JP7391912B2 - 車両用構造部材及び車両用構造部材に対する補強材溶着方法 - Google Patents

車両用構造部材及び車両用構造部材に対する補強材溶着方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用構造部材及び車両用構造部材に対する補強材溶着方法に関する。
車両用構造部材を構成する板材の板面上にレーザークラッディングにより補強材を溶着したものがある(特許文献1参照)。
特許第6761354号公報
板材の板面上にレーザークラッディングにより補強材を溶着すると、板材がレーザーの熱を受け、板材に熱歪みを生ずることがある。その板材により車両用構造部材が構成されると、車両用構造部材の形状精度が悪化する恐れがある。
本発明の課題は、車両用構造部材を構成する板材に対するレーザークラッディングによる補強材の溶着を、板材の表裏両面に施すことにより、板材の熱歪みの影響で、車両用構造部材の形状精度が悪化するのを抑制することにある。
本発明の第1発明は、板材により構成され、該板材の板面上にレーザークラッディングにより補強材が線状に延びて溶着して形成された車両用構造部材であって、前記補強材は、前記板材の表裏両面に形成されている。
本発明の第2発明は、上記第1発明において、線状に延びる前記補強材の本数が、前記板材の表裏両面で互いに異なる。
本発明の第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記板材の表裏両面で線状に延びる前記各補強材が、前記板材の表裏両面で互いに対向する位置から前記補強材の延長方向の交差方向にずれて配置されている。
本発明の第4発明は、上記第1~第3発明のいずれかにおいて、前記板材を折り曲げて断面ハット形状に成形されており、前記補強材は、断面ハット形状の縦壁部の表裏両面に形成されている。
本発明の第5発明は、上記第4発明において、前記補強材は、断面ハット形状の天板部側を頂点とし、フランジ部側を下端とするアーチ形状に形成されている。
本発明の第6発明は、上記第1~第3発明のいずれかにおいて、前記板材を折り曲げ、且つ筒状に接合して多角筒体とされており、前記補強材は、前記多角筒体の稜線部の内外両面に形成されている。
本発明の第7発明は、上記第1~第6発明のいずれかに記載の車両構造部材に対する補強材溶着方法であって、複数本の前記補強材の1本は、前記補強材の延長方向の一側から他側に向かう方向でレーザークラッディングにより溶着され、前記補強材の1本に隣接する他の1本は、前記方向とは反対方向である前記補強材の延長方向の他側から一側に向かう方向でレーザークラッディングにより溶着される。
本発明によれば、熱歪みによる車両用構造部材の形状精度の悪化を抑制しながら補強材により車両用構造部材の強度を高めることができる。
本発明の第1実施形態である断面ハット形状の車両用構造部材を示す斜視図である。 図1の車両用構造部材の側面図である。 図2のIII―III線断面矢視図である。 本発明の第2実施形態である断面ハット形状の車両用構造部材を示す図3と同様の断面図である。 本発明の第3実施形態である断面コ字形状の車両用構造部材を示す図3と同様の断面図である。 本発明の第4実施形態である断面六角形状の車両用構造部材を示す斜視図である。 図6の車両用構造部材の側面図である。 図7のVIII―VIII線断面矢視図である。 テストピースによる第1の検証結果を示す表である。 テストピースによる第1の検証の検証方法を説明する説明図である。 テストピースによる第2の検証結果を示す表である。 テストピースによる第2の検証の検証方法を説明する説明図である。
<第1実施形態の構成>
図1~3は、本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態は、車両のセンタピラー等として使用可能な断面ハット形状の車両用構造部材10である。各図には、X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2の各符合の方向を矢印により示している。この矢印の図示により各図間での各方向の対応関係を明瞭にしている。以下の説明において、方向に関する説明は、この符号に基づいて行う。図4以降の各図においても同様である。
