以下、図面を参照しつつ、各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。まず、本実施の形態で用いる用語を説明する。
「色再現性」は、いずれのプリンターによって媒体(紙など)に画像が形成(描画または印刷)された場合でも、形成された画像は同じ明度または色相を示すことをいう。
「色検証」は、プリンターによって適切な色再現性が実現されているか否かを評価する処理、すなわち色検証処理を示す。
色検証処理では、プリンターは複数の色測定ページ(これら複数の色測定ページの各々は複数のパッチ(カラーパッチ)を有する)を印刷し、色センサーなどの測定機器は、印刷されたカラーパッチ毎に各色を測定し、測定された色を対応する目標色と比較し、比較により取得された両者の色の違い(以下、色差と呼ぶ)に基づき色検証結果を出力する。具体的には、色検証では、色検証の結果が所定条件を満たすか否かに基づく色検証結果が出力される。例えば、色差を定量的に示す色差値(後述するL*a*b*値)が所定閾値(後述する許容値)に近い場合は色検証結果としてPass(合格)が出力され、色差値が所定閾値からかけ離れている場合は色検証結果としてFail(不合格)が出力される。
「色補正」は、色検証結果に従い、上記の色差値を用いて画像データ(より特定的には画素値)を補正するための補正パラメータを決定する処理を含む。例えば、色検証結果がPass(合格)を示す場合は、色補正は実施されないが、色検証結果がFail(不合格)を示す場合は色補正が実施される。色補正には、色差値が所定閾値(許容値)に近くなるように、画像データの画素値を補正パラメータを用いて補正する処理が含まれてもよい。
「メンテナンス」は、画像形成装置が正常に稼働するように維持、整備、保守する作業の全般を含み、メンテナンスには「色検証」と、色検証結果に基づく「色補正」が含まれる。
「Profiling」はプロファイルを作成または収集する作業(処理)を示し、この作業には、作成または収集された「プロファイル」を記録または格納することも含む。本実施の形態では、「プロファイル」は、色検証の結果に関する情報を含む。
「環境情報」は、画像形成装置の周囲の、少なくとも温度および湿度などの環境要因に関する情報を含むが、環境要因には天気が含まれてもよい。また、温度および湿度などの環境要因は、画像形成装置が備えられる屋内(または室内)の温度および湿度、ならびに屋外(または室外)の温度および湿度を含む。
<概要>
本実施の形態では、管理サーバーは、画像形成装置におけるジョブの実行状況を表すジョブスケジュールと、ジョブスケジュールに関連付けて、画像形成装置の周囲の環境要因に関する情報である環境情報とを表示するためのデータを生成する。ジョブの実行状況は、典型的には、時系列に実行の履歴および実行の予定を含む。また、環境要因は、典型的には温度および湿度を含み、環境情報は、時系列に取得される環境要因の値または変化を含む。
ユーザーは、表示されるジョブスケジュールを、当該ジョブスケジュールに関連付けて表示される環境情報を目安に、調整(リスケジュール)することができる。
さらに、管理サーバーは、現在の環境情報および未来の環境予測情報から、未来の色検証、メンテナンスおよびProfilingの実施時期を予測し、予測された情報をジョブスケジュールに関連付けて表示するデータを生成する。
ユーザーは、表示されるジョブスケジュールを、当該ジョブスケジュールに関連付けて表示されるメンテナンス時期を目安に、調整(リスケジュール)することができる。
なお、実施の形態では、環境情報を関連付けて印刷ジョブの実行状況を示すスケジュールが表示されるが、実行状況が表示されるジョブは印刷ジョブに限定されない。
<A.構成>
図1は、本実施の形態に係るシステムの構成図である。図1を参照して、システム1は、例えば印刷会社内に設置された画像形成装置100、色センサー500および情報処理装置200を備える。画像形成装置100、色センサー500および情報処理装置200は、印刷会社内のネットワーク600を介して相互に通信する。さらに、システム1は、ネットワーク400に接続された管理サーバー300およびサーバー700を備える。ネットワーク600は、図示しない通信機器(ルーター、スイッチなど)を介してネットワーク400に接続される。したがって、システム1は、画像形成装置100、色センサー500、情報処理装置200、管理サーバー300およびサーバー700は、ネットワーク400,600を介して相互に通信可能である。
なお、色センサー500または情報処理装置200は、画像形成装置100から独立して備えられるが、画像形成装置100に内蔵されてもよい。また、ネットワーク400は、印刷会社の外部のネットワークまたは会社内部のネットワークを含む。また、ネットワーク400,600は、有線または無線のネットワークを含む。また、図1では、ネットワーク400,600は異なるネットワークとして示されるが、同じネットワークであってもよい。
また、印刷会社内には、画像形成装置100の周囲の環境要因(室温、湿度(屋内)など)を調節するための空調機800が備えられる。空調機800は、ネットワーク600に接続される。空調機800は、情報処理装置200からの指令、または管理サーバー300からの指令に従い制御される。これにより、管理サーバー300または情報処理装置200は、空調機800を遠隔制御できる。
システム1の管理サーバー300は、主に、画像形成装置100が実行するジョブの実行状況を管理する機能を備える「管理装置」の一実施例である。管理サーバー300が接続されるネットワークは、印刷会社外のネットワーク600に限定されず、社内のネットワーク400に接続されてもよい。また、画像形成装置100がサーバーを内蔵する場合は、内蔵されたサーバーが、管理サーバー300の機能を担ってもよい。また、情報処理装置200が管理サーバー300の機能を担ってもよい。
画像形成装置100としては、典型的には、プリンターを備える装置を含む。例えば、画像形成装置100は、プリンターまたはコピー機またはそれらの複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)として例示される。画像形成装置100が備える機能は、プリンター、コピー機に限定されず、例えばスキャナー、ファクシミリなどの機能をさらに備えてもよい。管理サーバー300は、画像形成装置100によって実行されるジョブを含む画像形成装置100の稼働に関する情報を管理する。情報処理装置200は、典型的には、パーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータが適用される。図1では、情報処理装置200は、据え置き型で示されるが、タブレット型やラップトップ型の携帯型であってもよい。
(画像形成装置100の構成)
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置のハードウェアの構成の一例を概略的に示す図である。図2を参照して、画像形成装置100はCPU(Central Processing Unit)150、プログラムおよびデータを格納するための記憶部160、情報の入出力部170、ネットワーク600を介して管理サーバー300と通信するための通信I/F(インターフェイス)156、情報処理装置200とネットワーク400を介して通信するための通信回路175、画像形成装置100の周囲の温度および湿度(屋内)を測定するセンサー177、および各種処理部を含む。画像形成装置100は、センサー177の測定値を、情報処理装置200を経由して管理サーバー300に送信、または情報処理装置200を経由せずにダイレクトに管理サーバー300に送信する。
なお、画像形成装置100の周囲の温度および湿度(屋内)を測定するセンサー177は、空調機800に備えられてもよい。
記憶部160は、CPU150により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および不揮発メモリなどを含む。RAMは、CPU150によりプログラムを実行する際の作業領域としても供される。
入出力部170は、ディスプレイを含む表示部171およびユーザーが画像形成装置100に情報を入力するために操作する操作部172を含む。ここでは、入出力部170は、表示部171と操作部172が一体的に構成されたタッチパネルとして提供されてもよい。
通信I/F156は、NIC(Network Interface Card)などの回路を含んで構成される。通信I/F156は、管理サーバー300,サーバー700を含む外部装置とネットワークを介して通信するためのデータ通信部157を含む。データ通信部157は、ネットワークを介して管理サーバー300,サーバー700を含む外部装置にデータを送信する送信部158、およびネットワークを介して管理サーバー300,サーバー700を含む外部装置からデータを受信する受信部159を含む。
通信回路175は、情報処理装置200と通信するための例えばLAN(Local Area Network)などの通信回路を含む。通信回路175は、情報処理装置200を含む外部の端末と無線通信するための通信回路を備えてもよい。無線通信回路としては、例えば、NFC(Near Field Communication)などの通信規格に従う無線通信回路を含み得る。
上記に述べた各種処理部は、画像処理部151、画像形成部152、画像データを含む各種データを記憶するハードディスクなどの記憶部153、プリンター140を制御する画像出力部154、図示しないファクシミリ回路を制御するためのファクシミリ制御部155、原稿を光学的に読み取って画像データを得るための画像読取部173、記憶媒体176が脱着自在に装着されるデータリーダー/ライター174を備える。
データリーダー/ライター174は、装着される記憶媒体176からプログラムまたはデータを読出す回路と、記憶媒体176にデータを書込む回路を有する。
画像出力部154は、印刷ジョブ70を用いて駆動されるプリンター140を備える。本実施の形態では、説明を簡単にするために、情報処理装置200は、画像形成装置100で処理されるべき1つ以上の印刷ジョブ70を管理し、スケジュールに従って、印刷ジョブ70を画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、情報処理装置200から受信した印刷ジョブ70を処理する。なお、画像形成装置100が処理する印刷ジョブ70は、画像形成装置100が原稿をスキャンし、スキャン結果に基づき作成した印刷ジョブ70、または画像形成装置100がネットワーク400を介して受信する印刷ジョブ70も含み得る。
