JP7373836B2 - 多孔性吸着媒体、多孔性吸着媒体を備えた固相抽出用カートリッジ及び多孔性吸着媒体の製造方法 - Google Patents

多孔性吸着媒体、多孔性吸着媒体を備えた固相抽出用カートリッジ及び多孔性吸着媒体の製造方法 Download PDF

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本発明は、化学物質の吸着・除去に使用される多孔性吸着媒体、多孔性吸着媒体を備えた固相抽出用カートリッジ及び多孔性吸着媒体の製造方法に関する。
被処理溶液の化学物質の吸着・除去には、種々の粒子状吸着剤が広く使用されている。有機化合物の吸着除去には活性炭が多用されているが、このほかにも架橋ポリスチレンゲル等の中性の合成高分子系吸着剤も使用され、医薬品、食品や工業薬品などの工業製品の精製、環境水や排水の浄化などに利用されている。また、イオン性化合物や重金属の吸着・除去にはイオン交換樹脂やキレート樹脂が用いられ、イオン性物質の吸着・除去のほか有価金属の回収などに利用されている。
一方、粒子状吸着剤は、化学物質の化学分析においても利用されている。代表的な化学物質の抽出・濃縮法としては、固相抽出法 (solid phase extraction:SPE) がある。固相抽出法は、固相と液相との間の相互作用による物理的抽出法で、測定対象物質の固相抽出剤への親和性を利用して、測定対象物質を抽出・濃縮するものである。固相抽出法に用いられる吸着剤の基本的な特性は工業的に使用される粒子状吸着剤と同じであるが、粒子径は汎用の粒子状吸着剤 (100~1000μm) よりも小さく、一般に20~100μmのものが使用されている。
これらの粒子状吸着剤は化学物質の吸着・除去に有用ではあるが、粒子・粉体状であるためなんらかの管体 (袋、筒、カラム、カートリッジなど) に充填して使用しなければならない。しかし、管体に粒子状吸着剤を高密度に充填することは難しいため、通液流速が高い場合や、外部からの振動や衝撃を受けると粒子状吸着剤が動いて管体中に隙間が生じてしまうことがある。また、ポリスチレンゲルやイオン交換樹脂などの合成高分子系吸着剤の場合には、通液する溶液の液性が変化すると膨潤あるいは収縮が生じ、通液性の低下やチャネリング等が発生してしまう。充填状態が変化した状態で使用すると、均一かつ速やかな吸着・除去ができない、吸着・除去率が変動するといった問題が生じる。一方、吸着・除去処理後の吸着剤の再生は管体に充填した状態でも可能ではあるが、再生に使用可能な薬剤が限定されてしまうため、完全に再生するには管体から抜き出して再生作業を行う。当然、再使用するには再度管体への充填が必要であり、粒子状吸着剤を使用する限りこれらの煩雑な作業を避けることはできない。
上記問題を解決することが可能と思われる技術がいくつかの特許文献に開示されている。特許文献1及び特許文献2では、多孔質の粒子状吸着剤をポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース等の繊維と混合し、加熱融着法により網目状のシート状とした吸着媒体の製造方法が開示されている。この方法により製造された吸着媒体は、汎用のろ紙やメンブランフィルタと同様の方法で用いることができる。また、粒子状吸着剤を包含するための繊維は、一般に使用される溶媒には不溶であり、膨潤・収縮することもない。この方法により得られた吸着媒体は包含された粒子状吸着剤の特性を明確に発現することが可能であり、化学分析用の固相抽出剤として使用されている。
また、特許文献3及び特許文献4には、粒子状吸着剤を低融点のポリエチレン粉体と混合後、金型に充填して加熱し、粒子状吸着剤を融着させた吸着媒体の製造方法が開示されている。この方法により製造された吸着媒体は、多孔性のシート状あるいは棒状であるため管体への充填は不要である。また、粒子状吸着剤は融着に使用された樹脂粉体により固定されているため、粒子状吸着剤は膨潤・収縮することはない。この方法により得られた吸着媒体においても混合された粒子状吸着剤の特性を明確に発現することが可能であり、合成高分子系吸着剤のほかキレート樹脂も混合可能である。
特許文献1~4の技術は粒子状吸着剤を包含する吸着媒体の製造方法として有用であるが、粒子状吸着剤を固定する繊維材料あるいは融着材料には本質的な吸着機能がないため、製造される吸着媒体単位重量当たりの吸着容量は粒子状吸着剤の含有量に依存してしまう。また、包含された粒子状吸着剤の表面の一部は繊維材料あるいは融着材料で覆われてしまうため、吸着媒体の吸着容量は粒子状吸着剤の含有量から求められる理論値よりも低い値となる。特許文献5には、ポリメチルシリコーン類似高分子を母材とするシリコーンスポンジ中に粒子状吸着剤を包含する吸着媒体の製造方法が開示されている。ポリメチルシリコーンは疎水性を示すことが知られており、特許文献5の吸着媒体では粒子状吸着剤を固定する材料自身も疎水性吸着剤として機能する。しかしながら、特許文献3及び特許文献4では粒子状吸着剤の混合可能上限が70重量%であるが、特許文献5ではシリコーン100質量部に対して粒子状吸着剤の混合量は40質量部以下 (粒子状吸着剤含有量:28.6%) と粒子状吸着剤の混合量は低い。さらに、ポリメチルシリコーンの吸着能はポリスチレンゲルなどに比べはるかに低いため、結果として特許文献5の方法では吸着容量の低下の問題を解消することはできない。
一方で、多様な用途に対応するには、シート状や円柱状のほか多彩な形態の吸着剤が要求される。特許文献3~5に開示されている焼結型及びシリコーンスポンジ型吸着媒体は金型中で成形されるため、金型形状の変更により多彩な形態の吸着媒体を製造できるという利点がある。しかしながら、特許文献3、4に開示されている焼結型吸着媒体では、粒子状吸着剤は低融点高分子が融着した中に機械的に固定されているだけである。一方、特許文献5のシリコーンスポンジ型吸着媒体では、シリコーンスポンジの細孔構造により固定されているだけである。これらの吸着媒体は成形後に何らかの手法が施されることもあると推定されるが、機械加工後の加工断面から粒子状吸着剤が脱離してしまう恐れがある。
