JP7393599B2 - 軌道検測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道検測装置に関し、より詳細には軌道の狂い量の検測作業に係る労力と時間を大幅に低減することが可能な軌道検測装置に関する。
列車の軌道は、列車の走行、加速、減速あるいは急停止等に係る様々な荷重を日々受けている。荷重が軌道の弾性限界値を超える場合、軌道は左右方向又は上下方向に塑性変形を生じ始める。軌道の変形は、列車の走行を不安定にすると共に乗り心地を不快にし、最悪の場合、列車が脱線することが起こり得る。
従って、軌道を保守・管理する者は、軌道の変形を定量的にチェックする必要がある。上記軌道の変形は、軌道の狂い量として、具体的には(1)通り狂い:レール側面の長手方向のうねり(凹凸)をいい、一般的には長さ10mの糸をレール側面に張り、その中央部におけるレールと糸との間の水平距離と基本寸法との差を通り狂い量としている。(2)高低狂い:レール頂面に沿った方向のうねり(凹凸)をいい、一般的には長さ10mの糸をレール頂面に張りその中央部におけるレールと糸との間の垂直距離と基本寸法との差を高低狂い量としている。(3)軌間狂い:軌間寸法の基本寸法との間の差をいい、一般的には基本寸法との間の差を軌間狂い量としている。(4)水準狂い:軌間の基本寸法当たりの左右レールの高さの差をいい、一般的には基本寸法との間の差を水準狂い量としている。(5)平面性狂い:軌道の平面に対する狂い量をいい、一定間隔下の2点の水準狂いの代数差により表わし、基本寸法との間の差を平面性狂い量としている。
特に、上記通り狂いの水平距離、又は上記高低狂いの垂直距離は、10m弦正矢量によって検測され、検測は2人の作業員が10mの糸の両端を手でレールにあて、もう1人の作業員が糸中央からレールまでの距離を定規で測定することにより行われている。
また、上記軌道狂い量を光学式測距装置(トータルステーション)によって自動的に計測する軌道検測装置も知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この軌道検測装置は、レール頭頂面を回動するローラーと、レール頭側面を回動するローラーとを備えた2つのL形構体が連結板材によって連結され、全体としてT形状を成す移動台車によって構成されている。軌道の検測には2つの移動台車が必要とされる。即ち、第1移動台車には、自動追尾機能を有するトータルステーションが与えられる一方、第2移動台車には、トータルステーションからの測距光を受光する2つのターゲットミラー(プリズム)と、連結部材の傾きを計測する2つの傾斜センサが与えられる。なお、第2移動台車の各プリズムは軌道上に位置するようにL形構体に取り付けられている。
検測は、作業員が第1移動台車と第2移動台車を交互に相対移動させることにより行われる。最初に第1移動台車のトータルステーションが第2移動台車のプリズムを視準しながら、第2移動台車は第1移動台車から離れて所定の位置に停止する。次に第2移動台車が停止した状態で、第1移動台車のトータルステーションが第2移動台車のもう一方のプリズムを視準しながら、第1移動台車が第2移動台車に近付いて所定の位置に停止する。このようにして取得されたターゲットミラーの3次元座標は、コンピュータに送信され、コンピュータによって軌道の3次元座標に変換され、その軌道の3次元座標に基づいて軌道の狂い量が算出されることとしている。
特開2016-205058号公報
上記特許文献1に記載の軌道検測装置は、総重量が60kgを超えるため、軌道への装着・脱着は容易ではない。そのため、検測作業を実施する際は線路を閉鎖する必要がある。
また、各レールに係合するL形構体を連結する連結部材はその長さが一定なので、標準軌、それより軌間の短い狭軌に対し個別に装置を準備する必要があった。
一方、従来の糸張りによる検測作業は、測定が簡単ではあるが、3人の作業員によって行われるため、糸張り具合(弛み)や人の目測による人的誤差が測定値に含まれるという問題がある。さらに作業員は糸に対し定規を直角に当てる必要があり、測定に際しある程度の技能・経験が要求されるという問題がある。また、測定に多くの時間が必要となり、作業性にも問題がある。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は軌道への装着・脱着が容易であると共に、軌道の狂い量の検測作業に係る労力と時間を大幅に低減することが可能な軌道検測装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る軌道検測装置は、軌道の頭頂面に当接する第1ローラー(22)並びに軌道の頭側面に当接する第2ローラー(23)を回転自在に支持するL形構体(21)から構成される移動台車(20)と、前記L形構体(21)に取り付けられるプリズム(30)と、前記プリズム(30)に測距光(10a)を照射して軌道の座標を計測する測距装置(10)と、前記測距装置(10)から得られる軌道の座標(X,Y,Z)から成る全体座標群(U、U’)を基にして、軌道の狂い量を算出する演算装置(40)とを備えた軌道検測装置であって、前記演算装置(40)は、前記全体座標群(U、U’)に対し所定の区間距離(d)および所定のピッチ(d/2)で部分座標群(Di、Di’)を抽出し、前記部分座標群(Di、Di’)について座標成分毎に校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)をそれぞれ求め、前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)に基づいて全ての前記部分座標群(Di、Di’)の代表座標(Xi,Yi,Zi)をそれぞれ求め、前記代表座標(Xi,Yi,Zi)を逐次連結した校正座標ライン(L2)を生成することを特徴とする。
