JP7374938B2 - 移動端末試験装置、及び移動端末試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のコンポーネント・キャリア(CC)を含む試験用信号を被試験対象との間で出力レベルを変更しながら送受信させる受信感度試験を行うことにより、被試験対象である移動端末の試験を行う移動端末試験装置、及び移動端末試験方法に関する。
近年開発が進んでいる、ミリ波帯の広帯域な信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した無線信号を送受信する無線端末については、無線端末が備えている無線通信用のアンテナに対して、通信規格ごとに定められた送信電波の出力レベルや受信感度を測定し、所定の基準を満たすか否かを判定する性能試験が行われる。
例えば、5G NRシステム(New Radio System)用の無線端末(以下、5G無線端末)を被試験対象(Device Under Test:DUT)とする性能試験においては、周囲の電波環境に影響されないコンパクト・アンテナ・テスト・レンジ(Compact Antenna Test Range:以下、CATR)と称する電波暗箱(OTAチャンバ)を用いたOTA試験が実施される。
OTA試験等、5G無線端末などを対象とする各種試験については、例えば、非特許文献1に記載される規格に沿った試験を行うことが義務付けられているものがある。
例えば、信号発生器から送信する試験用信号をDUT(5G無線端末)で受信させて受信感度を測定する動作を複数回実行して測定結果を集計するDUTの受信感度試験に関しては、非特許文献1の38.521-2章の7.3.2に、試験用信号の最低限許容される出力レベル[dB]などの規定に関しての記載がある。
3GPP 技術仕様書38.521-2章の7.3.2
DUTの受信感度試験を行うことができる従来の移動端末試験装置では、試験用信号の出力レベルを非特許文献1に記載されている規格に則った値に保つべく、初回の受信感度試験で設定した出力レベルから測定回数が増えるごとに順次一定レベルずつ変化(リニアに変化)させていく方法(図17におけるメイン画面135aの試験結果表示領域135b参照)を採用しているものが一般的であった。
このため、従来の移動端末試験装置では、信号発生器から送信する試験用信号の出力レベルを移動端末の受信感度試験に好適な出力レベル(試験可能レベル)に制御するまでに時間が長くかかり、結果として、受信感度試験に長時間を要することになった。
さらに近年、5G無線端末等の移動端末については、通信の高速化に対応すべく、異なる周波数帯の複数のコンポーネント・キャリア(CC)を組み合わせて(束ねて)使用するキャリア・アグリゲーション(CA)技術を採用したものも提案されつつある。
CAによる複数のCCを束ねた通信が可能な移動端末の試験を行う移動端末試験装置では、それぞれのCCごとに受信感度試験を行う必要がある。その場合、試験用信号として一つのキャリア(carrier wave)を使用する場合と同様、CCごとに、測定回数が増えるにしたがって出力レベルを順次一定レベルずつリニアに変化させるレベル設定方法を適用する方法が考えられる。
このようなレベル設定方法を適用した従来の移動端末試験装置によれば、全てのCCの受信感度試験を行う場合に、これら全てのCCがスループット測定終了条件に到達するまで、個々のCCのスループット測定を継続して実施する必要があった。このため、この種の従来の試験装置では、一つのキャリアを試験用信号として使用する場合に比べて、受信感度試験の時間がさらに長くならざるを得ないという問題点があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、CAを採用した移動端末のCAにより束ねられる全てのCCの受信感度試験を終えるまでの時間を短縮可能な移動端末試験装置及び移動端末試験方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る移動端末試験装置は、試験用信号を発生する信号発生器(21a)と、前記信号発生器と被試験対象との間で、各々の回ごとに前記試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させることにより前記被試験対象の受信感度試験を行う受信感度試験実行手段(18)と、を有し、前記被試験対象である移動端末(100)の試験を行う移動端末試験装置において、前記信号発生器は、複数のキャリアを含む前記試験用信号を発生させるものであり、前記受信感度試験実行手段は、前記各々の回ごとに、送受信される前記複数のキャリアのうちの所定の測定終了条件に到達していないキャリアのスループットを測定するスループット測定手段(18b)と、前記スループットを測定した前記キャリアごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する判定手段(18c1)と、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合した総合判定結果を算出する総合判定結果算出手段(18c2)と、前記総合判定結果に基づき、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル設定手段(18e)と、を有し、前記受信感度試験を前記複数のキャリアごとに実行させ、該各キャリアのうちのいずれかが前記測定終了条件に到達すると当該キャリアのスループット測定を終了し、前記複数のキャリアの全てが前記測定終了条件に到達するまで、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象に前記受信感度試験を続行させるようになっており、前記総合判定結果算出手段は、キャリアごとの前記判定の結果の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)とする前記総合判定結果を算出することを特徴とする。
この構成により、本発明の請求項1に係る移動端末試験装置は、複数のキャリアを含む試験用信号に対応可能であり、複数のキャリアのうちのいずれかが測定終了条件に到達したときに、以後、当該キャリアのスループット測定を行わないように制御することで、全てのキャリアの測定が終わるまで当該全てのキャリアの測定を続けるものと比べて、測定時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明の請求項に係る移動端末試験装置は、測定が終了してないキャリアの数に拘わらずトータルステータスを容易に算出することができ、複数のキャリアを含む試験用信号を用いた受信感度試験への対応が容易となる。
また、本発明の請求項に係る移動端末試験装置において、前記出力レベル設定手段は、前記総合判定結果が合(PASS)の場合には、前の回の出力レベル(OL(n))から初期ステップレベル(SL0)のステップで出力レベルを下げる第1のレベル設定処理(S12a)、もしくは前の回の出力レベルからエラートレランスレベル(EL)の2倍に相当するレベル(2×EL)を下げる第2のレベル設定処理(S12b)によって次の回の出力信号のレベル設定を行い、前記総合判定結果が否(FAIL)の場合には、前の回の出力レベルから前の回のステップレベル(SL)の1/2に相当するレベル(SL/2)を上げる第3のレベル設定処理(S13d)、もしくは前の回の出力レベルから前の回のステップレベルに相当するレベル(SL)を上げる第4のレベル設定処理(13e)によって次の回の出力信号のレベル設定を行う構成であってもよい。
この構成により、本発明の請求項に係る移動端末試験装置は、第1のレベル設定処理、第2のレベル設定処理、第3のレベル設定処理、及び第4のレベル設定処理を駆使して、複数のキャリアを含む試験用信号のそれぞれのキャリアのスループットを考慮した非線形(ノンリニア)な出力レベルの変更設定が可能であり、リニアな変更設定を行う場合に比べて測定時間を短縮することができる。
また、本発明の請求項に係る移動端末試験装置において、前記受信感度試験実行手段は、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、スループットの測定結果が急峻に低下する特性に関する急峻低下領域内の予め設定した割合まで低下した状態であるか否かを判定する低下状態判定手段(18c3)をさらに有し、前記出力レベル設定手段は、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、前記総合判定結果と、前記低下状態判定手段による低下した状態であるか否かの判定結果に応じて当該キャリアを対象とする出力レベルを前の回よりも異なるように設定する設定処理であって、前記低下した状態であると判定された場合には、当該キャリアを対象とする出力レベルを前の回に対して所定の変動幅(EL)単位でレベルダウン、またはレベルアップさせる処理(S12b、S13b)を含む前記設定の処理(S12、S13)を行う構成としてもよい。
この構成により、本発明の請求項に係る移動端末試験装置は、測定終了していないキャリアを対象に、測定されたスループットが急峻低下領域内の割合まで低下した状態では、出力レベルの所定の変動幅(EL)単位でレベルダウン、またはレベルアップさせながら前回と今回の変化幅のチェックが実行される。これにより、単に初期ステップ変動幅由来のステップ変動幅で出力レベルのレベルダウン、またはレベルアップを続ける場合に比べて、送受信の回数を減らことができ、測定時間の短縮が可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の請求項に係る移動端末試験方法は、複数のキャリアを含む試験用信号を発生する信号発生器(21a)と、前記信号発生器と被試験対象との間で、各々の回ごとに前記試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させることにより前記被試験対象の受信感度試験を行う受信感度試験実行手段(18)と、を有し、前記被試験対象である移動端末(100)の試験を行う移動端末試験装置を用いた移動端末試験方法において、前記各々の回ごとに、送受信される前記複数のキャリアのうちの所定の測定終了条件に到達していないキャリアのスループットを測定する測定ステップ(S2)と、前記スループットを測定した前記キャリアごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する判定ステップ(S3)と、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合した総合判定結果を算出する総合判定結果算出ステップ(S9)と、前記総合判定結果に基づき、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル設定ステップ(S10)と、を含み、前記受信感度試験を前記複数のキャリアごとに実行させ、該各キャリアのうちのいずれかが前記測定終了条件に到達すると当該キャリアのスループット測定を終了し、前記複数のキャリアの全てが前記測定終了条件に到達するまで、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象に前記受信感度試験を続行させるようになっており、前記総合判定結果算出ステップは、キャリアごとの前記判定の結果の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)とする前記総合判定結果を算出することを特徴とする。
この構成により、本発明の請求項に係る移動端末試験方法は、複数のキャリアを含む試験用信号に対応可能であり、複数のキャリアのうちのいずれかが測定終了条件に到達したときに、以後、当該キャリアのスループット測定を行わないように制御することで、全てのキャリアの測定が終わるまで当該全てのキャリアの測定を続けるものと比べて、測定時間を大幅に短縮することができる。また、本発明の請求項4に係る移動端末試験方法は、測定が終了してないキャリアの数に拘わらずトータルステータスを容易に算出することができ、複数のキャリアを含む試験用信号を用いた受信感度試験への対応が容易となる。