特表平09-507786号公報 特表平10-500058号公報 特開2010-256225号公報 特開2010-254841号公報 特開2018-183747号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、化学物質の吸着・除去において使用される多孔質粒子の優れた機能を損なうことなく、形態の自由度が高く、取り扱いが容易な多孔性吸着媒体及び多孔性吸着媒体の製造方法を提供することを目的とする。更に、多孔性吸着媒体を備えた固相抽出用カートリッジを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、多孔性吸着媒体が、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、前記反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、が架橋剤により結合し、通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体であって、前記多孔質粒子の粒子径が、10μm以上500μm以下であり、前記多孔質粒子の反応性官能基が、アミノ基、エポキシ基及びハロゲン化アルキル基のいずれか1つであり、前記反応性高分子は、前記多孔質粒子の反応性官能基がアミノ基のときはエポキシ基またはハロゲン化アルキル基を、前記多孔質粒子の反応性官能基がエポキシ基のときはアミノ基またはハロゲン化アルキル基を、前記多孔質粒子の反応性官能基がハロゲン化アルキル基のときはアミノ基またはエポキシ基を、それぞれ有する高分子であり、前記架橋剤は、前記反応性高分子と反応して架橋性高分子を生成する多官能化合物である、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の多孔性吸着媒体において、前記多孔性吸着媒体中の多孔質粒子の含有量が、多孔質粒子100質量部に対して、前記反応性高分子と架橋剤との合算値が15質量部以上150質量部以下であり、前記反応性高分子100質量部に対して前記架橋剤が40質量部以上200質量部以下である、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明では、固相抽出用カートリッジが、請求項1または請求項2に記載の多孔性吸着媒体を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明では、多孔性吸着媒体の製造方法において、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、前記反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、を架橋剤により結合し、通液可能な連通孔を有する吸着媒体とする多孔性吸着媒体の製造方法であって、前記多孔質粒子の粒子径が、10μm以上500μm以下であり、前記多孔質粒子の反応性官能基が、アミノ基、エポキシ基及びハロゲン化アルキル基のいずれか1つであり、前記反応性高分子は、前記多孔質粒子の反応性官能基がアミノ基のときはエポキシ基またはハロゲン化アルキル基を、前記多孔質粒子の反応性官能基がエポキシ基のときはアミノ基またはハロゲン化アルキル基を、前記多孔質粒子の反応性官能基がハロゲン化アルキル基のときはアミノ基またはエポキシ基を、それぞれ有する高分子であり、前記架橋剤は、前記反応性高分子と反応して架橋性高分子を生成する多官能化合物である、という技術的手段を用いる。
本発明の発明者は吸着剤含量の高い吸着媒体を作製すべく鋭意研究を行った結果、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、を架橋剤により結合することにより、吸着性を示す多孔質粒子の含有量が極めて高い、通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体を得ることができた。また、多孔質粒子を接着して固定・結合させる材料も吸着能を有するため、吸着容量の低下を極力抑えることができる。これにより、化学物質の吸着・除去に使用される多孔質粒子の優れた機能を損なうことなく、形態の自由度が高く、取り扱いが容易な多孔性吸着媒体を提供することができる。
この多孔性吸着媒体は、被処理溶液中に直接投入することで化学物質の抽出や回収に使用することが可能である。また、多孔性吸着媒体は多彩な形態とすることが可能であるため、円盤状や円錐状に成形された多孔性吸着媒体をろ過器あるいはロートなどに装着して抽出・分離を行うという方法も可能である。
また、管体に充填することなく、被処理溶液中の化学物質の抽出・分離などに利用可能な形態の多孔性吸着媒体を得ることができる。適切なカートリッジやホルダーに装着することにより、化学分析において化学物質の抽出・濃縮に用いられる固相抽出カートリッジとすることが可能である。
本発明の多孔性吸着媒体の製造方法によれば、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、を架橋剤により結合するという簡単な方法で、容易に高機能な多孔性吸着媒体を得ることができる。
本発明の多孔性吸着媒体の概念図である。 吸着媒体成形用金型の断面図構成図である。 吸着媒体を挿入した固相抽出カートリッジ構成図である。 吸着媒体を使用するためのファンネル型ろ過器の構成図である。 実施例1の吸着媒体Aの外観写真である。 実施例1の吸着媒体A及び比較例1の吸着媒体R1の電子顕微鏡写真である。図6a)は実施例1の吸着媒体A、図6b)は比較例1の吸着媒体R1の電子顕微鏡写真である。 比較例1の吸着媒体R1の曲げ応力を加えた後の写真である。 実施例2の吸着媒体B及び吸着媒体Cの外観写真である。図8a)は実施例2の吸着媒体B、図8b)は実施例2の吸着媒体Cの外観写真である。 実施例2の吸着媒体B及び吸着媒体Cの電子顕微鏡写真である。図9a)は実施例2の吸着媒体B、図9b)は実施例2の吸着媒体Cの電子顕微鏡写真である。 比較例2の吸着媒体R2及び吸着媒体R3の外観写真である。図10a)は比較例2の吸着媒体R2、図10b)は比較例2の吸着媒体R3の外観写真である。
本発明の多孔性吸着媒体は、化学物質の吸着・除去に使用される多孔性吸着媒体であり、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、が架橋剤により結合されてなる、通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体である。
