JP7379864B2 - 気体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気体処理装置に関し、特にVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)を含む被処理気体を処理するための気体処理装置に関する。
近年、地球環境や人体に影響を及ぼす可能性があるガスが問題化されており、自動車や工場などにおける排ガスに対しては、一定の規制が設けられている。また、屋内においても、実験設備や医療現場など、特定の薬剤を利用する可能性がある場所においては、VOCの排出規制が設けられているところが多い。
下記特許文献1には、VOCを含む空気に対して紫外線を照射することで、被処理気体を処理する気体処理装置が開示されている。図11は、特許文献1に開示されている気体処理装置の構造を模式的に示す図面である。図11に図示されるように、気体処理装置100は、VOCを含む処理対象の空気G100が通流する流路101と、流路内に配置された紫外線光源102と、粒子捕集フィルタ103と、オゾン分解フィルタ104とを備える。
特許文献1によれば、以下の記載が認められる。流路101内を通流するVOCを含む処理対象の空気G100に対して、紫外線光源102から波長185nmの紫外線L102が照射されると、空気G100に含まれる酸素(O2)からオゾン(O3)が生成される。このオゾンより、VOCの化学反応が促進されて、二次生成粒子が生成される。この二次生成粒子は、紫外線光源102よりも下流側に配置された粒子捕集フィルタ103によって除去される。また、紫外線L102の照射によって生成されたオゾンは、紫外線光源102よりも下流側に配置されたオゾン分解フィルタ104によって除去される。これにより、両フィルタ(103,104)を通過した処理済の空気G101は、VOCが除去された空気となる。
なお、特許文献1には、VOCの例として、トルエン、キシレン、及び酢酸エチルが挙げられている。
特開2018-89106号公報
VOCに属する物質には、ホルムアルデヒドのように、紫外線が照射されても粒子化しにくく、またオゾンによっても分解しにくい物質が存在する。このため、特許文献1に記載された気体処理装置100では、処理対象の空気G100に例えばホルムアルデヒドが含まれている場合には、ホルムアルデヒドを充分に除去することができない。従って、ホルムアルデヒドが充分に除去されていない処理済の空気G101が気体処理装置100から排気されることになり、好ましくない。
ここで本発明者は、図11に示す気体処理装置100において、紫外線光源102をキセノンエキシマランプで構成して、より短波長の紫外線L102を処理対象の空気G100に対して照射させることで、オゾンよりも反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)を生成してホルムアルデヒドを分解する方法を検討した。しかし、かかる方法によれば、空気G100に対する処理を行うに連れて、紫外線光源102としてのエキシマランプの発光管(管体)の管壁に汚れが付着し、紫外線L102の照度が低下することを見出した。このような現象が生じると、ラジカルの生成能力が低下するため、VOCの分解能力が低下してしまい、好ましくない。
本発明は、上記の課題に鑑み、空気にVOCが混在してなる被処理気体を通流させて前記被処理気体に対する処理を行う気体処理装置であって、オゾンによって分解しづらい物質が含まれている場合であっても処理が可能であり、且つ、経時的に処理能力が低下しにくい気体処理装置を実現することを目的とする。
本発明は、処理空間内に、空気にVOCが混在してなる被処理気体を通流させて前記被処理気体に対する処理を行う気体処理装置であって、
前記被処理気体を前記処理空間内に導入する吸気口と、
前記処理空間内で処理された前記被処理気体を排気する排気口と、
前記処理空間内に配置され、VOCに属する第一物質を気体の性状で吸着可能に構成された、第一フィルタと、
前記処理空間内において前記第一フィルタよりも前記排気口側に配置され、前記第一フィルタを通過した前記被処理気体に対して紫外線を照射することで、VOCに属する第二物質を分解可能なエキシマランプとを備え、
前記第一物質は、前記第二物質と比較して、気体の性状での前記第一フィルタに対する吸着性能が高く、且つ、前記紫外線が照射されることによるエアロゾル生成能が高い物質であることを特徴とする。
本明細書内において、「エアロゾル生成能」とは、単位VOC消費量あたりの、二次生成エアロゾル(Secondary Organic Aerosols:SOA)の生成量として定義され、VOCを構成する物質別のSOAの生成しやすさを示す指標として用いられる。より詳細には、以下の(1)式で定義されるY値で定義される。ただし、(1)式において、M0はエアロゾル濃度[μg/m3]であり、ΔVOCは、反応(光化学反応)によって消費されたVOCの量[ppb]である。
Y = M0 / ΔVOC ‥‥(1)
