JP7395069B1 - 車両用制御システム - Google Patents

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Abstract

車両用制御システムは、ドライバによる車両の操作を検出する検出部11と、車両の周辺の状況を感知する周辺感知部12と、車両の操作に応じて車両の走行を制御する走行制御部130、車両周辺の状況に応じてドライバへの運転支援の必要性を判定する運転支援判定部131、および運転支援判定部の判定結果に応じて運転支援を実行させる運転支援実行部132、を含む制御部13と、を備える。制御部13は、運転支援実行部132による実行状況を記録して分析し、実行状況の分析結果に基づき運転支援の程度を調整する運転支援調整部134を含む。

Description

本発明は、車両用制御システム等に関する。
FCW(Forward Collision Warning:前方衝突警報)等のADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)は、ドライバや歩行者などの安全・快適を実現するために、車両が各種センサを用いて周囲の状況を把握し、ドライバに的確に表示、警告を行ない、あるいは、ステアリングホイールやブレーキなどの操作に関与してドライバの操作を支援する。
FCWの一つとして、従来から、レーダを用いて自車両前方に存在する障害物を検知して、車両に生じる危険を回避すべく自動制御等の安全確認を行う車両用障害物検知装置が知られている。
例えば、特許文献1には、段落[0006]~[0010]、及び図1に記載されているように、現時点での操舵角等から車両が走行すると推定される推定進行軌跡を演算する車両推定軌跡演算装置、道路状況(白線,対象物)を撮影するカメラ、及び車両前方の対象物を検知するレーダ装置を用い、把握した推定進行軌跡、走行路、及び対象物に基づいて、推定進行軌跡上の対象物が危険な障害物であるか否か、及び走行路上の対象物が危険な障害物であるか否かを判別する車両用障害物検知装置が記載されている。その車両用障害物検知装置は、更に、危険度の軽重に応じた多度合いの警告を車両運転者に対して行う警告手段を備えている。
特開2004-110394号公報
ところで、ドライバ毎に、集中力や応答力(反射神経)等に起因して運転技術が異なり、同じ道路環境で車両を走行させることを想定するとき、高い運転技術を有するドライバは、警告が出ないように車両を運転する一方で、低い運転技術を有するドライバは、警告が多く出てしまうような危険運転をしてしまう。
このため、危険な運転をするドライバに対しては、警告を強めて(早めて)、警告が出ないような運転を施すことが好ましい。言い換えれば、ADASによるドライバへの警告は、ドライバ特性(例えば、癖、性格、集中力、年齢、反射神経等)に応じて実行されることが好ましい。また、特定の場所における道路環境(夜間等)によってセンサは道路状況を把握し難く、誤って不要な警告を行う場合もある。言い換えれば警告の精度は高い方が好ましい。
上述した特許文献1には、これら課題については何ら言及されておらず、その対策についての示唆もない。
本発明の1つの目的は、ドライバ特性に応じて的確な警告を実行できるようにした車両用制御システムを提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、ドライバによる車両の操作を検出する検出部と、前記車両の周辺の状況を感知する周辺感知部と、前記車両の操作に応じて前記車両の走行を制御する走行制御部、前記車両周辺の状況に応じて前記ドライバへの運転支援の必要性を判定する運転支援判定部、および前記運転支援判定部の判定結果に応じて前記運転支援を実行させる運転支援実行部、を含む制御部と、を備えた車両用制御システムであって、前記制御部は、前記運転支援実行部による実行状況を記録して分析し、前記実行状況の分析結果に基づき前記運転支援の程度を調整する運転支援調整部を含む。
第1の態様によれば、制御部(運転支援調整部)は、運転支援実行部による運転支援の実行状況(例えば実行回数)を記録して分析し、実行状況の分析結果に基づき運転支援の程度を調整する。ここで、「運転支援」とは、例えば、運転支援判定部による運転支援の判定の結果に応じた報知、及び/又は走行制御部により実行される自動ブレーキ等の走行制御への介入である。また、「運転支援の程度」とは、運転支援の実行タイミング及び/又は運転支援の実行強度の調整の度合いをいう。
このように、例えば、ADASによるドライバへの報知(警告)がドライバにどのくらいの程度で実行されたかを運転支援の実行状況として記録し、その分析結果に基づき運転支援の程度を調整することにより、ドライバに対し、より的確に報知することができる。同様に、報知(警告)の回数が多いトライバに対してはより的確に走行制御に介入することができる。言い換えれば、警告が多く出る危険な運転を行う傾向の強いドライバに対しては警告を強める(早める)調整を行い、警告が出ないような運転を促すことで安全運転に貢献することができ、一方、安全運転を行う傾向の強いドライバに対しては警告を弱める(遅める)調整を行うことでドライバ自身の運転を尊重することができ、無駄な警告による不快感を解消することができる。
図1は、本発明の実施の形態の車両用制御システムのシステム構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態の車両用制御システムが有する運転支援状況記録部のデータ構造の一例を示す図である。これらのデータはシステム内の不揮発性メモリに記録される。 図3は、本発明の実施の形態の車両用制御システムの基本処理動作を示すフローチャートである。 図3に示す基本動作フローチャート中、「ドライバ特性の記録及び分析」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図3に示す基本動作フローチャート中、「場所に対する記録及び分析」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図5に示す「場所に対する記録及び分析」処理の詳細な処理手順を示すフローチャート中、「回避行動判定」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図3に示す基本動作フローチャート中、「運転支援実行の程度の総合判定」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
(車両用制御システムの構成)
図1を参照して本発明の実施の形態(以下、本実施形態という)の車両用制御システムの構成例について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両用制御システムは、少なくとも、検出部11と、周辺感知部12と、制御部13と、報知部14と、を含む。これらは、CAN(Control Area Network)20を介して共通に接続されている。CAN20には、更に、GPS(Global Positioning System)や地図のデータベース(GPS/地図16)や車外通信部17が接続されてもよい。例えば、V2X(Vehicle to X)タイプの通信に準拠した車外通信部17を介した外部センタ(図示省略)との通信により最新の地図情報を取得してGPS/地図16に記憶することができる。
検出部11は、ドライバによる車両の操作や挙動を検出するセンサ類であり、車両の各部に搭載される、アクセル開度センサ、ブレーキストロークセンサ、車速センサ(車輪速センサ)、舵角センサ等のセンサ類の他に、慣性センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)を含む。慣性センサは、3軸の加速度センサと3軸の角速度センサ(ジャイロセンサ)を使用して車両の運転状況や姿勢を測定(加速度[m/s2]から3軸方向の並進運動を、角速度[deg/s]から回転運動を検知する)することができる。
周辺感知部12は、車両周辺の状況を感知する、例えば、カメラである。なお、GPS/地図16は、制御部13が後述する場所を分析する際に地図座標を取得するときに使用され、車外通信部17は制御部13が後述する所定の情報をクラウドDBへ記録するときに使用する。
制御部13は、前方衝突警報(FCW)等、ADASによる運転支援実行のための制御中枢となるブロックである。このため、制御部13は、少なくとも、走行制御部130と、運転支援判定部131と、運転支援実行部132と、運転支援調整部134と、を含んで構成される。
走行制御部130は、ドライバの車両の操作に応じて車両の走行を制御する機能を有し、車両の各部に搭載されたセンサ類からの信号を基に情報を分析し、主に、車両の発進、停止、旋回等の動作におけるエンジンからのトルク調整(駆動系)、ブレーキの作動(制動系)、ステアリング操作(操舵系)からなる車両機構部15を制御する。
運転支援判定部131は、車両周辺の状況に応じてドライバへの運転支援の必要性を判定する機能を有する。運転支援判定部131は、例えば、走行道路上の障害物や前方車両等、車両周辺の状況に応じてドライバへの報知、及び走行に寄与する走行制御への介入(強制制御)の必要性を判定する。
