以下、本開示に係る照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶこととする。また、同様に、天井から床面に向かう垂直な方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶこととする。また、各構成部材において、照明器具1の中央部分に設けられた開口側を「内側」と呼び、照明器具1の枠外部側を「外側」と呼ぶこととする。各図面においては、互いに直交するX、Y及びZ方向が規定されており、照明器具は、基本的にZ方向を上下方向に向けて設置された状態で説明されているが、必ずしも上下方向のみに限定されるものではなく、例えばZ方向を上下方向から傾斜させて配置されても良い。また、各図面の各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。図2は、図1に示されている照明器具1が取り付けられる天井に設置されたTバー901により構成された被取付部900を示す斜視図である。図3は、図1に示されている照明器具1の分解斜視図である。本開示は、天井に取り付けられる照明器具に関するものである。はじめに、図1~図3に基づいて照明器具1の構成について説明を行う。照明器具1は、被取付部900に取り付けられる枠部100を備える。また、枠部100には光源部200が取り付けられ、枠部100と光源部200との間に拡散パネル部300が保持される。また、照明器具1は、光源部200に載置される導光部400と、光源部200を点灯制御する電源部500と、光源部200及び電源部500を覆うように取り付けられるカバー部600と、外部からの電源線などが挿し込まれる端子台ユニット700と、を有している。
図4は、図1に示されている照明器具1の底面図である。図5は、図4のA-A部の断面構造の説明図である。枠部100は、矩形の枠状に形成されており、ロの字を形成するように枠側部110を4つ有している。枠側部110のそれぞれは、アルミ押し出し加工により形成されており、断面形状がL字形状となっている。枠部100は、被取付部900に取り付けられるものであり、枠部100の側面を構成する枠側部110に取付金具120を有している。取付金具120は、図5に示される断面形状において、板金をクランク状に曲げて形成されている。取付金具120は、枠側部110から側方に突出した位置において、Z2方向に向かって延びる爪部121を備える。また、取付金具120のZ1方向の端部は、固定部123であり、ねじ902を用いて枠側部110に固定されている。固定部123と爪部121とは、Y方向に延びる接続部122により接続されている。接続部122は、被取付部900のTバー901の上端と当接する。接続部122がTバー901に引っ掛かることにより、照明器具1が被取付部900に固定される。
取付金具120は、4つの枠側部110の対向する2組の側面のうち、1組に配設される。一方の枠側部110に設けられた取付金具120は、対向する枠側部110に配設された取付金具120に対して水平方向にずれて配設されている。実施の形態1においては、図3に示すように、対向する2つの枠側部110に取り付けられている取付金具120は、互い違いになるようにX方向にずれて配置されている。取付金具120がこのように配設されることで、複数の照明器具1を隣接して配置しても取付金具120同士が干渉するのを防ぐことができる。なお、実施の形態1において、取付金具120は、照明器具1において4つ取り付けられているが、この数量に限定されるものではない。例えば、取付金具120の水平方向の幅寸法を変更して、例えば、一方の枠側部110には2つの取付金具120を配置し、対向する他方の枠側部110には1つの取付金具120を配置しても良い。このとき、一方の枠側部110の2つの取付金具120の間に、他方の枠側部110の1つの取付金具120が位置するように配置し、望ましくは取付金具120の幅方向寸法を大きく設定すると良い。
枠側部110は、光源部200が上面に載置される第1載置部111と、拡散パネル部300が載置される第2載置部112と、を有する。第1載置部111は、光源部200をねじ902などの固定部品で固定できるように肉厚が厚く形成されている。つまり、第1載置部111は、ねじが締結できる程度にZ方向に直交する方向(Y方向又はX方向)の幅が大きく形成されている。また、第1載置部111の内側面Nは、光源部200の外側面Mと面接触できるように形成されており、導光部400の重量により光源部200の内側に倒れる変位又は水平方向XYの変位を抑制することができる。
枠側部110の下端には第2載置部112が設けられている。第2載置部112は、拡散パネル部300が有する第1パッキン320を収容する載置用凹部112aが形成されている。第2載置部112は、第1パッキン320を介して拡散パネル部300が載置される。
枠部100は光源部200が取り付けられた状態において、光源部200からの熱が第1載置部111より伝熱し、外部に放熱する。また、図5に示す様に、光源部200より下方向Z2側の枠部100の箇所に枠制御部112bが形成されている。この枠制御部112bは、部材が二重になるように構成されており、内側に位置する面である反射面112cは、Y方向において光を内側へ反射し、光源の後方、つまり照明器具1の外側へ行く光を抑制する。反射面112cは、Z方向において拡散パネル310の一端と第1発光基板220との間に位置している。また、反射面112cは、照明器具1の外側へ光を漏らさないように、第1発光基板220側に配置されているのが望ましい。また、図3に示す様に、枠部100は、4つの枠側部110の端面を突き合わせてロの字状に配置して構成される。枠側部110は、それぞれZ1側から見たときに長手方向に対し45°の角度を成す端面を突き合わせて枠部100の角部を形成している。枠側部110が下端部において部材が二重に構成されていることで、枠側部110をロの字状に配置したときに、枠側部110の端部同士の付き合わせ部の隙間からから外側へ光が漏れるのをより抑制することができる。
図6は、実施の形態1に係る照明器具1の光源部200を構成する第1光源部組200Aの斜視図である。図7は、実施の形態1に係る照明器具1の光源部200を構成する第1光源部組200Aの断面構造の説明図である。図8は、実施の形態1に係る照明器具1の光源部200を構成する第1光源部組200Aの分解斜視図である。図9は、実施の形態1に係る照明器具1の光源部200を構成する第1光源部組200Aの分解した状態の断面構造の説明図である。図10は、実施の形態1に係る照明器具1の光源部200の角部周辺の斜視図である。光源部200を構成する第1光源部組200Aは、第1光源本体部210A、第1発光基板220、第2発光基板230、クリップ250、及び下側反射部260を有する。また、図3に示す様に、光源部200は、第1光源部組200Aの第2発光基板230が取り付けられていない、第2光源部組200Bを備える。光源部200は、第1光源部組200Aと第2光源部組200Bとを組み合わせて形成されている。
図10に示す様に、光源部200は、第2発光基板230が取り付けられる第1光源本体部210Aと、第2発光基板230が取り付けられていない第2光源本体部210Bを有している。第1光源本体部210Aと第2光源本体部210Bとは、端部同士を突き合わせ、互いに長手方向が直交するように組み合わされ、L字金具210aにより連結される。第1光源本体部210Aと第2光源本体部210Bとは、2つずつ矩形状に組み合わされて光源部200を構成する。光源部200は、第1光源本体部210A同士及び第2光源本体部210B同士を対向するように配置し、ロの字形状に形成されている。図3に示すように、第2発光基板230は、対向する2つの第1光源本体部210Aの上部に取り付けられる。なお、第1光源本体部210Aと第2光源本体部210Bとを総称して光源本体部210と称する場合がある。