上記構成によれば、処理空間内のエキシマランプよりも吸気口側、すなわち上流側の位置に、第一フィルタが配置されている。このため、VOCに属する第一物質と第二物質とが空気に混在されている気体が、被処理気体として吸気口から処理空間内に導入されると、この被処理気体は、エキシマランプからの紫外線が照射される前に第一フィルタを通過する。この結果、第一フィルタによって被処理気体に含まれる第一物質が吸着され、第一物質の含有濃度が大きく低下した状態の被処理気体に対してエキシマランプからの紫外線が照射される。
よって、第一物質が、紫外線が照射されることでエアロゾル生成能の高い物質であっても、被処理気体がエキシマランプの近傍を通過する際には第一物質がすでに除去されている状態であるため、第一物質由来のエアロゾルが粒子化してエキシマランプの管体に付着するということが抑制される。
更に、第二物質が、第一フィルタによって吸着性能の低い物質である場合、第一フィルタを通過した被処理気体は、引き続き第二物質が混在した状態である。しかし、この被処理気体に対してエキシマランプからの紫外線が照射されるため、被処理気体に含まれる酸素が分解されることで生成されたラジカルによって、第二物質が分解される。この結果、第一物質及び第二物質の双方の含有濃度を低下させた状態で、排気口から空気を排気することができる。
そして、上述したように、第一物質由来のエアロゾルが粒子化してエキシマランプの発光管の管壁に付着することが抑制されるため、エキシマランプから照射される紫外線の照度が経時的に低下するということが起こりにくい。この結果、被処理気体に含まれるVOCの処理能力の経時的な低下が抑制される。
前記第一フィルタとしては、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等の多孔性吸着体を含むガス吸着フィルタで構成される。
前記第一物質は、フェニル基を含むか又は塩化アルキルに属する物質であり、
前記第二物質は、アルコール、ケトン、アルデヒド又はエポキシドに属する物質であるものとしても構わない。
例えば、
前記第一物質は、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、クロロホルム、及び四塩化炭素からなる群に含まれる1種以上の物質であり、
前記第二物質は、ホルムアルデヒド、エチレンオキサイド、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンからなる群に含まれる1種以上の物質であるものとしても構わない。
前記エキシマランプは、Xeを含む放電用ガスが封入され、前記被処理気体の流れる方向を長手方向とする発光管を有するものとしても構わない。
かかる構成によれば、エキシマランプから160nm以上200nm未満にピーク波長を有する紫外線が出射され、被処理気体に対して照射される。これにより、特に反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)の生成効率が高められるため、第二物質の分解能力に優れた気体処理装置が実現される。また、エキシマランプが、当該エキシマランプの発光管の長手方向が被処理気体の流れる方向に沿うような向きに、処理空間内に配置されることで、処理空間内を通流する被処理気体に対して、管体の長さ(より詳細には発光長)相当の距離を被処理気体が移動するのに要する時間にわたって紫外線を照射できる。これにより、被処理気体に対して充分な照射光量の紫外線を照射できるため、ヒドロキシラジカル(・OH)を初めとするラジカルを高濃度に生成して、第二物質の分解に寄与させることができる。
前記気体処理装置は、前記処理空間内において前記エキシマランプよりも前記排気口側に配置され、オゾンを分解可能な第二フィルタを備えるものとしても構わない。
被処理気体に対してエキシマランプからの紫外線が照射されると、ヒドロキシラジカル(・OH)などのラジカルと共にオゾン(O3)が生成される。このオゾンは、ラジカルよりは反応性が低いため、そのまま被処理気体に含有された状態で排気口から排気される可能性がある。ただし、オゾンは、人体に対して有害な物質であるため、含有濃度を低下させた状態で気体処理装置の外部に排気することが好ましい。
上記構成によれば、エキシマランプよりも排気口側、すなわちエキシマランプよりも下流側の位置に、第二フィルタが配置されている。このため、エキシマランプからの紫外線が被処理気体に対して照射されることで生成されたオゾンは、第二フィルタによって分解されるため、排気口からはオゾン含有濃度が低く、且つ、VOC含有濃度も低い空気が排気される。
第二フィルタとしては、アルミニウム、ステンレス、セラミックスなどの金属製のハニカム構造体からなる基材に触媒を担持した構造のものを採用することができる。触媒としては、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)などの貴金属触媒や、二酸化マンガン(MnO2)、酸化第二鉄(Fe23)、酸化ニッケル(NiO)など金属酸化物を利用することができる。
前記気体処理装置は、前記処理空間内において前記第一フィルタよりも前記吸気口側に配置され、前記被処理気体に含まれる粉塵を吸着可能な、耐オゾン性を有する第三フィルタを備えるものとしても構わない。