印刷ジョブ70は、PJLデータ、PDL(ページ記述言語)データおよび印刷ジョブ70のユーザーを識別するユーザーIDなどを含む。PJLデータは、PDLデータに直接影響を与えない命令であって、たとえば、ステープル、パンチなどの機能を用いる場合に当該機能に関するコマンドを含む。画像形成装置100の画像形成部152は、印刷ジョブ70のPDLデータを、記憶部160のRAM上でビットマップデータとして展開する。画像出力部154のプリンター140は、画像形成部152によって展開されたビットマップデータ(PDLデータ)に従って印刷用紙などの媒体に対する印刷処理を実行し、PJLデータ51に従って印刷用紙などに対する所定の処理(ステープル処理など)を実行する。プリンター140は、トナーボトル141から供給されるトナーを用いてビットマップデータに基づくトナー像を媒体上に形成する。例えば、トナーは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(BK)のトナーを含み、プリンター140は、媒体上に、イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像およびブラック(BK)のトナー像を形成する。プリンター140は、媒体上に形成されたトナー像を媒体上に定着させて、トナー像が定着された媒体は、トレイ(図示しない)に排紙される。
(管理サーバー300のハードウェア構成)
図3は、実施の形態にかかる管理サーバー300のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。図3を参照して、管理サーバー300は、CPU30、記憶部34、およびネットワークコントローラー35を含む。さらに、管理サーバー300は、R/W(リーダー/ライターの略)34-1を備える。R/W34-1は、記憶媒体34-2が脱着自在に装着されて、CPU30の制御のもとに、装着された記憶媒体34-2に格納されたデータおよびプログラムを読み書きする。
記憶部34は、CPU30により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM31、RAM32およびHDD(Hard disk drive)33、および管理サーバー300とネットワーク400を介した他の装置との間の通信を制御するネットワークコントローラー35を含む。RAM32は、各種情報を記憶する領域と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域とを含む。ネットワークコントローラー35はNICなどの回路を含む。
(情報処理装置200のハードウェア構成>
図4は、実施の形態にかかる情報処理装置200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。図4を参照して、情報処理装置200は、CPU20、ディスプレイ23、ユーザーが情報処理装置200に情報を入力するために操作する操作パネル25、記憶部26および通信コントローラー27を備える。さらに、情報処理装置200は、R/W(リーダー/ライターの略)26-1を備える。R/W26-1は、記憶媒体26-2が脱着自在に装着されて、CPU30の制御のもとに、装着された記憶媒体26-2に格納されたデータおよびプログラムを読み書きする。記憶部26は、CPU20により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM21、RAM22、およびハードディスク装置を含むメモリ28を備える。ディスプレイ23と操作パネル25は、一体的に構成されたタッチパネルとして提供されてもよい。通信コントローラー27は、情報処理装置200とネットワーク600を介した他の装置との間の通信を制御するためのNICまたはLAN回路などの通信回路を含む。
<B.機能構成>
図5は、本実施の形態にかかるシステムの機能を構成を概略的に示す図である。図5を参照して、管理サーバー300は記憶部34の例えばHDD33に格納された情報に基づき予測処理を実施する予測処理部310、予測処理部310の出力に基づき色検証の演算を実施する色検証演算部320を備える。さらに、管理サーバー300は、予測処理に用いられる情報を収集しHDD33に格納する情報取得部309、予測処理の結果をディスプレイに表示させるための表示データ350-1を生成する表示データ生成部350、および空調機800に制御指令を出力する空調制御部315を備える。情報取得部309、予測処理部310、空調制御部315、色検証演算部320および表示データ生成部350は、CPU30が記憶部34に、例えばHDD33に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される。
管理サーバー300の情報取得部309、予測処理部310、色検証演算部320および表示データ生成部350は、CPU30がプログラムを実行することで必要な機能が提供される構成例として示されたが、管理サーバー300は、これらの提供される機能の一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)など)を用いて実装してもよい。
図5を参照して、記憶部34のHDD33には、過去の情報330および現在・未来の情報340が格納される。過去の情報330は、各種情報が格納され得るが、主な情報として、色検証履歴36、過去色環境情報39、過去情報40、Profiling履歴360、過去に測定された環境情報である過去環境情報37を含む。色検証履歴36は、画像形成装置100の色検証の実績を示す。Profiling履歴360は、Profilingの実績を示す。
現在・未来の情報340は各種情報を含むが、主な情報として、環境予測情報38、現在情報43、未来メンテナンス情報47、未来情報48、現在予測情報49および未来予測情報50を含む。現在・未来の情報340は、さらに、印刷ジョブ70の実行スケジュールを示すジョブスケジュール46を含む。
ジョブスケジュール46は、管理サーバー300が、情報処理装置200から受信したスケジュールの情報に基づき作成し、格納する。スケジュールの情報は、印刷ジョブ70のそれぞれについて、ジョブ実行日時(実行開始日時と終了日時)、ジョブ内容(印刷枚数など)、納期などを含む。
HDD33に格納される情報の詳細は、後述する。なお、これら情報が格納される媒体は、管理サーバー300がアクセス可能な媒体であればよく、特に限定されないが、本実施の形態では、当該アクセス格納な媒体の一例としてHDD33を説明する。
予測処理部310は、HDD33に格納された情報に基づき、所定の処理を実施し、処理の結果である予測情報を出力する。出力される予測情報は、予測される色差値を示す予測L*a*b*値311を含む。
色検証演算部320は、予測L*a*b*値311に基づき色検証のための所定演算を実施し、所定の演算結果である色検証予測結果389を、予測処理部310または表示データ生成部350に出力する。色検証予測結果389の算出については、後述する。
情報処理装置200は、CPU20が、記憶部26に格納された所定のアプリケーションプログラムを実行することにより実現される、表示部210、情報取得部211および情報送信部212を含む。表示部210は、管理サーバー300からの表示データ350-1に基づくGUI(Graphical User Interface)の画像をディスプレイ23に表示させる。情報取得部211は、操作パネル25を介して受付けたユーザー操作内容に基づく情報を取得する。情報送信部212は、情報を画像形成装置100に送信する。
画像形成装置100は、CPU150が、記憶部160に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される、表示部501、情報取得部503および情報送信部504を含む。画像形成装置100は、印刷ジョブ70を含むジョブに関するJob情報502を記憶部153に格納する。
情報処理装置200の情報取得部211は、管理サーバー300から送信される表示データ350-1とともに、メンテナンス予測、環境情報および色検証予測結果を受信(取得)する。情報処理装置200の表示部(GUI)210は、管理サーバー300からの表示データ350-1に基づくGUI(Graphical User Interface)の画像をディスプレイ23に表示させる。情報送信部212は、管理サーバー300から受信する情報または表示データ350-1を含む情報を、画像形成装置100に送信する。
画像形成装置100の情報取得部503は、情報処理装置200からメンテナンス予測、環境情報および表示データ350-1などを受信(取得)する。画像形成装置100の表示部(GUI)501は、表示データ350-1に基づくGUIの画像を表示部171のディスプレイに表示させる。情報送信部504は、印刷ジョブ70の実行に関する情報、センサー177の測定値などを管理サーバー300または情報処理装置200に送信する。
<C.情報取得部309による情報の取得>
情報取得部309は、少なくとも、画像形成装置100の周囲の環境要因に関する環境情報を取得する。情報取得部309によって取得される情報を説明する。
(色検証履歴とProfiling履歴)
図6は、本実施の形態にかかる色検証履歴36の一例を模式的に示す図である。図6を参照して、色検証履歴36は、画像形成装置100において過去に実施された色検証毎にレコード36Rを有する。レコード36Rは、当該色検証の識別子であるID361、直近の色補正のメンテナンスは実施された日時362、当該メンテナンス実施時からの経過時間であるメンテナンス経過時間363、当該レコード36Rの色差値であるL*a*b*値365を用いた色検証結果364、および色検証によって取得された色差値であるL*a*b*値365および他の情報366を関連付けて有する。本実施の形態では、情報を関連付けて格納する形式の一例としてレコードを示すが、形式はレコードに限定されない。色検証結果364は、当該レコード36RのL*a*b*値365を用いた色検証の結果(PassまたはFail)を示す。
他の情報366には、プリンター名、色検証に使用したチャートまたはパッチの情報、L*a*b*値365と比較される閾値に対応した許容値情報(規格や平均dEなどの各許容値)が含まれてもよい。
