JP7378951B2 - 撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、撮像装置を制御する技術に関する。
撮像装置において、S/N(SN比)の改善は重要である。一般的な撮像装置では、一つの光電変換素子に対して一つの増幅手段を有し、光電変換素子で生じた電気信号の増幅が行われる。これに対し、S/Nの改善のため、光電変換素子で生じた電気信号を二つの増幅手段により増幅する撮像装置が知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。このような撮像装置では、増幅した二つの電気信号、または増幅した二つの電気信号をAD(アナログデジタル)変換したデジタル値を、輝度に応じて適切に選択し、1枚の画像を生成することでS/Nを改善する事ができる。
特開2016-129397号公報 米国特許出願公開第2010/0177225号明細書
An 87dB Single Exposure Dynamic Range CMOS Image Sensor with a 3.0μm Triple Conversion Gain Pixel
しかしながら、従来技術(特許文献1,特許文献2、非特許文献1)では、電気信号に対する増幅率は撮影前に予め決められている。そのため、例えば屋外撮影のように、撮影シーンで明るさの異なる領域などが目まぐるしく変化するような場合、予め設定した増幅率を用いると、十分なS/Nの改善効果が得られないという問題がある。
そこで、本発明は、十分なS/Nの改善効果を得られるようにすることを目的とする。
本発明の撮像装置は、被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を、増幅した後にデジタル変換する撮像装置であって、前記信号電圧を、それぞれに設定された増幅率によって増幅する二つ以上の増幅回路と、前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、前記増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定手段と、前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、十分なS/Nの改善効果を得ることができる。
第1実施形態の撮像装置の構成を示す図である。 第1実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の増幅率決定処理の流れ示すフローチャートである。 第1実施形態の増幅率決定方法の説明図である。 第2実施形態の増幅率決定処理の流れ示すフローチャートである。 第2実施形態の増幅率決定方法の説明図である。 第3実施形態の撮像装置の構成を示す図である。 第3実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態の撮像装置の構成を示す図である。 第4実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態の増幅率決定処理の流れ示すフローチャートである。 第4実施形態の増幅率決定方法の説明図である。 第5実施形態の増幅率決定処理の流れ示すフローチャートである。 第5実施形態の増幅率決定方法の説明図である。 第6実施形態の撮像装置の構成を示す図である。 第6実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第8実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第9実施形態の撮像装置の処理の流れを示すフローチャートである。 その他の実施形態の撮像装置の構成を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に必ずしも限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の撮像装置の概略的な構成例を示す図である。
撮像部100は、光学系101、光電変換素子102、FD103、アナログ処理回路106を有して構成されており、被写体の光学像を画像データに変換する。光学系101は、レンズ、絞りを含み、被写体等からの光学像を光電変換素子102の撮像面上に結像させる。光電変換素子102は、被写体等の光学像を光電変換により撮像して信号電荷に変換する。FD103は、フローティングディフュージョンアンプであり、光電変換素子102から出力された信号電荷を電圧変換により信号電圧にして出力する。FD103から出力された信号電圧はアナログ処理回路106に入力される。
アナログ処理回路106は、PGA104とAD変換回路105を含み、FD103から入力された信号電圧に対してアナログ信号処理を行う。PGA104は、プログラマブルゲインアンプであり、FD103から入力された信号電圧を増幅する増幅回路である。AD変換回路105は、PGA104で増幅した信号電圧をデジタル値へ変換するアナログデジタル変換を行う。なおアナログ処理回路106は、PGA104及びAD変換回路105が少なくとも2系統以上に分けられて設けられており、それら2系統以上のAD変換回路105からはデジタル値による2系統以上の画像が出力されて、デジタル処理回路107に送られる。
デジタル処理回路107は、画像処理回路108、輝度取得部109、増幅率決定回路110を含み、撮影した画像のデジタル信号処理を行う。デジタル処理回路107の詳細については後述する。
バッファ111は、輝度取得部109における処理結果や処理中のデータを記憶するデータバッファである。
記録媒体113は、撮影した画像データを保存する、例えばSDカード、CFカード(コンパクトフラッシュは登録商標)、HDD(ハードディスクドライブ)等である。
記録回路112は、デジタル処理回路107によってデジタル信号処理された画像データを記録媒体113に記録し、また、必要に応じて記録媒体113から画像データを読み出す。
システム制御部117は、撮像装置全体を制御する。
ROM118は、システム制御部117が後述するような各種制御を実行するためのプログラムや各種制御パラメータ等の制御データを記憶した不揮発性メモリである。
RAM116は、システム制御部117が撮像装置を制御する際に使用する揮発性メモリである。
撮像制御部114は、システム制御部117からの制御命令に応じて、撮像部100の動作を制御する撮像動作制御部である。
増幅率制御回路115は、FD103の静電容量の設定とPGA104の増幅率の設定とを変更等することにより、信号電圧の増幅率を制御する。
操作部119は、撮像装置の外部(ユーザ、レリーズ等の接続機器)からの指示を撮像装置に入力する。
<撮像装置の撮影動作フロー>
以下、上述のように構成された撮像装置における動画の撮影動作の流れについて、図1に示す構成図及び図2に示すフローチャートを用いて説明する。図2のフローチャートの各処理ステップは、システム制御部117による制御の下で、撮像装置の各構成によって実施される処理である。また、図2のフローチャートの説明では、各処理ステップS201~ステップS208をS201~S208と略記する。これらのことは後述する他のフローチャートにおいても同様とする。
本実施形態では、図1に示したように、アナログ処理回路106が2系統のPGA104とAD変換回路105を有する構成を例に挙げ、画素の平均値と標準偏差を基に増幅率を決定する処理について説明する。
図2のS201では、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件(例えばシャッタースピード、絞り、ISO感度)を設定する。なお、撮影条件の設定に際して、撮像制御部114は、撮像部100の光学系101の絞り、光電変換素子102の露光時間の設定を変更する。
S202では、増幅率制御回路115が、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。本ステップは、動画における先頭フレームにおいてのみ実施される前処理であり、S202における増幅率及び静電容量の設定の際には、撮影条件に応じた値、またはROM118に格納されている設定値が用いられる。