吸気口から導入された被処理気体には、元々、微粒子状の粉塵が混在している場合が想定される。処理空間内において、第一フィルタよりも吸気口側、すなわち上流側に第三フィルタを設けることで、第一フィルタの前段で粉塵を除去することができる。このような第三フィルタとしては、例えば中性能のエアフィルタが利用できる。中性能のエアフィルタとは、主に粒径0.5μm以上、5μm未満の粒子に対して中程度の粒子捕集率を示すフィルタであり、比色法により測定した捕集効率が50~95%未満であるフィルタである。
前記気体処理装置は、前記第二フィルタを通過した前記被処理気体の少なくとも一部を、前記第三フィルタと前記吸気口との間の位置に導入する循環用流路を備えるものとしても構わない。
ところで、上述したように、被処理気体としてのVOCを含む空気は、第一フィルタによってVOCの一種である第一物質が除去され、エキシマランプからの紫外線が照射されることによって生成されたラジカルでVOCの別の一種である第二物質が分解される。しかし、気体処理装置が設置される場所によっては、排気口から排気される空気に含まれるVOCの濃度を、一般的な環境基準によって設定される値よりも更に低下させたい場合があり得る。
上記の構成によれば、気体処理装置が循環用流路を備えているため、処理空間内でVOCの除去処理が実行された空気を、再び循環用流路を通じて第一フィルタ及びエキシマランプに導くことができる。このため、第一フィルタを複数回通過することで、空気中の第一物質を更に除去することができ、エキシマランプからの紫外線が複数回照射されることで、空気中の第二物質を更に除去することができる。
ここで、上述したように、エキシマランプからの紫外線が被処理気体としての空気に照射されると、ラジカルのみならずオゾンが生成される。エキシマランプの下流側には、このオゾンを分解するための第二フィルタが配置されているが、必ずしも被処理気体に混在する全てのオゾンが分解されず、一部のオゾンが第二フィルタを通過する可能性がある。特に、被処理気体の流速が速い場合などには、このような現象が生じやすい。
かかる場合、気体処理装置が循環用流路を備えていると、オゾンを含む被処理気体が前記第三フィルタに導かれる。このとき、第三フィルタが耐オゾン性を有しないエアフィルタで構成されていると、第三フィルタがオゾンによって破損し、エキシマランプの発光管の管壁に、第三フィルタの構成物質が付着するおそれがある。これに対し、上記の構成によれば、第三フィルタは耐オゾン性を有するため、オゾンによって破損することが防止される。
第三フィルタは、具体的には、ポリエステル繊維、フッ素繊維、ガラス繊維などからなる不織布状のフィルタで構成される。
前記気体処理装置は、前記処理空間内において、前記第一フィルタと前記エキシマランプとの間に配置され、前記被処理気体に含まれる粉塵を吸着可能な、耐オゾン性を有する第四フィルタを備えるものとしても構わない。
本発明によれば、被処理気体としてオゾンによって分解しづらいVOCに属する物質が含まれている場合であっても、処理が可能であり、且つ経時的に処理能力が低下しづらい気体処理装置が実現される。
気体処理装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。 発光空間内のエキシマランプの周辺のみを模式的に図示した図面である。 図2に示すエキシマランプを方向d1に直交する平面で切断したときの模式的な断面図である。 実施例及び比較例の気体処理装置におけるエキシマランプの管体表面での照度の経時的な変化を示すグラフである。 比較例の気体処理装置の構成を模式的に示す図面である。 気体処理装置の第二実施形態の構成を模式的に示す図面である。 別実施形態の気体処理装置の構成を模式的に示す図面である。 別実施形態の気体処理装置の構成を模式的に示す図面である。 別実施形態の気体処理装置が備えるエキシマランプを方向d1に直交する平面で切断したときの模式的な断面図である。 別実施形態の気体処理装置が備えるエキシマランプを方向d1に直交する平面で切断したときの模式的な断面図である。 従来の気体処理装置の構成を模式的に示す図面である。
本発明に係る気体処理装置の各実施形態につき、図面を適宜参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであって、図面上の寸法比は必ずしも実際の寸法比に一致していない。また、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
本発明に係る気体処理装置の第一実施形態について、以下において図面を適宜参照しながら説明する。
《構造》
図1は、気体処理装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。図1に示す気体処理装置1は、気体が通流する処理空間2を有し、この処理空間2内を通流する被処理気体G1に対して処理を行い、処理済気体G2として排気する装置である。
気体処理装置1は、被処理気体G1を処理空間2内に導入する吸気口6と、処理空間2で被処理気体G1に対して処理された後の気体(処理済気体G2)を排気する排気口7とを有する。
