JP7394302B2 - ソリフェナシンの苦味がマスキングされた粒子状医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の苦味及び収斂性をマスキングした粒子状医薬組成物に関する。また、本発明は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含む粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠に関するものである。
特許文献1には、下記化学式1のソリフェナシン(solifenacin)が、化合物名1-アザビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル(1R)-1-フェニル-3、4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボン酸であって、神経性頻尿、神経因膀胱、夜尿症、不安定膀胱、膀胱頸縮、慢性膀胱炎などにおける尿失禁および頻尿等の泌尿器疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、鼻炎等の呼吸器疾患、過敏性腸症候群、痙攣性大腸炎、憩室炎等の消化器疾患の予防または治療剤として有用であると開示されている。
Figure 0007394302000001
特許文献2には、ソリフェナシンを含有する核粒子と、それを被覆する中間層、最外層からなる口腔内速崩壊錠に用いる経口投与用時限放出型粒子状医薬組成物が開示されている。
また、特許文献3には、ソリフェナシンとガラス転移点あるいは融点が140℃以下である結合剤を含有する安定な粒子状医薬組成物が開示されている。
しかしながら、これらのいずれの特許文献にも、コハク酸ソリフェナシンを含有する粒子に、滑沢剤、コーティング剤、及び非イオン性界面活性剤を含む膜が被覆された粒子状医薬組成物は、開示されていない。
国際公開第96/20194号 特許第4277904号公報 特許第4636445号公報
本発明は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の苦味及び/又は収斂性がマスキングされてなる粒子状医薬組成物、並びに該粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ソリフェナシンまたはソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子が、中間層で被覆されるだけでなく、滑沢剤、コーティング剤、及び非イオン性界面活性剤を含む層で被覆され、更に、最外層に糖又は糖アルコールを含む層により被覆されてなる粒子状医薬組成物が十分な苦味及び収斂性をマスキングすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、<1>ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子と、滑沢剤、コーティング剤、及び非イオン性界面活性剤を含む混合被膜層とを含有する粒子状医薬組成物を提供する。
<2>滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、前記<1>に記載の粒子状医薬組成物を提供する。
<3>滑沢剤の含量が、混合被膜あたり30重量%以上である前記<1>~<2>に記載の粒子状医薬組成物を提供する。
<4>コーティング剤が、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びヒプロメロースからなる群より選択される少なくとも1つである、前記<1>~<3>に記載の粒子状医薬組成物を提供する。
<5>非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート類、及びラウロマクロゴールからなる群より選択される少なくとも1つである、前記<1>~<4>に記載の粒子状医薬組成物を提供する。
<6>ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子に被覆された混合被膜層が、メチルセルロースからなる中間層により物理的に接触していない前記<1>~<5>に記載の粒子状医薬組成物を提供する。
<7>前記<1>~<6>のいずれかに記載の粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠を提供する。
<8>更にβ-シクロデキストリンを含有する前記<7>記載の口腔内崩壊錠を提供する。
本発明の粒子状医薬組成物及び該粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の苦味及び/又は収斂性が抑制されているため、苦味及び収斂性を有するソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩による、服用時の不快感を軽減し、服薬コンプライアンスを向上させる医薬品として有用である。
コハク酸ソリフェナシン 化学名(3R)-1-Azabicyclo[2、2、2]oct-3-yl(1S)-1-phenyl-3、4-dihydroisoquinoline-2(1H)-carboxylate monosuccinateは、以下の化学式により表される化合物である。コハク酸ソリフェナシンは、例えば、特許第3014457号公報に記載の方法によって製造されうる。
Figure 0007394302000002
以下に本発明の粒子状医薬組成物の構成に関して説明する。