図7は、本実施の形態にかかるProfiling履歴360の一例を模式的に示す図である。図7を参照して、Profiling履歴360は、Profiling毎にレコード360Rを有する。レコード360Rは、予測処理部310によってProfilingが実施された日時であるProfiling作成日時360-1、Profiling前色検証結果/色検証ID360-2、およびProfiling後色検証結果/色検証ID360-3を含む。Profiling作成日時360-1は、Profilingの色検証が実施された日付け、すなわち色検証履歴36の日時362に対応する。Profiling前色検証結果/色検証ID360-2は、当該日時362以前の日時のうち直近の日時に実施された色検証の結果(PassまたはFail)と当該日時362に対応するID361(図6)との組を示す。Profiling後色検証結果/色検証ID360-3は、Profiling作成日時360-1以後の日時のうち直近の日時に実施された色検証結果(Pass)と当該色検証が実施された日時362に対応したID361(図6)との組を示す。
(環境情報)
図8は、本実施の形態にかかる過去環境情報37の一例を模式的に示す図である。情報取得部309は、過去環境情報37を取得する。過去環境情報37は、環境情報が取得された日時毎にレコード37Rを含む。レコード37Rは、当該日時371と、当該日時に測定された情報370とを含む。情報370は、環境要因の情報として室温372、湿度(屋内)373、外気温374および湿度(屋外)375を含む。レコード37Rは、情報370として天気376の情報を含んでもよい。
図9は、本実施の形態にかかる環境予測情報38の一例を模式的に示す図である。情報取得部309は、環境予測情報38を取得する。環境予測情報38は、現在または未来に測定され得る環境情報であって、測定される日時を示す未来日時331毎にレコード38Rを有する。レコード38Rは、未来日時331と、環境データ380とを含む。環境データ380は、当該未来日時331に予測される室温、湿度(屋内)、外気温度、および湿度(屋外)のそれぞれについて、室温予測382、湿度(屋内)予測383、外気温予測384、および湿度(屋外)予測385を含む。環境データ380は、天気予報386を含んでもよい。
図7と図8の環境情報は、例えばサーバー700などが天気予報の情報を提供する場合は、情報取得部309は、サーバー700から受信する情報を用いて、過去環境情報37および環境予測情報38を取得できる。また、情報取得部309が環境情報を取得する経路はサーバー700に限定されない。例えば、情報処理装置200が、画像形成装置100の周囲の温度および湿度を計測する機能を備える場合は、情報取得部309は、情報処理装置200から送信された室温372および湿度(屋内)373を受信することにより環境情報を取得できる。または、情報取得部309は、画像形成装置100から、センサー177によって測定された室温372および湿度(屋内)373を受信することによって環境情報を取得できる。
<D.予測処理部310による情報の取得>
予測処理部310は、過去の色検証履歴36を用いてメンテナンス時期を予測するための情報を作成する。まず、予測処理部310は、当該予測のために各種情報を生成する。
(過去色環境情報)
図10は、本実施の形態にかかる過去色環境情報39の一例を模式的に示す図である。予測処理部310は、メンテナンス時期を予測するために、過去の色検証履歴36と過去環境情報37とから、過去色環境情報39を作成する。
具体的には、予測処理部310は、同一日時(レコード36Rの日時362とレコード37Rの日時371とが同一)を示す、色検証履歴36のレコード36Rと、過去環境情報37のレコード37Rどうしを紐付けるリンク91を実施することにより、過去の色検証履歴36のレコード36Rと過去環境情報37のレコード37Rとの組合わせである1つ以上の組情報391を有する過去色環境情報39作成する。予測処理部310は、作成された過去色環境情報39を、HDD33に格納する。過去色環境情報39は、ここでは複数の(2つ以上の)組情報391を有している。
(過去情報)
図11は、本実施の形態にかかる環境差分情報41の一例を模式的に示す図である。図12は、本実施の形態にかかるL*a*b*値差分情報42の一例を模式的に示す図である。図13は、本実施の形態にかかる過去情報40の一例を模式的に示す図である。予測処理部310は、環境差分情報41およびL*a*b*値差分情報42から、過去情報40を作成し、作成された過去情報40をHDD33に格納する。
まず、予測処理部310は、過去色環境情報39から環境差分情報41を作成する。具体的には、図11を参照して、予測処理部310は、過去色環境情報39の組情報391のそれぞれについて、当該組情報391(これを、着目情報と呼ぶ)と、当該着目情報の日時362(372)以前であって直近の日時362(372)を有した組情報391(これを、前情報と呼ぶ)との、差分392を算出する。差分392は、着目情報が有する室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外)と、前情報が有する室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外)との差を示す。予測処理部310は、当該着目情報(組情報391)と算出された差分392とを紐づけるリンク91を実施する。これにより、予測処理部310は、過去色環境情報39の各組情報391と、当該組情報391に紐付けされた差分392とを含む環境差分情報41を作成する。
また、予測処理部310は、過去色環境情報39からL*a*b*値差分情報42を作成する。具体的には、図12を参照して、予測処理部310は、過去色環境情報39の組情報391のそれぞれについて、当該組情報391(着目情報)のL*a*b*値365と前情報との間のL*a*b*値365の差分393を算出する。差分393は、着目情報が有するパッチごとのL*a*b*値365と前情報のパッチごとのL*a*b*値365との差分を含む。予測処理部310は、当該着目情報(組情報391)と算出された差分393とを紐づけるリンク91を実施する。これにより、予測処理部310は、過去色環境情報39の各組情報391と、当該組情報391に紐付けされた差分393とを含むL*a*b*値差分情報42を作成する。
予測処理部310は、環境差分情報41とL*a*b*値差分情報42とを含む過去情報40(図13)を作成し、HDD33に格納する。図12に示されるように、過去情報40は過去色環境情報39の各日時362(371)に関連付けて、当該日時の組情報391と、当該組情報391に関連付けされた環境の差分392と、L*a*b*値の差分393とを含む。
(現在情報)
予測処理部310は、メンテナンス時期を予測するために現在情報43を取得する。図14は、本実施の形態にかかる現在の環境情報44の一例を模式的に示す図である。図15は、本実施の形態にかかる現在の環境差分情報45の一例を模式的に示す図である。図16は、本実施の形態にかかる現在情報43の一例を模式的に示す図である。
予測処理部310は、図14の現在の環境情報44を取得する。具体的には、予測処理部310は、色検証履歴36からメンテナンスを実施した日時362以前の日時のうち直近の日時362を特定し、特定した日時362と現在日時440との差を、メンテナンス経過時間441に設定する。予測処理部310は、現在日時440、メンテナンス経過時間441、現在の室温442、現在の湿度(屋内)443、現在の外気温444および現在の湿度(屋外)475を関連付けて有する現在の環境情報44を作成する。
図15を参照して、予測処理部310は、現在の環境情報44と、現在より以前の日時のうち直近の日時362(371)を示す組情報391が有する環境情報との差分455を算出する。予測処理部310は、算出された差分455を、図14の現在の環境情報44に紐づけるリンク91を実施することによって環境差分情報45を作成する。
(未来情報)
予測処理部310は、メンテナンス時期を予測するために未来情報48を取得する。未来情報48の取得に際して、予測処理部310は、色検証を実施する時期(以下では、色検証実施時期とも呼ぶ)を予測する。色検証実施時期の予測処理を、図32~図37を参照して説明する。
(色検証実施時期の予測)
図32~図37は、本実施の形態にかかる色検証実施時期の予測処理を模式的に示す図である。
図32を参照して、予測処理部310は、色検証履歴36の各レコード36Rが有する日時362と所定の規則性とを照合し、照合の結果に基づき、メンテナンスが、すなわち色検証が定期的に実施されていたか否かを判定する。所定の規則性は、限定されないが、例えば、色検証が毎日9:00, 13:00, 15:00などのように同じ時間帯に実施されていたとの規則性、または、2時間おきに実施されていたとの規則性を含む。
予測処理部310は、色検証が上記の規則性に従い定期的に実施されていたと判定した場合、図33に示すように、現在よりも未来の色検証実施時期である色検証予測日時339を、図32で判定された過去の規則性に基づき設定する。これにより、色検証予測日時339は、過去の色検証実施時期の間隔に整合するように設定される(図33)。
一方、予測処理部310は、規則性に従って色検証が実施されていなかった判定した場合、ジョブスケジュール46から、別の方法で規則性を検出する。例えば、予測処理部310は、過去に、画像形成装置100によって印刷ジョブ70が実行(以下、ジョブ実行という)された日時を取得し、取得された過去のジョブ実行日時と、色検証履歴36の色検証の日時362とに基づき、ジョブ実行の時期と色検証実施の時期との間の規則性を検出する。例えば、図34では、予測処理部310は、色検証は、ジョブ実行の前で実施されている、またはジョブ実行中(中間)に実施されている等の規則性を取得することができる。
具体的には、予測処理部310は、図35に示されるようなジョブスケジュール46を検索し、検索の結果に基づき、未来のジョブ実行の予定を取得する。図35に示されるように、ジョブスケジュールは、現在、過去および未来の印刷ジョブ70の実行スケジュールを示す。過去のスケジュールは、実行された印刷ジョブ70の実績を示し、未来のスケジュールは、印刷ジョブ実行の予約を示す。実績および予約の情報は、実行時間、ジョブの識別子、用紙種類(普通紙、塗工紙など)、用紙サイズ、印刷枚数などを含むが、図35では簡単化のために、実行時間のみが示されている。
予測処理部310は、取得したジョブ実行の予定時期と、図33で設定した色検証予測日時339と、所定の規則性とを比較し、比較の結果に基づき、未来においてジョブ実行の時期と色検証予測日時339との間に所定の規則性があるか否かを判定する(図35)。予測処理部310は、当該所定の規則性はないと判定すると、未来において任意の時間間隔で色検証予測日時339を設定する。図36では、例えば、任意の時間間隔として3時間毎に、色検証予測日時339が設定されている。