気体処理装置1は、空気にVOCが混在してなる被処理気体G1を処理する用途に利用される。ここで、VOCとは、揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称であり、ホルムアルデヒド、メタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、アセトン、エチレンオキサイド、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどを含む物質群の総称である。
例えば、実験設備や医療現場などでは、組織などがホルムアルデヒド溶液(ホルマリン)内に固定された状態で容器に保管される場合がある。かかる容器の蓋を開けると、ホルムアルデヒド溶液から揮発性の高いホルムアルデヒドが揮発することで、周辺の雰囲気にVOCの一種であるホルムアルデヒドが混在することが想定される。また、前記の組織保管用容器には、ホルムアルデヒド溶液に微量のメタノール等の他のVOC構成物質が添加されている場合がある。かかる場合には、容器の蓋を開けると、ホルムアルデヒドのみならず、他のVOC構成物質が混在することが想定される。
なお、実験設備や医療現場などでは、組織保管の用途に限られず、一般的に、ホルムアルデヒドやキシレンなどのVOC構成物質を含む薬剤が用いられる場合がある。図1では、このような容器や薬剤に代表されるVOC発生源を符号9で表している。以下では、「VOC発生源9」と記載される。
本実施形態において、処理空間2内には、第一フィルタ11、第二フィルタ12、エキシマランプ3、バルブ21、及びブロア22が備えられている。
気体処理装置1は、バルブ21及びブロア22を制御するための制御部5を有しており、制御部5からの制御信号i5に基づいて、バルブ21の開度制御、及びブロア22の運転制御が行われる。このバルブ21及びブロア22が制御されることで、被処理気体G1が処理空間2内を通流する流量及び流速が調整される。
なお、処理空間2内に対して被処理気体G1を通流させるか否かの制御のみを行う場合には、ブロア22は必ずしも不要であり、バルブ21のみが設けられていても構わない。また、バルブ21及びブロア22は、制御部5からの制御信号i5による制御ではなく、作業者による手動操作によって制御されても構わない。
また、図1では、バルブ21がブロア22に対して吸気口6に近い側、すなわち上流側に位置するように図示されているが、バルブ21とブロア22の配置位置の関係は任意である。
以下では、バルブ21及びブロア22の双方が処理空間2内に設けられているものとして説明する。
気体処理装置1は、処理空間2内に、第一フィルタ11、第二フィルタ12、及びエキシマランプ3を有する。図1に示すように、第一フィルタ11は、エキシマランプ3よりも吸気口6側、すなわち上流側に配置され、第二フィルタ12は、エキシマランプ3よりも排気口7側、すなわち下流側に配置される。
第一フィルタ11は、VOCに属する第一物質Z1を気体の性状で吸着可能に構成されたガス吸着フィルタであり、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等の多孔性吸着体を含んで構成される。この第一物質Z1としては、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼンなどのフェニル基を含む物質や、クロロホルム、四塩化炭素などの塩化アルキルに属する物質が挙げられる。
吸気口6から導入された被処理気体G1は、第一フィルタ11に導かれる。ここで、被処理気体G1にVOCに属する第一物質Z1が含まれていると、この第一フィルタ11によって第一物質Z1が吸着除去される。この結果、被処理気体G1に含まれる第一物質Z1の濃度が低下する。
一方、VOCに属する物質の中には、上記第一フィルタ11のようなガス吸着フィルタによる吸着性の低い物質や、ガス吸着フィルタに対して一度吸着されても後に離脱しやすい物質(以下、「第二物質Z2」と呼ぶ。)が存在する。この第二物質Z2としては、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド、エチレンオキサイドなどのエポキシド、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンが挙げられる。この第二物質Z2は、第一物質Z1と比較して、飽和蒸気圧が高く、親水性が高い。第二物質Z2が被処理気体G1に含まれている場合、第一フィルタ11を通過した後であっても、被処理気体G1内の第二物質Z2の含有濃度は依然として高い状態を示す。第一フィルタ11を通過した被処理気体G1は、第二物質Z2の含有濃度が引き続き高い状態のままでエキシマランプ3の配置位置近傍へと導かれる。
エキシマランプ3は、被処理気体G1の流れる方向d1を長手方向とする発光管30を有して構成される(図2参照)。図2は、処理空間2内のエキシマランプ3の周辺のみを模式的に図示した図面である。また、図3は、図2に示すエキシマランプ3を、方向d1に直交する平面で切断したときの模式的な断面図である。