図1~3のように、車両用構造部材10は、一枚の板材10Aをプレス成形により折り曲げて断面ハット形状に形成されている。車両用構造部材10は、折り曲げによりZ1方向に突出した形状とされている。突出した平面が天板部11であり、その両側でZ2方向に延びて形成された各平面が一対の縦壁部12である。縦壁部12の両外側でX1方向及びX2方向に延びる各平面が一対のフランジ部13である。各縦壁部12は、天板部11側に比べてフランジ部13側の相対間隔が広くなる傾斜面とされている。また、天板部11とフランジ部13は、互いにX1、X2方向にずれて平行な平面とされている。
このように形成された車両用構造部材10の各縦壁部12の表面12A及び裏面12B上には、それぞれ線状に延びる補強材14が2本ずつ表裏で対向して形成されている。各補強材14は、周知のレーザークラッディングによりパウダー状の金属が表面12A及び裏面12B上に溶着されて形成される。各2本の補強材14は、互いに平行とされており、共にアーチ形状を成すように形成されている。アーチ形状は、縦壁部12のY1、Y2方向の中央部で、天板部11側が凸形状の頂点とし、縦壁部12のY1、Y2方向の両端部で、フランジ部13側を下端として形成されている。この車両用構造部材10が車両のセンタピラーを構成する部材として使用された場合、アーチ形状の頂点とされた部位に車両の側面衝突の荷重が加えられると、その荷重は、各補強材14を介してアーチ形状の下端に伝達される。そのため、アーチ形状の下端に対応するフランジ部13で衝突荷重を効果的に受け止めることができる。
<第1実施形態の作用、効果>
図9は、車両用構造部材10と同様の金属板をテストピース50とし、そのテストピース50上にレーザークラッディングにより溶着された補強材51を、4つの違うパターンで形成した場合の評価結果を示す。
Aは、テストピース50の長手方向に沿って直線状に延びる補強材51を表面のみに2本平行に形成したものである。但し、Aの場合、2本の補強材51は、それぞれレーザークラッディングが2回重ねて行われ、2層構造とされている。Bは、テストピース50の長手方向に沿って直線状に延びる補強材51を表裏両面に互いに対向して2本ずつ形成したものである。Bの場合、各補強材51は、レーザークラッディングがAの場合のように2回重ねて行われず、1層構造とされている。従って、AとBでは、補強材51全体の体積が略等しくされている。Cは、テストピース50の長手方向に沿って直線状に延びる補強材51の本数を増加し、表面のみに4本平行に形成したものである。Cの場合、各補強材51は、Bの場合と同様、1層構造とされている。従って、A~Cでは、補強材51全体の体積が略等しくされている。Dは、Cのテストピースに対し、裏面にも補強材51を1本追加したものである。Dの場合、裏面側の補強材51は、表側の各補強材51と同様、1層構造とされている。また、Dにおいて、裏面側の1本の補強材51は、表面側の4本の各補強材51のいずれに対しても対向する位置にはなく、対向する位置から、補強材51の延長方向に対して交差する方向に僅かにずれて配置されている。
図10は、各テストピース50の評価方法を示す。各テストピース50の評価は、図10のように、評価台60上に置いたテストピース50の長手方向の一端をクランプして固定し、長手方向の他端の評価台60上からの垂直距離を計測している。この垂直距離をテストピース50の長手方向の反り量として評価している。
この評価結果が、図9の表の「反り量」の欄に記載されている。図9の評価結果によれば、A及びCのように、補強材51をテストピース50の表面のみに形成した場合は、反り量が7mm、及び4mmとなっている。それに対し、B及びDのように、補強材51をテストピース50の表裏両面に形成した場合は、反り量が共に1mm以下となっている。この結果は、レーザークラッディングによる熱がテストピース50に熱歪みを生じさせるが、補強材51をテストピース50の表裏両面に形成した場合は、表裏両面間で熱歪みが互いに打ち消し合い、テストピース50の反り量を小さくしていると評価することができる。
このような評価結果を受けて、図1~3の車両用構造部材10では、レーザークラッディングによる補強材14を板材10Aの表裏両面に形成している。即ち、補強材14は、縦壁部12の表面12A及び裏面12Bに形成している。そのため、熱歪みによる車両用構造部材10の形状精度の悪化を抑制しながら補強材14により車両用構造部材10の強度を高めることができる。また、縦壁部12の表面12A及び裏面12Bに補強材14を形成することにより、縦壁部12の断面係数を大きくして剛性を高めることができる。その結果、車両用構造部材10の板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態は、第1実施形態に対して、補強材21の形状と縦壁部12に対する配置の仕方を変更している。その他の構成は、第2実施形態も第1実施形態と同様である。
