JP7376753B1 - マルチゾーンヒータ - Google Patents

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Abstract

円盤状のセラミック基体の一方主面に載置されたウエハを加熱可能なマルチゾーンヒータが、セラミック基体に設けられてなり、ウエハを昇降させるためのリフトピンが挿通される複数のリフトピン穴と、セラミック基体のインナーゾーンに埋設されてなるインナーゾーンヒータと、インナーゾーンよりも外側のアウターゾーンに埋設されてなるアウターゾーンヒータと、インナーゾーンヒータの両端が接続されてなる第1および第2の給電端子と、アウターゾーンヒータの両端が接続されてなる第1および第2引出線と、第1引出線が接続されてなる第3の給電端子および第2引出線が接続されてなる第4の給電端子と、を備え、複数のリフトピン穴とインナーゾーンヒータとアウターゾーンヒータの配置が、対称軸が共通な線対称であり、第1および第2引出線が、対称軸に沿って互いに対称に設けられてなる、ようにした。

Description

本発明は、半導体ウエハを加熱するためのマルチゾーンヒータに関する。
半導体製造装置においてウエハを加熱するためのヒータとして、セラミックヒータが広く用いられている。こうしたセラミックヒータとして、複数のゾーンのそれぞれの別個のヒータにて加熱するように構成された、いわゆるマルチゾーンヒータが知られている。係るマルチゾーンヒータの一種として、円盤状のセラミック基体の中央部(インナーゾーン)を加熱するための発熱体(コイル)と外周部(アウターゾーン)を加熱するための発熱体(コイル)とがセラミック基体内部の一の平面内に埋設されてなるとともに、それぞれの発熱体に印加する電圧を独立に印加することが可能とされてなることで、それぞれの発熱体からの発熱を独立に制御することが可能な2ゾーンヒータが、すでに公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に開示されているような、インナーゾーンとアウターゾーンとを別の発熱体にて加熱するマルチゾーンヒータの場合においては概略、それぞれのゾーンの発熱体が、円板状のセラミック基体と同心の複数の円弧状に配置される。また、セラミック基体の中央部には外部からの給電を担う接続端子が設けられている。インナーゾーンに配置される発熱体は係る接続端子と直接に接続される一方、アウターゾーンに配置される発熱体は、その端部と接続端子とを接続する引き出し線を介して、接続端子と接続される。
ただし、係る引き出し線は、インナーゾーンを横切るように配置する必要がある。そのため、少なくとも、インナーゾーンの引き出し線周辺において、インナーゾーン用の発熱体が折り返されている。その結果、折り返し部分においては、発熱体の曲率半径が円弧状の部分とは顕著に異なっている。なお、発熱体パターンの配置の仕方によっては、係る発熱体の折り返しはアウターゾーンを含め他の箇所においても生じ得る。
また、セラミックヒータを備える半導体製造装置には、特許文献2に開示されているように、セラミック基体の上面に載置されたウエハを下方支持して上昇させることが可能な支持ピン(リフトピン)が設けられることがある。リフトピンは、セラミック基体の所定位置に設けられた貫通穴(リフトピン穴)に対し挿通自在に設けられる。リフトピン穴が備わるセラミックヒータの場合、係るリフトピン穴を回避(迂回)して発熱体を配置することも必要となる。このようにリフトピン穴を回避する箇所における発熱体の曲率半径も、円弧状の部分とは顕著に異なっている。
半導体製造装置における生産性向上の観点からは通常、セラミックヒータによるウエハの加熱が、ウエハ面内においてできるだけ均一になされる(均熱性が高い)ことが望ましい。つまりは、ウエハを加熱した際のウエハ面内における温度ばらつきができるだけ小さくなることが望ましい。
しかしながら、マルチゾーンヒータにおいては、上述のような発熱体の折り返し箇所において温度分布の均一性が悪くなる傾向がある。
また、リフトピン穴を備えるセラミックヒータの場合、リフトピン穴を回避する箇所においても、温度分布の均一性が悪くなる傾向がある。
すなわち、リフトピン穴を備えるマルチゾーンヒータにおいては、円弧状をなしている通常部分とは曲率半径が顕著に異なる特異点(曲率半径特異点)において、温度分布の均一性が悪くなる傾向がある。
これは、セラミックヒータの製造プロセスにおける発熱体の変形態様の相違に起因するものと考えられる。すなわち、例えば窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどに代表されるセラミック材料の成形体内に発熱体を埋設した後、トン単位の荷重をかけつつ1500℃を超える温度で該成形体を焼成することによって得られるものであるところ、係る焼成時の発熱体の変形挙動が、曲率半径特異点と通常部分とで異なるために、完成したセラミックヒータにおいて曲率半径特異点のところで発熱ばらつきが生じてしまうものと考えられる。
