JP7393573B1 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のフォトマスクの製造方法に比べ、フォトマスクのさらなる高精細化を実現することができるフォトマスクの製造方法を提供する。【解決手段】フォトマスクのパターンの第2領域のエッジの位置(半透過膜3のエッジの位置)は、上層膜パターンの第2パターン4Bの、第1パターン4Aと反対側のエッジの位置ではなく、上層膜パターンの第2パターン4Bの、第1パターン4A側のエッジの位置に基づいて規定される。これにより、第2領域の幅(半透過膜3の露出部分の幅)を設定するにあたり、上層膜パターンの第2パターン4Bの幅は因子とならない。このため、本発明によれば、従来のフォトマスクの製造方法に比べ、フォトマスクのさらなる高精細化を実現することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、フォトマスクの製造方法に関する。
フォトリソグラフィ技術として、位相シフトマスクやハーフトーンマスクが知られている。位相シフトマスクは、透明基板の一部に位相シフト膜を備え、この部分を通過する光の位相や強度を変えることにより、解像度を向上する機能や焦点深度(DOF)を改善する機能を有するフォトマスクである。ハーフトーンマスクは、透明基板の一部にハーフトーン膜を備え、この部分を通過する光の強度を変えることにより、3階調以上の多階調を実現する機能を有するフォトマスクである。
従来のフォトマスクの製造方法においては、遮光部を構成するパターンの描画工程(露光工程)及び半透過部を構成するパターンの描画工程の少なくとも2回の描画工程が必要となる。そして、描画工程が複数回になると、各工程で形成されるパターンの位置ずれが生じやすくなる。
この対策として、アライメントマークの利用がある。2回目以降の描画工程に際し、1回目の描画工程で作成しておいたアライメントマークを読み取り、このアライメントマークを基準として、アライメント(位置合わせ)を行うというものである。しかし、アライメントマークを利用しても、パターンの位置ずれ(アライメントずれ)を完全に無くすことは不可能であり、最大で0.5μmのアライメントずれが生じてしまう。このため、フォトマスクの高精細化に伴い、その影響は大きくなる状況となっている。
そこで、描画工程を1回で済ませることができるフォトマスクの製造方法が検討されている。たとえば特許文献1に記載されたフォトマスクの製造方法は、
透明基板の上に形成される下層膜と、下層膜の周辺領域の少なくとも一部が露出するように下層膜の上に形成される上層膜とを備え、下層膜及び上層膜の積層部の第1領域と、下層膜の第2領域とで構成されるパターンを備えるフォトマスクの製造方法であって、
i)透明基板の上に、下層膜及び上層膜が積層されたフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、
ii)第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターンと反対側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターンとを含んで構成される第1次レジストパターンを形成する第1次レジストパターン形成工程と、
iii)第1次レジストパターンをマスクとして、上層膜の露出部分をエッチングにより除去することにより、第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターンと反対側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターン(暫定パターン)とを含んで構成される上層膜パターンを形成する第1次上層膜エッチング工程と、
iv)上層膜パターンの第1パターン、上層膜パターンの第1パターン及び第2パターン(暫定パターン)間の下層膜の露出部分、及び、上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)のうち、第1パターンと反対側のエッジを含む部分を除く部分を覆う第2次レジストパターンを形成する第2次レジストパターン形成工程と、
v)第2次レジストパターン及び上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)をマスクとして、下層膜の露出部分をエッチングにより除去する下層膜エッチング工程と、
vi)上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)をエッチングにより除去する第2次上層膜エッチング工程とを備える。
特許文献1に記載されたフォトマスクの製造方法によれば、パターンの位置精度が重要視されない描画工程(第2次レジストパターン形成工程)を除き、描画工程は1回で最終的に必要となるパターン寸法を画定することができる(第1次レジストパターン形成工程)。これにより、フォトマスクの製造過程において、アライメントの精度を過度に求めなくてもよくなる。所謂、自己整合的なパターン形成が行われるため、特許文献1に記載されたフォトマスクの製造方法によれば、アライメントずれが無く、フォトマスクの高精細化を実現することができる。
特開2014-2255号公報
しかし、特許文献1に記載されたフォトマスクの製造方法においては、第2次レジストパターンが上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)の該当部分を確実に覆い、上層膜パターンの第1パターン及び第2パターン(暫定パターン)間の下層膜の露出部分が第2次レジストパターンから露出しないよう、上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)は、最大で0.5μmのアライメントずれよりも大きい幅に形成する必要がある。
