JP7385861B2 - 泡質評価方法、訓練方法、及び泡質評価装置 - Google Patents
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Description
そのため、飲用容器に注いだ飲料から生じる泡の細かさは、飲料にとって重要な指標であるため、泡の細かさを、様々な手法で評価されてきた。
例えば、特許文献1~3には、泡の細かさを評価するために、泡粒に可視光を照射し、撮影した画像を解析する手法が記載されている。
[1]任意の飲用容器に注いだ飲料から生じる泡の泡質を評価する方法であって、
下記工程(1)~(2)を有する、泡質評価方法。
・工程(1):飲用容器内に生じた泡のポリトロープ指数nを測定する工程。
・工程(2):工程(1)で測定した前記ポリトロープ指数nの値に基づき、前記泡の泡質を評価する工程。
[2]前記飲料が、ビールテイスト飲料、乳成分含有飲料、農産物微粉砕飲料、炭酸飲料、及び加圧抽出コーヒー飲料から選ばれる起泡性飲料である、上記[1]に記載の泡質評価方法。
[3]前記飲料が、缶もしくはペットボトルに詰められた容器詰め飲料である、上記[1]又は[2]に記載の泡質評価方法。
[4]前記飲料が起泡性飲料であり、当該起泡性飲料が樽に詰められた樽詰め飲料であって、ディスペンサーを用いて、飲用容器に起泡性飲料を注いだ際に生じる泡の泡質を評価する、上記[1]又は[2]に記載の泡質評価方法。
[5]工程(2)において、予め定めたポリトロープ指数nの値の基準によって、前記泡の泡質を評価する、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
[6]前記飲用容器の容積が、100~1000mLである、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
[7]工程(1)において、前記飲料が、飲用容器の空洞部を満たすまで注がれている状態で、泡のポリトロープ指数nを測定する、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
[8]工程(1)において、飲料を注いだ前記飲用容器の上面を覆うように共鳴器を装着し、泡のポリトロープ指数を測定する、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
[9]前記共鳴器は、アダプターを介して前記飲用容器の上面を覆うように装着される、上記[8]に記載の泡質評価方法。
[10]前記共鳴器が、スピーカー、当該スピーカーの音波を発する前面側を囲み、空洞部(a)を構成する前面エンクロージャー、当該前面エンクロージャーの空洞部(a)よりも水平断面が小さい空洞部(b)を構成するネックチューブ、及び、両端をそれぞれ前記ネックチューブと前記アダプターと接続し、前記飲用容器と連結された前記アダプターと共に、前記ネックチューブの空洞部(b)よりも水平断面が大きい空洞部(c)を構成する筒体を少なくとも備える、上記[9]に記載の泡質評価方法。
[11]上記[1]~[10]のいずれか一項に記載の泡質評価方法によって、飲料の注ぎ方を訓練する、訓練方法。
[12]飲用容器内に注いだ飲料から生じる泡のポリトロープ指数nを測定し、
前記ポリトロープ指数nの値に基づいて前記泡の泡質を評価する、泡質評価装置。
本発明の泡質評価方法は、任意の飲用容器に注いだ飲料から生じる泡の泡質を評価する方法であって、下記工程(1)~(2)を有する。
・工程(1):飲用容器内に生じた泡のポリトロープ指数nを測定する工程。
・工程(2):工程(1)で測定した前記ポリトロープ指数nの値に基づき、前記泡の泡質を評価する工程。
これらの飲用容器は、飲料の種類によって、適当なものを選択することができ、特に制限されるものではない。
なお、本明細書において、飲用容器の容積とは、飲料を注いで満たすことができる飲用容器内の空洞部の体積を意味する。