なお、発熱体の太さ、材質などを違えることで発熱密度を違えた複数種類の発熱体を用いて均熱性を確保する場合もあるが、曲率半径特異点への適用には必ずしも適してはいない。
あるいは、曲率半径特異点を多数設けることにより、均熱性を高める考え方もあるが、設計の複雑さやコストなどを鑑みると現実的ではない。
本発明の発明者は、リフトピン穴を備えるマルチゾーンヒータにおける均熱性の確保に関し、鋭意検討を行った結果、リフトピン穴の配置位置と、アウターゾーンに配置される発熱体と給電用の接続端子とを接続する引き出し線の配置位置とを総合的に検討することにより、曲率半径特異点を有しつつも均熱性を好適に確保することができる構成に想到するに至った。
国際公開第2019/181500号 国際公開第2006/004045号
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、リフトピン穴を備えるマルチゾーンヒータにおける均熱性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、一方主面がウエハ載置面とされてなる円盤状のセラミック基体を備え、前記一方主面に載置されたウエハを加熱可能なマルチゾーンヒータであって、前記セラミック基体に設けられてなり、前記ウエハを昇降させるためのリフトピンを挿通可能な複数のリフトピン穴と、前記セラミック基体のインナーゾーンに埋設されてなるインナーゾーンヒータと、前記セラミック基体の前記インナーゾーンよりも外側のアウターゾーンに埋設されてなるアウターゾーンヒータと、前記セラミック基体の中央部に設けられてなり、前記インナーゾーンヒータの両端が接続されてなる第1の給電端子および第2の給電端子と、前記アウターゾーンヒータの両端が接続されてなる第1引出線および第2引出線と、前記セラミック基体の中央部に設けられてなり、前記第1引出線が接続されてなる第3の給電端子および前記第2引出線が接続されてなる第4の給電端子と、を備え、前記複数のリフトピン穴と前記インナーゾーンヒータと前記アウターゾーンヒータの配置が、対称軸を共通とする線対称配置とされてなり、前記第1引出線および前記第2引出線が、前記対称軸に沿って互いに対称に設けられてなる、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るマルチゾーンヒータであって、前記複数のリフトピン穴が、前記セラミック基体と同心の円上に設けられてなる、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に係るマルチゾーンヒータであって、前記セラミック基体と同心の円の直径が、前記セラミック基体の直径の46%~88%である、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3の態様のいずれかに係るマルチゾーンヒータであって、前記インナーゾーンと前記アウターゾーンとが、前記セラミック基体と同心の仮想的な境界円にて区分され、前記境界円の直径が、前記セラミック基体の直径の51%~82%である、ことを特徴とする。
本発明の第1ないし第4の態様によれば、引出線が対称軸に沿わないマルチゾーンヒータに比して、ヒータにより加熱を行った際のウエハ載置面における均熱性を高めることが、可能となる。
マルチゾーンヒータ10の模式平面図である。 マルチゾーンヒータ10の模式断面図である。 非対称マルチゾーンヒータ1010の模式平面図である。 マルチゾーンヒータ10においてヒータ加熱を行ったときのウエハ載置面22における温度分布を例示する図である。 非対称マルチゾーンヒータ1010においてヒータ加熱を行ったときのウエハ載置面22における温度分布を例示する図である。 マルチゾーンヒータ10Bの模式平面図である。 マルチゾーンヒータ10Bにおいてヒータ加熱を行ったときのウエハ載置面22における温度分布を例示する図である。 マルチゾーンヒータ10Cの模式平面図である。
<マルチゾーンヒータの構成>
図1は本発明の実施の形態に係るマルチゾーンヒータ10の模式平面図である。図2はマルチゾーンヒータ10の模式断面図である。なお、図1においては、図面視左右方向をx軸方向とする右手系のxyz座標を付しており、図2のz軸方向も図1と一致させている。