図3及び図5に示すように、光源本体部210は、第1発光基板220、第2発光基板230、導光部400を支持するものである。光源本体部210は、内側に導光パネル410が露出する矩形の開口209を形成するように、4つの部材をロの字状に組み合わせて形成されている。光源部200の主要な構造を構成する4つの光源本体部210のそれぞれは、アルミ押し出し形材で形成されている。
第1光源本体部210Aは、第1発光基板220、第2発光基板230、導光部400を保持するものである。第1光源本体部210Aは、導光板載置部211、第1溝部212、第1基板取付部213、固定部215、部品取付部216、本体反射部217及び第2基板取付部218、を有している。そして、第2光源本体部210Bは、第2発光基板230が取り付けられないものであり、第1光源本体部210Aの第2基板取付部218を備えていない構造になっている。なお、第1発光基板220及び第2発光基板230は、単に発光基板と称する場合がある。
図7及び図9に示すように、光源本体部210は、導光板載置部211、第1溝部212、第1基板取付部213及び固定部215を有する。断面構造において、導光板載置部211は、光源部200の内側部分に位置する水平方向に延びる板状の部分である。導光板載置部211は、光源部200の内側の端部の上方向Z1側の面に第2パッキン330が収容される押さえ側凹部211aが形成されている。第2パッキン330は、拡散パネル部300の上端が当接するとともに、導光パネル410と光源本体部210及び拡散パネル部300との緩衝材にもなるものである。
導光板載置部211の上方向Z1側の面211cの外側に隣接して段差部211bが形成されている。段差部211bは、下側反射部260が収容されるように凹んでいる。導光板載置部211は、上方向Z1側の面211cと段差部211bに収容された下側反射部260の上面とが平坦になるように形成されている。つまり、段差部211bの深さ寸法は、下側反射部260の厚さ寸法とほぼ同じに形成されている。
第1溝部212は、導光板載置部211の外側に形成されており面211c及び段差部211bからZ2方向に凹んでいる部分である。第2発光基板230は、光源本体部210の第2基板取付部218とクリップ250を用いて組み合わされている。そして、第2発光基板230の長手方向に沿った一方の端縁230aが第1溝部212に挿入されている。つまり、第1溝部212は、挿入された第1発光基板220のZ方向及びXY方向の位置を保持している。また、第1溝部212は、導光板載置部211から下方向Z2側に凹んだ形状である。第1溝部212は、溝がZ2側よりもZ1側が広く形成されている。なお、第1発光基板220が挿入される第1溝部212を単に溝と称する場合がある。
第2基板取付部218は、第1溝部212の外側の壁を構成するものであり、Z1方向に沿って突設している。第2基板取付部218は、第1溝部212側の面である当接面218aに第2発光基板230が当接する。第2基板取付部218のZ1側の端部には第2爪部218bが形成されており、第2発光基板230のZ1側の端部が引っ掛かる。第2基板取付部218の第1溝部212側の当接面218aには、クリップ250の内側凸部251がはまり込む本体開口218aaが形成されている。第2発光基板230は、本体開口218aaに対応するように開口235が形成されている。
光源本体部210の第2基板取付部218は、第2発光基板230の背面が当接するように配置される当接面218aと、当接面218aの裏側から突出して固定部215に接続されている部品取付部216とを有する。部品取付部216は、固定部215と第2基板取付部218の間に形成されている。部品取付部216の下方には、本体反射部217の第1反射部217aが形成されており、光源本体部210のZ2側の面を形成している。本体反射部217は、第1溝部212の底部が形成するZ2側を向いた面から連続している部分であり、一部である第1反射部217a及び第2反射部217bが導光板載置部211よりも下方に突出した位置にある。部品取付部216と本体反射部217との間は中空に形成されている。この中空の部分にL字金具210aが挿し込まれ、L字金具210aは、上方向Z1側からネジ等の固定部材により、第1光源本体部210A及び第2光源本体部210Bに固定されている。
第1基板取付部213は、第1発光基板220が取り付けられる部分である。第1基板取付部213は、固定部215と部品取付部216及び本体反射部217との間からZ2方向に突設されている。第1基板取付部213の上端には第2溝部213aが形成されており、下端には爪部213bが形成されている。第1発光基板220は、光源部200の内側を向いて配置される。第1発光基板220は、Z1側の端縁が第2溝部213aに挿し込まれた後に、Z2側の端部が爪部213bに引っ掛かるように回動され、第1基板取付部213に当接される。第1発光基板220と第1基板取付部213とは、クリップ250によりZ2側の端部が固定されている。第1基板取付部213は、クリップ250の内側に設けられた内側凸部251が嵌り込む本体開口213aaが形成されている。第1発光基板220は、本体開口213aaに対応する位置に開口225が形成されている。なお、第1発光基板220のような発光基板が挿入される第2溝部213aを単に溝と称する場合がある。
固定部215は、光源本体部210の上部に設けられており、第1基板取付部213よりも枠部100側に位置している。固定部215は、L字状に形成されており、枠部100の第1載置部111の上面に載置され、ねじ902などの固定具で枠部100に固定される。
図5に示すように、第1発光基板220は、第1基板取付部213に固定される。拡散パネル310は、一端が枠側部110の下端部の第2載置部112に支持され、他端が光源本体部210に取り付けられた第2パッキン330を介して導光パネル410に当接して支持されている。なお、第1発光基板220及び拡散パネル310を支持する枠側部110及び光源本体部210を含む構造をまとめて構造部材と称する場合がある。
第1発光基板220に設置された発光素子222は、光軸L1を中心として光を射出し、拡散パネル310の入射面312に光を入射させる。なお、発光素子222から光が射出される方向を第1方向と称する場合がある。第1方向は、図5のY方向に沿った方向であり、光軸L1に平行である。また、第1方向に直交する方向を第2方向と称する場合がある。拡散パネル310は、第1発光基板220の発光素子222からの光を拡散し、出射面313から出射する。図3、図6及び図8に示すように、第1発光基板220は、X方向又はY方向に長尺に形成された第1基板221と、第1基板221の長手方向に沿って直線状に実装された複数の発光素子222と、長手方向両端に設けられたコネクタ223とを備える。第1基板221には、クリップ250の内側凸部251が嵌り込む開口225が形成されている。なお、実施の形態1において、複数の発光素子222は、全て同じような色を発光するものであり、例えば、白色の光を照射するものである。