運転支援実行部132は、運転支援判定部131の判定結果に応じて運転支援を実行させる機能を有する。言い換えれば、運転支援実行部132は、運転支援判定部131の判定結果に応じて、車両周辺の状況に応じたドライバへの報知(警告)、及び走行に寄与する走行制御への介入(強制制御)を実行させる。
運転支援調整部134は、運転支援実行部132による運転支援の実行状況(例えば、FCWの総(生涯)実行回数や直近の実行回数)を記録し、それを分析し、実行状況の分析結果に基づき、報知(警告)、及び走行制御部による走行制御への介入の実行タイミングや実行強度を調整する(実行タイミングを早めるか遅くする、実行強度を強めるか弱める)機能を有する。
制御部13は、更に、運転支援実行部132による運転支援の実行状況を記録する運転支援状況記録部133を含む。運転支援状況記録部133には、実行されたADAS機能の種類と頻度、実行後の回避行動の有無(ブレーキの踏込や進路変更の有無、アクセル開閉等)と実行場所(どこで、どの方向から進行したか)の情報が記録されるものとする。
例えば、FCWの場合、FCWの総(生涯)実行回数、直近の実行回数、走行距離(時間)の実行率等、ドライバ特性の分析に要する情報、及び、自車両が走行したことがある場所の分析に必要な、ADAS機能実行の場所、時刻、天候等の周辺環境等の情報が記録される。
なお、運転支援状況記録部133には、記録容量の制限から、ドライバ特性の分析に要する情報は全て記録するものとする。但し、場所に対する分析のために必要な情報は、自車両が走行したことのある場所の周辺環境のみの情報を記録することとし、メモリ使用量の節約をはかっている。
なお、クラウドサービスを利用する場合には、ドライバ特性を分析するために必要な情報、場所に対する分析を行うために必要な情報をクラウドDB(データベース)として全て記録することができる。この場合のデータ構造の一例が図2に示されている。
図2によれば、クラウドDBのデータ項目のうち、「ドライバ特性の分析情報」として、FCW(前方衝突警報)の他、AEB(Autonomous Emergency Braking:緊急自動ブレーキ)、LDW(Lane Departure Warning:車線逸脱警報)、等、各ADAS機能の総実行回数133a、直近所定走行距離あるいは時間の各ADAS機能の実行回数133b、生涯走行距離(時間)133c、生涯走行距離(時間)に対する各ADASの実行率133d、直近所定走行距離(時間)に対する各ADASの実行率133e、ドライバ特性に対するADAS実行の程度の調整結果133fをデータ項目としてそれぞれ記録することができる。
また、「場所に対する分析情報」として、ADAS機能の実行場所と、時刻、進行方向、周辺環境に関する情報133g、場所毎に実行されたADASの種類と回数133h、場所毎のADAS機能実行時の回避行動の有無に関する情報133i、場所毎のADAS有効作動率133j、場所毎のADAS実行の程度の調整結果133kをデータ項目としてそれぞれ記録することができる。
制御部13は、更に、運転支援判定部131の判定結果の信頼度を場所毎に推定する運転支援信頼推定部135を含んでもよい。運転支援信頼推定部135は、運転支援実行部132による運転支援実行後に、ドライバ操作の有無や車両の挙動の有無に基づき、運転支援判定部131の判定結果の信頼度を場所毎に推定してもよい。なお、ここでいう信頼度とは、回避行動回数を実行回数で除算した運転支援実行成否率のことをいう。
報知部14は、例えば、前方障害物への衝突の可能性が高い場合等、ドライバに、表示や音等により危険を知らせるディスプレイやスピーカ等である。なお、二輪の場合には、前方障害物に接近し、衝突の危険が増した場合には、バイブレータ等により体感感知を行わせてもよい。
(車両用制御システムの動作)
以下、図3~図7に示すフローチャートを参照して、図1、図2に示す本実施形態の車両用制御システムの動作について説明する。
制御部13では、走行制御部130が、ドライバの車両の操作に応じて車両の走行を制御している。具体的に、走行制御部130は、検出部11から取得されるセンサ類からの信号を基に情報を分析し、主に、車両の発進、停止、旋回等の動作におけるエンジンからのトルク調整(駆動系)、ブレーキの作動(制動系)、ステアリング操作(操舵系)等に関連する車両機構部15を制御する。
ここで、運転支援判定部131では、周辺感知部12から取得される車両周辺の状況に応じて、例えば、走行道路上の障害物や前方車両等、車両周辺の状況に応じてドライバへの報知、及び走行に寄与する自動ブレーキ等、ADASによる走行制御への介入(強制制御)の必要性を判定する。また、運転支援実行部132は、運転支援判定部131の判定結果に応じて、車両周辺の状況に応じたドライバへの報知(警告)を、報知部14を介して行い、更に、走行に寄与する走行制御への介入(強制制御)を実行する(ステップS00の「運転支援の必要性の判定及び実行」)。
そして、運転支援調整部134は、ドライバ特性として運転支援実行部132によるADASによる運転支援の実行回数(生涯の実行回数及び/又は直近の実行回数)を運転支援状況記録部133に記録する。続いて、運転支援調整部134が、運転支援状況記録部133に記録されたADASによる運転支援の実行回数に基づき、「第1所定基準」、「第2所定基準」、あるいは「初期基準」と比較し、その結果にしたがい運転支援の程度を調整する(ステップS10:ドライバ特性の記録及び分析)。
ここで、「運転支援の程度」とは、例えば、運転支援の実行タイミング(開始距離)及び/又は運転支援の実行強度の調整の度合いのことをいい、運転支援調整部134は、実行タイミング(開始距離)を早める(遅くする)及び/又は実行強度を強める(弱める)ための調整を程度(度合い)にしたがって行なう。また、「第1所定基準」とは、例えば、運転支援実行部132により実行され運転支援実行の程度を切り替えるために使用される運転支援の実行回数のUP基準(閾値)であり、例えば、FCWの実行回数がUP基準(第1所定基準)を超えるときにFCW実行の程度を高くする(UPさせる)調整を行う。また、「第2所定基準」とは、運転支援実行部132により実行される運転支援実行の程度を切り替えるときに使用される実行回数のDOWN基準(閾値)であって、例えば、FCWの実行回数がDOWN基準(第2所定基準)を下回るとFCW実行の程度を低下させる(DOWNさせる)調整を行う。
また、「初期基準」とは、例えば、運転支援実行部132により実行される運転支援実行の程度を切り替えるためにデフォルトで設定されるデフォルト基準(閾値)である。また、「実行タイミング」とは、報知部14を介して報知(警告)を発する開始距離(時間)のことをいい、「実行強度」とは、例えば、音や光、あるいは振動で報知(警告)する場合の音量や光量あるいは振動等、警告の強さのことをいう。
このように、運転支援調整部134は、運転支援実行部132による運転支援の総(生涯の)実行回数及び/又は直近の実行回数を記録することで、運転支援の実行頻度を分析することができ、報知回数が多いドライバに対してより的確に報知することができ、同様に、報知の回数が多いトライバに対してはより的確に走行制御に介入することができる。
上述した「ドライバ特性の記録及び分析処理(ステップS10)」の詳細は、図4に示すフローチャートを用いて後述する。
次に、運転支援調整部134は、「場所に対する記録及び分析」のための処理を実行する(ステップS20)。運転支援調整部134は、運転支援実行部132による運転支援の実行状況を運転支援実行部132による運転支援の実行時の場所(位置情報)と関連付けて運転支援状況記録部133に記録する。また、車両の進路と更に関連付けて記録してもよく、周辺感知部12によって取得される車両の周辺の環境と更に関連付けて記録してもよい。
続いて、運転支援調整部134は、運転支援状況記録部133に記録された運転支援実行時の場所に関連する情報に基づき、「第1所定基準」、「第2所定基準」、あるいは「初期基準」と比較し、その結果にしたがい運転支援の程度を調整する。場所と関連付けて記録された走行状況に基づき運転支援判定部131(例えば、検出部11のセンサ類)の特性を分析することにより、運転支援判定部131の特性を考慮したドライバの運転支援が可能になる。したがって、より安全で快適な車両を提供できる。
運転支援調整部134は、運転支援状況記録部133に、運転支援実行部132による運転支援の実行状況として、場所毎にその実行回数を信頼度と共に記録してもよく、場所毎に実行回数の信頼度が第1所定基準を超えるときに実行タイミングを早める及び/又は実行強度を強める制御を行なってもよい。ここで、「信頼度」とは、報知(警報)を発した後の回避行動の回数を運転支援の実行回数で除算した運転支援の実行成否率(例えば、FCWの実行成否率)のことをいう。このため、信頼度が高い場所ではより積極的にドライバの運転を支援することができる。
上述した「場所に対する記録及び分析(ステップS20)」の詳細は、図5、図6に示すフローチャートを用いて後述する。
続いて運転支援調整部134は、ドライバ特性と場所に関連した運転支援判定部131の特性の分析結果に基づき、「運転支援実行の程度の総合判定」処理を実行する(ステップS30)。