マルチゾーンヒータ10は、半導体の製造プロセスの一工程である半導体ウエハの加熱工程において、半導体ウエハを下方支持する支持台(サセプタ)として使用されるものである。係る加熱工程のより具体的な態様としては、プラズマCVDによりウエハに対し半導体薄膜を形成する工程におけるウエハの加熱などが例示される。本実施の形態においては、マルチゾーンヒータ10は、例えば公知のプラズマCVD装置のような図示しない半導体製造装置の内部に組み込まれて使用されるものであるとする。
マルチゾーンヒータ10は、セラミック基体20と、インナーゾーンヒータ30と、アウターゾーンヒータ40と、第1引出線41と、第2引出線42と、シャフト50とを、主として備える。
セラミック基体20は、セラミック材料の焼成体にて構成される、円盤状のプレート部材である。セラミック材料としては、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウムなどが例示される。
セラミック基体20は、例えば320mm~385mmの直径と、10mm~30mmの厚みを有する。セラミック基体20の一方主面(図2における上面)は、ウエハ載置面22となっている。ウエハ載置面22には、エンボス加工により複数の凹凸が形成されていてもよいし、複数の溝が形成されていてもよい。
また、セラミック基体20には、貫通穴である複数のリフトピン穴60が設けられてなる。複数のリフトピン穴60には、図示しない半導体製造装置に備わり、セラミック基体の上面に載置されたウエハを下方支持して昇降させることが可能な支持ピン(リフトピン)が、自在に挿通できるようになっている。複数のリフトピン穴60は、セラミック基体20の軸中心Cから等距離の位置に(つまりはセラミック基体20と同心の円上に)周方向において等角度間隔にて、線対称(図1においてはy軸対称)の配置にて設けられてなる。図1においては3つのリフトピン穴60(60a~60c)が線対称の配置にて備わる場合を例示しているが、リフトピン穴60の個数はこれに限られるものではない。
さらに、セラミック基体20の他方主面(図2における下面)は、シャフト50の接続面24となっている。シャフト50は、セラミック基体20と同様のセラミック材料の焼成体にて構成される、中空の円筒状部材である。
また、セラミック基体20には、セラミック基体20と同心の円として観念される仮想境界円26を境に、インナーゾーン20aとアウターゾーン20bとが区画される。インナーゾーン20aは、仮想境界円26の内側の円形領域である。アウターゾーン20bは、仮想境界円26の外側の環状領域である。仮想境界円26は、径方向においてリフトピン穴60の配設位置のやや内側に定められている。
インナーゾーン20aにはインナーゾーンヒータ30が埋設されており、アウターゾーン20bにはアウターゾーンヒータ40が埋設されている。
インナーゾーンヒータ30は、セラミック基体20の内部の、ウエハ載置面22と平行な面内(xy平面内)においてインナーゾーン20aの全域にわたって配線されてなるコイルである。図1に示す場合、インナーゾーンヒータ30は、軸中心Cを通るyz平面の近傍の折り返し部分35(35a~35d)で曲線的に折り返されつつ一筆書きの要領で配線されてなる。
アウターゾーンヒータ40は、セラミック基体20の内部の、インナーゾーンヒータ30と同一の面内(xy平面内)においてアウターゾーン20bの全域にわたって配線されてなるコイルである。図1に示す場合、アウターゾーンヒータ40は、軸中心Cを通るyz平面の近傍の折り返し部分47(47a、47b)で曲線的に折り返されつつ一筆書きの要領で配線されてなる。
図1に示すように、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40は、折り返し部分35および折り返し部分47を除く大部分において、セラミック基体20の径方向に等間隔の円弧状に、つまりは同心の円弧状に、設けられてなる。
例外的に、リフトピン穴60の近傍では、リフトピン穴60の存在に起因した温度ムラの発生を抑制するべく、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40とにはそれぞれ局所的に、湾曲部分36および48が設けられてなる。
例えば、図1に示す場合であれば、インナーゾーンヒータ30は、リフトピン穴60a、60b、および60cの近傍においてそれぞれ、径方向外側へと湾曲した湾曲部分36a、36b、および36cを有する。
また、アウターゾーンヒータ40も、リフトピン穴60aおよび60bの近傍においてそれぞれ、径方向外側へと湾曲した湾曲部分48aおよび48bを有する。
インナーゾーンヒータ30およびアウターゾーンヒータ40を構成するコイルの材質としては、モリブデン、タングステン、またはモリブデン/タングステン化合物などが挙げられる。
