JP7370972B2 - マグネシウム欠乏症の防除方法 - Google Patents

マグネシウム欠乏症の防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウム欠乏症の防除方法に関する。
植物体内におけるマグネシウムは、クロロフィルの構成元素であるため、植物体の生育上必須な元素である。一方、マグネシウムは、植物体内で移動し易く、植物体内でのマグネシウムの量(総量)が不足気味になると、古い葉(下位葉)から新しい葉(上位葉)に再分布するようになる。このため、下位葉ではマグネシウムが欠乏し易くなり、クロロシス(葉脈間の黄化又は黄褐色化)が発生する。このような症状は、マグネシウム欠乏症の主な症状として現れ、マグネシウム欠乏症が進行すると、葉緑部のネクロシス(壊死斑)が生じ、ひいては葉身の枯死に至ってしまう。
特に、果実が生る植物では、果実の肥大化に伴って果実近傍の葉から果実にマグネシウムが転流するため、果実近傍の葉においてマグネシウム欠乏症が発生し易くなる。マグネシウム欠乏症の発生は、収穫物である果実の品質を損なう原因となるため、マグネシウム欠乏症に対する防除策を講じることが、農業経営において重要となる。マグネシウム欠乏症に対する防除策としては、マグネシウムを含有する肥料、薬剤及び土壌改良剤(以下、マグネシウム含有剤)を植物の葉面に散布したり、土壌中へ施与したりすることが有効である。
さらに、マグネシウム欠乏症を効果的に防止する技術が、これまでに開発されてきており、その一例として、特許文献1に記載の組成物(厳密には、「植物の葉面又は果実散布用組成物」)が挙げられる。特許文献1に記載の組成物は、例えば、マグネシウムサッカレート水溶液に硝酸水溶液を添加することで構成され、マグネシウムとしてのMgO、糖類としての蔗糖、及び無機酸根としての硝酸をそれぞれ含んでいる(特許文献1の請求項1及び明細書の段落0036参照)。
特許文献1に記載の組成物を植物の葉面又は果実に散布すると、植物体が組成物中の無機酸根を吸収するために植物体のpHが酸性に傾き、その体内pH矯正のため、若しくは中和のためにマグネシウムが吸収される。さらに、サッカロースの浸透圧効果により、マグネシウムの吸収がより一層促進される。このように特許文献1に記載の組成物を用いることで、マグネシウムが植物体に効率よく吸収され、結果として、その植物体におけるマグネシウム欠乏による生理障害が防止されることになる。
特開平4-214087号公報
ところで、マグネシウム含有剤を植物の葉面に散布したり、土壌中へ施与したりする場合には、その実施時期及びマグネシウム含有剤の使用量を適正に管理する必要がある。具体的に説明すると、植物体がマグネシウムを過剰摂取しないようにマグネシウム含有剤の使用量を決め、植物体の生育度合いを監視しながら頃合いを見てマグネシウム含有剤を投入する必要がある。このような状況は、特許文献1に記載の組成物をマグネシウム含有剤として用いる場合も同様である。
一方で、マグネシウム欠乏症を防除する方策としては、上記のような管理の手間を極力省き、より簡便な操作によって高い防除効果が得られる方策が求められている。
そこで、本発明は、より簡便な操作によって高い防除効果が得られるマグネシウム欠乏症の防除方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、植物体にナノバブル水を施用することにより、より簡便な操作によって高い防除効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] ナノバブル水を植物体に施用する、マグネシウム欠乏症の防除方法。
[2] 上記ナノバブル水又は上記ナノバブル水を用いて生成された培養液を培地に供給する、[1]に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
[3] 上記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmである、[1]または[2]に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
[4] 上記ナノバブル水に含まれる気泡が、酸素、窒素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種の気体を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
[5] 上記ナノバブル水が、1×10個/mL~1×1010個/mLの気泡を有する、[1]~[4]のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