本発明は、CAを採用した移動端末のCAにより束ねられる全てのCCの受信感度試験を終えるまでの時間を短縮可能な移動端末試験装置及び移動端末試験方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る測定装置全体の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置の統合制御装置とその被制御要素の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置におけるNRシステムシミュレータの機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置のOTAチャンバ内における被試験対象の全球面走査イメージを示す図であり、(a)は球座標系の中心に対する被試験対象の配置態様を示し、(b)は球座標系における角度標本点PSの分布態様を示している。 本発明の一実施形態に係る測定装置のOTAチャンバ内での試験用アンテナ5の配置態様を図5に示す球座標系(r,θ,φ)系を用いて説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置による複数のCCを含む試験用信号のCPを導入した出力レベル可変設定制御動作を示すフローチャートである。 図7における出力レベル可変設定制御に係る各処理ステップの詳細処理動作を示すフローチャートである。 図8のステップS12における処理の詳細を示すフローチャートであり、(a)はレベルダウン処理(A)を示し、(b)はレベルダウン処理(B)を示している。 図7に示す流れに沿った4つのCCを含む試験用信号を用いた出力レベル可変設定制御でCCごとに設定される出力レベルと関連パラメータの一例を示す表図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置での測定時間短縮作用の検証に用いる測定回数と試験用信号の出力レベル及びスループットの各測定値との関係を示す表図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置のDUTの受信感度試験に係る測定回数と試験用信号の出力レベル及びスループットの各測定値との関係を示す表図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置のDUTの受信感度試験に係る測定回数と試験用信号の出力レベル及びスループットの各測定値との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る測定装置のDUTの受信感度試験に係る試験用信号の出力レベルと測定されたスループットに関する特性の一例を示すグラフである。 従来装置のDUTの受信感度試験に係るスループット測定値対試験用信号出力レベルの関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る測定装置の複数のCCを含む試験用信号のCPを導入した出力可変設定制御に基づくDUTの受信感度試験結果の表示例を示す図である。 従来装置における試験用信号の出力可変設定制御に基づくDUTの受信感度試験結果の表示例を示す図である。
以下、本発明に係る移動端末試験装置、及び移動端末試験方法の実施形態について図面を用いて説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る測定装置1の構成について、図1~図4を参照して説明する。測定装置1は、本発明の移動端末試験装置を構成する。本実施形態に係る測定装置1は、全体として図1に示すような外観構造を有し、かつ、図2に示すような機能ブロックにより構成されている。図1、図2において、OTAチャンバ50についてはその側面から透視した状態における各構成要素の配置態様を示している。
測定装置1は、例えば、図1に示す構造を有するラック構造体90の各ラック90aに前述したそれぞれの構成要素を載置した態様で運用される。図1においては、ラック構造体90の各ラック90aに、それぞれ、統合制御装置10、NRシステムシミュレータ20、OTAチャンバ50を載置した例を示している。
図2に示すように、本実施形態に係る測定装置1は、統合制御装置10、NRシステムシミュレータ20、信号処理部25、OTAチャンバ50を有している。
これらの構成について、ここでは便宜的に、OTAチャンバ50から先に説明する。図1、図2に示すように、OTAチャンバ50は、例えば、長方体形状の内部空間51を有する金属製の筐体本体部52により構成され、内部空間51に、アンテナ110を有するDUT100、試験用アンテナ5、リフレクタ7、DUT走査機構56を収容している。
OTAチャンバ50の内面全域、つまり、筐体本体部52の底面52a、側面52b及び上面52c全面には、電波吸収体55が貼り付けられている。これにより、OTAチャンバ50は、内部空間51内に配置される各要素(DUT100、試験用アンテナ5、リフレクタ7、DUT走査機構56)が外部からの電波の侵入及び外部への電波の放射を規制する機能が強化されている。このように、OTAチャンバ50は、周囲の電波環境に影響されない内部空間51を有する電波暗箱を実現している。本実施形態で用いる電波暗箱は、例えば、Anechoic型のものである。
OTAチャンバ50の内部空間51に収容されるもののうち、DUT100は、例えばスマートフォンなどの無線端末である。DUT100の通信規格としては、セルラ(LTE、LTE-A、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV-DO、TD-SCDMA等)、無線LAN(IEEE802.11b/g/a/n/ac/ad等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou等)、FM、及びデジタル放送(DVB-H、ISDB-T等)が挙げられる。また、DUT100は、IEEE802.11adや5Gセルラ等に対応したミリ波帯の無線信号を送受信する無線端末であってもよい。
本実施形態において、DUT100のアンテナ110は、例えば、5G NRの通信規格に準拠した規定の周波数帯の無線信号を使用するものである。DUT100は、アンテナ110により、複数のCCを束ねるCA(Carrier Aggregation)技術に基づく無線信号の送受信を可能としている。束ねられるCCとしては、例えば、PCC、SCC1、SCC2、SCC3(図10参照)等が挙げられる。DUT100は、本発明における被試験対象、移動端末を構成する。
OTAチャンバ50の内部空間51において、DUT100は、DUT走査機構56の一部機構により保持されている。DUT走査機構56は、OTAチャンバ50の内部空間51における筐体本体部52の底面52aに、鉛直方向に延在して設けられている。DUT走査機構56は、性能試験を行うDUT100を保持しつつ、該DUT100に対する後述の全球面走査(図5、図6参照)を実施するものである。
DUT走査機構56は、図1に示すように、ターンテーブル56a、支柱部材56b、DUT載置部56c、駆動部56eを有している。ターンテーブル56aは、円盤形状を有する板部材で構成され、アジマス軸(鉛直方向の回転軸)を中心に回転する構成(図3参照)を有する。支柱部材56bは、ターンテーブル56aの板面上に垂直方向に延びるように配置される柱状部材により構成されている。
DUT載置部56cは、支柱部材56bの上端近傍にターンテーブル56aと平行に配置され、DUT100を載置する載置トレイ56dを有している。DUT載置部56cは、ロール軸(水平方向の回転軸)を中心に回転可能な構成(図3参照)を有している。
駆動部56eは、例えば、図3に示すように、アジマス軸を回転駆動する駆動モータ56fと、ロール軸を回転駆動する駆動モータ56gと、を有する。駆動部56eは、駆動モータ56fと駆動モータ56gとによって、アジマス軸とロール軸とをそれぞれの回転方向に回転させる機構を備えた2軸ポジショナにより構成されている。このように、駆動部56eは、載置トレイ56dに載置されたDUT100を、載置トレイ56dごと2軸(アジマス軸とロール軸)方向に回転させることができるものである。以下、駆動部56eを含むDUT走査機構56全体を2軸ポジショナと称することもある(図3参照)。
DUT走査機構56では、載置トレイ56dに載置(保持)されているDUT100を、例えば、球体(図5の球体B参照)の中心O1に配置したと仮定し、球体表面の全ての方位に対してアンテナ110が向く状態にDUT100の姿勢を順次変化させる全球面走査を行うものである。DUT走査機構56におけるDUT走査の制御は、後述するDUT走査制御部16よって行われる。
試験用アンテナ5は、OTAチャンバ50の筐体本体部52の底面52aの所要位置に、適宜な保持具(図示せず)を用いて取り付けられている。試験用アンテナ5の取り付け位置は、底面52aに設けられた開口67aを介してリフレクタ7から見透しが確保できる位置となっている。試験用アンテナ5は、DUT100のアンテナ110と同じ規定(NR規格)の周波数帯の無線信号を使用するものである。
試験用アンテナ5は、OTAチャンバ50内でのDUT100のNRに関連する測定に際し、NRシステムシミュレータ20からDUT100に対する試験用信号の送信、及び該試験用信号を受信したDUT100から送信される被測定信号の受信を行う。試験用アンテナ5は、その受光面がリフレクタ7の焦点位置Fとなるように配置されている。なお、試験用アンテナ5をその受光面がDUT100に向き適切な受光ができるように配置できる場合には、リフレクタ7は必ずしも必要ない。
リフレクタ7は、OTAチャンバ50の側面52bの所要位置にリフレクタ保持具58を用いて取り付けられている。リフレクタ7は、DUT100のアンテナ110により送受信される無線信号(試験用信号、及び被測定信号)を、試験用アンテナ5の受光面へと折り返す電波経路を実現する。
次に、統合制御装置10、NRシステムシミュレータ20の構成について説明する。
図2に示すように、統合制御装置10は、NRシステムシミュレータ20に対して、例えばイーサネット(登録商標)等のネットワーク19を介して相互に通信可能に接続されている。また、統合制御装置10は、OTAチャンバ50における被制御系要素、例えば、DUT走査制御部16にもネットワーク19を介して接続されている。
統合制御装置10は、ネットワーク19を介して、NRシステムシミュレータ20、及びDUT走査制御部16を統括的に制御するものであり、例えば、パーソナル・コンピュータ(PC)により構成される。なお、DUT走査制御部16は、OTAチャンバ50に付随して独立に設けられる(図2参照)他、図3に示すように、統合制御装置10に設けられていてもよい。以下では、統合制御装置10が図3に示す構成を有するものとして説明する。
図3に示すように、統合制御装置10は、制御部11、操作部12、表示部13を有している。制御部11は、例えば、コンピュータ装置によって構成される。このコンピュータ装置は、測定装置1の機能を実現するための所定の情報処理や、NRシステムシミュレータ20、及び信号処理部25を対象とする統括的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)11aと、CPU11aを立ち上げるためのOS(Operating System)やその他のプログラム及び制御用のパラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)11bと、CPU11aが動作に用いるOSやアプリケーションの実行コードやデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)11c、外部I/F部11d、入出力ポート(図示せず)等を有する。
