JP7374558B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される変速機に関する。
たとえば、変速機を搭載した車両では、エンジンの動力がトルクコンバータを介して変速機に入力され、変速機で変速された動力がデファレンシャルギヤ(差動装置)などを介して駆動輪に伝達される。変速機としては、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)が広く知られている。
変速機では、各部にオイル(作動油、潤滑油)を供給する必要があることから、軸線方向に延びる軸内油路を有する回転軸が多く使用されている。軸内油路には、たとえば、オイルが変速機の外殻をなすケースに形成された供給油路を通して供給される。具体的には、ケース内において、円筒状の内周面を有する軸挿通部がケースと一体に形成されており、その軸挿通部に回転軸が回転可能に挿通されている。供給油路は、軸挿通部の内周面で開放されている。一方、回転軸には、軸挿通部の内周面で開放される供給油路と軸径方向に対向する位置に、軸内油路と回転軸の外部とを連通する連通油路が形成されている。そして、回転軸と軸挿通部との間で供給油路と連通油路とを連通する空間は、その空間を軸線方向に挟む両側に設けられるシールリングで封鎖される。
特開2012-192855号公報
シールリングの摺動に対する耐摩耗性を鑑みて、回転軸と軸挿通部との間に、鉄製のスリーブが設定されることがある。軸内油路からクラッチなどに作動油が供給される構成では、スリーブを設定する場合、作動油の供給を精度よく制御するため、軸挿通部とスリーブとの間からのオイルのリークを管理する必要が生じる。
ところが、ケース(軸挿通部)とスリーブとに熱膨張差が発生することを考えると、軸挿通部にスリーブを圧入する構成を採用し、高温時にも軸挿通部とスリーブとの間に隙間が生じないように圧入代を大きめに設定しなければならず、軸挿通部とスリーブと組付け性が悪化する。また、軸挿通部にスリーブを圧入する構成では、軸挿通部に剛性(肉厚)が必要になり、変速機(ケース)の質量が増加する。
本発明の目的は、回転軸と軸挿通部との間にスリーブなどの円筒状部材を設定した構成において、組付け性の向上および軽量化を図ることができる、変速機を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る変速機は、回転軸と、円筒状の内周面を有し、回転軸が回転可能に挿通される軸挿通部と、回転軸と軸挿通部との間に介在される円筒状の円筒状部材と、回転軸の外周面に固定され、回転軸の回転に伴って円筒状部材の内周面に摺擦するシールリングと、を含み、軸挿通部および円筒状部材は、アルミニウム系材料からなり、円筒状部材の少なくとも内周面に、硬質処理が施されている。
この構成によれば、回転軸と回転軸が回転可能に挿通される軸挿通部との間に、円筒状の円筒状部材が介在される。軸挿通部および円筒状部材がともにアルミニウム系材料からなるので、それらの間に熱膨張差が生じることを抑制できる。そのため、軸挿通部の内周面と円筒状部材の外周面とをほぼ同径に形成して、円筒状部材を軸挿通部に圧入せずに挿入することができる。その結果、円筒状部材を軸挿通部に組み付ける際の作業性、つまり軸挿通部と円筒状部材との組付け性が向上する。また、軸挿通部に円筒状部材が圧入される構成と比較して、軸挿通部の剛性(肉厚)を下げることができる。これにより、軸挿通部の質量を低減でき、変速機の質量の低減を図ることができる。
さらには、円筒状部材が円筒状をなしているので、円筒状部材の製造にセンタレス加工を採用することができ、センタレス加工の採用により、円筒状部材の寸法精度の向上を図ることができる。円筒状部材の寸法精度が高ければ、軸挿通部の内周面と円筒状部材の外周面との間の隙間をなくすことができ、それらの間からのオイルのリークを低減することができる。
円筒状部材を軸挿通部に対して相対回転不能に設けるために、変速機は、円筒状部材に相対回転不能に接続され、軸挿通部に対して固定されるロックプレートをさらに備えていてもよい。
また、軸挿通部には、その内周面で開放される油路が形成され、円筒状部材には、ロックプレートにより円筒状部材が軸挿通部に対して相対回転不能に設けられた状態で油路の開放端と回転軸の軸径方向に対向する位置に、油路と連通する油孔が形成されていてもよい。
この場合、ロックプレートは、アルミニウム系材料からなることが好ましい。これにより、ロックプレートと軸挿通部および円筒状部材との間に熱膨張差が生じることを抑制でき、油路と油孔との相対位置がずれることを抑制できる。
本発明によれば、軸挿通部と円筒状部材との組付け性を向上することができる。また、軸挿通部を軽量化でき、ひいては、変速機の軽量化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る変速ユニットの構成を示す断面図である。 CVTの構成を図解的に示すスケルトン図である。 第1セカンダリ軸と第2セカンダリ軸との接続部分の近傍を拡大して示す断面図である。 スリーブおよびロックプレートの斜視図であり、スリーブおよびロックプレートを斜め後方から見た状態を示す。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<変速ユニット>