化学物質に対して吸着性を示し、かつ反応性官能基を有する多孔質粒子において、反応性官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基のいずれかを用いる。硬化後の通液性を確保するため、多孔質粒子の粒子径は10μm以上500μm以下である。反応性官能基を有する多孔質粒子と反応して硬化するための反応性高分子としては、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基のいずれかを分子内に複数有する高分子である。反応性官能基を有する多孔質粒子と反応性高分子とを化学的に結合するだけでは、十分な硬度を持ち、多孔質粒子が脱離し難い吸着媒体を得ることができないため、本発明では反応性高分子と反応して不溶性の架橋性高分子を生成することが可能な多官能化合物を架橋剤として混合する。本発明において、多孔性吸着媒体中の多孔質粒子の含有量は、多孔質粒子100質量部に対して、反応性高分子と架橋剤との合算値が15質量部以上150質量部以下である。これらの多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤とを混練後、目的の形態の成形体が得られる金型のキャビティに充填し、金型中で混練物を反応・硬化させて通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体を成形する。
多孔質粒子としては、化学物質に対して吸着性を示す多孔質粒子であり、かつ化学反応が可能な反応性官能基を有するものが選ばれる。多孔質粒子としては、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基のいずれかを有する公知の合成高分子系吸着剤やシリカゲルなどを用いることができる。また、公知の合成高分子系吸着剤やシリカゲルなどにアミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基のいずれかを導入したものを用いる。
合成高分子系吸着剤は、単官能モノマーと架橋性モノマーとの懸濁重合によって合成される多孔性粒子で、代表的なものとしては、ポリスチレンゲル、ポリアクリレートゲル、ポリメタクリレートゲルなどがあげられる。本発明に用いられる反応性官能基を有する多孔質粒子は、ジビニルベンゼン、多官能アクリル酸エステル、多官能アクリル酸エステルなどの架橋性モノマーと、アミノ基、グリシジル基及びハロゲン化アルキル基を有するモノマーのいずれかを共存させて懸濁共重合により合成すればよい。アミノ基を有するモノマーとしては、アミノエチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートなどがあげられる。グリシジル基を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどがあげられる。ハロゲン化アルキル基を有するモノマーとしては、クロロメチルスチレン、クロロエチルメタクリレート、クロロエチルアクリレート、クロロヒドロキシプロピルメタクリレート、クロロヒドロキシプロピルアクリレートなどがあげられる。
また、アミノ基、グリシジル基及びハロゲン化アルキル基を持たない中性合成高分子系吸着剤の場合には、二次反応によりこれらの反応性官能基を導入することができる。例えば、ポリスチレンゲルには、フリーデルクラフツ反応によりクロロメチル基を導入することが可能である。このクロロメチル基は反応性が高いため、種々のアミンを反応させればアミノ基を導入することが可能で、アミノ基を有する多孔質粒子を得ることができる。また、グリシジル基を有するメタクリレートあるいはアクリレートモノマーを配合した共重合体は、そのままエポキシ基を有する多孔質粒子として利用できるが、グリシジル基に種々のアミンを反応させればアミノ基を、塩酸などのハロゲン化水素を反応させれば容易にハロゲン基を有する多孔質粒子を得ることが可能である。さらに、ヒドロキシメタクリレートのような水酸基を持つモノマーを配合して得られる水酸基を有する中性合成高分子系吸着剤の場合には、その水酸基にエピクロロヒドリンやポリグリシジルエーテルを反応させればエポキシ基を有する多孔質粒子を、水酸基に塩化チオニルなどの塩素化剤を反応させればハロゲン化アルキル基を有する多孔質粒子を得ることができる。当然のことであるが、これらのエポキシ基及びハロゲン化アルキル基にアミンを反応させれば、アミノ基を有する多孔質粒子を得ることができる。
一方、シリカゲルの場合でもシランカップリング剤を用いればアミノ基、グリシジル基及びハロゲン化アルキル基を導入することが可能である。例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、及びγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを反応させれば、それぞれアミノ基、ハロゲン化アルキル基及びグリシジル基を有するシリカゲルを得ることができる。
本発明において製造される多孔性吸着媒体には十分な吸着量が必要なため、包含される多孔質粒子は十分な細孔径、比表面積を有するものであることが必要である。多孔質粒子の細孔径、比表面積は吸着対象成分や共存成分の特性にも依存するが、一般に、平均細孔径4~50nm、比表面積100~1000m/gのものを用いる。
本発明においては、多孔質粒子の粒子径は通液可能な連通孔を確保するために重要な要素である。粒子状吸着剤を何らかの管体に充填して使用する場合、粒子間に形成される間隙が、被処理溶液が通過する流路となる。本発明の吸着性媒体においても同様に多孔質粒子間の間隙が流路となるが、粒子間の間隙には反応性高分子が入り込んで反応硬化して粒子同士を結合するため、粒子間の間隙の一部は閉塞あるいは狭くなってしまう。従って、多孔質粒子の粒子径が小さすぎる場合には、粒子間の間隙が閉塞あるいは狭くなる確率が高くなり、処理速度 (通液速度) が低く、圧力損失の大きい吸着媒体となってしまう。一方、多孔質粒子の粒子径が大きすぎる場合には、多孔質粒子同士の相対接触面積が小さくなって反応性高分子による架橋・硬化密度が低下してしまい、成形後の吸着媒体が脆いものとなってしまう恐れがある。そのため、適正な粒子径のものを用いなければならず、10μm以上500μm以下である必要がある。なお、多孔質粒子の形状に関しては特に規定するものではなく、不定形粒子でも、球状粒子であっても構わない。
