JP7393963B2 - 研削装置 - Google Patents
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Description
また、SiCウェーハをスライスするごと該SiCインゴットは短くなるため、研削時にSiCインゴットの上面と研削砥石の下面とが接触する高さ位置は、SiCインゴットが短くなっていくにつれて、インゴットが保持される面に近づいていく。そこで、例えば特許文献3に開示のように研削手段に配置されたノズルを用いてSiCインゴットの上面と研削砥石の下面とが接触する加工エリアの位置の変化に対応可能としている。
したがって、研削装置には、研削ホイールの交換作業を容易に行える構成にするという課題がある。
また、研削ホイールを交換する際に、ノズルを再配置する作業が不要となり、ノズルの再配置に伴うノズルからの研削水の噴射位置の位置ずれが生じないため、ノズルから噴射される研削水の着水位置が変わらないというメリットがある。
図1に示す研削装置1は、研削砥石340を用いて、被加工物の一例であるSiCのインゴット12、またはインゴット12が適宜の厚みにスライスされたウェーハ13を研削加工する研削装置である。以下、研削装置1の構成について説明する。
スピンドルモータ32を用いて、回転軸35を軸にしてスピンドル30を回転させることにより、スピンドル30に接続されているマウント33及びマウント33に装着されている研削ホイール34が、ホイール基台341の中心を通るZ軸方向の回転軸35を軸にして回転することとなる。
Z軸モータ42を用いてボールネジ40を駆動することにより、ボールネジ40が回転軸45を軸にして回転すると、昇降板43がガイドレール41に案内されながらZ軸方向に昇降移動する。これに伴い、ホルダ44に保持されている研削手段3が、保持面200に対して垂直な上下方向(Z軸方向)に移動する構成となっている。
チャックテーブル2がY軸方向に移動すると、カバー28がチャックテーブル2と一体的にY軸方向に移動して、蛇腹29が伸縮することとなる。
接触子80の接触子の下端を枠体21の上面210に接触させることにより、枠体21の上面210に面一な保持面200の高さを測定することができる。
L字治具94の下面には、接触子90が支持されている。
例えば、保持面200に保持されたインゴット12の上面120に接触子90の接触子が接触されている状態で、スケール960に形成された目盛りを読み取り部961において読み取って可動板93の高さ位置を認識することにより、インゴット12の上面120の高さを測定することができる。同様に、上面高さ測定手段9を用いることにより、ウェーハ13の上面130の高さを測定することもできる。
上記の保持面高さ測定手段8、及び上面高さ測定手段9によって測定された保持面200の高さ、及び被加工物の上面の高さの情報は、電気信号として厚み算出部100に伝達されることとなる。
厚み算出部100は、上面高さ測定手段9によって測定された被加工物の上面の高さから、保持面高さ測定手段8によって測定された保持面200の高さを差し引くことにより被加工物の厚みを算出することができる。
基台22の周りには、環状部材23が配設されている。環状部材23は開口230を有しており、開口230には基台22が貫通している。環状部材23においては、その環の内側面に配設された支持部231が基台22を回転可能に支持している。また、環状部材23は、研削装置1の内部に配設されている内部ベース5に支持されている。
回転手段26は、例えばプーリ機構であり、モータ260によってZ軸方向の軸心を軸に回転可能な駆動軸262と、駆動軸262の上端に連結されている駆動プーリ263と、駆動プーリ263に巻回されて駆動プーリ263の駆動力を従動プーリ265に伝達する伝動ベルト264と、駆動プーリ263とともに伝動ベルト264に巻回されている従動プーリ265と、従動プーリ265に接続されている従動軸266と、従動軸266の下端に連結されたロータリジョイント267と、を備えている。従動軸266は、基台22に連結されている。
流路243は、例えば、枠体21、基台22、従動軸266、及びロータリジョイント267の内部を貫通するように形成されており、ロータリジョイント267の側面からロータリジョイント267の外部に突き出て、吸引路2430、エア流路2431、及び水路2432に分岐している。
例えば、インゴット12が保持面200に載置されている状態で、吸引バルブ2400を開いて、吸引源240を作動させることにより、保持面200にインゴット12を吸引保持することができる。
例えば、保持面200に被加工物等が載置されていない状態で、エアバルブ2410を開くとともにエア供給源241を作動させて、保持面200の多数の細孔からエアを噴射させることにより、吸引部20の内部や保持面200に付着している研削屑等を除去することができる。
水バルブ2420が開いている状態で、水供給源242から水を供給すると、供給された水は、流路243を通じて吸引部20に伝達され、保持面200の多数の細孔から噴射することとなる。