図1は、本発明の一実施形態に係る変速ユニット1の構成を示す断面図である。なお、図1以降の断面図では、断面を表すハッチングの付与が省略されている。
変速ユニット1は、車両に搭載されて、走行用の駆動源としてのエンジン2(E/G)2が発生する動力を変速するユニットである。車両は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)レイアウトを採用している。
エンジン2は、たとえば、3気筒4ストロークエンジンであり、クランクシャフトが車体の前後方向に対して縦向きになる縦置きで搭載される。エンジン2の気筒数は、3気筒に限らず、4気筒以上であってもよいし、2気筒以下であってもよい。また、エンジン2のストローク数は、4ストロークに限らず、2ストロークであってもよい。
変速ユニット1は、外殻をなすユニットケース3内に、トルクコンバータ4およびCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)5を備えている。
<ユニットケース>
ユニットケース3は、第1トランスミッションケース11、第2トランスミッションケース12および第3トランスミッションケース13の3分割で構成されている。第1トランスミッションケース11、第2トランスミッションケース12および第3トランスミッションケース13は、アルミニウム系材料からなり、たとえば、ダイカスト法によって鋳造される。
第1トランスミッションケース11、第2トランスミッションケース12および第3トランスミッションケース13は、前側(エンジン2側)からこの順に並べられている。第1トランスミッションケース11と第2トランスミッションケース12とがボルト16で締結され、第2トランスミッションケース12と第3トランスミッションケース13とがボルト17で締結されることにより、第1トランスミッションケース11、第2トランスミッションケース12および第3トランスミッションケース13は、一体化されている。
<トルクコンバータ>
トルクコンバータ4は、第1トランスミッションケース11内に収容されている。トルクコンバータ4は、フロントカバー21、ポンプインペラ22、タービンハブ23、タービンランナ24、ロックアップ機構25およびステータ26を備えている。
フロントカバー21は、車両(車体)の前後方向に延びる回転軸線を中心に略円板状に延び、その外周端部がエンジン2側と反対側(後述する無段変速機構42側)である後側に屈曲した形状をなしている。フロントカバー21の中心部は、前側に膨出している。この膨出した部分には、エンジン2のクランクシャフトが相対回転不能に結合される。
ポンプインペラ22は、フロントカバー21の後側に配置されている。ポンプインペラ22の外周端部は、フロントカバー21の外周端部に接続され、回転軸線を中心にフロントカバー21と一体回転可能に設けられている。ポンプインペラ22の内面には、複数のブレード27が放射状に並べて配置されている。
タービンハブ23は、フロントカバー21とポンプインペラ22との間に配置されている。
タービンランナ24は、タービンハブ23に固定されている。タービンランナ24のポンプインペラ22との対向面には、複数のブレード28が放射状に並べて配置されている。
ロックアップ機構25は、ロックアップピストン31およびダンパ機構32を備えている。
ロックアップピストン31は、略円環板状をなし、その内周端部がタービンハブ23に外嵌されて、フロントカバー21とタービンランナ24との間に位置している。ロックアップピストン31に対してタービンランナ24側の係合側油室33の油圧がフロントカバー21側の解放側油室34の油圧よりも高いと、その差圧により、ロックアップピストン31がフロントカバー21側に移動する。そして、ロックアップピストン31がフロントカバー21に押し付けられると、ポンプインペラ22とタービンランナ24とが直結(ロックアップオン)される。逆に、解放側油室34の油圧が係合側油室33の油圧よりも高いと、その差圧により、ロックアップピストン31がタービンランナ24側に移動する。ロックアップピストン31がフロントカバー21から離間した状態では、ポンプインペラ22とタービンランナ24との直結が解除(ロックアップオフ)される。
ダンパ機構32は、ポンプインペラ22とタービンランナ24との直結時にエンジン2からの振動を減衰するための機構である。
ステータ26は、ポンプインペラ22とタービンランナ24との間に配置されている。
ロックアップオフの状態において、エンジントルクによりポンプインペラ22が回転すると、ポンプインペラ22からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24のブレード28で受けられて、タービンランナ24が回転する。このとき、トルクコンバータ4の増幅作用が生じ、タービンランナ24には、エンジントルクよりも大きなトルクが発生する。
