JP7372801B2 - 車両の燃料装置 - Google Patents
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この場合、タンクに貯蔵される燃料は、エンジンでの燃焼により減る。燃料が減ったタンクには、空き領域が生じる。また、タンクへの燃料供給においてフルに燃料を供給しなかった場合にも、タンクには、空き領域が生じる。タンクの空き領域には、タンクの燃料からガスが発生する。
このようにタンクで発生する燃料ガスは、一旦キャニスタに吸着され、キャニスタからエンジンへ燃料ガスとしてパージされる。パージによりエンジンへ供給される燃料ガスは、タンクからエンジンへ供給される燃料とともにエンジンにおいて燃焼される。
このため、特許文献1のように、タンクからキャニスタへの経路に密閉弁を設け、この密閉弁を閉じることにより、燃料ガスが車外へ放出され難くすることが考えられる。
しかしながら、タンクからキャニスタへの経路を密閉弁で閉じて、タンクを密閉型にすると、タンクに新たな燃料を供給しようとする際には、タンクで発生している燃料ガスがタンクの供給口へ逆流する可能性がある。燃料供給の際に、タンクで発生している燃料ガスが、タンクの供給口から車外へ放出される可能性がある。
このような燃料ガスについてのタンクの供給口への逆流を削減するためには、燃料供給の前に密閉弁を開き、タンクで生成されている燃料ガスをタンクからキャニスタへ排気することが望ましい。これにより、燃料ガスはキャニスタに吸着される。タンクで発生していた燃料ガスがタンクから車外へ放出され難くなる。しかしながら、この場合、ユーザは、燃料供給のためのスイッチを操作してから、タンクの内圧が大気圧程度まで低下することを待って、タンクへの燃料供給を開始することができる。ユーザは、スイッチを操作した後にタンクの燃料ガスが減ることを待たなければならない。ユーザは、燃料供給のためのスイッチを操作したら、直ちにタンクへの燃料供給を開始することができない。特に、タンクの燃料が減って、タンクの内圧が高くなっている場合、この待機時間は長くなる。
しかも、制御部は、タンクの残燃料量が低下する場合に、またはタンクの内圧が上がる場合に、操作部材が操作されていない状態において密閉弁を開く。たとえば、制御部は、タンクの残燃料量が残量閾値以下であり且つタンクの内圧が内圧閾値以上である場合に、操作部材が操作されていない状態において密閉弁を開く。これにより、タンクの内圧は、操作部材が操作される前に予めに低下することができる。その後にユーザが操作部材を操作すると、タンクの内圧は、燃料供給に適した大気圧程度の低い圧力まで直ちに低下できる。したがって、ユーザは、操作部材を操作した後にタンクの内圧が大気圧程度の低い圧力まで低下するまで燃料供給の開始を待つとしても、その待機時間が短くなる。ユーザは、短い待機間の後に速やかに燃料供給を開始することができる。
このため、タンク3からキャニスタ4への経路に密閉弁12を設け、この密閉弁12を閉じることにより、燃料ガスが車外へ放出され難くすることが考えられる。
しかしながら、タンク3からキャニスタ4への経路を密閉弁12で閉じて、タンク3を密閉型にすると、タンク3に新たな燃料を供給しようとする際には、タンク3で発生している燃料ガスがタンク3の供給口へ逆流する可能性がある。燃料供給の際に、タンク3で発生している燃料ガスが、タンク3の供給口から車外へ放出される可能性がある。
このような燃料ガスについてのタンク3の供給口への逆流を削減するためには、燃料供給の前に密閉弁12を開き、タンク3で生成されている燃料ガスをタンク3からキャニスタ4へ排気することが望ましい。これにより、燃料ガスはキャニスタ4に吸着されて、タンク3から車外へ放出されることが起き難くなる。しかしながら、この場合、ユーザは、燃料供給のためのスイッチを操作してから、タンク3の内圧が大気圧程度まで低下することを待って、タンク3への燃料供給を開始することができるようになる。ユーザは、スイッチを操作した後にタンク3の燃料ガスが減ることを待たなければならない。ユーザは、燃料供給のためのスイッチを操作したら、直ちにタンク3への燃料供給を開始することができない。特に、タンク3の燃料が減って、タンク3の内圧が高くなっている場合、この待機時間は長くなる。
このように自動車1では、改善が求められている。
図2の自動車1の燃料装置10は、エンジン2、タンク3、キャニスタ4、インジェクタ11、密閉弁12、パージ弁13、フラップ14、を有する。
