JP7387969B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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Description
図1に示す本願の熱処理装置10は、容器状の圧力容器12、その圧力容器12の内部空間14に配置された断熱体16、その断熱体16で形成された内部空間18に配置されたヒーター20、被処理物22を収容するマッフル(インナーボックス)24、断熱体16の内部空間18にガスを供給する第1ガス供給装置26、マッフル24の内部空間28にガスを供給する第2ガス供給装置30、断熱体16の内部空間18からガスを排気する第1ガス排気装置32、マッフル24の内部空間28からガスを排気する第2ガス排気装置34を備える。
圧力容器12は円筒状の圧力容器本体36およびその圧力容器本体36の両側を閉じる圧力容器蓋38で構成される。圧力容器本体36と圧力容器蓋38は内壁40と外壁42を備える。内壁40と外壁42の間の空間44は冷却液が流れる。圧力容器12の内部空間14は減圧されたり加圧されたりする。圧力容器12の耐圧はたとえば約10MPa以上であり、各種設計によって変更される。
断熱体16は円筒状の断熱体本体46およびその断熱体本体46の両側を閉じる断熱体蓋48で構成される。断熱体16はグラファイトフェルトまたはグラファイトフォイルなどの耐熱性材料で構成される。断熱体16は圧力容器12の内壁40から離れて配置されてもよいし、内壁40の内壁に取り付けられてもよい。断熱体16で形成された内部空間18にヒーター20およびマッフル24が配置されている。
ヒーター20はグラファイト製のロッドヒーターを使用できる。ヒーター20の電極が圧力容器12と断熱体16を突き抜け、圧力容器12の外でその電極が電源回路に接続されている。ヒーター20に電流が流れると、ヒーター20が加熱される。ヒーター20によって断熱体16の内部空間18およびマッフル24の内部空間28の温度が約1000~2300℃まで上昇する。
マッフル24は円筒状または角型状など筒状のマッフル本体50およびそのマッフル本体50の両側を閉じるマッフル蓋52で構成される(図2、図3)。マッフル24の内部空間28は円柱形、立方体形状、直方体形状、角柱形状などになっている。マッフル蓋52はマッフル本体50の両側を開閉する。マッフル蓋52は断熱蓋48の内壁に取り付けられていてもよい。マッフル24はグラファイトなどで構成されている。マッフル24の中に被処理物22が収容される。ヒーター20の熱がマッフル24を介して被処理物22に到達する。マッフル24の中に被処理物22を載せるための棚を設けてもよい。マッフル24の中に被処理物22を収容することで、被処理物22から発生するガス状ワックスおよび紛体をマッフル24の中に閉じ込める。
被処理物22の材料は、超硬金属、鉄系金属、非鉄金属、磁性材料、セラミックス、グラファイト、ハイス鋼、ダイス鋼または低合金鋼などであり、金属は合金を含む。被処理物は、粉体、粒体または所定形状を有した固体である。
本願は断熱体16の内部空間18にガスを供給する第1ガス供給装置26およびマッフル24の内部空間28にガスを供給する第2ガス供給装置30を備える。第1ガス供給装置26は、ガスを貯留する第1ガス源54、ガスを断熱体16の内部空間18に供給するための第1供給パイプ56、第1供給パイプ56の途中に備えられたバルブ58を備える。第2ガス供給装置30は、ガスを貯留する第2ガス源60、ガスをマッフル24の内部空間28に供給するための第2供給パイプ62、第2供給パイプ62の途中に備えられたバルブ64を備える。
本願は断熱体16の内部空間18からガスを排気する第1ガス排気装置32およびマッフル24の内部空間28からガスを排気する第2ガス排気装置34を備える。第1ガス排気装置32は、ポンプ66、圧力容器12の内部空間14からガスを排気するための第1排気パイプ68、第1排気パイプ68の途中に備えられたバルブ70を備える。第2ガス排気装置34は、ポンプ66、マッフル24の内部空間28からガスを排気するための第2排気パイプ72、第2排気パイプ72の途中に備えられたバルブ74、ワックスタンク76およびフィルター78を備える。
断熱体16の内部空間18において、第2供給パイプ62に開口80が形成されている。断熱体16の内部空間18から開口80および第2供給パイプ62を通してマッフル24の内部空間28にガスを供給することができる。複数の開口80が第2供給パイプ62の周方向に並べて形成されている。
差圧制御弁82は第2供給パイプ62の開口80を開閉する。差圧制御弁82は、第2供給パイプ62に取り付けられたカバー84、そのカバー84に形成され、断熱体16の内部空間18と第2供給パイプ62の開口80とをつなげるガス経路穴86、そのガス経路穴86を開閉する重り88を備える。カバー84は第2供給パイプ62の周方向に1周している。カバー84は第2供給パイプ62の開口80を隠している。カバー84は複数の部材で構成されてもよい。ガス経路穴86はカバー84に形成された空洞である。
本願は第2供給パイプ62の端部にノズル94が取り付けられている。図4のように、冶具96を介してノズル94が取り付けられてもよい。ノズル94は直線状のパイプである。ノズル94の長さ方向はマッフル24の長さ方向と同一である。ノズル94は複数の開口98がノズル94の長さ方向に並べて形成されている。ノズル94は開口98をマッフル24の内壁に向けている。図2であれば、ノズル94がマッフル24の内部空間28の上部にあり、ノズル94は開口98を上方に向けている。開口98から放出されたガスがマッフル24の内壁に当たり、マッフル24の内壁に沿って下降する。
