JP7378951B2 - 撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の撮像装置の概略的な構成例を示す図である。
撮像部100は、光学系101、光電変換素子102、FD103、アナログ処理回路106を有して構成されており、被写体の光学像を画像データに変換する。光学系101は、レンズ、絞りを含み、被写体等からの光学像を光電変換素子102の撮像面上に結像させる。光電変換素子102は、被写体等の光学像を光電変換により撮像して信号電荷に変換する。FD103は、フローティングディフュージョンアンプであり、光電変換素子102から出力された信号電荷を電圧変換により信号電圧にして出力する。FD103から出力された信号電圧はアナログ処理回路106に入力される。
デジタル処理回路107は、画像処理回路108、輝度取得部109、増幅率決定回路110を含み、撮影した画像のデジタル信号処理を行う。デジタル処理回路107の詳細については後述する。
記録媒体113は、撮影した画像データを保存する、例えばSDカード、CFカード(コンパクトフラッシュは登録商標)、HDD(ハードディスクドライブ)等である。
記録回路112は、デジタル処理回路107によってデジタル信号処理された画像データを記録媒体113に記録し、また、必要に応じて記録媒体113から画像データを読み出す。
ROM118は、システム制御部117が後述するような各種制御を実行するためのプログラムや各種制御パラメータ等の制御データを記憶した不揮発性メモリである。
RAM116は、システム制御部117が撮像装置を制御する際に使用する揮発性メモリである。
増幅率制御回路115は、FD103の静電容量の設定とPGA104の増幅率の設定とを変更等することにより、信号電圧の増幅率を制御する。
操作部119は、撮像装置の外部(ユーザ、レリーズ等の接続機器)からの指示を撮像装置に入力する。
以下、上述のように構成された撮像装置における動画の撮影動作の流れについて、図1に示す構成図及び図2に示すフローチャートを用いて説明する。図2のフローチャートの各処理ステップは、システム制御部117による制御の下で、撮像装置の各構成によって実施される処理である。また、図2のフローチャートの説明では、各処理ステップS201~ステップS208をS201~S208と略記する。これらのことは後述する他のフローチャートにおいても同様とする。
図2のS201では、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件(例えばシャッタースピード、絞り、ISO感度)を設定する。なお、撮影条件の設定に際して、撮像制御部114は、撮像部100の光学系101の絞り、光電変換素子102の露光時間の設定を変更する。
以下、S206における増幅率の決定処理について、図3のフローチャート及び図4を用いて説明する。本実施形態では、2系統のうち、増幅率が相対的に低い方の増幅率をLowゲインと呼び、相対的に高い方の増幅率をHighゲインと呼ぶことにする。本実施形態では、これら相対的に低い増幅率のLowゲインと、相対的に高い増幅率のHighゲインとの、二つの値を決定する場合を例に挙げて説明する。なおこれ以降の説明では、撮像部100内部(FD103とPGA104)において、Lowゲインに設定した状態で取得した画像をLowゲイン画像と呼び、一方、Highゲインに設定した状態で取得した画像をHighゲイン画像と呼ぶ。
S302では、増幅率決定回路110が、S301で取得された値を基にLowゲインの決定を行う。
S304では、増幅率決定回路110が、S301で取得した輝度値の平均値と標準偏差と最大値とに基づいて、Highゲインを決定する。
前述した第1実施形態では、画像の輝度値の平均値と標準偏差とに基づいて増幅率を決定している。これに対し、第2実施形態では、画像の輝度の代表値として輝度値の歪度と尖度を算出し、これらを輝度情報として用いて増幅率を決定する。なお、第2実施形態における撮像装置の構成は、図1に示した構成と同様であるため図示は省略する。また第2実施形態における処理の流れは、図2のS205とS206において第1実施形態とは異なる。第1実施形態では、S205において、輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値を求め、これらを輝度情報として、バッファ111に保存した。これに対し、第2実施形態では、S205において、輝度値の歪度及び尖度を求め、これらを輝度情報として、バッファ111に保存する。
S501では、増幅率決定回路110が、第2実施形態のS205において輝度情報として取得した輝度値の歪度と尖度を、バッファ111より取得する。
ここで、歪度と尖度は、データの分布の特徴を表す指標である。歪度は、データの分布がどの程度非対称なのかを表す値であり、尖度は、データの分布が正規分布と比較してどの程度鋭いかを表す値である。第2実施形態の場合の輝度取得部109は、下記の式(4)により歪度Sを算出し、式(5)により尖度Kを算出する。
以下、係数テーブルについて、図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。図6(a)にはLowゲインについて係数を算出する際の係数テーブル、図6(b)にはHighゲインについて係数を算出する際の係数テーブルの一例を示している。図6(a)及び図6(b)では、それぞれ横軸を歪度、縦軸を尖度としており、前述したように、歪度の値は被写体の輝度の偏りの指標であり、尖度の値は輝度の偏りの尖り方の指標である。例えば、歪度が負の値となると、被写体の輝度は高輝度側に偏っており、歪度の値が正の値となると、被写体の輝度は低輝度側に偏っていることになる。歪度の絶対値が大きくなると、偏り方も大きくなる。尖度は、その値が大きくなるに従いより鋭くなる。また、係数テーブル内の値は、S501において、輝度値の歪度と尖度の算出に用いた画像に設定されている増幅率に掛けられる係数である。例えば、歪度と尖度の算出に用いた画像に設定されている増幅率が2で、係数テーブルより定まる値が8となる場合、ここで決定される増幅率は、2×8=16となる。