S203では、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像制御部114が、撮像部100の撮影動作を開始させる。ここで、撮像制御部114は、撮影動作として、先ず、光学系101のレンズと絞りを駆動して、被写体の光学像を光電変換素子102上に結像させる。また光電変換素子102は、撮像制御部114からの制御信号により露光時間が制御され、光学像を信号電荷に変換して、FD103へ出力する。光電変換素子102から出力された信号電荷は、FD103において信号電圧に変換された後、二つの経路(2系統)に分配されて、アナログ処理回路106へ送られる。アナログ処理回路106に入力された信号電圧は、2系統のPGA104によりそれぞれ増幅された後、同じく2系統のAD変換回路105でそれぞれデジタル値に変換されて、デジタル処理回路107へ出力される。なお、図1の例では、PGA104及びAD変換回路105が2系統分設けられているため、デジタル処理回路107へは、AD変換回路105からの2系統のデジタル値による2系統の画像が出力される。
S204では、画像処理回路108が、S203において出力された2系統の画像の取得処理とそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理とを行う。このときの画像処理回路108は、取得した2系統の画像に対してデジタルゲイン、ホワイトバランス、ガンマ補正等の一般的な画像処理を行い、それら画像処理後の2系統の画像を合成する画像合成処理を行う。本実施形態において、画像合成処理は、処理対象となる2系統の画像に対して設定された増幅率によって、その処理方法が異なる。例えば撮像部100内のFD103とPGA104に設定した増幅率が、処理対象となる2系統の画像でそれぞれ異なる場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の輝度範囲が重複する領域では画質の良い画素を選択的に用いるような選択処理を行う。画質の良い画素は、例えば高い増幅率が設定された方の画像の画素とする。一方、例えば処理対象となる2系統の画像で増幅率が同じであった場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の同じ位置の画素同士で画素値を平均化して用いるような平均化処理を行う。そして、画像処理回路108による画像合成処理により生成された画像(以下、合成画像と呼ぶ。)は、動画を構成するフレームとして順次保存される。なお、動画については記録回路112によって所定の記録フォーマットのデータに変換された後、記録媒体113に記録されて保存される。
S205では、輝度取得部109が、画像の輝度の代表値を輝度情報として取得する。輝度情報の取得は、画像処理回路108にて画像処理された2系統の画像のいずれか一つの画像を用いて行われる。例えば輝度取得部109は、画像処理後の2系統の画像のうち、相対的に低い増幅率で処理された画像から輝度情報を取得する。より具体的に説明すると、輝度取得部109は、画像から取得可能な画素値(sRGB値)に対して画素値から輝度値への変換処理を行うことで輝度値を取得し、さらにそれら輝度値の平均値と標準偏差と最大値とを代表値として取得し、それらを輝度情報とする。そして輝度取得部109は、取得した輝度情報をバッファ111に保存する。なお、画素値から輝度値への変換処理は、一般的なsRGB値から輝度値への変換行列を各画素に対して適用することで実現できる。
S206では、増幅率決定回路110が、S205で輝度情報として取得された輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値をバッファ111から読み出し、それらの情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。被写体の輝度に応じた増幅率の決定処理の詳細については後述する。
S207では、増幅率制御回路115が、S206で決定された増幅率を基に、撮像部100内での増幅率を再設定する。つまり、増幅率制御回路115は、S206で決定された増幅率を基に、FD103の静電容量と2系統のPGA104の増幅率の再設定を行う。
その後、S208では、システム制御部117が、撮影の終了判定を行う。つまりS203からS208の処理が行われている間に、操作部119を介して外部から撮影終了指示が入力された場合、システム制御部117は、撮像制御部114に撮影終了指示を送る。これにより、撮像制御部114は、撮像部100の動作を終了させる。一方、システム制御部117は、撮影終了指示が入力されていないため、撮影を終了しない場合、S203に処理を戻し、S203からS207の処理を再度実行する。
<増幅率の決定方法>
以下、S206における増幅率の決定処理について、図3のフローチャート及び図4を用いて説明する。本実施形態では、2系統のうち、増幅率が相対的に低い方の増幅率をLowゲインと呼び、相対的に高い方の増幅率をHighゲインと呼ぶことにする。本実施形態では、これら相対的に低い増幅率のLowゲインと、相対的に高い増幅率のHighゲインとの、二つの値を決定する場合を例に挙げて説明する。なおこれ以降の説明では、撮像部100内部(FD103とPGA104)において、Lowゲインに設定した状態で取得した画像をLowゲイン画像と呼び、一方、Highゲインに設定した状態で取得した画像をHighゲイン画像と呼ぶ。
S301では、増幅率決定回路110が、S205において輝度情報として取得した輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値をバッファ111より取得する。
S302では、増幅率決定回路110が、S301で取得された値を基にLowゲインの決定を行う。
以下に、Lowゲインを決定するための一例としての方法を、図4を参照しながら説明する。図4は、横軸を画像の輝度値、縦軸を輝度値の出現頻度とし、S301で算出した平均値と標準偏差を用いて、被写体の輝度値の分布を正規分布により表したグラフである。本実施形態では、Lowゲインは、被写体全体を白飛びなく撮影できること目的として設定される。そのため、増幅率決定回路110は、Lowゲインについては図4の輝度範囲Lに示すように正規分布の全体を撮影できるように設定する。この時の増幅率は、式(1)で表す事ができる。
Figure 0007378951000001
式(1)において、GLowはLowゲイン、Gpreは輝度情報の取得に用いた画像に対して既に設定されている増幅率、μは画像の輝度の平均値、σは画像の輝度の標準偏差、IMaxは画像の取り得る最大輝度値を表す。
S303では、増幅率決定回路110が、撮像装置の優先する輝度の「設定モード」の状態を取得する。「設定モード」には、例えば低輝度優先設定モード、中輝度優先設定モード、及び高輝度優先設定モード等があり、ユーザ等により設定可能となされている。そして、設定モードは、S201の撮影条件の設定時にいずれか一つが選択される。
S304では、増幅率決定回路110が、S301で取得した輝度値の平均値と標準偏差と最大値とに基づいて、Highゲインを決定する。
以下に、Highゲインを決定するための一例としての方法を示す。本実施形態では、低輝度優先設定モードと中輝度優先設定モードの二つが設定可能な場合を例に挙げて説明する。増幅率決定回路110は、低輝度優先設定モードに設定されている時には、Highゲインを、例えば図4において範囲H1で示す輝度範囲を撮影できるように設定する。また増幅率決定回路110は、中輝度優先設定モードに設定されている時には、Highゲインを、例えば図4において範囲H2で示す輝度範囲を撮影できるように設定する。範囲H1,H2のそれぞれの輝度範囲を撮影する際のHighゲインは、それぞれ式(2)、式(3)で表す事ができる。
Figure 0007378951000002
Figure 0007378951000003
式(2)のGHigh1は範囲H1の輝度範囲を撮影する際のHighゲイン、式(3)のGHigh2は範囲H2の輝度範囲を撮影する際のHighゲインを表す。式(2)または式(3)により算出されたHighゲインを区別せずにGHighとして表すと、増幅率決定回路110は、撮像装置が設定可能な増幅率のうち、GHighに最も近い値を実際に設定するHighゲインの増幅値とする。例えば撮像装置が1倍、2倍、及び4倍の増幅率を設定可能であり、式(2)または式(3)で算出したGHighが2.5であった場合、増幅率決定回路110は、実際に設定するHighゲインの増幅値として2倍を選択する。また、被写体の輝度分布が、例えば予め決めた輝度分布よりも広くない場合には、撮像装置が設定可能な増幅率のうち、同じ増幅率が、GLowとGHighに対して設定される。
また一般に、増幅率により出力画像の特性は変化する事が知られており、このため、例えばLowゲイン画像とHighゲイン画像とではそれぞれ特性が異なる。具体的には、Lowゲイン画像はHighゲイン画像に比べて、撮影できる輝度範囲は相対的に広いが、輝度に対するS/N(SN比)は低い。反対に、Highゲイン画像はLowゲイン画像に比べて、撮影できる輝度範囲は相対的に狭いが、輝度に対するS/Nは高い。このような関係は、GHigh1、GHigh2の値により増幅率を設定した画像についても同様である。つまり、低輝度優先設定モードでは、画像の低輝度領域に限定して比較的高いS/N改善効果を得ることができことになる。一方、中輝度優先設定モードでは、低輝度優先設定モードに比べてS/Nの改善効果が低くなるが、より広い輝度域のS/Nを改善することができる。