ステップS30では、ドライバ特性と運転支援実行部(検出部11のセンサ類)の特性の2つの分析結果から運転支援実行レベルを調整するものする。ここでは、予め判断の主軸とする分析結果を決めて基本値(ここではドライバ特性を重要視する)を設定し、残る分析結果を調整値(ここでは運転支援実行部132の特性)として設定することにより、重要視すべき分析結果への運転支援実行の程度への追従を実現することができる。
上述した「運転支援実行の程度の総合判定」(ステップS30)の詳細は、図7に示すフローチャートを用いて後述する。
(ドライバ特性の記録及び分析)
図4は、図3の「ドライバ特性の記録及び分析(ステップS10)」の詳細動作手順を示すフローチャートである。以降の説明は、運転支援の一例としてFCWを実行するものとし、主に、制御部13(運転支援調整部134)の動作について説明する。
図4によれば、運転支援調整部134は、まず、運転支援実行部132によりFCWが実行されているか否かを判定する(ステップS101)。ここで、FCWが実行されていると判定されると(ステップS101“YES”)、運転支援調整部134は、運転支援実行部132がFCWによる運転支援を実行する毎に、その総(生涯)実行回数をカウントするカウンタの値を更新し(ステップS102)、また、直近の実行回数をカウントするカウンタを更新する(ステップS103)。
なお、カウンタは、いずれも運転支援調整部134が内蔵するか、プログラムによって内蔵するRAMの中にそれぞれ割り当てられたカウンタであり、FCW実行毎に更新される。FCW実行が停止すると(ステップS101“NO”)、それぞれのカウンタによりカウントされ更新された総(生涯)実行回数及び直近の実行回数が運転支援状況記録部133にそれぞれ記録される(ステップS104,S105)。
次にFCWの総(生涯)実行回数を用いて、運転支援調整に最適な単位である実行率を算出する。これを“FCWの総(生涯)実行率”と呼ぶ。FCWの総(生涯)実行率は、算出実行条件を「車両走行距離≧総(生涯)実行率算出距離」とし、この条件が不成立の場合、FCWの総(生涯)実行率はデフォルト値で固定される。なお、デフォルト値は、後述するFCW実行の程度が“LOW”にならない値とする。
FCWの総(生涯)実行率[%/スロット]は、FCWの総(生涯)実行回数を算出スロット数で除算して算出するものとする。ここで、算出スロット数は、車両走行距離を1スロット距離(算出距離単位であって、例えば10km)で除算した[個数]である。
次にFCWの直近の実行回数を用いて、運転支援調整に最適な単位である実行率を算出する。これを“FCWの直近実行率”と呼ぶ。FCWの直近実行率は、算出実行条件を「実行回数バッファ個数≧算出に必要なバッファ個数」とし、この条件が不成立の場合、FCWの直近実行率はデフォルト値で固定される。なお、デフォルト値は、後述するFCWの実行の程度がデフォルトに滞在する値とする。
なお、上述したバッファは、運転支援調整部134が内蔵するRAMに割り当てられているものとする。バッファリングの方法として、算出に必要なバッファの数は、直近の所定走行距離を1スロット距離(算出距離単位であって、例えば100km)で除算して得られるものとし、1スロット距離毎のFCW実行回数をカウントして計算バッファ(直近の1スロット距離中のFCW実行回数)へ保存する。運転支援調整部134は、車両が1スロット距離の走行を終える都度、計算バッファの値を同じくRAMに割り当てた保存バッファ配列にコピーしてその後計算バッファをクリアする。なお、保存バッファ配列の要素数は算出に必要なバッファ個数である。
FCWの直近実行率[%/スロット]は、保存バッファ配列のFCW実行回数の合計値を算出必要バッファ数で除算して算出するものとする。ここで、算出スロット数は、車両走行距離を1スロット距離(例えば10km)で除算した[個数]である。
説明を図4のフローチャートに戻す。運転支援調整部134は、FCWの総(生涯)実行回数、直近の実行回数を運転支援状況として運転支援状況記録部133に記録する(ステップS104,S105)。続いて、運転支援調整部134は、運転支援実行部132による総(生涯)運転支援実行回数を算出距離単位(1スロット距離であって例えば、100km)で除算して総(生涯)実行率を算出し(ステップS106)、運転支援状況記録部133に記録する(ステップS108)。また、直近の実行回数を算出距離単位(1スロット距離であって、例えば、100km)で除算して直近の実行率を算出し(ステップS107)、運転支援状況記録部133に記録する(ステップS109)。次に、運転支援調整部134は、運転支援状況記録部133に記録された運転支援状況に基づき、FCWの直近の実行率がUP基準(第1所定基準)を超えるか否かを判定する(ステップS110)。
ここで、FCWの直近の実行率がUP基準(第1所定基準)を超えると(ステップS110“YES”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を強める(UPさせる)調整を行う(ステップS111)。具体的には、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを早めるか、実行強度を強めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを早めると共に実行強度を強めるための調整を行ってもよい。
運転支援調整部134は、運転支援実行部132によって実行されるFCW実行の程度をこのように調整することで、報知及び/又は運転支援への介入が多いドライバに対して運転支援の程度を強めることでより積極的にドライバの運転を支援することができる。
一方、FCWの直近の実行率がUP基準(第1所定基準)を超えないときに(ステップS110“NO”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度がデフォルト基準(初期基準)を超えるか否かを判定する(ステップS112)。
ここで、FCW実行の程度がデフォルト基準(初期基準)を超えるときに(ステップS112“YES”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を弱める(DOWNさせる)ための調整を行う(ステップS113)。具体的には、運転支援調整部134は、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを遅くするか、実行強度を弱めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを遅くすると共に実行強度を弱めるための調整を行ってもよい。
運転支援調整部134は、運転支援実行部132によって実行されるFCW実行の程度をこのように調整することで、報知及び/又は運転支援への介入が少ないドライバに対しては運転支援の程度を弱めることでドライバ自身の運転を尊重することができる。
一方、FCWの実行の程度がデフォルト基準を超えないときに(ステップS112“NO”)、運転支援調整部134は、FCWの生涯の実行回数がDOWN基準(第2所定基準)以下であるか否かを判定する(ステップS114)。
ここで、FCWの総(生涯)の実行回数がDOWN基準以下であれば(ステップS114“YES”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を弱める(DOWNさせる)調整を行う(ステップS115)。具体的には、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを遅くするか、実行強度を弱めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを早めると共に実行強度を弱めるための調整を行ってもよい。
運転支援調整部134は、運転支援実行部132によって実行されるFCW実行の程度をこのように調整することで、報知及び/又は運転支援への介入が少ないドライバに対しては運転支援の程度を弱めることでドライバ自身の運転を尊重することができる。
以下に示す表(<表1>)に、図4のフローチャートにしたがって調整されるFCW実行の程度についての設定例が示されている。
Figure 0007395069000001
ここでは、FCW実行の程度を“LOW”、“Default”、“Middle”、“High”の4度合いあるものとし、FCW実行の程度を“LOW”に切り替える場合は、FCW実行の程度がDOWN基準(第2所定基準)を超えないことを条件とし、“Middle”に切り替える場合はFCW実行の程度がUP基準1(第1所定基準)を超えることを条件とし、“High”に切り替える場合はFCW実行の程度がUP基準2(第2所定基準)を超えることを条件とすることが示されている。
なお、FCW実行の程度を“Default”に切り替える場合は、FCW実行の程度がDOWN基準(第2所定基準)以下であってUP基準(第1所定基準)を超えることが条件となっている。
そして、FCW実行の程度が“Low”の場合、報知の実行タイミング(開始距離)は、標準で、実行強度は“Defalt”より弱めることとしている。また、FCW実行の程度が“Defalt”の場合、報知の実行タイミングと実行強度は共に標準としている。また、FCW実行の程度が“Middle”の場合、報知の実行タイミングは“Default”より早めで、実行強度は“Default”より強めることとしている。また、FCW実行の程度が“High”の場合、報知の実行タイミングは、“Middle”の場合より早め、実行強度は“Middle”より強めることとしている。