上記構成では、全体座標群(U、U’)から抽出した部分座標群(Di、Di’)に対し上記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)を求めることにより、上記部分座標群(Di、Di’)に含まれる測定誤差、ひいては上記全体座標群(U、U’)に含まれる測定誤差を最小化することができる。従って、上記部分座標群(Di、Di’)から得られる代表座標(Xi,Yi,Zi)を逐次連結することにより、計測対象である軌道について、始点からの距離(キロ程)とそのキロ程における軌道の座標を、校正座標ライン(L2)によって精度良く表すことができる。
本発明に係る軌道検測装置の第2の特徴は、前記演算装置(40)は、前記部分座標群(Di、Di’)を各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)にそれぞれ分解し、各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)について縦軸を座標値と横軸を区間距離(d)とする2次元平面上において前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)をそれぞれ求め、前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)上の縦軸成分を前記代表座標(Xi,Yi,Zi)の座標成分とすることである。
上記構成では、各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)について上記2次元平面上において校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)をそれぞれ求めることによって、上記部分座標群(Di、Di’)に含まれる測定誤差、ひいては上記全体座標群(U、U’)に含まれる測定誤差を最小化することができる。それに加え、校正直線上の点として、例えば縦軸の切片値を採用することにより、代表座標(Xi,Yi,Zi)を算出する際の計算過程が単純化されることになる。
本発明に係る軌道検測装置の第3の特徴は、前記演算装置(40)は最小二乗法により前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)を求めることである。
上記構成では、各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)についての校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)を容易に得ることが出来る。
本発明に係る軌道検測装置の第4の特徴は、前記演算装置(40)は、前記校正座標ライン(L2)上の始点(C1)から基準距離の倍数に相当する基準点(Ci)を前記校正座標ライン(L2)上に設定することである。
上記構成では、始点(C1)からの軌道の長さ(距離)の基準(キロ程)を示す各基準点(Ci)に座標情報を付加することができる。これにより、基準距離又はその倍数の仮想弦長によって軌道の狂い量を測定することができる。
本発明に係る軌道検測装置の第5の特徴は、前記演算装置(40)は、前記基準点(Ci)を中心点に持ち且つ前記基準距離を半径とする球面(Si)と前記校正座標ライン(L2)との交点(Ci+1)を次の基準点に設定することである。
上記構成では、上記球面(Si)と校正座標ライン(L2)との交点(Ci+1)によって、校正座標ライン(L2)上に始点(C1)から基準距離の倍数に相当する距離の基準点(Ci)を容易に設定することができる。
本発明に係る軌道検測装置の第6の特徴は、前記演算装置(40)は、前記校正座標ライン(L2)上の前記基準点(Ci)から伸びた垂線(Hi)が他の軌道についての前記校正座標ライン(L2’)と交わる交点(Ci’)を、前記基準点(Ci)と対を成す対応点(Ci’)として設定することである。
上記構成では、基準点(Ci)と対応点(Ci’)に基づいて軌道の狂い量を簡便に算出することができる。
本発明に係る軌道検測装置の第7の特徴は、前記移動台車(20)のL形構体(21)は、前記軌道の頭頂面および頭側面に対向する各部位(26、27)にマグネットを内蔵していることである。