<CVT>
CVT5は、第2トランスミッションケース12および第3トランスミッションケース13内に収容されている。CVT5は、入力軸41、無段変速機構42、出力軸43およびリバース伝達機構44を備えている。変速ユニット1は、エンジン2の後側に、CVT5の入力軸41が車両の前後方向に延びる縦向きとなる縦置きで配置されている。
入力軸41は、中空軸に形成されて、トルクコンバータ4の回転軸線上を延びている。入力軸41の前端部は、トルクコンバータ4内に挿入されて、タービンハブ23とスプライン嵌合している。
なお、以下の説明において、入力軸41の軸線が延びる方向を「軸線方向」という。また、軸線方向と直交する方向、つまり入力軸41の径方向を「軸径方向」という。
入力軸41の後端部は、第2トランスミッションケース12内に配置された機械式のオイルポンプ45に回転可能に支持されている。具体的には、オイルポンプ45は、ポンプケース46と、ポンプケース46に後側から接合されるポンプカバー47と、ポンプケース46内のスペースに配置されるポンプギヤ48と、ポンプギヤ48に相対回転不能に結合されるポンプ軸49とを備えている。ポンプカバー47は、第2トランスミッションケース12に固定され、ポンプケース46内のスペースを後側から閉鎖している。ポンプケース46の前端部には、後側に略円柱状に凹んだ凹部51が形成されている。入力軸41の後端部は、凹部51内に挿入されて、入力軸41の周面と凹部51の内周面との間に介在されるラジアルベアリング52を介してポンプケース46に回転可能に支持されている。
また、入力軸41の後側の端面と凹部51の底面との間には、スラストベアリング53が介在されている。これにより、入力軸41の回転時におけるメカニカルロスが低減される。
ポンプ軸49は、ポンプケース46およびポンプカバー47を貫通して設けられている。ポンプ軸49は、ポンプケース46から前側に延び、入力軸41にその内周面との間に隙間を空けて挿通されている。ポンプ軸49の前端部は、トルクコンバータ4のフロントカバー21に達し、そのフロントカバー21の中心部に相対回転不能に接続されている。これにより、エンジン2の動力によりフロントカバー21が回転すると、フロントカバー21と一体にポンプ軸49およびポンプギヤ48が回転し、オイルポンプ45から油圧が発生する。
無段変速機構42は、プライマリ軸54、セカンダリ軸55、プライマリプーリ56、セカンダリプーリ57およびベルト58を備えている。
プライマリ軸54およびセカンダリ軸55は、第1トランスミッションケース11と第2トランスミッションケース12との間において、入力軸41と平行に延び、その軸心まわりに回転可能に設けられている。
プライマリプーリ56は、プライマリ軸54に固定されたプライマリ固定シーブ61と、プライマリ固定シーブ61にベルト58を挟んで対向配置され、プライマリ軸54に軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されたプライマリ可動シーブ62とを備えている。プライマリ可動シーブ62は、プライマリ固定シーブ61に対して前側に配置されている。プライマリ可動シーブ62に対してプライマリ固定シーブ61側と反対側、つまり前側には、シリンダ63が設けられ、プライマリ可動シーブ62とシリンダ63との間には、油圧室(ピストン室)64が形成されている。
セカンダリプーリ57は、セカンダリ軸55に固定されたセカンダリ固定シーブ65と、セカンダリ固定シーブ65にベルト58を挟んで対向配置され、セカンダリ軸55に軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されたセカンダリ可動シーブ66とを備えている。セカンダリ可動シーブ66は、セカンダリ固定シーブ65に対して後側に配置されている。セカンダリ可動シーブ66に対してセカンダリ固定シーブ65と反対側、つまり後側には、ピストン67が設けられ、セカンダリ可動シーブ66とピストン67との間には、油圧室68が形成されている。
ベルト58は、無端状に形成され、プライマリ固定シーブ61とプライマリ可動シーブ62との間に挟まれた状態でプライマリプーリ56に巻き掛けられるとともに、セカンダリ固定シーブ65とセカンダリ可動シーブ66との間に挟まれた状態でセカンダリプーリ57に巻き掛けられている。
無段変速機構42では、プライマリプーリ56およびセカンダリプーリ57の各油圧室64,68に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ56およびセカンダリプーリ57の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比(プライマリプーリ56とセカンダリプーリ57とのプーリ比)が一定の変速比範囲内で連続的に無段階で変更される。
