JP7392871B2 - 補助接点ユニット - Google Patents
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Description
本発明の目的は、電磁接触器に取り付けられる補助接点ユニットにおいて、接点収容部の防塵性能を向上させることである。
《構成》
以下の説明では、互いに直交する三方向を、便宜的に、縦方向、幅方向、及び奥行方向とする。
図1は、電磁接触器、及び補助接点ユニットを示す図である。
図中の(a)は、電磁接触器11に補助接点ユニット12を取り付ける前の状態を示しており、図中の(b)は、電磁接触器11の側面に補助接点ユニット12を取り付けた後の状態を示している。何れも、電磁接触器11及び補助接点ユニット12を、奥行き方向の手前側から見た状態である。
ここでは、幅方向のうち、電磁接触器11から遠い側を外側とし、電磁接触器11に近い側を内側とする。図中の(a)は、ケース21(第一のケース)であり、図中の(b)は、ケース31(第二のケース)である。すなわち、補助接点ユニット12は、電磁接触器11の側面と直交する方向、つまり幅方向に分割されたケース21と、ケース31と、を備える。ケース21及びケース31は、何れも樹脂製であり、ケース21における幅方向の内側と、ケース31における幅方向の外側とが、嵌め合わされる。
側壁部22は、電磁接触器11の側面と平行、つまり縦方向及び奥行方向に沿った略平板状に形成されている。
隔壁部23は、側壁部22の壁面からケース31に向かって、つまり幅方向の内側に向かって突出している。隔壁部23は、縦方向の両側と奥行方向の両端側とを囲んでおり、図中の(a)では隔壁部23の先端面を網掛けで表示している。なお、縦方向の両側で、幅方向及び奥行方向に沿って形成された範囲を、主な隔壁部23として説明する。
側壁部22には、一対の隙間24よりも縦方向の両外側に、一対の受壁部26が形成されている。受壁部26は、後述する固定接触子43の一端を受け、縦方向の位置決めをする。側壁部22には、一対の隙間25よりも縦方向の両外側に、一対の受壁部27が形成されている。受壁部27は、後述する固定接触子44の一端を受け、縦方向の位置決めをする。
側壁部22における縦方向の中心には、奥行方向に長い開口部28が形成されている。
側壁部32は、電磁接触器11の側面と平行、つまり縦方向及び奥行方向に沿った略平板状に形成されている。
すれ違い壁部33は、側壁部32の壁面から隔壁部23に沿って側壁部22に向かって突出している。なお、縦方向の両側で、幅方向及び奥行方向に沿って形成された範囲を、主なすれ違い壁部33として説明する。
縦方向の両側に形成されたすれ違い壁部33には、夫々、奥行方向の奥側に、すれ違い壁部33を奥行方向に分離するスリット状の隙間34が形成されている。また、縦方向の両側に形成されたすれ違い壁部33には、夫々、奥行方向の手前側に、すれ違い壁部33を奥行方向に分離するスリット状の隙間35が形成されている。
側壁部32における縦方向の中心には、奥行方向に長い開口部36が形成されている。
図3は、部品を展開した図である。
補助接点ユニット12は、接点支え42と、一対の固定接触子43と、一対の固定接触子44と、を備える。
接点支え42は、樹脂製であり、奥行方向に進退可能な状態で接点収容部41に収容される。
接点支え42の側面には、幅方向の内側に向かって突出した連結突起47が形成されている。連結突起47は、開口部36を介して側壁部32から突出し、図示は省略するが、電磁接触器11の接点支えに形成された連結凹部に嵌め込まれる。これにより、電磁接触器11の接点支えが奥行方向に進退すると、これに連動して補助接点ユニット12の接点支え42が奥行方向に進退する。
ここでは、ケース31を省略し、ケース21を幅方向の内側から見た状態を示す。また隔壁部23の先端面を網掛けで表示している。
固定接触子43は、隔壁部23を通過し、縦方向の内側が接点収容部41の内側に配置され、縦方向の外側が接点収容部41の外側に配置される。固定接触子43の板厚tは、隙間24の奥行方向の寸法に相当する。したがって、隙間24に固定接触子43を嵌め込むと、固定接触子43における奥行方向の両面には、夫々、隔壁部23の切れ目が当接して隙間はゼロになる。なお、ケース31を嵌め合わせると、固定接触子43は、隙間34によってすれ違い壁部33を通過することになる。隙間34における奥行方向の寸法は、固定接触子43の板厚tよりも大きい。