図4において、車両用構造部材20は、断面ハット形状であり図1と同様である。車両用構造部材20の縦壁部12の表面12A及び裏面12Bには、複数の補強材21がそれぞれ形成されている。各補強材21は、上述の第1実施形態の補強材14と同様、レーザークラッディングにより形成されている。X1側の縦壁部12では、補強材21が表面12A側に1本、裏面12B側に2本形成されている。表面12A側の1本の補強材21は、裏面12B側の2本の補強材21のうちのZ1側の1本と互いに対向する位置関係で配置されている。また、X2側の縦壁部12では、補強材21が表面12A側に2本、裏面12B側に1本形成されている。表面12A側の補強材21と裏面12B側の補強材21は、互いに対向する位置関係から補強材21の延長方向に対して交差する方向にずれた位置に配置されている。各補強材21は、縦壁部12の表裏両側で、天板部11の平面及びフランジ部13の平面と平行になるように、Y1、Y2方向(図1、2参照)に沿って直線状に延びて形成されている。
以上のように第2実施形態でも、第1実施形態と同様、補強材21は、縦壁部12の表面12A及び裏面12Bの両面に形成されている。そのため、熱歪みによる車両用構造部材20の形状精度の悪化を抑制しながら補強材21により車両用構造部材20の強度を高めることができる。第1実施形態の補強材14がアーチ形状に形成されたのに対し、第2実施形態の補強材21は、Y1、Y2方向に沿って直線状に形成されている。しかし、縦壁部12の表面12A及び裏面12Bにそれぞれ補強材21を形成することにより、縦壁部12の断面係数を大きくして剛性を高めることができる。その結果、車両用構造部材20の板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態は、第2実施形態(図4参照)に対して、車両用構造部材30の断面形状、並びに補強材33の縦壁部12に対する配置の仕方を変更している。その他の構成は、第3実施形態も第2実施形態と同様である。
図5において、車両用構造部材30は、断面コ字形状であり、第2実施形態(図4)の断面ハット形状の車両用構造部材20におけるフランジ部13がない形状である。車両用構造部材30は、第2実施形態(図4)の断面ハット形状の車両用構造部材20に対して、フランジ部13を備えないが、天板部31及び天板部31の両側の縦壁部32の形状は、車両用構造部材20の天板部11及び縦壁部12と同じとされている。車両用構造部材30は、例えば、車両のセンタピラーに補強用として接合されるヒンジリインフォースメントとして使用することができる。
車両用構造部材30でも、車両用構造部材20と同様、縦壁部32に複数の補強材33が形成されている。各補強材33は、上述の第1実施形態の補強材14と同様、レーザークラッディングにより形成されている。また、各補強材33は、縦壁部32の表裏両側で、天板部31の平面と平行になるように、Y1、Y2方向(図1、2参照)に沿って直線状に延びて形成されている。X1側の縦壁部32では、補強材33が表面32A側に2本、裏面32B側に1本形成されている。また、X2側の縦壁部32では、補強材33が表面32A側に2本、裏面32B側に1本形成されている。X1側、X2側共に、縦壁部32の表面32A側の補強材33と裏面32B側の補強材33は、互いに対向する位置関係から補強材33の延長方向に対して交差する方向にずれた位置に配置されている。
以上のように第3実施形態の車両用構造部材30でも、第2実施形態と同様、補強材33は、縦壁部32の表面32A及び裏面32Bの両面に形成されている。そのため、熱歪みによる車両用構造部材30の形状精度の悪化を抑制しながら補強材33により車両用構造部材30の強度を高めることができる。また、縦壁部32の表面32A及び裏面32Bにそれぞれ補強材33を形成することにより、縦壁部32の断面係数を大きくして剛性を高めることができる。その結果、車両用構造部材30の板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
<第4実施形態>
図6~8は、本発明の第4実施形態を示す。第4実施形態は、車両のフロントサイドメンバ等として使用可能な断面六角形状の車両用構造部材40である。車両用構造部材40は、第1実施形態のような断面ハット形状の断面ハット形状部材41を2つ組み合わせて構成されている。即ち、車両用構造部材40は、各断面ハット形状部材41の開放側面同士を対向させて、各フランジ部42同士を面合せで溶接接合して形成されている。図6、7のフランジ部42における複数の〇印は、スポット溶接による溶接痕を示す。なお、この場合の溶接は、スポット溶接以外にレーザー溶接等でもよい。