外部I/F部11dは、ネットワーク19を介して、NRシステムシミュレータ20、信号処理部25、及びDUT走査機構(2軸ポジショナ)56の駆動部56eとそれぞれ通信可能に接続されている。入出力ポートには、操作部12、表示部13が接続されている。操作部12は、コマンドなど各種情報を入力するための機能部であり、表示部13は、上記各種情報の入力画面や測定結果など、各種情報を表示する機能部である。
上述したコンピュータ装置は、CPU11aがRAM11cを作業領域としてROM11bに格納されたプログラムを実行することにより制御部11として機能する。制御部11は、図3に示すように、呼接続制御部14、信号送受信制御部15、DUT走査制御部16、信号解析制御部17、受信感度試験制御部18を有している。呼接続制御部14、信号送受信制御部15、DUT走査制御部16、信号解析制御部17、受信感度試験制御部18も、CPU11aがRAM11cの作業領域でROM11bに格納された所定のプログラムを実行することにより実現されるものである。
呼接続制御部14は、NRシステムシミュレータ20、信号処理部25を介して試験用アンテナ5を駆動してDUT100との間で制御信号(無線信号)を送受信させることにより、NRシステムシミュレータ20とDUT100との間に呼(無線信号を送受信可能な状態)を確立する制御を行う。
信号送受信制御部15は、操作部12におけるユーザ操作を監視し、ユーザによりDUT100の送信及び受信特性の測定に係る所定の測定開始操作が行われことを契機に、呼接続制御による呼の確立後のNRシステムシミュレータ20に対して信号送信指令を送信し、NRシステムシミュレータ20から試験用アンテナ5を介して試験用信号を送信させる制御、及び信号受信指令を送信し、試験用アンテナ5を介して被測定信号を受信させる制御を行う。
DUT走査制御部16は、DUT走査機構56の駆動モータ56f及び56gを駆動制御することにより、DUT載置部56cの載置トレイ56dに載置されているDUT100の全球面走査を行わせるものである。この制御を実現するために、例えば、ROM11bには、予め、DUT走査制御テーブル16aが用意されている。DUT走査制御テーブル16aは、例えば、DUT100の全球面走査に係る球座標系(図5(a)参照)における各角度標本点PS(図5(b)参照)の座標、各角度標本点PSの座標に対応付けられた駆動モータ56f及び56gの駆動データ、及び各角度標本点PSでの停止時間(測定時間)などが関係付けられた制御データを格納している。駆動モータ56f及び56gが例えばステッピングモータの場合には、上記駆動データとして例えば駆動パルス数が格納される。
DUT走査制御部16は、DUT走査制御テーブル16aをRAM11cの作業領域に展開し、該DUT走査制御テーブル16aに記憶されている制御データに基づき、DUT走査機構56の駆動モータ56f及び56gを駆動制御する。これにより、DUT載置部56cに載置されるDUT100の全球面走査が行われる。全球面走査では、球座標系における角度標本点PSごとにDUT100のアンテナ110のアンテナ面が該角度標本点PSに向いて規定の時間(上記停止時間)だけ停止し、その後、次の角度標本点PSに移動する動作(DUT100の走査)が、全ての角度標本点PSを対象にして順次実施される。
信号解析制御部17は、DUT100の全球面走査時に、試験用アンテナ5が受信したNR、LTEに関連する無線信号を、NRシステムシミュレータ20、信号処理部25を介して取り込み、指定測定項目の信号として解析処理(測定処理)するものである。
受信感度試験制御部18は、NRシステムシミュレータ20の信号発生部21aから送信した試験用信号をDUT100で受信させてその受信感度を測定する受信感度試験を複数回実行させ、複数回の受信感度試験の測定結果を試験結果として集計する制御を行う。信号発生部21aは、複数のCC(図10参照)を含む試験用信号を発生させることが可能な機能構成を有している。受信感度試験制御部18は、本発明の受信感度試験実行手段を構成している。
受信感度試験制御部18は、図3に示すように、試験条件設定部18a、スループット測定部18b、試験状況監視部18c、出力レベル可変設定部18d、測定結果出力部18eを有している。
試験条件設定部18aは、受信感度試験の試験条件を設定する機能部である。試験条件設定部18aが設定する試験条件として、初期ステップレベル(initial step level)SL0、スタート出力レベル(Starting output level)OL0、エラートレランスレベルEL(Error tolerance of boundary level)、接続断判定用閾値DT(Connection drop threshold)などが挙げられる。初期ステップレベルSL0は受信感度試験に際してステップ的に変動させる試験用信号の出力レベルのステップ変動幅の初期値を示す。スタート出力レベルOL0は、受信感度試験を開始する際のDUT100の出力レベル(1回目の送受信の際の出力レベル)を示す。エラートレランスレベルELは、受信感度試験を次回も継続して行うか否かを判定するための前回と今回の試験用信号の出力レベルの変動幅(所定値)を示す。DTは、この値よりも値を下げてしまうと呼接続の切断をきたす(Call Dropしてしまう)という、底の値の設定値である。図8におけるアルゴリズムでは、大きなステップで出力レベルを下げていくので、これ以上行くとCall Dropしてしまうから下げない、という閾値が必要になる。この値は、ユーザが事前に設定することが可能である。試験条件設定部18aは、複数のCCに関連する各種設定も行う構成でもよい。
スループット測定部18bは、受信感度試験ごとにDUT100の受信能力に関するスループットを測定する機能部である。スループット測定部18bは、例えば、試験用信号の送信に合わせてその伝送レートもDUT100に送信し、その後、DUT100が試験用信号の受信結果(受信伝送レート)をNRシステムシミュレータ20側に報知してくるのに合わせ当該受信伝送レートからスループットを測定する構成であってもよい。本実施形態において、スループット測定部18bは、複数のCCを含む試験用信号の送受信に対応してDUT100から受信するCCごとのスループット測定を行う構成を有する。スループット測定部18b、本発明のスループット測定手段を構成している。
試験状況監視部18cは、終了判定部18c1、トータルステータス算出部18c2、低下状態判定部18c3を有している。終了判定部18c1は、スループット測定部18bでスループットを測定したCCごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する機能部である。所定の測定終了条件は、例えば、測定されたスループットの値が予め設定したエラートレランスEL以下となる状態である。終了判定部18c1は、本発明の判定手段を構成している。
トータルステータス算出部18c2は、受信感度試験中、上記測定終了条件に到達していないCCごとに、測定されたスループットの値と所定のスループット閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定(合否判定)を行い、該CCごとの合否判定の結果を総合した総合判定結果をトータルステータスとして算出する処理機能部である。トータルステータス算出部18c2は、本発明の総合判定結果算出手段を構成している。
低下状態判定部18c3は、CCごとに、スループット測定部18bによるスループットの測定結果が急峻に低下する特性(図15参照)に関する急峻低下領域内の予め設定した割合まで低下した状態であるか否かを判定する機能を有する。この機能を実現するために、スループットの測定結果が急峻低下領域内のある割合まで低下した状態であるか否かを判定するための判定条件が、例えば、試験条件設定部18aによって予め設定されている。低下状態判定部18c3は、測定されたスループットが判定条件によって示される急峻低下領域内にあるか否かに応じて低下した状態であるか否かを判定するようになっている。低下した状態であるか否かを判定する判定条件としては、例えば、1回目の試験信号の送受信によりスループット測定部18bにより測定されたスループットの値を100%とするときに、95%を超えて99%以下の範囲を設定する例が挙げられる。これにより、測定されたスループットが設定した範囲内にあるときに低下した状態であると判定することができ、上記範囲よりも高い割合である場合には低下した状態ではないと判定することができる。ここで上記判定条件は、前述の如く1回目の試験信号の送受信により測定されたスループットの値を100%(基準値)とし、該基準値に対して95%を超えて99%以下の割合の範囲とするのに限らず、基準値に対する他の割合範囲を設定するようにしてもよい。低下状態判定部18c3は、本発明の低下状態判定手段を構成する。
出力レベル可変設定部18dは、スループット測定部18bによるスループットの測定結果と予め設定された所定の閾値(スループット閾値)との比較結果に応じて、次回の受信感度試験における試験用信号の出力レベルを上昇(レベルアップ)または下降(レベルダウン)方向に、かつ、前後する回数の受信感度試験間での試験用信号の出力レベルが異なるように可変設定する機能部である。出力レベルの可変設定は複数のCCごとに実施されるようになっている。出力レベル可変設定部18dは、本発明の出力レベル設定手段を構成している。
測定結果出力部18eは、可変設定後の出力レベルを有する試験用信号による今回の受信感度試験の試験結果(スループットの測定結果)と前回の受信感度試験の試験結果間の試験結果変動幅が試験条件設定部18aにより設定された変動幅(EL)の範囲を超えているときには次回の受信感度試験(スループット測定)に進み、試験結果変動幅が変動幅(EL)内となったときには当該試験結果を出力する機能部である。試験結果を出力する制御は複数のCCごとに実施される。
NRシステムシミュレータ20は、図4に示すように、信号発生部21a、送受信部21f、信号測定部21b、制御部21c、操作部21d、表示部21eを有している。
信号発生部21aは、試験用信号の元となる信号(ベースバンド信号)を発生する。送受信部21fは、信号発生部21aが発生した信号から各通信規格の周波数に対応した試験用信号を生成して信号処理部25に送出するとともに、信号処理部25から送られてくる被測定信号からベースバンド信号を復元するRF部の機能を果たす。信号測定部21bは、送受信部21fで復元されたベースバンド信号に基づいて被測定信号の測定処理を行う。信号発生部21aは、複数のCCを含む試験用信号を発生するようになっている。信号発生部21aは、本発明の信号発生器を構成する。
制御部21cは、信号発生部21a、信号測定部21b、送受信部21f、操作部21d、表示部21eの各機能部を統括的に制御する。操作部21dは、コマンドなど各種情報を入力するための機能部であり、表示部21eは、各種情報の入力画面や測定結果など、各種情報を表示する機能部である。
上述した構成を有する測定装置1では、OTAチャンバ50の内部空間51内で、DUT走査機構56(2軸ポジショナ)の載置トレイ56dにDUT100を載置し、該DUT100を、載置トレイ56dごと2軸(アジマス軸とロール軸)方向に回転させながら(ポジショナの角度を変更しながら)、DUT100の無線信号に関するEIRP-CDF、EIS-CDF、TRP等の測定項目の測定を行うことができる。
ここで、上述した各測定項目を測定する際に必要とされる、2軸ポジショナの角度変更によるDUT100の角度制御(全球面走査)について図5、図6を参照して説明する。
一般に、DUT100を対象とする放射電力測定に関しては、等価等方輻射電力(EIRP)を測定する方法と、全放射電力(TRP)を測定する方法が知られている。EIRPは、例えば、図5(a)に示す球座標系(r,θ,φ)の各測定点(θ,φ)で測定した電力値である。これに対し、TRPは、上記球座標系(r,θ,φ)の全ての方位、すなわち、DUT100の全球面走査の中心O1(以下、基準点)から等距離にある球面上の予め規定した複数の角度標本点PS(図5(b)参照)でのEIRPを測定し、その総和を求めたものである。
