JP7393401B2 - 真空処理装置 - Google Patents
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Description
カルーセル型スパッタ装置では、成膜開始前に複数の基板固定トレイを前記回転ホルダの外周に取り付け、成膜された基板固定トレイを回転ホルダの外周から取り外す必要がある。
ところがこのようなカルーセル型スパッタ装置では、真空中でドラム型の回転ホルダに自動で基板固定トレイの取り付け、取り外しを行うことは大掛かりな機構が必要となり、大気圧で手作業により基板の取り付け取り外しを行う場合が多くあった。
成膜室を大気圧にして手作業で基板の取り付け取り外しを行う場合、ターゲットの酸化や、不純物の付着により、成膜した膜に不純物が混入する場合がある。また、成膜手段により成膜室に付着した膜が大気にさらされると剥がれやすくなるため、基板に付着するパーティクルの原因となり歩留まりを悪化させることがある。
又、成膜ごとに大気解放及び真空排気が必要であり、大気解放前の冷却時間や、真空排気後の加熱時間が必要であり、シールドの交換周期も短くなる為、生産性が悪く、人手が掛かる問題を有していた。
こういった問題点を解決する為に、成膜室は真空のままロボットでのトレイの入れ替えが出来る装置が考えられた。
図16、図17に示す真空処理装置は、処理室内101に、処理すべき基板の装着される回転ドラム治具102を固定配置し、処理室内101の上記回転ドラム治具102に対して処理すべき基板固定トレイ1012を脱着するための基板固定トレイ脱着機構1014を設け、処理室101に対して基板固定トレイ1012を垂直状態(回転軸に対して平行状態)で、基板仕込み室104・基板取り出し室105との間で、図17に示す搬送機構1013により、水平搬入、水平搬出(回転軸に対して垂直状態)できるように構成したことを特徴とする。
図16、図17に示す真空処理装置によれば、回転ドラム治具102を処理室内101に固定配置し、脱着機構1014を用いて基板固定トレイ1012だけを回転軸に対して平行状態で、搬入装着、取外し搬出するように構成しているので、ドラム治具102に必要な装置、例えば冷却機構やバイアス印加手段を組込むことができ、また各室(基板仕込み室104,処理室101,基板取り出し室105)の仕切バルブ108,109、1010、1011も小型化でき、デッドスペースの縮小と共に装置自体を小型化でき、そして排気系の負荷も軽減させることができる。
なお、図16、図17において、カソード103、回転ドラム治具102の各基板装着面102a、案内ローラ1013aと駆動ローラ1013b、回転ドラム治具102を所定の位置(すなわち基板固定トレイ1012の脱着位置)で停止させる停止案内装置1016を示す。
図18に示すスパッタリング装置は、基板ホルダ2013が回転して複数の基板2014にスパッタリングを行うスパッタリング装置において、回転方向の膜厚を一定にする補正板2010を設けたことを特徴とするスパッタリング装置である。
図18に示すスパッタリング装置によれば、簡単な補正板2010を基板ホルダ2013に取り付けるだけで、基板2014の横方向のみならず、上下方向の膜厚制御を行え、ばらつきの少ないスパッタリング付けが可能となる。
しかし、上記特許文献1,特許文献2に示す装置は以下のような課題を有する。
そのため、図16,図17に示す真空処理装置の場合、基板固定トレイ1012の脱着機構の動作においては、複雑な動作、大掛かりな脱着機構1014を必要とするという課題がある。
図18に示すスパッタリング装置の場合、補正板2010は基板2014の横方向のみならず、上下方向の膜厚制御を行え、ばらつきの少ないスパッタリング膜付けが可能となるが、基板ホルダ2013に2枚の基板2014が隙間を設けて装着されている。そのため、隣り合う基板2014間の隙間から、基板ホルダ2013の各基板装着面に膜が付着するという問題がある。
更に、図18に示すスパッタリング装置の場合、補正板2010と2枚の基板2014を保持するトレイの位置関係については、開示されていない。