なお、本実施形態では、LowゲインとHighゲインの二つの増幅率を決定する方法を示したが、撮像装置がPGA104及びAD変換回路105を3系統以上有し、少なくとも三つ以上の増幅率を決定する場合もある。このような場合には、三つ目以降の増幅率は前述したHighゲインと同様の増幅率を設定することする。またこの場合、S204の画像合成処理の際に、画像処理回路108は、増幅率が同じ画像同士で前述した同じ位置の画素値を平均化する処理を行い、Lowゲイン画像との画像合成を行う。
第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態の撮像装置と異なる構成により、被写体の輝度に応じて増幅率を決定する方法について述べる。第3実施形態では、輝度値の代表値(平均と標準偏差や、歪度と尖度等)を保持するメモリ(バッファ111)の他に、信号電荷を保持する電荷メモリを有し、例えば1フレーム前の画像で事前に増幅率を決定しておく必要がない手法を説明する。図7は、第3実施形態における撮像装置の構成の一例を示す構成図である。図7は、図1の撮像装置とは撮像部100内の構成が異なり、光電変換素子102の後段で例えば2系統に分けられ、2系統に分けられた各FD103の前段にそれぞれ電荷メモリ700が設けられている。電荷メモリ700は、光電変換素子102で生じた信号電荷を保持する機能を有する。図7の撮像装置は、電荷メモリ700を2系統分だけ有する構成となっているが、FD103、PGA104、及びAD変換回路105が3系統以上に分けられる場合にはその系統数に応じた数だけ設けられてもよい。なお図7の構成図において、図1と対応した構成には同じ参照符号を付し、それらの説明は省略する。
以下、第3実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図7の構成図及び図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、2系統分の電荷メモリ700を有し、二つの増幅率を決定する場合の一例を説明する。
S802では、増幅率制御回路115が、各系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率を設定する。設定値は、撮影条件に応じた値、またはROM118に記載された値を用いる。
第1実施形態から第3実施形態では、輝度情報として画像の輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値、もしくは、歪度及び尖度といった代表値を取得して増幅率の決定を行っている。以下の第4実施形態の撮像装置は、画像を保存する役割を持つ画像メモリ900を備え、画像メモリ900に保持した画像から輝度のヒストグラムを求め、そのヒストグラムを基に画像中で頻度が少ない輝度領域を判定する。そして、第4実施形態の撮像装置では、その輝度領域の判定結果に応じて増幅率を決定する。すなわち、第4実施形態は、撮影シーンの輝度分布を詳細に取得し、その輝度分布を基に画像中で頻度が少ない輝度領域を判定し、その輝度領域の判定結果を基に増幅率を決定する。このため、第4実施形態の撮像装置では、第1実施形態から第3実施形態で説明した代表値に基づく増幅率の決定方法に比べて、撮影シーンに対してより適切な増幅率の設定を行うことができる。
以下、第4実施形態の撮像装置における撮影動作の流れについて、図9の構成図及び図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、第4実施形態においても前述の実施形態と同様に、2系統に分けて増幅率を決定する例を挙げて説明する。
S1002では、前述のS202と同様に、増幅率制御回路115が、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1003では、前述のS203と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像部100の撮影動作を開始させる。また前述同様に、光電変換素子102から転送された信号電荷は、FD103において信号電圧に変換された後、2系統に分配されて、アナログ処理回路106へ送られる。そして、前述同様に、アナログ処理回路106では、入力された信号電圧がPGA104により増幅された後、AD変換回路105でデジタル値に変換されて、デジタル処理回路107へ出力される。
S1004では、前述のS204と同様に、画像処理回路108が、2系統の画像の取得処理と画像合成処理とを行う。そして、画像処理回路108による処理後の合成画像は、記録回路112により所定の記録フォーマットのデータに変換された後、記録媒体113に記録される。
S1006では、輝度取得部109が、画像メモリ900に保存された画像の輝度情報を取得する。輝度取得部109は、画像メモリ900に保存された画像から取得可能な画素値(sRGB値)に対して、画素値から輝度値への変換処理を行う。そして、輝度取得部109は、輝度値への変換処理を行って得られた画像(以下、輝度画像と呼ぶ。)を、輝度情報として画像メモリ900に保存させる。なお、画素値から輝度値への変換処理は、前述同様であり、一般的なsRGB値から輝度値への変換行列を各画素に対して適用することで行われる。
以下、S1007における増幅率決定処理について、図11のフローチャート及び図12を用いて説明する。本実施形態でも前述同様に、2系統のうち、相対的に低い方の増幅率のLowゲインと、相対的に高い方の増幅率のHighゲインの二つの値を決定する場合を例に挙げて説明を行う。