このため、第1領域が遮光部であり、第2領域が位相シフト部であり、かつ、第2領域が遮光部のリム部として機能するフォトマスクであって、μm単位の幅のライン(遮光部)とμm単位の幅のスペース(透過部)とが並列するラインアンドスペースパターンの形態のフォトマスクや、μm単位の大きさのホール(透過部)を有するホールパターンの形態のフォトマスクを製造する場合において、第2領域(リム部)の幅は、上層膜パターンの第2パターン(暫定パターン)の幅を含む分、大きくなり、第2パターン(暫定パターン)の幅と描画装置のビーム径との合計値よりも小さく形成することはできない。これは、第2領域(リム部)の寸法に制約が生じる結果となる。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、従来のフォトマスクの製造方法に比べ、フォトマスクのさらなる高精細化を実現することができるフォトマスクの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るフォトマスクの製造方法は、
透明基板の上に形成される下層膜と、下層膜の周辺領域の少なくとも一部が露出するように下層膜の上に形成される上層膜とを備え、下層膜及び上層膜の積層部の第1領域と、下層膜の第2領域とで構成されるパターンを備えるフォトマスクの製造方法であって、
透明基板の上に、下層膜及び上層膜が積層されたフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、
第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターン側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターンとを含んで構成される第1次レジストパターンを形成する第1次レジストパターン形成工程と、
第1次レジストパターンをマスクとして、上層膜の露出部分をエッチングにより除去することにより、第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターン側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターンとを含んで構成される上層膜パターンを形成する第1次上層膜エッチング工程と、
上層膜パターンの第1パターン、上層膜パターンの第1パターン及び第2パターン間の下層膜の露出部分、及び、上層膜パターンの第2パターンのうち、少なくとも第1パターン側のエッジを含む部分を覆うとともに、上層膜パターンの第2パターンのうち、他の部分の少なくとも一部を露出させる第2次レジストパターンを形成する第2次レジストパターン形成工程と、
上層膜パターンの第2パターンをエッチングにより除去する第2次上層膜エッチング工程と、
第2次レジストパターンをマスクとして、下層膜の露出部分をエッチングにより除去する下層膜エッチング工程とを備える
フォトマスクの製造方法である。
ここで、本発明に係るフォトマスクの製造方法の一態様として、
下層膜及び上層膜として、第1領域が遮光部、第2領域が位相シフト部として機能するような膜を用いる
との構成を採用することができる。
また、この場合、
下層膜として、位相シフト膜を用い、
上層膜として、遮光膜を用いる
との構成を採用することができる。
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法の他態様として、
第2領域は、遮光部のリム部として機能する
との構成を採用することができる。
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法の別の態様として、
フォトマスクのパターンは、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン又はドットパターンのいずれかである
との構成を採用することができる。
本発明によれば、フォトマスクのパターンの第2領域のエッジの位置は、上層膜パターンの第2パターンの、第1パターンと反対側のエッジの位置ではなく、上層膜パターンの第2パターンの、第1パターン側のエッジの位置に基づいて規定される。これにより、第2領域の幅を設定するにあたり、上層膜パターンの第2パターンの幅は因子とならない。このため、本発明によれば、従来のフォトマスクの製造方法に比べ、フォトマスクのさらなる高精細化を実現することができる。
図1(a)は、実施形態1に係るフォトマスクの要部拡大平面図である。図1(b)は、図1(a)のA-A線断面図である。 図2(a)~(d)は、実施形態1に係るフォトマスクの製造方法の説明図である。 図3(a)~(d)は、図2の続きの説明図である。 図4(a)~(d)は、図3の続きの説明図である。 図5(a)~(d)は、実施形態1の別例に係るフォトマスクの製造方法の説明図である。 図6(a)~(d)は、図5の続きの説明図である。 図7(a)~(d)は、図6の続きの説明図である。 図8(a)は、実施形態2に係るフォトマスクの要部拡大平面図である。図8(b)は、図8(a)のB-B線断面図である。 図9(a)~(d)は、実施形態2に係るフォトマスクの製造方法の説明図である。 図10(a)~(d)は、図9の続きの説明図である。 図11(a)~(d)は、図10の続きの説明図である。 図12(a)は、実施形態3に係るフォトマスクの要部拡大平面図である。図12(b)は、図12(a)のC-C線断面図である。 図13(a)~(d)は、実施形態3に係るフォトマスクの製造方法の説明図である。 図14(a)~(d)は、図13の続きの説明図である。 図15(a)~(d)は、図14の続きの説明図である。