処理室内に、垂直な回転軸を有し、かつ、基板を保持するトレイが装着される回転ホルダを配置し、前記処理室に対して前記トレイを、前記回転軸に対して平行状態で、かつ、つり下げた垂直状態で、ロードロック室との間で、搬送機構により、水平搬入、水平搬出できる真空処理装置であって、前記トレイの脱着ごとに、前記トレイとの境界部より、膜剥がれが発生しない真空処理装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、請求項4記載の発明は、処理室内に、垂直な回転軸を有し、かつ、基板を保持するトレイが装着される回転ホルダを配置し、前記処理室内の前記回転ホルダに対して前記トレイを脱着するためのトレイ脱着機構を設け、前記処理室に対して前記トレイを、前記回転軸に対して平行状態で、かつ、つり下げた垂直状態で、ロードロック室との間で、搬送機構により、水平搬入、水平搬出できる真空処理装置であって、隣り合うトレイとトレイの間には、前記搬送機構での水平搬入、水平搬出時に前記トレイが干渉しない為の隙間を有し、前記回転ホルダ側に前記トレイ間の前記隙間より広い幅の溝を設け、遮蔽板を固定することを特徴とする真空処理装置としたものである。
図1から図2と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示すトレイ13は、トレイの両サイドに遮蔽板31を有する第1トレイ13aと、トレイの両サイドに遮蔽板31を有しない第2トレイ13bと、を交互に設置したトレイで構成されることを特徴とする。遮蔽板31は、第2トレイ13bの端部の一部に重なり合う構造であることが好ましい。遮蔽板31の第2トレイ13bの端部の一部に重なり合う部分は、第2トレイ13bと接触せずに隙間を有する構造であることが好ましい。
このように、図3に示すトレイ13は隣り合うトレイ13a、13b間の隙間に対して、回転ホルダ7の外周に設置するトレイ数を偶数で埋まる構成とし、第2のトレイ13bの両サイドが、両隣の第2トレイ13bに被る形状の遮蔽板31(又は、第1のトレイ13aと一体構造でも可)を持つ第1トレイ13aと、両サイドに遮蔽板31を持たない第2トレイ13bを交互に設置することで、基板固定トレイ13a、13b間の隙間を埋めることで、回転ホルダ7表面への膜の付着を防止する。
設置は、第2トレイ13bを先に1つ飛ばしで設置した後、両サイドに遮蔽板31を装着した第1トレイ13aを空いているポジションに設置することで、回転ホルダ7間の隙間を見えなくする。
回収時は設置時とは反対に、遮蔽板31を装着した第1トレイ13aを全て回収した後、第2トレイ13bを回収する
図1から図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
多面体である縦型のドラムホルダーの各面にトレイ13が設置され、上下をトレイ脱着駆動部(不図示)に連結されている引き込みフック22にて冷却面に押し付けられている。
図1から図7と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
トレイ13は、搬送アーム4aの搬送フック15に吊り下げられた状態で、上引き込みフック22aの位置まで搬送される。搬送アーム4aを、図8の二点鎖線太線で示す位置から図8の実線で示す位置まで下降することにより、トレイ13は上引き込みフック22aに引き渡される。その位置で搬送アーム4aは、トレイ13に干渉することなく、回転ホルダから離間する方向に移動可能となる。
図1から図8と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する
なお、図9(A)は、回転ホルダ7へのトレイ13の設置が完了し、トレイ13が回転ホルダ7(温度調整機構30)の表面と接触した状態を示し、基板固定用のトレイ13の温度制御(冷却)時を示し、図9(B)は、回転ホルダからトレイを脱着するため、トレイ13が回転ホルダ7(温度調整機構30)の表面とから離間した状態を示し、トレイ13の脱着時を示す。