具体的には、ベルト変速比が小さくされるときには、プライマリプーリ56の油圧室64に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ56のプライマリ可動シーブ62がプライマリ固定シーブ61側に移動し、プライマリ固定シーブ61とプライマリ可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ56に対するベルト58の巻き掛け径が大きくなり、セカンダリプーリ57のセカンダリ固定シーブ65とセカンダリ可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、ベルト変速比が小さくなる。
ベルト変速比が大きくされるときには、プライマリプーリ56の油圧室64に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト58に対するセカンダリプーリ57の推力がベルト58に対するプライマリプーリ56の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ57のセカンダリ固定シーブ65とセカンダリ可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、プライマリ固定シーブ61とプライマリ可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、ベルト変速比が大きくなる。
セカンダリプーリ57の油圧室68には、バイアススプリング69が設けられている。バイアススプリング69は、一端がセカンダリ可動シーブ66に弾性的に当接し、他端がピストン67に弾性的に当接している。バイアススプリング69の弾性力により、セカンダリ可動シーブ66およびピストン67が互いに離間する方向に付勢されている。セカンダリ可動シーブ66には、油圧室68内の油圧およびバイアススプリング69による付勢力が付与され、ベルト58には、それに応じた挟圧が付与される。
また、入力軸41には、軸線方向の中央部に、入力軸ギヤ81が一体に形成されている。これに対応して、プライマリ軸54には、入力軸ギヤ81と噛合するプライマリ入力ギヤ82が相対回転可能に支持されている。これらの互いに噛合する入力軸ギヤ81およびプライマリ入力ギヤ82とオイルポンプ45との間のスペースを利用して、プライマリ軸54に対するプライマリ入力ギヤ82の回転を許容/禁止する前進クラッチ83が設けられている。前進クラッチ83の一部は、オイルポンプ45と軸径方向に重なっている(軸線方向に見て重なっている)。
前進クラッチ83は、クラッチドラム84、クラッチハブ85およびクラッチピストン86を備えている。クラッチドラム84は、内周端がプライマリ軸54に固定され、プライマリ軸54から軸径方向に延び、外周端部がプライマリ入力ギヤ82側、つまり前側に屈曲して延びている。クラッチハブ85は、プライマリ入力ギヤ82と一体に形成され、プライマリ入力ギヤ82から後側に延出する円筒状をなし、クラッチドラム84の外周端部に対して軸径方向の内側から間隔を空けて対向している。クラッチピストン86は、クラッチドラム84とクラッチハブ85との間に、軸線方向に移動可能に設けられている。クラッチピストン86は、クラッチドラム84に液密的に当接しており、クラッチドラム84とクラッチピストン86との間には、クラッチピストン86に作用する油圧が供給される油圧室87が形成されている。また、クラッチピストン86は、リターンスプリング88により、後側に弾性的に付勢されている。
クラッチドラム84の外周端部とクラッチハブ85とに軸径方向に挟まれる空間において、クラッチドラム84に保持されるクラッチプレートとクラッチハブ85に保持されるクラッチディスクとが軸線方向に交互に並んでいる。油圧室87に供給される油圧により、クラッチピストン86が前側に移動してクラッチプレートを後側から押圧すると、クラッチプレートとクラッチディスクとが圧接し、前進クラッチ83が係合する。前進クラッチ83の係合により、プライマリ軸54に対するプライマリ入力ギヤ82の回転が禁止され、プライマリ入力ギヤ82が回転すると、プライマリ軸54がプライマリ入力ギヤ82と一体に回転する。前進クラッチ83の係合状態から油圧が開放されると、リターンスプリング88の付勢力により、クラッチピストン86が後側に移動し、クラッチディスクとクラッチプレートとの圧接が解除されて、前進クラッチ83が解放される。前進クラッチ83の解放により、プライマリ軸54に対するプライマリ入力ギヤ82の回転が許容され、プライマリ入力ギヤ82が回転しても、その回転がプライマリ軸54に伝達されない。
セカンダリ軸55には、セカンダリ入力ギヤ91が相対回転可能に支持されている。セカンダリ入力ギヤ91は、軸線方向において、入力軸ギヤ81とオイルポンプ45との間に配置されている。また、セカンダリ入力ギヤ91とオイルポンプ45との間のスペースを利用して、セカンダリ軸55に対するセカンダリ入力ギヤ91の回転を許容/禁止する後進クラッチ92が設けられている。後進クラッチ92の一部は、オイルポンプ45と軸径方向に重なっている(軸線方向に見て重なっている)。