上記構成では、第1ローラー(22)が横方向に変位しようとする場合、頭側面に対向する部位(27)のマグネットによって制動される一方、第2ローラー(23)が縦方向に変位しようとする場合、頭頂面に対向する部位(26)のマグネットによって制動されることになる。このように、2つの部位(26、27)のマグネットは、移動台車(20)の横揺れ又は縦揺れを制動するように作用する。従って、プリズム(30)の座標値と軌道の座標値が1対1に対応することになる。
本発明に係る軌道検測装置の第8の特徴は、前記移動台車(20)は傾斜センサを備えていることである。
上記構成では、軌道が傾いている場合であっても、プリズム(30)の座標から軌道の座標(X,Y,Z)を正確に求めることができる。
本発明に係る軌道検測装置の第9の特徴は、前記測距装置(10)は軌道外に据え付けられ且つ前記移動台車(20)は片方の軌道を走行することである。
上記構成では、測距装置(10)は軌道外に据え付けられるため、作業者が一人で容易に取り付け/取り外しできる程度に移動台車(20)を軽量にすることができる。また、片レール毎に計測が行われるため、線路閉鎖なしで計測作業が可能となる。さらに、標準軌又は狭軌の何れに対しても計測作業が可能となる。
本発明の軌道検測装置によれば、軌道の狂い量の検測作業に係る労力と時間を大幅に低減すると共に、計測値に含まれる人的誤差を大幅に低減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る軌道検測装置の構成を示す説明図である。 移動台車の斜視図である。 移動台車がレールに装着した状態を示す説明図である。 軌道検測装置によるデータ計測の手順を示すフロー図である。 軌道検測装置の基準座標系を示す説明図である。 レールの全体座標群についての直線近似の処理方法を示すフロー図である。 基準レール又は相対レールの各全体座標群を示す説明図である。 基準レール又は相対レールの各測定座標ラインを示す説明図である。 全体座標群から部分座標群を抽出するプロセスを示す説明図である。 部分座標群から代表座標を算出するプロセスを示す説明図である。 全体座標群から代表座標群を生成するプロセスを示す説明図である。 計測開始点から基準距離の倍数に位置する点を校正座標ライン上に設定するプロセスを示す説明図である。 校正座標ラインを基に軌道の狂い量を算出するプロセスを示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1から図3は、本発明の一実施形態に係る軌道検測装置100を示す説明図である。なお、図1は軌道検測装置100の構成を表し、図2は移動台車20の斜視図を表し、図3は移動台車20が軌道(以下「レール」という。)に装着した状態を表している。
この軌道検測装置100は、片方のレール上に装着された移動台車20を作業員が走行させる場合、レール外に据え付けられた測量機10が移動台車20上に固定されたプリズム30を自動で追尾し、測量機10とプリズム30との間の距離・角度情報を取得し、取得した距離・角度情報からレール測点についての3次元座標(X,Y,Z)をリアルタイムで取得し、取得した3次元座標データから任意の弦長におけるレールの狂い量を検測するものである。従って、作業員が移動台車20を片方のレールずつ両方のレールに渡って走行させることにより、5項目全てのレールの狂い量(軌間、高低、通り、水準、平面性)を検測することができる。また、移動台車20はレールに対し容易に取り付け/取り外しができるように軽量に構成され、且つ走行中にレールから分離せずに密に当接するように構成されている。このように、軌道検測装置100は、最小限の人数(マンパワー)でレールの狂い量(軌間、高低、通り、水準、平面性)を短時間で精度良く測定することができるように構成されている。
そのための構成として、プリズム30の3次元座標を計測する測量機10と、プリズム30を支持しながら片方のレール上を走行する移動台車20と、測量機10のターゲットミラーとなるプリズム30と、測量機10によって取得されたプリズム30の三次元座標データに基づいて軌道の狂い量を算出するコンピュータ40とを具備して構成される。以下各構成について説明する。
測量機10は、プリズム30を捉えることができるレール外の任意の位置に精密三脚11によって据え付けられる。測量機10は自動的に基準座標系の設定を行う機能を有している。従って、作業員が測量機10の電源を投入すると、測量機10は自動整準を行い、計測可能状態になる。
また、測量機10はプリズム30を自動的に追尾して計測を行う自動追尾機能を有している。従って、作業員がコンピュータ40に格納されている計測プログラムを起動させて、計測プログラムの表示画面上で計測開始のボタンを押すことにより、測量機10はプリズム30との間の距離・角度情報を自動的に計測する。
また、測量機10はWi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等の無線通信機能を備えている。従って、測量機10によって計測された測量機10とプリズム30との間の距離・角度情報は、例えばWi-Fi(登録商標)を介してコンピュータ40にリアルタイムで送信されることになる。