回転ホルダ7の上下面に装着された脱着駆動部21は、処理室1の側面外側に装着された伸縮シリンダ33により、該伸縮シリンダ33の先端に装着され、連動して動く押しつけベアリング25をA方向に移動し、押しつけベアリング25を脱着駆動部21のガイド板(不図示)に押し付ける。これにより、図9(B)に示すように、トレイ13は該回転ホルダ7(温度調整機構30)の表面から離れる。
一方、伸縮シリンダ33の動作により、連動して動く押しつけベアリング25をB方向に移動し、押しつけベアリング25を脱着駆動部21のガイド板(不図示)から離間する。これにより、図9(A)に示すように、トレイ13は、回転ホルダ7(温度調整機構30)の表面に押し付けられる。
図1から図9と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
なお、図10(A)は、押しつけベアリング25とガイド板24とが離間した状態を示し、基板固定用のトレイ13の温度制御(冷却)時を示し、図10(B)は、押しつけベアリング25とガイド板24とが接触した状態を示し、基板固定用のトレイ13の脱着時を示す。
ガイド板24の中心部分24cには、押しつけベアリング25を受けるV字ガイド溝24aが形成されている。ガイド板24のV字ガイド溝24aが無い側には、ガイド板24の中心部分24cと接触するストッパー29を有する。
脱着駆動部21には、ベアリングケース23の中にスライドガイド(不図示)が設置され、伸縮方向に圧縮スプリング28を設置する事で、ガタのない水平動作と、押しつけベアリング25に押しつけ解放後に、速やかに元の位置に戻る機能を有する。
上引き込みフック22aは中心線に沿って移動可能なシャフト27に連結されている。
シャフト27は、ガイド板24の中心部分24cとストッパー29とが離間する際(図10(A)の際)には、トレイ13が回転ホルダ7の表面に接触する方向(B方向)に移動する。
一方、シャフト27は、ガイド板24が中心線に沿ってA方向に移動し、ガイド板24の中心部分24cとストッパー29とが接触する際(図10(B)の際)には、トレイ13が回転ホルダ7の表面から離間する方向(A方向)に移動する。
図10では不図示であるが、シャフト27は下フック22bにも取り付けられている。
図10(B)に示すように、押しつけベアリング25とガイド板24とは、押しつけベアリング25とガイド板24とが接触する際、押しつけベアリング25の中心25cとガイド板24の中心24cとが、中心線上に位置するように配置されている。
図10(A)の状態から図10(B)の状態に移行するには、伸縮シリンダ33(図10では不図示)と連動して動く押しつけベアリング25を、押しつけベアリング25の中心25cが中心線上に維持された状態で、A方向に移動し、押しつけベアリング25をガイド板24に押し付ける。
ガイド板24の中心部分24cにはV字ガイド溝24aが形成されているので、押しつけベアリング25はV字ガイド溝24aと接触する。
更に、押しつけベアリング25をA方向に移動すると、押しつけベアリング25とガイド板24とは、押しつけベアリング25の中心25cとガイド板24の中心24cとが中心線上に位置した状態で、ガイド板24のV字ガイド溝24aが無い面は、ストッパー29に当たるまで押し付けられる。これにより、回転ホルダの中心とトレイ13の中心13cとが一致した状態となり、回転ホルダ(不図示)の回転方向の停止位置が矯正され、トレイ13を支持する上フック22aの中心と一致することになる。
一方、トレイ13は、搬送アーム(不図示)のフック(不図示)により、トレイ13の中心13cが中心線上に位置した状態で保持されている。この状態で、搬送アーム(不図示)を心線に沿ってB方向に移動し、トレイ13の引き渡し位置で停止する。
これにより、図10(B)に示すように、トレイ13は搬送アーム(不図示)のフック(不図示)から上フック22aに引き渡しされる。
この状態で、伸縮シリンダ33(図10では不図示)と連動して動く押しつけベアリング25を、押しつけベアリング25の中心25cが中心線上に維持された状態で、B向に移動し、押しつけベアリング25をガイド板24から離間する。