なお、前述の例では、LowゲインとHighゲインの二つの増幅率を決定する方法を示したが、撮像装置がPGA104及びAD変換回路105を例えば3系統以上有し、少なくとも三つ以上の増幅率を決定する場合にも本実施形態は適用可能である。この場合、増幅率決定回路110は、三つ目以降の増幅率については前述したHighゲインと同様の増幅率を設定することする。また、S203の画像合成処理の際に、画像処理回路108は、増幅率の同じ画像同士で前述した同じ位置の画素値を平均化する処理を行って、Lowゲイン画像との画像合成を行う。
以上が、第1実施形態の撮像装置で行われる処理である。以上に説明したように、本実施形態によれば、被写体の輝度の平均値、標準偏差等の輝度情報を利用して増幅率を決定することにより、被写体の輝度によらずS/Nの改善効果を得る事ができる。
<第2実施形態>
前述した第1実施形態では、画像の輝度値の平均値と標準偏差とに基づいて増幅率を決定している。これに対し、第2実施形態では、画像の輝度の代表値として輝度値の歪度と尖度を算出し、これらを輝度情報として用いて増幅率を決定する。なお、第2実施形態における撮像装置の構成は、図1に示した構成と同様であるため図示は省略する。また第2実施形態における処理の流れは、図2のS205とS206において第1実施形態とは異なる。第1実施形態では、S205において、輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値を求め、これらを輝度情報として、バッファ111に保存した。これに対し、第2実施形態では、S205において、輝度値の歪度及び尖度を求め、これらを輝度情報として、バッファ111に保存する。
以下、第2実施形態の撮像装置で行われる処理について、第1実施形態と異なる点を中心に、図5に示すフローチャートを用いて説明する。図5のフローチャートは、図2のS206に相当する処理を表している。また、第2実施形態におけるS206の処理方法に関しては、2系統のうち、相対的に低い方の増幅率のLowゲインと、相対的に高い方の増幅率のHighゲインの二つの値を決定する場合を例に挙げて説明を行う。
S501では、増幅率決定回路110が、第2実施形態のS205において輝度情報として取得した輝度値の歪度と尖度を、バッファ111より取得する。
<歪度と尖度>
ここで、歪度と尖度は、データの分布の特徴を表す指標である。歪度は、データの分布がどの程度非対称なのかを表す値であり、尖度は、データの分布が正規分布と比較してどの程度鋭いかを表す値である。第2実施形態の場合の輝度取得部109は、下記の式(4)により歪度Sを算出し、式(5)により尖度Kを算出する。
Figure 0007378951000004
Figure 0007378951000005
ここで、式(4)及び式(5)において、Sは歪度、Kは尖度、nは画像の輝度のデータ総数、xはi番目の輝度の値、σは画像の輝度の標準偏差、μは画像の輝度の平均値である。第2実施形態の場合、バッファ111には、これら輝度値の歪度と尖度が輝度情報として保持される。
S502では、増幅率決定回路110が、S501において輝度情報として取得した輝度値の歪度と尖度に基づき、後述するテーブルを用いて係数を算出する。便宜上、ここでのテーブルを係数テーブルと呼び、その詳細は後述する。係数テーブルは、ROM118に保持されており、係数テーブルの係数の算出は例えばデジタル処理回路107において行われる。
S503では、増幅率決定回路110が、Lowゲイン及びHighゲインの値を決定する。増幅率決定回路110は、S205において輝度情報である歪度と尖度の算出に用いた画像について設定されている増幅率と、S502で係数テーブルから歪度と尖度を基に算出される係数とを掛けた値を求めて、この値を増幅率とする。
<係数テーブル>
以下、係数テーブルについて、図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。図6(a)にはLowゲインについて係数を算出する際の係数テーブル、図6(b)にはHighゲインについて係数を算出する際の係数テーブルの一例を示している。図6(a)及び図6(b)では、それぞれ横軸を歪度、縦軸を尖度としており、前述したように、歪度の値は被写体の輝度の偏りの指標であり、尖度の値は輝度の偏りの尖り方の指標である。例えば、歪度が負の値となると、被写体の輝度は高輝度側に偏っており、歪度の値が正の値となると、被写体の輝度は低輝度側に偏っていることになる。歪度の絶対値が大きくなると、偏り方も大きくなる。尖度は、その値が大きくなるに従いより鋭くなる。また、係数テーブル内の値は、S501において、輝度値の歪度と尖度の算出に用いた画像に設定されている増幅率に掛けられる係数である。例えば、歪度と尖度の算出に用いた画像に設定されている増幅率が2で、係数テーブルより定まる値が8となる場合、ここで決定される増幅率は、2×8=16となる。
また、増幅率決定に用いる係数テーブルは、LowゲインとHighゲインの二つの係数テーブルに限らず、決定する増幅率の数に応じて作成してもよい。また、係数テーブル内に記述した係数は、図6(a)や図6(b)に示した値に限らない。
なお、本実施形態では、LowゲインとHighゲインの二つの増幅率を決定する方法を示したが、撮像装置がPGA104及びAD変換回路105を3系統以上有し、少なくとも三つ以上の増幅率を決定する場合もある。このような場合には、三つ目以降の増幅率は前述したHighゲインと同様の増幅率を設定することする。またこの場合、S204の画像合成処理の際に、画像処理回路108は、増幅率が同じ画像同士で前述した同じ位置の画素値を平均化する処理を行い、Lowゲイン画像との画像合成を行う。
以上が、第2実施形態の撮像装置で行われる処理である。以上に説明したように、本実施形態によれば、被写体の輝度値の歪度と尖度の輝度情報を利用して増幅率を決定することにより、被写体の輝度によらずS/Nの改善効果を得る事ができる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態の撮像装置と異なる構成により、被写体の輝度に応じて増幅率を決定する方法について述べる。第3実施形態では、輝度値の代表値(平均と標準偏差や、歪度と尖度等)を保持するメモリ(バッファ111)の他に、信号電荷を保持する電荷メモリを有し、例えば1フレーム前の画像で事前に増幅率を決定しておく必要がない手法を説明する。図7は、第3実施形態における撮像装置の構成の一例を示す構成図である。図7は、図1の撮像装置とは撮像部100内の構成が異なり、光電変換素子102の後段で例えば2系統に分けられ、2系統に分けられた各FD103の前段にそれぞれ電荷メモリ700が設けられている。電荷メモリ700は、光電変換素子102で生じた信号電荷を保持する機能を有する。図7の撮像装置は、電荷メモリ700を2系統分だけ有する構成となっているが、FD103、PGA104、及びAD変換回路105が3系統以上に分けられる場合にはその系統数に応じた数だけ設けられてもよい。なお図7の構成図において、図1と対応した構成には同じ参照符号を付し、それらの説明は省略する。
<第3実施形態の撮像装置における撮像動作の説明>
以下、第3実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図7の構成図及び図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、2系統分の電荷メモリ700を有し、二つの増幅率を決定する場合の一例を説明する。
S801では、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件(シャッタースピード、絞り、及びISO感度)を設定する。また、撮影条件の設定に際して、撮像制御部114は、撮像部100の光学系101の絞り、光電変換素子102の露光時間、及び各系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率の設定値を変更する。
S802では、増幅率制御回路115が、各系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率を設定する。設定値は、撮影条件に応じた値、またはROM118に記載された値を用いる。