第1発光基板220は、4つの光源本体部210の第1基板取付部213のうち3つに取り付けられている。第1発光基板220を4つの第1基板取付部213のうち1つには取り付けないことで日影を演出することができる。これは、照明器具1は、導光パネル410が青空を模擬したものであり、拡散パネル310がその周囲の壁面又は窓枠を模したものとして想定した際に、青空からの光を照射した箇所と日陰になる箇所を模した演出をすることができる。
図11は、図5の第1発光基板220及び拡散パネル部300周辺の拡大図である。図11に示される本体反射部217は、第1発光基板220からの光が拡散パネル310の入射面312を均一照射できるよう制御するものである。本体反射部217は、第2溝部213aから導光板載置部211の端部までの領域に亘って形成されている。本体反射部217は、図11に示すように、第2溝部213a側から導光板載置部211に向かって順番に第1反射部217a、第2反射部217b、第3反射部217cを有している。
実施の形態1において、第1発光基板220の発光素子222からの光は、光軸Lから照射角度が45度の範囲の光が強く、照射角度が45度より大きくなると光が弱くなる。従って、図11に波線で示されている拡散パネル310の下端部の領域Aは、直接光だけを考慮した場合、到達する光量が少なく、暗くなり易い。なお、この光が所定よりも強い角度領域を主照射角度と称する。なお、図11に示される主照射角度は一例であり、発光素子222の仕様によって主照射角度が大きい場合、小さい場合がありうる。なお、第1発光基板220の発光素子222から射出される光を、第1の光と称する場合がある。
また、発光素子222からの距離が遠くなると光が減衰してしまうため、拡散パネル310へ到達する光が弱くなる。従って、図11に波線で示されている拡散パネル310の上端部の領域Bで示される範囲が暗くなり易い。
第1発光基板220側には第1反射部217aが配置されている。第1反射部217aは、発光素子222からの光の射出方向である第1方向において最も第1発光基板220に近い。第1反射部217aは、部品取付部216のZ2側に位置し、Z1側に凸の断面形状が円弧状で入射面312側から見て凹んだ曲面を有する。また、第1反射部217aは、第1発光基板220側を向いて配置されている。つまり、第1反射部217aの曲面は、第1発光基板220から離れるにつれて光軸L1に近づく様に傾斜している。
第2反射部217bは、第1反射部217aに対し導光板載置部211側に位置しているZ2側に凸の断面形状が円弧状の曲面である。第2反射部217bと導光板載置部211との間は斜面219により接続されている。第3反射部217cは、導光板載置部211のZ2側の面である。第3反射部217cは、平面となっている。
図11に示すように、第1反射部217aは、光源である発光素子222側からみて円弧状に窪んだ凹形状をしている。発光素子222から第1反射部217aに達した光は、発光素子222の主照射角度よりも広角方向の領域へ向かって光を反射させる。第1反射部217aで反射された光線は、図11の一点鎖線で示されており、波線で示される領域Aに向かっている。これにより、拡散パネル310の下端部周辺の波線で示される領域Aに達する光が大きくなり、明るくなる。
第3反射部217cは、第1反射部217a及び第2反射部217bよりもZ1側に設けられており、発光素子222からの光を拡散パネル310の上端部である領域Bに反射させる。第2反射部217bは、第1反射部217aと第3反射部217cとの間に位置し、Z2側に凸形状の部分である。第2反射部217bは、光源である発光素子222側に凸の円弧状に形成されていることにより、光源からの光が反射することにより生じる拡散パネルの輝線を抑制している。
図12は、実施の形態1に係る照明器具1の比較例である照明器具1001の第1発光基板220及び拡散パネル300周辺の拡大図である。比較例の照明器具1001のように、反射面1217の断面形状が平坦な形状で形成されていると、光源からの光線が反射される領域が限定され、拡散パネル310の各部に達する光の量に差が生じる。例えば、図12に示すように、拡散パネル310の上端部に位置する領域Bは、第3反射部1217cの反射光を受けるため明るく、また第1溝部212の底部に形成されている平坦な第1反射部1217aの反射光を受ける領域Dも明るい。しかし、第1反射部1217a及び第3反射部1217cに反射される光線が達しない領域Cは、領域B及び領域Dと比較して暗くなる。また、発光素子222の主照射角の範囲内で最も発光素子222からの距離が近い領域Eは、最も輝度が高くなる。さらに、第1発光基板220が取り付けられる第1取付部1213のZ2側の領域は、発光素子222からの光線がほとんど達しないため最も暗くなる。このように、比較例に係る照明器具1001は、拡散パネル310の上端から下端にかけて領域ごとに達する光線が異なり、各部において輝度の差が大きく輝線が生じる。一方、実施の形態1に係る照明器具1においては、第1反射部217a及び第2反射部217bが円弧状の曲面になっており、光源からの光線が拡散されるため、拡散パネル310の各部に達する光線の量が均され、輝線の発生が抑えられる。
図5に示すように、第2発光基板230は、光源本体部210の第1載置部111の上面に載置されている導光パネル410の端面410aに向かって光を照射するものである。図3及び図8に示すように、第2発光基板230は、X方向に長尺に形成された第2基板231と、第2基板231の長手方向に沿って実装されている複数の発光素子232と、長手方向両端に設けられた第2コネクタ233とを備える。第2基板231には、クリップ250の内側凸部251が嵌り込む開口235が形成されている。開口235は、第2基板231の長手方向に沿って長孔形状に形成されており、第2基板231が熱の影響により膨張もしくは収縮した場合であっても、その変位によりクリップ250が第2基板231を拘束しないように構成されている。このように構成されることにより、第2発光基板230は、発光素子232の発光による熱により変形してしまうことを抑制することがきる。
実施の形態1において、第2発光基板230の複数の発光素子232は、異なる色を発光するものが実装されており、例えば、青、白、緑の発光素子がそれぞれ複数実装されている。第2コネクタ233は、複数の色をそれぞれに対応するように設けられており、例えば、2線用のコネクタ233aと単線用のコネクタ233bとから構成され、3色それぞれに対応した発光素子232に対応できるようにしている。また、第2発光基板230は、2線用のコネクタ233aと単線用のコネクタ233bの間にストッパー270(図10参照)のパネル止め部271c(図10参照)が当接する箇所を有している。このパネル止め部271cが当接する箇所が2線用のコネクタ233aと単線用のコネクタ233bとの間に設けられているため、パネル止め部271cは、発光素子232からの光を遮ることが抑制される。
図5に示すように、発光素子232は、第2基板231の上下方向、つまりZ方向において中央部に設けられている。この複数の発光素子232の位置は、第2発光基板230が第1溝部212に挿し込まれた状態において、導光パネル410の入光面である端面410aと対向する位置である。
図8に示すように、光源本体部210の第2基板取付部218は、第2発光基板230が当接するように配置される当接面218aと第2発光基板230の端部が引っ掛かる第2爪部218bを有している。当接面218aには、クリップ250の内側凸部251が嵌り込む本体開口218aaが形成されている。