[6] 上記植物体が、果実が生る草本性植物である、[1]~[5]のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
[7] 上記植物体が、メロンである、[6]に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
本発明によれば、より簡便な操作によって高い防除効果が得られるマグネシウム欠乏症の防除方法を提供することができる。
ナノバブル生成装置の一例を示す模式図である。 試験区Iにおける一つのメロンの葉の画像である。 試験区Iにおける一つのメロンの果実の画像である。 試験区IIにおける一つのメロンの葉の画像である。 試験区IIにおける一つのメロンの果実の画像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本願明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明のマグネシウム欠乏症の防除方法は、ナノバブル水を植物体に施用する、マグネシウム欠乏症の防除方法である。
ここで、「ナノバブル水」とは、直径が1μm未満の気泡を含む水であって、より正確には、ナノバブルを混入させた水である。なお、「ナノバブルを混入させた水」に関して付言すると、ナノバブル水の生成に使用する水(ナノバブル水の原水であり、例えば、不純物を含む井水)であって、その性質等に起因して不可避的にナノバブルを含んでいる水は、上記の「ナノバブルを混入させた水」から除外される。
ここで、ナノバブル水に含まれる気泡の直径(粒子径)、並びに、後述する気泡の最頻粒子径及び気泡の個数は、水中の気泡のブラウン運動移動速度を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて測定した値であり、本明細書においては、ナノ粒子解析システム ナノサイトシリーズ(NanoSight社製)により測定した数値を採用する。
なお、ナノ粒子解析システム ナノサイトシリーズ(NanoSight社製)では、直径(粒子径)は、粒子のブラウン運動の速度を計測し、その速度から算出することができ、最頻粒子径は、存在するナノ粒子の粒子径分布から、モード径として確認することができる。
本発明によれば、上述した通り、植物体にナノバブル水を施用することにより、より簡便な操作でありながら、より高いマグネシウム欠乏症の防除効果が得られる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者が推察するに、ナノバブル水の施用によって植物体が効率よくマグネシウムを吸収するようになり、これにより、植物体においてマグネシウム欠乏症が防除される。このように本発明では、マグネシウム欠乏症を防除するにあたり、ナノバブル水を施用しさえすればよく、マグネシウム含有剤の使用に関して時期及び量の管理が不要となる。この結果、高いマグネシウム欠乏症の防除効果を達成しつつ、防除に要する操作がより簡略化されることになる。
本発明においては、マグネシウム欠乏症の防除効果がより向上する理由から、上記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmであることが好ましく、30~300nmであることがより好ましく、特に、70~130nmであることが更に好ましい。
上記ナノバブル水に含まれる気泡を構成する気体は特に限定されないが、水中に長時間残存させる観点から、水素以外の気体が好ましく、具体的には、例えば、空気、酸素、窒素、フッ素、二酸化炭素、及びオゾンなどが挙げられる。
これらのうち、マグネシウム欠乏症の防除効果がより向上する理由から、酸素、窒素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種の気体を含むことが好ましく、また、気泡がより長時間残存することができる理由から、酸素及び二酸化炭素のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
ここで、酸素及び二酸化炭素のうちの少なくとも一方を含むことは、その気体を空気中の酸素濃度よりも高い濃度で含むことをいう。窒素も同様である。なお、酸素の濃度については、気泡中の30体積%以上であることが好ましく、50体積%超100体積%以下であることがより好ましい。また、二酸化炭素の濃度については、気泡中の1体積%以上であることが好ましく、10体積%超100体積%以下であることがより好ましい。