コンピュータ40に送信された測量機10とプリズム30との間の距離・角度情報は、レール測点に係る3次元座標(X,Y,Z)に変換される。変換された3次元座標(X,Y,Z)は、所定のデータ処理が施され、レールの狂い量(軌間、高低、通り、水準、平面性)が測定されることになる。このデータ処理については図6から図13を参照しながら後述する。
図2に示されるように、移動台車20は、第1ローラー22及び第2ローラー23を支持しプリズム30を固定するL形構体21と、レール頭頂面に当接して回動する4個の第1ローラー22と、レール頭側面に当接して回動する4個の第2ローラー23と、作業員が本体を持ち運びするための取っ手24と、作業員が移動台車20を押して走行させるための押し棒25とから構成される。
L形構体21は、第1ローラー22を回転自在に収容すると共にレールから分離せずに密に当接する為のマグネットを内蔵した水平板26と、水平板26に直交して取り付けられレールから分離せずに密に当接する為のマグネットを内蔵した垂直板27とを有している。
第1ローラー22は、軸が水平板26の長手方向に直交する方向に設けられている。一方、第2ローラー23は、軸が第1ローラー22に対応する位置で水平板26に直交して設けられている。第1ローラー22は、例えばシリコンから作られたシリコン製ローラーを使用することができる。第2ローラー23は、例えばウレタンから作られたウレタン製ローラーを使用することができる。要するにローラーは絶縁材で作られていれば良い。
図3に示されるように、水平板26のマグネットが内蔵されている部位であってレールに対向する面には、水平板26による線路間の短絡を防止するために、絶縁板26aが取り付けられている。なお、図2に示されるように、絶縁板26aは水平板26のレールに対向しない面にも取り付けられている。これはマグネットの磁力がレールに対向しない他の側にも作用しないように(磁力線がレールに対向しない他の側に漏洩しないように)するためである。
図3に戻って、同様に垂直板27のマグネットが内蔵されている部位であってレールに対向する面には、垂直板27による線路間の短絡を防止するために、絶縁板27aが取り付けられている。また、垂直板27のレールに対向しない面にも絶縁板27aは取り付けられている。更に垂直板27とレールとの隙間が小さくなるように、垂直板27と絶縁板27aとの間にはスペーサ27bが取り付けられている。
第1ローラー22は、水平板26に内蔵されているマグネットの磁力によって垂直方向(縦方向)に対する変動を抑制されるのと同時に、垂直板27に内蔵されているマグネットの磁力線によって水平方向(横方向)に対する変動を抑制されることになる。同様に、第2ローラー23は、垂直板27に内蔵されているマグネットの磁力線によって水平方向(横方向)に対する変動を抑制されるのと同時に、水平板26に内蔵されているマグネットの磁力によって垂直方向(縦方向)に対する変動を抑制されることになる。
従って、移動台車20がレール上を走行している間、第1ローラー22はレール頭頂面に密に当接し、第2ローラー23はレール頭側面に密に当接した状態となる。その結果、プリズム30の3次元座標とレール測点の3次元座標が1対1に対応することになる。なお、本実施形態におけるレール測点は、レール頭頂面における接線T1とレール頭側面における接線T2との交点に設定されている。
図2に戻って水平板26の長手方向の側面には、プリズム30を固定する為のつまみ28が設けられている。つまみ28の足部(雄ねじ部)には雄ねじ部が形成されており、つまみ28を時計方向に回転させることにより、つまみ28の足部(雄ねじ部)がプリズム30の足部(雌ねじ部)にねじ結合してプリズム30が水平板26上に固定されることになる。
他方、水平板26の短辺方向の側面には、押し棒25が係合する球面凸部26bが両側面に設けられている。なお、押し棒25の下端25aは、球面凸部26bに嵌合する球面凹部(図示せず)が形成されている。
プリズム30としては、例えば360°プリズムを使用することができる。
コンピュータ40は、測量機10から送信される距離・角度情報を受信し、レール測点に係る3次元座標(X,Y,Z)を算出し、その3次元座標を基に所定の演算処理を実行する。この演算処理については図6から図13を参照しながら後述する。コンピュータ40は、好ましくはタブレット又はノートパソコン等の携帯型情報端末である。以下に、測量機10によって測定されたレールの3次元座標データに対するデータ処理について説明する。
図4は、軌道検測装置100によるデータ計測の手順を示すフロー図である。
先ず、ステップS0では、測量機10を据え付ける。据え付ける場所としては、移動台車20上に取り付けられたプリズム40を視準することができるレール外の場所であればどこでも良い。
ステップS1では、移動台車20を基準レールに取り付ける。作業員が第1ローラー22をレール頭頂面に置くことにより、水平板26に内蔵されたマグネットの磁力によって、第1ローラー22はレール頭頂面に当接する。一方、垂直板27に内蔵されたマグネットの磁力によって、第2ローラー23はレール頭側面に当接する。なお、説明の都合上、検査対象である2つのレールの内の何れか一方を「基準レール」とし、他方を「相対レール」としている。「基準レール」とは、始点からの距離(長さ)を示す基準点(垂線の始点)が設定されたレールを意味している。「相対レール」とは、基準レールの基準点に対応する点であって、基準点から伸びた垂線が交わる交点が設定されたレールを意味している。計測は基準レールから開始し、次に相対レールについて開始することにする。
