JP7385107B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐偏摩耗性能を維持しつつ耐発熱性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
例えば、港湾ストラドルキャリアに装着される建設車両用タイヤは、装着車両の車高が高いため、その横揺れにより偏摩耗が発生し易いという課題がある。このため、従来の建設車両用タイヤは、タイヤの耐偏摩耗性能を高めるために、一対の周方向主溝と、これらの周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および単一のセンター陸部とを備えるトレッドパターンを採用している。かかる構成を採用する従来の建設車両用タイヤとして、非特許文献1および2に記載される技術が知られている。
インターネット<URL:https://www.michelinearthmover.com/eng_ca/tyres-straddle-carriers/michelin-x-straddle/81222> インターネット<URL:https://tire.bridgestone.co.jp/tb/truck_bus/catalog/industrial-truck/premises-dump_straddle-carrier/vchr/index.html>
一方で、近年の建設車両用タイヤでは、舗装路にて25[km/h]程度の高速走行を可能とすべき要請があるため、高速走行時におけるタイヤの耐発熱性能を向上すべき課題がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの耐偏摩耗性能を維持しつつ耐発熱性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および単一のセンター陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記一対のショルダー陸部の接地幅Wb1のそれぞれが、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の関係を有し、且つ、前記ショルダー陸部が、前記ショルダー陸部をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー細溝を備え、且つ、前記ショルダー細溝の溝深さと前記周方向主溝の最大溝深さとの比が、0.025以上0.150以下の範囲にあることを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および単一のセンター陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記一対のショルダー陸部の接地幅Wb1のそれぞれが、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の関係を有し、前記センター陸部が、前記センター陸部をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された第一および第二のセンター細溝を備え、前記第一センター細溝の溝深さH21が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.025≦H21/Hg≦0.150の範囲にあり、且つ、前記第二センター細溝の溝深さH22が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.50≦H22/Hg≦0.90の範囲にあることを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、(1)単一のセンター陸部が配置されることにより、トレッド部の剛性が高まり、車両の横揺れが低減される。これにより、横揺れに起因する偏摩耗が抑制されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、(2)一対のショルダー陸部の接地幅Wb1が適正化される利点がある。具体的に、上記下限により、ショルダー陸部の接地幅Wb1が確保されて、車両の横揺れの抑制作用が適正に確保される。また、上記上限により、センター陸部の配置領域が確保される。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載した空気入りタイヤのセンター陸部を示す拡大図である。 図4は、図3に記載したセンター陸部のA視断面図である。 図5は、図3に記載したセンター陸部のB視断面図である。 図6は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図7は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図8は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図9は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、空気入りタイヤの一例として、ORタイヤ(Off the Road Tire)と呼ばれる建設車両用タイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面は、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面として定義される。また、タイヤ赤道面CLは、JATMAに規定されたタイヤ断面幅の測定点の中点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面として定義される。また、タイヤ幅方向は、タイヤ回転軸に平行な方向として定義され、タイヤ径方向は、タイヤ回転軸に垂直な方向として定義される。