本発明は、上記のように調製された反応性官能基を有する多孔質粒子と、多孔質粒子の反応性官能基と反応が可能な官能基を有する反応性高分子と、反応性高分子と反応が可能な架橋剤とを混錬して、成形用の金型中で反応・硬化させて通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体を製造するものである。図1に本発明における、多孔質粒子の架橋・硬化の概念図を示す。多孔質粒子Aの表面の反応性官能基と反応性高分子が反応して、多孔質粒子Aの表面に反応性高分子の層Bが形成される。反応性高分子は多官能型であり、かつ長鎖で自由度が高いため、反応性高分子の一部は多孔質粒子Aに近接する多孔質粒子 (A’、A’’・・・) の反応性高分子とも反応可能である。この時、反応性高分子と反応可能な架橋剤Cが混合されているため、架橋剤Cは反応性高分子の官能基と反応する。架橋剤Cは多官能型であるため、複数の反応性高分子と反応 (架橋反応) することができる。この架橋剤Cの架橋反応により反応性高分子が硬化することにより、多孔質粒子は化学的かつ機械的に固定される。これらの反応は混合・混練中から進行しはじめるが、成形用金型中で加熱することにより架橋・硬化が完結する。この架橋・硬化反応において、反応性高分子及び架橋剤の配合量を適正にすることにより、多孔質粒子の細孔は閉塞されることなく吸着に供せられる表面積は確保される。また、混合・混錬中に反応が進行しはじめて粘性が増加していくため、反応性高分子や架橋剤の細孔内部への拡散浸透は抑制される。しかし、実際には、反応性高分子や架橋剤の一部は細孔内部にも浸透し、多孔質粒子細孔内部に存在する反応性官能基と反応するため、比表面積は混練前の多孔質粒子よりは減少することとなる。多孔質粒子間の空隙は反応性高分子の架橋・硬化物により若干閉塞することとなるが、多孔質粒子の粒子径や、反応性高分子及び架橋剤の配合量を適正にすることにより残存させることが可能である。この残存した空隙が吸着媒体における通液可能な連通孔(貫通孔)Dとなり、この連通孔Dが被処理溶液の通過流路となる。
本発明において使用する反応性高分子は、使用する多孔質粒子の反応性官能基と反応が可能な官能基を複数有する必要がある。多孔質粒子のアミノ基、グリシジル基(エポキシ基)及びハロゲン化アルキル基と反応可能な官能基としては種々あるが、反応性高分子の入手の容易さ、取り扱いやすさ、さらには反応条件が複雑でない、などの点を考慮すると、アミノ基、グリシジル基及びハロゲン化アルキル基が有効であり、本発明ではこれらの官能基を複数有する反応性高分子を用いる。
反応性高分子は、多孔質粒子の反応性官能基がアミノ基のときはエポキシ基またはハロゲン化アルキル基を、多孔質粒子の反応性官能基がエポキシ基のときはアミノ基またはハロゲン化アルキル基を、多孔質粒子の反応性官能基がハロゲン化アルキル基のときはアミノ基またはエポキシ基を、それぞれ有する高分子が、比較的容易に反応するだけではなく入手も容易であるため、好適に用いることができる。
アミノ基を複数有する反応性高分子の代表例としてはポリエチレンイミンをあげることができるが、アリルアミンやジアリルアミンのホモポリマー、及びこれらの共重合体も使用可能である。グリシジル基を複数有する反応性高分子の代表例としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂をあげることができるが、グリシジルメタクリレートやグリシジルアクリレートのホモポリマー、及びこれらの共重合体も使用可能である。ハロゲン化アルキル基を複数有する反応性高分子としては、クロロエチルメタクリレート、クロロエチルアクリレート、クロロヒドロキシプロピルメタクリレート、クロロヒドロキシプロピルアクリレートなどのホモポリマー、及びこれらの共重合体が使用可能である。また、グリシジル基を複数有する反応性高分子に種々のアミンあるいはハロゲン化水素を反応させれば、それぞれアミノ基及びハロゲン化アルキル基を有する反応性高分子を得ることができる。さらに、ハロゲン化アルキル基を複数有する反応性高分子に種々のアミンを反応させれば、アミノ基を有する反応性高分子を得ることができる。反応性高分子の分子量に関しては特に限定するものではないが、低分子では自由度が低いため多孔質粒子間の架橋反応を効率よく行うことはできない。また、架橋・硬化反応により成形できたとしても、硬く脆い、多孔質粒子が脱離しやすい吸着媒体となってしまう恐れがある。そのため、本発明ではオリゴマーあるいは平均分子量20000程度までの反応性高分子を用いる。
これらの反応性高分子は多孔質粒子と混練するため、適度な粘性を有していることが好ましい。反応性高分子の粘度が低すぎる場合には、反応性高分子が多孔質粒子の細孔内に容易に拡散浸透してしまうため、反応性高分子の硬化により多孔質粒子の細孔が閉塞して、吸着に必要な比表面積が低下してしまう。また、反応性高分子が細孔内に拡散浸透することにより多孔質粒子表面の反応性高分子が少なくなり、多孔質粒子間の架橋度合いが低下して十分な強度を持つ吸着媒体を得ることができなくなる恐れもある。一方、反応性高分子の粘度が高すぎる場合には、多孔質粒子を均一に混練することができず、多孔質粒子が偏在する吸着媒体となってしまう。多孔質粒子が偏在している場合、反応性高分子比率が高い部分は架橋剤との反応率が高くなり十分な強度を示すが、この部分の多孔度は低いため通液性が悪く圧力損失が高い吸着媒体となってしまう。逆に、多孔質粒子比率が高い部分は十分な強度を持たず、脆く崩れやすい吸着媒体となり、多孔質粒子の脱離も問題となる。当然、個体毎の吸着容量も不均一となってしまう。反応性高分子の粘度に関しては特に限定するものではないが、0.5Pa・s~100Pa・sの粘度を持つ反応性高分子を用いるのが好ましい。反応性高分子の分子量に関しても特に限定するものではないが、粘稠性のオリゴマーや平均分子量20000程度までの反応性高分子を用いるのが好ましい。なお、反応性高分子が固体である場合には、トルエンや酢酸エチルなどの溶剤に溶解して適正な粘度を持つ高濃度高分子溶液を調製すれば本発明に使用することができる。