なお、上述したFCW実行の程度は、ドライバ特性の分析において、FCWの総(生涯)実行回数(あるいは実行率)と直近の実行回数(あるいは実行率)が共に低い場合に移行するものとし、これら実行回数(率)が閾値を超えた場合にFCW実行の程度が高まり下回ると低下する。また、FCW実行の程度についてはその度合いは制限することなく、程度毎の報知(警報)の設定は自由とする。
(場所に対する記録及び分析)
図5は、図3の「場所に対する記録及び分析」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートを参照して、主に図1に示す制御部13(運転支援調整部134)の動作について説明する。
図5によれば、制御部13(運転支援調整部134)は、まず、運転支援実行部132がFCWを実行しているか否かを判定する(ステップS201)。ここで、FCWが実行されていれば(ステップS201“YES”)、運転支援実行部132が運転支援を実行する毎に、実行した場所と車両の進入方向(進路)とをFCW実行状況として判別する(ステップS202)。なお、場所や車両の進入方向(進路)については、GPS/地図16によって測位される位置情報及び地図(地図座標)に基づき判定するものとする。
続いて、運転支援調整部134は、FCW実行時の昼夜の別等をFCW実行状況として判別する(ステップS203)。ここでは、場所にのみ依存することなく、昼/夜の別によっては周辺感知部12によって取得される情報の画質(カメラ画像)が異なることから報知(警告)が出易い、あるいは出難くなるため、場所毎に、昼/夜の別、更にはFCW実行時の天候等の環境情報についても取得することで、その特定に応じて報知及び/又は運転支援に対する介入を適正に分析できるために有益である。
ここで、カメラを含む周辺感知部12で車両周辺の環境情報を取得する際に、例えば、カメラが持つダイナミックレンジ調整機能(明るさを認識してシャッタ時間やゲイン値を調整する)を利用し、その調整値に対する昼夜判別のための閾値を設定し、その大小のいずれかに属するかによって昼夜の判定が可能である。また、この判定結果を較正するために、GPS/地図16から取得されるGPSの受信情報に含まれる時計情報を参照してもよい。
続いて、運転支援調整部134は、FCW実行状況を実行場所と関連付け、更にはその場所への入り方を示す車両の進路、車両周辺の環境(昼/夜の別、晴れ/雨等の気象条件)と関連づけ、それぞれの実行回数(各実行率)を運転支援状況記録部133に記録する(ステップS204)。
続いて、運転支援調整部134は、FCW実行後のドライバ操作による回避行動の有無を判定する(ステップS205)。ここで、FCWの回避行動とは、例えば、前方障害物への衝突を回避するためのドライバの操作行動を示し、代表的には、衝突手前で留まるためにプレーキを掛ける操作やアクセルを閉じる操作等による減速、障害物と自車両の進路との交差を回避するためのハンドル操作、二輪の場合には車両の倒し込みによる進路変更、あるいは障害物と自車両の進路との交差を回避するための急加速等が考えられる。
このため、検出部11が有する慣性センサ(IMUセンサ)を用い、ドライバが回避行動時に行う車両操作によって車両に発生する挙動を検知することとした。上述したように、慣性センサは、3軸の加速度センサと3軸の角速度センサ(ジャイロセンサ)を使用して車両の運転状況や姿勢を測定(加速度[m/s2]から3軸方向の並進運動を、角速度[deg/s]から回転運動を検知する)することができる。
ステップS205で実行される「回避行動判定」のための処理の詳細手順が図6に示されている。図6によれば、運転支援調整部134は、まず、ドライバによる減速操作の有無を判定する(ステップS2051)。減速操作は、アクセルの閉じ操作量と、予め設定された閾値と比較することにより、あるいはブレーキレバーの握り量と予め設定された閾値と比較することによりその判定が可能である。
ここで、アクセルの閉じ操作量が所定値(閾値)以上であるか、ブレーキレバーの操作量が閾値を超えると判定されると(ステップS2051“YES”)、運転支援調整部134は、ドライバによる「回避行動有り」と認識する(ステップS2055)。
一方、アクセル閉じ操作量が閾値を超えないか、あるいはブレーキレバー握り量が閾値を超えないと判定されると(ステップS2051“NO”)、運転支援調整部134は、更に、車両の減速挙動があるか否かを判定する(ステップS2052)。車両の減速挙動は、車両の減速量が閾値を超えるか、又は検出部11が有する慣性センサのZ方向の減速加速度(IMU_G)が閾値を超えるか否かをチェックすることにより判定が可能である。なお、減速加速度はピッチの変化量としてもよい。
ここで、車両の減速量が閾値を超えるか、又はIMU_Gが閾値を超える場合に(ステップS2052“YES”)、運転支援調整部134は、「回避行動有り」と判定する(ステップS2055)。一方、車両の減速量が閾値を超えないか、又はIMU_Gが閾値を超えない場合に(ステップS2052“NO”)、運転支援調整部134は、更に、検出部11が有する慣性センサのX方向のロール変化量(IMU_ロール変化量)が閾値を超えるか否か、あるいは慣性センサのY方向のヨー変化量(IMU_ヨー変化量)が閾値を超えるか否かを判定する(ステップS2053)。
ここで、慣性センサのX方向のロール変化量(IMU_ロール変化量)が閾値を超えるか、又は慣性センサのY方向のヨー変化量(IMU_ヨー変化量)が閾を超える場合(ステップS2053“YES”)、運転支援調整部134は、「回避行動有り」と判定する(ステップS2055)。一方、慣性センサのX方向のロール変化量(IMU_ROLL変化量)が閾値を超えないか、又はY方向のヨー変化量(IMU_ヨー変化量)が閾値を超えない場合(ステップS2053“NO”)、運転支援調整部134は、ドライバによる「回避行動無し」と判定する(ステップS2054)。
なお、運転支援調整部134は、ドライバの回避行動(ブレーキ操作やアクセル操作)による車両の挙動を判定するにあたり、Z方向のIMU_加速度G、X方向のIMU_ロール変化量、Y方向のIMU_ヨー変化量等の車両の挙動をIMU出力パラメータとして事前に収集しておき、試験やシミュレーション等により最適な閾値を設定しておく必要がある。
説明を図5のフローチャートに戻す。図5において、回避行動の有無判定(ステップS205)の後、「回避行動有り」(ステップS206“YES”)と判定されると、運転支援調整部134は、ステップS204でカウントされ記録された、場所、進路、昼夜の別毎の、回避行動の回数を更新(+1)する(ステップS207)。
ところで、運転支援信頼推定部135では、運転支援実行部132によるFCW実行の都度、あるいは所定期間毎に信頼度(FCW実行信頼度)の算出を行なっている(ステプS208)。ここで、信頼度とは、運転支援実行部132が報知部14を介して報知(警報)を発した後のドライバ操作による回避行動の回数をFCW実行回数で除算することにより算出されるFCW実行成否率のことである。このFCW実行成否率は、場所、進路、昼/夜の別毎に算出される。
なお、ステップS206の「回避行動有無」の判定処理において、「回避行動無し」と判定された場合(ステップS206“NO”)、運転支援調整部134は、回避行動回数を更新することなく、運転支援信頼推定部135が信頼度(FCW実行信頼度)を算出する(ステップS208)。
続いて、運転支援調整部134は、運転支援信頼推定部135で算出された信頼度(FCW実行信頼度)が、UP基準(第1所定基準)を超えるか否かを判定する(ステップS209)。ここで、信頼度(FCW実行信頼度)がUP基準(第1所定基準)を超えると判定されたとき、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を強める(UPさせる)調整を行う(ステップS210)。具体的に、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを早めるか、実行強度を強めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを早めると共に実行強度を強めるための調整を行ってもよい。
このため、信頼度(FCW実行信頼度)が高い場所、進路、昼や晴れ等の環境下では、より積極的にドライバの運転を支援することができる。
一方、運転支援信頼推定部135で算出された信頼度(FCW実行信頼度)が、UP基準(第1所定基準)を超えないと判定されたときに(ステップS209“NO”)、運転支援調整部134は、更に、FCW実行の程度がデフォルト基準(初期基準)を超えるか否かを判定する(ステップS211)。
ここで、FCW実行の程度がデフォルト基準(初期基準)を超えると判定されたときに(ステップS211“YES”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を弱める(DOWNさせる)ための調整を行う(ステップS212)。具体的に、運転支援調整部134は、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを遅くするか、実行強度を弱めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを遅くすると共に実行強度を弱めるための調整を行ってもよい。