空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールから成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上110[deg]以下のコード角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有する。また、カーカスコードのコード径が、1.5[mm]以上2.5[mm]以下の範囲にある。
ベルト層14は、複数のベルトプライ141~145を積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。特に、ORタイヤでは、4~8枚(図1では5枚)のベルトプライが積層されて、ベルト層14が構成される。また、ベルトプライ141~145が、スチールコードをコートゴムで被覆して圧延加工して成る。また、各ベルトプライ141~145が、隣り合うベルトプライに対して異符号のコード角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有し、ベルトコードの傾斜方向を交互に反転させて積層される。これにより、クロスプライ構造が形成されて、ベルト層14の構造強度が高められている。また、ベルトコードの外径が、1.5[mm]以上2.5[mm]以下の範囲にある。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側からタイヤ幅方向外側に延在して、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、一例として、港湾ストラドルキャリア用ラジアルタイヤのトレッド面を示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。なお、図2では、後述する第一センター細溝321よりも深い溝深さを有する細溝部に、ハッチングが付されている。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝2、2と、これらの周方向主溝2、2に区画されて成る一対のショルダー陸部31、31および単一のセンター陸部32とをトレッド面に備える。
主溝は、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、20[mm]以上の溝幅および40[mm]以上の溝深さを有する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における対向する溝壁間の距離として測定される。切欠部あるいは面取部を溝開口部に有する構成では、溝幅方向かつ溝深さ方向に平行な断面視におけるトレッド踏面の延長線と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離として測定される。また、部分的な底上部、サイプあるいは凹凸部を溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が規定内圧での最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CL上に中心点をもつ点対称なトレッドパターンを有している。また、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域が単一の周方向主溝2、2をそれぞれ有している。また、これらの周方向主溝2、2が、ストレート形状を有し、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、これらの周方向主溝2、2により、一対のショルダー陸部31、31および単一のセンター陸部32が区画されている。また、センター陸部32が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
また、周方向主溝2の溝幅Wgが、タイヤ接地幅TWに対して0.05≦Wg/TW≦0.10の範囲にあることが好ましい。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
また、図2において、ショルダー陸部31の最大接地幅Wb1が、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の範囲にあり、0.30≦Wb1/TW≦0.38の範囲にあることがより好ましい。また、センター陸部32の最大接地幅Wb2が、タイヤ接地幅TWに対して0.10≦Wb2/TW≦0.40の範囲にあることが好ましく、0.15≦Wb2/TW≦0.30の範囲にあることがより好ましい。
陸部の接地幅Wb1、Wb2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときの陸部と平板との接触面におけるタイヤ軸方向の直線距離として測定される。
図1において、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与した時のトレッドプロファイルの肩落ち量Dtが、タイヤ断面高さSHに対して0.025≦Dt/SH≦0.070の関係を有することが好ましく、0.035≦Dt/SH≦0.060の関係を有することがより好ましい。
プロファイルは、タイヤ子午線方向の断面視における輪郭線であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にてレーザープロファイラを用いて計測される。レーザープロファイラとしては、例えば、タイヤプロファイル測定装置(株式会社マツオ製)が使用される。
肩落ち量Dtは、タイヤ赤道面CLおよびタイヤ接地端Tにおけるトレッドプロファイルのタイヤ径方向の径差として定義される。