本実施形態において、エキシマランプ3は、方向d1に沿って延伸する発光管30を有する。より詳細には、この発光管30は、円筒形状を呈し外側に位置する外側管30aと、外側管30aの内側において外側管30aと同軸上に配置されており、外側管30aよりも内径が小さい円筒形状を呈した内側管30bとを有する。いずれの発光管30(30a,30b)も、合成石英ガラスなどの誘電体からなる。
外側管30aと内側管30bとは方向d1に係る端部において封止されており(不図示)、両者の間には方向d1から見たときに円環形状を呈する発光空間が形成される。この発光空間内には、放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガス33Gが封入されている。放電用ガス33Gのより詳細な一例としては、キセノン(Xe)とネオン(Ne)を所定の比率(例えば3:7)で混在させたガスからなり、更に酸素や水素を微量に含むものとしても構わない。
本実施形態のエキシマランプ3は、外側管30aの外壁面上に配設された第一電極31と、内側管30bの内壁面上に配設された第二電極32とを有する。第一電極31は、メッシュ形状又は線形状を呈する。また、第二電極32は膜形状を呈する。なお、第二電極32についても、第一電極31と同様にメッシュ形状又は線形状であっても構わない。
なお、図2に示す例では、エキシマランプ3は、発光管30の方向d1に係る端部にベース部35を有する。このベース部35は、ステアタイト、フォルステライト、サイアロン、アルミナなどのセラミックス材料(無機材料)からなり、発光管30の端部を固定する機能を有している。ベース部35に設けられた孔部又はベース部35の外縁を通じて、各電極(31,32)に接続される不図示の給電線が配設されている。
エキシマランプ3においては、不図示の点灯電源から給電線を介して第一電極31と第二電極32との間に例えば50kHz~5MHz程度の高周波の交流電圧が印加されると、放電用ガス33Gに対して発光管30を介して前記電圧が印加される。このとき、放電用ガス33Gが充填されている放電空間内で放電プラズマが生じ、放電用ガス33Gの原子が励起されてエキシマ状態となり、この原子が基底状態に移行する際にエキシマ発光を生じる。放電用ガス33Gとして、上述したキセノン(Xe)を含むガスを用いた場合には、このエキシマ発光は、172nm近傍にピーク波長を有する紫外線L1(図2参照)となる。
なお、放電用ガス33Gとして利用する物質を異ならせることで、紫外線L1の波長を変えることができる。例えば、放電用ガス33Gとしては、ArBr(ピーク波長165nm近傍)、ArCl(ピーク波長175nm近傍)、F2(ピーク波長153nm近傍)などを利用することができる。ここでは、放電用ガス33GがXeを含むガスである場合について説明する。
なお、本明細書において、エキシマランプ3から出射される紫外線L1のピーク波長がλnm近傍であるとは、紫外線L1のピーク波長が(λ-2)nm以上、(λ+2nm)以下であることを意味する。
発光管30内(より詳細には発光空間内)で発生した紫外線L1が、発光管30の外側に出射することの妨げにならないよう、上述したように、第一電極31はメッシュ形状又は線形状を呈する。これにより、紫外線L1は、第一電極31の隙間を通じて発光管30の外側に出射される。
なお、エキシマランプ3の点灯電源についても、制御部5からの制御信号i5によって制御されるものとしても構わない。
処理空間2内を通流してきたVOCを含む被処理気体G1に対して、エキシマランプ3からの紫外線L1が照射されると、以下の(2)及び(3)式の反応を経て、反応性の高いO(1D)やヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。なお、下記式において、O(1D)は、励起状態のO原子を指し、O(3P)は基底状態のO原子を指す。また、hν(λ)は、波長λの光が吸収されていることを示す。
2 + hν(λ) → O(1D) + O(3P) ‥‥(2)
O(1D) + H2O → ・OH + ・OH ‥‥(3)
また、(2)式で生成されたO(3P)は、被処理気体G1に含まれる酸素(O2)と反応して、下記(4)式に従ってオゾン(O3)を生成する。
O(3P) + O2 → O3 ‥‥(4)
つまり、被処理気体G1に対して紫外線L1が照射されると、反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。よって、第一フィルタ11で除去されなかった第二物質Z2がヒドロキシラジカル(・OH)によって分解され、被処理気体G1内の第二物質Z2の含有濃度が低下する。なお、エキシマランプ3の近傍を通流する被処理気体G1内において、オゾン(O3)によって分解可能なVOCが含まれている場合には、上記(4)式で生成されたオゾン(O3)によって、当該VOCは分解される。
なお、図2を参照して上述したように、被処理気体G1は、発光管30の長手方向、すなわち管軸に沿って流れる。このため、被処理気体G1に対して発光管30(エキシマランプ3)から発せられた紫外線L1が照射される時間がある程度確保される。従って、気体処理装置1が有するエキシマランプ30が1本であっても、被処理気体G1に対して充分な光量の紫外線L1を照射させることができ、被処理気体G1に含まれるVOCを分解することができる。