本発明に用いられる「ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子」としては、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含む粒子であれば、制限されない。具体的には、該粒子は、例えば、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩、及び製薬学的に許容される核を含み、更に所望により、結合剤、安定化剤、抗酸化剤等の各種医薬品添加剤を含む。前記核としては、例えば、乳糖・結晶セルロース、結晶セルロース(粒)等が挙げられる。好ましくは、乳糖・結晶セルロース(球状粒子)である。結合剤としては、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩、更に他の医薬品添加物と核とを結合させる作用を有するものであれば、制限されない。例えば、ヒプロメロース等が挙げられる。このとき、ヒプロメロースは、粒子状医薬組成物内に或いは口腔内崩壊錠内に、ソリフェナシンを実質的に非晶質体として存在させることにより、ソリフェナシンの安定化剤としても機能する。安定化剤としては、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を、有効期間内に物理化学的に安定に維持しうるものであれば、制限されない。抗酸化剤としては、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の、酸付加或いは酸化分解を抑制する作用を有するものであれば制限されない。例えば、酒石酸等が挙げられる。乳糖・結晶セルロース(球状粒子)の含量は、粒子状医薬組成物の重量あたり、40~95重量%が好ましく、50~80重量%がより好ましい。次に、酒石酸は、製薬学的に許容されるものであれば、制限されない。酒石酸の含量は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の含量との比率で1:0.48が好ましい。次に、ヒプロメロースも、製薬学的に許容されるものであれば、制限されない。ヒプロメロースの含量は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の含量との比率は1:1が好ましい。
本発明における「中間層」とは、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する核粒子と、混合被膜層との間に存在する層を意味する。該中間層は、1種または2種以上のコーティング剤を含有する。中間層は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する核粒子に直接被覆されることが可能である。中間層に含まれるコーティング剤は、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びヒプロメロースからなる群より選択される少なくとも1つのコーティング剤が好ましく、メチルセルロースがより好ましい。メチルセルロースの含量は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩含有核粒子の重量あたり1~10重量%が好ましく、3~7重量%がより好ましい。
本発明における「混合被膜層」とは、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する核粒子に中間層が被覆され、更に被覆される層を意味する。混合被膜層は、中間層の上に直接被覆されることが可能である。更に、混合被膜層の上にソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩の放出(ソリフェナシン溶出を含む)に実質的に影響を及ぼさない成分を、1層又は2層以上の被膜層として被覆してもよい。混合被膜層は、1種または2種以上の水不溶性物質を含み、1種または2種以上の水溶性物質を含んでもよい。
本発明に用いられる「混合被膜層に含まれるコーティング剤」としては、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びヒプロメロースからなる群より選択される少なくともいずれか1のコーティング剤が好ましく、その中でもメチルセルロースがより好ましい。メチルセルロースの含量は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩含有核粒子の重量に対して0.1~10重量%が好ましく、1~6重量%がより好ましい。
本発明に用いられる「混合被膜層に含まれる滑沢剤」としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、及びカルナウバロウからなる群より選択される少なくともいずれか1の滑沢剤が好ましく、その中でもステアリン酸マグネシウムがより好ましい。ステアリン酸マグネシウムの含量は、ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩含有核粒子の重量に対して、0.1~10重量%が好ましく、1~6重量%がより好ましい。
本発明に用いられる「非イオン性界面活性剤」としては、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート類、及びラウロマクロゴールからなる群より選択される少なくともいずれか1の非イオン性界面活性剤が好ましく、その中でもポリエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコールがより好ましい。ポリエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコールの含量は、混合被膜層の重量あたり1~20重量%が好ましく、5~15重量%がより好ましい。
更に、本発明において、粒子状医薬組成物を含む口腔内速崩壊錠とするには、当技術分野で既知の任意の添加剤を含むことができる。また当該添加剤としては、賦形剤、流動化剤、滑沢剤などの任意の製剤化成分を含むことができ、これらの製剤化成分以外にも、当技術分野で用いられる着色剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、又はパフューム剤などを本発明の粒子状医薬組成物と混合して口腔内崩壊錠としても良い。また本発明の粒子状医薬組成物を含む口腔内崩壊錠は、フィルムコーティングを施してもよく、当該フィルムコーティングは、フィルム基剤、可塑剤、着色料、固着防止剤、光沢化剤などを必要に応じて適宜配合してもよい。