なお、インナーゾーン20aおよびアウターゾーン20b内の場所に応じて、インナーゾーンヒータ30およびアウターゾーンヒータ40を構成するコイルの単位長さあたりの巻き数が適宜変更されていてもよい。例えばウエハをプラズマ加熱する場合、該ウエハへのプラズマ入熱が部分的に異なることによりウエハに温度ムラが生じることがあり、このような温度ムラを解消するために場所に応じて単位長さあたりの巻き数を変更してもよい。コイルは、単位長さあたりの巻き数が多いほど発熱量が多くなり高温になりやすい。コイルの巻き数を変更する代わりに、巻き径を変更したり線間距離(隣接するコイルの間隔)を変更したりしてもよい。
インナーゾーンヒータ30の両端はそれぞれ、セラミック基体20の中央部(軸中心Cの付近)に配設された第1給電端子31と第2給電端子32とに接続されてなる。図2に示すように、第1給電端子31と第2給電端子32とは、同一平面内に設けられてなる。
アウターゾーンヒータ40の両端40a、40bはそれぞれ、第1引出線41の一方端部と第2引出線42の一方端部とに接続されており、第1引出線41の他方端部と第2引出線42の他方端部とがそれぞれ、セラミック基体20の軸中心Cの付近に配設された第3給電端子43と第4給電端子44とに接続されてなる。図2に示すように、第3給電端子43と第4給電端子44とは、同一平面内に設けられてなる。
第1引出線41と第2引出線42とは、インナーゾーン20aを横断する態様にて設けられてなる。図2には、第1引出線41がz軸に垂直な面内にてインナーゾーン20aを横断する様子を模式的に示している。より具体的には、図1に示すように、第1引出線41と第2引出線42とは、インナーゾーンヒータ30の対をなす2つの折り返し部分35aおよび35bの間に設けられてなる。
第1引出線41と第2引出線42とは、ワイヤにて構成される。ワイヤの材質としては、モリブデン、タングステン又はモリブデン/タングステン化合物などが挙げられる。ワイヤの線径は、特に限定するものではないが、例えば0.3mm以上1.0mm以下が好ましい。
なお、図1においては、第1引出線41および第2引出線42が、軸中心Cを通るy軸に沿った互いに線対称な直線状となっている。換言すれば、リフトピン穴60の線対称配置の対称軸に沿って設けられてなる。なお、直線状であることは必須の態様ではなく、線対称である限り、平面視したときの形状が蛇行した形状(つまり曲がりくねった形状)や全体として湾曲した形状であってもよい。なお、本実施の形態において第1引出線41および第2引出線42が線対称であるとは、略対称に位置する場合を含み、製造時に不可避的に生じる程度のずれは許容される。例えば本来の線対称位置からの4mm程度以下のずれを許容するものとする。この程度の位置ずれであれば、後述する均熱性を悪化させることはない。
第1給電端子31と第2給電端子32にはそれぞれ、インナーゾーンヒータ用電源37からの給電線である給電部材34および33も接続されている。また、第3給電端子43と第4給電端子44にはそれぞれ、アウターゾーンヒータ用電源49からの給電線である給電部材45および46も接続されている。これらの接続には、ネジ、加締め、嵌合、ろう付け、溶接、共晶はんだ付けなど、種々の接続態様が適用可能である。また、第1給電端子31と第2給電端子32の配置、および、第3給電端子43と第4給電端子44の配置も、y軸に対して対称となっている。
給電部材33、34、45、および46はシャフト50の内部に配設されてなる。給電部材33、34、45、および46は、金属製であることが好ましく、ニッケル製であることがより好ましい。あるいはインコネル(Special Metal Corporation社の登録商標)などのニッケル合金製であってもよい。またはタングステン製/ニッケル製複合材であってもよい。給電部材33、34、45、および46の形状としては、ロッド状、ワイヤ状などが例示される。
インナーゾーンヒータ用電源37とアウターゾーンヒータ用電源49の動作は、コントローラ52によって制御される。これにより、本実施の形態に係るマルチゾーンヒータ10においては、インナーゾーン20aとアウターゾーン20bの温度制御を独立に行うことができるようになっている。換言すれば、マルチゾーンヒータ10は、インナーゾーン20aとその外側のアウターゾーン20bとを別個のヒータにて独立に加熱可能な構成を有するものとなっている。
<構成要素の配置関係の詳細>
図1に示したような構成を有する、本実施の形態に係るマルチゾーンヒータ10における、各構成要素の配置は、ウエハ載置面22における均熱性を確保する観点から定められてなる。
具体的には、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40とは、折り返し部分35および折り返し部分47を有しつつも、その大部分において同心の円弧状に、設けられてなる。