S803では、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像制御部114が、撮像部100の撮影動作を開始させる。このときの撮像制御部114は、先ず、光学系101のレンズと絞りを駆動して、被写体の光学像を光電変換素子102上に結像させる。そして、光電変換素子102から転送された信号電荷は、2系統に分配されて電荷メモリ700へ送られて保持される。次に、撮像制御部114は、2系統のうち、相対的に低い方の増幅率であるLowゲインを設定する経路側の電荷メモリ700で保持している信号電荷を、FD103へ転送させる。このFD103は、転送された信号電荷を信号電圧に変換してアナログ処理回路106へ出力する。その出力された信号電圧は、アナログ処理回路106内のPGA104により増幅された後、AD変換回路105でデジタル値に変換され、デジタル処理回路107へ出力される。
S804では、画像処理回路108が、Lowゲイン画像を取得する。具体的には、画像処理回路108は、S803で取得したデジタル値に対して、デジタルゲイン、ホワイトバランス、及びガンマ補正等の一般的な画像処理を必要に応じて行い、Lowゲイン画像を取得する。
S805では、輝度取得部109が、Lowゲイン画像の輝度情報の取得を行う。具体的には、前述のS205と同様に、画素値(sRGB値)に対して、画素値から輝度値への変換処理を行う。さらに、輝度取得部109は、輝度値の代表値を算出して、輝度情報としてバッファ111に保存する。輝度値の代表値としては、前述した第1実施形態で説明した輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値、第2実施形態で説明した歪度及び尖度を挙げることができる。
S806では、増幅率決定回路110が、S805で算出された輝度値の代表値(輝度情報)をバッファ111より取得し、その取得した代表値を基に、被写体の輝度に応じた増幅率の決定を行う。被写体の輝度に適した増幅率の決定方法は、第1実施形態、第2実施形態において前述した方法のうち、どちらか一つを用いることとする。例えば、輝度値の代表値として、前述した第1実施形態で説明した輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値を用いる場合には、第1実施形態で説明した増幅率の決定方法を用いる。また例えば、第2実施形態で説明した歪度と尖度を用いる場合には、第2実施形態で説明した増幅率の決定方法を用いる。なおこれら二つの増幅率の決定方法は前述同様であるため、ここでの説明は省略する。
S807では、増幅率制御回路115が、S806で決定された増幅率に基づいて、2系統のうちでHighゲインを設定する経路における増幅率の再設定(FD103の静電容量、PGA104の増幅率の再設定)を行う。
S808では、画像処理回路108が、Highゲイン画像を取得する。この時、増幅率制御回路115は、Highゲインを設定する経路に接続された電荷メモリ700が保持している信号電荷を、FD103へ転送して信号電圧に変換させ、さらに増幅率が再設定されたPGA104で信号電圧を増幅させる。その後、PGA104で増幅された信号電圧が、AD変換回路105でデジタル値に変換される。そして、画像処理回路108は、入力したデジタル値に対して、デジタルゲイン、ホワイトバランス、及びガンマ補正等の一般的な画像処理を必要に応じて行う。これにより再設定された増幅率で増幅されたHighゲイン画像が取得される。
S809では、画像処理回路108が、S804で取得したLowゲイン画像と、S808で取得したHighゲイン画像との合成処理を行う。例えば、撮像部100内で設定された増幅率が2系統でそれぞれ異なる場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の輝度範囲が重複する領域ではS/Nの高い画像の画素を選択的に用いるような選択処理を行う。一方、2系統で増幅率が同じである場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の同じ位置の画素同士で画素値を平均化して用いる平均化処理を行う。その後、画像処理回路108による画像合成処理後の合成画像は、記録回路112により所定の記録フォーマットのデータに変換された後、記録媒体113に記録されて保存される。
以上が、第3実施形態の撮像装置で行われる処理である。以上に説明したように、本実施形態によれば、信号電荷を保持する電荷メモリを有し、例えば1フレーム前の画像を用いて事前に増幅率を決定しておかなくても、被写体の輝度情報を基に増幅率を決定することができる。そして第3実施形態においても、前述した第1、第2実施形態と同様に、被写体の輝度によらずS/Nの改善効果を得る事ができる。
<第4実施形態>
第1実施形態から第3実施形態では、輝度情報として画像の輝度値の平均値、標準偏差、及び最大値、もしくは、歪度及び尖度といった代表値を取得して増幅率の決定を行っている。以下の第4実施形態の撮像装置は、画像を保存する役割を持つ画像メモリ900を備え、画像メモリ900に保持した画像から輝度のヒストグラムを求め、そのヒストグラムを基に画像中で頻度が少ない輝度領域を判定する。そして、第4実施形態の撮像装置では、その輝度領域の判定結果に応じて増幅率を決定する。すなわち、第4実施形態は、撮影シーンの輝度分布を詳細に取得し、その輝度分布を基に画像中で頻度が少ない輝度領域を判定し、その輝度領域の判定結果を基に増幅率を決定する。このため、第4実施形態の撮像装置では、第1実施形態から第3実施形態で説明した代表値に基づく増幅率の決定方法に比べて、撮影シーンに対してより適切な増幅率の設定を行うことができる。
図9は、第4実施形態における撮像装置の構成の一例を示す構成図である。図9に示した第4実施形態の撮像装置は、図1に示した撮像装置の構成と比較すると、画像メモリ900が設けられている点が異なる。画像メモリ900は画像を保持する機能を有する。画像メモリ900は、撮像部100により取得した画像や、後述する図10のS1006で輝度情報として取得する輝度画像等を保持可能となされている。なお図9の構成図において、図1と対応した構成には同じ参照符号を付し、それらの説明は省略する。
<第4実施形態の撮像装置における撮影動作の説明>
以下、第4実施形態の撮像装置における撮影動作の流れについて、図9の構成図及び図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、第4実施形態においても前述の実施形態と同様に、2系統に分けて増幅率を決定する例を挙げて説明する。
S1001では、前述のS201と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1002では、前述のS202と同様に、増幅率制御回路115が、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1003では、前述のS203と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像部100の撮影動作を開始させる。また前述同様に、光電変換素子102から転送された信号電荷は、FD103において信号電圧に変換された後、2系統に分配されて、アナログ処理回路106へ送られる。そして、前述同様に、アナログ処理回路106では、入力された信号電圧がPGA104により増幅された後、AD変換回路105でデジタル値に変換されて、デジタル処理回路107へ出力される。
S1004では、前述のS204と同様に、画像処理回路108が、2系統の画像の取得処理と画像合成処理とを行う。そして、画像処理回路108による処理後の合成画像は、記録回路112により所定の記録フォーマットのデータに変換された後、記録媒体113に記録される。
S1005では、デジタル処理回路107が、撮像部100より取得された画像のうち、最も低い増幅率を設定した画像を、画像メモリ900に保存させる。
S1006では、輝度取得部109が、画像メモリ900に保存された画像の輝度情報を取得する。輝度取得部109は、画像メモリ900に保存された画像から取得可能な画素値(sRGB値)に対して、画素値から輝度値への変換処理を行う。そして、輝度取得部109は、輝度値への変換処理を行って得られた画像(以下、輝度画像と呼ぶ。)を、輝度情報として画像メモリ900に保存させる。なお、画素値から輝度値への変換処理は、前述同様であり、一般的なsRGB値から輝度値への変換行列を各画素に対して適用することで行われる。