上記ナノバブル水は、マグネシウム欠乏症の防除効果がより向上する理由から、1×10~1×1010個/mLの気泡を有していることが好ましく、特に、気泡の生成時間と気泡の残存性のバランスが良好となる理由から、1×10個/mLより多く、1×1010個/mLより少ない気泡を有していることがより好ましく、5×10~5×10個/mLの気泡を有していることがさらに好ましい。
上記ナノバブル水は、水及び気泡以外の他の成分を含んでいてもよい。
上記他の成分としては、例えば、肥料及び農薬等が挙げられる。ナノバブル水中における他の成分の種類、及び含有量は特に限定されず、目的に応じて選択可能である。
ただし、本発明においては、上記他の成分として、上記ナノバブル水中にラジカルを実質的に含まないことが好ましい。なお、「ラジカルを実質的に含まない」ことについて付言すると、上記ナノバブル水の生成に使用する水(例えば、不純物を含む井水)などに起因して不可避的にラジカルが含まれるケースは、「ラジカルを実質的に含まない」ことになる。他方、何らかの人為的操作で生成させたラジカルを混入させるケースは、「ラジカルを実質的に含まない」ことにはならない。
上記ナノバブル水の生成方法としては、例えば、スタティックミキサー法、ベンチュリ法、キャビテーション法、蒸気凝集法、超音波法、旋回流法、加圧溶解法、及び、微細孔法等が挙げられる。
ここで、本発明のマグネシウム欠乏症の防除方法は、上記ナノバブル水を施用する前に、上記ナノバブル水を生成させる生成工程を有してもよい。すなわち、本発明のマグネシウム欠乏症の防除方法は、例えば、貯水タンク、井戸、若しくは農業用水などの水源から水をナノバブル生成装置に取り込み、ナノバブル水を生成させる生成工程と、生成したナノバブル水を施用する施用工程とを有する防除方法であってもよい。
なお、水源からの水をナノバブル生成装置に取り込む手法としては、例えば、桶又はポンプ等を用いて水源から汲み上げた水をナノバブル生成装置に供給する手法、並びに水源とナノバブル生成装置との間に敷設された流路をナノバブル生成装置に繋いで流路からナノバブル生成装置へ水を直接送り込む手法などが挙げられる。
また、上記ナノバブル水を生成する装置としては、意図的にラジカルを発生させることがない装置を用いた生成方法が好ましく、具体的には、例えば、特開2018-15715号公報の[0080]~[0100]段落に記載されたナノバブル生成装置を用いて生成する方法が挙げられる。なお、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
意図的にラジカルを発生させることがない他の装置としては、例えば、水を吐出する液体吐出機と、液体吐出機から吐出された水に気体を加圧して混入させる気体混入機と、気体を混入させた水を内部に通すことにより水中に微細気泡を生成する微細気泡生成器と、を有する微細気泡生成装置であって、上記気体混入機が、上記液体吐出機と上記微細気泡生成器の間において、加圧された状態で上記微細気泡生成器に向かって流れる液体に、気体を加圧して混入させる微細気泡生成装置が挙げられる。具体的には、図1に示すナノバブル生成装置が挙げられる。
図1に示すナノバブル生成装置10は、その内部に液体吐出機30、気体混入機40及びナノバブル生成ノズル50を備える。
液体吐出機30は、ポンプによって構成され、ナノバブル水の原水(例えば、井戸水)を取り込んで吐出する。気体混入機40は、圧縮ガスが封入された容器41と、略筒状の気体混入機本体42とを有し、液体吐出機30から吐出された水を気体混入機本体42内に流しつつ、気体混入機本体42内に容器41内の圧縮ガスを導入する。これにより、気体混入機本体42内で気体混入水が生成されることになる。
ナノバブル生成ノズル50は、その内部に気体混入水が通過することにより、加圧溶解の原理に従って気体混入水中にナノバブルを発生させるものであり、その構造としては、特開2018-15715号公報に記載されたナノバブル生成ノズルと同じ構造が採用できる。ナノバブル生成ノズル50内に生成されたナノバブル水は、ナノバブル生成ノズル50の先端から噴出した後、ナノバブル生成装置10から流出し、不図示の流路内を通じて所定の利用先に向けて送水される。
以上のようにナノバブル生成装置10では、気体混入機40が、液体吐出機30とナノバブル生成ノズル50の間において、加圧された状態でナノバブル生成ノズル50に向かって流れる水(原水)に、圧縮ガスを混入させる。これにより、液体吐出機30の吸込み側(サクション側)で気体を水に混入させるときに生じるキャビテーション等の不具合を回避することができる。また、ガスが加圧(圧縮)された状態で水に混入されるので、ガス混入箇所での水の圧力に抗してガスを混入させることができる。このため、ガス混入箇所において特に負圧を発生させなくとも、ガスを適切に水に混入させることが可能となる。