次に、ステップS2では、測量機10及びコンピュータ40を起動する。作業員が測量機10の電源を投入することにより、測量機10は自動整準を行い、計測可能状態になる。また、作業員がコンピュータ40の電源を投入することにより、コンピュータ40のオペレーティングシステム(OS)が起動する。作業員は計測プログラムを立ち上げる。
次に、ステップS3では、計測プログラムのサーチ開始ボタンと計測開始ボタンを押す。作業員がサーチ開始ボタンを押すことにより、測量機10が自動追尾を開始する。作業員が計測開始ボタンを押すことにより、測量機10は移動台車20上に搭載されたプリズム30を自動追尾して、測量機10とプリズム30との間の距離・角度データを計測し始める。
次に、ステップS4では、移動台車20を基準レールに沿って移動させる。作業員が基準レールに沿って移動させることにより、測量機10が基準レールの所定区間についての距離・角度データを取得する。なお、取得した距離・角度データはコンピュータ40上で3次元座標に変換される。
次に、ステップS5では、計測プログラムの計測停止ボタンを押す。作業員が計測停止ボタンを押すことにより、基準レールについての距離・角度データの取得を停止する。
次に、ステップS6では、移動台車20を相対レールに移し変える。作業員は移動台車20を基準レールから相対レールに移し変える。移動台車20は重量が約1kgであり、更に取っ手24を備えるため、容易にレール間を相互に移し変えることができる。
次に、ステップS7では、計測プログラムの計測開始ボタンを押す。これはステップS3と同じである。なお、測量機10がプリズム30をロストしてしまった場合は、自動でサーチを開始する。
次に、ステップS8では、移動台車20を相対レールに沿って逆方向に移動させる。作業員が相対レールに沿って逆方向に移動させることにより、測量機10が相対レールの所定区間についての距離・角度データを取得する。
ステップS9では、計測プログラムの計測停止ボタンを押す。作業員が計測停止ボタンを押すことにより、相対レールについての距離・角度データの取得を停止する。
上記ステップS0からS9に示される通り、測量機10によって取得された距離・角度データについては、Wi-Fi(登録商標)を介してコンピュータ40に送信され、コンピュータ40上で3次元座標に変換される。変換された3次元座標はコンピュータ40の記憶装置に保存される。なお、極座標から3次元座標への変換については、図5を参照しながら後述する。
図5に示されるように、測量機10は中心点(「器械点」とも言われ、計測座標系の原点に相当する点。)IPを有し、計測結果として測量機10からプリズム30までの直線距離S、直線距離Sの水平面への水平距離HDとN軸との成す水平角度θ、及び直線距離S(測距光10aの照射方向)とH軸との成す鉛直角度φを取得する。この場合、中心点IPに対するプリズム30の相対座標(N,E,H)は、以下の通り一意的に算出される。
式1:N=HD×cosθ=S×cos(φ-π/2)×cosθ=S×sinφ×cosθ
式2:E=HD×sinθ=S×cos(φ-π/2)×sinθ=S×sinφ×sinθ
式3:H=S×sin(φ-π/2)=S×cosφ
なお、測量機10の計測座標系は、北方向(以下「N軸」という。)を水平面(接地面)における一の基準軸とし、東方向(以下「E軸」という。)を水平面における他の基準軸とし、測量機10の中心点IPを通る鉛直方向(以下「H軸」という。)を高さ方向の基準軸としている。従って、NEHの3軸直交座標系に対し、平行移動又は回転等の操作を施すことにより、所望のXYZの3軸直交座標系を設定することができる。
保存された全ての全体座標群(3次元座標の集合)は、所定のデータ処理方法によって直線近似される。以下に、レールの全体座標群についての直線近似の処理方法について説明する。
図6は、レールの全体座標群についての直線近似の処理方法を示すフロー図である。
先ず、ステップS0’では、基準レール及び相対レールの全体座標群U,U’を取得する。図7に示されるように、コンピュータ40は、ステップS4又はS8で取得された基準レール又は相対レールの3次元座標を時系列順に記憶装置から読み出して基準レール又は相対レールについての全体座標群U,U’を生成する。図7に示される黒丸(●)は、基準レール又は相対レールの各3次元座標を表している。
次に、ステップS1’では、基準レール及び相対レールの全体座標群U,U’から測定座標ラインL1,L1’を生成する。図8に示されるように、コンピュータ40は、取得した3次元座標を時系列順に結んだ測定座標ラインL1,L1’を生成する。コンピュータ40は、3次元座標間の距離を算出し、その距離の合計をキロ程情報として3次元座標情報に付加する。