多孔性吸着媒体の強度を向上させるためには、反応性官能基を有する多孔質粒子と反応性高分子とを多数の反応点で結合させるということが考えられる。しかし、反応性高分子は主に多孔質粒子表面の反応性官能基と反応し、多孔質粒子間の架橋に利用されるものは僅かであるため、十分な強度を持ち多孔質粒子を安定に包含した吸着媒体を得ることは難しいと思われる。そこで、本発明では、反応性高分子と反応が可能な架橋剤を添加して、反応性高分子を架橋・硬化させることにより、多孔質粒子を化学的かつ機械的に固定させる。架橋剤としては、多官能の低分子あるいはオリゴマーを用いる。アミノ基を複数有する反応性高分子の架橋剤としては、アルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリオールポリグリシジルエーテル、多価有機酸のポリグリシジルエステル等のポリグリシジル化合物及びこれらのオリゴマーなどがあげられる。また、多価ハロゲン化アルキル化合物やクロロメチルスチレンオリゴマーなども利用可能である。グリシジル基及びハロゲン化アルキル基を複数有する反応性高分子の架橋剤としては、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のエチレンジアミンオリゴマーやアリルアミンなどのオリゴマーなどが利用可能である。架橋剤の官能基は反応性高分子の官能基と反応可能なものであれば自由に選択して使用することができるが、多孔質粒子の反応性官能基と異なるものを用いる場合には、多孔質粒子と反応性高分子との反応とは反応機構や反応速度が異なるために反応条件が複雑・煩雑になってしまう。そのため、架橋剤の官能基は多孔質粒子の反応性官能基と同一のものを用いるのが好ましい。これらの架橋剤の分子量に関しては特に限定するものではないが、概ね平均分子量2000以下のものを用いる。
反応性高分子に対する架橋剤の混合比率は特に限定されるものではなく、得られる吸着媒体の硬度や弾性、通液性などをもとに調節される。しかし、架橋剤量が少なすぎる場合には架橋・硬化度合いが低くなり、十分な硬度をもつ吸着媒体を得ることができない恐れがある。一方、架橋剤量が大すぎると反応性高分子の官能基の多くが架橋剤と反応して、反応性高分子と多孔質粒子との反応率が低下してしまう。これらの理由から、反応性高分子100質量部に対して、架橋剤が40質量部以上200質量部以下とするのが好ましい。
本発明の多孔性吸着媒体の吸着特性は、包含される多孔質粒子が持つ吸着特性に反応性高分子が持つ吸着特性が加味されたものとなる。多孔質粒子と反応性高分子の組み合わせを適宜選択することにより吸着特性を変更することができ、対象化学物質の特性に応じて適宜選択すればよい。また、吸着特性の改善のために反応性高分子を複数混合して用いるのも有効であるが、反応機構が異なると十分な架橋・硬化させる反応条件が複雑となるため、同一の反応性官能基を有するものを用いるのが好ましい。この場合、成形後の多孔性吸着媒体の硬度や弾性を調節するため、分子量の異なる反応性高分子を混合することは有効である。架橋剤も同様で、分子量の異なる反応性高分子を混合することも可能である。さらなる吸着特性改善のために、反応性高分子の中にカーボンブラックやイオン交換ラテックスなどの添加物を反応性高分子と架橋剤との混合物に添加しても良い。しかし、添加物量が多すぎる、あるいは添加物の粒子径が大きすぎると、多孔性吸着媒体を成形することができない、あるいは脆い多孔性吸着媒体となってしまう恐れがある。そのため、添加物の粒子径は1μm以下、添加量は5%以下であることが好ましい。
本発明において、多孔性吸着媒体中に含まれる多孔質粒子の含有量は、多孔質粒子の混練時の組成により決定される。本発明における多孔質粒子の混練組成は、多孔質粒子100質量部に対して、反応性高分子と架橋剤との合算値が15質量部以上150質量部以下である。反応性高分子と架橋剤との合算値が150質量部以上では多孔性吸着媒体中に固定される多孔質粒子量が少なくなり、十分な吸着機能を発揮することができなくなる。また、反応性高分子や架橋剤成分が多量に存在することとなり、多孔質粒子間の間隙を閉塞させて通液性の高い連通孔を持つ吸着媒体とならない、あるいは通液時の圧力損失が非常に高い吸着媒体となってしまう。一方、反応性高分子と架橋剤との合算値が15質量部以下では、焼結多孔体の成形性が低下したり、機械的強度の低い吸着媒体となってしまう。
本発明の多孔性吸着媒体は、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子、反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子及び架橋剤を適切な割合で混練し、多孔質粒子と反応性高分子とを架橋剤により結合させることにより製造される。例えば、以下の工程により多孔性吸着媒体を製造することができる。まず、化学物質に対して吸着性を持ち反応性官能基を有する多孔質粒子、多孔質粒子の反応性官能基と反応が可能な反応性高分子及び反応性高分子と反応が可能な架橋剤を所定量準備し、混練する。次に、この混練物を目的の形態の成形体が得られる金型に充填し、所定の温度にて硬化させて通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体を得る。
多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤の混練は、攪拌ミキサーを用いて攪拌混練することにより行われる。使用するミキサーとしてはホモミキサー、パドルミキサー、ホモデイスパー、コロイドミキサー、真空混合攪拌ミキサー等があげられるが、多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤を均一かつ再現性良く混練できるものであれば特に限定されない。