<実施形態1に係るフォトマスクの構成>
以下、実施形態1に係るフォトマスクの構成について説明する。
図1に示すように、フォトマスク1は、透過部(白抜き部分)10と、遮光部(黒塗り部分)11と、半透過部(ハッチング部分)12とを備える3階調の多階調フォトマスクである。透過部10は、透明基板2で構成される。遮光部11は、下層膜としての半透過膜3及び上層膜としての遮光膜4で構成される。半透過部12は、半透過膜3で構成される。すなわち、半透過膜3及び遮光膜4が積層されていない透明基板2の露出部分が透過部10となり、透明基板2の上に半透過膜3及び遮光膜4が積層される部分が遮光部11となり、透明基板2の上に半透過膜3のみが形成される部分が半透過部12となる。
遮光部11及び半透過部12は、フォトマスク1のパターンを構成する。パターンは、第1領域11と、第2領域12とで構成される。第1領域11は、半透過膜3及び遮光膜4の積層部であり、遮光部11として機能する。第2領域12は、半透過膜3の単層部であり、半透過部12として機能する。
本実施形態においては、μm単位の幅のライン(遮光部11)とμm単位の幅のスペース(透過部10)とが並列し(場合によっては、これらが交互に繰り返され)、フォトマスク1のパターンは、ラインアンドスペースパターンである。一例として、パターンは、フォトマスク1を用いるフォトリソグラフィにより製造される被転写基板において、ソース・ドレイン電極を形成するためのパターンとして用いられる。この場合、透過部10は、チャネル部として機能し、遮光部11は、電極部として機能し、半透過部12は、遮光部11のリム部として機能する。
リム部12を設けるのは、パネル側のプロセス裕度を向上させるための対応である。たとえば、被転写基板においてソース・ドレイン電極に対応するレジストパターンのエッジを急峻にするために、リム部12が設けられる。リム部12の幅は、たとえば、0.1μm以上、又は、0.5μm以上であって、3.0μm以下の範囲である。
なお、図1及び以降の図面においては、半透過膜3及び遮光膜4が誇張して厚く記載されている。また、図1及び以降の図面においては、遮光膜4が半透過膜3よりも厚く記載されている。しかし、これは便宜上であって、半透過膜3及び遮光膜4のそれぞれの膜厚は、適宜個別に設定される。
透明基板2は、合成石英ガラス等の基板である。透明基板2は、フォトリソグラフィの露光工程で使用される露光光に含まれる代表波長(たとえば、i線、h線又はg線)に対して95%以上の透過率を有する。なお、露光光は、たとえば、i線、h線又はg線であってもよく、又はこれらの少なくとも2つの光を含む混合光であってもよい。あるいは、露光光は、これらの光に対して波長帯域が短波長側及び/又は長波長側へシフト又は拡張されたものであってもよい。一例として、露光光の波長帯域は、365nm~436nmのブロードバンドから300nm~450nmに拡張されたものが適用可能である。ただし、露光光は、これらに限定されるものではない。
半透過膜3は、露光光の光学特性を調整する機能を有する機能性膜の一種であり、露光光の位相を変える機能を有する機能性膜、すなわち、位相シフト膜である。位相シフト膜は、代表波長に対する位相シフト量が略180°となるように設定される。略180°とは、180±20°の範囲内の値という意味であり、より好ましくは、180°±10°の範囲内の値という意味である。また、位相シフト膜は、露光光に含まれる代表波長に対し、透明基板2の透過率よりも低く、遮光膜4の透過率よりも高い透過率を有し、代表波長に対して5%ないし30%の透過率となるように設定される。
半透過膜3は、Cr又はCr系化合物(Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等、以下、同様)、Ni又はNi系化合物(Niの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等、以下、同様)、Ti又はTi系化合物(Tiの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等、以下、同様)、Si系化合物(Siの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等、以下、同様)、Zr又はZr化合物(Zrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等、以下、同様)、金属シリサイド化合物(モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、タンタルシリサイド、ジルコニウムシリサイド又はこれらの窒化物、酸化窒化物等、以下、同様)等の公知の材質のうち、金属シリサイド系の材質が用いられる。本実施形態においては、半透過膜3は、モリブデンシリサイド化合物が用いられる。
遮光膜4は、露光光の光学特性を調整する機能を有する機能性膜の一種であり、露光光を遮光する機能を有する機能性膜である。遮光膜4は、露光光に含まれる代表波長に対して1%以下の透過率を有する。あるいは、遮光部11における光学濃度(OD値)が2.7以上を満たせばよい。一例として、遮光膜4は、第1成膜層と、第2成膜層とを備える積層構造である。第1成膜層は、金属膜で構成され、遮光性を目的とする。第2成膜層は、金属酸化物膜で構成され、反射抑制を目的とする。この場合、第1成膜層の透過率が1%より高くても、第1成膜層及び第2成膜層の積層透過率が1%以下であればよい。