タイヤ断面高さSHは、タイヤ外径とリム径との差の1/2の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
また、タイヤを規定リムに装着して0[kPa]の内圧を付与した時のトレッドプロファイルの肩落ち量Dt’が、タイヤ断面高さSH’に対して0.030≦Dt’/SH’≦0.070の関係を有することが好ましく、0.040≦Dt’/SH’≦0.065の関係を有することがより好ましい。0[kPa]の内圧を付与した時のトレッドプロファイルは、タイヤ成形金型の形状に相当する。
また、図1において、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゴム15のゲージGtr1が、ベルト層14の最外層(図1では、第二保護ベルト144)の端部位置におけるトレッドゴム15のゲージGtr2に対して0.90≦Gtr1/Gtr2≦1.35の関係を有することが好ましく、1.00≦Gtr1/Gtr2≦1.25の関係を有することがより好ましい。また、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゴム15のゲージGtr1が、65[mm]≦Gtr1≦90[mm]の範囲にある。
トレッドゴムのゲージは、タイヤ子午線方向の断面視にて、トレッドプロファイルからベルト層の最外層のベルトコード面に下ろした垂線の長さとして測定される。ベルトコード面は、ベルトプライを構成する複数のベルトコードのタイヤ径方向外側の端部を接続した面として定義される。
[センター陸部]
図3は、図2に記載した空気入りタイヤのセンター陸部を示す拡大図である。図4および図5は、図3に記載したセンター陸部32のA視断面図(図4)およびB視断面図(図5)である。これらの図は、後述する第一センター細溝321(図4)および第二センター細溝322(図5)に沿った溝深さ方向の断面図を示している。
図2に示すように、センター陸部32は、複数の第一センター細溝321と、複数の第二センター細溝322とを備える。
第一センター細溝321は、センター陸部32をタイヤ幅方向に貫通して、センター陸部32の左右のエッジ部に開口する。また、複数の第一センター細溝321が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。かかる構成では、第一センター細溝321の冷却作用により、タイヤの耐発熱性能が向上する。
また、図2の構成では、第一センター細溝321が、直線形状を有している。しかし、これに限らず、第一センター細溝321が、緩やかに湾曲した円弧形状あるいはS字形状を有しても良い(図示省略)。
また、図3において、第一センター細溝321の溝幅W21が、2.5[mm]≦W21≦7.5[mm]の範囲にあることが好ましく、4.0[mm]≦W21≦6.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。また、図3に示すように、第一センター細溝321が、略一定の溝幅を有することが好ましい。具体的には、第一センター細溝321の溝幅W21の最大値W21_maxと最小値W21_minとの比が、1.00≦W21_max/W21_min≦1.10の範囲にあることが好ましい。
また、図3に示すように、第一センター細溝321がタイヤ周方向に対して傾斜しつつタイヤ幅方向に延在する。また、第一センター細溝321の傾斜角θ21が、65[deg]≦θ21≦88[deg]の範囲にあることが好ましく、75[deg]≦θ21≦85[deg]の範囲にあることがより好ましい。
第一センター細溝321の傾斜角θ21は、第一センター細溝321の左右の開口部を通る仮想直線とタイヤ周方向とのなす角として測定される。
また、図3において、第一センター細溝321のピッチ長P21が、センター陸部32の接地幅Wb2に対して0.75≦P21/Wb2≦1.00の範囲にあることが好ましく、0.85≦P21/Wb2≦0.90の範囲にあることがより好ましい。
また、図4において、第一センター細溝321の溝深さH21が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H21/Hg≦0.150の範囲にあることが好ましく、0.040≦H21/Hg≦0.060の範囲にあることがより好ましい。また、第一センター細溝321の溝深さH21が、H21≦5.0[mm]の範囲にあることが好ましい。したがって、第一センター細溝321の溝深さH21が周方向主溝2の最大溝深さHgに対して非常に浅く設定される。
上記の構成では、非常に浅い溝深さH21をもつ第一センター細溝321が、タイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、センター陸部32におけるタイヤ新品時からの摩耗進行が均一化される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
第二センター細溝322は、2以上の屈曲点をもつ屈曲形状を有し、タイヤ幅方向に延在して少なくとも一方の端部にて周方向主溝2に開口する。また、複数の第二センター細溝322が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。
図2の構成では、第二センター細溝322が、2つの屈曲点を有するステップ形状を有している。かかる構成では、タイヤ接地時にて、第二センター細溝322の溝壁が噛み合うことにより、センター陸部32の剛性が確保される。しかし、これに限らず、第二センター細溝322が、2つの変曲点を有するS字形状を有しても良い(図示省略)。
また、センター陸部32内における第二センター細溝322のペリフェリ長さL22(図示省略)が、センター陸部32の接地幅Wb2に対して1.20≦L22/Wb2≦1.80の範囲にあることが好ましく、1.40≦L22/Wb2≦1.60の範囲にあることがより好ましい。ペリフェリ長さは、第二センター細溝322に沿った溝長さとして測定される。