また、本明細書において、「起泡性飲料」とは、飲用容器に注いだ際に、泡が生じ得る飲料を意味し、炭酸ガスや空気等のガスを含む飲料だけでなく、飲用容器に注ぐ際に空気を取り込み易く、飲用容器内で泡が生じさせ得るような飲料であってもよい。
具体的な起泡性飲料としては、例えば、ビールテイスト飲料、ミルクセーキ等の乳成分含有飲料、スムージー等の農産物微粉砕飲料、エスプレッソコーヒー等の加圧抽出コーヒー飲料等が挙げられる。
発泡剤としては、一般的に飲料に使用される発泡剤を用いることができ、また、炭酸ガスの含有量が高い氷を発泡剤として用いることもできる。
発泡剤を用いて飲料から泡を生じさせる態様としては、例えば、以下の(1)及び(2)が挙げられる。
(1)空洞部に発泡剤を添加した飲用容器に、飲料を注いだ際にガスが発生し、飲用容器内の飲料から泡を生じさせる態様。
(2)飲用容器に注いだ飲料に、発泡剤を添加してガスを発生させ、飲用容器内の飲料から泡を生じさせる態様。
本発明の一態様の泡質評価方法によれば、このように発泡剤の添加によって生じた泡についても、泡質を評価することができる。
そして、特に、起泡性飲料として、ビールテイスト飲料を飲用容器に注いだ際に生じる泡の泡質を評価することに好適である。ビールテイスト飲料を飲用容器内に注いだ際に生じる泡の泡質は、ビールテイスト飲料の口当たりや味わい等への影響が大きく、また、炭酸ガスを飲料中に閉じ込めるという性質もあるため、重要である。特に、実際の飲用する際に使用する飲用容器内の泡の泡質を評価は、ビールテイスト飲料の評価にもつながるものである。
本発明の一態様の泡質評価方法によれば、実際の飲用する際に使用する飲用容器内にビールテイスト飲料を注いだ際に生じる泡の泡質を、包括的に、かつ簡便に評価することができるという利点が高い。
ポリトロープ指数nは、ヘルムホルツ共鳴原理から、以下のように導き出される物性値である。
一般に、ヘルムホルツ共鳴とは、長さl、断面積Sの中空円柱状のネックチューブの開口した系の一方に、スピーカー等を取り付けた共鳴器を用いて、共鳴器内の空洞部の空気の単振動により、下記の式に従い、共鳴周波数fが生じる現象である。なお、系内に吸音しない物質が存在した場合には、単振動は速くなり、共鳴周波数fは高くなる。
泡径が小さいほど内圧が大きく、圧縮・膨張によるエネルギー損失は小さくなる。また、泡数が多いほどエネルギー損失は大きくなる。つまりnは泡の大きさや数の情報を持っているということができる。前述の断熱変化と同様に、ヘルムホルツ共鳴系内に泡から構成された泡層が存在し、ポリトロープ変化が生じた場合における共鳴周波数fbubbleは、下記式(2)のように表される。
つまり、本発明の一態様において、飲用容器に注いだ飲料から生じる泡の泡質は、飲用容器内に存在する、泡から構成された泡層のポリトロープ指数nを測定することで評価することができる。
つまり、ポリトロープ指数nは、同じ飲用容器を用いて、飲料の体積や液層と泡層の割合が同じになるように注いだ場合には、泡のきめ細かさを間接的に評価し得る指標とすることができる。
図1に示す泡質評価装置1は、共鳴器10と、測定用アンプ20と、PC(パーソナルコンピュータ)30とを有する。以下、図1を用いて、工程(1)及び(2)について説明する。
工程(1)は、飲用容器内に生じた泡のポリトロープ指数nを測定する工程である。
なお、本工程において、泡のポリトロープ指数nは、飲用容器内に存在する、泡から構成された泡層を測定対象とし、図1に示された泡質評価装置1を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、まず、図1に示すように、飲料を注いだ任意の飲用容器の上部に、共鳴器10を装着する。ここで、泡の泡質をより正確に評価する観点から、工程(1)において、飲料100は、飲用容器200の空洞部を満たすまで注がれている状態で、泡のポリトロープ指数nを測定することが好ましい。