遮光膜4は、Cr又はCr系化合物、Ni又はNi系化合物、Ti又はTi系化合物、Si系化合物、Zr又はZr化合物、金属シリサイド化合物等の公知の材質のうち、Cr系の材質が用いられる。本実施形態においては、遮光膜4は、Cr系化合物が用いられる。なお、Cr系化合物を用いる理由は、Cr系化合物による薄膜は、被転写基板の製造工程において、フォトマスクに汚れ、異物等の付着等がある場合に行われる洗浄処理に対し、好適に耐性を有するためである。
半透過膜3及び遮光膜4は、それぞれ材質が異なることにより、エッチング特性が異なる。すなわち、半透過膜3は、遮光膜4に対してエッチング選択性を有し、遮光膜4は、半透過膜3に対してエッチング選択性を有する。
<実施形態1に係るフォトマスクの製造方法>
次に、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法について説明する。
当該製造方法は、
i)フォトマスクブランクス準備工程(工程1)
ii)第1次レジスト膜形成工程(工程2)
iii)第1次描画工程(工程3)
iv)第1次現像工程(工程4)
v)第1次上層膜エッチング工程(工程5)
vi)第1次レジスト膜除去工程(工程6)
vii)第2次レジスト膜形成工程(工程7)
viii)第2次描画工程(工程8)
ix)第2次現像工程(工程9)
x)第2次上層膜エッチング工程(工程10)
xi)下層膜エッチング工程(工程11)
xii)第2次レジスト膜除去工程(工程12)
を備える。
なお、レジスト膜形成工程(工程2)からレジスト膜除去工程(工程6)まで、レジスト膜形成工程(工程7)からレジスト膜除去工程(工程12)まで、をそれぞれパターニング工程という。前者のパターニング工程では、フォトマスクブランクスの上層膜(遮光膜)4がパターニングされ、後者のパターニング工程では、フォトマスクブランクスの下層膜(位相シフト膜)3がパターニングされる。
フォトマスクブランクス準備工程(工程1)では、図2(a)に示すように、フォトマスクブランクスが準備される。フォトマスクブランクスは、透明基板2の上に下層膜3が形成され、下層膜3の上に上層膜4が形成され、これにより、透明基板2の上に、互いにエッチング特性が異なる下層膜3及び上層膜4が積層されるものである。下層膜3及び上層膜4は、それぞれ、スパッタ法、蒸着法等の物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)により成膜される。
第1次レジスト膜形成工程(工程2)では、図2(b)に示すように、上層膜4の上にレジストが均一に塗布され、レジスト膜5が形成される。レジストは、塗布法、スプレイ法等により塗布される。レジストは、ポジ型でもネガ型でもよいが、本例ではポジ型とする。
第1次描画工程(工程3)では、図2(c)に示すように、描画装置の電子ビーム又はレーザを用いてレジスト膜5に露光光が照射され、第1次レジストパターンが描画される。このとき、レジスト膜5には、露光量が異なる2つの領域が形成される。第1領域5aは、未露光領域である。第2領域5bは、所定の露光量で露光された領域である。ネガ型のレジストの場合、露光量の関係がポジ型と反対になる。なお、第1次描画工程(工程3)では、レジストパターンの描画に加え、第2次描画工程(工程8)における描画の位置を合わせるためのマーク(アライメントマーク)が描画される。図示しないが、アライメントマークは、たとえば、レジストパターンを囲う外囲領域の適宜の3箇所又は4箇所に形成される。
第1次現像工程(工程4)では、図2(d)に示すように、不要なレジスト膜5(第2領域5b)が現像により除去され、第1次レジストパターン5A,5Bが形成される。第1次レジストパターン5A,5Bは、フォトマスク1のパターンの第1領域11に対応する第1パターン5Aと、第1パターン5Aと離隔し、第1パターン5A側のエッジがフォトマスク1のパターンの第2領域12のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターン5Bとを含んで構成されるパターンである。現像は、浸漬法、スピン法、パドル法、スプレイ法等により行われる。なお、第1次レジスト膜形成工程(工程2)、第1次描画工程(工程3)及び第1次現像工程(工程4)を合わせて、第1次レジストパターン形成工程という。
第1次上層膜エッチング工程(工程5)では、図3(a)に示すように、第1次レジストパターン5A,5Bをエッチング処理用マスクとして、上層膜4の露出部分がエッチングにより除去される。エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれでも構わないが、大型サイズのフォトマスクであれば、ウェットエッチングが好ましい。エッチャントは、エッチング液やエッチングガスが用いられる。いずれのエッチャントであっても、上層膜4に対するエッチング選択性を有するエッチャント(下層膜3をエッチングしないエッチャント)が用いられる。なお、エッチングに際し、上層膜4は、サイドエッチングも受ける。図中、上層膜4のエッジの位置が第1次レジストパターン5A,5Bのエッジの位置よりも内側にオフセットしているのはこのためである。しかし、上層膜4の膜厚、上層膜4の材質又はエッチャントの種類によっては、サイドエッチングが生じないこともある。なお、上層膜4のエッチングレートは、エッチャントの濃度、温度、エッチング時間、その他エッチャントを使用する条件を調整することにより、調整可能である。そして、上層膜4のエッチングレートを調整することにより、所望のオフセット寸法となるように調整することが可能となる。