また、第2発光基板230は、端部の発光素子232と第2コネクタ233の間に後述するストッパー270のパネル止め部271cが当接する箇所を有している(図10参照)。このパネル止め部271cが当接する箇所を端部の発光素子232と隣接する箇所に設けることで、パネル止め部271cが発光素子232からの光を遮ることを抑制することができる。また、第2基板231において発光素子232の上下の領域に導線パターン(図示なし)が形成されている。この導線パターンは複数の色それぞれに合わせて複数形成されており、上下に分けて形成されている。また、この導線パターンにはコンデンサなど電気部品234が実装されている。コンデンサなど電気部品234は発光素子232に対してZ方向にずれた位置に設けられている。
導光パネル410は、第2発光基板230からの光をレイリー散乱させ、青空を模した光、例えば、黒体軌跡における色温度25000lx以上の光を照射するものである。第2発光基板230は、導光パネル410のレイリー散乱が大きい場合には照射される光の色温度が低くても良く、レイリー拡散が小さい場合には色温度を高くすることにより導光パネル410からの光を青空と同様な25000K以上の色温度の光を照射することができる。なお、第2発光基板230の発光素子232から射出される光を、第2の光と称する場合がある。
図8及び図9に示すようにクリップ250は、第1発光基板220を光源本体部210の第1基板取付部213に、第2発光基板230を第2本体部240の基板取付部241に、それぞれ固定するものである。クリップ250は、U字形状をした係止部材であり、弾性変形可能な樹脂などで形成されている。ここで発光基板が基板取付部に配置された状態で端部側からクリップ250が挿し込まれることで、発光基板と基板取付部を挟み固定する。ここで発光基板は、第1発光基板220又は第2発光基板230であり、基板取付部は、光源本体部210の第1基板取付部213又は第2基板取付部218である。
また、クリップ250は、U字形状の内側に内側凸部251が形成されている。内側凸部251は、発光基板及び基板取付部のそれぞれに設けられた開口に嵌り込み、クリップ250自体が外れるのを抑制することができる。ここで開口は、第1発光基板220の開口225、第2発光基板230の開口235、光源本体部210の第1基板取付部213の開口213d及び第2本体部240の基板取付部241の開口241aである。基板取付部側の開口213d及び241aは、丸孔でクリップ250の内側凸部251とほぼ同等の大きさであり、発光基板側の開口225及び235は、発光基板の長手方向に長軸を向けた長穴である。開口225及び235が、発光基板の長手方向に長軸を向けた長孔であるため、第1発光基板220及び第2発光基板230は、熱による伸縮が可能なようにクリップ250に挟持されている。
第1発光基板220及び第2発光基板230は、熱による伸縮ができないように固定されると、反りなどの変形が発生する場合がある。基板が反ると、基板が他部品へ接触したり、光源となる発光素子の位置がずれるなどの不具合が発生するという課題があった。しかし、実施の形態1に係る照明器具1によればクリップ250により第1発光基板220が光源本体部210の第1基板取付部213の表面に接触し押しつけられ、第2発光基板230が第2本体部240の基板取付部241に接触し押しつけられる。つまり、発光基板が光源本体部に接触し押しつけられる。これにより発光基板から光源本体部210及び第2本体部240に熱が移動し易い。これにより、発光基板の放熱性が向上し、発光基板の熱による変形が抑えられる。また、発光基板は、溝とクリップ250とにより面方向に挟まれて光源本体部に取り付けられているため、発熱の膨張による長手方向の寸法変化を吸収できる構造になっている。これにより発光基板は、発熱による変形が抑えられ、破損及び位置ずれを抑えることができる。
図5~図9に示される下側反射部260は、第2発光基板230の発光素子232からの光を反射させ導光パネル410に入光させるものである。そのため、下側反射部260は、反射性能を有するシートをZ字状に曲げられ形成されている。下側反射部260は、発光素子232からの光が損失するのを抑制し、効率良く導光パネル410に入光させる。また、下側反射部260は、第2発光基板230と光源本体部210とを絶縁するものであり、第1溝部212の内側と第2発光基板230の銅箔部(図示なし)との間に介在する。
第2発光基板230は、第1溝部212にZ2側の端縁230aが保持されるとともに、第2爪部218bによってZ1側への移動が抑制された状態で保持される。第2発光基板230は、Z1側への移動を抑制されるとともに、光源本体部210と一体に固定され第2発光基板230の放熱効率が向上する。図5に示すように、光源部200は、第2発光基板230を光源本体部210の第1溝部212に挿し込むことにより一体に組み立てすることができ、かつ第2発光基板230を面方向に保持することができる。
図5に示すように、光源部200は、第1発光基板220と第2発光基板230をY方向において異なる位置に設置するとともに、第2発光基板230の端縁230aを含む端部が第1溝部212に一部が収容されることで、光源部200のZ方向の寸法を抑えることができる。つまり、第1発光基板220のZ1側の端縁220aを含む端部は、第2発光基板230のZ2側の端縁230aを含む端部とY方向に重なって位置する。なお、第1溝部212は、第2発光基板230のZ2側の端縁230aを含む端部が挿し込まれており、Z2方向、即ち拡散パネル310及び第1発光基板220の発光素子222が配置されている側に突出しているが、第1発光基板220の発光素子222の光が、遮られることなく拡散パネル310に到達する様に形成されている。なお、第1発光基板220及び第2発光基板230のZ1側の端縁220a及び230bを含む端部を上端部と呼ぶ場合がある。また、第1発光基板220及び第2発光基板230のZ2側の端縁220b及び230aを含む端部を下端部と呼ぶ場合がある。さらに、拡散パネル310を第1の導光板、導光パネル410を第2の導光板、と称する場合がある。
また、第1溝部212は、図5に示す、第1発光基板220及び第2発光基板230の長手方向に垂直な断面において、Z2側よりもZ1側が広く形成されており、第2発光基板230が挿し込まれた状態で、第1溝部212と第2発光基板230上の電気部品234とが接触するのを抑制する。この第1溝部212の構造により電気部品234を導光板載置部211よりもZ2側に配置することができ、第2発光基板230の配置をZ2側に抑えることができる。第2発光基板230の配置をZ2方向に抑えることにより、照明器具1の高さ方向の寸法を抑制することができる。また、これにより照明器具1の大型化を抑制する。また、このとき、第1発光基板220の上端部は、第2発光基板230の下端部と上下方向において重なって位置する。つまり、第1発光基板220の上端部は、第2発光基板230の下端部とY方向の視点において重なっており、照明器具1のZ方向寸法の抑制に寄与している。
(ストッパー270)
図10に示されるように、ストッパー270は、第1溝部212に部分的に挿入されて固定され、第2発光基板230の光源本体部210に対する水平方向XYの移動を規制するものである。また、ストッパー270は、導光パネル410が第2発光基板230上の発光素子232と接触するのを抑制するものである。