第一物質Z1及び第二物質Z2の含有濃度の低下処理が施された被処理気体G1は、第二フィルタ12に導かれる。第二フィルタ12は、オゾンを分解可能なフィルタであり、アルミニウム、ステンレス、セラミックスなどの金属製のハニカム構造体からなる基材に触媒を担持した構造のものを採用することができる。触媒としては、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)などの貴金属触媒や、二酸化マンガン(MnO2)、酸化第二鉄(Fe23)、酸化ニッケル(NiO)など金属酸化物を利用することができる。
上述したように、エキシマランプ3からの紫外線L1が照射された後の被処理気体G1には、上記(4)式の反応によって生成されたオゾン(O3)が含まれている場合が想定される。しかし、本実施形態の気体処理装置1によれば、オゾンを分解可能な第二フィルタ12がエキシマランプ3よりも排気口7側、すなわち下流側に配置されているため、この第二フィルタ12によって、被処理気体G1に含まれるオゾンを分解できる。第二フィルタ12を通過した被処理気体G1は、処理済気体G2として排気口7から排気される。
《検証》
本実施形態の気体処理装置1の作用を説明するために、以下の検証を行った。
まず、被処理気体G1を導入する前のエキシマランプ3を、点灯電源の入力電力26.4Wで点灯させ、d1方向に係る中央の位置Aにおける発光管30の表面の照度を、照度計で測定した。
次に、VOCに属する第一物質Z1としてのキシレンを10ppm含む空気を被処理気体G1として、流量1000L/分で吸気口6から処理空間2内に導入しながら、所定の時間だけ処理した後、前記位置Aにおける照度を照度計で測定した。この照度の時間的な変化を図4に示す。
図4において、実施例1~3は、いずれも図1に示す気体処理装置1を用いて被処理気体G1に対する処理が行われたものであり、結果の再現性を示すために同一の条件で複数回実験を行ったものである。また、図4において、比較例1~3は、いずれも図5に示す気体処理装置40を用いて被処理気体G1に対する処理が行われたものであり、結果の再現性を示すために同一の条件で複数回実験を行ったものである。なお、図5に示す比較例1の気体処理装置40は、図1に示す実施例1の気体処理装置1から、第一フィルタ11を取り外した構成であり、他の要素は共通である。
図5によれば、比較例1~3の場合、処理時間の経過と共に発光管30の表面の照度が大きく低下していることが確認される。これに対し、実施例1~3によれば、連続的に被処理気体G1を処理しても、発光管30の表面の照度がほとんど低下していないことが確認される。
この理由について、本発明者は以下のように考察している。
VOCに属する第一物質Z1としてのキシレンは、エキシマランプ3からの紫外線L1が照射されると、二次生成エアロゾル(SOA)に変化しやすい。図5に示す比較例1の気体処理装置40によれば、キシレンを含んだ被処理気体G1がエキシマランプ3の近傍に導かれ、このエキシマランプ3からの紫外線L1が照射される。この結果、キシレンがSOAに変化して二次粒子化し、この粒子がエキシマランプ3の発光管30の壁面に付着することで、紫外線L1の照度が低下したものと考えられる。
これに対し、実施例1の気体処理装置1によれば、エキシマランプ3よりも上流側に、第一フィルタ11が設けられているため、被処理気体G1に含まれるキシレンは、この第一フィルタ11によって吸着・除去される。この結果、エキシマランプ3の近傍に導かれた被処理気体G1に含まれるキシレンの濃度が低下されているため、被処理気体G1に対して紫外線L1が照射されても、二次粒子化されるキシレンがほとんど存在しない。発光管30の壁面に二次粒子が付着しないことから紫外線L1の照度の低下が抑制されているものと考えられる。
なお、VOCに属する第一物質Z1としてのキシレンと第二物質Z2としてのホルムアルデヒドを含む空気を被処理気体G1として、実施例1の気体処理装置1及び比較例1の気体処理装置40の双方に導入して、上記と同様に処理を行ったところ、図4と同様に、比較例1の気体処理装置40については時間の経過と共に紫外線L1の照度が低下する一方、実施例1の気体処理装置1については紫外線L1の照度の低下が抑制されたことが確認された。
[第二実施形態]
本発明に係る気体処理装置の第二実施形態について、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図6に示す気体処理装置1は、第一実施形態と比較して、循環用流路8を備えている点が異なる。循環用流路8は、処理空間2内で処理された後の被処理気体G1(処理済気体G2)を、再び吸気口6に導入するための流路である。図6に示す例では、循環用流路8には制御部5からの制御信号i5に基づいて開度の制御が可能なバルブ8Aを備えており、このバルブ8Aの開度が調整されることで、処理済気体G2を循環用流路8に導くか否か、及び/又はその流量が調整される。