なお、「飲用容器200の空洞部を満たすまで注がれている状態」とは、図1に示すように、泡層110の体積及び液層120の体積の合計体積が、飲用容器200の容積100体積%に対して、95~100体積%(好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%、更に好ましくは99.9~100体積%)である状態を意味する。
さらに、共鳴器は、アダプターを介して前記飲用容器の上面を覆うように装着されることがより好ましい。飲用容器に装着側の共鳴器の端面の断面形状(断面の直径)が、飲用容器の上面の断面形状(断面の直径)と異なる場合であっても、予めこれらの形状に対応したアダプターを用いることで、共鳴器と飲用容器とをアダプターを介して確実に接続することができる。その結果、より正確に泡のポリトロープ指数を測定することができる。
なお、本工程では、前記飲用容器の全体を覆うように共鳴器を装着してもよいが、より簡便に泡質を評価する観点から、図1のように、上面を含む飲用容器の一部を覆うように共鳴器が装着されていれば十分である。
なお、図1に示すように、共鳴器10は、スピーカー11の振動を発する側とは反対の背面側を囲む背面エンクロージャー12を備えていてもよい。
そして、共鳴器10内の空洞部は、前面エンクロージャー13内の空洞部(a)、ネックチューブ14内の空洞部(b)、並びに、筒体15及びアダプター16内の空洞を合わせた空洞部(c)から構成されている。スピーカー11から発された音波は、空洞部(a)、空洞部(b)、及び空洞部(c)の順で空気の振動として伝達される。ここで、上述のとおり、ネックチューブ14の空洞部(b)の水平断面は、空洞部(a)の水平断面、及び、空洞部(c)の水平断面よりも小さい構成となっている。
そのような構成のため、図1に示す共鳴器10においては、前面エンクロージャー13内の空洞部(a)と、筒体15及びアダプター16で構成された空洞部(c)が「バネ」とし、ネックチューブ14内の空洞部(b)が「重り」とする「1自由度の振動系」を構成する。そして、その際の共振周波数が、上記式(1)で表される共鳴周波数fや、上記式(2)で表される共鳴周波数fbubbleに相当する。
例えば、図1においては、飲用容器200の上面の断面形状が、筒体15の断面形状よりも大きい場合に、アダプター16を介した飲用容器200と筒体15との連結態様を示している。
また、図2においては、飲用容器200の上面の断面形状が、筒体15の断面形状よりも小さい場合に、アダプター16aを介した飲用容器200と筒体15との連結態様を示している。
なお、飲用容器内の泡層110の表面の少なくとも一部が、空洞部(c)内の空気と接触するようにアダプター16、16aは装着されていればよい。
決定した共鳴周波数fbubbleから、PC30によって、上記式(2)に基づきポリトロープ指数nを算出することができる。
工程(2)は、工程(1)で測定した前記ポリトロープ指数nの値に基づき、前記泡の泡質を評価する工程である。
上述のとおり、ポリトロープ指数nは、飲用容器の形状には依存しない指標であるが、当該飲用容器内に注いだ飲料の体積や、液層と泡層の割合の違いによって、差が出てしまうこともある。
このようなポリトロープ指数nの特性を考慮すると、比較対象となる飲用容器に飲料を注いだ比較サンプルのポリトロープ指数n0を測定し、当該比較サンプルと同じ飲用容器を用いて、飲料の体積、及び液層と泡層の割合を比較サンプルに併せて飲用容器に注いで算出した評価サンプルのポリトロープ指数n1とを比べる相対評価にて評価する方法が好ましい。
このように、同じ飲用容器を用いて、飲料の体積や液層と泡層の割合が同じになるように注いだ場合には、ポリトロープ指数nは、複数のサンプルで対比することができ、泡のきめ細かさを間接的に評価し得る指標とすることができる。
本工程の評価の基準に関しては、任意に定めることができる。