また、図2の構成では、第一センター細溝321と第二センター細溝322とが、タイヤ周方向に交互に配置されている。しかし、これに限らず、複数の第一センター細溝321が、隣り合う第二センター細溝322の間に配置されても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、第一および第二のセンター細溝321、322がセンター陸部32をタイヤ幅方向に貫通することにより、センター陸部32がタイヤ周方向に区画されている。また、第一および第二のセンター細溝321、322が相互に離間して配置されることにより、第一および第二のセンター細溝321、322に区画された各領域がタイヤ幅方向に連続した踏面を有している。かかる構成では、センター陸部32の剛性が増加して、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。また、相互に異なる最大深さH21、H22(後述する図4および図5)をもつ2種類の第一および第二のセンター細溝321、322がタイヤ周方向に配置されるので、浅溝(321)を備えずに深溝(322)のみが配置される構成と比較して、センター陸部32の剛性を維持しつつタイヤの耐発熱性を向上できる。
また、図3において、第二センター細溝322の溝幅W22が、2.5[mm]≦W22≦7.5[mm]の範囲にあることが好ましく、4.0[mm]≦W22≦6.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。また、図3に示すように、第二センター細溝322が、屈曲点を除外した領域にて、略一定の溝幅を有することが好ましい。具体的には、上記領域における第二センター細溝322の溝幅W22の最大値W22_maxと最小値W22_minとの比が、1.00≦W22_max/W22_min≦1.10の範囲にあることが好ましい。また、図3の構成では、第二センター細溝322が屈曲点を含む全域に渡って一定の溝幅を有するが、これに限らず、第二センター細溝322の溝幅が屈曲点にて拡幅されても良い(図示省略)。これにより、屈曲点を起点とするクラックの発生が抑制される。
また、図3に示すように、第二センター細溝322がタイヤ周方向に対して傾斜しつつタイヤ幅方向に延在する。また、第一センター細溝321のタイヤ周方向に対する傾斜方向が、第二センター細溝322の傾斜方向に対して逆方向である。また、センター陸部32の中央部30[%]の領域(第二センター細溝322のタイヤ幅方向への延在長さの一方の測定点から35[%]以上65[%]以下の領域として定義される。)における第二センター細溝322の傾斜角θ22が、20[deg]≦θ22≦80[deg]の範囲にあることが好ましく、45[deg]≦θ22≦65[deg]の範囲にあることがより好ましい。
また、図3に示すように、周方向主溝2に対する第一センター細溝321の開口部と第二センター細溝322の開口部とのタイヤ周方向の距離Deが、第一センター細溝321のピッチ長P21に対して0.30≦De/P21≦0.70の範囲にあることが好ましく、0.35≦De/P21≦0.65の範囲にあることがより好ましい。
また、図3に示すように、第二センター細溝322が周方向主溝2に対して略直交して開口する。具体的には、周方向主溝2に対する第二センター細溝322の開口部における溝中心線のタイヤ周方向に対する傾斜角(図示省略)が、70[deg]以上110[deg]以下の範囲にあることが好ましく、80[deg]以上100[deg]以下の範囲にあることがより好ましい。これにより、第二センター細溝322の開口部における局所的なブロック剛性の低下が抑制される。
また、図5において、第二センター細溝322の溝深さH22が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.50≦H22/Hg≦0.90の範囲にあることが好ましく、0.70≦H22/Hg≦0.85の範囲にあることがより好ましい。また、第二センター細溝322の溝深さH22が、35[mm]≦H22の範囲にあることが好ましい。したがって、第二センター細溝322の溝深さH22が、上記した第一センター細溝321の溝深さH21よりも深く設定される。
また、図3および図5に示すように、第二センター細溝322が、周方向主溝2、2に対する開口部のそれぞれに、底上部3221、3221を有する。また、トレッド踏面から第二センター細溝322の底上部3221の頂面までの距離H22’(図5参照)が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H22’/Hg≦0.150の範囲にあることが好ましく、0.040≦H22’/Hg≦0.060の範囲にあることがより好ましい。また、底上部3221の距離H22’が、H22’≦5.0[mm]の範囲にあることが好ましい。したがって、底上部3221の距離H22’が周方向主溝2の最大溝深さHgに対して非常に浅く設定される。
距離H22’は、第二センター細溝322の最小溝深さに相当し、トレッド踏面から第二センター細溝322の底上部3221の頂面までの距離の最小値として測定される。
また、図3において、第二センター細溝322の底上部3221のタイヤ幅方向への延在長さL22’が、センター陸部32の接地幅Wb2に対して0.20≦L22’/Wb2≦0.35の範囲にあることが好ましい。
底上部3221の延在長さL22’は、底上部3221の距離H22’が上記比H22’/Hgの条件を満たす領域にて測定される。