図5は、補助接点ユニットの断面を示す図である。
図中の(a)は、図4のA‐A断面を示し、図中の(b)は、図4のB‐B断面を示している。ここでは、ケース31を組み付けた状態を示しており、何れの断面においても、すれ違い壁部33の構造は共通である。
すれ違い壁部33は、隔壁部23とすれ違うようにして、接点収容部41の内側に配置されている。すれ違い壁部33の厚さは、隔壁部23の厚さよりも小さい。すれ違い壁部33の先端側には段差があり、先端部37は基端側よりも厚さが小さくされている。側壁部22には、壁面からすれ違い壁部33の先端部37に沿って突出する突起部29が形成されている。すれ違い壁部33の先端部37は、隔壁部23と突起部29との間に配置されている。突起部29は、図4に示されるように、奥行方向に沿って連続して形成されている。
すれ違い壁部33の先端部37と突起部29との間には、成形時の誤差を考慮して、微小な隙間を設けてあり、非接触の状態である。突起部29における幅方向の寸法は、先端部37における幅方向の寸法よりも小さい。したがって、ケース21及びケース31を嵌め合わせたときに、突起部29の先端は、すれ違い壁部33における先端部37の段差面に当接しない。
次に一実施形態の主要な作用について説明する。
補助接点ユニット12は、ケースの内部、特に接点収容部41に塵埃が侵入すると、接点の接触不良を招く可能性がある。本実施形態では、幅方向に分割されたケース21及びケース31を備え、ケース21の側壁部22には、ケース31に向かって突出した隔壁部23を形成する。一方、ケース31の側壁部32には、隔壁部23に沿って側壁部22に向かって突出したすれ違い壁部33を形成する。したがって、接点収容部41に塵埃が侵入するには、隔壁部23とすれ違い壁部33との間を通過しなければならなくなる。すなわち、接点収容部41への侵入経路が長くなることで、塵埃が侵入しにくくなり、防塵性能が向上する。
図中の(a)は、図4のA‐A断面を示し、図中の(b)は、図4のB‐B断面を示している。ここでは、ケース31を組み付けた状態を示しており、何れの断面においても、すれ違い壁部33の構造は共通である。
塵埃の侵入経路を、太い実線矢印で示す。塵埃は、隔壁部23の先端と側壁部32の壁面との間を通過し、隔壁部23とすれ違い壁部33との間を通過し、すれ違い壁部33における先端部37の先端と側壁部22の壁面との間を通過する。さらに、すれ違い壁部33における先端部37と突起部29との間を通過し、突起部29の先端とすれ違い壁部33における先端部37の段差面との間を通過し、こうして接点収容部41へと侵入することになる。このように、接点収容部41への侵入経路が長くなることで、塵埃が侵入しにくくなり、防塵性能が向上する。
また、すれ違い壁部33は、隔壁部23よりも厚さが小さくされている。これにより、すれ違い壁部33によって接点収容部41の空間を狭めてしまうことを抑制することができる。
図7は、比較例1を示す図である。
比較例1の補助接点ユニット51は、幅方向の中心で分割された構造であり、その分割面52を太い点線で図示している。このように、幅方向の中心で分割された構造では、分割面52から内部に塵埃が侵入し、接点の接触不良を招く可能性があった。これに対して本実施形態では、前述したように、すれ違い壁部33を形成しているので、塵埃が侵入しにくくなり、防塵性能が向上する。
比較例2の補助接点ユニット61は、幅方向に分割されていない一体成形型の構造である。この場合、固定接触子62を縦方向に沿って挿入するための挿入孔63があるが、固定接触子62における固定接点64の通過を許容するために、挿入孔63の高さ寸法が、固定接触子62の厚さよりも大きく設定されている。そのため、一体成形型の構造でも、挿入孔63と固定接触子62との間に隙間ができ、そこから内部に塵埃が侵入し、接点の接触不良を招く可能性があった。これに対して本実施形態では、前述したように、固定接触子43及び固定接触子44をケース31の側から嵌め込むことができ、奥行方向の両面には、夫々、隔壁部23の切れ目が当接して隙間はゼロになる。したがって、塵埃が侵入しにくくなり、防塵性能が向上する。