第1次レジスト膜除去工程(工程6)では、図3(b)に示すように、残存するレジスト膜5(第1次レジストパターン5A,5B)が除去される。レジスト膜5の除去は、アッシング法、浸漬法等により行われる。この結果、半透膜3の上には、上層膜パターン4A,4Bが形成される。上層膜パターン4A,4Bは、フォトマスク1のパターンの第1領域11に対応する第1パターン4Aと、第1パターン4Aと離隔し、第1パターン4A側のエッジがフォトマスク1のパターンの第2領域12のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターン4Bとを含んで構成されるパターンである。
第2次レジスト膜形成工程(工程7)では、図3(c)に示すように、下層膜3及び上層膜4の上にレジストが塗布され、レジスト膜5が形成される。方法そのものは、第1次レジスト膜形成工程(工程2)と同様である。
第2次描画工程(工程8)では、図3(d)に示すように、レジスト膜5に第2次レジストパターンが描画される。方法そのものは、第1次描画工程(工程3)と同様であり、描画装置は、第1次描画工程(工程3)で使用された描画装置と同じ装置である。第2次描画工程(工程8)にあたり、描画装置は、第1次描画工程(工程3)において下層膜のパターン形成領域を囲う外囲領域に形成されたアライメントマークを検出し、透明基板2の位置合わせを行う。
ただし、第2次レジストパターンは、必要な箇所を覆って保護すればよいものであり、パターンの位置精度が要求されるものではない。このため、第2次描画工程(工程8)では、シビアなアライメントは必要ない。
とはいえ、第2次描画工程(工程8)では、アライメントずれが必然的に発生する。そこで、第2次描画工程(工程8)では、アライメントずれを考慮した第2次レジストパターンが設定される。具体的には、第2次レジストパターンは、下層膜3及び上層膜4の積層部に積層部のエッジから所定のラップ量でラップする(重なる)ようになっている。ラップ量は、たとえば0.3μm以上0.5μm以下の値である。
第2次現像工程(工程9)では、図4(a)に示すように、不要なレジスト膜5(部分5b)が現像により除去され、第2次レジストパターン5Cが形成される。第2次レジストパターン5Cは、上層膜パターンの第1パターン4A、上層膜パターンの第1パターン4A及び第2パターン4B間の下層膜3の露出部分、及び、上層膜パターンの第2パターン4Bのうち、少なくとも第1パターン4A側のエッジを含む部分を覆うとともに、上層膜パターンの第2パターン4Bのうち、他の部分の少なくとも一部を露出させるパターンである。方法そのものは、第1次現像工程(工程4)と同様である。なお、第2次レジスト膜形成工程(工程7)、第2次描画工程(工程8)及び第2次現像工程(工程9)を合わせて、第2次レジストパターン形成工程という。
第2次上層膜エッチング工程(工程10)では、図4(b)に示すように、上層膜パターンの第2パターン4Bがエッチングにより除去される。方法そのものは、第1次上層膜エッチング工程(工程5)と同様である。第2次上層膜エッチング工程(工程10)により、上層膜パターンの第2パターン4Bは、最終的にサイドエッチングされ、完全に除去される。この結果、第2次レジストパターン5Cの下部には、上層膜パターンの第2パターン4Bの、第1パターン4A側のエッジの位置と一致するエッジ(下部エッジ)が形成される。
下層膜エッチング工程(工程11)では、図4(c)に示すように、第2次レジストパターン5C(の下部エッジ)をエッチング処理用マスクとして、下層膜3の露出部分がエッチングにより除去される。エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれでも構わないが、大型サイズのフォトマスクであれば、ウェットエッチングが好ましい。エッチャントは、エッチング液やエッチングガスが用いられる。いずれのエッチャントであっても、下層膜3に対するエッチング選択性を有するエッチャント(上層膜4をエッチングしないエッチャント)が用いられる。なお、エッチングに際し、下層膜3は、サイドエッチングも受ける。図中、下層膜3のエッジの位置が第2次レジストパターン5Cの下部エッジの位置よりも内側にオフセットしているのはこのためである。しかし、下層膜3の膜厚、下層膜3の材質又はエッチャントの種類によっては、サイドエッチングが生じないこともある。なお、下層膜3のエッチングレートは、エッチャントの濃度、温度、エッチング時間、その他エッチャントを使用する条件を調整することにより、調整可能である。そして、下層膜3のエッチングレートを調整することにより、所望のオフセット寸法となるように調整することが可能となる。
第2次レジスト膜除去工程(工程12)では、図4(d)に示すように、残存するレジスト膜5(第2次レジストパターン5C)が除去される。方法そのものは、第1次レジスト膜除去工程(工程6)と同様である。
以上の工程1ないし工程12を経て、フォトマスク1が完成する。
以上のとおり、本実施形態に係るフォトマスク1の製造方法によれば、パターンの位置精度が重要視されない描画工程(第2次描画工程(工程8))を除き、描画工程は1回で最終的に必要となるパターン寸法を画定することができる(第1次描画工程(工程3))。これにより、フォトマスク1の製造過程において、アライメントの精度を過度に求めなくてもよくなる。このため、本実施形態に係るフォトマスク1の製造方法によれば、アライメントずれが無く、フォトマスク1の高精細化を実現することができる。