S1007では、増幅率決定回路110が、S1006で輝度情報として取得した輝度画像を、画像メモリ900から読み出し、その輝度画像を基に、被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。第4実施形態における被写体の輝度に応じた増幅率の決定処理の詳細については後述する。
S1008では、増幅率制御回路115が、S1007で決定された増幅率を基に、撮像部100内での増幅率を再設定する。つまり、増幅率制御回路115は、S1007で決定された増幅率を基に、FD103の静電容量と2系統のPGA104の増幅率の再設定を行う。
その後、S1009では、システム制御部117が、撮影の終了判定を行う。S1003からS1008の処理が行われている間に、操作部119を介して外部から撮影終了指示が入力された場合、システム制御部117は、撮像制御部114に撮影終了指示を送って撮像部100の動作を終了させる。一方、システム制御部117は、撮影終了指示が入力されておらず、撮影を終了しない場合、S1003に処理を戻し、S1003からS108の処理を再度実行する。
<第4実施形態における増幅率の決定処理>
以下、S1007における増幅率決定処理について、図11のフローチャート及び図12を用いて説明する。本実施形態でも前述同様に、2系統のうち、相対的に低い方の増幅率のLowゲインと、相対的に高い方の増幅率のHighゲインの二つの値を決定する場合を例に挙げて説明を行う。
S1101では、輝度取得部109が、S1006において輝度情報として保存した輝度画像を基に輝度のヒストグラムを算出し、その算出したヒストグラムの情報をバッファ111に保存させる。
S1102では、増幅率決定回路110が、Highゲインとなる増幅率の候補となる値(以下、候補値とする。)を算出する。
以下、候補値の算出方法について、図12を用いて説明を行う。
増幅率決定回路110は、先ず、図12示すように、ヒストグラムの頻度に対して閾値処理を行い、輝度が大きくなる方向において閾値を超えた部分から閾値を下回る部分へと変化する点(以下、変曲点とする。)を取得する。図12の例では、変曲点IP1,IP2,IP3が得られている。閾値は、ノイズが原因で発生する頻度の増減による、変曲点の誤検出を防ぐような値に設定されている。
次に、増幅率決定回路110は、輝度値「0」から、前述のように取得したそれぞれの変曲点IP1,IP2,IP3までの各輝度範囲を撮影できるような増幅率を候補値とする。図12の例では、輝度値「0」から各変曲点IP1,IP2,IP3までの輝度範囲である範囲H1,H2,Lまで撮影できる増幅率が候補値となされる。輝度値「0」から変曲点までの輝度範囲を撮影できるような増幅率は、式(6)により算出される。
Figure 0007378951000006
式(6)において、ICは任意の変曲点における輝度値、IMaxは画像の取り得る最大輝度値、Gpreはヒストグラム算出に用いた画像に設定された増幅率、GCは任意の変曲点までの輝度範囲を撮影する際の増幅率である。増幅率決定回路110は、各変曲点に対して増幅率GCの算出を行い、得られた各増幅率GCの値を候補値とする。
S1103では、増幅率決定回路110が、Lowゲインの値を決定する。例えば、Lowゲインは被写体の全体の輝度範囲を撮影出来るようにするために、複数の変曲点のうち輝度の最も高い変曲点(図12の変曲点IP3)に合わせた値とする。なお、ヒストグラムの変曲点が0個、または輝度の最も高い変曲点以降の輝度範囲においてヒストグラムの頻度が閾値を超える場合、Lowゲインは、ヒストグラム算出に用いた画像(本実施形態ではLowゲイン画像)の増幅率よりも1段低い値とする。増幅率として、例えば、2倍、3倍、4倍、及び5倍の各値を設定でき、ヒストグラムの算出に用いた画像に設定されている増幅率が4倍である場合、Lowゲインは1段低い値の3倍に設定される。なおこの時、ヒストグラムの算出に用いた画像の増幅率が、設定値の下限である2倍となる場合、Lowゲインは下限の値である2倍となる。
S1104では、増幅率決定回路110が、増幅率の候補値毎に画質の評価値の算出を行う。
以下、画質の評価値の算出処理について説明する。先ず、増幅率決定回路110は、S1102で算出した少なくとも二つ以上の候補値のうち、Lowゲインを求めた際に用いた候補値とは異なるいずれかの一つの候補値を、Highゲインとする。なお、候補値が二つ以上存在しない場合には、HighゲインはLowゲインと同じ値を取ることとする。その後、増幅率決定回路110はS1008の処理に移行する。
次に、増幅率決定回路110は、このように設定した際の合成画像の画質を算出する。本実施形態の場合、画質の評価値はS/Nが用いられる。合成画像のS/Nは式(7)で表すことができる。
Figure 0007378951000007
式(7)において、S/NMixは合成画像のS/N、Iは輝度値、N(I)は輝度値Iの頻度、IHighはHighゲインの最大輝度値である。また式(7)において、GHighはHighゲイン、GLowはLowゲイン、σ(GHigh,I)はHighゲイン時の輝度値Iにおけるノイズ量、σ(GLow,I)はLowゲイン時の輝度値Iにおけるノイズ量である。
次に、増幅率決定回路110は、他の候補値をHighゲインに設定した場合における、S/NMixを同様に式(7)より算出し、これを候補値毎に行う。なお、本実施形態では、画質の評価値としてS/Nを用いたが、本発明における画質の評価値はこれに限らない。
S1105では、増幅率決定回路110が、Highゲインの値を決定する。例えば、増幅率決定回路110は、S1104において算出した候補値毎の画質の評価値(本実施形態ではS/NMix)より、合成画像の画質が最も良くなる場合の候補値をHighゲインとする。
本実施形態では、LowゲインとHighゲインの二つの増幅率を決定する方法を示したが、撮像部100がPGA104及びAD変換回路105を3系統以上有し、少なくとも三つ以上の増幅率を決定する場合もある。このような場合は、三つ目以降の増幅率は前述したHighゲインと同様の増幅率を設定することとする。さらにS1004の画像合成処理の際、画像処理回路108は、先ず同じ増幅率を設定した画像同士で前述した同じ位置の画素値を平均化する処理を行い、次にLowゲイン画像との画像合成を行う。
以上が、第4実施形態で行われる処理である。以上説明したように、第4実施形態によれば、ヒストグラムの頻度が少ない部分を考慮して増幅率を決定するため、第1実施形態から第3実施形態の場合と比較して、撮影シーンに対してより適切な増幅率の設定を行うことができる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、画像のヒストグラムとヒストグラムの山の重要度とを基に増幅率を決定する。第5実施形態における撮像装置の構成は、図9に示した構成と同様であるためその図示は省略する。第5実施形態における処理の流れは、図10のS1007において第4実施形態とは異なる。ここでは、第5実施形態について、第4実施形態とは異なる点を中心に説明することとする。以下、第5実施形態の撮像装置で行われる処理の流れについて、図13に示すフローチャートと図9を用いて説明する。第5実施形態においても、前述の実施形態と同様に、相対的に低い増幅率のLowゲインと、相対的に高い増幅率のHighゲインの二つの値を決定する場合について説明を行う。
S1301では、輝度取得部109が、S1006において輝度情報として取得した輝度画像より、輝度のヒストグラムを算出し、その結果をバッファ111に保存する。
S1302では、増幅率決定回路110が、輝度方向にヒストグラムの領域分割を行う。S1302において、増幅率決定回路110は、先ず、図14に示すように、ヒストグラムの頻度に対して閾値処理を行い、輝度が大きくなる方向において閾値を超えた部分から閾値を下回る部分へと変化する変曲点を取得する。図14の例では、変曲点IP1,IP2,IP3が得られている。閾値は、図12で説明したのと同様に、ノイズが原因で発生する頻度の増減による変曲点の誤検出を防ぐような値に設定されている。次に、増幅率決定回路110は、輝度値「0」から最も輝度値の低い変曲点までの範囲(図14の領域R1)、連続する二つの変曲点の間の範囲(図14の領域R2、領域R3)を一つの領域とする。
S1303では、増幅率決定回路110が、Lowゲインの値を決定する。前述のS1103と同様に、例えば、Lowゲインは被写体の全体の輝度範囲を撮影出来るようにするため、複数の変曲点のうち輝度の最も高い変曲点(図14の変曲点IP3)に合わせた値とする。また前述同様に、ヒストグラムの変曲点が0個、または輝度の最も高い変曲点以降の輝度範囲でヒストグラムの頻度が閾値を超える場合、Lowゲインはヒストグラムの算出に用いた画像(Lowゲイン画像)の増幅率よりも1段低い値とする。