なお、図6には図示されていないが、本実施形態の気体処理装置1において、循環用流路8内に流量を調整するためのブロアが備えられていても構わない。
図6に示すように、本実施形態の気体処理装置1は、処理空間2内において、第一フィルタ11よりも吸気口6に近い側、すなわち上流側に第三フィルタ13を備えている。この第三フィルタ13は、被処理気体G1に含まれる粉塵を除去する目的で設けられたものであり、中性能のエアフィルタを利用できる。第三フィルタ13を備えることで、被処理気体G1に粉塵が含まれている場合であっても、VOCに属する第一物質Z1を気体の性状で吸着する目的で配置されている第一フィルタ11に粉塵が付着して第一物質Z1の吸着能力が低下する、ということが抑制される。また、一部の粉塵が第一フィルタ11を通過した場合に、エキシマランプ3の発光管30の壁面に付着して紫外線L1の照度が低下する、ということが抑制される。
ところで、上述したように、被処理気体G1に対して紫外線L1が照射されると、オゾン(O3)が生成される。VOCの分解に用いられなかったオゾン(O3)は被処理気体G1に混在した状態で排気口7側へと導かれる。ここで、上述したように、エキシマランプ3の後段には、オゾン分解用の第二フィルタ12が配置されているため、この第二フィルタ12を通過した後の処理済気体G2は、オゾンの含有濃度が低下されている。
しかし、第二フィルタ12によって被処理気体G1に含有されていたオゾン(O3)が完全には除去できず、処理済気体G2内に依然としてオゾン(O3)が含有されている場合があり得る。かかる場合、本実施形態の気体処理装置1のように、処理済気体G2が循環用流路8を通じて再び被処理気体G1として吸気口6に導かれると、このオゾンを含む被処理気体G1が第三フィルタ13を通過する際に、オゾンによって第三フィルタ13が破損する可能性がある。かかる観点から、第三フィルタ13は、耐オゾン性を有するフィルタとするのが好ましい。このようなフィルタとしては、ポリエステル繊維、フッ素繊維、ガラス繊維などからなる不織布状のフィルタを利用することができる。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉第一実施形態の気体処理装置1において、図7に示すように、粉塵除去用の第三フィルタ13を備えるものとしても構わない。
また、図8に示すように、気体処理装置1は、処理空間2内に第二フィルタ12を備えないものとしても構わない。例えば、排気口7の後段においてオゾンを分解する分解手段が配置される場合や、処理空間2内において基準以下の濃度のオゾンが生成されることが明らかである場合では、必ずしも第二フィルタ12を備える必要がない。
〈2〉上記実施形態では、エキシマランプ3がXeを含む放電用ガスが封入された発光管30を有する場合について説明した。この場合、上述したように、エキシマランプ3からはピーク波長が172nm近傍の紫外線L1が出射される。この紫外線L1が被処理気体G1に照射されると、上述した(2)~(3)式の反応が生じ、反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)が生成され、これによってVOCに属する第二物質Z2が分解される。
上述したように、エキシマランプ3の発光管30に封入される放電用ガスの種類を異ならせることで、紫外線L1の波長を異ならせることができる。上記(2)式の反応は、特に紫外線L1の波長λが180nm以下である場合に生じやすい一方、紫外線L1の波長λが180nmよりも長波長である場合には、(2)式に替えて以下の(2a)式の反応が生じやすい。
2 + hν(λ) → O(3P) + O(3P) ‥‥(2a)
この(2a)式に記載された反応によって得られたO(3P)は、被処理気体G1に含まれる酸素(O2)と反応して、上述した(4)式の反応によりオゾン(O3)を生成する。
すなわち、被処理気体G1に含まれるVOCに属する第二物質Z2が、オゾン(O3)によって分解可能な物質である場合、エキシマランプ3は、ピーク波長が180nmよりも長波長である紫外線L1を出射する構成であっても構わない。かかる構成であっても、被処理気体G1に含まれるVOCに属する第一物質Z1については、第一フィルタ11によって除去され、第二物質Z2についてはオゾンによって分解除去される。
また、エアロゾル生成能の高い第一物質Z1は、紫外線L1が照射されるよりも前段階で第一フィルタ11によって除去されるため、エキシマランプ3の発光管30の表面に二次粒子化された状態で付着することが抑制される。
〈3〉エキシマランプ3の構成は、図3に示した形状に限られない。例えば、図9又は図10に示すような形状であっても構わない。図9及び図10は、それぞれ別実施形態の気体処理装置1が備えるエキシマランプ3を、図3にならって方向d1に直交する平面で切断したときの模式的な断面図である。
図9に示すエキシマランプ3は、方向d1に沿って延伸する1つの発光管30を有する。第一電極31は発光管30の外壁面上に配設され、メッシュ形状又は線形状を呈する。また、発光管30の内側には放電用ガス33Gが封入されると共に、第二電極32が配設されている。
