに伸びるのが制限されている。開き戸18の開き角度は連結リンク15によって制限される。また、連結リンク15が伸長した状態にあると、V字形状のばね65のばね力によって連結リンク15の伸長した状態が維持される。このため、軽い力で開き戸18が閉じるのを防止することができる。
開き戸18を全開状態から開き角度60°、開き角度30°まで閉じると、開き戸18の閉じ動作に伴って、連結リンク15が縮小する。しかし、開き戸18に対する連結リンク15の開き角度θ1〜θ3は略変化することなく、略一定の値を保つ。そして、引込み装置21の引込みアーム11は、全開状態から30°になるまで開いた状態を維持する。このため、全開状態の開き戸18に引込みアーム11から閉じ方向の引込み力が付与されるのを防止できる。
なお厳密にいうと、開き戸18に対する連結リンク15の開き角度θ1〜θ3は僅かに変化する。アウターレール13のピン12と引込みアーム11の長穴11aとの間に隙間がないと仮定すると、連結リンク15の開き角度θ1〜θ3の変化に伴って、引込みアーム11の開き角度も変化する。しかし、この実施形態では、開き戸18に対する連結リンク15の開き角度θ1〜θ3が僅かに変化しても、引込みアーム11が開いた状態を維持するように、ピン12と長穴11aとの間には隙間があり、アウターレール13のピン12の外径は引込みアーム11の長穴11aの横幅よりも小さい。
連結リンク15の開き角度θ1〜θ3の変化に伴い、アウターレール13のピン12は引込みアーム11の長穴11aの長さ方向に移動する。開き戸18が全開状態では、ピン12は長穴11aの長さ方向の中央部に且つ幅方向の中央部に位置する(図13の90°の欄参照)。開き戸18の開き角度が60°のとき、ピン12は長穴11aの先端部に向かって移動する(図13の60°の欄参照)。開き戸18の開き角度が30°のとき、ピン12は再び長穴11aの長さ方向の中央部に戻る(図13の30°の欄参照)。
開き戸18の開き角度が30°以下になったとき、開き戸18に対する連結リンク15の開き角度θは急激に小さくなり始める。こうなると、アウターレール13のピン12と引込みアーム11の長穴11aとの間の隙間だけでは、連結リンク15の開き角度θの変化を吸収できなくなる。そして、図11に示すように、アウターレール13のピン12が引込みアーム11を矢印Aの方向に押すようになり、開いた状態の引込みアーム11が閉じ方向に回転する。引込みアーム11が思案点を超えて閉じ方向に回転すると、コイルばね42(図3参照)が引込みアーム11に閉じ方向の付勢力を与える。アーム11が閉じ方向に回転するとアーム11の長穴11aの一方の壁面11a1がピン12に当接する(図13の30°の欄参照)。引込みアーム11はさらに自動的に閉じ方向に回転し、ピン12を介してアウターレール13を引き込む(図13の15°の欄参照)。最終的には図12に示すように、開き戸18は自動的に閉じた状態になる(図13の0°の欄参照)。なお、引込みアーム11が閉じた状態に近づくにつれて、ピン12は引込みアーム11の長穴11aの基端側に移動する(図13の15°の欄、0°の欄参照)。
引込みアーム11がアウターレール13を引き込む動作は、開き戸18が全閉状態になるまで継続される。全閉状態の開き戸18にさらに閉じ方向の力を与えることができるように、開き戸18が全閉状態になっても、引込みアーム11は完全に閉じた状態になっている訳ではない。
図14は、本発明の第二の実施形態の引込み装置ユニットを示す。この実施形態の引込み装置ユニット71も、連結リンク72と、引込み装置76と、を備える。上記第一の実施形態では、連結リンク15のアウターレール13にピン12を設け、引込み装置21の引込みアーム11にピン12が嵌まる長穴11aを設けていた。しかし、この実施形態では、上記第一の実施形態と異なり、連結リンク72のアウターレール73に長手溝73aを形成し、引込みアーム74の先端部に長手溝73aに沿ってスライドするスライダ75を回転可能に設けている。
図15及び図16は、第二の実施形態の引込み装置76を示す。図15は引込み装置76の外観斜視図を示し、図16は引込み装置76の分解斜視図を示す。引込み装置76のケース22、クランク機構26、ダンパ機構27、アームブロック24の構成は、第一の実施形態の引込み装置21と同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。引込みアーム74のアーム本体77の先端部には、ピン79を介して回転可能に矩形状のスライダ75が設けられる。ケース22から側方に突出するアーム本体77の見栄えをよくするために、アーム本体77は化粧プレート80で覆われる。図17に示すように、引込み装置76のスライダ75は、アウターレール73の長手溝73aにスライド可能に嵌められる。開き戸18の開閉動作に伴って、スライダ75はアウターレール73の長手溝73aに沿ってスライドする。
図18は、本発明の第三の実施形態の引込み装置ユニットを示す。この実施形態の連結リンク15の構成は第一の実施形態の連結リンク15と同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。上記第一の実施形態では、開き戸18が全閉状態から全開状態に至るまでの間、アウターレール13のピン12が引込みアーム11の長穴11aに嵌まっていた。しかし、この実施形態では、開き戸18の全開状態において、ピン12が引込みアーム81から離れている。
図19に示すように、開き戸18の開き角度が30°になると、アウターレール13のピン12が引込みアーム81の溝に入り始める。開き戸18の開き角度が30°以下になると、アウターレール13のピン12が引込みアーム81を閉じ方向に押し、引込みアーム81が自動的に閉じ方向に回転する。引込みアーム81の閉じ方向の回転に伴い、開き戸18が閉じられるのは、第一の実施形態と同様である。