折り返し部分35および折り返し部分47における形状は、折り返しに起因する温度ばらつきが抑制されるように、定められてなる。
また、リフトピン穴60の近傍にて設けられるインナーゾーンヒータ30の湾曲部分36およびアウターゾーンヒータ40の湾曲部分48は、リフトピン穴60の存在に起因する温度ばらつきを抑制する目的で、設けられてなる。
なお、折り返し部分35および折り返し部分47と、湾曲部分36および湾曲部分48とは、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40の同心の円弧状部分に比して曲率半径が顕著に異なっていることから、これらの箇所を、曲率半径特異点とも称する。
換言すれば、マルチゾーンヒータ10においては、曲率半径特異点における温度ばらつきが抑制されるように、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40が配設されてなる。
しかも、その際には、インナーゾーンヒータ30、アウターゾーンヒータ40、およびリフトピン穴60の配置が、対称軸を共通とする線対称配置とされてなる。図1に示す場合においては、これらの構成要素がy軸対称に配置されることで、係る線対称の配置が実現されてなる。
これらに加えて、本実施の形態に係るマルチゾーンヒータ10においては、第1引出線41および第2引出線42が、係る線対称配置の対称軸に沿って設けられてなる。そして、係る第1引出線41および第2引出線42の配置に伴い、インナーゾーンヒータ30の折り返し部分35の配置およびアウターゾーンヒータ40の折り返し部分47の配置も線対称となっている。
以上のような構成を有するマルチゾーンヒータ10においては、第1引出線41および第2引出線42が、いずれもが曲率半径特異点である一対の折り返し部分35(35a、35b)の間、および、一対の折り返し部分47(47a、47b)の間に、位置しているにもかかわらず、第1引出線41および第2引出線42がリフトピン穴60の線対称配置の対称軸とは異なる位置に設けられる構成のマルチゾーンヒータに比して、優れた均熱性が実現されるようになっている。
図3は、対比のために示す、第1引出線41および第2引出線42がリフトピン穴60の線対称配置の対称軸とは異なる位置に設けられたマルチゾーンヒータ(以下、非対称マルチゾーンヒータ)1010の模式平面図である。
非対称マルチゾーンヒータ1010は、インナーゾーン20aにインナーゾーンヒータ30が埋設されており、アウターゾーン20bにアウターゾーンヒータ40が埋設されている点、および、リフトピン穴60の配置については、図1に示すマルチゾーンヒータ10と同じであるが、第1引出線41および第2引出線42の大部分が、軸中心Cを通るx軸に沿った互いに線対称な直線状となっている。これに伴い、インナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40の折り返し部分もx軸に沿って備わっている。結果として、第1引出線41および第2引出線42は、リフトピン穴60の線対称配置の対称軸とは異なる位置に設けられてなる。ただし、第1給電端子31と第2給電端子32の配置、および、第3給電端子43と第4給電端子44の配置は、x軸に対して対称となっている。
図4および図5はそれぞれ、設定温度を550℃として、マルチゾーンヒータ10および非対称マルチゾーンヒータ1010においてヒータ加熱を行ったときの、ウエハ載置面22における温度分布を、放射温度計にて測定した結果を例示する図である。
図4に示す、本実施の形態に係るマルチゾーンヒータ10の場合、ウエハ載置面22における温度分布は概ね一様であり、最高温度は552.1℃で最低温度は548.9℃となった。すなわち、温度ばらつき(最高温度と最低温度との差分値)は、3.2℃に収まっていた。
これに対し、図5に示す非対称マルチゾーンヒータ1010の場合、最高温度は557.5℃で最低温度は547.7℃となり、局所的な高温領域であるホットスポットAの存在が確認された。温度ばらつきは、9.8℃にまで達した。図3と図5との対比より、係るホットスポットAは、第1引出線41および第2引出線42の備わる位置に形成されていることがわかる。
これらの結果は、マルチゾーンヒータ10においては、アウターゾーンヒータ40に給電するための第1引出線41および第2引出線42を、リフトピン用のリフトピン穴60の線対称配置の対称軸の位置に設けることが、ウエハ載置面22における均熱性を確保するうえにおいて好適であることを、示している。