また、燃料装置10は、その制御系として、温度センサ21、内圧センサ22、燃料センサ23、燃料供給スイッチ24、フラップアクチュエータ25、およびこれらが接続される入出力ポート26、を有する。また、入出力ポート26、ECU27、メモリ28、およびタイマ29は、燃料装置10のシステムバス30により互いにデータ通信可能に接続される。
制御部としてのECU27は、たとえば、燃料供給のために燃料供給スイッチ24が操作されると閉じている密閉弁12を開き、さらに内圧開放の後に密閉弁12を閉じる。ECU27は、燃料供給のためにタンク3の内圧開放をしていない場合には密閉弁12を閉じる。
また、ECU27は、キャニスタ4からの燃料ガスのパージを含めて、エンジン2への燃料供給を制御する。たとえばECU27は、パージ弁13を開いて、キャニスタ4からエンジン2への燃料ガスのパージを実行する。また、ECU27は、タンク3の液状の燃料を、インジェクタ11からエンジン2へ直接的に供給する。これらの燃料供給を実行した場合、エンジン2は、これらの燃料供給により供給された燃料および燃料ガスと空気との混合器を燃焼することになる。
ECU27は、タンク3への新たな燃料供給のために、図3の燃料供給処理を繰り返し実行する。
図4の燃料供給処理は、インジェクタ11によりタンク3の液状の燃料をエンジン2へ直接に供給するとともに、必要に応じてキャニスタ4からエンジン2へパージする例である。
ECU27は、エンジン2を動作させる場合、図4の燃料供給処理を繰り返し実行する。
なお、ECU27は、パージの完了の判断に加えてさらに、エンジン2の出力変動が小さくなるような走行状態であるか否かを判断し、出力変動が小さくなるような走行状態の場合において、処理をステップST14へ進めてもよい。この場合において、出力変動が小さくないときには、ECU27は、処理をステップST19へ進めてよい。
また、ECU27は、パージが完了していない場合において、パージを完結的に実行するために、所定の複数回の判断ごとに処理をステップST14へ進めてもよい。この場合において、所定の複数回の判断でないときには、ECU27は、処理をステップST19へ進めてよい。
密閉弁12を開くと、タンク3の内圧は、低下し始める。タンク3の内圧は、最終的には大気圧まで降下できる。そして、タンク3の内圧が解放低圧以下になると、密閉弁12は閉じられる。密閉弁12を開いてから、タンク3の内圧が解放低圧となるまでが、ユーザの待ち時間となる。また、この密閉弁12が開いている期間において、タンク3からキャニスタ4へ、タンク3で生成された燃料ガスが排気される。排気される燃料ガスが、キャニスタ4への放出量となる。キャニスタ4は、燃料ガスの収容余力がある場合、放出された略すべての燃料ガスを吸着して収容できる。
パージのためにパージ弁13が開くと、キャニスタ4に吸着して収容されている燃料ガスは、キャニスタ4からエンジン2へ供給される。これにより、キャニスタ4の燃料ガスの残留量は低下する。エンジンの状態に応じてパージ弁13を開いている総時間に応じて、キャニスタ4の残留量が減る。総時間が長くなると、キャニスタ4に吸着して収容されている燃料ガスは、すべてエンジン2へ供給され得る。また、キャニスタ4の周囲の環境温度が高い場合キャニスタ4に吸着している燃料ガスは、キャニスタ4から脱離しやすくなる。パージを繰り返した場合、キャニスタ4の残留量は、それらの合計のパージ量で減る。
そして、キャニスタ4の収容余力が増加すると、キャニスタ4は、新たな燃料ガスを吸着して収容できるようになる。たとえば燃料供給しようとするタンク3からの燃料ガスの放出量が、図5(C)において下側の破線に示すレベルである場合、それよりも収容余力が上回る時点T1以降であれば、タンク3から燃料ガスを放出してキャニスタ4に吸着して収容させることが可能になる。
ECU27は、図6の周期的な内圧開放処理を、燃料供給スイッチ24の操作の有無によらずに、周期的に繰り返し実行する。
これらの判断処理により、ECU27は、タンク3の残燃料量が残量閾値以下に低下して、かつ、タンク3の内圧が内圧閾値以上に上がっている状態であることを判断する。この場合、ECU27は、以下の燃料供給前の事前解放を実行する。