また、図3の構成では、第二センター細溝322が、ステップ形状を有し、その両端部にて左右の周方向主溝2、2に対して直交して開口している。そして、第二センター細溝322が、そのステップ形状の左右の直線部に底上部3221をそれぞれ有している。これにより、周方向主溝2に対する第二センター細溝322の開口部が底上部3221により補強されて、センター陸部32の剛性が確保されている。
[ショルダー陸部]
図2に示すように、ショルダー陸部31は、複数の第一ショルダー細溝311と、複数の第二ショルダー細溝312とを備える。
第一ショルダー細溝311は、ショルダー陸部31をタイヤ幅方向に貫通して、ショルダー陸部31の周方向主溝2側のエッジ部およびタイヤ接地端Tに開口する。また、複数の第一ショルダー細溝311が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。また、図2の構成では、第一ショルダー細溝311が、直線形状を有している。しかし、これに限らず、第一ショルダー細溝311が、緩やかに湾曲した円弧形状あるいはS字形状を有しても良い(図示省略)。
また、第一ショルダー細溝311の溝幅W11(図中の寸法記号省略)が、2.5[mm]≦W11≦7.5[mm]の範囲にある。また、第一ショルダー細溝311の傾斜角θ11(図中の寸法記号省略)が、65[deg]≦θ11≦90[deg]の範囲にある。第一ショルダー細溝311の溝深さH11(図中の寸法記号省略)が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H11/Hg≦0.150の範囲にある。また、第一ショルダー細溝311の溝幅W11、傾斜角θ11および溝深さH11が、第一センター細溝321の溝幅W21、傾斜角θ21および溝深さH21に対して同一であることが好ましい。
また、図2の構成では、左右のショルダー陸部31、31の第一ショルダー細溝311が、第一センター細溝321の延長線上に配置されている。このため、すべての陸部31、32の第一ショルダー細溝311および第一センター細溝321が同一直線上に配置されて、タイヤ接地領域の全体を横断する長尺な細浅溝(311、321)が形成されている。これにより、第一ショルダー細溝311および第一センター細溝321によるトレッド踏面の冷却作用が高まり、タイヤの耐発熱性が向上する。
第二ショルダー細溝312は、図2に示すように、屈曲形状あるいは湾曲形状を有し、ショルダー陸部31をタイヤ幅方向に貫通して、ショルダー陸部31の周方向主溝2側のエッジ部およびタイヤ接地端Tに開口する。また、複数の第二ショルダー細溝312が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。また、図2の構成では、第二ショルダー細溝312が、2つの屈曲点を有するステップ形状を有している。しかし、これに限らず、第二ショルダー細溝312が、2つの変曲点を有するS字形状を有しても良い(図示省略)。
また、第二ショルダー細溝312の溝幅W12(図中の寸法記号省略)が、2.5[mm]≦W12≦7.5[mm]の範囲にある。また、第二ショルダー細溝312の最大溝深さH12(図中の寸法記号省略)が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H12/Hg≦0.150の範囲にある。また、ショルダー陸部31の第二ショルダー細溝312の溝幅W12および最大溝深さH12が、センター陸部32の第一センター細溝321の溝幅W21および溝深さH21に対して同一であることが好ましい。
また、第二ショルダー細溝312がタイヤ周方向に対して傾斜しつつタイヤ幅方向に延在する。また、第一ショルダー細溝311のタイヤ周方向に対する傾斜方向が、第二ショルダー細溝312の傾斜方向に対して逆方向である。また、ショルダー陸部31の中央部30[%]の領域における第二ショルダー細溝312の傾斜角θ12(図中の寸法記号省略)が、20[deg]≦θ12≦80[deg]の範囲にあることが好ましく、35[deg]≦θ12≦65[deg]の範囲にあることがより好ましい。
[変形例]
図6~図8は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図において、図2に記載した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2の構成では、上記のように、ショルダー陸部31およびセンター陸部32が、複数のショルダー細溝311、312およびセンター細溝321、322を備えている。かかる構成では、ショルダー細溝311、312およびセンター細溝321、322により、トレッド踏面が効果的に冷却されて、タイヤの耐発熱性が向上する点で好ましい。
しかし、これに限らず、図6に示すように、ショルダー細溝311、312が省略されても良い。図6の構成では、ショルダー陸部31が溝を有しておらず、タイヤ周方向に連続した踏面を有している。また、図7に示すように、センター細溝321、322が省略されても良い。図7の構成では、センター陸部32が溝を有しておらず、タイヤ周方向に連続した踏面を有している。また、図6の構成において、ショルダー細溝311、312およびセンター細溝321、322のうちの一部の細溝のみが省略されても良い(図示省略)。これらの構成としても、細溝によるトレッド面の冷却効果が得られる。
また、上記に限らず、図8に示すように、ショルダー細溝311、312およびセンター細溝321、322のすべてが省略されても良い。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝2、2と、周方向主溝2、2に区画されて成る一対のショルダー陸部31、31および単一のセンター陸部32とを備える(図2参照)。また、一対のショルダー陸部31、31の接地幅Wb1のそれぞれが、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の関係を有する。