後進クラッチ92は、クラッチドラム93、クラッチハブ94およびクラッチピストン95を備えている。クラッチドラム93は、内周端がセカンダリ軸55に固定され、セカンダリ軸55から軸径方向に延び、外周端部がセカンダリ入力ギヤ91側、つまり前側に屈曲して延びている。クラッチハブ94は、セカンダリ入力ギヤ91と一体に形成され、セカンダリ入力ギヤ91から後側に延出する円筒状をなし、クラッチドラム93の外周端部に対して軸径方向内側から間隔を空けて対向している。クラッチピストン95は、クラッチドラム93とクラッチハブ94との間に、軸線方向に移動可能に設けられている。クラッチピストン95は、クラッチドラム93に液密的に当接しており、クラッチドラム93とクラッチピストン95との間には、クラッチピストン95に作用する油圧が供給される油圧室96が形成されている。また、クラッチピストン95は、リターンスプリング97により、後側に弾性的に付勢されている。
クラッチドラム93の外周端部とクラッチハブ94とに軸径方向に挟まれる空間において、クラッチドラム93に保持されるクラッチプレートとクラッチハブ94に保持されるクラッチディスクとが軸線方向に交互に並んでいる。油圧室96に供給される油圧により、クラッチピストン95が前側に移動してクラッチプレートを後側から押圧すると、クラッチプレートとクラッチディスクとが圧接し、後進クラッチ92が係合する。後進クラッチ92の係合により、セカンダリ軸55に対するセカンダリ入力ギヤ91の回転が禁止され、セカンダリ入力ギヤ91が回転すると、セカンダリ軸55がセカンダリ入力ギヤ91と一体に回転する。後進クラッチ92の係合状態から油圧が開放されると、リターンスプリング97の付勢力により、クラッチピストン95が後側に移動し、クラッチディスクとクラッチプレートとの圧接が解除されて、後進クラッチ92が解放される。後進クラッチ92の解放により、セカンダリ軸55に対するセカンダリ入力ギヤ91の回転が許容され、セカンダリ入力ギヤ91が回転しても、その回転がセカンダリ軸55に伝達されない。
出力軸43は、入力軸41に対して後側に間隔を空けて、入力軸41と同一軸線上に配置されている。言い換えれば、入力軸41と出力軸43とは、軸線方向に間隔を空けてそれぞれ前後に、車両の前後方向に沿った縦向きに延びる共通の軸線を有するように配置されている。出力軸43には、出力軸ギヤ101が一体に形成されている。これに対応して、セカンダリ軸55には、出力軸ギヤ101と噛合するセカンダリ出力ギヤ102が相対回転不能に支持されている。
リバース伝達機構44は、入力軸41の動力(回転)をセカンダリ入力ギヤ91に伝達する機構である。リバース伝達機構44には、リバースアイドラ軸103、第1リバースギヤ104および第2リバースギヤ105が含まれる。リバースアイドラ軸103は、軸線方向に延び、第1トランスミッションケース11と第2トランスミッションケース12とに跨がって、第1トランスミッションケース11および第2トランスミッションケース12に回転可能に支持されている。第1リバースギヤ104は、リバースアイドラ軸103と一体に形成されて、入力軸ギヤ81と噛合している。第2リバースギヤ105は、第1リバースギヤ104の後側において、リバースアイドラ軸103と一体に形成され、セカンダリ入力ギヤ91と噛合している。
出力軸43とプライマリ軸54との間には、アダプタ111が設けられている。アダプタ111は、たとえば、アルミ合金製であり、ダイカスト法によって鋳造される鋳物である。アダプタ111は、出力軸43とプライマリ軸54との間を軸径方向に延びている。アダプタ111の上端部は、後側に突出しており、その突出した部分には、前側に略円柱状に凹んだ凹部112が形成されている。出力軸43の前端部は、凹部112内に挿入されている。出力軸43の周面と凹部112の内周面との間には、ラジアルベアリング113が介在されている。出力軸43の前端部は、ラジアルベアリング113を介して、アダプタ111に回転可能に支持されている。また、出力軸43には、出力軸ギヤ101が形成されている部分と凹部112内に挿入される部分との間に、軸径方向に沿った円環状の段差面が形成されている。段差面とアダプタ111との間には、スラストベアリング114が介在されている。
アダプタ111には、後側に略円柱状に凹んだ凹部115が形成されている。プライマリ軸54の後端部は、凹部115に挿入されている。プライマリ軸54の周面と凹部115の内周面との間には、ボールベアリング116が介在されている。プライマリ軸54の後端部は、ボールベアリング116を介して、アダプタ111に回転可能に支持されている。
アダプタ111の下端部には、前側からボルト117が挿通される。そして、そのボルト117により、アダプタ111は、第3トランスミッションケース13に取り付けられている。
<動力伝達経路>
図2は、CVT5の構成を図解的に示すスケルトン図である。