さらに、液体吐出機30のサクション側に、井戸又は水道等の水源から供給される水の流路が繋ぎ込まれており、その流路において液体吐出機30の上流側から液体吐出機30に流れ込む水の圧力(すなわち、サクション側の水圧)が正圧であるとよい。この場合には、上記の構成がより有意義なものとなる。すなわち、液体吐出機30の上流側の水圧(サクション圧)が正圧となる場合には、液体吐出機30の下流側でガスを水に混入させることになるため、液体吐出機30の下流側でもガスを適切に水に混入させることができるナノバブル生成装置10の構成がより際立つことになる。
また、上記ナノバブル水の生成に使用する水(原水)については特に限定されず、例えば、雨水、水道水、井水、地表水、農業用水、及び蒸留水等を使用することができる。
このような水は、ナノバブル水の発生に供される前に他の処理を施されたものであってもよい。他の処理としては、例えば、pH調整、沈殿、ろ過、及び、滅菌(殺菌)等が挙げられる。具体的には、例えば、農業用水を使用する場合、典型的には、沈殿及びろ過のうちの少なくとも一方の処理が施された後の農業用水を使用してもよい。
本発明においては、上記ナノバブル水の植物体への施用態様は、植物体の栽培方法により異なるため特に限定されないが、例えば、土耕栽培において上記ナノバブル水を散水する態様、土耕栽培において上記ナノバブル水によって希釈された農薬を散布する態様、養液栽培(水耕、噴霧耕、若しくは固形培地耕)又は養液土耕栽培(灌水同時施肥栽培)において上記ナノバブル水を用いて生成された培養液を培地に供給する態様、及び、養液土耕栽培において上記ナノバブル水をそれ単独で散水(灌水)する態様などが挙げられる。
なお、施用の一態様である「散水」の方法は特に限定されず、栽培方法が土耕栽培である場合には、例えば、植物体の全体に水を散布する方法、植物体の一部(例えば、茎又は葉など)に水を散布する方法、植物体が植えられた土壌に水を散布する方法などが挙げられる。また、栽培方法が養液土耕栽培である場合は、上述したように、灌水による散水であってもよい。
以上までに説明してきた施用態様以外にも、例えば、籾殻を培地とする籾殻耕において上記ナノバブル水又は上記ナノバブル水を用いて生成された培養液を培地に供給する態様が挙げられる。
これらのうち、操作が簡便であり、マグネシウム欠乏症の防除効果が更に向上する理由から、上記ナノバブル水又は上記ナノバブル水を用いて生成された培養液を培地に供給することがより好ましい。
なお、「培養液を培地に供給する」とは、水耕であれば培養液のプール中に培養液を補給し又は循環させることであり、噴霧耕であれば培養液のミスト(霧)中に培養液を噴霧して補給することであり、固形培地耕であればロックウール等によって構成された培地に培養液を滴下することであり、籾殻耕であれば培地に培養液を滴下又は散布することであり、養液土耕栽培であれば培養液を土壌表面に滴下したり、土壌中に埋設した点滴チューブから吐出したりすることである。
また、本発明においては、上記ナノバブル水の植物体への施用時期は、施用態様及び植物体の種類により異なるため特に限定されないが、例えば、果実が生る植物体を栽培する場合は、播種から収穫までの栽培全期間であってもよく、そのうちの一部の期間(例えば、果房肥大期間)のみに施用してもよいが、好ましくは、栽培全期間に亘って施用するのがよい。
本発明においては、上記ナノバブル水を施用する植物体は、マグネシウム欠乏症が発症しうる植物体であれば特に限定されないが、本発明の効果が有意義に発揮される観点からは、果実がなる草本性植物(具体的には、果菜類及び果実的野菜)が好適に挙げられる。
果菜類及び果実的野菜としては、具体的には、例えば、ナス科植物(例えば、ナス、ペピーノ、トマト(ミニトマトを含む)、タマリロ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、パプリカ、及びカラーピーマンなど)、ウコギ科植物(例えば、タカノツメなど)、ウリ科植物(例えば、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ゴーヤ、トウガン、ハヤトウリ、ヘチマ、ユウガオ、スイカ、メロン、及びマクワウリなど)、アオイ科植物(例えば、オクラなど)、並びに、バラ科植物(例えば、イチゴなど)が挙げられる。
また、果菜類及び果実的野菜以外の、マグネシウム欠乏症が発症しうる植物体としては、具体的には、葉菜類(例えば、ホウレンソウ、レタス、キャベツ、及びシュンギクなど)、茎菜類(例えば、ネギなど)、根菜類(例えば、ダイコン及びジャガイモなど)、並びに、果樹類(例えば、ブドウ、リンゴ、及びミカンなど)が挙げられる。