かかる構成では、(1)単一のセンター陸部32が配置されることにより、トレッド部の剛性が高まり、車両の横揺れが低減される。これにより、横揺れに起因する偏摩耗が抑制されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、(2)一対のショルダー陸部31、31の接地幅Wb1が適正化される利点がある。具体的に、上記下限により、ショルダー陸部31の接地幅Wb1が確保されて、車両の横揺れの抑制作用が適正に確保される。また、上記上限により、センター陸部31の配置領域が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、一対の周方向主溝2が、ストレート形状を有する(図2参照)。また、周方向主溝2の溝幅Wgが、タイヤ接地幅TWに対して0.05≦Wg/TW≦0.10の範囲にある。かかる構成では、周方向主溝2がストレート形状を有するので、トレッド踏面の冷却作用が高まり、タイヤの耐発熱性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、一対の周方向主溝2、2、が、20[mm]以上の溝幅Wg(図2参照)および40[mm]以上の溝深さHg(図4参照)を有する。これにより、周方向主溝2の溝幅Wgおよび溝深さHgが確保されて、周方向主溝2による放熱作用が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、一対のビードコア11、11と、ビードコア11、11に架け渡されたカーカス層13と、カーカス層13の外周に配置されたベルト層14とを備える(図1参照)。また、ベルト層14が、スチールコードをコートゴムで被覆して成る4枚以上のベルトプライ141~145を積層して成る。また、スチールコードの外径が1.5[mm]以上2.5[mm]以下の範囲にある。これにより、ベルトプライ141~145のコード径が適正化されて、トレッド部の構造強度が適正化される。これにより、幅広なショルダー陸部31による車両の横揺れの低減作用が効率的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与した時のトレッドプロファイルの肩落ち量Dtが、タイヤ断面高さSHに対して0.025≦Dt/SH≦0.070の関係を有する(図1参照)。かかる構成では、トレッドプロファイルの肩落ち量Dtが適正化されることにより、ショルダー陸部31の接地状態が適正化される。これにより、幅広なショルダー陸部31による車両の横揺れの低減作用が効率的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゴム15のゲージGtr1が、ベルト層14の最外層145の端部位置におけるトレッドゴム15のゲージGtr2に対して0.90≦Gtr1/Gtr2≦1.35の関係を有する(図1参照)。かかる構成では、所定位置におけるトレッドゴム15のゲージ比Gtr1/Gtr2が適正化されて、幅広なショルダー陸部31による車両の横揺れの低減作用が効率的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部31が、ショルダー陸部31をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー細溝311、312を備える(図2参照)。また、ショルダー細溝311、312の溝深さと周方向主溝2、2の最大溝深さとの比が、0.025以上0.150以下の範囲にある。かかる構成では、(1)ショルダー陸部31が周方向主溝2に開口するショルダー細溝311、312を備えるので、これらのショルダー細溝311、312の放熱作用により、タイヤの耐発熱性能が向上する利点がある。また、(2)非常に浅い溝深さをもつショルダー細溝311、312が、タイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、ショルダー陸部31におけるタイヤ新品時からの摩耗進行が均一化される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点があり、また、その結果として、タイヤの耐横揺れ性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、これにより、ショルダー細溝311、312の溝幅および溝深さが適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー細溝311、312の溝幅の最大値と最小値との比が、1.00以上1.10以下の範囲にある。かかる構成では、ショルダー細溝311、312が略一定の溝幅を有するので、ショルダー陸部31の剛性が均一化されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー細溝311、312のうちの第一ショルダー細溝311のタイヤ周方向に対する傾斜方向が、第二ショルダー細溝312の傾斜方向に対して逆方向である(図2参照)。