車両の前進時には、前進クラッチ83が係合されて、後進クラッチ92が解放される。エンジン2からトルクコンバータ4を介して入力軸41に入力される動力は、前進クラッチ83の係合により、入力軸ギヤ81からプライマリ入力ギヤ82を介してプライマリ軸54に伝達される。一方、入力軸41に入力される動力が入力軸ギヤ81からセカンダリ入力ギヤ91に伝達されて、セカンダリ入力ギヤ91が回転しても、後進クラッチ92の解放により、セカンダリ入力ギヤ91がセカンダリ軸55(セカンダリ軸55)に対して空転し、セカンダリ軸55に動力が伝達されない。
プライマリ軸54に伝達される動力は、プライマリプーリ56とセカンダリプーリ57とのプーリ比に応じたベルト変速比で変速されて、セカンダリ軸55に伝達される。そして、セカンダリ軸55に伝達される動力は、セカンダリ出力ギヤ102から出力軸ギヤ101を介して出力軸43に伝達される。
車両の後進時には、前進クラッチ83が解放されて、後進クラッチ92が係合される。エンジン2からトルクコンバータ4を介して入力軸41に入力される動力は、後進クラッチ92の係合により、入力軸ギヤ81からリバース伝達機構44およびセカンダリ入力ギヤ91を介してセカンダリ軸55に伝達される。このとき、セカンダリ軸55は、車両の前進時と逆方向に回転する。一方、入力軸41に入力される動力が入力軸ギヤ81からプライマリ入力ギヤ82に伝達されて、プライマリ入力ギヤ82が回転しても、前進クラッチ83の解放により、プライマリ入力ギヤ82がプライマリ軸54(プライマリ軸54)に対して空転し、プライマリ軸54に動力が伝達されない。
セカンダリ軸55に伝達される動力は、セカンダリ出力ギヤ102から出力軸ギヤ101を介して出力軸43に伝達される。
そして、出力軸43に伝達される動力は、出力軸43からプロペラシャフト(図示せず)に出力されて、プロペラシャフトからリヤデファレンシャルギヤ(リヤデフ)およびドライブシャフトを介して左右の後輪に伝達される。
<油供給構造>
第2トランスミッションケース12の底部には、図1に示されるように、変速ユニット1の各部へのオイルの供給を制御するためのバルブボディ121が設けられている。
また、第2トランスミッションケース12の底部には、ストレーナ122が設けられている。ストレーナ122は、バルブボディ121と横並びで配置される濾過部123と、濾過部123から延出する管部124とを備えている。管部124は、濾過部123の下部から前側に延出して、バルブボディ121の下側を左側に湾曲しつつ延び、その先端部が第2トランスミッションケース12の中央部に配置されている。管部124は、中空の管状に形成され、その内部は、濾過部123の内部と連通している。また、管部124の先端部の下面は、オイルを吸い込むための吸込口125として開口している。
第2トランスミッションケース12には、オイルパン131が下側から複数のボルト132で固定されている。ストレーナ122の管部124の先端部は、オイルパン131の中央部に位置しており、その先端部の吸込口125は、オイルパン131の中央部と対向している。
オイルポンプ45のポンプギヤ48の回転により吸引力が発生し、その吸引力により、オイルパン131に溜まったオイルが吸込口125から管部124内に吸い込まれる。管部124内に吸い込まれたオイルは、管部124内を濾過部123に向けて流れ、濾過部123内に設けられた濾過材を通過する。オイルが濾過材を通過することにより、オイル中に含まれる異物が濾過材に捕獲されて、オイル中から異物が除去される。濾過材を通過したオイルは、オイルポンプ45を経由して、バルブボディ121に供給される。そして、バルブボディ121から無段変速機構42などのオイルの供給を必要とする各部に作動油または潤滑油としてオイルが供給される。
図3は、後進クラッチ92の後側におけるセカンダリ軸55の近傍を拡大して示す断面図である。
セカンダリ軸55は、第1セカンダリ軸141と第2セカンダリ軸142とに分割して構成されている。第1セカンダリ軸141は、第2セカンダリ軸142の前側に配置されている。図1に示されるように、セカンダリ入力ギヤ91は、第1セカンダリ軸141に支持され、セカンダリプーリ57は、第2セカンダリ軸142に支持されている。第1セカンダリ軸141の後側の端部には、図3に示されるように、後端面から略円柱状に凹んだ形状を有する接続凹部143が形成されている。第2セカンダリ軸142の前側の端部は、接続凹部143内に挿入されている。
後進クラッチ92にオイルを供給するため、第1セカンダリ軸141には、軸心油路144および軸内油路145が形成されている。軸心油路144は、第1セカンダリ軸141の軸心上を延び、第1セカンダリ軸141の後端面(接続凹部143の底面)で開口している。また、第1セカンダリ軸141には、分配油路146が形成されている。分配油路146の一端は、軸心油路144に接続されて、軸心油路144と連通している。分配油路146の他端は、リターンスプリング97と軸径方向に対向する位置において、第1セカンダリ軸141の外周面で開放されている。