成形用の金型の一例を図2に示す。多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤の混錬物は、成形用金型11のキャビティ12に挿入されて架橋・硬化される。架橋・硬化反応によっては反応副生成物が発生し、反応性高分子を溶媒で希釈した場合には架橋反応中に希釈溶媒が揮発する。これらによる影響を解消するため、成形用の金型には反応副生成物あるいは希釈溶媒を抜くための構造を設けておく必要がある。例えば、成形用の金型11のキャビティ12の上下、あるいは片方に網や焼結多孔体13などを嵌めておけば良い。基本的な架橋・硬化反応の操作は次の通りである。まず、成形用の金型11のキャビティ12下部に焼結多孔体13を挿入し、その上に多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤の混錬物15を空気が入らないように金型のキャビティ12上部まで充填し、充填層の上部に焼結多孔体14を置き、加圧して焼結多孔体14を成形用の金型に固定する。その後、金型11ごと一定温度に保った恒温槽中に入れ、規定時間反応・硬化させる。硬化反応完了後、硬化物を成形用の金型11から取り出し、上下についている焼結多孔体13、14を外し、吸着媒体を得るという手順である。多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤の混練物の硬化は室温でも可能であるが、一般に長時間を要することが多い。そこで、硬化時間の短縮及び硬化状態の再現性を確保するために一定温度の恒温槽内で加温して硬化反応をさせることが好ましい。架橋・硬化温度は反応機構にも依存するが、作業性を考慮すると80℃以下であることが好ましい。
本発明により得られた多孔性吸着媒体は、被処理溶液中に直接投入して被処理溶液中の対象化学物質の吸着・除去、あるいは回収に使用することが可能であるが、被処理溶液の送液配管内やろ過器あるいはロートなどに装着して対象化学物質の吸着・除去に使用することも可能である。さらに、適切なホルダーに装着することで、カートリッジ型の吸着・除去ツールとすることもできる。一方、適切な形態を有する小容量のカートリッジやホルダー、あるいはカラム管に装備して、化学物質の化学分析に用いられる固相抽出カートリッジとして使用することができる。例えば、円柱状の多孔性吸着媒体24を作製し、図3に示すシリンジ型の固相抽出用エンプティカートリッジ21に挿入すれば、化学分析に使用される固相抽出カートリッジを作製することができる。なお、本発明の多孔性吸着媒体からの多孔質粒子の脱離はないため、吸着媒体24の上下に挿入されるフリット22、23は基本的に不要であるが、被処理溶液中の固形分を捕捉する必要がある場合には挿入すればよい。また、円盤 (ディスク) 状に成形された多孔性吸着媒体33の場合には、フッ素樹脂やポリエチレン製のホルダーリング34にクリップ35を用いて嵌め込むことで、ファンネル型ろ過器(31、32)を用いて被処理溶液中の化学物質の抽出・濃縮に用いることができる。このように調製された固相抽出カートリッジは適切な溶液で洗浄・コンディショニングした後、被処理溶液を通液し、被処理溶液中の測定対象成分を吸着媒体上に抽出・濃縮する。吸着媒体上に抽出・濃縮された測定対象成分は、適切な溶液で溶出させ、高速液体クロマトグラフィー (HPLC)、高速液体クロマトグラフィー-質量分析法 (HPLC-MS)、ガスクロマトグラフィー-質量分析法 (GC-MS)、誘導結合プラズマ発光分光分析法 (ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS) 等により測定される。
(実施形態の効果)
本発明の多孔性吸着媒体によれば、吸着性を示す多孔質粒子の含有量が極めて高い、通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体を得ることができる。また、多孔質粒子を接着して固定・結合させている材料も吸着能を有するため、吸着容量の低下を極力抑えることができる。これにより、化学物質の吸着・除去に使用される多孔質粒子の優れた機能を損なうことなく、形態の自由度が高く、取り扱いが容易な多孔性吸着媒体を提供することができる。また、適切な形態を有する小容量のカートリッジやホルダー、あるいはカラム管に装備して、化学物質の化学分析に用いられる固相抽出カートリッジとして使用することができる。
本発明の多孔性吸着媒体の製造方法によれば、反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、を架橋剤により結合するという簡単な方法で、容易に高機能な多孔性吸着媒体を得ることができる。
次に実施例によって本発明を説明するが、この実施例によって本発明をなんら限定するものではない。
(実施例1) 吸着媒体Aの作製
(1) エポキシ基を有する多孔質粒子Aの合成
多孔質粒子の合成は、懸濁重合法により行った。ジビニルベンゼン80g、グリシジルメタクリレート20g、トルエン200g及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1gの混合物を、0.1%ポリビニルアルコール水溶液1000mL中に加え、油滴径の中心が60μmになるように攪拌した。その後、70℃で6時間重合反応を行った。生成した共重合体粒子を濾取し、水、メタノールの順で洗浄した。一日風乾後、分級を行い、53~90μmのエポキシ基を有する多孔質粒子A 42gを得た。得られたエポキシ基を有する多孔質粒子Aを風乾後、100Pa、50℃で真空乾燥し、デシケータ中に保存した。
(2) アミノ基を有する多孔質粒子Bの合成
エポキシ基を有する多孔質粒子A 5gにイソプロピルアルコール10mLを加えて含侵させた後、純水50mLに5gのポリエチレンイミン (分子量:約10000) を溶解した溶液中に分散させた。この溶液を撹拌しながら、50℃で6時間反応を行った。反応後の重合体粒子を濾取し、水、メタノールの順で洗浄した。一日風乾後、100Pa、50℃で真空乾燥してデシケータ中に保存した。このようにして、ポリエチレンイミンを導入したアミノ基を有する多孔質粒子Bを得た。
(3) 吸着媒体Aの作製
前記 (2) で得られたアミノ基を有する多孔質粒子B 1g、反応性高分子としてビスフェノールA型エポキシ樹脂 (平均分子量:約370、粘度:12~15Pa・s、エポキシ当量:約190g/eq.)0.25g、架橋剤としてエチレンジアミン0.25g (反応性高分子と架橋剤との合計量:0.5g) を混錬し、多孔質粒子含量66.7%の吸着媒体の製造を試みた。直径8.8mm、高さ11mmの円柱状キャビティを持つポリプロピレン製金型のキャビティ下部に孔径20μm、厚さ3mmのポリエチレン製焼結多孔体を挿入し、その上にアミノ基を有する多孔質粒子Bを含む混錬物を空気が入らないように金型上部まで充填し、充填層の上部に同一のポリエチレン製焼結多孔体を置き、加圧して押し込み、ポリエチレン製焼結体を金型に固定した。その後、金型ごと50℃に保った恒温槽中に入れ、14時間硬化させた。硬化後、硬化物を型から取り出し、上下についているポリエチレン製焼結多孔体を外し、円柱状の吸着媒体Aを得た。吸着媒体Aの外観写真を図5に示す。成形状態は良好であり、若干弾性を示した。得られた吸着媒体Aを公称3mLの固相抽出用エンプティカートリッジに挿入して固相抽出カートリッジを作製し、上部からメタノール及び純水を送液して透過性を調べた。メタノール、純水共に吸着媒体Aを通過して溶出し、吸着媒体Aには通液可能な連通孔が存在していることが確認できた。