また、この空気入りタイヤ1では、センター陸部32が、センター陸部32をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された第一および第二のセンター細溝321、322を備える(図2参照)。また、第一センター細溝321の溝深さH21が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H21/Hg≦0.150の範囲にある(図4参照)。また、第二センター細溝322の溝深さH22が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.50≦H22/Hg≦0.90の範囲にある(図5参照)。かかる構成では、センター陸部32が周方向主溝2に開口する第一および第二のセンター細溝321、322を備えるので、これらの第一および第二のセンター細溝321、322の放熱作用により、タイヤの耐発熱性能が向上する利点がある。また、第二センター細溝322の溝深さH22が第一センター細溝321の溝深さH21と比較して深いので、第二センター細溝322の放熱作用により、タイヤの耐発熱性能が効果的に向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第一および第二のセンター細溝321、322が、2.5[mm]以上の溝幅W21、W22(図3参照)および5.0[mm]以下の最大溝深さH21、H22(図4および図5参照)を有する。これにより、センター細溝321、322の溝幅および溝深さが適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第一および第二のセンター細溝321、322の溝幅W21、W22(図3参照)の最大値W21_max、W22_maxと最小値W21_min、W22_minとの比が、1.00以上1.10以下の範囲にある。かかる構成では、第一および第二のセンター細溝321、322が略一定の溝幅を有するので、センター陸部32の剛性が均一化されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第二センター細溝322が、周方向主溝2に対する開口部に底上部3221を有する(図3および図5参照)。また、トレッド踏面から第二センター細溝322の底上部3221の頂面までの距離H22’が、周方向主溝2の最大溝深さHgに対して0.025≦H22’/Hg≦0.150の範囲にある(図5参照)。かかる構成では、センター陸部32の剛性が底上部3221により確保されて、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、上記下限により、第二センター細溝322による陸部の冷却作用が確保される利点がある。また、上記上限により、底上部3221による陸部の剛性の補強作用が確保される利点がある。
[適用対象]
また、この空気入りタイヤ1は、建設車両用タイヤであり、特に、港湾ストラドルキャリアに装着される建設車両用タイヤであることが好ましい。かかる建設車両用タイヤを適用対象とすることにより、タイヤの耐偏摩耗性能および耐発熱性能の向上作用を効果的に得られる利点がある。
図9および図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)耐発熱性能および(2)耐偏摩耗性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ1600R25の試験タイヤがリムサイズ25×11.25-2.0のリムに組み付けられ、この試験タイヤに1000[kPa]の内圧およびJATMAの規定荷重の85[%]が付与される。
(1)耐発熱性能に関する評価では、室内ドラム試験機が用いられ、速度25[km/h]にて4時間走行した後のタイヤの発熱量が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。また、評価が90以上であれば、耐偏摩耗性能が適正に確保されているといえる。
(2)耐偏摩耗性能に関する評価では、試験タイヤが、試験車両である港湾ストラドルキャリアの総輪に装着される。そして、試験車両が舗装路を速度25[km/h]にて3000時間走行した後のタイヤの偏摩耗が観察される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。また、評価が90以上であれば、耐偏摩耗性能が適正に確保されているといえる。
実施例の試験タイヤは、図2の構成を備え、ストレート形状を有する一対の周方向主溝2、2と、一対のショルダー陸部31、31および単一のセンター陸部32とを備える。また、ショルダー陸部31およびセンター陸部32が、陸部を貫通する複数のショルダー細溝311、312およびセンター細溝321、322をそれぞれ有する。また、タイヤ接地幅TWが360[mm]であり、周方向主溝2の溝深さHgが50[mm]である。
従来例の試験タイヤは、実施例1の試験タイヤにおいて、ショルダー陸部およびセンター陸部が細浅溝を備えておらず、プレーンな踏面を有する。
試験結果が示すように、実施例の試験タイヤでは、タイヤの耐偏摩耗性能および耐発熱が両立することが分かる。
1 空気入りタイヤ;2 周方向主溝;11 ビードコア;12 ビードフィラー;13 カーカス層;14 ベルト層;141~145 ベルトプライ;15 トレッドゴム;16 サイドウォールゴム;17 リムクッションゴム;31 ショルダー陸部;32 センター陸部;311 第一ショルダー細溝;312 第二ショルダー細溝;321 第一センター細溝;322 第二センター細溝;3221 底上部;323 周方向細溝;3231 底上部

Claims (15)

  1. タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および単一のセンター陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    前記一対のショルダー陸部の接地幅Wb1のそれぞれが、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の関係を有し、且つ、