このため、報知及び/又は介入が少ないドライバに対しては運転支援を弱め、このことにより、ドライバ自身の運転を尊重することができる。
一方、FCW実行の程度がデフォルト基準を超えないと判定されたときに(ステップS211“NO”)、運転支援調整部134は、更に、信頼度(FCWの実行信頼度)がDOWN基準(第2所定基準)以下であるか否かを判定する(ステップS213)。
ここで、信頼度(FCW実行信頼度)がDOWN基準(第2所定基準)以下であると判定されると(ステップS213“YES”)、運転支援調整部134は、FCW実行の程度を弱める(DOWNさせる)調整を行う(ステップS214)。具体的に、運転支援調整部134は、運転支援実行部132により実行されるFCWの実行タイミングを遅くするか、実行強度を弱めるための調整を行う。なお、FCWの実行タイミングを早めると共に実行強度を弱めるための調整を行ってもよい。
このため、報知及び/又は介入が少ないドライバに対しては運転支援を弱め、このことにより、ドライバ自身の運転を尊重することができる。
(運転支援実行の程度の総合判定)
本実施形態の車両用制御システムでは、最終的に運転支援実行の程度を判定するにあたり、ドライバ特性と、運転支援判定部131の特性の、2つの分析結果から運転支援実行の程度を判定するものとする。そして、予め、判断の主軸とする分析結果を決めて「基本値」(ここではドライバ特性を重要視する)を設定し、残る分析結果を「調整値」(ここでは運転支援実行部の特性)として設定することで、重要視すべき分析結果への運転支援実行の程度の追従を実現する。
以下に示す<表2>に、「FCW実行の程度の調整例」が示されている。
Figure 0007395069000002
<表2>によれば、FCW実行の程度に関し、「基本値」をドライバ特性とし、「調整値」を運転支援判定部131の特性として、最終的にFCW実行の程度を決定(「決定値」とする)する場合、ドライバ特性に基づく実行状況の分析結果(「基本値」)が、運転支援の実行タイミングを早める及び/又は運転支援実行部132の実行強度を強めることを示す一方で(“Middle”セットレベル)、運転支援判定部131の特性に基づく実行状況の分析結果(「調整値」)が、実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱めることを示す場合(“LOW”セットレベル)、最終的に、実行タイミング及び実行強度のいずれも維持する(「決定値」が“Default”調整後レベル)ことを示している。
このように、運転支援調整部134が、ドライバ特性と運転支援判定部131(例えば、検出部11のセンサ類)の特性の2つの分析結果から、運転支援実行部132による運転支援実行の程度を調整する場合、予め判断の主軸とする分析結果を決めて「基本値」(ここではドライバ特性を重要視する)を設定し、残る分析結果を「調整値」(ここでは運転支援判定部131の特性)として設定することで、重要視すべき分析結果への運転支援実行の程度の追従を実現することができる。
また、「基本値」をドライバ特性とし、「調整値」を運転支援判定部131の特性として、最終的にFCW実行の程度を決定する場合(「決定値」とする)、運転支援判定部131の特性による調整は、<表2>の中に「調整を許容する範囲」として示すように、基本値(主軸)±1の範囲(第1の範囲)に制限することとし、このことにより、尊重すべきドライバ特性の分析結果への追従を実現できる。
図7は、図3の「運転支援実行の程度総合判定」処理の詳細な処理手順を示すフローチャートであり、それは、上述した<表1>に示す「FCW実行の程度の調整例」にしたがう内容になっている。以下、図7のフローチャートを参照して図1に示す制御部13(運転支援調整部134)の動作について説明する。
図7において、運転支援調整部134は、まず、ドライバ特性の記録及び分析のための処理を実行する(ステップS301)。ここでの処理は、図3のフローチャートにおけるステップS10、及び図4のフローチャートにおけるステップS101~S115に示した通りである。要約すれば、ステップS301で、運転支援調整部134が、ドライバ特性として運転支援実行部132による運転支援の実行回数(生涯の実行回数及び/又は直近の実行回数)を運転支援状況記録部133に記録し、記録された運転支援の実行回数を、UP基準(第1所定基準)、DOWN基準(第2所定基準)、あるいはデフォルト基準(初期基準)とそれぞれ比較し、その結果にしたがい運転支援の程度を分析する。
続いて、運転支援調整部134は、ドライバ特性を重要視する観点から、ドライバ特性の分析結果(FCW実行の程度)を「基本値」としてセットする(ステップS302)。
次に、運転支援調整部134は、場所に対する記録及び分析のための処理を実行する(ステップS303)。ここでの処理は、図3のフローチャートにおけるステップS20、及び図5のフローチャートにおけるステップS201~S214に示した通りである。要約すれば、ステップS303で、運転支援調整部134が、運転支援実行部132により実行される運転支援の実行回数を、実行時の場所(位置情報)等と関連付けて記録し、記録された場所等(進路、周辺環境を含んでもよい)に関連する情報に基づき、UP基準(第1所定基準)、DOWN基準(第2所定基準)、あるいはデフォルト基準(初期基準)とそれぞれ比較し、その結果にしたがい運転支援の程度を分析する。
続いて、運転支援調整部134は、場所に対する分析結果を、先にセットした「基本値」に対して調整するための「調整値」としてセットする(ステップS304)。
次に、運転支援調整部134は、「基本値」が「調整値」を超えないときに(ステップS305“YES”)、更に「基本値」が「調整値」を超えるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、「基本値」が「調整値」を超えるときに(ステップS306“YES”)、運転支援調整部134は、これまでの「基本値」を調整後のFCW実行の程度としてセットし(ステップS308)、越えないときに(ステップS306“NO”)、これまでのFCW実行の程度を1段階だけ低下させ(「基本値-1」)、調整された新たなFCW実行の程度としてセットする(ステップS307)。
なお、ステップS305で、「基本値」が「調整値」を超えると(ステップS305“NO”)、運転支援調整部134は、これまでのFCW実行の程度を1段階上げ(「基本値+1」)、調整された新たなFCW実行の程度としてセットする(ステップS309)。
このように、上述した<表2>の「FCW実行の程度の調整例」に示すように、最終的にFCW実行の程度を決定(「決定値」)する際に、運転支援判定部131の特性による調整は、「基本値」と「調整値」の範囲の差(レベル差)が2段階あっても、「調整を許容する範囲」として示すように、「基本値(主軸)±1」の範囲(第1の範囲)に制限することとした。このことにより、尊重すべきドライバ特性の分析結果への追従を実現できる。ここでは、「基本値」にセットした分析結果を尊重して走行制御で活用するために、FCW実行の程度の調整を「基本値±1」の範囲に制限している。
なお、上述した制御部13が有する機能は、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、各機能ブロック130~135としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現できる。この場合、制御部13は、上述したプログラムを実行するためのハードウエアとして、少なくとも一つの制御装置(例えばプロセッサ)と、少なくとも一つの記憶装置(例えば、RAM)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置とにより上述したプログラムを実行することにより、本実施形態で説明した各機能ブロックが持つ制御を実現できる。
また、上述したプログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な1以上の記録媒体に記録されてもよい。この記録媒体は、制御部13が備えてもよく、また、備えなくてもよい。後者の場合、上述したプログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して上述した制御部13に供給されてもよい。
また、上述した各制御ブロックが持つ機能の少なくとも一部は論理回路によって実現することも可能である。例えば、上述した各機能ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも例えば量子コンピュータにより各機能ブロッの機能を実現することも可能である。また、本実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは、本実施形態の制御部13で動作するものでもよく、また、他の装置(例えば、クラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図3のフローチャートに示すように、制御部13(運転支援調整部134)が、運転支援実行部132による運転支援の実行状況を記録及び分析し(ステップS10)、この実行状況の分析結果に基づき運転支援の程度(度合い)を調整する(ステップS30)。