なお、第1引出線41と第2引出線42の存在に起因した温度ばらつきの発生を抑制するという点からは、第1引出線41と第2引出線42は短い方が望ましい。これはすなわち、仮想境界円26の直径が小さい方が望ましいことを意味する。しかしながら、第1引出線41と第2引出線42が短いほど、インナーゾーン20aが小さくなり、アウターゾーン20bが大きくなり、両者のバランスが悪くなる。インナーゾーンヒータ30によるインナーゾーン20aの加熱とアウターゾーンヒータ40によるアウターゾーン20bの加熱とを好適にバランスさせるという観点からは、仮想境界円26の直径が、セラミック基体20の直径の51%~82%程度であるのが好適である。仮想境界円26の直径が、セラミック基体20の直径の51%を下回ると、アウターゾーンヒータ40がウエハのエッジ以外も温めてしまい、エッジ部分の温度調整が難しくなる傾向が顕著となり好ましくない。一方、仮想境界円26の直径が、セラミック基体20の直径の86%を上回ると、アウターゾーン20bでの温度調整性が著しく低下するという問題が生じる。例えば、セラミック基体20の直径が330mmの場合であれば、仮想境界円26の直径は、200mm~260mmであるのが好適である。ここで、仮想境界円26の直径は、軸中心Cから最遠の位置にあるインナーゾーンヒータ30のPCDと、軸中心Cから最近の位置にあるアウターゾーンヒータ40のPCDとの平均値(中間値)として定義される。
<別態様>
図6は、図1に示したマルチゾーンヒータ10の別態様に係るマルチゾーンヒータ10Bの模式平面図である。
マルチゾーンヒータ10Bは、3つのリフトピン穴60(60a~60c)がインナーゾーン20aに設けられてなり、かつ、これに伴いインナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40とにおける局所的な湾曲のさせ方が、異なっている点を除いて、マルチゾーンヒータ10と同じ構成を有する。すなわち、第1引出線41および第2引出線42の配置態様は、マルチゾーンヒータ10と同じとなっている。
なお、リフトピン穴60は、セラミック基体20と同心であって、直径がセラミック基体20の直径の46%~88%である円上に設けられればよい。リフトピン穴60が、係る直径範囲をみたさない円上に設けられる場合、リフトピンによるウエハの支持が不安定になり、ウエハが落下するおそれがあり、好ましくない。例えば、セラミック基体20の直径が330mmの場合であれば、リフトピン穴60は、直径が180mm~280mmである円上に設けられるのが好適である。
図7は、設定温度を500℃として、マルチゾーンヒータ10Bにおいてヒータ加熱を行ったときの、ウエハ載置面22における温度分布を、放射温度計にて測定した結果を例示する図である。
図7に示す、マルチゾーンヒータ10Bの場合も、ウエハ載置面22における温度分布は概ね一様であり、最高温度は499.2℃で最低温度は495.9℃となった。すなわち、温度ばらつきは3.3℃に収まっていた。
係る結果も、アウターゾーンヒータ40に給電するための第1引出線41および第2引出線42を、リフトピン用のリフトピン穴60の線対称配置の対称軸の位置に設けることが、ウエハ載置面22における均熱性を確保するうえにおいて好適であることを、示している。
図8は、図1に示したマルチゾーンヒータ10のさらに別態様に係るマルチゾーンヒータ10Cの模式平面図である。
マルチゾーンヒータ10Cにおいては、第1給電端子31と第2給電端子32の配置、および、第3給電端子43と第4給電端子44の配置がy軸に対して対称となっておらず、それゆえ、第1引出線41と第2引出線42の配置が、平面視においてシャフト50の内側に位置する範囲においてのみ、y軸に対して対称ではない、という点を除いて、マルチゾーンヒータ10と同じ構成を有する。
しかしながら、少なくとも平面視においてシャフト50の外側に位置する範囲において、第1引出線41と第2引出線42の配置がリフトピン穴60とインナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40の配置と対称軸を共通とする線対称配置であれば、ヒータにより加熱を行った際のウエハ載置面における均熱性は高められる。すなわち、マルチゾーンヒータ10Cのように、第1給電端子31と第2給電端子32の配置が非対称であり、第3給電端子43と第4給電端子44の配置が非対称性であり、それゆえ、平面視においてシャフト50の内側に位置する範囲における第1引出線41と第2引出線42の配置が非対称であることは、ウエハ載置面22における均熱性に影響を与えない。