S1304では、増幅率決定回路110が、S1302において分割した領域毎に重要度を設定する。本実施形態の場合、重要度の指標は最大値を用いるとする。増幅率決定回路110は、領域毎にヒストグラムの頻度の最大値を求め、最大値の大きい順に重要度を定義する。例えば、増幅率決定回路110は、最大値が最も大きい領域には重要度が最も高いものとして重要度「1」、最大値が2番目に大きい領域には重要度が2番目に高いものとして重要度「2」というように重要度を定義する。なお、重要度の指標は最大値に限らない。例えば、領域内の頻度の総数が、重要度の指標として用いられてもよい。
S1305では、増幅率決定回路110が、Highゲインの値を決定する。Highゲインは、S1304において定義した重要度の最も高い領域までを撮影できるような値とする。具体的には、増幅率決定回路110は、重要度「1」となる領域が設定された際の変曲点において、輝度の高い方の変曲点までの輝度範囲を撮影できるような増幅率とする。この時の増幅率は、第4実施形態で説明した式(6)を用いて算出する。なお、変曲点が二つ以上存在しない場合には、HighゲインはLowゲインと同じ値を取ることとし、その後はS1008に移行する。
本実施形態では、LowゲインとHighゲインの二つの増幅率を決定する方法を示したが、撮像部100がPGA104及びAD変換回路105を3系統以上有し、少なくとも三つ以上の増幅率を決定する場合もある。この場合は、三つ目以降の増幅率は前述したHighゲインと同様の増幅率を設定することとする。そして、S1004の画像合成処理の際、画像処理回路108は、同じ増幅率の画像同士で平均化処理を行い、Lowゲイン画像との画像合成を行う。
以上が、第5実施形態で行われる処理である。第5実施形態では、ヒストグラムを分けた領域毎に重要度が求められ、その重要度を基に増幅率が決定されるため、第1実施形態から第3実施形態と比較して、撮影シーンに対してより適切な増幅率の設定を行うことができる。
<第6実施形態>
第6実施形態では、第4実施形態、第5実施形態の撮像装置と異なる構成により、被写体の輝度に応じて増幅率を決定する方法について述べる。
図15は、第6実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す構成図である。図15の場合、図9の撮像装置とは撮像部100内の構成が異なり、図7の構成例のように光電変換素子102の後段で2系統に分けられ、その2系統に分けられた各FD103の前段に電荷メモリ700が設けられている。図15の撮像装置は、電荷メモリ700を2系統分だけ有する構成となっているが3系統以上に分けられていてもよい。なお図15の構成図において、図1や図7、図9と対応した構成には同じ参照符号を付し、それらの説明は省略する。
<第6実施形態の撮像装置における撮影動作の説明>
以下、第6実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図15の構成図及び図16に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、撮像装置が2系統分の電荷メモリ700を有し、二つの増幅率を決定する場合の一例を説明する。
ステップS1601では、前述したS801と同様に、撮像制御部114が、撮像装置の外部より操作部119を介して入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1602では、前述したS802と同様に、増幅率制御回路115が、各系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率を設定する。
S1603では、前述したS802と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像部100の撮影動作を開始させる。そして、光電変換素子102から転送された信号電荷は、2系統に分配されて電荷メモリ700へ送られて保持される。さらに前述同様に、撮像制御部114は、2系統のうち、相対的に低い増幅率であるLowゲインを設定する経路側の電荷メモリ700で保持している信号電荷を、FD103へ転送させる。FD103は、転送された信号電荷を信号電圧に変換を行いアナログ処理回路106へ出力する。当該出力された信号電圧は、アナログ処理回路106内のPGA104により増幅された後、AD変換回路105でデジタル値に変換され、デジタル処理回路107へ出力される。
S1604では、前述したS804と同様に、画像処理回路108が、一般的な画像処理を必要に応じて行い、Lowゲイン画像を取得する。
S1605では、デジタル処理回路107が、S1604において取得したLow画像を、画像メモリ900に保存させる。
S1606では、輝度取得部109が、画像メモリ900に保存された画像の輝度情報を取得する。すなわち、輝度取得部109は、画像メモリ900に保存された画像から取得可能な画素値(sRGB値)に対して、画素値から輝度値への変換処理を行う。そして、輝度取得部109は、輝度値への変換処理を行って得られた輝度画像を、輝度情報として画像メモリ900に保存させる。
S1607では、増幅率決定回路110が、S1606で輝度情報として取得した輝度画像を、画像メモリ900から読み出し、その輝度画像を基に、被写体の輝度に適した増幅率を決定する。被写体の輝度に適した増幅率の決定処理は、第4実施形態、第5実施形態において前述した増幅率決定処理のうち、どちらか一つを用いることとする。なお、これら二つの増幅率決定処理は前述したため、ここでの説明は省略する。
S1608では、増幅率制御回路115が、S1607で決定された増幅率を基に、Highゲインを設定する経路における増幅率を再設定する。つまり、増幅率制御回路115は、S1607で決定された増幅率を基に、2系統のFD103の静電容量とPGA104の増幅率の再設定を行う。
S1609では、画像処理回路108が、Highゲイン画像を取得する。この時、増幅率制御回路115は、Highゲインを設定する経路に接続された電荷メモリ700が保持している信号電荷を、FD103へ転送して信号電圧に変換させ、さらにPGA104で信号電圧の増幅後、AD変換回路105でデジタル値に変換させる。そして、画像処理回路108は、入力したデジタル値に対して前述した一般的な画像処理を必要に応じて行い、Highゲイン画像を取得する。
S1610では、画像処理回路108が、S1604取得したLowゲイン画像と、S1609で取得したHighゲイン画像との合成処理を行う。ここで、撮像部100内で設定された増幅率が2系統でそれぞれ異なる場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の輝度範囲が重複する領域では、画質の良い画像の画素(例えば、高い増幅率を設定した画素)を選択的に用いるような選択処理を行う。一方、2系統で増幅率が同じであった場合、画像処理回路108は、それら2系統の画像の同じ位置の画素同士で画素値を平均化して用いる平均化処理を行う。そして、画像処理回路108による画像合成処理後の合成画像は、記録回路112によって所定の記録フォーマットのデータに変換された後、記録媒体113に記録されて保存される。
以上が、第6実施形態の撮像装置で行われる処理である。第6実施形態の撮像装置では、信号電荷を保持する電荷メモリを有し、前述した第4実施形態と第5実施形態のいずれかの増幅率決定処理が行われることにより、事前に増幅率を決定しておかなくても、被写体の輝度情報を基に増幅率を決定することができる。
<第7実施形態>
前述した第1実施形態から第6実施形態での合成処理において、画像処理回路108は、輝度範囲が重複している領域に関して、増幅率が異なる場合には増幅率の高い画素を選択し、増幅率が同じ場合には平均化して出力する。これに対して、第7実施形態において、画像処理回路108は、増幅率に基づく重みを用いて合成する。
以下に、増幅率に基づく重みを用いた合成方法について述べる。なお、構成図については第1実施形態と同様であるため、図示と説明は省略する。第7実施形態の場合は、前述したS204等のステップにおいて増幅率に基づく重みを用いた合成処理が行われる。
第7実施形態では、増幅率決定回路110が決定した増幅率のHighゲインをGHighとし、LowゲインをGLowとし、さらにHighゲイン画像IHighとLowゲイン画像ILowとの合成重みをw、Lowゲイン画像の飽和画素値をMaxとする。この場合、Highゲイン画像IHighとLowゲイン画像ILowの(x,y)座標における合成画像IMixは、式(8)で表すことができる。
Figure 0007378951000008