S1102では、増幅率決定回路110が、Highゲインとなる増幅率の候補となる値(以下、候補値とする。)を算出する。
増幅率決定回路110は、先ず、図12示すように、ヒストグラムの頻度に対して閾値処理を行い、輝度が大きくなる方向において閾値を超えた部分から閾値を下回る部分へと変化する点(以下、変曲点とする。)を取得する。図12の例では、変曲点IP1,IP2,IP3が得られている。閾値は、ノイズが原因で発生する頻度の増減による、変曲点の誤検出を防ぐような値に設定されている。
以下、画質の評価値の算出処理について説明する。先ず、増幅率決定回路110は、S1102で算出した少なくとも二つ以上の候補値のうち、Lowゲインを求めた際に用いた候補値とは異なるいずれかの一つの候補値を、Highゲインとする。なお、候補値が二つ以上存在しない場合には、HighゲインはLowゲインと同じ値を取ることとする。その後、増幅率決定回路110はS1008の処理に移行する。
次に、増幅率決定回路110は、このように設定した際の合成画像の画質を算出する。本実施形態の場合、画質の評価値はS/Nが用いられる。合成画像のS/Nは式(7)で表すことができる。
第5実施形態では、画像のヒストグラムとヒストグラムの山の重要度とを基に増幅率を決定する。第5実施形態における撮像装置の構成は、図9に示した構成と同様であるためその図示は省略する。第5実施形態における処理の流れは、図10のS1007において第4実施形態とは異なる。ここでは、第5実施形態について、第4実施形態とは異なる点を中心に説明することとする。以下、第5実施形態の撮像装置で行われる処理の流れについて、図13に示すフローチャートと図9を用いて説明する。第5実施形態においても、前述の実施形態と同様に、相対的に低い増幅率のLowゲインと、相対的に高い増幅率のHighゲインの二つの値を決定する場合について説明を行う。
S1302では、増幅率決定回路110が、輝度方向にヒストグラムの領域分割を行う。S1302において、増幅率決定回路110は、先ず、図14に示すように、ヒストグラムの頻度に対して閾値処理を行い、輝度が大きくなる方向において閾値を超えた部分から閾値を下回る部分へと変化する変曲点を取得する。図14の例では、変曲点IP1,IP2,IP3が得られている。閾値は、図12で説明したのと同様に、ノイズが原因で発生する頻度の増減による変曲点の誤検出を防ぐような値に設定されている。次に、増幅率決定回路110は、輝度値「0」から最も輝度値の低い変曲点までの範囲(図14の領域R1)、連続する二つの変曲点の間の範囲(図14の領域R2、領域R3)を一つの領域とする。
第6実施形態では、第4実施形態、第5実施形態の撮像装置と異なる構成により、被写体の輝度に応じて増幅率を決定する方法について述べる。
図15は、第6実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す構成図である。図15の場合、図9の撮像装置とは撮像部100内の構成が異なり、図7の構成例のように光電変換素子102の後段で2系統に分けられ、その2系統に分けられた各FD103の前段に電荷メモリ700が設けられている。図15の撮像装置は、電荷メモリ700を2系統分だけ有する構成となっているが3系統以上に分けられていてもよい。なお図15の構成図において、図1や図7、図9と対応した構成には同じ参照符号を付し、それらの説明は省略する。
以下、第6実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図15の構成図及び図16に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、撮像装置が2系統分の電荷メモリ700を有し、二つの増幅率を決定する場合の一例を説明する。
S1602では、前述したS802と同様に、増幅率制御回路115が、各系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率を設定する。
S1603では、前述したS802と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像部100の撮影動作を開始させる。そして、光電変換素子102から転送された信号電荷は、2系統に分配されて電荷メモリ700へ送られて保持される。さらに前述同様に、撮像制御部114は、2系統のうち、相対的に低い増幅率であるLowゲインを設定する経路側の電荷メモリ700で保持している信号電荷を、FD103へ転送させる。FD103は、転送された信号電荷を信号電圧に変換を行いアナログ処理回路106へ出力する。当該出力された信号電圧は、アナログ処理回路106内のPGA104により増幅された後、AD変換回路105でデジタル値に変換され、デジタル処理回路107へ出力される。
S1604では、前述したS804と同様に、画像処理回路108が、一般的な画像処理を必要に応じて行い、Lowゲイン画像を取得する。
S1606では、輝度取得部109が、画像メモリ900に保存された画像の輝度情報を取得する。すなわち、輝度取得部109は、画像メモリ900に保存された画像から取得可能な画素値(sRGB値)に対して、画素値から輝度値への変換処理を行う。そして、輝度取得部109は、輝度値への変換処理を行って得られた輝度画像を、輝度情報として画像メモリ900に保存させる。
前述した第1実施形態から第6実施形態での合成処理において、画像処理回路108は、輝度範囲が重複している領域に関して、増幅率が異なる場合には増幅率の高い画素を選択し、増幅率が同じ場合には平均化して出力する。これに対して、第7実施形態において、画像処理回路108は、増幅率に基づく重みを用いて合成する。