図10に示すエキシマランプ3は、方向d1に沿って見たときに対向する2面を有する発光管30を備える。発光管30の1つの壁面には第一電極31が配設され、向かい合う他方の壁面には第二電極32が配設されている。第一電極31及び第二電極32は、発光管30内で発生した紫外線L1が発光管30の外側に出射することへの妨げにならないよう、メッシュ形状又は線形状を呈している。
〈4〉上記実施形態では、エキシマランプ3は、被処理気体G1の流れる方向d1を長手方向とする発光管30を有する構成であるものとして説明した。しかし、本発明において、処理空間2内におけるエキシマランプ3の配置の態様は限定されない。例えば、エキシマランプ3の発光管20が被処理気体G1の流れる方向d1と交差する方向に配置されていてもよい。この場合、気体処理装置1は、処理空間2内に複数本のエキシマランプ3を備えるものとしても構わない。
なお、発光管30が被処理気体G1の流れる方向d1を長手方向として配置される場合であっても、処理空間2内に複数本のエキシマランプ3が配置されていても構わない。
1 : 気体処理装置
2 : 処理空間
3 : エキシマランプ
5 : 制御部
6 : 吸気口
7 : 排気口
8 : 循環用流路
8A : バルブ
9 : VOC発生源
11 : 第一フィルタ
12 : 第二フィルタ
13 : 第三フィルタ
21 : バルブ
22 : ブロア
30 : 発光管
30a : 外側管
30b : 内側管
31 : 第一電極
32 : 第二電極
35 : ベース部
40 : 比較例の気体処理装置
100 : 従来の気体処理装置
101 : 流路
102 : 紫外線光源
103 : 粒子捕集フィルタ
104 : オゾン分解フィルタ
G1 : 被処理気体
G2 : 処理済気体
G100 : 処理対象の空気
G101 : 処理済の空気
L1 : 紫外線
L102 : 紫外線

Claims (6)

  1. 処理空間内に、空気にVOCが混在してなる被処理気体を通流させて前記被処理気体に対する処理を行う気体処理装置であって、
    前記被処理気体を前記処理空間内に導入する吸気口と、
    前記処理空間内で処理された前記被処理気体を排気する排気口と、
    前記処理空間内に配置され、VOCに属する第一物質を気体の性状で吸着可能に構成された、第一フィルタと、
    前記処理空間内において前記第一フィルタよりも前記排気口側に配置され、前記第一フィルタを通過した前記被処理気体に対して紫外線を照射することで、VOCに属する第二物質を分解可能なエキシマランプと
    前記処理空間内において前記エキシマランプよりも前記排気口側に配置され、オゾンを分解可能な第二フィルタとを備え、
    前記第一物質は、前記第二物質と比較して、気体の性状での前記第一フィルタに対する吸着性能が高く、且つ、前記紫外線が照射されることによるエアロゾル生成能が高い物質であり、
    前記処理空間内において前記第一フィルタよりも前記吸気口側には前記エキシマランプが配置されておらず、
    前記エキシマランプは、前記処理空間内において前記被処理気体の流れる方向に沿って配置されており、
    前記被処理気体の流れる方向に関して、前記第一フィルタと前記エキシマランプとの間、及び前記エキシマランプと前記第二フィルタとの間には、他のフィルタが介在していないことを特徴とする、気体処理装置。
  2. 前記第一物質は、フェニル基を含むか又は塩化アルキルに属する物質であり、
    前記第二物質は、アルコール、ケトン、アルデヒド又はエポキシドに属する物質であることを特徴とする、請求項1に記載の気体処理装置。
  3. 前記第一物質は、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、クロロホルム、及び四塩化炭素からなる群に含まれる1種以上の物質であり、
    前記第二物質は、ホルムアルデヒド、エチレンオキサイド、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンからなる群に属する物質であることを特徴とする、請求項1に記載の気体処理装置。
  4. 前記エキシマランプは、Xeを含む放電用ガスが封入され、前記被処理気体の流れる方向を長手方向とする発光管を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の気体処理装置。
  5. 前記処理空間内において前記第一フィルタよりも前記吸気口側に配置され、前記被処理気体に含まれる粉塵を吸着可能な、耐オゾン性を有する第三フィルタを備えたことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の気体処理装置。
  6. 前記第二フィルタを通過した前記被処理気体の少なくとも一部を、前記第三フィルタと前記吸気口との間の位置に導入する循環用流路を備えたことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の気体処理装置。
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