本実施形態において、全放射電力(TRP)を算出するための分割数Nθ及びNφは、それぞれ、例えば、12に設定されている。これにより、本実施形態においては、角度標本数(N)は、N=132(=(12-1)×12)として求められる。こうして求められた132個の角度標本点PSは、球体Bの表面上に表すと図5(b)に示すような位置となる。
本実施形態に係る測定装置1では、図5(b)に示すように、球座標系(r,θ,φ)の基準点から等距離の132ポイントの位置でそれぞれEIRPが測定され、さらに全てのポイント位置でのEIRPが加算される。そして、上記各EIRPの加算結果、すなわち、132ポイントの全ての角度標本点PSでのEIRPの総和に基づいて、DUT100の全放射電力(TRP)が求められる。
TRP測定に際し、統合制御装置10は、DUT走査機構56を駆動制御することでDUT100の全球面走査を実施する。DUT100の全球面走査において、統合制御装置10は、駆動モータ56fの駆動/非駆動を繰り返しつつターンテーブル56aをアジマス軸中心に回転駆動する一方で、駆動モータ56gの駆動/非駆動を繰り返しつつ載置トレイ56dをロール軸中心に回転駆動させる。その際、統合制御装置10は、アンテナ110のアンテナ面が1つの角度標本点PSを向くタイミングごとに駆動モータ56f及び駆動モータ56gを非駆動とするように制御する。このDUT100の全球面走査制御により、載置トレイ56dに載置されているDUT100は、アンテナ110が球座標系(r,θ,φ)を規定する球体Bの中心である基準点の位置に保たれたまま、アンテナ110のアンテナ面が球体Bの全ての角度標本点PSを順次向く(指向する)ように、基準点を中心に回転駆動される。
図6に示すように、上記球座標系(r,θ,φ)における特定の角度標本点PS(1点)の位置には、試験用アンテナ5が配置されている。上述した全球面走査において、DUT100は、アンテナ110のアンテナ面が試験用アンテナ5の受光面に順次に向くように駆動(走査)される。これにより、試験用アンテナ5は、全球面走査が行われるDUT100のアンテナ110との間でTRP測定のための信号の送受信を行うことが可能となる。ここで送受信される信号は、NRシステムシミュレータ20から試験用アンテナ5を介して送信される試験用信号と、該試験用信号を受信したDUT100がアンテナ110より送信する信号であって、試験用アンテナ5を介して受信される被測定信号である。
統合制御装置10では、図5(b)に示す球座標系(r,θ,φ)において、DUT100があるθの角度を保ったままφ方向の各角度標本点PSを通過するように走査されるのに合わせて、NRシステムシミュレータ20を駆動して信号発生部21a、送受信部21fより上記試験用信号を発生させ、該試験用信号を、信号処理部25を介して試験用アンテナ5から送信させる。ここでDUT100は、アンテナ110で上記試験用信号を受信すると、当該試験用信号の受信に対応した応答信号を送出する。
統合制御装置10は、NRシステムシミュレータ20をさらに駆動し、DUT100が上記試験用信号の受信に応答して送信し、試験用アンテナ5で受信された信号を、信号処理部25から送受信部21fを介して信号測定部21bに被測定信号として受信させる。さらに統合制御装置10は、受信した被測定信号に基づいてEIRPの測定に係る信号処理を行わせるように信号測定部21bを駆動制御する。こうしたEIRPの測定制御を、θの角度を変えて全ての角度標本点PSを通過するDUT100の全球面走査に合わせ実施することで、NRシステムシミュレータ20では、NRに対応して球座標系(r,θ,φ)の全ての角度標本点PSについてのEIRPを測定することができる。また、統合制御装置10は、全ての角度標本点PSについてのEIRP測定値の総和であるTRPを求めることができる。
さらに統合制御装置10は、OTAチャンバ50内で2軸ポジショナ(DUT走査機構56)の角度を変更しながら行うDUT100の性能試験、具体的には、例えば、EIRP-CDF、EIS-CDF、TRP等の測定項目の測定の実施に先立って、NRシステムシミュレータ20における試験用信号の出力レベル(電力レベル)を、例えば、3GPP規格によって規定された適正なレベルに調整する出力レベル制御機能を有している。この出力レベル制御機能によって、上記各項目の測定に際してDUT100が最大の能力を発揮できる試験用信号の出力レベルのサーチが行われる。このため、NRシステムシミュレータ20による上述した出力レベル制御機能は、DUT100にとっての受信感度を探る受信感度試験に係る制御機能という見方もできる。受信感度試験に係る制御機能は、統合制御装置10の制御部11に設けられる受信感度試験制御部18によって実現される。
(受信感度試験の時間短縮手法について)
統合制御装置10において、受信感度試験制御部18は、NRシステムシミュレータ20の信号発生部21aとDUT100との間で試験用信号を複数回送受信することによりDUT100の受信感度試験の制御を実施する。この制御においては、受信感度試験中の各回の試験用信号の送受信に合わせてCCごとのスループットが測定され、該CCごとにスループットの測定値とスループット閾値との比較結果に応じて試験用信号の出力レベルをレベルダウン、若しくはレベルアップさせていきながら、各CCを適宜なスループットの値(測定結果)が得られる出力レベルに収束させていくようになっている。
このような受信感度試験の試験時間を短縮する方法の一例としては、初回に設定した出力レベルから測測定回数が増えるごとに順次一定レベルずつ変化(リニアに変化)させていく(図17の試験結果表示領域135b参照)のではなく、試験用信号の出力レベルに関してレベルダウン、若しくはレベルアップを繰り返し実行しながら、該出力レベルをノンリニアに変動させるように制御する方法が考えられる。
本実施形態に係る測定装置1は、DUT100の受信感度試験に係る試験用信号の出力レベルをノンリニアに制御することが前提であり、その制御に係る測定回数と試験用信号の出力レベル及びスループットのそれぞれの測定値との関係を図12の表図、及び図13のグラフとして示している。
図12に示す表図において、左から1、3~5列目には本実施形態に係る試験用信号の出力レベル制御のデータ例を示している。また、この表図において、左から1、2列目には本実施形態と比較する意味での既存の試験用信号の出力レベル制御のデータ例を示している。同様に、図13に示すグラフでは、図12における本実施形態に係る試験用信号の出力レベル制御のデータ例に対応するグラフを符号C1(測定回数と出力レベルの関係を示すグラフ)、符号C2(測定回数とスループットの関係を示すグラフ)で示し、図12における既存の試験用信号の出力レベル制御のデータ例に対応するグラフを符号C3(測定回数と出力レベルの関係を示すグラフ)で示している。
図12に示す表図の左から1、2列目のデータ例と、図13に示すグラフの特性C3に着目すると、既存の試験用信号の出力レベル制御においては、例えば、1回目から3回目までは試験用信号の出力レベルを測定1回ごとに10dB間隔で順次下げていき、4回目以降は、それぞれ、出力レベルを前の回の半分のレベルに順次上げる、または下げるパターンでのレベル可変制御が行われている。そして、前回との出力レベル差が予め設定したエラートレランスレベルELより小さくなる試験終了条件(図8のステップS31参照)を満足するまで、試験回数として図中P31~P39で示す合計9回のステップ数を費やすようになっている。このことは、上述した試験終了条件を満たすようになるまで、単に、スループットの測定結果とスループット閾値を比較し、その比較結果だけで試験用信号の出力レベルをノンリニアに制御するだけでは、所望の出力レベルを達成するまでの時間の時間短縮効果には限界があることを明示している。
(受信感度試験において新た採用するパラメータ)
そこで本実施形態では、受信感度試験に採用するパラメータとして、スループットの測定結果とスループット閾値との比較結果に加え、該測定されたスループットの値が基準として定めた値(100パーセント(%))に対してどの割合まで低下した状態にあるかをさらに加味してから出力レベルの可変設定を実施することで受信感度試験の測定回数を低減するようにしている。
従来装置のDUTの受信感度試験に係るスループットの測定値の試験用信号の出力レベルに対する変動特性のグラフを図15に示している。図15にグラフによって示す変動特性は、図8に示す出力レベル可変設定制御において、チェックポイント(Check Point:CP)として導入するステップS11でのスループット測定値の低下状態判定条件を採用する根拠となるものである。図15において、符号a1はスループットの急峻に低下する急峻低下領域を示している。図15に示すグラフは、従来装置におけるDUT100の受信感度試験結果(図17参照)から導き出されたものであり、急峻低下領域a1においてはスループットの測定値が急峻に低下することを表している。この例では、例えば、1回目のスループットの測定値を100%とするときに、スループットの測定値が99%以下になると、その後のスループットの測定値は急峻に低下することを表している。
このようなスループットの変動特性に鑑み、本実施形態では、DUT100の受信感度試験中のスループット測定値を監視し、スループット測定値が急峻に低下する状況にあるか否かを予め設定した判定条件を用いてチェックするチェックポイント(CP)を設けている。そして、このCP(図8のステップS11に相当する)において上記判定条件を満たしている場合、つまりスループットの測定値が急峻低下領域a1内の値であるときには、次の回の試験用信号の出力レベルの設定(同、ステップS12b参照)において、スループット測定値が急峻に低下する状況下での設定パターン(図8のステップS12a参照)とは異なる特有の設定パターンを適用するようにしている。
本実施形態で適用する特有の設定パターンは、スループットの測定値が図15のグラフにおける急峻低下領域a1内の値まで低下した状態にあっては、受信感度試験に係る試験用信号の送受信の回数を極力低減し、エラートレランスレベルELによる受信感度試験の終了条件(図8のステップS31参照)にいち早く到達し得るような設定パターンであることが条件となる。
本実施形態では、上述した特有の設定パターンの一例として、CPにおいて上記判定条件を満たしている場合(図8のステップS11でYES)には、前の回の出力レベルOL(OLpre)からエラートレランスレベルELの2倍の値(2EL)をレベルダウンさせた値を次の回の試験用信号の出力レベルOL(OL(n))として設定するパターン(図8のステップS12b参照)を採用している。
この特有の設定パターンに基づく出力レベルの設定は、スループットの測定結果が閾値を超えているとの比較結果が得られ、かつ、該スループットの測定結果(測定値)が急峻低下領域a1内の値であるときの例である。この特有の設定パターンに基づく出力レベルの設定に関連して、本実施形態では、その後、スループットの測定結果が閾値より小さいとの比較結果が得られたときには、前の回の出力レベルOL(OLpre)からエラートレランスレベルELの値をレベルアップさせた値を次の回の試験用信号の出力レベルOL(OL(n))として設定するパターン(図9(b)参照)も併用するようになっている。