第7実施形態では、増幅率決定回路110が決定した増幅率のHighゲインをGHighとし、LowゲインをGLowとし、さらにHighゲイン画像IHighとLowゲイン画像ILowとの合成重みをw、Lowゲイン画像の飽和画素値をMaxとする。この場合、Highゲイン画像IHighとLowゲイン画像ILowの(x,y)座標における合成画像IMixは、式(8)で表すことができる。
前述した第1実施形態では、前フレームの増幅率を基準にHighゲイン及びLowゲインの増幅率を決定している。これに対し、第8実施形態は、予備撮影時において、Highゲイン及びLowゲインの増幅率をそれぞれ決定し、本撮影時には、Lowゲインの増幅率を固定して、Highゲインの増幅率のみを変更する例を説明する。なお、構成図については第1実施形態と同様であるため、図示と説明は省略する。
以下、第8実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
図17のS1701では、前述のS201と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1702では、増幅率制御回路115が、前述のS202と同様に、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1704では、画像処理回路108が、S1703の予備撮影動作で出力された2系統の画像の取得処理、及びそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。
S1706では、増幅率決定回路110が、S1705で輝度情報として取得された輝度値の平均値、標準偏差、最大値をバッファ111から読み出し、S206と同様にして、それらの情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。
S1708では、システム制御部117が本撮影の開始判定を行う。システム制御部117は、本撮影を開始する場合にはS1709に進み、本撮影を開始しない場合には、S1703に処理を戻し、S1703からS1708の処理を再度実行する。
次のS1710では、画像処理回路108は、S1709の本撮影動作で取得された2系統の画像の取得処理、及びそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。そして、画像処理回路108による画像合成処理による合成画像は、動画を構成されるフレームとして順次保存される。
S1712では、増幅率決定回路110が、S1705で取得されて保存された輝度情報をバッファ111から読み出し、その情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。この時、増幅率決定回路110は、Lowゲインの増幅率については固定し、Highゲインの増幅率のみを決定する。
その後、S1715では、システム制御部117が、撮影の終了判定を行う。システム制御部117は、撮影を終了しない場合にはS1709に処理を戻し、S1709からS1715の処理を再度実行する。一方、システム制御部117は、撮影を終了する場合には図17のフローチャートの処理を終了する。
第8実施形態では、予備撮影においてHighゲイン及びLowゲインの増幅率を決定し、本撮影時にHighゲインのみ増幅率を再設定するとした。第9実施形態では、静止画撮影を前提とし、予備撮影において決定した増幅率を用いて、1度の撮影つまり静止画撮影が行われる例を挙げる。なお、構成図については第1実施形態と同様であるため、図示と説明は省略する。
以下、第9実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図18に示すフローチャートを用いて説明する。
図18のS1801では、撮像制御部114が、S201と同様に、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1802では、増幅率制御回路115が、S202と同様に、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1804では、S1704と同様に、画像処理回路108が、S1803において出力された2系統の画像の取得処理とそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。
S1805では、S1705と同様に、輝度取得部109が、S1804において画像合成した予備撮影画像の輝度の代表値を輝度情報として取得してバッファ111に保存する。
S1807では、S1707と同様に、増幅率制御回路115が、S1806で決定された増幅率を基に、撮像部100内での増幅率を再設定する。
S1808では、システム制御部117が、静止画の本撮影を開始するかどうかの判定を行う。そして、システム制御部117は、本撮影を開始する場合にはS1809に処理を進め、本撮影を開始しない場合にはS1803に処理を戻し、S1803からS1808の処理を再度実行する。
S1810では、画像処理回路108が画像合成処理を行い、その合成画像を保存させる。
以上が、第9実施形態で行われる処理である。第9実施形態では、予備撮影によって、Highゲイン及びLowゲインの増幅率を決定し、決定した増幅率により、静止画撮影を行うことが可能となる。
前述した第1実施形態から第9実施形態では、アナログ処理回路106が2系統のPGA104及びAD変換回路105を持つ例を挙げたが、他の実施形態として、図19に示すように、1系統のみのPGA104及びAD変換回路105を有する構成でもよい。なお、図19において、前述した第1実施形態から第8の構成と同じ構成要素には、前述と同一の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
Claims (16)
