JP7385994B2 - 二重構造容器 - Google Patents
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Description
これらの図に示す容器1は、圧搾して内容物を吐出させるに際し、弾性変形により元の形状に復元可能な外容器10と、内容物の減少に伴って収縮変形するとともに、外容器10から剥離可能な内容器11とを備える二重構造容器として形成されている。
外容器10は、単層構成に限られず、多層構成としてもよい。例えば、最外層と最内層とをバージン材により形成し、これらの間に、容器製造時に発生したバリなどのスクラップ樹脂を含むリプロ層を配した多層構成とすることもできる。
なお、引張弾性率は、例えば、JIS K7113-2に準拠して、サンプル形状2号を3分の1に縮小したダンベル形状にサンプルを打ち抜き、テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製:RTG-1310)を使用し、引っ張り速度50mm/minの条件で測定することによって求めることができる。
上記範囲に満たないと、復元性に劣ってしまうことに加え、剛性が低下して撓み易くなってしまうため、外容器10に通気孔10hを穿設する際に、リーマなどの工具が食付き難くなってしまう虞がある。一方、上記範囲を超えると、操作性に劣ってしまうことに加え、外容器10に通気孔10hを穿設する際の切削屑が増加して不良の原因となってしまう虞がある。
内面層11aには、例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、又はこれらの混合物などを用いることができる。これらの中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。
このような不具合を解消するために、本発明者らが検討したところ、内容物の残留量と内容器11の厚みとの間には相関があり、内容器11の厚みを薄くすることで、内容物の残留量を低減できるが、そうすると、ガスバリア性が損なわれてしまうことが判明した。一方、ガスバリア層11bの厚みとガスバリア性との間には相関があるものの、内容物の残存量とガスバリア層11bの厚みとの間には相関が認められなかった。
図1等に示す容器形状となるように、ダイレクトブロー成形によって、内容量200mL、高さ140mmの二重構造容器を成形した。
その際、容器胴部の側面(図2にあらわれる面)に、パーティングラインが位置するようにした。
また、外容器10は、ポリプロピレンを用いて単層に形成し、容器胴部における厚みが300μmとなるように成形した。内容器11は、低密度ポリエチレンを用いた内面層11aと、エチレン-ビニルアルコール共重合体を用いたガスバリア層11bとの間に接着層を介在させた三層に形成し、容器胴部における内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した。
このような実施例1について、以下の項目を評価した。その結果を表1に示す。
口部2に切削加工を施す際、又は通気孔10hを穿設する際に、切削不良、ヒゲ、バリ、切削屑残り、内容器11の貫通が発生した場合に、評価結果を×とした。これらの問題が発生しなかった場合を○とした。
容器胴部を手で圧搾して内容物を吐出させる操作を繰り返し行い、内容物として収容した水を可能な限り吐出させた。その後、容器内に残った水の重量を測定し、g単位で小数点以下を四捨五入した。3g(小さじ2分の1に相当)以下を○、4~18g(小さじ2分の1~大さじ1に相当)を△、19g以上を×とした。
空容器内に窒素ガスを充填密封し、室温30℃、相対湿度80%の環境下で、3週間保管後の容器内の酸素濃度をガスクロマトグラフィーにより測定し、その結果から酸素透過度を算出した。酸素透過度が22cc/(m2・day・atm)以下を○、22cc/(m2・day・atm)を超えるものを×とした。
容器胴部を手で圧搾して内容物を吐出させた後、外容器10が元の形状に復元するまでに要する時間を計測した。内容物を吐出させて手を離した直後から5秒以内に元の形状に復元した場合を○、元の形状に復元するまでに5秒より長い時間を要した場合を△、元の形状に完全には復元しない場合を×とした。
外容器10の厚みが500μm(特許請求の範囲に記載する範囲の中央値)の容器を基準とし、容器胴部を手で圧搾して内容物を吐出させる操作を行った際に、基準とする容器と同等以下の力で圧搾できたと感じた場合を○、やや固いと感じた場合を△、圧搾し難いと感じた場合を×とした。
外容器10の厚みが400μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表1に示す。
外容器10の厚みが500μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表1に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表1に示す。
外容器10の厚みが600μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表1に示す。
外容器10の厚みが700μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表1に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが30μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表2に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが40μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表2に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが50μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表2に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが60μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表2に示す。
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外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが10μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが20μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが30μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが40μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが250μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが750μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表3に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが25μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが85μm、ガスバリア層11bの厚みが15μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが5μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
外容器10の厚みが520μm、内容器11の厚みが65μm、ガスバリア層11bの厚みが45μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
外容器10の厚みが250μm、内容器11の厚みが25μm、ガスバリア層11bの厚みが5μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
外容器10の厚みが750μm、内容器11の厚みが85μm、ガスバリア層11bの厚みが45μmとなるように成形した以外は、実施例1と同様にして成形された二重構造容器について、同様に評価した。その結果を表4に示す。
2 口部
3 胴部
10 外容器
10h 通気孔
11 内容器
11a 内面層
11b ガスバリア層
Claims (2)
- 圧搾して内容物を吐出させるに際し、弾性変形により元の形状に復元可能な外容器と、内容物の減少に伴って収縮変形するとともに、前記外容器から剥離可能な内容器とを備える二重構造容器であって、
容器胴部における前記外容器の膨出部に通気孔が穿設されているとともに、容器胴部における前記外容器の厚みが300~700μmであり、
前記内容器が、内容物と接触する内面層と、ガスバリア層とを有し、
容器胴部における前記内容器の厚みが30~80μm、かつ、前記ガスバリア層の厚みが10~40μmであり、
前記通気孔を穿設する際に加工具が押し当てられたときの押圧力によって、前記外容器から前記内容器が剥離され、前記内容器が貫通していないことを特徴とする二重構造容器。 - 容器胴部における前記内容器の厚みが30~70μm、かつ、前記ガスバリア層の厚みが10~20μmである請求項1に記載の二重構造容器。
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