一実施形態では、ケース21の側壁部22に隔壁部23を形成し、ケース31の側壁部32にすれ違い壁部33を形成しているが、これに限定されるものではない。逆に、ケース21の側壁部22にすれ違い壁部33を形成し、ケース31の側壁部32に隔壁部23を形成してもよい。
一実施形態では、隔壁部23のうち、縦方向の両側で、幅方向及び奥行方向に沿って形成された範囲に対して、主要なすれ違い壁部33を形成しているが、これに限定されるものではない。すなわち、隔壁部23の全体、つまり奥行方向の両側で、幅方向及び縦方向に沿って形成された範囲においても、すれ違い壁部を形成してもよい。
一実施形態では、突起部29を奥行方向に沿って連続して形成しているが、これに限定されるものではない。すなわち、奥行方向に沿って所定の間隔で点在するように、突起部29を形成してもよい。
一実施形態では、隙間24によって分離された隔壁部23は、縦方向にずれた段違いであるが、これに限定されるものではない。すなわち、隙間24によって分離された隔壁部23は、縦方向にずれていなくてもよい。隙間25によって分離された隔壁部23についても同様である。
Claims (7)
- 電磁接触器の側面に取り付けられる補助接点ユニットであって、
前記電磁接触器の側面と直交する方向に分割された第一のケース及び第二のケースを備え、
前記第一のケースは、
前記電磁接触器の側面と平行な第一の側壁部と、
前記第一の側壁部の壁面から前記第二のケースに向かって突出した隔壁部と、を備え、
前記第二のケースは、
前記電磁接触器の側面と平行であり、前記第一のケースと嵌め合わせたときに、壁面に前記隔壁部の先端が当接する第二の側壁部を備え、
前記第一の側壁部、前記隔壁部、及び前記第二の側壁部で囲まれた範囲が、接点収容部となり、
前記第二の側壁部は、
壁面から前記隔壁部に沿って前記第一の側壁部に向かって突出したすれ違い壁部を備え、
前記すれ違い壁部は、前記接点収容部の内側に配置され、
前記第一の側壁部は、
壁面から前記すれ違い壁部の先端部に沿って突出する突起部を備え、
前記すれ違い壁部の先端部は、前記隔壁部と前記突起部との間に配置されていることを特徴とする補助接点ユニット。 - 前記隔壁部、及び前記すれ違い壁部の双方を通過し、一端側が前記接点収容部の内側に配置され、他端側が前記接点収容部の外側に配置される板状の固定接触子を備え、
前記隔壁部には、前記固定接触子の板厚分の隙間が形成されており、前記隙間に前記第二のケースの側から前記固定接触子が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の補助接点ユニット。 - (削除)
- 前記すれ違い壁部の先端部は、基端側よりも厚さが小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の補助接点ユニット。
- 前記すれ違い壁部は、前記隔壁部よりも厚さが小さいことを特徴とする請求項1、2、4の何れか一項に記載の補助接点ユニット。
- 前記すれ違い壁部における突出方向の寸法は、前記隔壁部における突出方向の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の補助接点ユニット。
- 電磁接触器の側面に取り付けられる補助接点ユニットであって、
前記電磁接触器の側面と直交する方向に分割された第一のケース及び第二のケースを備え、
前記第一のケースは、
前記電磁接触器の側面と平行な第一の側壁部と、
前記第一の側壁部の壁面から前記第二のケースに向かって突出した隔壁部と、を備え、
前記第二のケースは、
前記電磁接触器の側面と平行であり、前記第一のケースと嵌め合わせねじで締結したときに、壁面に前記隔壁部の先端が当接する第二の側壁部を備え、
前記第一の側壁部、前記隔壁部、及び前記第二の側壁部で囲まれた範囲が、接点収容部となり、
前記第二の側壁部は、
壁面から前記隔壁部に沿って前記第一の側壁部に向かって突出したすれ違い壁部を備え、
前記すれ違い壁部は、前記隔壁部よりも厚さが小さく、
前記すれ違い壁部における突出方向の寸法は、前記隔壁部における突出方向の寸法よりも小さいことを特徴とする補助接点ユニット。
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