図13は、図10に示されているストッパー270の上側から見た単品斜視図である。図14は、図10に示されているストッパー270の下側から見た単品斜視図である。ストッパー270は、ストッパー本体部271と、ストッパー本体部271からZ2方向に延びるストッパー脚部272を有している。図10、図13及び図14に示される様に、ストッパー本体部271は、第2コネクタ233が収容されるコネクタ収容部271bを備える。コネクタ収容部271bは、第2発光基板230側から見て第2発光基板230から離れる側に凹むように形成されている。ストッパー本体部271は、側面部271fから突出する様に基板押圧部271aを備える。基板押圧部271aは、第2発光基板230の長手方向の中央部側に向かって側面部271fから突出しており、コネクタ収容部271bとX方向に並んで配置されている。パネル止め部271cは、第2発光基板230の発光素子232と導光パネル410の端面410aとの間に挿し込まれる様に位置している。そのため、第2発光基板230の面方向への移動が規制され、発光素子232と導光パネル410の端面410aとは、接触しない。
基板押圧部271aは、第2発光基板230当接する面と反対側の面が発光素子232に導光パネル410の端面410aが接触しないように導光パネル410と当接するパネル止め部271cを備える。基板押圧部271aは、発光素子232よりも厚い。従って、基板押圧部271aは、導光パネル410が第2発光基板230側へ変位するのを抑え、導光パネル410の端面410aが発光素子232に当接するのを防ぐ。
図13に示すように、ストッパー270の上面は、押さえ受け部271dを備える。押さえ受け部271dは、図5に示すストッパー押さえ部280が水平方向において当接する水平受け部271daと、下方向Z2側において当接する垂直受け部271dbを有する。水平受け部271daと垂直受け部271dbとは、段差形状(直交する形状)になるよう形成されている。なお、垂直受け部271dbでまでの高さがほぼ導光パネル410の厚さとほぼ同等である。
ストッパー脚部272は、ストッパー270を光源本体部210に固定するものであり、第2光源本体部210Bの第1溝部212に挿し込まれるものである。ストッパー脚部272は、ストッパー本体部271から下方向Z2側へ突設したものである。また、ストッパー脚部272は、Y方向にも延びており、即ち第2発光基板230に対し垂直方向にも延びており、Y方向の全域に亘って第2光源本体部210Bの第1溝部212に挿入されている。
ストッパー270は、光源本体部210の導光板載置部211の上に載置された導光パネル410の四隅に対応して4つ配設されている。導光パネル410は、ストッパー本体部271の側面部271fとパネル止め部271cとに囲まれ、水平方向XYの移動を抑制されている。つまり、ストッパー本体部271の側面部271fとパネル止め部271cとが成す隅部は、導光パネル410の角部に対応して位置し、光源本体部210と導光パネル410とのXY方向の相対位置関係を規制している。換言すると、パネル止め部271cが導光パネル410の第2発光基板230と対向する端面410aに沿って配置され、ストッパー本体部271の側面部271fが端面410aに隣合う端面410bに沿って配置されることにより、導光パネル410はXY方向の変位が規制される。なお、端面410aを第1端面、端面410bを第2端面と称する場合がある。4カ所に配設されたストッパー270のそれぞれは、基板押圧部271a及びコネクタ収容部271bを第2発光基板230に対向させるようにして配置されている。
図10に示す様に、ストッパー脚部272は、ストッパー270を光源本体部210に固定するための構造であり、第2光源本体部210Bの第1溝部212に挿し込まれ、嵌り込む。ストッパー270は、2つの光源本体部210が互いに垂直になるように端部を突き合わせて配置された状態において、一方の第1光源本体部210Aに取り付けられた第2発光基板230と導光パネル410との間に基板押圧部271aを配置し、ストッパー脚部272を他方の第2光源本体部210Bの第1溝部212に嵌合させて、跨がって配置される。
(ストッパー押さえ部280)
図15、図16、図17、図18及び図19は、実施の形態1に係る照明器具1において、光源部200に導光パネル410を取り付ける工程を示す斜視図である。図18及び図19に示す様に、ストッパー押さえ部280は、第2光源本体部210Bの部品取付部216に取り付けられる押さえ脚部281と、ストッパー270を覆った状態で導光パネル410を上方から押さえる押さえ本体部282と、を有している。押さえ脚部281は、第2光源本体部210Bの上面に沿って配置され、ねじ902等の固定手段により固定されている。X方向において、押さえ脚部281の光源部200の内側に位置する端部は、上方に延びる接続部284が形成されている。接続部284のZ1側の端部は、X方向において光源部200の内側方向に延びる押さえ本体部282が形成されている。つまり、ストッパー押さえ部280は、Y方向視点においてクランク形状に折り曲げられて、ストッパー270及び導光パネル410を上方から押さえる様に構成されている。換言すると、ストッパー270及び導光パネル410は、導光板載置部211とストッパー押さえ部280の押さえ本体部282との間に挟まれて位置し、固定される。
押さえ本体部282は、平板状であり、ストッパー270の垂直受け部271dbのX方向の幅よりも長く形成されている。また、押さえ本体部282の側辺からは上方向Z1側へ突設した押さえ側面部283を有している。これにより、押さえ本体部282は、XY平面に対し曲げ方向の剛性が高くなる。また、図5に示す様に押さえ本体部282と導光パネル410との間には、パネル用緩衝材280aが配置されており、押さえ本体部282が導光パネル410に当接したときに導光パネル410が傷つかないようにしている。また、反射シート420は、押圧されると表面の凹凸が平坦になってしまい光を全反射するようになってしまう。すると、反射シート420は、光を水平方向XYに反射するものの、下方向Z2側へ反射する光量が減ってしまうため、導光パネル410から照射される光が減ってしまう。実施の形態1によれば、ストッパー押さえ部280は、導光パネル410の角部の近傍で部分的に導光部400を押さえており、ストッパー270の高さと導光部400の高さとを適宜設定することにより、反射シート420は過剰に押圧されないように形成されている。これにより、照明器具1は、導光パネル410から照射される光量が減少することがなく、照射能力が向上する。
(拡散パネル部300)
図5に示される、拡散パネル部300は、光源本体部210の下部に取り付けられた第1発光基板220からの光を拡散透過させるものである。拡散パネル部300は、透過性を有する拡散パネル310と、拡散パネル310の下側端部の端面に設けられる第1パッキン320と、拡散パネル310の上側端部の端面310aに設けられる第2パッキン330と、を有する。第2パッキン330は、光源本体部210の押さえ側凹部211aと導光パネル410との間において、導光パネル410と導光板載置部211とに挟持されている。
拡散パネル310は、Z1側に向かうに従って照明器具1の内側に傾斜するように設けられている。図3に示される様に、拡散パネル310は、傾斜した面をロの字状に4つ配設した形状である。換言すると、拡散パネル310は、四角錐の頂点側が無い四角錐台の側面で構成される形状である。