車両用構造部材40は、4つの稜線部43、並びに接合されたフランジ部42の両側の隅部44に上記各実施形態と同様の補強材45がY1、Y2方向の全長に渡って形成されている。稜線部43では、断面六角形状の内側と外側の両方に形成されている。そのため、車両用構造部材40は、各フランジ部42同士を溶接接合する前の断面ハット形状部材41の段階で、稜線部43の内側と外側の補強材45が形成され、その後、各フランジ部42同士を溶接接合して断面六角形状の車両用構造部材40とされる。各隅部44の補強材45は、断面ハット形状部材41の段階で行ってもよいが、断面六角形状の車両用構造部材40とされた段階で、稜線部43の補強材45と同時期に形成するのが作業性がよい。なお、隅部44も、六角形状の角部を成しており、稜線部43と同様、車両用構造部材40の稜線部と見做すことができる。
以上のように第4実施形態の車両用構造部材40でも、上記各実施形態と同様、補強材45は、断面六角形状の車両用構造部材40の内側と外側の両方に形成されている。そのため、熱歪みによる車両用構造部材40の形状精度の悪化を抑制しながら補強材45により車両用構造部材40の強度を高めることができる。車両用構造部材40を車両のフロントサイドメンバとして使用した場合、フロントバンパ(図示略)に前方から衝突荷重がかかると、その荷重は、フロントサイドメンバを成す車両用構造部材40に図6、7のY1、Y2方向に加えられる。車両用構造部材40の補強材45は、衝突荷重の方向に沿って延びているため、効果的に車両用構造部材40の強度を高めることができる。その結果、車両用構造部材40の板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
<第5実施形態>
上記第1~第4実施形態では、レーザークラッディングにより形成される補強材14、21、33、45は、各補強材14、21、33、45の延長方向に沿って全て同方向に溶着作業を行っている。第5実施形態では、隣接する補強材14、21、33、45間で互い違いに溶着作業を行う点を特徴としている。
図11は、車両用構造部材10、20、30、40と同様の金属板をテストピース50として、そのテストピース50上にレーザークラッディングにより補強材51を溶着し、その溶着作業の方向を変えて行った7つのパターンの評価結果を示す。
A~Dは、図12(1)に矢印で示すように、全ての補強材51の溶着作業を、同一方向に行ったものである。Aは、補強材51が1本で、B~Dは、補強材51の本数がAに対して1本ずつ増加されている。また、E~Gは、図12(2)に矢印で示すように、各補強材51の溶着作業を互い違いに行ったものである。Eは、補強材51が2本で、図12(2)の「1」、「2」で示すように溶着作業の方向が互い違いとされている。Fは、補強材51が3本で、図12(2)の「1」、「2」、「3」で示すように溶着作業の方向が互い違いとされている。Gは、補強材51が4本で、図12(2)の「1」、「2」、「3」、「4」で示すように溶着作業の方向が互い違いとされている。
図11のように、評価は、テストピース50の短手方向と長手方向に分けて行っている。短手方向、長手方向は、図12(1)、(2)に「短手方向」、「長手方向」と図示したとおりである。図11の「短手方向の反り量」、「長手方向の反り量」は、図10と同様に計測される。但し、短手方向の反り量は、図10のように、評価台60上に置いたテストピース50の短手方向の一端をクランプして固定し、短手方向の他端の評価台60上からの垂直距離を計測して、短手方向の反り量としている。
図11において、比較可能なB~Gの「短手方向の反り量」及び「長手方向の反り量」を、溶着作業の方向が互いに同一のB~Dと、溶着作業の方向が互い違いのE~Gとで比較すると、全体として後者の方が反り量が少なくなっている。具体的には、B対Eでは、短手方向と長手方向の両方でBに比べEの反り量が少なくなっている。C対Fでは、短手方向でCに比べFの反り量が少なくなっている。D対Gでは、長手方向でDに比べGの反り量が少なくなっている。
このように補強材51の溶着作業の方向を隣接する補強材51同士で互い違いとすることによりテストピース50の反り量が、溶着作業の方向を隣接する補強材51同士で同一方向とした場合に比べて少なくなることが確認できた。従って、第1~第4実施形態において隣接する補強材14、21、33、45間で互い違いに溶着作業を行う第5実施形態では、第1~第4実施形態に比べて、更に熱歪みによる車両用構造部材10、20、30、40の形状精度の悪化を抑制することができる。また、隣接する補強材51同士の溶着時の作業方向を互い違いにすることにより、溶着作業時のロボット等の空送作業が抑制され、溶着作業の生産性を高めることができる。