本発明の口腔内崩壊錠に含まれる医薬品添加剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、D-マンニトール、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、β-シクロデキストリン等が挙げられる。苦味及び収斂性抑制の観点から、β-シクロデキストリンが好ましい。β-シクロデキストリンの含量は、口腔内崩壊錠1錠の重量あたり、1~20重量%が好ましく、3~10重量%がより好ましい。β-シクロデキストリン以外に添加される添加剤の含量は、口腔内崩壊錠1錠の重量あたり、20~80重量%が好ましく、30~70重量%がより好ましい。流動化剤は、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。流動化剤の含量は、口腔内崩壊錠1錠の重量あたり、0.01~3重量%が好ましく、0.1~2重量%がより好ましい。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油等が挙げられる。滑沢剤の含量は、口腔内崩壊錠1錠の重量あたり、0.1~3重量%が好ましく、0.5~2重量%がより好ましい。着色剤としては、例えば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等が挙げられる。着色剤の含量は、口腔内崩壊錠1錠の重量あたり、0.01~0.5重量%が好ましく、0.01~0.1重量%がより好ましい。
なお、本発明の粒子状医薬組成物については、例えば、細粒剤、顆粒剤、パレット剤の形態をとりうるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
[薬物を含有する核粒子の調製]
コハク酸ソリフェナシン(ESTEVE HUAYI製、以下同じ)400g、酒石酸(小松屋製;日本薬局方酒石酸、以下同じ)192gおよびヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5E、以下同じ)400gを精製水7200gに溶解した液を、乳糖・結晶セルロース球状粒子(フロイント産業製;ノンパレル-105、以下同じ)3200gに対して、転動流動層造粒装置(パウレック製;FD-GPCG-5SPC)を用いて、給気温度75℃、送液量22mL/min、噴霧空気量2.0m/minで側方噴霧し、薬物を含有する核粒子を得た。
[中間層被覆粒子の調製]
メチルセルロース(信越化学工業製;SM-4、以下同じ) 288gを精製水3840gに溶解した液を、上記の薬物を含有する核顆粒4192gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量22mL/min、噴霧空気量2.0m/minで側方噴霧し、薬物を含有する核粒子に対して約6.9重量%の中間層を被覆し、中間層被覆粒子を得た。
[混合被膜層コーティング液の調製]
メチルセルロース(信越化学工業製;SM-4、以下同じ)128gを精製水1696gに溶解させ、別に用意したポリエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール(フロイント産業製;PEP-101、以下同じ)32g及びステアリン酸マグネシウム160g(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性)、以下同じ)をエタノール(95)(今津薬品工業製;日本薬局方エタノール、以下同じ)480gにそれぞれ溶解及び分散させた液と混合し混合被膜層コーティング液を調製した。
[中間層-混合被膜層被覆粒子の調製]
上記の混合被膜層コーティング液を、中間層被覆粒子4480gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量22mL/min、噴霧空気量2.0m/minで側方噴霧し、中間層被覆粒子に対して約7.1重量%の混合被膜層を被覆し、中間層-混合被膜層被覆粒子を得た。
[中間層-混合被膜層被覆-最外層被覆粒子の調製]
マンニトール(ロケットジャパン製;ペアリトール50C、以下同じ)480gを精製水1920gに溶解した液を中間層-混合被膜層被覆粒子4800gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量22mL/min、噴霧空気量2.0m/minで側方噴霧し、中間層-混合被膜層被覆粒子に対して約10.0重量%の最外層を被覆し、中間層-混合被膜層-最外層被覆粒子を得た。
[口腔内崩壊錠の調製]
上記の粒子状医薬組成物(中間層-混合被膜層-最外層被覆粒子)5280gにD-マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全けん化物)混合物(信越化学工業製;SmartEX QD-50、以下同じ)11680g、結晶セルロース(旭化成製;KG-1000、以下同じ)1600g、クロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F、以下同じ)1040g、β-シクロデキストリン(日本食品化工製;セルデックスB-100H、以下同じ)1040g、香料(ストロベリーミクロン1503、以下同じ)8g、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製;PRUV、以下同じ)80g、アスパルテーム(味の素ヘルシーサプライ製;味の素KKアスパルテーム、以下同じ)80gを混合し、外部滑沢装置を接続したロータリー式打錠機(畑鐵工所製;HT-AP12SS-U)を用いて、錠剤質量130mg、φ7.0mmの円形錠とし、本圧500kgでステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性)、以下同じ)を噴霧しながら打錠を行い、口腔内崩壊錠を得た(1錠当たり130mg)。
比較例1
[薬物を含有する核粒子の調製]
コハク酸ソリフェナシン(ESTEVE HUAYI製、以下同じ)37.5g、酒石酸(小松屋製;日本薬局方酒石酸、以下同じ)18.0gおよびヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5E、以下同じ)37.5gを精製水675gに溶解した液を、乳糖・結晶セルロース球状顆粒(フロイント産業製;ノンパレル-105、以下同じ)300.0gに対して、転動流動層造粒装置(パウレック製;FD-MP-01)を用いて、給気温度75℃、送液量2.8g/min、噴霧空気量0.33m/minで側方噴霧し、薬物を含有する核粒子を得た。
[中間層被覆粒子の調製]