換言すれば、このことは、マルチゾーンヒータ10およびマルチゾーンヒータ10Bも含め、第1引出線41と第2引出線42の配置が、少なくとも平面視においてシャフト50の外側に位置する範囲において、リフトピン穴60とインナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40の配置と対称軸を共通とする線対称配置であれば、ヒータにより加熱を行った際のウエハ載置面における均熱性が高められることを意味する。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、一方主面が半導体ウエハの載置面とされてなるとともに、半導体ウエハを昇降させるためのリフトピンが挿通される複数のリフトピン穴が設けられてなるセラミック基体を備え、かつ、係るセラミック基体の中央部のインナーゾーンとその外側のアウターゾーンとを別個のヒータにて独立に加熱可能なマルチゾーンヒータにおいて、リフトピン穴とインナーゾーンヒータとアウターゾーンヒータの配置を、対称軸を共通とする線対称配置とすることに加えて、アウターゾーンヒータへの給電を担う引出線を、当該対称軸に沿って互いに対称に設けるようにする。このように構成されたマルチゾーンヒータにおいては、引出線が対称軸に沿わないマルチゾーンヒータに比して、ヒータにより加熱を行った際のウエハ載置面における均熱性を高めることが、可能となる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、リフトピン穴60がセラミック基体20と同心の円上において等角度間隔にて設けられてなるが、等角度間隔ではない態様も許容される。例えば、3つのリフトピン穴が、セラミック基体20と同心の円上において正三角形ではない二等辺三角形状に配置される態様であってもよい。
また、上述の実施の形態においては、第1給電端子31と第2給電端子32とが同一平面内に設けられ、かつ、第3給電端子43と第4給電端子44とが同一平面内に設けられインナーゾーンヒータ30とアウターゾーンヒータ40とはいずれも、xy平面内に二次元的に配置されている。
これに代わり、第1給電端子31と第2給電端子32とがz軸方向に沿って上下に設けられ、インナーゾーンヒータ30がxy平面内のみならずz軸方向にも配線される3次元的な配置を有するように態様であってもよい。同様に、第3給電端子43と第4給電端子44とについてもz軸方向に沿って上下に設けられ、アウターゾーンヒータ40がxy平面内のみならずz軸方向にも配線される3次元的な配置を有するように態様であってもよい。

Claims (4)

  1. 一方主面がウエハ載置面とされてなる円盤状のセラミック基体を備え、前記一方主面に載置されたウエハを加熱可能なマルチゾーンヒータであって、
    前記セラミック基体に設けられてなり、前記ウエハを昇降させるためのリフトピンを挿通可能な複数のリフトピン穴と、
    前記セラミック基体のインナーゾーンに埋設されてなるインナーゾーンヒータと、
    前記セラミック基体の前記インナーゾーンよりも外側のアウターゾーンに埋設されてなるアウターゾーンヒータと、
    前記セラミック基体の中央部に設けられてなり、前記インナーゾーンヒータの両端が接続されてなる第1の給電端子および第2の給電端子と、
    前記アウターゾーンヒータの両端が接続されてなる第1引出線および第2引出線と、
    前記セラミック基体の中央部に設けられてなり、前記第1引出線が接続されてなる第3の給電端子および前記第2引出線が接続されてなる第4の給電端子と、
    を備え、
    前記複数のリフトピン穴と前記インナーゾーンヒータと前記アウターゾーンヒータの配置が、対称軸を共通とする線対称配置とされてなり、
    前記第1引出線および前記第2引出線が、前記対称軸に沿って互いに対称に設けられてなる、
    ことを特徴とするマルチゾーンヒータ。
  2. 請求項1に記載のマルチゾーンヒータであって、
    前記複数のリフトピン穴が、前記セラミック基体と同心の円上に設けられてなる、
    ことを特徴とするマルチゾーンヒータ。
  3. 請求項2に記載のマルチゾーンヒータであって、
    前記セラミック基体と同心の円の直径が、前記セラミック基体の直径の46%~88%である、
    ことを特徴とするマルチゾーンヒータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマルチゾーンヒータであって、
    前記インナーゾーンと前記アウターゾーンとが、前記セラミック基体と同心の仮想的な境界円にて区分され、前記境界円の直径が、前記セラミック基体の直径の51%~82%である、
    ことを特徴とするマルチゾーンヒータ。
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