また、光ショットノイズの標準偏差をσSとし、暗電流ノイズの標準偏差をσd、増幅率がHighゲインの時に発生する読出しノイズをσHigh、増幅率がLowゲインの時に発生する読出しノイズをσLowとする。この場合の合成画像IMixのノイズの標準偏差σMixは、式(9)で表すことができる。
Figure 0007378951000009
そして、標準偏差σMixが最小となる合成重みwは、式(10)のように表すことができる。
Figure 0007378951000010
画像処理回路108は、式(10)で求めた合成重みwを用いて、式(8)で表される合成方法による合成を行う。なお、式(10)において、合成重みwは、Highゲインの増幅率GHighとLowゲインの増幅GLowとの比率(GHigh/GLow)が1に近づくほど大きくなり、増幅率が等しい場合、つまり1.0の場合に最大のw=0.5となる。この時、合成画像IMixは、Highゲイン画像IHighとLowゲイン画像ILowを平均した結果となる。
以上が、第7実施形態で行われる処理である。第7実施形態では、Highゲイン及びLowゲインの増幅率に読出しノイズ量をも加味した重みを用いて、Highゲイン画像とLowゲイン画像が合成される。これにより、第7実施形態によれば、第1実施形態から第6実施形態で説明した合成処理を行う場合と比較して、合成後のノイズ量を減らすことができる。
<第8実施形態>
前述した第1実施形態では、前フレームの増幅率を基準にHighゲイン及びLowゲインの増幅率を決定している。これに対し、第8実施形態は、予備撮影時において、Highゲイン及びLowゲインの増幅率をそれぞれ決定し、本撮影時には、Lowゲインの増幅率を固定して、Highゲインの増幅率のみを変更する例を説明する。なお、構成図については第1実施形態と同様であるため、図示と説明は省略する。
<第8実施形態の撮像装置における撮影動作の説明>
以下、第8実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
図17のS1701では、前述のS201と同様に、撮像制御部114が、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1702では、増幅率制御回路115が、前述のS202と同様に、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1703では、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像制御部114が、撮像部100の予備撮影動作を開始させる。
S1704では、画像処理回路108が、S1703の予備撮影動作で出力された2系統の画像の取得処理、及びそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。
S1705では、輝度取得部109が、S1704で画像合成した予備撮影画像について、S205と同様に、輝度の代表値を輝度情報として取得してバッファに保存する。
S1706では、増幅率決定回路110が、S1705で輝度情報として取得された輝度値の平均値、標準偏差、最大値をバッファ111から読み出し、S206と同様にして、それらの情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。
S1707では、増幅率制御回路115が、S1706で決定された増幅率を基に、S207と同様に、撮像部100内での増幅率を再設定する。
S1708では、システム制御部117が本撮影の開始判定を行う。システム制御部117は、本撮影を開始する場合にはS1709に進み、本撮影を開始しない場合には、S1703に処理を戻し、S1703からS1708の処理を再度実行する。
S1709に進むと、撮像制御部114は、撮像部100を制御して本撮影動作を開始させる。
次のS1710では、画像処理回路108は、S1709の本撮影動作で取得された2系統の画像の取得処理、及びそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。そして、画像処理回路108による画像合成処理による合成画像は、動画を構成されるフレームとして順次保存される。
S1711では、輝度取得部109が、S1710において画像合成された撮影画像の輝度の代表値を、S205と同様に、輝度情報として取得する。
S1712では、増幅率決定回路110が、S1705で取得されて保存された輝度情報をバッファ111から読み出し、その情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。この時、増幅率決定回路110は、Lowゲインの増幅率については固定し、Highゲインの増幅率のみを決定する。
そしてS1713では、増幅率制御回路115が、S1712において決定したHighゲインの増幅率を再設定する。
その後、S1715では、システム制御部117が、撮影の終了判定を行う。システム制御部117は、撮影を終了しない場合にはS1709に処理を戻し、S1709からS1715の処理を再度実行する。一方、システム制御部117は、撮影を終了する場合には図17のフローチャートの処理を終了する。
以上が、第8実施形態で行われる処理である。第8実施形態において、本撮影中にはHighゲインの増幅率が制御される。これにより、第8の実施形態によれば、被写体の輝度分布が時間とともに変化する場合において、Highゲイン及びLowゲインの増幅率が各々変化することによる合成画像の輝度変化を軽減させることができる。
<第9実施形態>
第8実施形態では、予備撮影においてHighゲイン及びLowゲインの増幅率を決定し、本撮影時にHighゲインのみ増幅率を再設定するとした。第9実施形態では、静止画撮影を前提とし、予備撮影において決定した増幅率を用いて、1度の撮影つまり静止画撮影が行われる例を挙げる。なお、構成図については第1実施形態と同様であるため、図示と説明は省略する。
<第9実施形態の撮像装置における撮影動作の説明>
以下、第9実施形態の撮像装置における撮影動作の流れを、図18に示すフローチャートを用いて説明する。
図18のS1801では、撮像制御部114が、S201と同様に、操作部119を介して外部から入力された指示に応じて、撮像装置の撮影条件を設定する。
S1802では、増幅率制御回路115が、S202と同様に、PGA104の増幅率及びFD103の静電容量を設定する。
S1803では、操作部119を介して外部から入力された撮影指示に応じて、撮像制御部114が、S1703と同様に、撮像部100の予備撮影動作を開始させる。
S1804では、S1704と同様に、画像処理回路108が、S1803において出力された2系統の画像の取得処理とそれら2系統の画像を合成して生成した画像を出力する画像合成処理を行う。
S1805では、S1705と同様に、輝度取得部109が、S1804において画像合成した予備撮影画像の輝度の代表値を輝度情報として取得してバッファ111に保存する。
S1806では、S1706と同様に、増幅率決定回路110が、S1805で輝度情報をバッファ111から読み出し、その情報を基に被写体の輝度に応じた増幅率を決定する。
S1807では、S1707と同様に、増幅率制御回路115が、S1806で決定された増幅率を基に、撮像部100内での増幅率を再設定する。
S1808では、システム制御部117が、静止画の本撮影を開始するかどうかの判定を行う。そして、システム制御部117は、本撮影を開始する場合にはS1809に処理を進め、本撮影を開始しない場合にはS1803に処理を戻し、S1803からS1808の処理を再度実行する。
S1809に進むと、撮像制御部114が、撮像部100の本撮影動作を開始させる。
S1810では、画像処理回路108が画像合成処理を行い、その合成画像を保存させる。
以上が、第9実施形態で行われる処理である。第9実施形態では、予備撮影によって、Highゲイン及びLowゲインの増幅率を決定し、決定した増幅率により、静止画撮影を行うことが可能となる。
<その他の実施形態>
前述した第1実施形態から第9実施形態では、アナログ処理回路106が2系統のPGA104及びAD変換回路105を持つ例を挙げたが、他の実施形態として、図19に示すように、1系統のみのPGA104及びAD変換回路105を有する構成でもよい。なお、図19において、前述した第1実施形態から第8の構成と同じ構成要素には、前述と同一の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