反応性高分子は芳香環を持つビスフェノールA型エポキシ樹脂を基本骨格としているので、硬化・固定させる材料自身も疎水性有機化合物の吸着・捕捉に寄与させることが可能である。また、エポキシ樹脂の架橋・効果にはアミンを用いているので、架橋・効果部位は陰イオン交換基として機能する。これにより、吸着媒体Aは、疎水性吸着,陰イオン交換の機能を併せ持つとともに、ポリエチレンイミンとの反応で窒素配位性の高い金属元素 (銅,鉄,ニッケルなど) を捕捉することも可能である。
(比較例1) 吸着媒体R1の作製
(1) 多孔質粒子Rの合成
反応性官能基を持たない疎水性の多孔質粒子Rは、懸濁重合法により合成した。ジビニルベンゼン60g、トリメチロールプロパントリメタクリレート40g、トルエン200g及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1gの混合物を、0.1%ポリビニルアルコール水溶液1000mL中に加え、油滴径の中心が90μmになるように攪拌した。その後、70℃で6時間重合反応を行った。生成した共重合体粒子を濾取し、水、メタノールの順で洗浄した。一日風乾後、分級を行い、90~150μmの疎水性の多孔質粒子R 44gを得た。得られた多孔質粒子Rを風乾後、100Pa、50℃で真空乾燥してデシケータ中に保存した。
(2) 吸着媒体R1の作製
前記(1)で得られた疎水性の多孔質粒子R 1gとポリアミドアミン硬化型のビスフェノールA型エポキシ系二液型接着剤1gとを混練した。実施例1と同じポリプロピレン製金型を用いて、実施例1と同一条件で円柱状の吸着媒体R1を作製した。成形状態は良好であったが、実施例1の吸着媒体Aのような弾性は見られなかった。得られた吸着媒体R1を実施例1と同様の方法で固相抽出カートリッジ作製して通液性を調べたところ、メタノール、純水共に吸着媒体R1を通過して溶出し、吸着媒体R1には通液可能な連通孔が存在していることが確認できた。
(評価試験1) 多孔性吸着媒体の表面状態と包含多孔質粒子の脱離性
実施例1及び比較例1で作製した吸着媒体A及び吸着媒体R1を縦に2つに切断した断面の電子顕微鏡写真を図6に示す。吸着媒体A(図6a)では反応性高分子の硬化物が概ね均一に多孔質粒子を覆っているのに対して、比較例1の吸着媒体R1(図6b)では接着剤比率が高いにもかかわらず接着剤成分による多孔質粒子の結合を明確に観察することができない。吸着媒体R1の切断断面からは若干の多孔質粒子の脱離が観察されたが、吸着媒体Aの切断断面からは多孔質粒子の脱離は観察されなかった。次いで、手で簡単な曲げ試験を行った。吸着媒体Aは弾性があるため曲げを行っても割れることはなく、多孔質粒子の脱離もなかった。一方、吸着媒体R1は容易に割れ、図7に示すように割れた断面から多孔質粒子が崩れ落ちてしまった。
(実施例2) 吸着媒体B及びCの作製
実施例1と同様の方法により、アミノ基を有する多孔質粒子B 1gに対して、アミノ基と反応する反応性高分子としてビスフェノールA型エポキシ樹脂 (実施例1と同一) と架橋剤としてジエチレントリアミンとを1:1で混合したもの0.33g及び0.25gを混練して、多孔質粒子含量がそれぞれ75.2%及び80.0%の吸着媒体B及び吸着媒体Cを作製した。得られた吸着媒体B及び吸着媒体Cの外観写真を図8に示す。吸着媒体B及び吸着媒体Cは、多孔質粒子含量がそれぞれ75.2%、80.0%と高いにもかかわらず成形状態は良好であった。吸着媒体Aよりは低かったが、吸着媒体B及び吸着媒体Cも若干の弾性を示した。吸着媒体B及び吸着媒体Cについてもメタノール、純水を用いた通液性テストを行ったが通液性は良好であった。図9に吸着媒体B及び吸着媒体Cを縦に2つに切断した断面の電子顕微鏡写真を示したが、多孔質粒子を反応性高分子の硬化物が概ね均一に多孔質粒子を覆っており、図6aの多孔質粒子含量が66.7%の吸着媒体Aよりも多孔性が高く、通液性が良好であることが判明した。また、吸着媒体B及び吸着媒体Cにおいても、切断断面からの多孔質粒子の脱離は観察されなかった。
(比較例2) 吸着媒体R2及びR3の作製
実施例1と同様の方法により、実施例1の(1)エポキシ基を有する多孔質粒子A 1gに対して、エポキシ基と反応する多官能化合物としてエチレンジアミンと架橋剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂 (実施例1と同一) とを1:1で混合したもの0.33g及び0.25gを混練して、多孔質粒子含量がそれぞれ75.2%及び80.0%の吸着媒体R2及び吸着媒体R3を作製した。得られた吸着媒体R2及び吸着媒体R3の外観写真を図10に示す。これらの吸着媒体は図10の通り、成形状態は良くなく、いずれの吸着媒体も横からの応力で容易に崩れてしまった。ここでは、反応性高分子として低分子化合物を用いているため、多孔質粒子表面に反応性高分子層が形成されず、十分な硬度を持つ抽出媒体を得ることができなかったものと判断される。
(実施例3) 吸着媒体D及びEの作製
実施例1と同様の方法により、実施例1の(1)エポキシ基を有する多孔質粒子A 1gに対して、エポキシ基と反応する反応性高分子としてポリエチレンイミン(分子量:約600)と架橋剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂 (実施例1と同一)とを1:1で混合したもの0.33g及び0.25gを混練して、多孔質粒子含量がそれぞれ75.2%及び80.0%の吸着媒体D及び吸着媒体Eを作製した。得られた吸着媒体D及び吸着媒体Eについてもメタノール、純水を用いた通液性テストを行ったが、通液性は良好であった。
(評価試験2) 多孔性吸着媒体の吸着特性評価