一方、第2セカンダリ軸142の前側の端部は、第1セカンダリ軸141の接続凹部143内に挿入される接続凸部151として、接続凹部143の内径に応じた外径を有する略円柱状に形成されている。接続凸部151の前側部分は、接続凹部143の内周面とスプライン嵌合し、その後側部分は、インローにより接続凹部143の内周面に対して隙間なくかつ中心が一致した状態で嵌合している。接続凸部151の先端面は、接続凹部143の底面から軸線方向に離間しており、接続凹部143の底面と接続凸部151の先端面との間には、空間152が生じている。
第2トランスミッションケース12には、後進クラッチ92とセカンダリプーリ57(図1参照)との間を上下方向に延びる壁部153が形成されている。壁部153には、第1セカンダリ軸141が挿通される軸挿通部154が形成されている。軸挿通部154の内周面は、円筒面に形成されている。
軸挿通部154の内側には、円筒状のスリーブ155がその外周面を軸挿通部154の内周面に密着させた状態に設けられている。スリーブ155は、ロックプレート156により軸挿通部154に固定されている。第1セカンダリ軸141は、スリーブ155が接続凹部143とその前側の部分とに跨がって外嵌されるように、軸挿通部154(スリーブ155)に挿通されている。
図4は、スリーブ155およびロックプレート156の斜視図であり、スリーブ155およびロックプレート156を斜め後方から見た状態を示す。
スリーブ155は、第2トランスミッションケース12と同じアルミニウム系材料からなる円筒状の素材をセンタレス加工して形成され、とくに、軸挿通部154の内周面に密着する外周面157の外径寸法が高精度に管理されている。スリーブ155の内周面158を含む表面には、硬質処理の一例であるアルマイト処理(陽極酸化処理)が施されている。
スリーブ155の前側の端縁部には、外周面157から一段堀下がることによる段差部159が全周にわたって形成されている。スリーブ155の後側の端縁部は、後側ほど外径が小さくなるように面取りされており、その面取りされた部分には、平面視矩形状の切欠161がスリーブ155を厚さ方向に貫通して形成されている。
ロックプレート156は、スリーブ155と同じアルミニウム系材料からなり、切欠161にほぼ隙間なく嵌まる形状に形成されている。すなわち、ロックプレート156は、切欠161の前後方向の寸法にほぼ等しい厚さおよび切欠161の左右方向の寸法にほぼ等しい幅を有する板状に形成されている。ロックプレート156は、切欠161に嵌められた状態で、切欠161から上方に延出している。ロックプレート156の上端縁は、半円形状に形成され、下端縁は、スリーブ155の内周面に沿った円弧状に形成されている。
軸挿通部154の前端部には、図3に示されるように、径方向内側に突出する抜け止め162が全周にわたって形成されている。スリーブ155は、抜け止め162が段差部159に嵌まり、切欠161に嵌められたロックプレート156が軸挿通部154の後端面に当接した状態で、ロックプレート156がボルト163で軸挿通部154に固定されることにより、ロックプレート156と抜け止め162とに挟持した状態で軸挿通部154に対して固定される。
また、壁部153には、バルブボディ121から送出されるオイルが流通する複数の油路が形成されている。この油路には、たとえば、後進クラッチ92に潤滑油として供給されるオイルが流通する後進クラッチ潤滑油路171と、後進クラッチ92に作動油として供給されるオイルが流通する後進クラッチ作動油路172とが含まれる。
後進クラッチ潤滑油路171および後進クラッチ作動油路172は、バルブボディ121から軸挿通部154まで延び、軸挿通部154の内面で開放されている。スリーブ155には、後進クラッチ潤滑油路171の開放端と重なる位置(軸径方向に対向する位置)に、後進クラッチ潤滑油路171と連通する油孔173が貫通して形成されている。また、スリーブ155には、後進クラッチ作動油路172の開放端と重なる位置に、後進クラッチ作動油路172と連通する油孔174が貫通して形成されている。
第1セカンダリ軸141の外周面には、油孔173,174とそれぞれ重なる位置に、油溝175,176が全周にわたって形成されている。また、第1セカンダリ軸141の外周面には、油溝175,176の間、油溝175の後側および油溝176の前側に、それぞれ環状のシールリング177,178,179が埋設されている。各シールリング177,178,179がスリーブ155の内周面に液密的に当接することにより、シールリング177,178,179に挟まれた空間からオイルが漏れないようにされている。
第1セカンダリ軸141には、接続凹部143内の空間152と油溝175とを連通する連通油路181が形成されている。また、油溝176には、軸内油路145の一端が接続されており、油溝176は、軸内油路145と連通している。軸内油路145の他端は、後進クラッチ92の油圧室96に接続されている。
かかる構成により、バルブボディ121から後進クラッチ潤滑油路171に送出されるオイルは、後進クラッチ潤滑油路171からスリーブ155の油孔173を介して第1セカンダリ軸141の油溝175に流入する。そして、油溝175から連通油路181を介して空間152にオイルが流入し、空間152にオイルが溜まる。空間152に溜まったオイルは、軸心油路144に流入し、軸心油路144から分配油路146を介して後進クラッチ92に供給される。これにより、後進クラッチ92がオイルで冷却および潤滑される。