このため、報知回数が多いドライバに対してより的確に報知することができる。言い換えれば、警告が多く出る、危険な運転を行う傾向の強いドライバに対しては警告を強め(早める)調整を行い、警告が出ないような運転を促すことで安全運転に貢献することができ、一方、安全運転を行う傾向の強いドライバに対しては警告を弱める調整を行うことでドライバ自身の運転を尊重することができ、無駄な警告による不快感を解消することができる。同様に、報知の回数が多いトライバに対してはより的確に走行制御に介入することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図4のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の総(生涯)実行回数に基づき算出される生涯実行率及び/又は直近の実行回数に基づき算出される直近の実行率を記録し(ステップS101~S105)、記録された生涯実行率及び/又は直近の実行率を分析することにより運転支援の程度を調整する(ステップS106~S111)。このように算出される実行率に基づき運転支援の程度を調整することで、報知回数が多いドライバに対してより的確に報知することができ、同様に、報知の回数が多いトライバに対してはより的確に走行制御に介入することができる。なお、実行率に代えて実行回数を運転支援実行部132の運転支援による実行状況として記録して分析しても同様の効果が得られる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図4のフローチャートに示すように、運転支援実行部132による運転支援の実行率が第1所定基準(UP基準)を超えるときに(ステップS110“YES”)、実行タイミングを早める及び/又は実行強度を強める調整を行う(ステップS111)。このため、運転支援の実行回数が多いドライバに対して運転支援実行部の実行タイミング(開始距離(時間))を早める及び/又は実行強度(警告の強さ)を強めることで、報知及び/又は走行制御への介入が多いドライバに対してより積極的にドライバの運転を支援することができ、安全運転に貢献することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図4のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行率が第1所定基準(UP基準)を超えないときに(ステップS110“NO”)、実行タイミング及び/又は実行強度が初期基準を超えるか否かの判定を行い(ステップS112)、初期基準を超えるときに(ステップS112“YES”)、実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱める制御を行う(ステップS113)。このため、報知及び/又は走行制御への介入が少ないドライバに対してドライバ自身の運転を尊重することができ、無駄な警告による不快感を解消することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図4のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行状況として、総(生涯)実行率および直近の実行率を記録し(ステップS101~S109)、第1所定基準(UP基準)と第2所定基準(DOWN基準)を用い、FCWの直近の実行率が第1所定基準(UP基準)を超えるときに(ステップS110“YES”)、FCW実行の程度を強める調整を行い(ステップS111)、総(生涯)実行率が第2基準を下回る場合に(ステップS114“YES”)FCW実行の程度を低下させる調整を行う(ステップS115)。このため、報知及び/又は走行制御への介入が多いドライバに対しては、より積極的にドライバの運転を支援することができ、報知及び/又は走行制御への介入が少ないドライバに対しては運転支援を弱めることでドライバ自身の運転を尊重することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図4のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行状況として、総(生涯)実行率および直近の実行率を記録し(ステップS101~S109)、第1所定基準(UP基準)、初期基準(デフォルト基準)、第2所定基準(DOWN基準)を用い、FCWの直近の実行率が第1所定基準(UP基準)を超えるときに(ステップS110“YES”)FCW実行の程度を強める制御を行ない(ステップS111)、第1の所定基準(UP基準)を超えることなく(ステップS110“NO”)、かつ、初期基準(デフォルト基準)を超えるときに(ステップS112“YES”)、FCW実行の程度を低下させ(ステップS113)、そして、総(生涯)実行率が第2所定基準(DOWN基準)を下回る場合に(ステップS114“YES”)、FCW実行の程度を低下させる制御を行う(ステップS115)。このため、報知及び/又は走行制御への介入が多いドライバに対しては、より積極的にドライバの運転を支援することができ、報知及び/又は走行制御への介入が少ないドライバに対しては運転支援を弱めることでドライバ自身の運転を尊重することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、運転支援調整部134は、車両の走行距離もしくは走行時間、又は運転支援実行部132による運転支援の実行率が閾値を超えるまで(例えば、「車両走行距離≧生涯実行率算出距離」)、実行率が第1の所定基準を超えるか否かを判定しない。このように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による報知及び/又は走行制御への介入の回数が多いか否かを判定する際に運転支援の実行回数および実行率を多く記録することで、より調整の精度を強めることができる。したがって、報知及び/又は走行制御への介入が多いドライバに対しては、より積極的にドライバの運転を支援することができ、報知及び/又は走行制御への介入が少ないドライバに対しては運転支援を弱めることでドライバ自身の運転を尊重することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図5のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行状況を実行時の場所と関連付けて記録し(ステップS201~S204)、その場所毎に実行状況を分析する(ステップS209~S214)。このように、分析の際に場所を特定することで、報知及び/又は走行制御への介入を適正に分析することができる。なお、場所の他に、その場所への入り方(進路)、昼/夜の別を含む環境情報も関連付けて記録し、これらを特定することで報知及び/又は走行制御への介入を適正に分析することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図5のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部による運転支援の実行状況として、場所毎にその実行回数を運転支援信頼推定部135で算出される実行信頼度(報知後の回避行動の回数を運転支援の実行回数で除算した運転支援の実行成否率)と共に記録し(ステップS208)、場所毎に実行信頼度が第1所定基準を超えるときに(ステップS209“YES”)、実行タイミングを早める及び/又は実行強度を強める調整を行う(ステップS210)。このため、実行信頼度が高い場所ではより積極的にドライバの運転を支援することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図5及び図6のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行状況として、ドライバの操作の有無及び/又は車両の挙動の有無に基づき(図6のステップS2051~S2053)、場所毎にその実行回数を信頼度と共に記録し(図5のステップS205~S208)、場所毎に実行回数の実行信頼度が第1所定基準(UP基準)を超えるときに(図5のステップS209“YES”)、実行タイミングを早める及び/又は実行強度を強める調整を行う(図5のステップS210)。このため、信頼度が高い場所ではより積極的にドライバの運転を支援することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図5のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援実行部132による運転支援の実行回数の実行信頼度が第1所定基準(UP基準)を超えないときに(ステップS209“NO”)、更に、実行タイミング及び/又は実行強度が初期基準(デフォルト基準)を超えるか否かを判定する(ステップS211)。そして、実行タイミング及び/又は実行強度が初期基準(DOWN基準)を超えないときに(ステップS211“NO”)、実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱める調整を行う(ステップS212)。