拡散パネル310は、枠部100の第2載置部112に第1パッキン320とともに載置される。そして、拡散パネル310のZ1側の端面310aは、枠部100に光源部200が取り付けられることにより第2パッキン330を介して導光パネル410に覆われる。つまり、拡散パネル310は、枠部100と導光パネル410とにより上下に挟持される。拡散パネル310の上側端部の端面310aは、導光パネル410の照射面411と少なくとも一部が対向している。拡散パネル310は、第1発光基板220の発光素子222から照射される水平方向の光を斜め下側方向に向かって照射する。
拡散パネル310は、例えば白地の樹脂版材料で形成されている。白地の樹脂材料は、乳白材でも良く、又は透明の材料の裏側に白色のスクリーン印刷をしても良い。また、拡散パネル310のうち、日陰の演出をする箇所に関しては、白地の裏側、即ち第1発光基板220と対向する側の面に遮光をする印刷を行う。このとき、白色の印刷に重ねて黒色印刷をしても良く、白色の裏に灰色、白色、黒色の順番で印刷しても良い。このように、白色の裏に遮光をする印刷が施された拡散パネル310を部分的に備えることにより、照明器具1は、一部の遮光印刷が施されている拡散パネル310が非点灯の時には白色で、点灯するときは黒色にすることができ、日陰を演出することができる。
また、拡散パネル310は、導光パネル410と対向する面に遮光処理が施されている。これは、拡散パネル310は、第1発光基板220からの光が入射されたときに、板材内側で導光されて端面310aから出射する光がある。拡散パネル310の端面310aからの光は、導光パネル410に入射され、例えば青色発光させようとする導光パネル410を一部白く発光させてしまう。従って、拡散パネル310は、上方向Z1側端部に遮光処理をすると良い。例えば遮光処理は、端部に反射部(図示無し)となる白色のスクリーン印刷をしてから、遮光部(図示無し)となる黒色のスクリーン印刷を行う。反射部は、拡散パネル310に入射した光が拡散し端面310aに到達したところで光を拡散パネル310内に反射させる。この処理をすることで、拡散パネル310の内側を導光した光は端面310aの反射部で反射する。反射部において反射しきれなかった光は遮光部で遮光される。
仮に拡散パネル310の端部に白色の反射部を設けないとした場合、拡散パネル310の端面310aに達した光は、遮光部に反射され拡散パネル310の端面310aが黒く見えることになる。これにより、照明器具1は、導光パネル410の発光する部分と拡散パネル310の発光する部分が黒い線で隔てられて見えてしまう虞がある。また、アルミ板材やパッキン材などで拡散パネル310の端部に蓋をするように覆って遮光すると、端部を覆った部材の材料厚さ分の暗い部分が視認できてしまい、導光パネル410の発光する部分と拡散パネル310の発光する部分が黒い線で隔てられて見えてしまう虞がある。
よって、実施の形態1に係る照明器具1においては、拡散パネル310のZ1側の端面を2色のスクリーン印刷で反射遮光をすることで、上記のような課題を解消することができ、導光パネル410の発光する部分と拡散パネル310の発光する部分とを一体的に見せることができる。また、図5に示す様に、拡散パネル310の端面310aと導光パネル410との間に第2パッキン330を間に挟む場合においても、拡散パネル310の端面310aの全てを覆うのではなく、端面310aの第1発光基板220側の一部に介在させるだけでよい。なお、図5に示す様に、導光パネル410のZ2側に位置する照射面411と拡散パネル310の端面310aの間に一部隙間ができるが、導光パネル410から照射される光で隙間が目立つのを抑制することができる。また、拡散パネル310の端面310aの端面に形成された遮光部により導光パネル410からの光が拡散パネル310に入光することを抑制することができる。
図4に示す様に、導光部400は、ロの字状に形成された光源部200の開口から露出するように設けられている。また、図3及び図5に示す様に、導光部400は、導光パネル410と、反射シート420と、を有している。
図5に示す様に、導光パネル410は、端面410aに第2発光基板230からの光が入光し、入光した光を拡散して照射するものである。導光パネル410は、第2発光基板230からの複数の光が拡散されて照射する。実施の形態1に係る照明器具1は、導光パネル410において青空を模した色、例えば黒体軌跡における色温度25000lx以上に混色された光を照射する。
反射シート420は、導光パネル410の照射面411とは反対側の面である載置面412に載置される。反射シート420と導光パネル410の載置面412とは、外周部を貼り付けて固定されると良い。このとき、反射シート420と導光パネル410の載置面412との貼り付け箇所は、Z2側から導光パネル410を視認したときに光源部200に遮られて見えない、導光板載置部211と対向している部分が望ましい。
反射シート420は、第2発光基板230からの光のうち上方向Z1側にくる光を反射するものである。第2発光基板230から導光パネル410に入射した光は、反射シート420に反射することによりZ1側に漏れるのが抑制され、導光パネル410内を伝播し、照射面411から照射される。この反射シート420は、例えば樹脂で形成されており、導光パネル410側の面が細かな凹凸形状になっている。凹凸形状の凹の部分は、導光パネル410の載置面412との間に隙間が設けられ、載置面412との間に空気層ができる。反射シート420は、この凹凸形状により光を乱反射させている。反射シート420は、導光パネル410の上側の面である載置面412に載せられており、導光パネル410側の面に凹凸を有するため、簡易な構造で導光パネル410に入射した光を伝播させ照射することができ、照明器具1のコストを削減することができる。
導光パネル410の端面410aの上方には、上側反射部290が配置されている。上側反射部430は、下側反射部260と同様なものであり、導光パネル410と第2発光基板230との間の隙間の上方を塞ぐように配置されている。上側反射部430は、反射性能を有するシートがL字状に曲げられ形成されている。また、上側反射部430は、第2基板231の上方向Z1側の表面を保護する効果もある。図18及び図19に示される様に、上側反射部290の第2基板231に沿って位置する部分は、上方向Z1側の端縁の一部がZ1方向に突設して設けられた凸部291が形成されている。上側反射部290の凸部291は、第2基板231とともに第2基板取付部218にクリップ250により固定される。
図18に示す様に、第2発光基板230と上側反射部290とを固定する前に、先に第2発光基板230がクリップ250により第2基板取付部218に取り付けられる。このとき、全ての箇所のクリップ250を取り付けるのでなく、第2発光基板230の中央と両端のクリップ250を取り付ける。上側反射部290は、光源部200に導光パネル410が載置された後に、導光パネル410の端面410aと第2発光基板230との間を塞ぐように第2基板取付部218に沿って配置され、クリップ250により固定される。このとき、上側反射部290の凸部291は、先に取り付けられたクリップ250を避けるように配設されており、上側反射部290の凸部291と第2発光基板230と第2基板取付部218とは、クリップ250に挟まれて一体となる。