以上に述べたDUT100の受信感度試験の時間短縮手法、該受信感度試験において新たに加味するパラメータ(スループット測定値の変動特性)を踏まえ、以下、本実施形態に係る測定装置1の統合制御装置10によるDUT100の受信感度試験に係る試験用信号の出力レベル可変設定制御動作について図7~図10、図15を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る測定装置1によるDUT100の受信感度試験に係る複数のCCを含む試験用信号のCPを導入した出力レベル可変設定制御動作を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャットに沿ったDUT100の受信感度試験を開始するにはまず、統合制御装置10の制御部11における受信感度試験制御部18によって試験条件の設定を行う(ステップS1)。具体的には、試験条件設定部18aは、操作部12での操作入力を受け付けることにより、例えば、初期ステップレベルSL0、スタート出力レベルOL0、エラートレランスレベルEL、接続断判定閾値DT、スループットの急峻低下領域の判定条件(図8のステップS11、S13a参照)のそれぞれの値を設定する。
ステップS1における試験条件の設定内容は、複数のCCを含む試験用信号の出力レベル設定制御を前提とし、それぞれのCCごとに、DUT100がスタート出力レベルOL0で動作している状態から1回目のスループットの測定を開始し、次回以降は前回の出力レベルから変動幅を初期ステップレベルの幅だけ低下させた出力レベルでスループットを測定し、測定されたスループットが閾値(スループット閾値)より大きい場合は試験用信号の出力レベルを下げる処理(出力レベル(OL)ダウン処理(A)、(B)参照)と、スループットがスループット閾値以上の場合には試験用信号の出力レベルを上げる処理(OLレベルアップ処理(A)、(B)、(C)と、を繰り返し実施ししながら、n回目の測定で試験用信号のステップレベルSL(n)がエラートレランスレベルEL以下となった状態を判定して測定を終了させる運用を想定したものである。
さらにその運用においては、CP(図8のステップS11参照)を設けてスループット測定値が急峻に低下する状況にあるか否かを予め設定した判定条件を用いてチェックし、スループット測定値が急峻に低下する状況にある場合には、上述した特有の設定パターンを適用して次の回の試験用信号の出力レベルの設定を行う(同、ステップS12b参照)ことが前提となっている。
ステップS1で設定するスタート出力レベルOL0、初期ステップレベルSL0としては、それぞれ、例えば、-75dBm、10dBを想定している。エラートレランスレベルELは、例えば、0.2dBを想定している。接続断判定閾値DTは、例えば、-90dBmを想定している。また、スループットの急峻低下領域の判定条件としては、例えば、スループット測定値が上述した基準値に対して95%を超えて99%以下の割合の範囲という条件を想定している。
ステップS1での試験条件の設定が完了した後、受信感度試験制御部18は、所定の試験開始操作によりDUT100の感度試験を開始させる。受信感度試験が開始されると、受信感度試験制御部18は、設定された試験条件に従い、NRシステムシミュレータ20の信号発生部21aとDUT100との間で、各々の回ごとに試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させるように制御する。その際、受信感度試験制御部18は、受信感度試験の各々回ごとに、送受信される試験用信号の複数のCC(所定の測定終了条件に到達していないCC)ごとにスループットをスループット測定部18bにより測定させるように制御する(ステップS2)。
次いで、受信感度試験制御部18は、CCごとに、所定の測定終了条件に到達したか否か、すなわち、測定が完了したか否かを試験状況監視部18cの終了判定部18c1により判定させるように制御する(ステップS3)。
さらに受信感度試験制御部18は、ステップS3での判定結果に基づき測定完了のCCがあるか否かを判定する(ステップS4)。
ここで測定完了のCCがあると判定された場合(ステップS4でYES)、受信感度試験制御部18は、当該CCのスループット測定を終了させ(ステップS5)、測定結果出力部18eにより当該CCの測定結果を出力させる(ステップS6)制御を行った後、ステップS7へ移行する。これに対し、測定完了のCCがないと判定された場合(ステップS4でNO)、受信感度試験制御部18は、ステップS5、S6を経由することなくステップS7へ移行する。
ステップS7において、受信感度試験制御部18は、ステップS3での判定結果に基づき測定未完了のCCがあるか否かを判定する。測定未完了のCCがあると判定された場合(ステップS7でYES)、受信感度試験制御部18は、該測定未完了のCCごとに、測定されたスループットの値と所定のスループット閾値を比較してその比較結果(スループットの値≧閾値か、スループットの値<閾値か)に応じて合(PASS)か、否(FAIL)かの判定(合否判定)を行わせるとともに、該CCごとの合否判定結果を総合した総合判定結果であるトータルステータスを算出させるようにトータルステータス算出部18c2を制御する(ステップS9)。
上記トータルステータスの算出に際し、トータルステータス算出部18c2は、例えば、それぞれのCCのスループット測定結果の合否(PASSまたはFAIL)の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)と判定するようになっている。
さらに受信感度試験制御部18は、ステップS9で算出されたトータルステータスに基づき測定未完了のCCの出力レベルを設定させるように出力レベル可変設定部18dを制御する(ステップS10)。
ステップS10における測定未完了のCCの出力レベル設定制御が完了すると、受信感度試験制御部18は、ステップS2へ戻り、該ステップS2以降の処理を継続的に実施させるように制御する。この間、ステップS7において測定未完了のCCがないと判定された場合(ステップS7でNO)、受信感度試験制御部18は、全てのCCの測定を終了させるように制御し、一連の処理を終了する。
次に、図7における出力レベル可変設定制御に係る各処理ステップ(ステップS2、S9、S10等)の詳細処理動作について図8に示すフローチャートを参照して説明する。図8において、図7と同様の処理ステップには同様の符号を付している。特に、図8においては、図7のステップS2がステップS21、S22、S23から構成され、図7のステップS3がステップS31により構成され、図7のステップS9がステップS90、S91、S92、S93から構成され、図7のステップS10がステップS12、S13から構成されることが開示されている。
図8において、ステップS21以降の一連の処理は、便宜的に、試験用信号に含まれる複数のCCのうちの一つ(任意)のCCをメインに示している。本実施形態に係る測定装置1での複数のCCを含む試験用信号の出力レベル可変設定制御では、図7を参照して行った説明からも分かるように、上述したメインのCC以外の各CCについても図8に示すフローチャートに沿って同様の処理が並行して実施されることはいうまでもない。図8において、それぞれのCCの処理(ステップS21~S23、S31)の流れはステップS9で合流し、ここでステップS90でのPASSかFAILかの合否判定を経てステップS91にてトータルステータスが算出され、該算出されたトータルステータスに基づき、ステップS10において次の回の各CCの出力レベルが設定されるようになっている。ここで、出力レベルの設定の対象となるのは、ステップS31で所定の測定終了条件に到達していないと判定された測定未完了のCCに限られる。
図8において、ステップS11の処理は、上述したCPに対応するタイミングで実施されるものであり、ステップS23で測定されたスループットが急峻に低下する状態(図15の急峻低下領域a1参照)にあるか否かを判断するための判定条件として、例えば、スループット測定値が基準値(例えば、1回目の送受信により測定されたスループットの値。1回目の送受信の際には測定されたスループットの値を100%として記憶しておく。)に対して95%を超えて99%以下であるという条件を適用している。また、ステップS12bは、ステップS11で上記判定条件を満足すると判定された場合(ステップS11でYES)に上述した特有の設定パターンを適用して行う次の回の出力レベルの設定処理、すなわちレベルダウン処理(B)に相当している。レベルダウン処理(B)の詳細は、図9(b)に示されている。
また、図8において、ステップS13aの処理は、試験用信号のレベルアップ処理(図8のステップS13参照)に際して上述したCPに準じたチェック箇所にて実施されるものであり、ステップS23で測定されたスループットが上述のレベルダウン処理とは別の判定条件を用いて急峻に低下する状態にあるか否かを判断するための処理ステップである。ステップS13aにおいては、急峻に低下する状態にあるか否かを判断するための判定条件として、例えば、スループット測定値が上記基準値に対して80%を超えているという条件を適用している。この判定条件を満たす場合(ステップS13aでYES)には、レベルアップ処理(A)が行われ、この判定条件を満たしていないとき(ステップS13aでNO)には、出力レベル(OL)のレベルアップ処理(B)、またはレベルアップ処理(C)が実施されるようになっている。
図8に示すように、図7におけるステップS1での試験条件の設定が完了した後、統合制御装置10の受信感度試験制御部18は、測定回数nを+1インクリメントしたうえで(ステップS21)、N回目の測定に係るパラメータの設定、及びそれ以前に例えばOLレベルダウン処理を行うステップS12(ステップS12a、S12bを含む)やOLレベルアップ処理を行うステップS13で設定された出力レベルOLの値などの読み込む処理を行う(ステップS22)。引き続き、受信感度試験制御部18は、ステップS22で設定された(若しくは、読み取られた)測定に係るパラメータに基づいて試験用信号を送信させつつDUT100のスループットに関するn回目の測定を行うように制御する(ステップS23)。
ステップS22、S23の制御(スループット測定制御)の具体例として、受信感度試験制御部18は、1回目の測定に関するパラメータとしては、ステップS1での試験条件の設定に基づいて、例えば、スタート出力レベルOL0を設定し、DUT100をスタート出力レベルOL0で駆動制御させつつスループット測定を実施する。
次いで受信感度試験制御部18は、当該CCの今回のスループット測定に係る前の回(前回)のスループット測定のときに対するステップレベルの間隔、すなわち、ステップレベルSL(n)がステップS1で設定されたエラートレランスレベルELよりも大きいかをチェックする(ステップS31)。ここでステップレベルSL(n)がエラートレランスレベルELよりも大きいと判定された場合(ステップS31でYES)、受信感度試験制御部18は、ステップS90へ移行し、スループット測定及びステップレベルのサーチ制御を続行する。なお、1回目のスループット測定に際しては、上述したようにスタート出力レベルOL0の試験用信号の送信から開始されており、前回の測定に対するSLの変化幅を有しないため、ステップS90の処理がスルーされてステップS90へと進む。
ステップS90において、受信感度試験制御部18は、当該CCを含む測定未完了のCCごとに、ステップS23で測定したDUT110のスループット(測定値)と予め設定したスループット閾値(Throughput threshold)とを比較し、スループットがスループット閾値以上か否かを判定する。ここではスループット閾値を95%とし、スループットが95%以上は許容範囲内(PASS)、95%を下回った場合を許容範囲外(FAIL)とする。ステップS90においては、測定未完了の他のCCのスループットの値についても同様に、各スループット閾値との比較を経て合(PASS)または否(FAIL)の判定が実施される。
引き続き、受信感度試験制御部18は、トータルステータス算出部18c2によって、測定未完了のCCごとの合否(合(PASS)または否(FAIL))判定を総合した総合判定結果(トータルステータス)を算出させる(ステップS91)ように制御する(ステップS91)。ここでトータルステータス算出部18c2は、例えば、測定未完了のそれぞれのCCのスループット測定結果の合否の数を比較し、例えば、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)と判定し(ステップS92)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)と判定する(ステップS93)ようになっている。