なお、過去に規則性に従って色検証が実施されていないと判定されるケースとしては、過去に実施された色検証が、定期的に実施された色検証と定期でない時期(ランダムな時期)に実施された色検証とを含む場合が該当する。
予測処理部310は、環境予測情報38を用いて図37の未来メンテナンス情報47を作成する。図37を参照して、未来メンテナンス情報47は、1つ以上の色検証予測日時339(図33または図36)と、色検証予測日時339のそれぞれに関連付けて、未来メンテナンスデータ471とを含む。未来メンテナンスデータ471は、関連付けられた色検証予測日時339に該当する環境予測情報38の未来日時331に対応した環境データ380と、メンテナンス経過時間387とを含む。メンテナンス経過時間387は、環境データ380に対応した未来日時331と直前の色検証実施時期との間の時間差、すなわち直前の色検証実施時期からの経過時間を示す。ここでは、未来メンテナンス情報47は、複数の色検証予測日時339のそれぞれに関連付けて、未来メンテナンスデータ471を含む。
予測処理部310は、図35のジョブスケジュール46に、図37の未来メンテナンス情報47を反映する。当該反映は、ジョブスケジュール46の日時のうち、色検証予測日時339に該当する日時に、対応する未来メンテナンスデータ471を紐付けることを含む。これにより、ジョブスケジュール46が示す未来のジョブ実行スケジュールに、予測されたメンテナンス時期が関連付けされる。
(未来情報48の作成)
色検証実施時期である色検証予測日時339を含む未来メンテナンス情報47が上記の手順で取得されると、予測処理部310は未来メンテナンス情報47を用いて未来情報48を作成する。図17~図19は、本実施の形態にかかる未来情報48の取得処理の一例を示す図である。予測処理部310は、作成した未来情報48をHDD34に格納する。
具体的には、図17と図18を参照して、予測処理部310は、未来メンテナンス情報47の未来メンテナンスデータ471のそれぞれ(これを、着目データと呼ぶ)について、前データを特定する。前データは、当該着目データの未来日時331以前の日時のうち直近の未来日時331を有した未来メンテナンスデータ471である。
予測処理部310は、着目データの環境情報と前データの環境情報との差分を、未来環境差分情報472として算出する。未来環境差分情報472は、着目データが有する室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外)と、前データが有する室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外)との差を示す。予測処理部310は、当該着目データ(未来メンテナンスデータ471)と算出された未来環境差分情報472とを紐づけるリンク91を実施する(図18)。これにより、予測処理部310は、未来日時331のそれぞれに関連付けられた未来情報48を生成する。未来情報48は、未来日時331に対応の未来メンテナンスデータ471と、当該未来メンテナンスデータ471に紐付けされた未来環境差分情報472とを含む(図19)。
(現在予測情報の作成)
予測処理部310は、画像形成装置100の経時変化、より特定的にはプリンター140の経時変化を考慮して、現在においてメンテナンスを実施した場合のメンテナンス結果、すなわち色検証結果を予測するための現在予測情報49を作成し、HDD34に格納する。図20~図24は、本実施の形態にかかる現在予測情報49を作成する処理を模式的に示す図である。図20、図21および図22では、過去色環境情報39の組情報391が、説明のために、組情報391a、391bおよび391cで区別して示される。
図20を参照して、予測処理部310は、現在情報43のメンテナンス経過時間441と同じ時間または当該メンテナンス経過時間441との差が閾値以下の時間に基づき、複数の過去情報40(図13)を検索し、検索の結果に基づき、当該時間に該当するメンテナンス経過時間363を有する1つ以上の過去情報40を特定し、特定された過去情報40のそれぞれから、組情報391を抽出する。なお、当該閾値の値は固定ではなく、可変である。例えば、図19の現在情報43の現在のメンテナンス経過時間441は6:00:16であり、閾値は、例えば(現在のメンテナンス経過時間±30分以内の範囲)と設定された場合は、予測処理部310は、メンテナンス経過時間441が6:00:16の±30分の範囲に該当するメンテナンス経過時間363を有した1つ以上の組情報391aを抽出する(図20)。ここでは、検索によって複数の組情報391aが抽出される。
また、図21を参照して、予測処理部310は、現在情報43が有する現在の環境情報44が示す環境と同様の環境下で過去にメンテナンスを実施したことを示す情報を、複数の過去情報40から抽出する。
具体的には、予測処理部310は、現在情報43の現在の環境情報44(すなわち、室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))に基づき、上記の抽出された複数の組情報391a(図20)を検索する。予測処理部310は、検索の結果に基づき、現在の環境情報44(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))との差が閾値以下である、すなわち環境情報の内容が類似している過去環境情報37(室温372、湿度(屋内)373、外気温374および湿度(屋外)375)を有した1以上の組情報391aを特定する(図21)。特定された組情報391aを、区別のために組情報391bと称する。図21では、例えば3個の組情報391bが特定されている。なお、当該閾値は固定ではなく可変である。
予測処理部310は、特定された組情報391b(図21)のうちから、上記の環境情報の差が最小である過去環境情報37(室温372、湿度(屋内)373、外気温374および湿度(屋外)375)を有した1の組情報391bを特定する(図22)。図22では、特定された組情報391bが、区別のために組情報391cとして示されるとともに、組情報391cを有した過去情報40が、説明のために、過去情報40aとして示される。
図23を参照して、予測処理部310は、現在情報43(図16)に予測L*a*b*値4311を追加することにより現在情報43aを作成する。具体的には、予測処理部310は、複数の過去情報40(図13)のうちから、現在情報43が有する現在日時440に直近の日時を示す日時362(371)を有した過去情報40を特定する。この特定された過去情報40を、説明のために、過去情報40bとする(図23)。予測処理部310は、図23に示すように、特定された過去情報40bのパッチ毎のL*a*b*値365に、上記の特定された過去情報40aのパッチ毎のL*a*b*値差分情報42を加算し、加算結果をパッチ毎の予測L*a*b*値4311として設定する。予測処理部310は、現在情報43を、パッチ毎の予測L*a*b*値4311を追加することにより、現在情報43aに更新する(図23)。さらに、予測処理部310は、色検証演算部320を用いて、色検証結果(PassまたはFail)を判定する。具体的には、色検証演算部320は、算出されたパッチ毎の予測L*a*b*値4311と、ユーザーが指定した規格(GRACoL、Japan Color等)とに基づき、パッチ毎のL*a*b*値の許容値を計算し、算出されたパッチ毎の許容値に基づき、色検証結果(PassまたはFail)を判定する。
これにより、L*a*b*値差分情報42が加算される現在の予測L*a*b*値4311は、直前の色検証結果が取得された日時からの経時変化を反映した値を示すことができる。
予測処理部310は、現在においてメンテナンスを実施した場合のメンテナンス結果、すなわち色検証結果を予測するための現在予測情報49を作成する。具体的には、予測処理部310は、判定された色検証結果を色検証予測結果389として、現在情報43に紐づけることにより、図24の現在予測情報49を作成する。
(未来予測情報の作成)
予測処理部310は、未来にメンテナンスを実施した場合のメンテナンス結果、すなわち色検証結果を予測するために未来予測情報50を作成しHDD33に格納する。図24は、本実施の形態にかかる未来予測情報50の一例を模式的に示す図である。
未来予測情報50の作成方法は、上記に述べた現在のメンテナンス予測情報である現在予測情報49(図24)の作成方法と基本的に同じである。
まず、予測処理部310は、プリンター140または画像形成装置100の経時的な状態の変化を考慮するため、未来情報48(図18)のメンテナンス経過時間387と同じまたは閾値以下のメンテナンス経過時間363を有する1つ以上の過去情報40を、複数の過去情報40から抽出する。この閾値の値は固定ではなく、可変である。ここでは、複数の過去情報40が抽出されたとする。これを抽出過去情報40という。
予測処理部310は、ある1つの未来情報48(これを、着目未来情報48と呼ぶ)と同様の環境条件下で実施されたメンテナンスにかかる情報を示す1つ以上の過去情報40を特定する。具体的には、予測処理部310は、前述の複数の抽出過去情報40のそれぞれが有する過去の過去環境情報37(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))と、未来情報48の未来メンテナンスデータ471の環境情報(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))とを比較する。予測処理部310は、比較の結果に基づき、複数の抽出過去情報40の中から、両環境情報の差が閾値以下である過去環境情報37を有した1つ以上の抽出過去情報40を特定する。この閾値の値は固定ではなく、可変である。
また、予測処理部310は、前述で特定された1つ以上の抽出過去情報40それぞれの環境差分情報41と、未来情報48の未来環境差分情報472との両者を比較する。予測処理部310は、比較の結果に基づき、上記の特定された1つ以上の抽出過去情報40のうちから、両者の差が閾値以下かつ最小となる1の抽出過去情報40を決定する。これを、決定された抽出過去情報40と呼ぶ。なお、この閾値の値は固定ではなく、可変である。したがって、決定された抽出過去情報40は、未来情報48が示す環境情報の変化と同様な環境変化の条件下で取得された過去情報40を示す。
予測処理部310は、次に、着目未来情報48のパッチごとのL*a*b*値311を設定する。具体的には、予測処理部310は、着目未来情報48が有する未来日時331以前の日時であって直近の未来日時331を有した未来情報48(以下、前未来情報48と呼ぶ)を、複数の未来情報48のうちから特定する。着目未来情報48の未来日時331によっては、当該直近の未来日時331が現在日時440を示す場合があり、その場合は前未来情報48は現在情報43となる。