次に図15、図16、図17、図18及び図19を用いて光源部200に導光部400を組み付ける過程を説明する。光源部200と導光部400とを組立てるのは、図15~図19に示すように容易である。導光部400は、光源部200に対してZ1側から組立てることができ、Z2側から作業する必要が無いため、裏返して作業するなどの手間がなく、組み立て作業が容易である。
図15に示す第1工程では、第1光源本体部210Aと第2光源本体部210Bとがロの字状に配設され、第1光源本体部210Aの第2基板取付部218に第2発光基板230がクリップ250を用いて取り付けられている。この状態で、ストッパー270のストッパー脚部272を第2光源本体部210Bの第1溝部212に挿し込み、ストッパー270が配設される。このとき、ストッパー270は、基板押圧部271aが2線用のコネクタ233aと単線用のコネクタ233bの間を押圧し、コネクタ収容部271bに2線用のコネクタ233aが収容されるように配置されている。第2発光基板230は、ストッパー270により、第2基板取付部218側へ押圧された状態になる。第2発光基板230は、少なくとも長手方向、即ちX方向の端部で第2基板取付部218に固定されている。
図16に示す第2工程では、光源部200の光源本体部210の四隅にそれぞれ配置されたストッパー270のストッパー本体部271の側面部271fとパネル止め部271cに囲まれた領域に導光パネル410を収容する。なお、導光パネル410には予め反射シート420が載置され固定されている。
図17に示す第3工程では、光源本体部210にストッパー押さえ部280が固定されるストッパー押さえ部280は、第2光源本体部210Bの部品取付部216に固定される。導光パネル410及び反射シート420とストッパー押さえ部280の押さえ本体部282との間にはパネル用緩衝材280aが配置される。
図18に示す第4工程では、導光パネル410と第2発光基板230の間を覆うように上側反射部290を載置する。上側反射部290の凸部291は、クリップ250により、第2発光基板230及び第2基板取付部218に固定される。
図19は、光源部200と導光部400とが組立てられた状態を示している。なお、電源部500を組み付ける前の状態である、枠部100、光源部200及び導光部400が組み合わされた状態のものを光源組立体と称する場合がある。以上の工程で、導光部400は光源部200に取り付けられる。導光パネル410は、ストッパー270とストッパー押さえ部280で固定することができ、板材などで導光パネル410を上方から覆うように抑えるよりも小さい部材で容易に固定することができるため、軽量化が図れる。また、第2基板取付部218がない第2光源本体部210Bを用いたことで、ストッパー押さえ部280により簡易な構造でストッパー270を覆うように押さえることができる。また、上側反射部290は、反射シート420と別体であるため、導光パネル410とともに反射シート420が動いてしまい第2発光基板230との隙間が大きくなってしまっても、隙間を塞ぐことができる。
図20は、実施の形態1に係る照明器具1を上方から見た斜視図である。図21は、実施の形態1に係る照明器具1からカバー部600を取り外した状態を示す斜視図である。電源部500は、第1発光基板220、第2発光基板230に電力を供給し、照明器具1の点灯を制御するものである。電源部500は、電源フレーム510と、点灯制御回路基板520と、通信ユニット530と、を備えている。電源フレーム510は、第2光源本体部210Bの部品取付部216に取り付けられ、導光部400の上方を覆うように配置されている。電源フレーム510は、上面に点灯制御回路基板520と通信ユニット530とが載置されている。
図22は、図21の電源フレーム510の斜視図である。電源フレーム510は、点灯制御回路基板520と通信ユニット530とを保持する回路保持部511を有している。回路保持部511は、平坦な面であるが、通信の為の信号を遮らないように信号用開口511aが設けられている。信号用開口511aは、通信ユニット530が載置される面に開口されている。信号用開口511aは、丸孔形状であるが、スリット形状のように線状に設けられていても良い。
電源フレーム510は、回路保持部511の端部から下方に突出するフレーム脚部512を備える。フレーム脚部512は、光源部200の第2光源本体部210Bの部品取付部216に固定され、回路保持部511と導光部400の上面との間に隙間が空くように回路保持部511を位置させる。回路保持部511と導光部400の上面との間に隙間が空くことにより、通信ユニット530の信号受信部(図示なし)及びアンテナ(図示無し)が信号用開口511aからZ2側に突出できる。
点灯制御回路基板520は、第1発光基板220及び第2発光基板230のそれぞれに電力を供給する。通信ユニット530は、外部からの無線通信、赤外線通信などによる信号を受信し、点灯制御回路基板520に点灯に関する信号を送信するものである。電源部500は、導光部400に対向して取り付けられることで、導光部400側が金属部材で遮られることが無いため、照射側、即ち電源部500に対しZ2側から来る信号を受信できる。また、電源部500と導光部400との間に介在する金属部材がないため照明器具1の重量を減らすことができる。また、電源部500は、反射シート420と蓋部440との間の空気層に直接面するので放熱性が良くなる。
図21に示す様に、カバー部600は、下方向Z2側が開口した略箱形状をしており、電源部500、導光部400及び導光部400より上方向Z1側に突設している第2発光基板230を上方から覆っている。カバー部600は、側面に端子台ユニット700が接続されるカバー開口610が形成されている。また、カバー部600は、第2発光基板230、導光部400、及び電源部500をそれぞれ個別に覆う様に設けるよりも、一括して覆う様に構成することにより、簡易な構成にでき、軽量化が図られる。なお、枠部100、光源部200、導光部400、電源部500及びカバー部600が組み合わされた状態を光源ユニットと称する場合がある。
図20に示す様に、XY方向において、カバー部600は枠部100よりも幅が小さく形成されている。つまり、カバー部600の側面611は、枠部100の側面である枠側部110の表面よりも、照明器具1の中央寄り、即ち照明器具1の内側に位置している。照明器具1は、カバー部600と枠部100とが成す隅部に、電源線または信号線が配置される領域である電線配置部601が形成されている。電線配置部601は、カバー部600の側面611と枠部100により形成される段差の隅部により形成される空間であり、カバー部600の側面611に対しX方向外側の領域であって枠部100の上面からZ1側の領域である。なお、照明器具1において、第2発光基板230は照明器具1の4つの側辺のうち対向する2つの側辺に対応して配置されている。電線配置部601は、第2発光基板230が配置されていない対向する2つの側辺に対応して形成されている。よって、照明器具1は、対向するカバー部600の側面611間の幅寸法が枠部100の幅寸法よりも小さく形成することができ、電線配置部601を広く設けることができる。端子台ユニット700は、蓋部440に取り付けられており、カバー部600のカバー開口610を塞ぐように配設され、カバー部600の側面611から突出する様に固定されている。