言い換えれば、報知及び/又は走行支援への介入が少ない(警告を発した後の回避行動が少ない)ドライバに対しては運転支援を控えめにする。このことにより、ドライバに与える不快感を低減すると共に、ドライバ自身の運転を尊重することができる。なお、回避行動の有無は、車両に搭載されたセンサ類を利用し、警告を発した後のドライバによる、ブレーキ、アクセル、ハンドル操作等を検知することで判定が可能である。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図5のフローチャートに示すように、運転支援調整部134が、運転支援信頼推定部135で算出される運転支援の実行回数の信頼度が初期基準(デフォルト基準)を超えず(ステップS211“NO”)、場所毎にその実行回数の信頼度が第2所定基準(DOWN基準)であれば(ステップS213“YES”)、その実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱める調整を行う(ステップS214)。言い換えれば、報知及び/又は走行支援への介入が少ない(警告を発した後の回避行動が少ない)ドライバに対しては運転支援を控えめにする。このことにより、ドライバに与える不快感を低減すると共に、ドライバ自身の運転を尊重することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、図7のフローチャートに示すように、運転支援状況記録部133に記録された実行状況の全てを利用してドライバ特性を分析し(ステップS301)、場所と関連付けて記録された走行状況に基づき運転支援判定部131の特性を分析する(ステップS303)ことで、ドライバ特性に運転支援判定部131の特性を考慮した調整(ステップS305~S309)が可能になる。したがって、より安全で快適な運転支援を提供することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、<表2>の「FCW実行の程度の調整例」に示すように、FCW実行の程度に関し、「基本値」を個人の特性とし、「調整値」を運転支援判定部131の特性として、最終的にFCW実行の程度を決定する(「決定値」とする)場合、ドライバ特性に基づく実行状況の分析結果(「基本値」)が、運転支援の実行タイミングを早める及び/又は運転支援実行部132の実行強度を強めることを示す一方で(“Middle”セットレベル)、運転支援判定部131の特性に基づく実行状況の分析結果(「調整値」)が、実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱めることを示す場合(“Low”セットレベル)、最終的に、「決定値」を“Default”調整後レベルとして実行タイミング及び実行強度のいずれも維持する。
このように、ドライバ特性と運転支援判定部131の特性の2つの分析結果から運転支援実行の程度を調整する場合、予め判断の主軸とする分析結果を決めて「基本値」(ここではドライバ特性を重要視する)を設定し、残る分析結果を「調整値」(ここでは運転支援判定部131の特性)として設定することにより、重要視すべき分析結果への運転支援実行の程度の追従を実現することができる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、例えば、<表2>の「FCW実行の程度の調整例」に示すように、FCW実行の程度に関し、「基本値」をドライバ特性とし、「調整値」を運転支援判定部131の特性として、最終的にFCW実の程度を決定する(「決定値)とする)場合、運転支援判定部131の特性による調整は、「基本値」と「調整値」との範囲の差(レベル差)が2段階あるものの、<表2>の中に「調整を許容する範囲」として示すように、「基本値±1」の範囲(第1の範囲)に制限することとし、このことにより、尊重すべきドライバ特性の分析結果への追従を実現できる。
以上説明のように、本実施形態の車両用制御システムによれば、危険な運転をするドライバに対しては警告を強めて(早めて)、警告が出ないような運転を促すことができる。言い換えれば、ADASによるドライバへの警告をドライバ特性(例えば、癖、性格、集中力、年齢、反射神経等)に応じて実行することができる。また、警告の精度も高めることもできる。
(変形例)
なお、本実施形態の車両用制御システムによれば、制御部13(運転支援調整部134)は、運転支援状況記録部133に記録された運転支援の実行状況の分析結果に基づいて運転支援の程度を調整(運転支援の実行タイミング及び/又は運転支援の実行強度の調整)するものとして説明したが、分析に代え、運転支援状況記録部133に記録された各データ項目の相関を用いた機械学習で代替してもよい。この場合、例えば、同じ場所でADASが機能していると学習した場合に、報知の実行タイミングを早め及び/又は実行強度を強めることができ、また、報知後の回避行動が検出されない場合の無駄な警報であると判断して報知の実行タイミングを遅くし及び/又は実行強度を弱めることができる。また、ADASが機能した場合に、その種類と場所(位置情報)をクラウドへ集積することで、車両を買い替えた場合にその学習情報を引き継ぐサービスを提供できる。
なお、クラウドサーバを利用することで車両内に搭載される、例えば、プロセッサやRAM等、リソースの負担が軽減される他に、精度の高い運転支援実行状況の分析、及び運転支援実行の程度の調整が可能になる。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、制御部13(運転支援調整部134)が、運転支援の実行状況として運転支援の実行回数を記録し、分析するものとして説明したが、実行回数に代え、実行回数に基づいて算出される実行率(総実行回数/算出スロット数、但し、算出スロット数=車両走行距離/1スロット距離(例えば、100km))を記録し、分析してもよい。
また、本実施形態の車両用制御システムによれば、運転支援実行部132の運転状況を実行時の場所と関連付けて記録することとしたが、実行状況をドライバ情報と関連付けて記録することによりドライバ毎の実行状況を分析してもよい。個人(同一人物)を保証する仕組みを提供することで車体交換時の引継ぎサービス等に有益である。
また、本実施形態の車両用制御システムにおいて、制御部13(運転支援実行部132)が、ADAS機能のうちFCWを例示して実行するものとして説明したが、FCWに限らず、AEBS(衝突被害軽減制御装置)、ACC(車間距離制御)、LDW(車間逸脱警報)、BSD(死角検知)、AFS(自動ヘッドランプ光軸調整)、TSR(交通標識認識)等も同様、それぞれの実行回数を記録し、分析することで運転支援調整が可能である。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
11・・・検出部、12・・・周辺感知部、13・・・制御部、14・・・報知部、15・・・車両機構部、16・・・GPS/地図、17・・・車外通信部、20・・・CAN、130・・・走行制御部、131・・・運転支援判定部、132・・・運転支援実行部、133・・・運転支援状況記録部、134・・・運転支援調整部、135・・・運転支援信頼推定部。

Claims (19)

  1. ドライバによる車両の操作を検出する検出部と、
    前記車両の周辺の状況を感知する周辺感知部と、
    前記車両の操作に応じて前記車両の走行を制御する走行制御部、前記車両周辺の状況に応じて前記ドライバへの運転支援の必要性を判定する運転支援判定部、および前記運転支援判定部の判定結果に応じて前記運転支援を実行させる運転支援実行部、を含む制御部と、を備えた車両用制御システムであって、
    前記制御部は、
    前記運転支援実行部による実行状況を記録して分析し、前記実行状況の分析結果に基づき前記運転支援の程度を調整する運転支援調整部を含み、
    前記運転支援調整部は、
    前記実行状況として、少なくとも、前記運転支援実行部による生涯の運転支援実行回数を算出距離単位で除算して得られる生涯の実行率及び/又は直近の実行回数を算出距離単位で除算して得られる直近の実行率を記録する、車両用制御システム。
  2. 前記運転支援調整部により実行される前記運転支援の程度の調整は、
    前記運転支援の実行タイミング及び/又は前記運転支援の実行強度の調整である、請求項1に記載の車両用制御システム。
  3. 前記運転支援実行部により実行される前記運転支援は、
    前記運転支援判定部による前記判定の結果に応じた報知及び/又は前記走行制御部による前記走行制御への介入である、請求項1に記載の車両用制御システム。
  4. 前記運転支援調整部は、
    前記実行状況として、前記運転支援実行部による前記運転支援の前記実行率を記録し、
    前記運転支援の実行率が第1所定基準を超えるときに、前記運転支援実行部の実行タイミングを早める及び/又は実行強度を強める、請求項に記載の車両用制御システム。
  5. 前記実行率が前記第1所定基準を超えないときに、