これにより、上フック22aに保持されたトレイ13が回転ホルダ(温度制御機構)の表面と接触することとなる。
図1から図10と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示すフック解放時においては、押しつけベアリング25とガイド板24のV字ガイド溝24aとは接触し、押しつけベアリング25がガイド板24を押した状態にあるので、スプリング28は縮んだ状態になり、押しつけベアリング25によりガイド板24がストッパー29に当たるまで押し付けられると、回転ホルダ(不図示)の回転方向の停止位置を矯正してトレイ13を支持するフック22の中心とトレイ13の中心とが一致することになる。
この状態で、トレイ13が搬送アーム4aの上フック15から上引き込みフック22a、22bへの受け渡しが行われることになる。
図13は、図12の状態から搬送アーム4aが伸びた状態を示す。この時、トレイ13が上引き込みフック22aに挿入可能な状態となる。
図14は、図13の状態から搬送機構4の搬送アームによって、トレイ13をCに示す方向に下降さ、引き込みフック22aに挿入される。この状態で押しつけベアリング25をB方向に移動する。
図15に示すトレイ13の装着完了時においては、押しつけベアリング25とガイド板24のV字ガイド溝24aとは離間した状態にあるので、スプリング28は伸びた状態になり、伸縮シャフト27は、トレイ13が回転ホルダ7の表面に接触する方向(B方向)に移動する。これにより、トレイ13が回転ホルダ(不図示)の温度制御機構(例えば、冷却面)に押しつけられ、トレイ13の温度制御(冷却)が行われる。
2 ロードロック室
4 搬送機構
7 回転ホルダ
13 トレイ
13a 第1トレイ13b 第2トレイ31 遮蔽板34 溝
Claims (7)
- 処理室内に、垂直な回転軸を有し、かつ、基板を保持するトレイが装着される回転ホルダを配置し、前記処理室に対して前記トレイを、前記回転軸に対して平行状態で、かつ、つり下げた垂直状態で、ロードロック室との間で、搬送機構により、水平搬入、水平搬出できる真空処理装置であって、
前記トレイは、
前記トレイの両サイドに遮蔽板を有する第1トレイと、
前記トレイの両サイドに遮蔽板を有しない第2トレイと、
を交互に設置したトレイで構成され、
前記遮蔽板は、前記第2トレイの端部の一部に重なり合う構造であることを特徴とする真空処理装置。 - 前記遮蔽板の前記第2トレイの端部の一部に重なり合う部分は、前記第2トレイと接触せずに隙間を有する構造であることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
- 前記トレイを、前記ロードロック室との間で水平搬出する時は、前記遮蔽板を設置した前記第1トレイを全て搬出した後、前記第2トレイを搬出することを特徴とする請求項1又は2に記載の真空処理装置。
- 処理室内に、垂直な回転軸を有し、かつ、基板を保持するトレイが装着される回転ホルダを配置し、前記処理室に対して前記トレイを、前記回転軸に対して平行状態で、かつ、つり下げた垂直状態で、ロードロック室との間で、搬送機構により、水平搬入、水平搬出できる真空処理装置であって、
隣り合うトレイとトレイの間には、前記搬送機構での水平搬入、水平搬出時に前記トレイが干渉しない為の隙間を有し、前記回転ホルダ側に前記トレイ間の前記隙間より広い幅の溝を設け、遮蔽板を固定することを特徴とする真空処理装置。 - 前記溝の深さは、前記遮蔽板の厚さより、深くして、前記回転ホルダ表面より凸にならない構造を有することを特徴とする請求項4記載の真空処理装置。
- 前記溝は、前記回転ホルダ側に入り口が溝底部より狭いアリ溝であることを特徴とする請求項4又は5記載の真空処理装置。
- 前記アリ溝に前記アリ溝の入り口幅より広い幅のバネ性のある前記遮蔽板を撓ませた状態で装着したことを特徴とする請求項6記載の真空処理装置。
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