図20は、本発明の第四の実施形態の引込み装置ユニットを示す。この実施形態では、引込み装置21が枠16に取り付けられる。連結リンク15のアウターレール13が枠16に回転可能に取り付けられ、連結リンク15のインナーレール14が開き戸18に回転可能に取り付けられる。そして、枠16に取り付けた引込みアーム11がアウターレール13のピン12を引き込むことで、開き戸18が閉じられる。引込み装置21及び連結リンク15の構成は第一の実施形態と同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
図21は、本発明の第五の実施形態の引込み装置ユニットを示す。この実施形態では、引込み装置21は開き戸18の側面に外付けされている。引込み装置21及び連結リンク15の構成は第一の実施形態のものと同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に具現化できる。
例えば、上記実施形態では、連結リンクの第一のリンク(アウターレール)と第二のリンク(インナーレール)とをスライド可能に連結している。しかし、連結リンクの第一のリンクと第二のリンクとを回り対偶によって回転可能に連結することもできる。この場合、枠、開き戸、第一のリンク、第二のリンクによって4節回転連鎖が構成される。
上記第一の実施形態では、引込みアームに直線的に伸びる長穴を形成し、第一のリンクに長穴に嵌まるピンを設けている。そして、開き戸が所定角度以上開いてから全開状態に至るまで、引込みアームが開いた状態を維持できるように、長穴の横幅をピンの外径よりも大きくしている。しかし、直線的に伸びる長穴の替わりに、折れ曲った長穴を形成し、ピンの外径を長穴の横幅と一致させることも可能である。さらに、引込みアームに長さ方向の両端部が閉じられた長穴を形成する替わりに、長さ方向の両端部が開放された長手溝を形成することも可能である。
上記実施形態では、開き戸の枠に連結リンク又は引込み装置を取り付けているが、枠の近傍に取り付けてもよい。
11,74,81…引込みアーム
11a…長穴
12…ピン
13,73…アウターレール(第一のリンク)
14…インナーレール(第二のリンク)
15,72…連結リンク
16…枠
17…ヒンジ
18…開き戸
19…ヒンジ軸
21,76…引込み装置
42…コイルばね(付勢手段)
73a…長手溝
75…スライダ

Claims (7)

  1. 開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとがスライド可能に連結される連結リンクと、
    前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、
    前記開き戸を閉じるとき、前記第一のリンクに回転可能にかつスライド可能に係合する前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニット。
  2. 前記連結リンクには、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの長さが所定値以上になるのを制限するストッパが設けられることを特徴とする請求項に記載の引込み装置ユニット。
  3. 第一のリンク及び前記第二のリンクのいずれか一方には、弾性変形可能な凸部が設けられ、他方には前凸部が嵌まる凹部が設けられることを特徴とする請求項に記載の引込み装置ユニット。
  4. 前記開き戸が全閉状態から全開状態に至るまでの間、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクに係合し続けることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の引込み装置ユニット。
  5. 開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとが連結される連結リンクと、
    前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、
    前記引込みアーム及び前記第一のリンクのいずれか一方には、長穴又は溝が形成され、
    前記引込みアーム及び前記第一のリンクの他方には、前記長穴又は前記溝に嵌まるピンが設けられ
    前記開き戸を閉じるとき、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニット。
  6. 開き戸及び枠のいずれか一方に一端部が回転可能に連結される第一のリンク、並びに前記開き戸及び前記枠の他方に一端部が回転可能に連結される第二のリンクを有し、前記第一のリンクの前記一端部から前記第二のリンクの前記一端部までの距離が伸縮するように、前記第一のリンクと前記第二のリンクとが連結される連結リンクと、
    前記開き戸及び前記枠の前記いずれか一方に取り付けられるケース、前記ケースに開き方向及び閉じ方向に回転可能に設けられる引込みアーム、前記引込みアームに閉じ方向の付勢力を与える付勢手段を有する引込み装置と、を備え、
    前記引込みアームは、前記第一のリンクの長手方向にスライド可能であると共に、前記引込みアームの先端部に回転可能に連結されるスライダを有し、
    前記開き戸を閉じるとき、前記引込み装置の前記引込みアームが前記第一のリンクを引き込む引込み装置ユニット。
  7. 前記開き戸が所定角度以上開いてから全開状態に至るまでの間、前記引込みアームが前記開いた状態を維持するように付勢力が与えられることを特徴とする請求項又はに記載の引込み装置ユニット。
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