実施例2及び3で得られた吸着媒体B、吸着媒体C、吸着媒体D、及び吸着媒体Eを公称3mLの固相抽出用エンプティカートリッジに挿入して固相抽出カートリッジを作製し、固相抽出法により有機化合物の吸着率を評価した。まず、カートリッジ上部からメタノール2mL、次いで純水10mLを送液して吸着媒体をコンディショニングした。その後、カフェイン、メチルパラベン、フタル酸ジメチルの各100mg/L溶液1.5mLを負荷して吸着率を調べた。吸着率は、試料負荷時の通過液、及びメタノールで溶出させたときの溶出液をHPLCで測定して求めた。HPLC条件を下記に、吸着率評価試験の結果を表1に示す。表1において、多孔質粒子B及び多孔質粒子Aの吸着率は、混練する前の多孔質粒子(粒子径:53~90μm)を公称3mLの固相抽出用エンプティカートリッジに充填して求めたものである。混練前の多孔質粒子と比較して若干低いものの概ね同等の吸着率を示しており、多孔質粒子含有量を考慮すると十分な吸着能力を維持できていることが判る。
(HPLC条件)
分離カラム:InertSustain(登録商標)AQ-C18(充填剤粒子系:3μm,カラムサイズ:150×2.0mm I.D.)、
移動相:メタノール/水=40/60、
移動相流量:0.2mL/min、
カラム温度:40℃、
試料注入量:10μL
Figure 0007373836000001
本発明によれば、反応性官能基を有する多孔質粒子を反応性高分子及び架橋剤と混練後、架橋・硬化するという簡単な方法で、多孔質粒子が安定に包含された高機能な多孔性吸着媒体を容易に得ることができる。本発明の多孔性吸着媒体は、平板状や円盤状、円柱状や角柱状、中空の円筒状や角筒状、さらには、これらの一端を閉塞させたカップ状等の多彩な成形体を得ることが可能である。混練する多孔質粒子の反応性官能基が同一あるいは類似の反応を行うことが可能なものであれば、吸着特性の異なる多孔質粒子を複数混合して混練することが可能であり、複合吸着機能を持つ高機能な多孔性吸着媒体を製造することも可能である。また、吸着特性の異なる多孔質粒子を個別に混練した後に成形用金型内に層状に入れて硬化させることも可能であると共に、製造された多孔性吸着媒体を接着により複合化することも容易である。さらに、架橋・硬化反応に用いる反応性高分子に基づく吸着機能も付与されるため、既存の吸着剤にはない多彩な吸着機能を有する吸着媒体を製造することが可能となる。本発明の多孔性吸着媒体は、被処理溶液中に直接投入して被処理溶液中の対象化学物質の吸着・除去、あるいは回収に使用することが可能であるが、被処理溶液の送液配管内やろ過器あるいはロートなどに装着して対象化学物質の吸着・除去に使用することも可能であり、汎用の粒子状吸着剤に比べて吸着機能だけでなく操作性の点でも大幅に改善されている。本発明の吸着媒体は、工場排水、用水、環境水等の中からの化学物質の除去・回収に有用であり、水の浄化ツールとして利用可能である。さらに、適切な形態を有する小容量のカートリッジやホルダー、あるいはカラム管に装備して、化学物質の化学分析に用いられる固相抽出カートリッジとして使用することもできる。
11…成形用金型
12…キャビティ
13、14…焼結多孔体
15…多孔質粒子と反応性高分子及び架橋剤との混練物
21…固相抽出用エンプティカートリッジ
22、23…フリット
24…多孔性吸着媒体
31、32…ファンネル型ろ過器
33…多孔性吸着媒体
34…ホルダーリング
35…クリップ
A…多孔質粒子
B…反応性高分子層
C…架橋剤
D…連通孔

Claims (4)

  1. 反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、
    前記反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、が
    架橋剤により結合し、通液可能な連通孔を有する多孔性吸着媒体であって、
    前記多孔質粒子の粒子径が、10μm以上500μm以下であり、
    前記多孔質粒子の反応性官能基が、アミノ基、エポキシ基及びハロゲン化アルキル基のいずれか1つであり、
    前記反応性高分子は、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がアミノ基のときはエポキシ基またはハロゲン化アルキル基を、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がエポキシ基のときはアミノ基またはハロゲン化アルキル基を、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がハロゲン化アルキル基のときはアミノ基またはエポキシ基を、それぞれ有する高分子であり、
    前記架橋剤は、前記反応性高分子と反応して架橋性高分子を生成する多官能化合物であることを特徴とする多孔性吸着媒体。
  2. 前記多孔性吸着媒体中の多孔質粒子の含有量が、多孔質粒子100質量部に対して、前記反応性高分子と架橋剤との合算値が15質量部以上150質量部以下であり、前記反応性高分子100質量部に対して前記架橋剤が40質量部以上200質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔性吸着媒体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多孔性吸着媒体を備えたことを特徴とする固相抽出用カートリッジ。
  4. 反応性官能基を有し、吸着性を示す多孔質粒子と、
    前記反応性官能基と反応する官能基を有する反応性高分子と、を架橋剤により結合し、
    通液可能な連通孔を有する吸着媒体とする多孔性吸着媒体の製造方法であって、
    前記多孔質粒子の粒子径が、10μm以上500μm以下であり、
    前記多孔質粒子の反応性官能基が、アミノ基、エポキシ基及びハロゲン化アルキル基のいずれか1つであり、
    前記反応性高分子は、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がアミノ基のときはエポキシ基またはハロゲン化アルキル基を、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がエポキシ基のときはアミノ基またはハロゲン化アルキル基を、
    前記多孔質粒子の反応性官能基がハロゲン化アルキル基のときはアミノ基またはエポキシ基を、それぞれ有する高分子であり、
    前記架橋剤は、前記反応性高分子と反応して架橋性高分子を生成する多官能化合物であることを特徴とする多孔性吸着媒体の製造方法。
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