<その他の実施形態>
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、車両用構造部材をセンタピラー及びフロントサイドメンバに使用する例を示したが、これらの用途に限定されない。また、上記実施形態では、車両用構造部材として特定の形状のものを例示しがが、これらの形状に限定されない。更に、上記実施形態では、多角形筒体の車両用構造部材として、六角筒体のものを例示したが、他の多角筒体を用いることもできる。
<各発明に対応する上記実施形態の作用効果>
最後に上述の「課題を解決するための手段」における第1発明以降の各発明に対応する上記実施形態の作用効果を付記しておく。
第1発明によれば、レーザークラッディングにより溶着された補強材が車両用構造部材を構成する板材の表裏両面に形成されている。そのため、板材の表裏両面の補強材形成時の熱歪みが表裏両面で互いに打ち消し合い、熱歪みによる車両用構造部材の形状精度の悪化を抑制しながら補強材により車両用構造部材の強度を高めることができる。板材の表裏両面に補強材を形成することにより、板材の断面係数を大きくして剛性を高めることができる。その結果、車両用構造部材の板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
第2発明によれば、車両用構造部材の強度を維持しながら、表裏両面のうちの一方は、補強材の本数が少なくて済むため、生産性を高めることができる。
第3発明によれば、表裏両面にレーザークラッディングによる補強材の溶着を行うに際し、表裏両面で位置ずれがないように位置合わせすることが不要であり、生産性を高めることができる。
第4発明によれば、例えば、断面ハット形状の車両用構造部材をセンタピラーに使用した場合、断面ハット形状の縦壁部の強度が高められるため、側面衝突時のセンタピラーの曲げ変形強度を高めることができる。
第5発明によれば、例えば、断面ハット形状の車両用構造部材をセンタピラーに使用した場合、断面ハット形状の天板部で受けた衝突荷重を、アーチ形状に沿って形成された補強材によりフランジ部の支持点に効率的に伝達することができる。そのため、側面衝突時のセンタピラーの曲げ変形強度を効率的に高めることができる。
第6発明によれば、例えば、多角筒体による車両用構造部材をフロントサイドメンバに使用した場合、稜線部の補強材により前方衝突荷重に対する変形強度を高めることができる。その結果、フロントサイドメンバの板厚を低減させ、軽量化を図ることができる。
第7発明によれば、隣接する補強材同士の溶着時の作業方向を互い違いにすることにより補強材形成時の板材の熱歪みが抑制される。そのため、更に車両用構造部材の形状精度の悪化を抑制することができる。また、隣接する補強材同士の溶着時の作業方向を互い違いにすることにより、溶着作業時のロボット等の空送作業が抑制され、溶着作業の生産性を高めることができる。
10、20、30、40 車両用構造部材
10A 板材
11、31 天板部
12、32 縦壁部
13 フランジ部
14、21、33、45、51 補強材
41 断面ハット形状部材
42 フランジ部
43 稜線部
44 隅部
50 テストピース
60 評価台

Claims (3)

  1. 板材により構成され、該板材の板面上にレーザークラッディングにより補強材が線状に延びて溶着して形成された車両用構造部材であって、
    前記補強材は、前記板材の表裏両面に形成されており、
    前記板材は、折り曲げて断面ハット形状のセンタピラーとして成形されており、
    前記補強材は、断面ハット形状の縦壁部の表裏両面に形成されており、
    前記補強材は、断面ハット形状の天板部側を頂点とし、フランジ部側を下端とするアーチ形状に形成されている
    車両用構造部材。
  2. 請求項1において、
    線状に延びる前記補強材の本数が、前記板材の表裏両面で互いに異なる
    車両用構造部材。
  3. 請求項1又は2において、
    前記板材の表裏両面で線状に延びる前記各補強材が、前記板材の表裏両面で互いに対向する位置から前記補強材の延長方向の交差方向にずれて配置されている
    車両用構造部材。
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