次に、ステップS2’では、キロ程情報が付与された全体座標群U,U’から所定の第i部分座標群Di,Di’を所定のピッチで抽出する。図9に示されるように、第i部分座標群Di(i=1、2、・・・)とは、基準レールの全体座標群Uの内で、始点Ai(m)(i=1、2、・・・)から所定のキロ程d(m)、例えば0.5mのキロ程(m)内に存在する3次元座標の集合体を意味している。また、全体座標群Uから第i部分座標群Diを分割するピッチとは、第i部分座標群Diの先頭のキロ程Aiと、第(i+1)部分座標群Di+1の先頭のキロ程Ai+1との差(=Ai+1-Ai)を意味し、本実施形態では例えば区間距離dの1/2(=0.25m)としている。
また、ここで言う「キロ程(m)」とは、3次元座標を逐次連結して得られた測定座標ラインL1の始点(A2)からの距離を意味している。なお、上記のことは相対レールに対してもそのまま当てはまる。
次に、ステップS3’では、第i部分座標群Diの代表座標Pi(Xi,Yi,Zi)を算出する。図10に示されるように、第i部分座標群Diの代表座標Pi(Xi,Yi,Zi)は、第i部分座標群Diに含まれる座標を、座標成分毎の部分座標群Dxi,Dyi,Dziにそれぞれ分割し、各部分座標群について回帰直線をそれぞれ算出する。なお、回帰直線は、縦軸を座標値と横軸をキロ程(m)とする2次元平面上において最小二乗法によって算出することができる。
そして、第i部分X座標群Dxiについての回帰直線Lxiと縦軸との交点であるX切片値を第i部分座標群DiのX座標Xiとする。同様に、第i部分Y座標群Dyiについての回帰直線Lyiと縦軸との交点であるY切片値を第i部分座標群DiのY座標Yiとする。同様に、第i部分Z座標群Dziについての回帰直線Lziと縦軸との交点であるZ切片値を第i部分座標群DiのZ座標Ziとする。
そして、全ての第i部分座標群Di(i=1、2、・・・)について代表座標Pi(Xi,Yi,Zi)(i=1、2、・・・)を算出することにより、基準レールについての新たな座標群が生成されることになる。なお、上記のことは相対レールに対してもそのまま当てはまる。
以上をまとめると、図11(a)に示されるように、測量機10の自動追尾モードがオンの状態で、作業者が移動台車20を基準レール上に沿って移動させることによって、基準レールの3次元座標から構成される全体座標群Uが得られる。
図11(b)に示されるように、コンピュータ40は3次元座標を時系列順に結ぶことによって、3次元座標間の距離を算出する。コンピュータ40はその距離の合計をキロ程情報として3次元座標情報に付加する。さらに、コンピュータ40は、基準レールの全体座標群Uから第i部分座標群Di(i=1、2、・・・)を、計測開始点から0.5mの区間距離かつ0.25mのピッチで抽出する。
図11(c)に示されるように、コンピュータ40は、抽出した第i部分座標群Diについて座標成分毎の座標群Dxi,Dyi,Dziにそれぞれ分解し、分解したX座標群Dxi、Y座標群Dyi、Z座標群Dziについて最小二乗法によって回帰直線Lxi,Lyi,Lziをそれぞれ算出する。コンピュータ40は、各回帰直線Lxi,Lyi,Lziと縦軸との交点である各切片値を算出することにより、第i部分座標群Diの代表座標Pi(Xi,Yi,Zi)を算出する。なお、黒丸(●)は基準レールの3次元座標を表し、白丸(○)は第i部分座標群Diの代表座標Pi(Xi,Yi,Zi)を表している。コンピュータ40は、全ての第i部分座標群Di(i=1、2、・・・)について代表座標P1、P2、・・・を算出する。
図11(d)に示されるように、コンピュータ40は、基準レールの全体座標群Uを消去することにより代表座標P1、P2、P3、・・・から成る基準レールについての代表座標群Vを生成する。コンピュータ40は、上記プロセスと全く同一のプロセスを実施することによって、相対レールの全体座標群U’から代表座標群V’を生成する。
再び図6に戻って、ステップS4’では、校正座標ラインL2を生成する。図12(a)に示されるように、コンピュータ40は、全ての第i部分座標群Di(i=1、2、・・・)の代表座標P1、P2、・・・を順に結んで基準レールについての校正座標ラインL2を生成する。
次に、ステップS5’では、計測開始点から所定距離の倍数に位置する校正座標ラインL2上の点を求める。図12(a)に示されるように、コンピュータ40は、校正座標ラインL2上の最初の点P1を中心としてP1から次のP2に到る距離を半径とした球と校正座標ラインL2との交点に相当する点C1を最初の中心として、半径1mの球面S1を生成する。次に、コンピュータ40は、球面S1と校正座標ラインL2との交点C2を中心として、半径1mの球面S2を生成する。次に、コンピュータ40は、球面S2と校正座標ラインL2との交点C3を中心として、半径1mの球面S3を生成する。次に、コンピュータ40は、球面S3と校正座標ラインL2との交点C4を中心として半径1mの球面S4を生成する。以下、同様にしてコンピュータは校正座標ラインL2上に球面Si(i=5、6、・・・)を生成する。図上の黒丸(●)は、半径1mの球面Siと校正座標ラインL2との交点Ciを表している。図上の白丸(○)は第i部分座標群Diの代表座標Piを表している。なお、最後の点は「最後の球の中心点」から最後の点に到るまでの距離を半径とした球と校正座標ラインL2の交点として求められる。