図23は、図21に示されている端子台ユニット700の上方から見た斜視図である。図24は、図21に示されている端子台ユニット700の下方から見た斜視図である。図25は、図21に示されている端子台ユニット700の上方から見た分解斜視図である。図26は、図21に示されている端子台ユニット700の下方から見た分解斜視図である。端子台ユニット700は、電力供給の為の電源線(図示なし)が接続される電源端子台710と、外部からの信号線(図示無し)が接続される信号端子台720と、電源端子台710と信号端子台720が取り付けられる端子台フレーム730と、を備えている。
図23~図26に示す様に、電源端子台710は、略直方体形状をしており、直方体形状の一方の面に電源線が挿し込まれる電源線挿込部711を有している。また、信号端子台720も、略直方体形状をしており、直方体形状の一方の面に信号線が挿し込まれる信号線挿込部721を有している。図20に示す様に、電源端子台710及び信号端子台720は、カバー部600の側面611から突出して配置されている。
端子台フレーム730は、電源端子台710及び信号端子台720のそれぞれと電源部500とを接続する電線(出力電線とも言う、図示無し)が収容される配線収容部731を備える。配線収容部731は、カバー部600の側面611から突出して配置されている。また、端子台フレーム730は、配線収容部731のY方向の両端からそれぞれ突設した取付部732を有している。図25及び図26に示される様に、配線収容部731は、電源端子台710及び信号端子台720のそれぞれの出力電線の挿し込み口が挿通される開口734及び735が形成されている。
図23~図26に示される様に、端子台フレーム730のY方向の両端に対に設けられた取付部732の端子台配置部732aには、電源端子台710と信号端子台720とがそれぞれ取り付けられている。電源端子台710と信号端子台720とは、電源線挿込部711と信号線挿込部721とが互いに反対方向へ向くように配置されている。つまり、電源端子台710と信号端子台720とは、外部からの電線の挿し込み方向が反対を向くように配置されている。
また、端子台ユニット700の端子台フレーム730は、カバー部600に取り付けられた状態において、電源端子台710の電源線挿込部711及び信号端子台720の信号線挿込部721がカバー部600の側面611に沿った方向を向くように開口されている。つまり、カバー部600の側面611と、電源線挿込部711及び信号線挿込部721が形成されている面とは、交差する方向を向いて設けられており、実施の形態1においては垂直である。これにより、照明器具1は、電源線及び信号線をカバー部600の側面611に沿って挿し込むことができる。また、照明器具1は、電源線および信号線を電線配置部601に配置することができる。よって、複数の照明器具1を隣接して配置しても、電源線が隣接する照明器具1に干渉するのを抑制することができる。また、電源線が照明器具1の上方向Z1側に突出して配置されるのを抑制することができ、電源線が躯体と干渉するのを抑制することができる。また、電源端子台710と信号端子台720は、配線収容部731を挟み配置することで照明器具1の高さが高くなること抑制することができる。なお、電源端子台710と信号端子台720とを総称して、コネクタと称する場合がある。
実施の形態1において電源線挿込部711及び信号線挿込部721は、被覆が除去され導体がむき出しとなっている電線の端部が挿し込まれる。しかし、電源線挿込部711及び信号線挿込部721は、図示しないコネクタ部材が挿し込まれる様に構成されていても良い。このとき、実施の形態1において電線の導体がむき出しとなっている箇所にコネクタ部材が取り付けられ、電源線挿込部711及び信号線挿込部721に接続される。
実施の形態1の照明器具1は、上記のように、外部からの電線がカバー部600の側面611に沿って電源線挿込部711又は信号線挿込部721に挿し込まれるように配置されたコネクタを備える。このような構成により、照明器具1は、電源線及び信号線などの外部からの電線を、枠部100及び光源部200の側面に沿った方向にコネクタに接続できる。そして、外部からの電線は、照明器具1のカバー部600の側面611に沿って照明器具1の側方に配置することができる。端子台ユニット700が光源部200にとりつけられたカバー部600の側面611から突出して設けられ、コネクタが側面611に沿って挿し込まれる。そのため、端子台ユニット700に接続される電線は、枠部100、光源部200及びカバー部600の側面に平行な方向に延びる様に位置する。これにより、外部から接続される電線が照明器具1から離れる側に向かって膨らむのが抑制されるため、電線と周囲の器具又は天井材等とが接触しにくくなる。従って、電線が傷つけられたり挟み込まれたりすることにより損傷するのを抑制することができる。
(変形例)
図27は、実施の形態1に係る照明器具1の変形例である照明器具1001の斜視図である。変形例に係る照明器具1001は、照明器具1に相当する部分を光源ユニット1200とし、光源ユニット1200が天井(被取付部)に設置された器具本体1100に取り付けられて構成されるものである。なお、光源ユニット1200と照明器具1との主な構成の違いは、枠部1210、蓋部1220の形状であり、共通する構造については説明を省略する。
図28、図29及び図30は、図27の照明器具1001の分解斜視図である。図31は、図27の照明器具1001の断面構造の説明図である。照明器具1001は、天井の被取付部900に取り付けされる器具本体1100と、器具本体1100に着脱可能に取り付けられる光源ユニット1200と、を備えている。
器具本体1100は、一面が開口した箱形状である本体部1110と、端子台1120と受け部1130を備えている。本体部1110は、本体底面部1111の略中央に吊りボルトなど固定具が挿し込まれる取付孔1112が形成されている。
端子台1120は、図示しない電源線が取り付けられるものであり、端子台コネクタ1121を有している。また、本体底面部1111の取付孔1112からずれた位置に配設されている。
受け部1130は、本体部1110の側面に設けられており、光源ユニット1200に設けられた取付バネ1230と係合して、光源ユニット1200を器具本体1100に固定する。
光源ユニット1200の枠部1210は、実施の形態1に係る照明器具1の枠部100の構成にくわえて器具本体1100の開口の縁を覆う鍔部1211と、取付バネ1230が取り付けられる立上り部1212を備えている。
図29に示す様に、光源ユニット1200の蓋部1220は、一方の第2発光基板230と電源部500とを覆う第1蓋部1221と、他方の第2発光基板230を覆う第2蓋部1222を有している。Y方向において、第2蓋部1222は第1蓋部1221よりも短く形成されており、第1蓋部1221と第2蓋部1222の間に収容部1223が設けられている。収容部1223は、Y方向において中央側より第2蓋部1222側によって配設されている。
取付バネ1230は、光源ユニット1200を器具本体1100に固定するものであり、受け部1130と係合する。取付バネ1230は、弾性力を有する線材をV字状に形成したものである。また、光源ユニット1200は、端子台1120を介して電力供給を受ける為に、端子台コネクタ1121と接続する電源側コネクタ1224を有している。
光源ユニット1200を器具本体1100に取り付けするとき、吊りボルトなどの固定具と端子台1120は収容部1223内側に配置される。端子台1120は、第2蓋部1222側に中央より寄せて配置しているので収容部1223に配置することができる。よって、照明器具1001は、上下方向に薄型化することができる。