予測処理部310は、着目未来情報48の予測L*a*b*値311を算出する。具体的には、予測処理部310は、着目未来情報48の前未来情報48が有するパッチごとのL*a*b*値311に、上記の決定された抽出過去情報40のパッチごとのL*a*b*値差分情報42を加算し、加算結果を、当該着目未来情報48の予測L*a*b*値311に設定する。これにより、前未来情報48の日時からの時間経過に従った変化分を反映した予測L*a*b*値311が設定される。
予測処理部310は、パッチ毎の予測L*a*b*値311を色検証演算部320に出力する。色検証演算部320は、パッチ毎の予測L*a*b*値311とユーザーが指定した規格(例えば、GRACoL、Japan Color等)とに基づき、パッチ毎の許容値を演算(計算)し、算出結果に基づいた色検証結果(PassまたはFail)を、当該着目未来情報48の色検証予測結果389として出力する。予測処理部310は、予測L*a*b*値311および色検証演算部320から出力された色検証予測結果389を、着目未来情報48に紐付ける。この紐付けによって、予測処理部310は、着目未来情報48から当該着目未来情報48に対応した未来予測情報50(図25)を作成する。
予測処理部310は、各未来情報48について、当該未来情報48を上記の着目未来情報として、上述と同様の処理を実施することにより、各未来情報48から当該未来情報48に対応した未来予測情報50(図25)を作成する。
(メンテナンス時期の予測)
図25~図30は、本実施の形態にかかるメンテナンス実施時期を予測する処理を模式的に説明する図である。予測処理部310は、現在予測情報49(図24)および未来予測情報50(図25)に基づき、色検証予測結果389がFailとなる日時(現在日時440または未来日時331)をメンテナンス予測時期301(図26)に設定する。メンテナンス予測時期301は、メンテナンス実施が予定される日時である。
予測処理部310は、色検証予測結果389がFailになる日時に追加して、メンテナンス予測時期301を設定する。そのために、予測処理部310は、メンテナンスが実施される条件を取得する。具体的には、予測処理部310は、過去色環境情報39(図10)を検索し、Passを示す色検証結果364を有した1つ以上の組情報391のそれぞれに着目する。着目した組情報391を着目情報391と呼ぶ。予測処理部310は、着目情報391について、当該着目情報391の日時362以前であって直近の日時362を有した組情報391(これを、前情報391と呼ぶ)を特定する。予測処理部310は、特定した前情報391から色検証結果364を抽出し、抽出された色検証結果364を、メンテ前(メンテナンス前の略)色検証261に設定する(図27)。図27を参照して、メンテ前色検証261は、識別子ID、日時、色検証結果364、パッチ毎のL*a*b*値、および色検証結果を判定するために用いた色検証に係る規格に従って測定された測定値262を含む。測定値262は、色差を測定する規格、測定値の平均値である平均dE,および測定値の最大値であるMAX dE等を含む。
予測処理部310は、図27に示す所定の規格(図27の場合“FOGRA”である)に従う所定許容値と、各メンテ前色検証261の測定値262とを比較し、比較の結果に基づき、所定許容値に最も近い値を示す測定値262を有した1つ以上のメンテ前色検証261を特定する(図28)。図28では、例えば、2つのメンテ前色検証261が特定されている。予測処理部310は、特定された2つのメンテ前色検証261が有する項目(例えば、項目は平均dE、Max dEを含む)毎の測定値262を、色検証結果を判定するための当該項目毎の閾値291に設定する(図29)。
予測処理部310は、1つ以上の未来予測情報50(図24)のそれぞれについて、当該未来予測情報50が有する項目毎の値390と、項目毎の閾値291(図29)とを比較する。予測処理部310は、比較の結果、一つ以上の項目の値390(例えば平均dEの値等)が当該項目の閾値291を超えていると判定した場合、閾値291を超えた項目の値390を有した未来予測情報50の未来日時391を、メンテナンス予測時期301に設定する。この判定基準となる色検証結果の項目は、ユーザーが指定してよい。例えば、項目として平均dEおよびMax dEが指定された場合、この2項目の値それぞれが対応の閾値291を超えた場合に、予測処理部310は、当該値を示す項目を有した未来予測情報50の未来日時391を、メンテナンス予測時期301に設定する。この場合は、他の項目の値が、対応の閾値291を超えても、予測処理部310は、当該値を示す項目を有した未来予測情報50の未来日時391をメンテナンス予測時期301に設定しない。
予測処理部310は、設定されたメンテナンス予測時期301(図30)をジョブスケジュール46(図35)に反映する。予測処理部310は、反映に際して、ジョブ実行の時期に、メンテナンス予測時期301が該当するかを判定する。予測処理部310は、時期が該当すると判定した場合、ジョブ実行の時間と、メンテナンス予測時期301とが重複しないように、例えば、メンテナンス予測時期301をジョブ実行時間の直後または直前(すなわち、ジョブ実行開始前または開始後)となるように調整する。これにより、ジョブ実行の時間と、メンテナンス実施が予測されるメンテナンス予測時期301とが重ならないように、メンテナンス予測時期301をジョブスケジュール46と関連付けて一元的に管理することができる。
<E.色検証結果のグラフの作成と表示>
図31は、本実施の形態にかかる色検証結果の経時的変化の一例を示すグラフである。図31のグラフでは、色検証結果を判定するために用いる測定値262(例えば、dE(平均dEまたはMax dE))が縦軸とられて、横軸に時間の経過(過去、現在、未来)がとられている。横軸の時間の経過は、ジョブスケジュールにおける時間の経過に対応する。
予測処理部310は、現在予測情報49(図24)と未来予測情報50(図25)に基づき、図31の測定値262の時系列の変化を示す予測曲線を作成する。図31では、例えば、色毎に、測定値262の変化が過去履歴曲線および予測曲線からなるグラフで示される。表示データ生成部350は、予測処理部310が生成した予測曲線のデータに基づく画像をディスプレイに表示させるための表示データ350-1を生成する。
表示データ350-1の出力先は、情報処理装置200または画像形成装置100を含む。情報処理装置200の表示部(GUI)210は、表示データ生成部350からの表示データ350-1に従い、ディスプレイ23に図31のグラフを表示させる。また、画像形成装置100の表示部(GUI)501は、表示データ生成部350からの表示データ350-1に従い表示部に、図31のグラフを表示させる。画像形成装置100は、当該表示データ350-1を情報処理装置200から受信することもできる。また、図31のグラフは、管理サーバー300が備える図示しないディスプレイによって表示されてもよい。
また、図31のグラフは、印刷ジョブ70を実行するジョブスケジュール46と関連付けてディスプレイに表示されてもよい。その場合は、図31のグラフとジョブスケジュールは、同一画面で表示されもよく、または別画面で表示されてもよい。
<F.Profiling時期の予測>
図38~図43は、本実施の形態にかかるProfiling時期431を予測する処理を模式的に示す図である。本実施の形態では、予測処理部310は、現在予測情報49の現在日時440または未来メンテナンス情報47の1つ以上の未来日時331を、Profilingを作成する時期であるProfiling時期431に設定する(図39)。
具体的には、予測処理部310は、過去のProfiling履歴360を検索し、検索の結果に基づき、色検証が実施された日時において結果が“Fail”を示す日時に、Profiling作成が実施されていたか否かを判定する(図38)。予測処理部310は、過去のProfiling履歴360において色検証が実施された日時のうち、色検証予測結果が“Fail”を示す日時にProfiling作成が実施されていたと判定すると、この判定結果に基づき、現在日時440または未来日時331のうちの色検証予測結果389が“Fail”を示す1つ以上の日時を、Profilingを作成するProfiling時期431に設定する(図39)。
また、予測処理部310は、過去のProfiling履歴360に基づき、測定値262が閾値291を超えた日時に、Profiling作成が実施されていたと判定すると、この判定結果に基づき、未来日時331のうちの、測定値262が閾値291を超える日時を、Profilingを作成するProfiling時期431に設定してもよい。
上記に述べたProfiling時期431は、メンテナンス実施の予測時期に設定されたが、予測処理部310は、メンテナンス実施時期とは独立してProfiling時期を設定してもよい。例えば、予測処理部310は、環境情報(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))の変化を検出し、検出された変化量401が大きい時期を、Profiling時期431に設定してもよい(図40)。具体的には、Profiling時期431を以下の手順で予測する。
予測処理部310は、Profiling時期かどうかを予測したい現在日時440の現在予測情報49(図23)または予測したい未来日時331の未来予測情報50(図24)を取得する。ここでは、予測したい日時として、未来日時331を例示する(図41)。予測したい日時が現在日時440であっても、同様の処理で、現在日時440がProfiling時期かどうかを予測することができる。なお、予測したい日時は、任意の日時またはユーザーが指定した日時などを含む。
予測処理部310は、環境予測情報38から、予測したい未来日時331から遡る所定期間の環境情報(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))を検索する。なお、所定期間は、好ましくは1日以上であればよく期間の長さは限定されない。また、時間帯による環境情報(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))の変化の影響を排除するように、所定期間における環境情報(室温、湿度(屋内)、外気温および湿度(屋外))は、予測したい日時と略同じ時期(例えば、略同じ時間帯)の情報を検索する。