なお、球面Siの半径については、例えば、糸張り法において使用される弦長の1/2を採用することができる。従って、弦長が2mの場合は、球面の半径としては1mを採用することができる。また、球面Siの中心Ciについては、校正座標ラインL2と1つ前の球面Si-1との交点として規定することができる。
従って、交点Ci(i=1、2、・・・)は、校正座標ラインL2上の点であり、交点Ciと交点Ci+1とを結んだ線分の長さは、1mに等しくなる。
再び図6に戻って、ステップS6’では、距離基準ラインL3を生成する。図12(b)に示されるように、交点C2は、始点C1から1mの距離に位置する校正座標ラインL2上の点である。同様に、交点C3は、始点C1から1mの2倍の距離に位置する校正座標ラインL2上の点である。同様に、交点C4は、始点C1から1mの3倍の距離に位置する校正座標ラインL2上の点である。このように、交点Ci(i=1、2、・・・)は、始点C1からの軌道の長さ(距離)の基準(キロ程)を示す基準点となる。従って、コンピュータ40は、交点Ci(i=1、2、・・・)を順に連結することにより、距離基準ラインL3を生成する。また、コンピュータ40は、交点Ci(i=1、2、・・・)に座標情報と共にキロ程情報を付加する。なお、以降においてこれら交点Ci(i=1、2、・・・)を距離基準点と呼ぶことにする。
ステップS7’では、軌間・水準・通り・高低を求める。図13(a)に示されるように、コンピュータ40は、基準レールの校正座標ラインL2の距離基準点Ci(i=1、2、・・・)から相対レールの校正座標ラインL2’へ垂線Hi(i=1、2、・・・)を伸ばして、垂線Hiと校正座標ラインL2’との交点Ci’(i=1、2、・・・)を求める。
コンピュータ40は、Ci-Ci’の軌間として、距離基準点Ciの座標(xi,yi,zi)と交点Ci’の座標(xi’,yi’,zi’)を基にして、下記式1によって点間距離を算出する。
(式1):Ci-Ci’の軌間=[(xi-xi’)+(yi-yi’)+(zi-zi’)]0.5
また、コンピュータ40は、Ci-Ci’の水準として、下記式2によってZ座標の差分を算出する。
(式2):Ci-Ci’の水準=zi-zi
また、図13(b)に示されるように、0mの距離基準点C1と2mの距離基準点C3とを結んだ線分は仮想2m弦と見なすことができる。従って、コンピュータ40は、1mの距離基準点C2から仮想2m弦に下ろした垂線の足Fの座標(x4,y4,z4)を求める。図13(c)に示されるように、コンピュータ40は、距離基準点C2における高低として、下記式3によってZ座標の差分を算出する。
(式3):距離基準点C2における高低=z2ーz4
また、コンピュータ40は、距離基準点C2における通りとして、「垂線Hの長さ」と「距離基準点C2における高低」を用いて下記式4によって算出する。
(式4):距離基準点C2における通り=[(垂線Hの長さ)ー(距離基準点C2における高低)]0.5
以上の通り、本発明の一実施形態に係る軌道検測装置100によれば、校正座標ラインL2,L2’によってレールの距離基準点Ci,Ci’における座標情報を得ることができ、距離基準ラインL3によって始点C1から各距離基準点Ciに到る距離(長さ)の基準となるレールのキロ程情報を得ることができる。
更に、校正座標ラインL2,L2’は、コンピュータ40が基準レール又は相対レールの全体座標群U,U’から所定の区間距離(=d)及び所定のピッチ(=d/2)で部分座標群Di,Di’を抽出し、部分座標群Di,Di’を座標成分毎にそれぞれ分解し、分解したX座標群Dxi、Y座標群Dyi、Z座標群Dziについて最小二乗法によって回帰直線Lxi,Lyi,Lziをそれぞれ算出することによって生成される。これにより、距離基準点Ci,Ci’における精度の高い座標情報とキロ程情報を得ることができると共に、これらの情報を利用することにより、レールの狂い量を少ない負荷で且つ精度良く算出することが可能となる。
また、測量機10はプリズム30を視準することができるレール外の任意の位置に据え付けられ、プリズム30が取り付けられた移動台車20は片方のレールずつ走行される。これにより、線路閉鎖なしで計測作業が可能となる共に、標準軌又は狭軌の何れに対しても計測作業が可能となる。また、移動台車20は主にプリズム30をレールに沿って移動させる為のものであるため、作業者が一人で容易に取り付け/取り外しできる程度に軽量にすることができる。その結果、レールの狂い量の検測作業に係る労力と時間を大幅に低減すると共に、計測値に含まれる人的誤差を大幅に低減することが可能となる。
以上、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上記だけに限定されない。すなわち、本発明の技術的範囲内において種々の修正・改良を追加することが可能である。例えば、部分座標群Di,Di’の代表座標として、各回帰直線Lxi,Lyi,Lziと縦軸との交点である各切片値を採用しているが、各回帰直線Lxi,Lyi,Lzi上のその他の点を採用しても良い。