上記ステップS91でトータルステータスが(PASS)であると判定されると(ステップS92参照)、次いで低下状態判定部18c3は、スループットの測定値が上記基準値に対して95%を超えて99%以下の割合の範囲という判定条件を満たすか否かを判定する(ステップS11)。ここでスループットの測定値が上記基準値に対して99%を超えており、上記判定条件を満たしていないと判定された場合(ステップS11でNO)、受信感度試験制御部18は、試験用信号の出力レベルを下げるOLレベル(出力レベル)ダウン処理(A)を実行する(ステップS12a)。OLレベルダウン処理(A)では、図9(a)に示すように、次の回の出力レベルOL(n+1)を前の回のOL(OL(n)から初期ステップレベルSL0のステップで出力レベルを下げる処理を実行する。なお、1回目の出力レベルOL(1)としては、OL(1)=OL0が設定される。
また、スループットの測定値が上記基準値に対して95%を超えて99%以下の割合の範囲(急峻低下領域a1)内にあり、上記判定条件を満たしていることが低下状態判定部18c3により判定された場合(ステップS11でYES)、受信感度試験制御部18は、OLレベルダウン処理(B)を実行する(ステップS12b)。OLレベルダウン処理(B)では、図9(b)に示すように、前回の出力レベル(OLpre)をPASS判定時における最も小さい出力レベル(LowestPssOL)と定義したうえで、次の回のOLレベル(OL(n))を、前回の出力レベル(OLpre)からエラートレランスレベルELの2倍に相当するレベル(2EL)を下げた値(OLpre-2EL)に設定する処理を実行する。上述したOLレベルダウン処理(A)、OLレベルダウン処理(B)は、それぞれ、本発明の第1のレベル設定処理、第2のレベル設定処理に相当する。
ステップS12a、またはステップS12bの処理を実行した後、受信感度試験制御部18は、測定回数nを+1インクリメントしたうえで(ステップS21)、n回目の測定に係るパラメータの設定及び読み込みを実施する(ステップS22)。これにより、ステップS12aの処理後には、前回のOLレベルから初期ステップレベルSL0=10dBだけレベルダウンさせたOLレベルが設定されるとともに、ステップS12bの処理後には、前回のOLレベルから2ELに相当する値をレベルダウンさせたOLレベルが設定され、それぞれ、当該設定されたOLレベルを有する試験用信号に基づくスループットの測定が実施される(ステップS23)。
一方、上記ステップS91でトータルステータスが(FAIL)であると判定されると(ステップS93参照)、次いで受信感度試験制御部18は、ステップS13aでの判定処理を実行し、さらにその判定結果に基づいて試験用信号の出力レベルを上げるOLレベルアップ処理(A)、(B)、(C)のいずれかを実行する(ステップS13)。OLレベルアップ処理(B)、OLレベルアップ処理(C)は、それぞれ、本発明の第3のレベル設定処理、第4のレベル設定処理に相当する。
また、上記ステップS91でトータルステータスが(FAIL)と判定された後、受信感度試験制御部18はまず、スループットの測定値が上記基準値に対して80%を超えているという判定条件を満たすか否かを判定する(ステップS13a)。
ここでスループットの測定値が上記基準値に対して80%を超えており、上記判定条件を満たしていると判定された場合(ステップS13aでYES)、受信感度試験制御部18は、試験用信号の出力レベルを下げるOLレベルアップ処理(A)を実行する(ステップS13b)。
OLレベルアップ処理(A)では、前回の出力レベル(OLpre)をFAIL判定時における最も小さい出力レベル(LowestFailOL)と定義したうえで、次の回のOLレベル(OL(n))を、前回の出力レベル(OLpre)からエラートレランスレベルELに相当するレベル(EL)を上げた値(OLpre+EL)に設定する処理を実行するようになっている。
これに対し、スループットの測定値が上記基準値に対して80%以下で上記判定条件を満たしていないと判定された場合(ステップS13aでNO)、受信感度試験制御部18は、これまでに一度でもPASSしたことがあるか否かをチェックする(ステップS13c)。ここで一度でもPASSしたことがあると判定された場合(ステップS13cでYES)、OLレベルアップ処理(B)を実行する(ステップS13b)。OLレベルアップ処理(B)では、次の回の出力レベルOL(n+1)を前の回のOL(OL(n))からステップレベルSLの1/2のステップで出力レベルを上げる処理を実行する。
また、一度もPASSしたことがないと判定された場合(ステップS13cでNO)、OLレベルアップ処理(C)を実行する(ステップS13c)。OLレベルアップ処理(C)では、次の回の出力レベルOL(n+1)を前の回の出力レベルOL(OL(n))からステップレベルSL0のステップで出力レベルを上げる処理を実行する。
ステップS13の処理、すなわちOLレベルアップ処理(A)、(B)、(C)のいずれかの処理を実行した後、受信感度試験制御部18は、測定回数nを+1インクリメントしたうえで(ステップS21)、n回目の測定に係るパラメータの設定及び読み込みを実施する(ステップS22)。これにより、ステップS13の処理後には、前回のOLレベルからエラートレランスレベルELに相当する値をレベルアップさせたOLレベルが設定され、該設定されたOLレベルを有する試験用信号に基づくスループットの測定が実施される(ステップS23)。
ステップS23でのスループット測定の実行後、受信感度試験制御部18は、当該CCについて、今回のスループット測定に係る前回のスループット測定のときに対するステップレベルの間隔、すなわち、ステップレベルSL(n)がステップS1で設定されたエラートレランスレベルELよりも大きいかをチェックする(ステップS31)。ここでステップレベルSL(n)がエラートレランスレベルEL以下であると判定された場合(ステップS31でNO)、受信感度試験制御部18は、当該CCのスループット測定及びステップレベルのサーチを停止し(ステップS5)、以後、当該CCのスループット測定を行わないように制御する。
次いで、受信感度試験制御部18は、測定動作を終了したときのスループット測定回数をN回として、1回目からN回目までのスループット測定結果の変遷を示す情報等、それまでの測定結果を測定結果出力部18eにより出力させる(ステップS6)ように制御するとともに、該測定結果を含む測定画面130a(図16参照)を表示部13に表示させるようにする。
引き続き、受信感度試験制御部18は、測定未完了のCCがあるか否かを判定する(ステップS7)。ここで測定未完了のCCがあると判定された場合(ステップS7でYES)、ステップS91のトータルステータス算出処理へと進む。これ以後、受信感度試験制御部18は、ステップS91で算出されたトータルステータス(ステップS92、S93参照)に基づいて、ステップS10の処理を経て、ステップ21以降の処理を当該測定未完了のCCを対象に繰り返し実施させるように制御する。
この制御は、ステップS7で測定未完了のCCがあると判定される(ステップS7でYES)間、繰り返し実施される。そして、この間、測定未完了のCCがないと判定されると(ステップS7でYES)、受信感度試験制御部18は、試験用信号の全てのCCのスループット測定を終了させるように制御し(ステップS8)、上述した一連の出力レベル設定制御を終了させるように制御する。
次に、本実施形態に係る測定装置1による出力レベル可変設定制御(図7、図8参照)における測定回数に応じてCCごとに設定される出力レベルと関連するパラメータの関係について図10に示す表図を参照して説明する。
図10に示す表図は、周波数帯が異なる4つのCC、例えば、PCC、SCC1、SCC2、SCC3を含む試験用信号の出力レベル設定制御に対応したものである。ここで挙げた各CCはあくまでも一例であり、これ以外のCCを用いてもよい。また、試験用信号に含めるCCの数は、4つに限らず、他の数であってもよい。
図10に示す表図において、左端の枠内には縦方向に並んでステップ番号が記載され、上端の枠内には横方向に並んでPCC、SCC1、SCC2、SCC3の各CCにそれぞれ対応する各種パラメータ(出力レベル(Lvl)、スループット(Tput%)、合否判定結果(J)、前の回との間のステップの値(step)、出力レベル(OL))が記載されている。また、この表図において、特に着目するデータ群にはD11、D12、D13、D14、D21、D22、D31の符号が付され、その枠内には種別に応じた網かけが施されている。
この表図によれば、PCC、SCC1、SCC2、SCC3の4つCCに対して並行して行われる出力レベル設定制御において、PCCとSCC1は共に5回目の受信感度試験でスループット測定が終了し(データ群D11、D12参照)、SCC2は6回目の受信感度試験でスループット測定が終了している(データ群D13参照)。これらCC、SCC1と、SCC2とは、それぞれ、終了直前(4回目と5回目)に前の回との間のステップの値(step)が+0.2dBmとなって共に測定終了条件(ELの設定値=0.2≧step)を満たし、合わせて合否判定が(PASS)となったことにより測定が打ち止め(終了)されている。
SCC3については、前の回との間のステップの値(step)が最後(8回目)までELの設定値=0.2以下、かつ、(PASS)とならない(データ群D31参照)。そこで、8回目以前の最後に(PASS)と判定された2回目でスループット測定が終了したとみなし、2回目の測定結果を出力する(データ群D14参照)とともに、9回目の受信感度試験は行わないようにしている。
また、図10に示す表図においては、「コメント(Comment)」の欄が設けられ、出力レベル設定に係る注釈が測定回数(ステップ)に対応して付記されている。これによれば、3ステップ(3回)目、4ステップ目については、SCC3のTputが低いため、Stepレベルが通常の2分法で低下することが示されている。
5ステップ目については、SCC2の本来の設定値は、OL6=LowestPass-EL設定であるものの、SCC3のレベルのほうが低いため、-78.5dB設定になることが示されている。
6ステップ目については、SCC3のステップがELより小さいため、ELの値に戻して測定することが示されている。さらに7ステップ目については、SCC3のOL7とOL2の差分が2倍のELの範囲内(-78-(-78.3))=0.3 ELは0.2)のため、CP条件を満たすことで、OL8=LowestPass-EL設定になることが示されている。
図7~図10に示すように、本実施形態に係る測定装置1では、統合制御装置10の制御部11に設けた受信感度試験制御部18によって、複数のCCを含む試験用信号を用いて受信感度試験を複数のCCごとに実行させ、該各CCのうちのいずれかが測定終了条件に到達すると当該CCのスループット測定を終了し、複数のCCの全てが測定終了条件に到達するまで、測定終了条件に到達していないCCを対象に受信感度試験を続行させるように制御している。
この制御により、測定装置1では、複数のCCを対象とする受信感度試験において、先にスループット測定終了条件に到達したCCのスループット測定を終了させ、残りのCCのみを対象にしてスループット測定終了条件に到達するまで継続する機能を有しないものに比べて、測定時間を大幅に低減可能となる。
さらに本実施形態に係る測定装置1では、CCごとに実施する受信感度試験における出力レベル設定制御において、次の回の出力レベルを設定する際の制御パラメータとしてCP条件を適用しており、上述した先にスループット測定終了条件に到達したCCのスループット測定を終了させる制御に加えて、当該CP条件を適用した場合の測定時間の短縮効果も望めるものである。