図42では、例えば、予測したい未来日時331から遡る所定期間の環境情報として、外気温と湿度(屋外)が検索されて、予測処理部310は、検索された所定期間の環境情報、すなわち外気温と湿度(屋外)それぞれの平均値421を算出する。
予測処理部310は、予測をしたい未来日時331の環境情報の外気温および湿度(屋外)と、それぞれの平均値421との差422を算出する。予測処理部310は、算出された差422が閾値423以上であると判定したとき、当該予測したい未来日時331をProfiling時期431に設定する(図43)。
このように、上記の算出された差が閾値以上であることは、予測したい未来日時331が環境情報の変化量401の大きい時期にあたると推定できる。一般的に、環境情報が大きく変化する場合、色再現性が維持できない場合がある。したがって、環境情報の変化量401が大きいと予測される時期を、Profiling時期431に設定することで、色再現性に影響を及ぼす環境情報の変化が大きいと予測される時期において、プロファイルを実施することができる。
予測処理部310は、Profiling時期431をジョブスケジュール46(図37)に反映する。なお、外気温および湿度(屋外)のどちらか一方のみの差が閾値423を超えた場合に、予測をしたい未来日時331をProfiling時期431に設定してもよい。
<G.空調の管理>
本実施の形態では、予測処理部310は、指定された未来時期に、画像形成装置100の周囲の環境が適切に維持されるように、空調制御部315を介して空調機800を制御する指令(以下、制御指令と呼ぶ)を送信する。図44~図47は、本実施の形態にかかる空調機800の予測される制御を模式的に示す図である。
例えば、ユーザーが、情報処理装置200を操作しメンテナンス予測時期を指定すると、予測処理部310は、指定されたメンテナンス予測時期のデータを受信する。メンテナンス予測時期は、例えば、Failを示す色検証予測結果389に関連付けされた未来日時331を示す。
予測処理部310は、複数の未来予測情報50のうちから、受信したメンテナンス予測時期に一致する未来日時331を有する未来予測情報50を検出する(図44)。
予測処理部310は、複数の未来予測情報50のうちから、図44で検出された未来予測情報50の未来日時331から遡る日時のうち直近の未来日時331を有し、且つ色検証予測結果389がPassを示す未来予測情報50を検出する(図45)。
予測処理部310は、メンテナンス予測時期の未来予測情報50(図44)に関連付けられた環境情報4710と、直前の未来予測情報50(図45)の環境情報4710との差を算出し、算出された差が閾値以下となるように、メンテナンス予測時期の未来予測情報50(図44)に関連付けられた環境情報4710を仮定情報4711に設定(変更)する(図46)。ここでは、環境情報4710のうち室温と湿度(屋内)が仮定情報4711に変更されるとする。
予測処理部310は、仮定情報4711が示す環境情報(室温と湿度(屋内))を使用して、上述した未来予測情報50の作成の処理に従い、未来予測情報を作成し、作成された未来予測情報を、ユーザーが指定した未来時期の未来予測情報に設定する。これにより、ユーザーが指定した未来時期の未来予測情報50は、色検証予測結果389がPassを示すように更新される(図47)。また、図47の更新後の未来予測情報50の環境情報(室温と湿度(屋内))には、上記の仮定情報4711が設定される。
予測処理部310は、その後、時間が経過して、図47の未来予測情報50の未来日時331に至ったと判定したとき、画像形成装置100の周囲の環境要因(室温と湿度(屋内))が示す環境情報が、当該未来日時331に関連付けられた未来予測情報50の環境要因情報(室温と湿度(屋内))が示す環境情報を維持するように、空調機800を制御するための制御指令を送信する。予測処理部310は、画像形成装置100のセンサー177が測定した周囲環境の環境情報(室温と湿度(屋内))を、ネットワーク400,600を介して受信することにより、受信された現在値(現在の室温と湿度(屋内))を目標値(図47の仮定情報4711(室温と湿度(屋内))に追従させるようなフィードバック制御のための制御指令を生成し、空調機800に出力(送信)する。
<H.情報の表示>
管理サーバー300の表示データ生成部350は、環境予測情報38、メンテナンス予測時期301、Profiling予測時期381などの情報を、時系列に従い、ディスプレイに表示させる表示データ350-1を生成し、送信する。表示データの表示先としては、管理サーバー300が備える図示しないディスプレイ、情報処理装置200の表示部(GUI)210および画像形成装置100の表示部(GUI)500の1つ以上が含まれる。表示データ350-1は、少なくとも、環境予測情報38を含む。表示データ350-1は、環境予測情報38に関連付けて、メンテナンス予測時期301またはProfiling時期431をディスプレイに表示させるデータであってもよい。
図48は、本実施の形態にかかる環境予測情報を含む情報の表示の一例を示す図である。図49は、本実施の形態にかかる環境予測情報を含む情報の表示の他の例を示す図である。
図48では、現在の日時以後の未来における予測情報が時系列に表示される。予測情報は、室温および湿度(屋外)を含む環境予測情報38、色検証実施時期、メンテナンス予測時期301、Profiling時期431が含まれる。色検証実施時期には、色検証のための許容値が関連付けて表示される。
図49は、例えば、ディスプレイ23における表示画面の一例が示される。図49の画面では、図48の情報が、印刷ジョブ70のジョブスケジュールと関連付けて表示される。図49では、XY軸の規定される2次元の画面の一方の軸、例えばX軸方向に過去、現在および未来にわたる時間の経過が示されて、時間経過に従い、情報が表示されている。ユーザーは、図48または図49の画面で表示される情報から、予測処理部310の予測結果を一覧で把握できるユーザーは、例えば、未来の環境情報の変化が大きい場合に、色検証結果としての色差が許容値(閾値)に近くなること、および色補正を含むメンテナンスが実施されること把握することができる。また、メンテナンスは、予約された印刷ジョブ70の実行中を避けて、当該実行の前または後で実施されることも把握することができる。また、Profiling時期431は、過去環境情報37,環境予測情報38の変化量401が大きい時期に一致することを把握できる。
図49の画面は、表示データ350-1に基づき表示される。表示データ350-1は、画像形成装置100によって実行されるジョブの実行状況を示す指標を時系列に割当てたジョブ実行のジョブスケジュール46を、情報取得部309によって時系列に取得された環境情報と関連付けて、ディスプレイに表示するためのデータである。
この時系列は、現在、現在より以前の過去、および当該現在より以後の将来にわたる時間の経過を含む。時系列に取得された環境情報は、環境要因(より特定的には、室温、湿度(屋内))の時系列に従った日時のそれぞれにおいて取得される測定値を含む。
図49では、ジョブの実行状況は、過去および現在の実行実績および未来に予約されたジョブ実行を含む。このようなジョブの実行状況を示す指標は、図49では、ジョブの実行時間として示したが、これに限定されない。当該指標は、印刷ジョブ70によって画像が印刷される用紙の枚数であってもよい。
<I.処理フローチャート>
本実施の形態にかかるメンテナンス時期の予測処理を、図50~56フローチャートに従い説明するとともに、空調機800の制御にかかる処理を図57に従い説明する。これらフローチャートに従うプログラムは、記憶部34に格納されて、CPU30がプログラムを記憶部34から読出し、実行することにより処理が実現される。
図50は、本実施の形態にかかるメンテナンス時期の予測処理の概略フローチャートである。図50を参照して、まず、情報取得部309は、過去情報40(図13)、現在情報43(図16)および未来情報48(図19)をそれぞれ取得し(ステップT1、T2およびT3)、取得したこれら情報を記憶部34のHDD33に格納する。
予測処理部310は、HDD33に格納された情報を用いて、未来予測情報50(図25)であるメンテナンス予測情報を作成する(ステップT4)とともに、図26に示すメンテナンス時期を予測する(ステップT5)。予測の結果を用いて、表示データ生成部350は、色検証結果の変化を時系列に従う曲線(図31)で表示するためのデータを作成する(ステップT6)。また、表示データ生成部350は、環境、色検証(色検証結果)およびメンテナス時期にかかる情報と印刷ジョブ70の実行スケジュールとを関連付けて表示する画面(図48、図49)をディスプレイに表示させる表示データ350-1を生成する(ステップT7)。ステップT1~T6の処理を以下に説明する。
(過去情報の取得処理)
図51は、図50の過去情報の取得処理(ステップT1)のフローチャートである。情報取得部309は、過去情報40を取得する。具体的には、情報取得部309は、過去の色検証履歴36(図7)と過去の過去環境情報37(図8)をHDD33から読出すことによって取得し(ステップS1、S2)、取得された色検証履歴36と過去環境情報37とをリンク91で紐付けた過去色環境情報39(図10)を作成(取得)する(ステップS3)。
また、情報取得部309は、過去色環境情報39の各組情報391について環境情報の差分392(図11)とL*a*b*値の差分393(図12)とを取得し(ステップS4、S6)、取得された各組情報391の差分392とL*a*b*値の差分393とを、それぞれ、環境差分情報41とL*a*b*値差分情報42として過去色環境情報39に紐付ける(ステップS5、S7)。これにより、過去情報40(図13)が取得される。
(現在情報の取得処理)
図52は、図50の現在情報の取得処理(ステップT2)のフローチャートである。情報取得部309は、現在情報43を取得する。具体的には、情報取得部309は、現在の環境情報44(図14)を取得し(ステップS11)、取得された現在の環境情報44からメンテナンス経過時間441を抽出(取得)する(ステップS12)。情報取得部309は、過去環境情報37のうち、抽出されたメンテナンス経過時間441だけ現在から遡った時期に測定された環境情報と、現在の環境情報との差分である環境差分情報45(図15)を取得し(ステップS13)、現在の環境情報44に当該環境差分情報45を紐づけることにより、現在情報43(図16)を取得する(ステップS14)。
(未来情報の取得処理)