また、本実施形態に係るフォトマスク1の製造方法によれば、フォトマスク1のパターンの第2領域12のエッジの位置は、上層膜パターンの第2パターン4Bの、第1パターン4Aと反対側のエッジの位置ではなく、上層膜パターンの第2パターン4Bの、第1パターン4A側のエッジの位置に基づいて規定される。これにより、第2領域12の幅を設定するにあたり、上層膜パターンの第2パターン4Bの幅は因子とならない。このため、本実施形態に係るフォトマスク1の製造方法によれば、従来のフォトマスクの製造方法に比べ、フォトマスクのさらなる高精細化を実現することができる。
<実施形態1の別例に係るフォトマスクの製造方法>
実施形態1の別例に係るフォトマスク1の製造方法は、図5~図7に示すとおりであり、アライメントずれの影響を受けない範囲で上層膜パターンの第2パターン4Bの幅を小さくするという違いはあるものの(図6(b)参照)、実質的には、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法と同じである。そこで、実施形態1の別例に係るフォトマスク1の製造方法についての記載は、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法についての記載と同様であるとして、省略する。
<実施形態2に係るフォトマスクの構成>
図8に示すように、実施形態2に係るフォトマスク1のパターンは、μm単位の大きさのホール(透過部10)を有する(場合によっては、これが所定間隔を有して1次元配列又は2次元配列される)ホールパターンである。このため、実施形態2に係るフォトマスク1においては、下層膜3にホールパターンとなる透過部10が形成され、その周囲に第2領域12が形成される。実施形態2に係るフォトマスク1の構成は、パターンの形態が異なる点を除き、実質的には、実施形態1に係るフォトマスク1の構成と同じである。そこで、実施形態2に係るフォトマスク1の構成についての記載は、実施形態1に係るフォトマスク1の構成についての記載と同様であるとして、省略する。
<実施形態2に係るフォトマスクの製造方法>
実施形態2に係るフォトマスク1の製造方法は、図9~図11に示すとおりであり、パターンの形態が異なる点を除き、実質的には、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法と同じである。そこで、実施形態2に係るフォトマスク1の製造方法についての記載は、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法についての記載と同様であるとして、省略する。補足すると、実施形態1に係るフォトマスク1では、1回目の描画工程で第1領域11及び第2領域12が画定され、第1領域11は、遮光部11として機能する。これに対し、実施形態2に係るフォトマスク1では、上層膜パターンの第2パターン4Bは、下層膜3に形成するホールパターンを形成するためのレジストパターンの寸法を画定するためのものであり、最終的には除去され、その後、ホールパターンを形成するためのレジストパターンをマスクとして下層膜3が除去され、ホールパターンが形成される。
このように、実施形態2に係るフォトマスク1の製造方法も、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
<実施形態3に係るフォトマスクの構成>
図12に示すように、実施形態3に係るフォトマスク1の構成は、両側の第2領域(リム部)12,12の幅が異なる(左側の幅A > 右側の幅B)点を除き、実質的には、実施形態1に係るフォトマスク1の構成と同じである。そこで、実施形態3に係るフォトマスク1の構成についての記載は、実施形態1に係るフォトマスク1の構成についての記載と同様であるとして、省略する。
<実施形態3に係るフォトマスクの製造方法>
実施形態3に係るフォトマスク1の製造方法は、図13~図15に示すとおりであり、両側のレジスト除去部分の幅が異なる(図13(d)の左側の幅a > 右側の幅b)点を除き、実質的には、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法と同じである。そこで、実施形態3に係るフォトマスク1の製造方法についての記載は、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法についての記載と同様であるとして、省略する。
このように、実施形態3に係るフォトマスク1の製造方法も、実施形態1に係るフォトマスク1の製造方法が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
しかも、実施形態3に係るフォトマスク1の製造方法によれば、第1次レジストパターンの両側の第2パターン5B,5B(上層膜パターンの両側の第2パターン4B,4B)の位置を変更することにより、両側の第2領域(リム部)12,12のそれぞれの幅を個別かつ任意に設定することができる。このため、実施形態3に係るフォトマスク1の製造方法によれば、一方の第2領域(リム部)12の幅が大きく、他方の第2領域(リム部)12の幅が小さいといった左右非対称のパターンを形成することも可能である。
なお、実施形態3の左右非対称のパターン及び製造方法は、実施形態1のラインアンドスペースパターンに限定されるものではなく、種々のパターンに適用することができる。たとえば、実施形態3は、実施形態2のホールパターンに適用することもできる。この場合、図9(d)において、両側のレジスト除去部分の幅を異ならせばよい。また、左右方向だけでなく、図8(a)の上下方向において、第2領域(リム部)12の幅を異ならせることもできる。すなわち、ホールの4辺の幅を個別かつ任意に設定することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、フォトマスクのパターンの第2領域12は、リム部である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。第2領域は、他の機能部であってもよい。