    前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の実行タイミング及び/又は実行強度が初期基準を超えるか否かを判定し、
    前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が前記初期基準以下であるときに、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱める、請求項に記載の車両用制御システム。
  6. 前記運転支援調整部は、
    前記運転支援の生涯の実行率及び/又は直近の実行率を前記運転支援実行部の実行状況として記録し、
    前記直近の実行率が第1所定基準を超えるときに、前記運転支援の実行タイミングを早める及び/又は前記運転支援の実行強度を強め、
    前記生涯の実行率が前記第2所定基準を下回るときに、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱める、請求項1に記載の車両用制御システム。
  7. 前記運転支援調整部は、
    前記実行状況として、少なくとも、前記運転支援実行部による生涯の運転支援実行回数を算出距離単位で除算して得られる生涯の実行率及び/又は直近の実行回数を算出距離単位で除算して得られる直近の実行率を記録し、
    前記直近の実行率が第1の所定基準を超えるときに、前記運転支援実行部の実行タイミングを早める及び/又は前記運転支援実行部の実行強度を強め、
    前記直近の実行率が前記第1の所定基準を超えないときに、前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が初期基準を超えるか否かを判定し、
    前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が前記初期基準を超えるときに、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱め、
    前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が前記初期基準を超えないときに、前記生涯の実行率が第2の所定基準を下回るか否かを判定し、
    前記生涯の実行率が前記第2の所定基準を下回れば前記実行強度を弱める、請求項1に記載の車両用制御システム。
  8. 前記運転支援調整部は、
    前記車両の走行距離もしくは走行時間、又は前記運転支援実行部の実行回数が閾値を超えるまで前記実行回数が前記第1の所定基準を超えるか否かを判定しない、請求項に記載の車両用制御システム。
  9. 前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の前記実行状況を前記運転支援実行部の実行時の場所と関連付けて記録し、前記実行時の場所毎に前記実行状況を分析する、請求項1に記載の車両用制御システム。
  10. 前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の実行状況を前記運転支援実行部の実行時の前記車両の進路と更に関連付けて記録し、前記進路毎に、前記運転支援実行部の前記実行状況を分析する、請求項に記載の車両用制御システム。
  11. 前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の前記実行状況を前記運転支援実行部の実行時の前記車両の周辺の環境と更に関連付けて記録し、前記環境毎に、前記運転支援実行部の前記実行状況を分析する、請求項又は10に記載の車両用制御システム。
  12. 前記運転支援判定部の判定結果の信頼度を前記場所毎に推定する運転支援信頼推定部、を更に含み、
    前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の実行状況として、前記場所毎に前記運転支援実行部の実行回数を前記信頼度と共に記録し、前記場所毎に前記判定結果の信頼度が第1所定基準を超えるときに、前記運転支援実行部の実行タイミングを早める及び/又は前記運転支援実行部の実行強度を強める、請求項に記載の車両用制御システム。
  13. 前記運転支援実行部の実行後に、前記ドライバの操作の有無及び/又は前記車両の挙動の有無に基づき、前記運転支援判定部の判定結果の信頼度を、前記場所毎に推定する運転支援信頼推定部を更に含み、
    前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の実行状況として、前記場所毎に前記運転支援実行部の実行回数を前記信頼度と共に記録し、
    前記場所毎に、前記判定結果の信頼度が第1所定基準を超えるときに、前記運転支援実行部の実行タイミングを早める及び/又は前記運転支援実行部の実行強度を強める、請求項に記載の車両用制御システム。
  14. 前記運転支援調整部は、
    前記判定結果の信頼度が前記第1所定基準を超えないときに、前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が初期基準を超えるか否かを判定し、
    前記実行タイミング及び/又は前記実行強度が初期基準を超えるときに前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱める、請求項12又は13に記載の車両用制御システム。
  15. 前記運転支援調整部は、
    前記判定結果の信頼度が初期基準を超えないときに、前記場所毎に前記判定結果の信頼度が第2所定基準以下であるか否かを判定し、
    前記実行回数の信頼度が前記第2所定基準以下であれば前記実行タイミングを遅くする及び/又は実行強度を弱める、請求項12又は13に記載の車両用制御システム。
  16. 前記運転支援調整部は、
    前記運転支援実行部の実行状況を前記運転支援実行部の実行時の場所と関連付けないで前記実行状況の全てを記録し、前記運転支援実行部の前記実行状況として、前記ドライバ特性を分析し、及び/又は、前記運転支援実行部の前記実行状況を前記運転支援実行部の実行時の場所と関連付けて記録し、前記場所毎に、前記運転支援実行部の前記実行状況として、前記運転支援判定部の特性を分析する、請求項1に記載の車両用制御システム。
  17. 前記運転支援調整部は、
    前記ドライバの特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記運転支援実行部の実行タイミングを早める及び/又は前記運転支援実行部の実行強度を強めることを示す一方で、前記運転支援判定部の特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱めることを示す場合、
    最終的に、前記実行タイミング及び前記実行強度のいずれも維持する、請求項16に記載の車両用制御システム。
  18. 前記運転支援調整部は、
    前記ドライバの特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを早める及び/又は前記実行強度を強めることを示す一方で、前記運転支援判定部の特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを維持する及び/又は前記実行強度を維持することを示す場合、
    最終的に、第1の範囲で、前記実行タイミングを早める及び/又は前記実行強度を強め、
    前記ドライバの特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを早める及び/又は前記実行強度を強めることを示す一方で、前記運転支援判定部の特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを早める及び/又は前記実行強度を強めることを示す場合、
    最終的に、前記第1の範囲と同じ程度で、前記実行タイミングを早める及び/又は前記実行強度を強める、請求項16に記載の車両用制御システム。
  19. 前記運転支援調整部は、
    前記ドライバの前記特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱めることを示す一方で、前記運転支援判定部の特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを維持する及び/又は前記実行強度を維持することを示す場合、
    最終的に、第1の範囲で、前記第1の実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱め、
    前記ドライバの特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱めることを示す一方で、前記運転支援判定部の特性に基づく前記実行状況の分析結果が、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱めることを示す場合、
    最終的に、前記第1の範囲と同じ程度で、前記実行タイミングを遅くする及び/又は前記実行強度を弱める、請求項16に記載の車両用制御システム。
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