本発明の一態様の泡質評価方法の活用例としては、特に制限はないが、例えば、以下に示す活用例が挙げられる。
本発明の一態様の泡質評価方法において、飲料は、缶もしくはペットボトルに詰められた容器詰め飲料であってもよい。この態様においては、起泡性飲料が缶もしくはペットボトルに詰められた容器詰め飲料であることが好ましい。
近年、起泡性飲料が詰められた容器詰め飲料の缶の注入口に取り付ける、手動式又は電動式の携帯用サーバーが広まりつつある。携帯用サーバーは、缶に振動を与えて、きめ細かな泡を生じさせるものであるが、本発明の一態様の泡質評価方法によって、携帯用サーバーを用いることで、きめ細かな泡が生じていることを確認することができる。
具体的には、缶の注入口に携帯用サーバーを取り付けた容器詰め飲料と、当該携帯用サーバーを有さない容器詰め飲料を用意し、同じ形状の飲用容器に起泡性飲料をそれぞれ注いで、上述の工程(1)でポリトロープ指数nを得て、工程(2)で、両者のポリトロープ指数nを比較することで、携帯用サーバーを用いることの利点を確認することができる。
また、同様にして、開発途中の携帯用サーバーを、簡易的に評価するための手段としても活用することができる。
本発明の一態様の泡質評価方法によって、飲用容器に飲料を注いだ際に生じる泡から構成された泡層の泡持ちを評価することもできる。この態様においては、飲料が、起泡性飲料であることが好ましい。
具体的には、飲用容器に注いだ飲料から泡が生じた直後の泡層のポリトロープ指数nを測定し、一定時間経過ごとに、泡層のポリトロープ指数nを再び測定し、ポリトロープ指数nの変化度合いによって、泡層の泡持ちを評価することができる。つまり、ポリトロープ指数nの変化度合いが大きいほど、経時で泡の泡径が変化してしまっていると推測できる。本発明の一態様の泡質評価方法によれば、このような泡層の泡持ちの評価を、簡便に行うことができるため、飲料(特に、起泡性飲料)の開発現場では有用であるといえる。
なお、この態様における飲料としては、起泡性飲料が好ましいが、更にビールテイスト飲料であることがより好ましい。上述のとおり、ビールテイスト飲料を飲用容器内に注いだ際に生じる泡の泡質は、口当たりや味わい等への影響が大きく、また、炭酸ガスを飲料中に閉じ込めるという性質もあるため、重要である。
本発明の一態様の泡質評価方法は、飲料が起泡性飲料であり、当該起泡性飲料が樽に詰められた樽詰め飲料であって、ディスペンサーを用いて、飲用容器に起泡性飲料を注がれた際に生じた泡の泡質を、当該泡質評価方法によって評価することができる。
なお、樽詰め飲料としては、ビールテイスト飲料が樽に詰められた樽詰め飲料であることが好ましい。ディスペンサーを使用する個人の力量によって、生じる泡の泡質は、非常に異なる場合がある。つまり、習熟者がディスペンサーを用いて、飲用容器に起泡性飲料を注いで生じた泡の泡質は非常にきめ細かくなる一方で、経験が浅い人物がディスペンサーを用いて注いで生じた泡の泡質は粗くなってしまうことが非常に多い。特に、起泡性飲料がビールテイスト飲料である場合に、泡の泡質は、口当たりや味わい等への影響が大きい。
本発明の一態様の訓練方法によって、起泡性飲料が樽に詰められた樽詰め飲料を、ディスペンサーを用いて、起泡性飲料を注ぐ訓練を行うことが好ましい。
具体的な訓練方法としては、例えば、いわゆる習熟者がディスペンサーを用いて、飲用容器に起泡性飲料を注いだ熟練者サンプルを用意する。そして、その熟練者サンプルの飲料の体積及び液層と泡層の割合を測定すると共に、当該熟練者サンプルのポリトロープ指数n0も併せて測定する。
一方で、経験不足の訓練者は、ディスペンサーを用いて、比較サンプルと同じ形状の飲用容器に起泡性飲料を注いで訓練者サンプルを用意し、当該訓練者サンプルの起泡性飲料の体積及び液層と泡層の割合を測定し、同じくポリトロープ指数n0も測定する。