また、上記実施形態においては、リム部12は、遮光部11の両側に形成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。リム部は、遮光部の片側にのみ形成されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、下層膜は、位相シフト膜である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。下層膜は、ハーフトーン膜であってもよい。なお、ハーフトーン膜とは、露光光の光学特性を調整する機能を有する機能性膜の一種であり、露光光の透過率を調整する機能を有する機能性膜である。ハーフトーン膜は、露光光に含まれる代表波長に対し、透明基板の透過率よりも低く、遮光膜の透過率よりも高い透過率を有し、代表波長に対して10%ないし70%の透過率となるように設定される。また、ハーフトーン膜は、代表波長に対する位相シフト量が20°未満、より好ましくは、5°未満となるように設定される。なお、ハーフトーン膜は、窒素含有量を調整することで、フォトマスクの面内での透過率分布を改善した半透過型金属膜であってもよい。また、ハーフトーン膜は、他の元素を含有させることで、半透過部における光学濃度(OD値)を変更することも可能である。なお、このような半透過膜を使用するメリットとして、パネル側のプロセス裕度を向上させるという効果を奏することが挙げられる。
また、上記実施形態においては、下層膜は、位相シフト膜であり、上層膜は、遮光膜である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。下層膜は、ハーフトーン膜、上層膜は、位相シフト膜であってもよい。あるいは、下層膜は、位相シフト膜、上層膜は、ハーフトーン膜であってもよい。また、これらの場合、下層膜及び上層膜の積層部は、遮光部として機能するものであってもよい。要は、下層膜及び上層膜のそれぞれは、遮光膜、位相シフト膜、ハーフトーン膜といった露光光の光学特性を調整する機能を有する各種の機能性膜の中から任意のものを選択し、下層膜及び上層膜の任意の組み合わせの積層構造を採用することができる。
また、上記実施形態においては、下層膜は金属シリサイド系の材質、上層膜はCr系の材質が用いられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、下層膜はCr系の材質、上層膜は金属シリサイド系の材質が用いられる等、要は、下層膜及び上層膜は、互いにエッチング特性が異なることを前提として、それぞれ、Cr系の材質、Ni系の材質、Ti系の材質、Si系の材質、Zr系の材質又は金属シリサイド系の材質のいずれか、又はさらに別の材質から、対応する被転写形状、部位に合わせて選択することができる。
また、上記実施形態においては、下層膜及び上層膜の2層構造である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に係るフォトマスクの製造方法を適用できる層構成であれば、上記の下層膜及び上層膜の他に、他の膜が形成される場合を排除しない。たとえば、i)上層膜と下層膜との界面にエッチングストッパ膜等の中間膜が形成されてもよい。あるいは、ii)上層膜の上面に他の膜が形成されてもよい。その場合、予め第2領域の幅を広くしておき、図4(d)に示す第2次レジスト膜除去工程(工程12)の後に、例えば、高透過半透過膜を成膜し第2領域の上層に高透過半透過膜を積層する。このとき、高透過半透過膜を代表波長に対して10%ないし70%の透過率となるように設定し、その位相シフト量が20°未満、より好ましくは、5°未満となるように設定することで、第2領域の透過側エッジと第1領域と接するエッジでは位相効果を維持することができ、第2領域の中央近傍では積層した半透過膜により積層透過率を調整することができる。これにより、被転写基板に形成されるレジストパターンをその形成領域に応じた膜厚、形状に形成できる。これは位相効果により解像度を向上させ、パターンの更なる微細化を可能としつつ、ハーフトーンマスクの様なリソグラフィー工程におけるパネル側のプロセス裕度を改善することができる。即ち、ハーフトーン効果と位相シフト効果を両立し得るフォトマスクを実現することができる。この第3の高透過半透過膜をパターニングする際には、本実施形態に係るフォトマスク1の製造方法によるパターンの位置精度が重要視されない描画工程(第2次描画工程(工程8))を更に実施することで実現することができる。仮に、この描画工程によりアライメントずれが発生した場合でも、第2領域の透過部側エッジでは位相効果に対する影響は許容される範囲になるためである。また、第1領域の上層に積層された高透過半透過膜は、第1領域が対応する被転写基板に形成されるレジストパターンの軽微な減膜も抑制することになるため好適である。また、上層膜を遮光膜4に変えて半透過膜を積層し、更にその上層に反射防止膜の機能を有する機能性薄膜を積層してもよい。その場合、形成する工程等に変更はないが、図2(c)に示す第1次描画工程(工程3)で第1領域と第2領域を確定し、その後に機能性薄膜と半透過膜をパターニングする際にエッチング工程が増える程度で形成が可能となる。最上層の機能性薄膜と上層膜にはエッチング選択性を有する膜を選択することで実現可能である。この膜構成の場合、上記で説明したハーフトーン効果と位相シフト効果の両立を図ることができるフォトマスクを実現でき、機能性薄膜をエッチングマスクとして併用することで、より精度の高いエッチングを実現することも可能となるため、寸法精度の向上を奏することができる。また、第1領域では下層膜として位相シフト膜と上層膜として半透過膜を積層しているため、本来、被転写基板の対応するレジストパターンの膜厚に多少の露光光の透過があるため減膜することが想定されるが、最上層の機能性薄膜の光学濃度ODを予め調整することで対応する被転写基板に形成されるレジストパターンの減膜を抑制できる。あるいは、iii)下層膜の下面に他の膜が形成されてもよい。すなわち、反射防止膜を最下層に形成することで被転写基板への露光の際に基板側から入射する露光光が下層膜表面で反射する。所謂、迷光となりうる原因の防止効果を奏することができる。