しかも、制御部は、タンク3の残燃料量が低下する場合に、またはタンク3の内圧が上がる場合に、燃料供給スイッチ24が操作されていない状態において例外的に密閉弁12を開く。たとえば、制御部は、タンク3の残燃料量が残量閾値以下であり且つタンク3の内圧が内圧閾値以上である場合に、燃料供給スイッチ24が操作されていない状態において例外的に密閉弁12を開く。これにより、タンク3の内圧は、燃料供給スイッチ24が操作される前に予めに低下することができる。その後にユーザが燃料供給スイッチ24を操作すると、タンク3の内圧は、燃料供給に適した大気圧程度の低い圧力まで直ちに低下できる。したがって、ユーザは、燃料供給スイッチ24を操作した後にタンク3の内圧が大気圧程度の低い圧力まで低下してフラップ14のロックが解除されるまで燃料供給の開始を待つとしても、その待機時間が短くなる。ユーザは、短い待機間の後に速やかに燃料供給を開始することができる。
ここで、制御部は、タンク3に生じている燃料ガスの放出量として、たとえば、タンク3の内圧を大気圧程度の解放低圧以下まで低下させる場合での放出量を取得してよい。これにより、キャニスタ4は、タンク3に生じている燃料ガスを適切に吸着して収容することができる。放出量がキャニスタ4の最大容量を超えてしまうような場合には密閉弁12を開かないようにすることで、制御部は、事前解放の際に燃料ガスが車外へ放出され難くできる。
また、制御部は、キャニスタ4についての燃料ガスの収容余力として、たとえば、動作するエンジン2へキャニスタ4からパージされる燃料ガスの量により増加するキャニスタ4の収容余力を取得してよい。これに対して仮にたとえば、タンク3への燃料供給からの経過時間に応じて変化するように予め定められた収容余力などを用いる場合、キャニスタ4の実際の収容余力と比較判断に用いる収容余力との差が大きくなる可能性がある。仮に比較判断に用いる収容余力が実際の収容余力より小さくなると、本来的には密閉弁12を開いてタンク3の内圧を事前に下げることができる状況であるにもかかわらず、比較判断に用いる収容余力が不足して密閉弁12を開くことができない可能性が生じ易くなる。本実施形態では、このような事態を極力避けることができる。
この他にもたとえば、ECU27は、図6のステップST23と同様に、図3のステップST8において、新たな燃料供給の際に実際にタンク3からキャニスタ4へ放出される燃料ガスの放出量を予測し、その放出量により収容余力を更新してもよい。この場合の新たな収容余力は、たとえば直前の収容余力からタンク3からの放出量を減算したものとすればよい。
この他にもたとえば、ECU27は、タンク3へ新たな燃料を供給する際でのタンク3の内圧を解放する期間および燃料供給中において、密閉弁を開いてもよい。この場合、ECU27は、燃料供給後に、密閉弁を閉じればよい。
Claims (2)
- 車両のエンジンで使用する燃料を貯蔵するタンクにて生じる燃料ガスを前記タンクからキャニスタへ供給し、さらに前記キャニスタから前記エンジンへパージする車両の燃料装置であって、
前記タンクから前記キャニスタへの経路に設けられる密閉弁と、
前記タンクへ燃料供給するために操作される操作部材と、
燃料供給のために前記操作部材が操作されると閉じている前記密閉弁を開く制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記タンクへの燃料供給の際に前記タンクの内圧を開放する燃料供給処理と、パージを含む前記エンジンへの燃料供給処理と、に加えて、周期的に実行する処理として、前記操作部材の操作によらずに前記タンクの内圧を開放する内圧開放処理を実行し、
周期的に実行する前記内圧開放処理において、
前記タンクの残燃料量と、前記タンクの内圧と、を判断し、
前記タンクの残燃料量が残量閾値以下であり且つ前記タンクの内圧が内圧閾値以上である場合に、前記タンクの最大容量から前記タンクの残燃料量を減算して前記タンクの空き領域の容量を演算し、演算した前記タンクの空き領域の容量と、前記タンクの内圧とから、前記タンクからの燃料ガスの放出量を予測し、
前記キャニスタについての燃料ガスの収容余力として、動作する前記エンジンへ前記キャニスタからパージされる燃料ガスのパージ量により増加される前記キャニスタの収容余力を取得し、
予測した放出量が、前記キャニスタについての燃料ガスの収容余力以下であるとき、前記操作部材が操作されていない状態において前記密閉弁を開き、
前記タンクからの燃料ガスの放出量が前記キャニスタの燃料ガスの収容余力以下でないときに、前記密閉弁を開かない、
車両の燃料装置。
- 前記制御部は、
前記タンクに生じている燃料ガスの放出量として、前記タンクの内圧を解放低圧以下まで低下させる場合での放出量を取得する、
請求項1記載の車両の燃料装置。
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