    前記ショルダー陸部が、前記ショルダー陸部をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー細溝を備え、且つ、前記ショルダー細溝の溝深さと前記周方向主溝の最大溝深さとの比が、0.025以上0.150以下の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一対の周方向主溝が、ストレート形状を有し、且つ、前記周方向主溝の溝幅Wgが、タイヤ接地幅TWに対して0.05≦Wg/TW≦0.10の範囲にある請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記一対の周方向主溝が、20[mm]以上の溝幅および40[mm]以上の溝深さを有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 一対のビードコアと、前記ビードコアに架け渡されたカーカス層と、前記カーカス層の外周に配置されたベルト層とを備え、
    前記ベルト層が、スチールコードをコートゴムで被覆して成る4枚以上のベルトプライを積層して成り、且つ、
    前記スチールコードの外径が1.5[mm]以上2.5[mm]以下の範囲にある請求項1~3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与した時のトレッドプロファイルの肩落ち量Dtが、タイヤ断面高さSHに対して0.025≦Dt/SH≦0.070の関係を有する請求項1~4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 一対のビードコアと、前記ビードコアに架け渡されたカーカス層と、前記カーカス層の外周に配置されたベルト層と、前記カーカス層および前記ベルト層のタイヤ径方向外周に配置されたトレッドゴムとを備え、タイヤ赤道面における前記トレッドゴムのゲージGtr1が、前記ベルト層の最外層の端部位置における前記トレッドゴムのゲージGtr2に対して0.90≦Gtr1/Gtr2≦1.35の関係を有する請求項1~5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ショルダー細溝が、2.5[mm]以上の溝幅および5.0[mm]以下の最大溝深さを有する請求項1~6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ショルダー細溝の溝幅の最大値と最小値との比が、1.00以上1.10以下の範囲にある請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ショルダー細溝のうちの第一ショルダー細溝のタイヤ周方向に対する傾斜方向が、第二ショルダー細溝の傾斜方向に対して逆方向である請求項7~のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記センター陸部が、前記センター陸部をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された第一および第二のセンター細溝を備え、
    前記第一センター細溝の溝深さH21が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.025≦H21/Hg≦0.150の範囲にあり、且つ、
    前記第二センター細溝の溝深さH22が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.50≦H22/Hg≦0.90の範囲にある請求項1~のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記第一および第二のセンター細溝が、2.5[mm]以上の溝幅および5.0[mm]以下の最大溝深さを有する請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記第一および第二のセンター細溝の溝幅の最大値と最小値との比が、1.00以上1.10以下の範囲にある請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記第二センター細溝が、前記周方向主溝に対する開口部に底上部を有し、且つ、
    トレッド踏面から前記第二センター細溝の前記底上部の頂面までの距離H22’が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.025≦H22’/Hg≦0.150の範囲にある請求項11~12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 建設車両用タイヤである請求項1~13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. タイヤ周方向に延在する一対の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および単一のセンター陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    前記一対のショルダー陸部の接地幅Wb1のそれぞれが、タイヤ接地幅TWに対して0.27≦Wb1/TW≦0.40の関係を有し、
    前記センター陸部が、前記センター陸部をタイヤ幅方向に貫通すると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された第一および第二のセンター細溝を備え、前記第一センター細溝の溝深さH21が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.025≦H21/Hg≦0.150の範囲にあり、且つ、前記第二センター細溝の溝深さH22が、前記周方向主溝の最大溝深さHgに対して0.50≦H22/Hg≦0.90の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
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