また、上記実施形態においては、フォトマスクのパターンは、少なくとも一部の領域においてμm単位の幅のライン(遮光部11)とμm単位の幅のスペース(透過部10)とが並列する(場合によっては、これらが交互に繰り返される)ラインアンドスペースパターンである。あるいは、上記実施形態においては、フォトマスク1のパターンは、少なくとも一部の領域においてμm単位の大きさのホール(透過部)を有する(場合によっては、これが所定間隔を有して1次元配列又は2次元配列される)ホールパターンである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。フォトマスクのパターンは、少なくとも一部の領域においてμm単位の大きさのドット(遮光部)を有する(場合によっては、これが所定間隔を有して1次元配列又は2次元配列される)ドットパターンであってもよい。もちろん、これら以外のパターンであってもよい。要は、本発明方法により実施できるパターンであれば、パターンの種類は限定されない。
また、上記実施形態2においては、ホール(透過部10)の形状(リム部(半透過部12)との境界線)は、矩形であり、リム部(半透過部12)の形状(遮光部11との境界線)は、矩形である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。ホールの形状、リム部の形状は、円形、多角形等の他の形状であってもよい。また、ホールの形状とリム部の形状は、異なっていてもよい。
1…フォトマスク、10…透過部、11…遮光部(第1領域)、12…半透過部(第2領域)、2…透明基板、3…下層膜(半透過膜)、4…上層膜(遮光膜)、4A…上層膜パターンの第1パターン、4B…上層膜パターンの第2パターン、5…レジスト膜、5a…第1領域、5b…第2領域、5A…第1次レジストパターンの第1パターン、5B…第1次レジストパターンの第2パターン、5C…第2次レジストパターン

Claims (5)

  1. 透明基板の上に形成される下層膜と、下層膜の周辺領域の少なくとも一部が露出するように下層膜の上に形成される上層膜とを備え、下層膜及び上層膜の積層部の第1領域と、下層膜の第2領域とで構成されるパターンを備えるフォトマスクの製造方法であって、
    透明基板の上に、下層膜及び上層膜が積層されたフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、
    第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターン側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターンとを含んで構成される第1次レジストパターンを形成する第1次レジストパターン形成工程と、
    第1次レジストパターンをマスクとして、上層膜の露出部分をエッチングにより除去することにより、第1領域に対応する第1パターンと、第1パターンと離隔し、第1パターン側のエッジが第2領域のエッジの位置に対応する位置に設定される第2パターンとを含んで構成される上層膜パターンを形成する第1次上層膜エッチング工程と、
    上層膜パターンの第1パターン、上層膜パターンの第1パターン及び第2パターン間の下層膜の露出部分、及び、上層膜パターンの第2パターンのうち、少なくとも第1パターン側のエッジを含む部分を覆うとともに、上層膜パターンの第2パターンのうち、他の部分の少なくとも一部を露出させる第2次レジストパターンを形成する第2次レジストパターン形成工程と、
    上層膜パターンの第2パターンをエッチングにより除去する第2次上層膜エッチング工程と、
    第2次レジストパターンをマスクとして、下層膜の露出部分をエッチングにより除去する下層膜エッチング工程とを備える
    フォトマスクの製造方法。
  2. 下層膜及び上層膜として、第1領域が遮光部、第2領域が位相シフト部として機能するような膜を用いる
    請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 下層膜として、位相シフト膜を用い、
    上層膜として、遮光膜を用いる
    請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 第2領域は、遮光部のリム部として機能する
    請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. フォトマスクのパターンは、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン又はドットパターンのいずれかである
    請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
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