10 測量機
11 精密三脚
20 移動台車
21 L形構体
22 第1ローラー
23 第2ローラー
23a 軸
24 取っ手
25 押し棒
26 水平板
26a 絶縁板
26b 球面凸部
27 垂直板
27a 絶縁板
28 つまみ
30 プリズム
40 コンピュータ
100 軌道検測装置

Claims (9)

  1. 軌道の頭頂面に当接する第1ローラー(22)並びに軌道の頭側面に当接する第2ローラー(23)を回転自在に支持するL形構体(21)から構成される移動台車(20)と、
    前記L形構体(21)に取り付けられるプリズム(30)と、
    前記プリズム(30)に測距光(10a)を照射して軌道の座標を計測する測距装置(10)と、
    前記測距装置(10)から得られる軌道の座標(X,Y,Z)から成る全体座標群(U、U’)を基にして、軌道の狂い量を算出する演算装置(40)とを備えた軌道検測装置であって、
    前記演算装置(40)は、前記全体座標群(U、U’)に対し所定の区間距離(d)および所定のピッチ(d/2)で部分座標群(Di、Di’)を抽出し、
    前記部分座標群(Di、Di’)について座標成分毎に校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)をそれぞれ求め、
    前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)に基づいて全ての前記部分座標群(Di、Di’)の代表座標(Xi,Yi,Zi)をそれぞれ求め、
    前記代表座標(Xi,Yi,Zi)を逐次連結した校正座標ライン(L2)を生成する
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  2. 請求項1に記載の軌道検測装置において、
    前記演算装置(40)は、前記部分座標群(Di、Di’)を各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)にそれぞれ分解し、
    各成分座標群(Dxi、Dyi,Dzi)について縦軸を座標値と横軸を区間距離(d)とする2次元平面上において前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)をそれぞれ求め、
    前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)上の縦軸成分を前記代表座標(Xi,Yi,Zi)の座標成分とする
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の軌道検測装置において、
    前記演算装置(40)は最小二乗法により前記校正直線(Lxi、Lyi、Lzi)を求める
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の軌道検測装置において、
    前記演算装置(40)は、前記校正座標ライン(L2)上の始点(C1)から基準距離の倍数に相当する基準点(Ci)を前記校正座標ライン(L2)上に設定する
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  5. 請求項4に記載の軌道検測装置において、
    前記演算装置(40)は、前記基準点(Ci)を中心点に持ち且つ前記基準距離を半径とする球面(Si)と前記校正座標ライン(L2)との交点(Ci+1)を次の基準点に設定する
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  6. 請求項4又は5に記載の軌道検測装置において、
    前記演算装置(40)は、前記校正座標ライン(L2)上の前記基準点(Ci)から伸びた垂線(Hi)が他の軌道についての前記校正座標ライン(L2’)と交わる交点(Ci’)を、前記基準点(Ci)と対を成す対応点(Ci’)として設定する
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  7. 請求項1に記載の軌道検測装置において、
    前記移動台車(20)のL形構体(21)は、前記軌道の頭頂面および頭側面に対向する各部位(26、27)にマグネットを内蔵している
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  8. 請求項1又は7に記載の軌道検測装置において、
    前記移動台車(20)は傾斜センサを備えている
    ことを特徴とする軌道検測装置。
  9. 請求項1、7及び8の何れか1項に記載の軌道検測装置において、
    前記測距装置(10)は軌道外に据え付けられ且つ前記移動台車(20)は片方の軌道を移動する
    ことを特徴とする軌道検測装置。
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