例えば、図8に示した一連の測定制御によれば、測定未完了のCCごとに、CPに当たる処理タイミング(ステップS11参照)でスループットの測定値が基準値に対して95%を超えて99%以下の割合の範囲内という判定条件を満たすか否かを判定し、スループットの測定値が当該判定条件を満たしているときには、ステップS12bに進み、当該判定条件を満たしていないときのステップS12aでの設定パターンには依存しない特有の設定パターンにより前回のOLレベルから2ELに相当する値をレベルダウンさせるレベルダウン処理(B)を実行する。レベルダウン処理(B)は、受信感度試験に係る試験用信号の送受信回数を低減し、エラートレランスレベルELによる受信感度試験の終了条件(ステップS31参照)を満たす状態により少ないスループット測定回数で到達するように作用する。
以下、その作用(測定時間短縮作用)について図11から図14を参照して検証する。ここでは簡単のために、単一(一つ)のキャリアを含む試験用信号を用いる場合の作用について述べるものとする。
図11は、本実施形態に係る測定装置1による出力レベル可変設定制御(図8参照)により測定回数に応じて設定される試験用信号の出力レベルと関連パラメータのデータ例を示している。図11の例においては、当該試験用信号についての例えば全部で4回の測定回数のそれぞれに対応して、その回の試験用信号の出力レベル、測定されたスループット、スループット測定値の急峻低下領域の判定条件に基づく判定結果、前回の測定と今回の測定間の出力レベルの変動幅、次の回の出力レベルの設定処理種別、次の回の試験用信号の出力レベルとの関係が示されている。
図13には、本実施形態に係る測定装置1によるDUT100の受信感度試験に係る試験用信号の測定回数と試験用信号の出力レベルに関する特性C1、及び測定回数とスループット(測定値)に関する特性C2が示されている。特性C1、C2は、それぞれ、図12に示すデータ例(左から1、3~5列目参照)に基づくものである。すなわち、図13において、特性C1は、試験用信号についての符号P11~P14で示す全部で4回のスループット測定(出力レベル可変設定)が行われて受信感度試験が終了した例を挙げている。
図13における特性C1、並びに図11、図12(左から1、2~3列目参照)に示されるように、本実施形態に係る測定装置1では、1回目は特性C1の測定点P11においてDUT100を出力レベルOL(1)=-75dBmとして試験を開始し、このとき測定されたスループットはスループット閾値よりも高い値となって許容範囲内(PASS)の判定であったため、スループット測定値の急峻低下領域の判定条件に基づく判定処理に移行する。ここで、スループット測定値が急峻低下領域a1の領域外につき当該判定条件を満たしていないとの判定結果(「NO」)が得られ、OLレベルダウン処理(A)(図8のステップS12a参照)へと進む。
OLレベルダウン処理(A)では、出力レベルOL(1)=-75dBmからステップレベルSL(1)としての初期ステップレベルSL0(=-10dB)をレベルダウンさせる設定が実施され、2回目の出力レベルOL(2)として、(OL(1)-SL(1))=-85dBmが設定される。
続いて2回目は特性C1の測定点P12においてDUT100を出力レベルOL(2)=-85dBmとして試験を続行し、このとき測定されたスループットはスループット閾値よりも高い値となって許容範囲内(PASS)の判定であったため、スループット測定値の急峻低下領域の判定条件に基づく判定処理に移行する。ここで、スループット測定値が急峻低下領域a1の領域内の値であって当該判定条件を満たしているとの判定結果(「YES」)が得られ、OLレベルダウン処理(B)(図8のステップS12b、図9(b)参照)に移行する。
OLレベルダウン処理(B)では、出力レベルOL(2)=-85dBmからエラートレランスレベルELの2倍の値である2EL=0.4dBをレベルダウンさせる設定が行われ、3回目の出力レベルOL(3)として、(OL(2)-2EL)=-85.4dBmが設定される。
続いて3回目は特性C1の測定点P13においてDUT100を出力レベルOL(3)=-85.4dBmとして試験を続行し、このとき測定されたスループットはスループット閾値よりも低い値となって許容範囲外(FAIL)の判定となったことによりOLレベルアップ処理(A)(図8のステップS13b参照)に移行する。
OLレベルアップ処理(A)では、出力レベルOL(3)=-85.4dBmからエラートレランスレベルELの値である0.2dBをレベルアップさせる設定が行われ、4回目の出力レベルOL(4)として、(OL(3)+EL)=-85.2dBmが設定される。
続いて4回目は特性C1の測定点P14においてDUT100を出力レベルOL(4)=-85.2dBmとして試験を続行する。その際、今回の出力レベルOL(4)と3回目のときに設定された出力レベルOL(3)と差(絶対値)が(85.2-85.4)=0.2dBであり、当該差の値がエラートレランスレベルEL以下となって、出力レベルの可変設定制御(受信感度試験)の終了条件(SL(n)≧EL;図8のステップS31でNO)を満たし、当該受信感度試験が終了となる。
特性C1、並びに図11、図12(左から1、3~5列目参照)に示されるように、本実施形態に係る測定装置1では、当該試験用信号につきCPにてスループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるか否かをチェックし、スループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるときには、次の回の出力レベルを設定する際のレベルダウン処理(図8のステップS12b参照)、及びレベルアップ処理(図8のステップS13参照)についてはエラートレランスレベルEL単位で実施することで、4回の測定で受信感度試験を実現することができる。
これに対し、上述したCPと、スループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるときにエラートレランスレベルEL単位でレベルダウン、またはレベルアップを行う技術を導入していない既存の試験用信号の出力レベル制御においては、例えば、図13に特性C3(合わせて、図12の左から1、2列目参照)として示すように、受信感度試験を終えるまでに測定点P31~P39を経た合計9回の測定が必要となる。本実施形態に係るCPと、図8のステップS12bでのレベルダウン処理、及び図8のステップS13bでのレベルアップ処理を導入した試験用信号の出力レベル制御によれば、既存の試験用信号の出力レベル制御に対して、1つのCCあたり2.25(=9/4)倍の測定回数の低減効果が見込めることとなる。
CPと、スループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるときにエラートレランスレベルEL単位でレベルダウン、またはレベルアップを行う技術を導入した本実施形態に係る出力レベルの可変設定制御(図8参照)における試験用信号の出力レベルと測定されたスループットに関する特性の一例を図14に示している。図14に示すグラフによれば、CPと、スループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるときにエラートレランスレベルEL単位でレベルダウン、またはレベルアップを行う技術を導入したことにより、2回目の測定点のスループット測定値が急峻に低下する点で、スループットの高い点を省略することができていることが理解できる。
図16は、本実施形態に係る測定装置1によるDUT100の受信感度試験結果の表示例を示す図である。ここでも、試験用信号が1つのキャリアで構成されている場合の表示例を示している。図8に示すフローチャートに沿ったDUT100の受信感度試験動作制御中、統合制御装置10の表示部13には、例えば、図16に示す画面構成を有するにおける測定画面130aが表示されている。測定画面130aは、DUT100のスループット(受信感度)の測定結果を測定回数に対応して表示する試験結果表示領域130bを有している。本実施形態に係る測定装置1によれば、測定画面130a上の試験結果表示領域130bには、図13に示す特性C1のステップレベルSLの変動を伴う4回のスループット測定の測定結果が、図中上から下方向への時間経過に合わせて時間順に配列された態様で表示されている。
本実施形態に係る測定装置1によるDUT100の受信感度試験結果の表示例と比較する意味で、従来装置におけるDUT100の受信感度試験結果の表示例を図17に示している。図17に示すように、従来装置の測定画面135aは試験結果表示領域135bを有し、当該試験結果表示領域135bには、ステップレベルSLのリニアな変動を伴う、例えば、10回のスループット測定の測定結果が、図中上から下方向への時間経過に合わせて時間順に配列された態様で表示されている。
図11から図14に基づくCPを導入した受信感度試験の試験時間短縮作用の説明においては、単一のキャリアを含む試験用信号を用いる場合の例を挙げているが、複数のCCを含む試験用信号を用いた受信感度試験においても、全てのCCごとに同様の作用が期待できることは言うまでもない。
すなわち、図7、図8に示すように複数のCCを含む試験用信号を用いた受信感度試験を行うことを前提とする本実施形態に係る測定装置1によれば、全てのCCごとにCPと、スループットの測定値が急峻低下領域a1内にあるときにエラートレランスレベルEL単位でレベルダウン、またはレベルアップを行う設定制御が適用することで、当該設定制御機能を有しないものに比べて、全てのCCのスループット測定が終了するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
なお、上記実施形態では、測定装置1の外部に統合制御装置10を設けたシステム構成例を開示しているが、本発明は、測定装置1に統合制御装置10の制御機能を設けた構成であってもよい。
上述したように、本実施形態に係る測定装置1は、複数のCCを含む試験用信号を発生する信号発生部21aを有するNRシステムシミュレータ20と、信号発生部21aからDUT100への上記試験用信号の送受信を繰り返し行って該DUT100の受信感度を測定(算出)する受信感度試験を実行させる受信感度試験制御部18と、を有し、DUT100を試験する構成である。
測定装置1において、信号発生部21aは、複数のCCを含む試験用信号を発生させるものであり、受信感度試験制御部18は、各々の回ごとに、送受信される複数のCCのうちの所定の測定終了条件に到達していないCCのスループットを測定するスループット測定部18bと、スループットを測定したCCごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する終了判定部18c1と、測定終了条件に到達していないCCごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合したトータルステータスを算出するトータルステータス算出部18c2と、トータルステータスに基づき、測定終了条件に到達していないCCを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル可変設定部18dと、を有し、受信感度試験を複数のCCごとに実行させ、該各CCのうちのいずれかが測定終了条件に到達すると当該CCのスループット測定を終了し、複数のCCの全てが測定終了条件に到達するまで、測定終了条件に到達していないCCを対象に受信感度試験を続行させる構成を有している。
この構成により、本実施形態に係る測定装置1は、複数のCCを含む試験用信号に対応可能であり、複数のCCのうちのいずれかが測定終了条件に到達したときに、以後、当該CCのスループット測定を行わないように制御することで、全てのCCの測定が終わるまで当該全てのCCの測定を続けるものと比べて、測定時間を大幅に短縮可能である。
また、本実施形態に係る測定装置1において、トータルステータス算出部18c2は、CCごとの前記判定の結果の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)とするトータルステータスを算出する構成である。