これらのうち、ウリ科植物がより好ましく、メロンが特に好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<試験の内容>
試験は、2017年の8月~11月にかけて神奈川県相模原市で栽培したメロン(品種:コロタン)の農業ハウスにおいて、以下の区分により実施した。
試験区I:籾殻耕栽培において、下記の方法で生成したナノバブル水を用いて培養液を生成し、その培養液を点滴チューブによって籾殻培地中に供給した。
試験区II:籾殻耕栽培において、ナノバブル水を用いずに培養液を生成し、その培養液を点滴チューブによって籾殻培地中に供給した。
なお、培養液は、マグネシウム含有肥料(具体的には、硫酸マグネシウム)を含有したものであり、肥料濃度の指標であるEC値(Electrical Condutivity)が2.5mS/cmになるように調整したものを用いた。
各試験区は、一つの農業ハウス内に配置された複数のベッド(栽培棚)を試験区別に分けて設定されており、それぞれの試験区では(15株)のメロンを栽培した。
なお、培養液の供給については、供給頻度及び各回の供給量が両試験区で概ね同様となるように調整した。具体的には、各試験区において、発芽後に毎日、所定量の培養液を土壌中に供給した。
<ナノバブル水の生成方法>
ナノバブル水は、ナノバブル生成装置(株式会社カクイチ製作所 アクアソリューション事業部(現:株式会社アクアソリューション)製、200V,10L/minタイプ)を用いて加圧溶解方式にて水中に気泡(ナノバブル)を発生させることで生成した。
なお、ナノバブル水の生成用に使用した水(原水)は、水道水であり、気泡を構成する気体の種類は、酸素(工業用酸素、濃度:99.5体積%)であることとした。
また、上記のナノバブル生成装置に用いてナノバブルを発生させる条件は、以下のとおりとした。
水1mL当たりの気泡の数:5×10個/mL
気泡のサイズ(最頻粒子径):100nm
<マグネシウム欠乏症の防除効果の評価>
各試験区において、栽培されたメロンの全株を対象として、メロンの実を収穫する直前時期に、葉の葉脈間部分及び果実の表面における黄褐色化(クロロシス)の有無を目視で確認し、下記の3段階の基準で評価した。
A:いずれの株においても、葉及び果実でのクロロシスが確認されなかった。
B:1~4個の株において葉及び果実でのクロロシスが確認された。
C:5個以上の株において葉及び果実でのクロロシスが確認された。
評価結果を以下に示す。
試験区I:A(図2A及び図2B参照)。
試験区II:C(図3A及び図3B参照)。
以上の結果から、ナノバブル水によるマグネシウム欠乏症の抑制効果が明らかとなった。
10 ナノバブル生成装置
30 液体吐出機
40 気体混入機
41 容器
42 気体混入機本体
50 ナノバブル生成ノズル

Claims (7)

  1. ナノバブル水を植物体に施用し、
    前記ナノバブル水に含まれる気泡が、水素以外の気体によって構成される、マグネシウム欠乏症の防除方法。
  2. 前記ナノバブル水又は前記ナノバブル水を用いて生成された培養液を培地に供給する、請求項1に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
  3. 前記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmである、請求項1又は2に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
  4. 前記ナノバブル水に含まれる気泡が、酸素、窒素及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種の気体を含む、請求項1~3のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
  5. 前記ナノバブル水が、1×10個/mL~1×1010個/mLの気泡を有する、請求項1~4のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
  6. 前記植物体が、果実が生る草本性植物である、請求項1~5のいずれかに記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
  7. 前記植物体が、メロンである、請求項6に記載のマグネシウム欠乏症の防除方法。
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