ここで、まず、訓練者サンプルの「起泡性飲料の体積」及び「液層と泡層の割合」について、熟練者サンプルの値と比較することで、起泡性飲料の量の調整や、液層と泡層の割合の調整といった項目の評価を行うことができる。なお、このような「起泡性飲料の体積」及び「液層と泡層の割合」は比較的測定がし易い。
この問題に対して、本発明の一態様の泡質評価方法によって、両サンプルのポリトロープ指数nを比較することで、泡質の差異を「数値」として評価することも可能となる。また、身近に熟練者がいない場合であっても、予め熟練者の「起泡性飲料の体積」及び「液層と泡層の割合」と共に、ポリトロープ指数n0の値をデータベース化しておくことで、訓練者が用意した訓練者サンプルのポリトロープ指数nを測定し、データベース化された熟練者サンプルのポリトロープ指数n0の値と比較することで、泡質を客観的に評価することができる。
また、本実施例において、泡の平均泡粒径は、以下のように測定した。
(平均泡粒径の測定)
動的フォームアナライザ(Kruess社製DFA100)を用いて、泡層に対して、動的フォームアナライザに設置されたCCDカメラによって泡粒径分布を測定し、その泡粒径分布の50%粒径(D50)を平均泡粒径とした。
試験例1~2
缶にビールテイスト飲料が詰められた容器詰め飲料を2つ用意し、開封後に缶の注入口に電動式の携帯用サーバーを取り付けた。そして、容積が430mLの飲用容器A、及び、容積が700mLの飲用容器Bに、電動式の携帯用サーバーを作動させながら、ビールテイスト飲料を、液層/泡層=7/3(体積比)であり、且つ、各飲用容器の容積の100体積%となるように注いだ。そして、注いだ際に生じた泡に対して、図1に示すような泡質評価装置を用いて、ポリトロープ指数nを測定した。また、泡粒径測定のために、別に用意した、飲用容器A及び飲用容器Bについても、上記と同じ条件となるように、ビールテイスト飲料を注ぎ、上述のとおり動的フォームアナライザによって、平均泡粒径も測定した。この測定は5回行い、その平均値を表1には記載している。
電動式の携帯用サーバーを使用しない以外は、試験例1及び2と同様に、容積が430mLの飲用容器A、及び、容積が700mLの飲用容器Bをそれぞれ2つずつ用意し、ビールテイスト飲料を、液層/泡層=7/3(体積比)であり、且つ、各飲用容器の容積の100体積%となるように注いだ。そして、注いだ際に生じた泡に対して、試験例1及び2と同様に、ポリトロープ指数n及び平均泡粒径をそれぞれ測定した。この測定は5回行い、その平均値を表1には記載している。
また、試験例1と試験例3、及び、試験例2と試験例4を比べると、同じ形状の飲用容器であれば、泡平均粒径の違いによって、ポリトロープ指数に差異が生じていることが分かる。
試験例5~6
ビールテイスト飲料が樽に詰められた樽詰め飲料を用意し、ディスペンサーを用いて、容積が430mLの飲用容器Aに、ビールテイスト飲料を、液層/泡層=7/3(体積比)であり、且つ、各飲用容器の容積の100体積%となるように注いだ。ここで、試験例5では、熟練者がディスペンサーを用いて注ぎ、試験例6では、訓練者がディスペンサーを用いて注いだ。
そして、注いだ際に生じた泡に対して、試験例1及び2と同様に、ポリトロープ指数n及び平均泡粒径も測定した。この測定は5回行い、その平均値を表2には記載している。
10 共鳴器
11 スピーカー
12 背面エンクロージャー
13 前面エンクロージャー
14 ネックチューブ
15 筒体
16、16a アダプター
a、b、c 空洞部
20 測定用アンプ
30 PC
100 飲料
110 泡層
120 液層
200 飲用容器
Claims (11)
- 同じ飲用容器を用いて、飲料の体積および液層と泡層の割合が同じになるように注いだ飲料から生じる泡の泡質を評価する方法であって、
下記工程(1)~(2)を有する、泡質評価方法。
・工程(1):少なくとも共鳴器を備え、動的フォームアナライザーを備えない装置を用いて、飲料を注いだ前記飲用容器の上面を覆うように共鳴器を装着し、前記飲用容器内に生じた泡のポリトロープ指数nを測定する工程。