例えば、保持面200に被加工物等が載置されていない状態で、水バルブ2420を開くとともに水供給源242を作動させて、保持面200の多数の細孔から水を噴射させることにより、保持面200を洗浄することができる。このとき、エアバルブ2410を開いて水とともにエアを噴射してもよい。
研削水供給手段6は、研削砥石340に研削水を噴射するノズル60と、ノズル60を上方向(+Z方向)に付勢する付勢機構61とを備えている。
エアシリンダ610は、中央部に開口が形成された上底面6100を有している。ピストンロッド611の外径は、該開口よりも小径に形成されており、ピストンロッド611は、該開口をZ軸方向に貫通している。
また、エアシリンダ610には、エアシリンダ610の内部にエアを供給するエア供給源612が接続されている。
エア供給源612を用いてエアシリンダ610の内部にエアを供給することにより、ピストンロッド611の下面に+Z方向の押力を加えると、ピストンロッド611がエアシリンダ610の内部の空間を+Z方向に上昇する。これにより、ピストンロッド611がエアシリンダ610の上方に突出して、ピストンロッド611に連結されたノズル60が+Z方向に付勢される構成となっている。
例えば、エア供給源612から一定の流量のエアをエアシリンダ610の内部に供給し続けることにより、ピストンロッド611がエアシリンダ610の上方に突出した状態が維持され、ピストンロッド611に連結されたノズル60が+Z方向に付勢された状態が維持されることとなる。
エアシリンダ610にエアを供給することにより、ピストンロッド611が+Z方向に付勢されて所定の高さ位置まで上昇すると、上限停止部7がエアシリンダ610の上底面6100に接触する。これにより、ピストンロッド611の上昇が妨げられて、これ以上ピストンロッド611、及びノズル60が上昇できない状態となる。
ノズル60の他端には、研削水が噴射される噴射口600が形成されている。また、ノズル60は、図示しない研削水供給源に接続されている。ノズル60は、噴射口600に近づくにつれて上昇する傾斜を有している。すなわち、噴射口600は、ピストンロッド611の側面に連結されているノズル60の根元の位置よりも高い位置に形成されている。
例えば、被加工物の研削加工時の水平位置(Y軸位置)にチャックテーブル2が位置付けられている状態で、該研削水供給源を用いてノズル60に研削水を供給することにより、ノズル60の噴射口600から、研削加工時に保持面200に保持されることとなる被加工物の上面と研削砥石340の下面342とが接触する加工エリアにチャックテーブル2に向けて研削水を噴射することができる。
また、図3に示す保持面200に保持されたウェーハ13の上面130と研削砥石340の下面342とが接触する領域を第2加工エリア52とする。
研削送り手段4のZ軸モータ42を回転させて昇降板43を-Z方向に下降させることにより昇降板43の下面に配設された押圧部材613が昇降板43と一体となって-Z方向に下降していき、押圧部材613の下面と、ピストンロッド611の上面とが接触することとなる。
押圧部材613の下面とピストンロッド611の上面とが接触している状態で、さらに、押圧部材613を-Z方向に移動させていくことにより、ピストンロッド611を-Z方向に押すことができる。
なお、押圧部材は、環状の研削砥石を囲繞するようにハウジング31またはホルダ44に配設されたホイールカバーであってもよい。
(1)インゴットの研削加工
上記の研削装置1を用いてインゴット12を研削加工する際の研削装置1の動作について説明する。
研削装置1を用いてインゴット12の研削加工を行う際には、まず、図2に示すように、インゴット12をチャックテーブル2の保持面200に載置する。そして、吸引バルブ2400を開く。これにより、吸引源240から生み出された吸引力が流路243を通じて保持面200に伝達されて、インゴット12が保持面200に吸引保持される。
次いで、回転手段26を用いて回転軸25を軸にしてチャックテーブル2を回転させるによって、保持面200に保持されているインゴット12を回転させるとともに、スピンドルモータ32を用いて回転軸35を軸にして研削砥石340を回転させる。
下面342がインゴット12の上面120に接触している状態で、さらに研削砥石340を-Z方向に下降させていくことによってインゴット12が研削される。インゴット12の研削中は、押圧部材613がピストンロッド611を-Z方向に押圧していくため、それにともないノズル60も同方向に下降する。
研削装置1を用いてウェーハ13を研削加工する際の研削装置1の動作について説明する。
研削装置1を用いてウェーハ13の研削加工を行う際には、まず、図3に示すように、ウェーハ13をチャックテーブル2の保持面200に載置する。そして、吸引バルブ2400が開かれている状態で吸引源240を作動させる。これにより、吸引源240から生み出された吸引力が流路243を通じて保持面200に伝達されて、ウェーハ13を保持面200に吸引保持される。
次いで、回転手段26を用いて回転軸25を軸にしてチャックテーブル2を回転させることにより、保持面200に保持されているウェーハ13を回転させるとともに、スピンドルモータ32を用いて回転軸35を軸にして研削砥石340を回転させる。