図53は、図50の未来情報の取得処理(ステップT3)のフローチャートである。情報取得部309は、未来情報48(図19)を取得する。具体的には、情報取得部309は、色検証履歴36を検索し、検索の結果に基づき、定期的に実施された過去の色検証があるか否かを判断する(ステップS15)。情報取得部309は、定期的に実施された色検証はないと判断すると(ステップS15でNO)、後述するステップS27に移行する。
一方、情報取得部309は、過去に定期的に実施された色検証があると判断すると(ステップS15でYES)、情報取得部309は、色検証履歴36の日時362に基づき、定期的に実施された色検証の実施時間の時間間隔を取得する(ステップS16)。情報取得部309は、取得された時間間隔に基づき、過去の色検証実施の時間間隔に整合するような未来の色検証実施日時を取得する(ステップS17)。
一方、情報取得部309は、色検証履歴36を検索し、検索の結果に基づき、過去に定期的な色検証以外の色検証も実施しているか否かを判定する(ステップS18)。定期的な色検証以外の色検証は実施されていないと判定されると(ステップS18でNO)、ステップS24に移行する。一方、定期的な色検証以外の色検証が実施されていたと判定されると(ステップS18でYES)、情報取得部309は、ジョブスケジュール46を検索し、検索の結果に基づき、過去におけるジョブ実行の日時を取得する(ステップS19)。情報取得部309は、取得した過去のジョブ実行の日時と、色検証履歴36の色検証の日時362とに基づき、ジョブ実行の時期と色検証実施の時期との間に規則性があるかを判定する(ステップS20)。情報取得部309は、例えば、図34では、色検証は、ジョブ実行の前、またはジョブ実行の中間の時期に実施されている等の規則性があると判定する。
情報取得部309は、規則性はないと判定すると(ステップS20でNO)、情報取得部309は、未来の色検証を実施する任意の時間間隔を設定し(ステップS27)、図36に示すように、設定した任意の時間間隔で未来の色検証を実施する日時を取得する(ステップS28)。その後、ステップS24に移行する。
情報取得部309は、規則性があると判定すると(ステップS20でYES)、当該規則性を取得し(ステップS21)、情報取得部309は、ジョブスケジュール46を検索することにより、未来のジョブ実行の予定(予定時期)を取得する(ステップS22)。情報取得部309は、ステップS21で取得された規則性とステップS22で取得されたジョブ実行の予定時期とに基づき、未来において色検証を実施する日時を取得する(ステップS23)。
情報取得部309は、取得された未来の日時、すなわち色検証を実施する未来の日時に基づき、環境予測情報38を検索し、検索の結果に基づき、当該未来の日時における環境予測情報を取得する(ステップS24)。
情報取得部309は、ステップS24で取得された環境予測情報と未来メンテナンス情報47とから未来環境差分情報472(図18)を算出する(ステップS25)。情報取得部309は、未来メンテナンス情報47の各未来環境データ470と、当該未来環境データ470に紐付けされた未来環境差分情報472とを含む未来情報48(図19)を作成する(ステップS26)。
(メンテナンス予測情報の作成処理)
図54は、図50のメンテナンス予測情報の作成処理(ステップT4)のフローチャートである。予測処理部310は、メンテナンス予測を示す情報として、現在予測情報49と未来予測情報50を作成する。
まず、予測処理部310は、ステップS31~ステップS33の処理により、所定日時から遡った日時を示す未来日時331を有した1以上の未来予測情報50のうちから、所定日時に直近の未来日時331を有した未来予測情報50を特定し、特定した未来予測情報50の未来日時331を所定日時に決定する。
具体的には、予測処理部310は、メンテナンス予測情報を作成したい所定日時(図54では“時点”と示される)の情報を取得する(ステップS31)。所定日時は、例えばユーザーによって指定され得て、所定日時は、例えば現在日時を示すケースもある。
予測処理部310は、複数の未来予測情報50を、ステップS31で取得された所定日時に基づき検索し、検索の結果に基づき、1つの未来予測情報50を特定する。特定された未来予測情報50は、その未来日時331が所定日時以前であって所定日時に直近の日時を示す。予測処理部310は、特定された未来予測情報50が色検証予測結果389を有する、すなわち色検証結果は取得済みと判定すると(ステップS32でYES)、ステップS34に移行する。予測処理部310は、当該特定された未来予測情報50は色検証予測結果389を有しない、すなわち色検証結果は未だ取得されていないと判定すると(ステップS32でNO)、予測処理部310は、当該特定された未来予測情報50の未来日時331を所定日時に設定する(ステップS33、ステップS31)。その後、ステップS32に移行する。
このように、ステップS31~ステップS33の処理が繰り返されることにより、最初にステップS31で取得された所定日時から遡った日時を示す未来日時331を有し、且つ色検証予測結果389を有する1以上の未来予測情報50のうちから、当該所定日時に直近の未来日時331を有した未来予測情報50が特定される。これにより、所定日時は、特定された未来予測情報50の未来日時331が設定される。なお、ステップS31~ステップS33の処理が繰り返しによって、所定日時に設定される日時が、現在日時440を示す場合もある。
予測処理部310は、所定日時におけるメンテナンス経過時間387との差が閾値以下であるメンテナンス経過時間363を有した組情報391を、過去色環境情報39から抽出する(ステップS35)。
予測処理部310は、特定された未来予測情報50に関連づけされた環境情報4710と、上記の抽出された組情報391の過去環境情報37とを比較し、比較結果に基づき、環境情報(室温、湿度(屋内))の差分を取得する(ステップS36)。
予測処理部310は、取得された差分に基づき複数の過去情報40を検索し、検索結果に基づき、当該差分との差が閾値以下であり、且つ当該差が最小値を示す環境差分情報41が関連付けられた1の過去情報40を、複数の過去情報40から抽出する(ステップS37、S38)。
予測処理部310は、ステップS34で設定された所定日時が現在日時440および未来日時331のいずれを示すかに従って、作成する情報を異ならせるために、ステップS39~S48の処理を実施する。
具体的には、予測処理部310は、所定日時は現在日時440を示すかを判定する(ステップS39)。予測処理部310は、所定日時は現在日時440を示すと判定すると(ステップS39でYES)、現在日時440(所定日時)に直近の日時362に関連づけされたパッチ毎のL*a*b*値365に、ステップS37で抽出された過去情報40のL*a*b*値差分情報42が示す値を加算することにより、予測L*a*b*値4311を算出する(ステップS40)。
予測処理部310は、ステップS40(または後述するステップS46またはS47)で算出された予測L*a*b*値4311(または予測L*a*b*値311)と、ユーザーが指定した規格(GRACoL、Japan Color等)とに基づき、L*a*b*値の許容値を計算し(ステップS41)、算出された許容値に基づき、色検証結果(PassまたはFail)を判定する(ステップS42)。ここで、予測L*a*b*値4311(または予測L*a*b*値311)はパッチ毎の値を含み、許容値は、パッチ毎の予測L*a*b*値に基づいたパッチ毎の許容値を含む。
予測処理部310は、所定日時は現在日時440を示すかを判定し(ステップS43)、所定日時は現在日時440を示すと判定すると(ステップ43でYES)、予測処理部310は、ステップS42で判定された色検証結果を、色検証予測結果389として現在情報43に関連付けることにより、現在予測情報49を取得する(ステップS44)。
一方、予測処理部310は、所定日時は現在日時440を示さないと判定すると(ステップ43でNO)、ステップS42で判定された色検証結果を色検証予測結果389として未来情報48に紐づける(ステップS48)。これにより、所定日時(未来日時331)の未来予測情報50が取得される。
ステップS39に戻る。予測処理部310は、所定日時は現在日時440を示さないと判定すると(ステップS39でNO)、予測処理部310は所定日時を遡る未来日時331のうち直近の未来日時331が現在日時440に一致するか、すなわち直近の未来日時331は現在日時440を示すかを判定する(ステップS45)。
予測処理部310は、当該直近の未来日時331は現在日時440を示すと判定すると(ステップS45でYES)、予測処理部310は、現在予測情報49の予測L*a*b*値4311に、ステップS37で抽出された過去情報40のL*a*b*値差分情報42が示す値を加算することにより、予測L*a*b*値4311を算出し(ステップS46)、ステップS41に移行する。予測処理部310は、当該直近の未来日時331は現在日時440を示さないと判定すると(ステップS45でNO)、直近の未来日時331を有した未来予測情報50の予測L*a*b*値311に、ステップS37で抽出された過去情報40のL*a*b*値差分情報42が示す値を加算することにより、所定日時における予測L*a*b*値311を算出し(ステップS47)、上述したステップS41に移行する。
(メンテナンス時期予測の処理)
図55は、図50のメンテナンス時期予測の処理(ステップT5)のフローチャートである。予測処理部310は、上記の所定日時をメンテナンス予測時期301に設定するための処理を実施する。
具体的には、予測処理部310は、ステップS42における色検証結果はFailであるかを判定する(ステップS50)。当該色検証結果はFailであると判定されると(ステップS50でYES)、メンテナンス予測時期301を設定する(ステップS51)。この場合は、上記に述べた所定日時がメンテナンス予測時期301に設定される。その後、ステップT6に移行する。
予測処理部310は、ステップS42における色検証結果はFailでないと判定すると(ステップS50でNO)、すなわち色検証結果はPassであると判定すると、予測処理部310は、色検証結果がPassであった場合にメンテナンスが実施されたか否かを判定する(ステップS52)。具体的には、予測処理部310は、色検証履歴36とProfiling履歴360を検索し、検索の結果に基づき、色検証履歴36において色検証結果364がPassを示す日時362が、Profiling履歴360のいずれかのProfiling作成日時360-1を示すか否かを判定する。
色検証結果がPassであった場合にメンテナンスが実施されなかったと判定されると(ステップS52でNO)、すなわち、色検証結果364がPassを示す日時362が、いずれのProfiling作成日時360-1にも一致しないと判定されると、当該所定日時はメンテナンス予測時期301に設定されずに、ステップT6へ移行する。