メチルセルロース(信越化学工業製;SM-4、以下同じ) 27.0gを精製水360.0gに溶解した液を、上記の薬物を含有する核顆粒393.0gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量2.8g/min、噴霧空気量0.33m/minで側方噴霧し、薬物を含有する核粒子に対して約6.9重量%の中間層を被覆し、中間層被覆粒子を得た。
[混合被膜層コーティング液の調製]
メチルセルロース(信越化学工業製;SM-4、以下同じ)12.0gを精製水159gに溶解させ、別に用意したポリエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール(フロイント産業製;PEP-101、以下同じ)3.0gをエタノール(95)(今津薬品工業製;日本薬局方エタノール、以下同じ)45gに溶解させた液と混合し混合被膜層コーティング液を調製した。
[中間層-混合被膜層被覆粒子の調製]
上記の混合被膜層コーティング液を、中間層被覆粒子420.0gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量2.8g/min、噴霧空気量0.40m/minで側方噴霧し、中間層被覆粒子に対して約7.1重量%の混合被膜層を被覆し、中間層-混合被膜層被覆粒子を得た。
[中間層-混合被膜層被覆-最外層被覆粒子の調製]
マンニトール(ロケットジャパン製;ペアリトール50C、以下同じ)45.0gを精製水180gに溶解した液を中間層-混合被膜層被覆粒子435.0gに対して、転動流動層造粒装置を用いて、給気温度70℃、送液量2.8g/min、噴霧空気量0.40m/minで側方噴霧し、中間層-混合被膜層被覆粒子に対して約10.0重量%の最外層を被覆し、中間層-混合被膜層-最外層被覆粒子を得た。
[口腔内崩壊錠の調製]
上記の粒子状医薬組成物(中間層-混合被膜層-最外層被覆粒子)96.0gにD-マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全けん化物)混合物(信越化学工業製;SmartEX QD-50、以下同じ)219.0g、結晶セルロース(旭化成製;KG-1000、以下同じ)33.0g、クロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F、以下同じ)19.5g、β-シクロデキストリン(日本食品化工製;セルデックスB-100H、以下同じ)19.5g、香料(ストロベリーミクロン1503、以下同じ)0.2g、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製;PRUV、以下同じ)1.5g、アスパルテーム(味の素ヘルシーサプライ製;味の素KKアスパルテーム、以下同じ)1.5gを混合し、外部滑沢装置を接続した小型ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL-5)を用いて、錠剤質量130mg、φ7.0mmの円形錠とし、本圧500kgでステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性)、以下同じ)を噴霧しながら打錠を行い、口腔内崩壊錠を得た(1錠当たり130mg)。
実施例1及び比較例1で得られた各々の口腔内崩壊錠の処方を表1に示す。
Figure 0007394302000003
試験例1[官能試験]
実施例1と比較例1で得られた口腔内崩壊錠を用いて官能試験を行った。官能試験は、3人の健常人がそれぞれ、口腔内崩壊錠を口腔内に1分間保持し、その後吐き出し、水の摂取およびうがいを行うことなく、4分間、苦味と収斂味を評価した。また服用から生じた収斂味が完全に消失するまでに要した時間及びその収斂味の程度を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007394302000004
不快な味の評価:-(不快な味を感じない)、±(僅かに味の変化を認めるが、許容できる)、+(不快な味を感じる)、++(強く不快な味を感じる)
表2に示すように比較例1で得られた口腔内崩壊錠は、苦味と収斂味に対するマスキング性が弱く、収斂味は長時間持続する。しかし、実施例1で得られた口腔内崩壊錠は、苦味および収斂味を良好に遮蔽することが出来、本発明の粒子状医薬組成物が一定時間薬物の放出を抑制することで、薬物の不快な味をマスキングすることが出来ることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子と、滑沢剤、コーティング剤、及び非イオン性界面活性剤を含む混合被膜層とを含有し、
    滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり、
    滑沢剤の含量が、混合被膜あたり30重量%以上であり、
    コーティング剤が、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びヒプロメロースからなる群より選択される少なくとも1つである、
    粒子状医薬組成物。
  2. 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、及びラウロマクロゴールからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項に記載の粒子状医薬組成物。
  3. ソリフェナシン又はソリフェナシンコハク酸塩を含有する粒子に被覆された混合被膜層が、メチルセルロースからなる中間層により物理的に接触していない請求項1又は2に記載の粒子状医薬組成物。
  4. 請求項1~のいずれかに記載の粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠。
  5. 更にβ-シクロデキストリンを含有する請求項記載の口腔内崩壊錠。
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吉田高之・迫和博,ベシケアOD錠ー口腔内で崩壊するのに苦くない,Drug Delivery System,2013年,Vol.28, No.5,p.452-457

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