本願の熱処理装置10は断熱体16の内部空間18を冷却するためのファンおよびクーラーを備えてもよい。クーラーとして水冷式の熱交換器が挙げられる。ファンを回転させてガスを循環させ、クーラーによってガスを冷却する。ファンは、熱処理中に断熱体16の内部空間18のガスを均一にするために回転させてもよい。
次に本願の熱処理装置10を使用した処理について説明する。(1)被処理物22を熱処理するための準備をする。その準備は、圧力容器蓋38、断熱体蓋48およびマッフル蓋52を開け、マッフル24の中に被処理物22を収容する。その後、マッフル蓋52、断熱体蓋48および圧力容器蓋38を閉じる。
図5に示す差圧制御弁110は、図4の差圧制御弁82に対して重り88に弾性体112を取り付けている。弾性体112によって重り88が浮き上がるときのガス圧を調整する。弾性体112はコイルバネまたは板バネなどである。
図6の差圧制御弁120のように、ガス経路穴122に設けられた重り124がガス経路穴122に回転可能に取り付けられてもよい。重り124の上部に回転軸126を取り付け、重り124は回転軸126を中心にして回転する。断熱体16の内部空間18のガスの圧力がマッフル24の内部空間28のガスの圧力よりも高くなれば、断熱体16の内部空間18からガス経路穴122にガスが入り、ガスが重り124を押し、重り124が回転軸126を軸として回転する。ガスの流れによって重り124は断熱体16の内部空間18から第2供給パイプ62に向けて回転できるが、その反対はガス経路穴122を形成するカバー128の内壁に当たるためできない。ガス経路穴122においてガスの流れは一方向になっている。
図7はマッフル24に複数の第2排気パイプ72が取り付けられている。第2排気パイプ72を複数にすることで、マッフル24の下部でのガスの流れが一箇所に集束されずに複数個所に分散される。ノズル94の複数の開口98から放出されたガスがマッフル24の中を均一になって下降する。マッフル24の下部でも均一になったガスの流れができる限り維持される。
図1に示す第2ガス供給装置30を省略してもよい。この場合、図9に示す熱処理装置130のように、第1ガス源54に2本の供給パイプ56、62が繋げられる。2つのバルブ58、64の開閉制御によって、2本の供給パイプ56、62に流れるガスの流量を調整する。
12:圧力容器
14:圧力容器の内部空間
16:断熱体
18:断熱体の内部空間
20:ヒーター
22:被処理物
24:マッフル
26、30:ガス供給装置
28:マッフルの内部空間
32、34:ガス排気装置
36:圧力容器本体
38:発力容器蓋
40:内壁
42:外壁
44:内壁と外壁の間の空間
46:断熱体本体
48:断熱体蓋
50:マッフル本体
52:マッフル蓋
54、60:ガス源
56、62:供給パイプ
58、64:バルブ
66:ポンプ
68、72:排気パイプ
70、74:バルブ
76:ワックスタンク
78:フィルター
80:開口
82、110、120:差圧制御弁
84、128:カバー
86、122:ガス経路穴
88、124:重り
90:ガス経路穴のリング状の空間
92:リング状の空間の床
94:ノズル
96:冶具
98:開口
100:第2排気パイプの端部
102:第2供給パイプの端部
112:弾性体
126:回転軸
Claims (6)
- 圧力容器と、
前記圧力容器の内方に配置された断熱体と、
前記断熱体の内部空間に配置されたヒーターと、
前記断熱体の内部空間に配置され、被処理物を収容するマッフルと、
ガス源と、
前記ガス源から断熱体の内部空間につながる第1供給パイプと、
前記マッフルの内部空間にガスを供給するための第2供給パイプと、
前記断熱体の内部空間において第2供給パイプに形成された開口と、
前記断熱体の内部空間のガスの圧力とマッフルの内部空間のガスの圧力との差によって前記第2供給パイプに形成された開口を開閉する差圧制御弁と、
前記第2供給パイプの先端に取り付けられたノズルと、を備え、
前記ノズルは開口をマッフルの内壁に向けて配置され、
前記マッフルにおいて、ガスを排気する排気パイプが前記第2供給パイプと対向する位置に配置された、熱処理装置。 - 前記差圧制御弁が、
前記第2供給パイプに取り付けられたカバーと、
前記カバーに形成され、断熱体の内部空間と第2供給パイプの開口とをつなげるガス経路穴と、
前記ガス経路穴に備えられ、断熱体の内部空間のガスの圧力とマッフルの内部空間のガスの圧力との差によって該ガス経路穴を開閉する重りと、
を備えた請求項1の熱処理装置。 - 前記ノズルの長さ方向に並んで形成された複数の開口を備えた請求項1または2の熱処理装置。
- 前記ノズルがマッフルの内壁と平行に配置されている、請求項3の熱処理装置。
- 前記差圧制御弁の中で第2供給パイプが封止された請求項1から4のいずれかの熱処理装置。
- 圧力容器と、
前記圧力容器の内方に配置された断熱体と、
前記断熱体の内部空間に配置されたヒーターと、
前記断熱体の内部空間に配置され、被処理物を収容するマッフルと、
ガス源と、
前記ガス源から断熱体の内部空間につながる第1供給パイプと、
前記マッフルの内部空間にガスを供給するための第2供給パイプと、
前記断熱体の内部空間において第2供給パイプに形成された開口と、
前記断熱体の内部空間のガスの圧力とマッフルの内部空間のガスの圧力との差によって前記第2供給パイプに形成された開口を開閉する差圧制御弁と、
前記第2供給パイプの先端に取り付けられたノズルと、
前記ノズルの長さ方向に並んで形成された複数の開口と、を備え、
前記ノズルがマッフルの内壁と平行に配置され、
前記ノズルは開口をマッフルの内壁に向けて配置され、
前記マッフルにおいて、ガスを排気する排気パイプが前記第2供給パイプと対向する位置に配置された、熱処理装置。
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