この構成により、本実施形態に係る測定装置1は、測定が終了してないCCの数に拘わらずトータルステータスを容易に算出することができ、複数のCCを含む試験用信号を用いた受信感度試験への対応が容易となる。
また、本実施形態に係る測定装置1において、出力レベル可変設定部18dは、トータルステータスが合(PASS)の場合には、前の回の出力レベル(OL(n))から初期ステップレベル(SL0)のステップで出力レベルを下げる第1のレベル設定処理(S12a)、もしくは前の回の出力レベルからエラートレランスレベル(EL)の2倍に相当するレベル(2×EL)を下げる第2のレベル設定処理(S12b)によって次の回の出力信号のレベル設定を行い、トータルステータスが否(FAIL)の場合には、前の回の出力レベルから前の回のステップレベル(SL)の1/2に相当するレベル(SL/2)を上げる第3のレベル設定処理(S13d)、もしくは前の回の出力レベルから前の回のステップレベルに相当するレベル(SL)を上げる第4のレベル設定処理(13e)によって次の回の出力信号のレベル設定を行う構成を有する。
この構成により、本実施形態に係る測定装置1は、第1のレベル設定処理、第2のレベル設定処理、第3のレベル設定処理、及び第4のレベル設定処理を駆使して、複数のCCを含む試験用信号のそれぞれのCCのスループットを考慮した非線形(ノンリニア)な出力レベルの変更設定が可能であり、リニアな変更設定を行う場合に比べて測定時間を短縮することができる。
また、本実施形態に係る測定装置1において、受信感度試験制御部18は、測定終了条件に到達していないCCごとに、スループットの測定結果が急峻に低下する特性に関する急峻低下領域内の予め設定した割合まで低下した状態であるか否かを判定する低下状態判定部18c3をさらに有し、出力レベル可変設定部18dは、測定終了条件に到達していないCCごとに、トータルステータスと、低下状態判定部18c3による低下した状態であるか否かの判定結果に応じて当該CCを対象とする出力レベルを前の回よりも異なるように設定する設定処理であって、低下した状態であると判定された場合には、当該CCを対象とする出力レベルを前の回に対して所定の変動幅(EL)単位でレベルダウン、またはレベルアップさせる処理(S12b、S13b)を含む出力レベル設定処理(S12、S13)を行う構成を有している。
この構成により、本実施形態に係る測定装置1は、測定終了していないキャリアを対象に、測定されたスループットが急峻低下領域内の割合まで低下した状態では、出力レベルの所定の変動幅(EL)単位でレベルダウン、またはレベルアップさせながら前回と今回の変化幅のチェックが実行される。これにより、単に初期ステップ変動幅由来のステップ変動幅で出力レベルのレベルダウン、またはレベルアップを続ける場合に比べて、送受信の回数を減らことができ、測定時間の短縮が可能となる。
また、本実施形態に係る移動端末試験方法は、複数のCCを含む試験用信号を発生する信号発生部21aと、信号発生部21aとDUT100との間で、各々の回ごとに試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させることによりDUT100の受信感度試験を行う受信感度試験制御部18と、を有し、DUT100の試験を行う測定装置1を用いた移動端末試験方法において、各々の回ごとに、送受信される前記複数のCCのうちの所定の測定終了条件に到達していないCCのスループットを測定する測定ステップ(S2)と、スループットを測定したCCごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する判定ステップ(S3)と、測定終了条件に到達していないCCごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合したトータルステータスを算出するトータルステータス算出ステップ(S9)と、トータルステータスに基づき、測定終了条件に到達していないCCを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル設定ステップ(S10)と、を含み、受信感度試験を複数のCCごとに実行させ、該各CCのうちのいずれかが測定終了条件に到達すると当該CCのスループット測定を終了し、複数のCCの全てが測定終了条件に到達するまで、測定終了条件に到達していないCCを対象に受信感度試験を続行させる構成を有している。
この構成により、本実施形態に係る移動端末試験方法は、複数のCCを含む試験用信号に対応可能であり、複数のCCのうちのいずれかが測定終了条件に到達したときに、以後、当該CCのスループット測定を行わないように制御することで、全てのCCの測定が終わるまで当該全てのCCの測定を続けるものと比べて、測定時間を大幅に短縮することができる。
以上のように、本発明に係る移動端末試験装置及び移動端末試験方法は、CAを採用した移動端末のCAにより束ねられる全てのCCの受信感度試験を終えるまでの時間を短縮可能であるという効果を奏し、CAを採用した5G用無線端末等の移動端末の受信感度試験を行う移動端末試験装置及び測定方法全般に有用である。
1 測定装置(移動端末試験装置)
5 試験用アンテナ
18 受信感度試験制御部(受信感度試験実行手段)
18b スループット測定部(スループット測定手段)
18c 試験状況監視部
18c1 終了判定部(判定手段)
18c2 トータルステータス算出部(総合判定結果算出手段)
18e 出力レベル可変設定部(出力レベル設定手段)
18c3 低下状態判定部(低下状態判定手段)
20 NRシステムシミュレータ
21a 信号発生部(信号発生器)
100 DUT(被試験対象、移動端末)

Claims (4)

  1. 試験用信号を発生する信号発生器(21a)と、
    前記信号発生器と被試験対象との間で、各々の回ごとに前記試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させることにより前記被試験対象の受信感度試験を行う受信感度試験実行手段(18)と、を有し、
    前記被試験対象である移動端末(100)の試験を行う移動端末試験装置において、
    前記信号発生器は、複数のキャリアを含む前記試験用信号を発生させるものであり、
    前記受信感度試験実行手段は、
    前記各々の回ごとに、送受信される前記複数のキャリアのうちの所定の測定終了条件に到達していないキャリアのスループットを測定するスループット測定手段(18b)と、
    前記スループットを測定した前記キャリアごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する判定手段(18c1)と、
    前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合した総合判定結果を算出する総合判定結果算出手段(18c2)と、
    前記総合判定結果に基づき、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル設定手段(18e)と、を有し、
    前記受信感度試験を前記複数のキャリアごとに実行させ、該各キャリアのうちのいずれかが前記測定終了条件に到達すると当該キャリアのスループット測定を終了し、前記複数のキャリアの全てが前記測定終了条件に到達するまで、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象に前記受信感度試験を続行させるようになっており、
    前記総合判定結果算出手段は、キャリアごとの前記判定の結果の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)とする前記総合判定結果を算出することを特徴とする移動端末試験装置。
  2. 前記出力レベル設定手段は、
    前記総合判定結果が合(PASS)の場合には、前の回の出力レベル(OL(n))から初期ステップレベル(SL0)のステップで出力レベルを下げる第1のレベル設定処理(S12a)、もしくは前の回の出力レベルからエラートレランスレベル(EL)の2倍に相当するレベル(2×EL)を下げる第2のレベル設定処理(S12b)によって次の回の出力信号のレベル設定を行い、
    前記総合判定結果が否(FAIL)の場合には、前の回の出力レベルから前の回のステップレベル(SL)の1/2に相当するレベル(SL/2)を上げる第3のレベル設定処理(S13d)、もしくは前の回の出力レベルから前の回のステップレベルに相当するレベル(SL)を上げる第4のレベル設定処理(13e)によって次の回の出力信号のレベル設定を行うことを特徴とする請求項に記載の移動端末試験装置。
  3. 前記受信感度試験実行手段は、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、スループットの測定結果が急峻に低下する特性に関する急峻低下領域内の予め設定した割合まで低下した状態であるか否かを判定する低下状態判定手段(18c3)をさらに有し、
    前記出力レベル設定手段は、前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、前記総合判定結果と、前記低下状態判定手段による低下した状態であるか否かの判定結果に応じて当該キャリアを対象とする出力レベルを前の回よりも異なるように設定する設定処理であって、前記低下した状態であると判定された場合には、当該キャリアを対象とする出力レベルを前の回に対して所定の変動幅(EL)単位でレベルダウン、またはレベルアップさせる処理(S12b、S13b)を含む前記設定の処理(S12、S13)を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の移動端末試験装置。
  4. 複数のキャリアを含む試験用信号を発生する信号発生器(21a)と、
    前記信号発生器と被試験対象との間で、各々の回ごとに前記試験用信号の出力レベルを設定して該試験用信号を複数回送受信させることにより前記被試験対象の受信感度試験を行う受信感度試験実行手段(18)と、を有し、
    前記被試験対象である移動端末(100)の試験を行う移動端末試験装置を用いた移動端末試験方法において、
    前記各々の回ごとに、送受信される前記複数のキャリアのうちの所定の測定終了条件に到達していないキャリアのスループットを測定する測定ステップ(S2)と、
    前記スループットを測定した前記キャリアごとに、該測定されたスループットの値が所定の測定終了条件に到達したか否かを判定する判定ステップ(S3)と、
    前記測定終了条件に到達していないキャリアごとに、測定されたスループットの値と所定の閾値の比較結果に基づく合(PASS)または否(FAIL)の判定を行い、該各判定の結果を総合した総合判定結果を算出する総合判定結果算出ステップ(S9)と、
    前記総合判定結果に基づき、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象とする次の回の出力レベルを設定する出力レベル設定ステップ(S10)と、を含み、
    前記受信感度試験を前記複数のキャリアごとに実行させ、該各キャリアのうちのいずれかが前記測定終了条件に到達すると当該キャリアのスループット測定を終了し、前記複数のキャリアの全てが前記測定終了条件に到達するまで、前記測定終了条件に到達していないキャリアを対象に前記受信感度試験を続行させるようになっており、
    前記総合判定結果算出ステップは、キャリアごとの前記判定の結果の数を比較し、FAIL数≦PASS数ならば合(PASS)、FAIL数>PASS数ならば否(FAIL)とする前記総合判定結果を算出することを特徴とする移動端末試験方法。
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