- 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を、増幅した後にデジタル変換する撮像装置であって、
前記信号電圧を、それぞれに設定された増幅率によって増幅する二つ以上の増幅回路と、
前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、前記増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定手段と、
前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記二つ以上の増幅回路の少なくとも一つに対し、前記被写体の輝度情報に応じた増幅率を決定する増幅率決定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記二つ以上の増幅回路のうち一つの増幅回路により前記信号電圧が増幅されて前記デジタル変換された信号から、前記輝度情報を取得する輝度取得手段を有し、
前記増幅率決定手段は、前記輝度情報の取得に用いた信号における前記信号電圧を増幅した増幅回路とは異なる増幅回路に対し、前記輝度情報に応じた増幅率を決定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記輝度取得手段は、前記二つ以上の増幅回路のうち相対的に低い増幅率が設定された増幅回路により前記信号電圧が増幅されて前記デジタル変換された信号から、前記輝度情報を取得し、
前記増幅率決定手段は、前記二つ以上の増幅回路のうち相対的に高い増幅率が設定された増幅回路に対し、前記輝度情報に応じた増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の平均値および標準偏差、または、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の歪度と尖度の少なくともいずれかを、前記輝度情報として取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の平均値および標準偏差を、前記輝度情報として取得し、
前記増幅率決定手段は、前記輝度情報と、優先する輝度範囲を設定する設定モードとを基に、前記増幅回路の増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の歪度と尖度の少なくともいずれかを、前記輝度情報として取得し、
前記増幅率決定手段は、前記輝度情報と、増幅率を記したテーブルとを基に、前記増幅回路の増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記信号電荷を保存する少なくとも一つ以上の電荷メモリを有し、
前記輝度取得手段は、前記電荷メモリから出力された前記信号電荷を電圧変換した信号電圧を基に、前記輝度情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記デジタル変換された信号による画像を画像メモリに保存する保存手段を有し、
前記輝度取得手段は、前記保存された画像から輝度のヒストグラムを取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記増幅率決定手段は、前記ヒストグラムのなかで頻度が少ない部分を閾値処理により判定し、前記判定の結果と画質の評価値とを基に、前記増幅率の決定を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
- 前記増幅率決定手段は、前記閾値処理による判定の結果を基に、候補となる複数の増幅率が取得された場合、前記候補となる複数の増幅率のなかから、前記画質の評価値を基に、前記決定する増幅率を選択することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
- 前記増幅率決定手段は、前記画質の評価値としてS/Nを取得することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
- 前記増幅率決定手段は、前記ヒストグラムのなかで頻度が少ない部分を閾値処理により判定し、前記判定の結果を基に前記ヒストグラムを輝度により分割し、前記分割した領域毎に重要度を決定して、前記重要度を基に、前記増幅率の決定を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
- 前記増幅率決定手段は、前記重要度として、前記ヒストグラムの頻度の最大値、または、頻度の総数を取得することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を、増幅した後にデジタル変換する撮像装置の制御方法であって、
二つ以上の増幅回路が、それぞれに設定された増幅率によって前記信号電圧を増幅する工程と、
前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定工程と、
前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を増幅した後にデジタル変換する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
二つ以上の増幅回路に、それぞれに設定された増幅率によって前記信号電圧を増幅させる工程と、
前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定工程と、
前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成工程と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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