下面342がウェーハ13の上面120に接触している状態で、さらに研削砥石340を-Z方向に下降させていくことによってウェーハ13が研削される。
研削装置1においては、例えば、被加工物の研削加工後等に、研削装置1に備える研削手段3の研削ホイール34の交換が行われる。研削ホイール34の交換を行う際の研削装置1の動作について説明する。
被加工物の研削加工時、ノズル60には、付勢機構61による上方向(+Z方向)への押し上げ力と、押圧部材613による-Z方向への押圧荷重とがかかっている。
すると、付勢機構61からピストンロッド611にかけられていた上方向への押し上げ力の作用により、ピストンロッド611、及びノズル60が上方向に上昇していく。上限停止部7によってノズル60の上昇が上限位置にて停止するため、ノズル60と、研削送り手段4に駆動されて上方向に移動した研削手段3のマウント33との間に、研削ホイール34の交換のための通過を可能とする隙間14が形成される。したがって、研削ホイール34の交換時に、ノズル60を取り外したりずらしたりする必要がなく、ノズル60を再配置する必要がなく、研削水の噴射位置がずれるのを防ぐことができる。
また、研削ホイール34を交換する際に、ノズル60を再配置する作業が不要であり、ノズル60の再配置に伴うノズル60からの研削水の噴射位置の位置ずれが生じないため、ノズル60から噴射される研削水の着水位置が変わらないというメリットがある。
さらに、研削砥石340が被加工物に接触していない状態においてノズル60の噴射口600が、研削砥石340の回転軌道の内側であって被加工物の上面よりも上方の位置に位置するようにノズル60の位置を調整しておくことにより、研削手段3を下降させる際に押圧部材613がピストンロッド611に接触する前に噴射口600から水を噴射することによって、研削水を研削砥石340の下面342及び内側面343に当てることができ、研削砥石340の下面342及び内側面343を清掃する事ができる。これにより、研削砥石340の下面342がインゴット12の上面120に接触する際に、研削屑が噛み込むことにより大きなひっかき傷が作られるのを防止できる。
上限停止部7が上記の構成を有している場合には、例えば軸部の高さを適宜の高さに調整することにより、ノズル60の上昇の限界を適宜の高さに設定することが可能となる。
13:ウェーハ 130:上面 14:隙間
2:チャックテーブル20:吸引部 200:保持面 21:枠体 210:上面
211:下面 22:基台 23:環状部材 230:開口 231:支持部
240:吸引源 241:エア供給源 242:水供給源 243:流路 25:回転軸
26:回転手段260:モータ 262:駆動軸 263:駆動プーリ
264:伝動ベルト 265:従動プーリ 266:従動軸
267:ロータリジョイント 28:カバー29:蛇腹
2400:吸引バルブ 2410:エアバルブ 2420:水バルブ 2430:吸引路
2431:エア流路 2432:水路
3:研削手段 30:スピンドル 31:ハウジング 32:スピンドルモータ
33:マウント 34:研削ホイール 340:研削砥石 341:ホイール基台
342:下面(研削面) 35:回転軸
4:研削送り手段 40:ボールネジ 41:ガイドレール 42:Z軸モータ
420:エンコーダ 43:昇降板44:ホルダ 45:回転軸
46:高さ認識手段 460:スケール 461:高さ認識部 5:内部ベース
6:研削水供給手段 60:ノズル 600:噴射口
61:付勢機構 610:エアシリンダ 6100:上底面 611:ピストンロッド
612:エア供給源613:押圧部材 7:上限停止部
8:保持面高さ測定手段 80:接触子 81:アーム 82:筐体
9:上面高さ測定手段 90:接触子
900:移動手段 91:ガイドレール 92:モータ
93:可動板 94:L字治具 960:スケール 961:読み取り部 97:背板
98:ボールネジ100:厚み算出部
Claims (1)
- 保持面に被加工物を保持するチャックテーブルと、環状の研削砥石がホイール基台に配置された研削ホイールをマウントの先端に連結して該ホイール基台の中心を軸に回転させて該保持面に保持された被加工物を研削する研削手段と、該保持面に対して垂直な上下方向に該研削手段を移動させる研削送り手段と、該保持面に保持された被加工物の上面と該研削砥石の下面とが接触する加工エリアに研削水を供給する研削水供給手段と、を備える研削装置であって、
該研削水供給手段は、
該研削砥石に研削水を噴射するノズルと、該ノズルを上方向に付勢する付勢機構と、を備え、
該研削手段の下方向への移動に応じて、該ノズルが該上方向への付勢に抗して該下方向に移動可能であり、
該付勢機構によって該上方向に付勢される該ノズルと、該研削送り手段が上方向に移動させた該研削手段の該マウントとの間に、該研削ホイールの通過を可能とする隙間を形成するために、該付勢機構によって該上方向に付勢される該ノズルの上昇の限界位置を設定する上限停止部を備える、
研削装置。
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