また、バルブボディ121から後進クラッチ作動油路172に送出されるオイルは、後進クラッチ作動油路172からスリーブ155の油孔174を介して第1セカンダリ軸141の油溝176に流入する。そして、油溝176から軸内油路145を介して後進クラッチ92の油圧室96に供給される。
<作用効果>
以上のように、第1セカンダリ軸141と第1セカンダリ軸141が回転可能に挿通される軸挿通部154との間に、円筒状のスリーブ155が介在される。軸挿通部154およびスリーブ155がともにアルミニウム系材料からなるので、それらの間に熱膨張差が生じることを抑制できる。そのため、軸挿通部154の内周面とスリーブ155の外周面157とをほぼ同径に形成して、スリーブ155を軸挿通部154に圧入せずに挿入することができる。その結果、スリーブ155を軸挿通部154に組み付ける際の作業性、つまり軸挿通部154とスリーブ155との組付け性が向上する。また、軸挿通部154にスリーブ155が圧入される構成と比較して、軸挿通部154の剛性(肉厚)を下げることができる。これにより、軸挿通部154の質量を低減でき、変速ユニット1の質量の低減を図ることができる。
さらには、スリーブ155が円筒状をなしているので、スリーブ155の製造にセンタレス加工を採用することができ、センタレス加工の採用により、スリーブ155の寸法精度の向上を図ることができる。スリーブ155の寸法精度が高ければ、軸挿通部154の内周面とスリーブ155の外周面157との間の隙間をなくすことができ、それらの間からのオイルのリークを低減することができる。
スリーブ155を軸挿通部154に対して相対回転不能に設けるために、変速ユニット1は、スリーブ155に相対回転不能に接続され、軸挿通部154に対して固定されるロックプレート156をさらに備えている。ロックプレート156は、アルミニウム系材料からなる。これにより、ロックプレート156と軸挿通部154およびスリーブ155との間に熱膨張差が生じることを抑制でき、軸挿通部154に形成されている後進クラッチ潤滑油路171とスリーブ155に形成されている油孔173との相対位置および軸挿通部154に形成されている後進クラッチ作動油路172とスリーブ155に形成されている油孔174との相対位置がずれることを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、変速ユニット1は、エンジン2の後側に、CVT5の入力軸41が車両の前後方向に延びる縦向きとなる縦置きで配置されているとした。しかしながら、これに限らず、本発明は、エンジン2の左側または右側に、CVTの入力軸が車両の左右方向に延びるように横置きされる変速ユニットに適用することもできる。
また、無段変速機構42の動力伝達方式は、ベルト式に限らず、チェーン式またはトロイダル式であってもよい。
さらに、変速ユニット1に備えられる変速機構は、無段変速機構42に限らず、有段式の変速機構であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:変速ユニット(変速機)
55:セカンダリ軸(回転軸)
141:第1セカンダリ軸(回転軸)
154:軸挿通部
155:スリーブ(円筒状部材)
156:ロックプレート
158:内周面
171:後進クラッチ潤滑油路(油路)
172:後進クラッチ作動油路(油路)
173,174:油孔
177,178,179:シールリング

Claims (2)

  1. 回転軸と、
    円筒状の内周面を有し、前記回転軸が回転可能に挿通される軸挿通部と、
    前記回転軸と前記軸挿通部との間に介在される円筒状の円筒状部材と、
    前記回転軸の外周面に固定され、前記回転軸の回転に伴って前記円筒状部材の内周面に摺擦するシールリングと、
    前記円筒状部材に相対回転不能に接続され、前記軸挿通部に対して固定されるロックプレートと、を含み、
    前記軸挿通部および前記円筒状部材は、アルミニウム系材料からなり、
    前記円筒状部材の少なくとも内周面に、硬質処理が施され
    前記円筒状部材の一方側の端縁部は、前記一方側ほど外径が小さくなるように面取りされており、その面取りされた部分には、平面視矩形状の切欠が前記円筒状部材を厚さ方向に貫通して形成され、
    前記ロックプレートは、前記円筒状部材と別体で構成され、前記切欠に嵌められている、変速機。
  2. 前記軸挿通部には、その内周面で開放される油路が形成され、
    前記円筒状部材には、前記ロックプレートにより前記円筒状部材が前記軸挿通部に対して相対回転不能に設けられた状態で前記油路の開放端と前記回転軸の軸径方向に対向する位置に、前記油路と連通する油孔が形成されており、
    前記ロックプレートは、アルミニウム系材料からなる、請求項に記載の変速機。
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