色検証結果がPassであった場合にメンテナンスが実施されたと判定されると(ステップS52でYES)、すなわち、色検証結果364がPassを示す日時362が、いずれかのProfiling作成日時360-1に一致すると判定されると、予測処理部310は、Profiling履歴360から当該日時362以前において実施された色検証(メンテ前色検証)情報を全て取得する(ステップS53)。予測処理部310は、メンテ前色検証情報が全て取得されたかを判定し(ステップS54)、全てのメンテ前色検証情報を取得できていないと判定する場合(ステップS54でNO)、ステップS53に戻るが、全てのメンテ前色検証情報を取得できたと判定すると(ステップS54でYES)、ステップS55に移行する。
ステップS55において、予測処理部310は、日時362に最も近い日時に関連付けされた規格許容値を抽出し(ステップS55)、パッチの全てに対応の許容値を抽出したかを判定する(ステップS56)。全ては抽出されていないと判定されると(ステップS56でNO)、ステップS55に戻るが、パッチの全てについて許容値が抽出されたと判定されると(ステップS56でYES)、予測処理部310は、取得されたパッチ毎の許容値を、それぞれ、パッチの閾値に設定する(ステップS57)。予測処理部310は、各パッチについて、(色検証予測結果の当該パッチの許容値)>(当該パッチの閾値)の条件が満たされるかを判定する(ステップS58)。予測処理部310は、各パッチについて、当該条件が満たされると判定すると(ステップS58でYES)、ステップS51に移行する。これにより、上記に述べた所定日時はメンテナンス予測時期301に設定される。一方、各パッチについて、上記の条件が満たされないと判定すると(ステップS58でNO)、ステップT6へ移行する。
図56は、本実施の形態にかかるProfiling時期予測の処理フローチャートである。予測処理部310は、Profiling予測時期381を設定するための処理を実施する。
予測処理部310は、色検証履歴36とProfiling履歴360を検索し、検索の結果に基づき、色検証結果364がFailを示す日時362が、Profiling履歴360のいずれかのProfiling作成日時360-1を示すか否かを判定する。これにより、色検証結果364がFailを示す場合に、Profilingが実施されているか否かが判定される(ステップS60)。
色検証結果がFailを示す場合にProfilingが実施されたと判定されると(ステップS60でYES)、予測処理部310は、ステップS51で設定されたメンテナンス予測時期301をProfiling作成時期に設定する(ステップS61)。予測処理部310は、ステップS61で設定されたProfiling作成時期をジョブスケジュールに反映する(ステップS62)。
一方、予測処理部310は、色検証結果がFailを示す場合にProfilingが実施されていないと判定すると(ステップS60でNO)、予測処理部310は、過去情報を検索し、検索結果に基づき、ステップS57で設定した閾値を用いて、各パッチについて(色検証結果>閾値)の条件が満たされているかを判定する(ステップS63)。予測処理部310は、各パッチについて当該条件が満たされていたと判定すると(ステップS63でYES)、ステップS61に移行するが、各パッチについて当該条件が満たされていないと判定すると(ステップS63でNO)、ステップS64に移行する。
予測処理部310は、予測したい日時(予測日時とも呼ぶ)を取得する(ステップS64)。予測日時は、現在日時440ではなく未来日時331であるとする。
予測処理部310は、環境予測情報38から、当該予測日時から遡る所定期間における変化量401を取得する。
具体的には、予測処理部310は、環境情報として、外気温と湿度(屋外)を検索し、検索された所定期間の外気温と湿度(屋外)それぞれの平均値421を算出する(ステップS65、S66、S67、S68)。
予測処理部310は、予測日時の環境情報の外気温および湿度(屋外)と、それぞれの平均値421との差を算出する(ステップS69、S70)。予測処理部310は、算出された差が閾値を超えているかを判定する(ステップS71)。算出された差が閾値を超えていないと判定されると(ステップS71でNO)、処理は終了するが、算出された差が閾値を超えていると判定されると(ステップS71でYES)、予測処理部310は、当該予測日時をProfiling時期431(図43)に設定し(ステップS72)、ステップS62に移行する。
このように、予測処理部310は、上記の環境情報の差が閾値以上であることに基づき、予測日時が変化量401の大きい時期(図40)にあたると判定でき、判定された予測日時をProfiling時期431に決定する。予測処理部310は、決定されたProfiling時期431をジョブスケジュール46に反映する。
<J.空調制御のフローチャート>
図57は、本実施の形態に係る空調制御のフローチャートである。空調制御部315の処理を図57に従い説明する。
空調制御部315は、予測したい日時(予測日時とも呼ぶ)に一致する未来日時331を有する未来予測情報50(図44)を検出する(ステップS80)。
空調制御部315は、複数の未来予測情報50のうちから、ステップS80で検出された未来予測情報50の未来日時331から遡る日時のうち直近の未来日時331(図45)を検出する(ステップS81)。
予測処理部310は、仮定された環境情報(図46)を使用して、未来予測情報50の作成の処理と同様に、未来予測情報を作成し、作成された未来予測情報を、ユーザーが指定した未来時期の未来予測情報に設定する(ステップS82、S83、S84)。予測処理部310は、これにより、ユーザーが指定した未来日時331の未来予測情報50は、色検証予測結果389がPassを示すように更新される(図47)。また、図47の更新後の未来予測情報50の環境情報(室温と湿度(屋内))は、上記の仮定された値が設定される。
予測処理部310は、色検証予測結果がPassを示すかを判定し(ステップS84)、色検証予測結果はPassを示さない、すなわちFailを示すと判定されると(ステップS84でNO)、処理は終了する。一方、色検証予測結果はPassを示すと判定されると(ステップS48でYES)、空調制御部315は、空調コントロールを実施する(ステップS85)。ステップS85では、空調制御部315は、未来日時331において、画像形成装置100の周囲環境が、当該未来日時331に関連付けられた未来予測情報50の環境情報(室温と湿度(屋内))を維持するように、空調機800に制御指令を送信する。
本実施の形態にかかる予測処理部310が実施する処理は、少なくとも一部に機械学習が適用されて実現されてもよい。
<K.プログラム>
管理サーバー300は、図50~図57のフローチャートに従うプログラムを実行することにより処理を実現する。管理サーバー300では、CPU30によって実行されるプログラムを記憶する記憶媒体は、例えば、ROM31、RAM32、HDD33、記憶媒体34-2などを含む。当該プログラムが記憶される記憶媒体は、たとえばCD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、各種の不揮発性の記憶媒体である。また、例えばネットワーク400などの各種のネットワークを介したダウンロードによって、管理サーバー300にプログラムを提供することもできる。
管理サーバー300が、画像形成装置100に内蔵される場合は、CPU150は、図50~図57のフローチャートに従うプログラムを実行することにより処理を実現する。画像形成装置100では、CPU150によって実行されるプログラムを記憶する記憶媒体は、例えば、ROM21、RAM22、メモリ28、記憶媒体26-2などを含む。当該プログラムが記憶される記憶媒体は、上記に述べた各種の記憶媒体が含まれる。また、例えばネットワーク400などの各種のネットワークを介したダウンロードによって、情報処理装置200にプログラムを提供することもできる。
図50~図57のフローチャートに従うプログラムは、管理サーバー300に代えて情報処理装置200において実行することにより処理を実現することもできる。その場合、情報処理装置200では、CPU20によって実行されるプログラムを記憶する記憶媒体は、例えば、記憶部160のROM、RAM、記憶媒体176などを含む。当該プログラムが記憶される記憶媒体は、上記に述べた各種の記憶媒体が含まれる。また、例えばネットワーク400などの各種のネットワークを介したダウンロードによって、画像形成装置100にプログラムを提供することもできる。
本開示にかかるプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本開示にかかるプログラムに含まれ得る。
本開示にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本開示にかかるプログラムに含まれ得る。
本開示によって提供されるプログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
実施の形態では、CPUがプログラムを実行することで必要な処理が実現される構成例を示したが、これらの提供される処理の一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用回路を用いて実装されてもよい。
<L.利点>
本実施の形態によれば、画像形成装置100、すなわちプリンター140の周囲の環境を示す環境情報に基づき印刷ジョブ70の実行スケジュールを管理することができる。
例えば、本実施の形態では、環境情報の変化量401を予測できるので、変化量401の大きさに基づきメンテナンスを実施するべき時期を予測できる。これにより、予測されたメンテナンス時期を考慮しながら印刷ジョブ70の実行スケジュールを管理できる。したがって、環境情報の変化に従った適切なタイミングでメンテナンスを実施しながら、印刷ジョブ70が実行されるので、印刷ジョブ70の印刷物における色再現性を、環境情報の変化にかかわらず、一定に維持することができる。
また、図49に示すように、色補正などのメンテナンスの実施時期は、印刷ジョブ70の実行中ではなく、実行開始の前後で設定されるので、印刷物の納品時期に影響を与えることなく、画像形成装置100における色再現性を維持することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。