図19に示した構成では、1系統のみのPGA104及びAD変換回路105を時分割して使用する。図19の構成の場合、システム制御部117は、まず第1の駆動制御として、HighゲインとLowゲインのいずれか一方の設定で、FD103、PGA104、AD変換回路105を駆動させる。次に、システム制御部117は、第2の駆動制御として、HighゲインとLowゲインのうち、第1の駆動制御で使用しなかった方の設定で、FD103、PGA104、AD変換回路105を同様に駆動させる。これにより、図19の構成においても、Highゲイン画像及びLowゲイン画像が取得される。
前述した各実施形態のデジタル処理回路107の機能は、ハードウェア構成のみで実現されてもよいし、CPU等がプログラムを実行することによるソフトウェア構成により実現されてもよい。また、一部がハードウェア構成で残りがソフトウェア構成により実現されてもよい。このソフトウェア構成のためのプログラムは、予め用意されている場合だけでなく、不図示の外部メモリ等の記録媒体から取得されたり、不図示のネットワーク等を介して取得されたりしてもよい。
また前述の実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを想定しているが、例えばスマートフォンやタブレット端末等、監視カメラ、工業用カメラ、車載カメラ、医療用カメラなど画像の撮像が可能な各種機器にも適用可能である。
本発明に係る信号処理における1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給可能であり、そのシステム又は装置のコンピュータの一つ以上のプロセッサにより読また出し実行されることで実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
前述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:撮像部、102:光電変換素子、103:FD、104:PGA、105:AD変換回路、106:アナログ処理回路、107:デジタル処理回路、108:画像処理回路、109:輝度取得部、110:増幅率決定回路、111:バッファ、114:撮像制御部、115:増幅率制御回路、117:システム制御部、700:電荷メモリ、900:画像メモリ

Claims (16)

  1. 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を、増幅した後にデジタル変換する撮像装置であって、
    前記信号電圧を、それぞれに設定された増幅率によって増幅する二つ以上の増幅回路と、
    前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、前記増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定手段と、
    前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記二つ以上の増幅回路の少なくとも一つに対し、前記被写体の輝度情報に応じた増幅率を決定する増幅率決定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記二つ以上の増幅回路のうち一つの増幅回路により前記信号電圧が増幅されて前記デジタル変換された信号から、前記輝度情報を取得する輝度取得手段を有し、
    前記増幅率決定手段は、前記輝度情報の取得に用いた信号における前記信号電圧を増幅した増幅回路とは異なる増幅回路に対し、前記輝度情報に応じた増幅率を決定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記輝度取得手段は、前記二つ以上の増幅回路のうち相対的に低い増幅率が設定された増幅回路により前記信号電圧が増幅されて前記デジタル変換された信号から、前記輝度情報を取得し、
    前記増幅率決定手段は、前記二つ以上の増幅回路のうち相対的に高い増幅率が設定された増幅回路に対し、前記輝度情報に応じた増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の平均値および標準偏差、または、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の歪度と尖度の少なくともいずれかを、前記輝度情報として取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の平均値および標準偏差を、前記輝度情報として取得し、
    前記増幅率決定手段は、前記輝度情報と、優先する輝度範囲を設定する設定モードとを基に、前記増幅回路の増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  7. 前記輝度取得手段は、前記デジタル変換された信号による画像の輝度の歪度と尖度の少なくともいずれかを、前記輝度情報として取得し、
    前記増幅率決定手段は、前記輝度情報と、増幅率を記したテーブルとを基に、前記増幅回路の増幅率を決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  8. 前記信号電荷を保存する少なくとも一つ以上の電荷メモリを有し、
    前記輝度取得手段は、前記電荷メモリから出力された前記信号電荷を電圧変換した信号電圧を基に、前記輝度情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  9. 前記デジタル変換された信号による画像を画像メモリに保存する保存手段を有し、
    前記輝度取得手段は、前記保存された画像から輝度のヒストグラムを取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  10. 前記増幅率決定手段は、前記ヒストグラムのなかで頻度が少ない部分を閾値処理により判定し、前記判定の結果と画質の評価値とを基に、前記増幅率の決定を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記増幅率決定手段は、前記閾値処理による判定の結果を基に、候補となる複数の増幅率が取得された場合、前記候補となる複数の増幅率のなかから、前記画質の評価値を基に、前記決定する増幅率を選択することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記増幅率決定手段は、前記画質の評価値としてS/Nを取得することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  13. 前記増幅率決定手段は、前記ヒストグラムのなかで頻度が少ない部分を閾値処理により判定し、前記判定の結果を基に前記ヒストグラムを輝度により分割し、前記分割した領域毎に重要度を決定して、前記重要度を基に、前記増幅率の決定を行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  14. 前記増幅率決定手段は、前記重要度として、前記ヒストグラムの頻度の最大値、または、頻度の総数を取得することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
  15. 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を、増幅した後にデジタル変換する撮像装置の制御方法であって、
    二つ以上の増幅回路が、それぞれに設定された増幅率によって前記信号電圧を増幅する工程と、
    前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定工程と、
    前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成工程と、
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  16. 被写体の光学像を光電変換した信号電荷が電圧変換された信号電圧を増幅した後にデジタル変換する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    二つ以上の増幅回路に、それぞれに設定された増幅率によって前記信号電圧を増幅させる工程と、
    前記二つ以上の増幅回路それぞれにおける増幅率と、前記デジタル変換の際に発生する読出しノイズ量とに基づいて、増幅してデジタル変換された信号それぞれに対する重みを決定する重み決定工程と、
    前記二つ以上の増幅回路により増幅して前記デジタル変換された信号を、前記重みを用いて合成する合成工程と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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