・工程(2):工程(1)で測定した前記ポリトロープ指数nの値に基づき、当該ポリトロープ指数nの値が小さいほど、泡のきめ細かさが良好であると、前記泡の泡質を評価する工程。 - 前記飲料が、ビールテイスト飲料、乳成分含有飲料、農産物微粉砕飲料、炭酸飲料、及び加圧抽出コーヒー飲料から選ばれる起泡性飲料である、請求項1に記載の泡質評価方法。
- 前記飲料が、缶もしくはペットボトルに詰められた容器詰め飲料である、請求項1又は2に記載の泡質評価方法。
- 前記飲料が起泡性飲料であり、当該起泡性飲料が樽に詰められた樽詰め飲料であって、ディスペンサーを用いて、飲用容器に起泡性飲料を注いだ際に生じる泡の泡質を評価する、請求項1又は2に記載の泡質評価方法。
- 工程(2)において、予め定めたポリトロープ指数nの値の基準によって、当該ポリトロープ指数nの値が小さいほど、泡のきめ細かさが良好であると、前記泡の泡質を評価する、請求項1~4のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
- 前記飲用容器の容積が、100~1000mLである、請求項1~5のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
- 工程(1)において、前記飲料が、飲用容器の空洞部を満たすまで注がれている状態で、泡のポリトロープ指数nを測定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
- 前記共鳴器は、アダプターを介して前記飲用容器の上面を覆うように装着される、請求項1~7のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
- 前記共鳴器が、スピーカー、当該スピーカーの音波を発する前面側を囲み、空洞部(a)を構成する前面エンクロージャー、当該前面エンクロージャーの空洞部(a)よりも水平断面が小さい空洞部(b)を構成するネックチューブ、及び、両端をそれぞれ前記ネックチューブ及び前記アダプターと接続し、前記飲用容器と連結された前記アダプターと共に前記ネックチューブの空洞部(b)よりも水平断面が大きい空洞部(c)を構成する筒体を少なくとも備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の泡質評価方法。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の泡質評価方法をコンピューターが実行し、同じ飲用容器を用いて、飲料の体積および液層と泡層の割合が同じになるように注ぐための飲料の注ぎ方の訓練をコンピューターがサポートする、訓練のサポート方法であって、
前記泡質評価方法により測定したポリトロープ指数nを、基準値となるポリトロープ指数nと比較し、当該ポリトロープ指数nの値が小さいほど、泡のきめ細かさが良好であると、泡質を評価する工程を有する、訓練のサポート方法。 - 同じ飲用容器を用いて、飲料の体積および液層と泡層の割合が同じになるように注いだ飲料から生じる泡のポリトロープ指数nを測定し、
前記ポリトロープ指数nの値に基づいて、当該ポリトロープ指数nの値が小さいほど、泡のきめ細かさが良好であると、前記泡の泡質を評価する、泡質評価装置であって、飲料を注いだ前記飲用容器の上面を覆うように装着する共鳴器を少なくとも備え、動的フォームアナライザーを備えない、泡質評価装置。
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上田裕紀, 外4名,ヘルムホルツ共鳴を用いたビール泡の品質評価に関する研究,公益社団法人日本農芸化学会 大会講演要旨集,2018年03月05日,平成30年度,2B10p04 |
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