JP7370195B2 - ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を用いたゼオライトの製造方法及び新規なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩 - Google Patents

ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を用いたゼオライトの製造方法及び新規なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩 Download PDF

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Description

本発明は、ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を用いたゼオライトの製造方法及び新規なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩に関する。
ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩は、例えば特許文献1に記載のアイオノマーの陽イオン源等の用途で使用されている。しかしながら、ゼオライト製造用の構造規定剤として適したスピロ構造を有するヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩は報告されていない。
米国特許公開第6365705号明細書
本発明は、スピロ構造を有するヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を用いたゼオライトの製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は小細孔ゼオライト、特にAFX型ゼオライトの高選択的な製造方法を提供することにある。また、新規なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を提供することを別の目的とする。
本発明において、一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を見出した。さらには、一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩がゼオライトの構造規定剤として好適に機能することを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む組成物を結晶化させる結晶化工程、を有することを特徴とするゼオライトの製造方法。
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表し、
は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン、RSOで表されるスルホン酸イオン、RCOOで表されるカルボン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表し、
は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表し、
は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
[2] 前記一般式(1)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)である[1]に記載のゼオライトの製造方法。
[3] 前記一般式(1)におけるYが、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CSO(ベンゼンスルホン酸イオン)、p-CHSO(パラトルエンスルホン酸イオン)、CHSO(メタンスルホン酸イオン)、CFSO(トリフルオロメタンスルホン酸イオン)又はOH(水酸化物イオン)である[1]又は[2]に記載のゼオライトの製造方法。
[4] 前記一般式(1)におけるXが、水素原子である[1]乃至[3]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[5] 前記一般式(1)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基を有していてもよい。)である[1]乃至[4]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[6] 前記一般式(1)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基を有していてもよい。)であり、尚且つ、Yが、塩化物イオン、臭化物イオン又はOH(水酸化物イオン)である[1]乃至[5]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[7] ゼオライトが小細孔ゼオライトである、[1]乃至[6]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[8] ゼオライトがAFX型ゼオライトである、[1]乃至[6]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[9] 一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表し、
は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン、RSOで表されるスルホン酸イオン、RCOOで表されるカルボン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表し、
は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表し、
は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。
但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。

[10] 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)である[9]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。
[11] 前記一般式(1a)におけるYが、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CSO(ベンゼンスルホン酸イオン)、p-CHSO(パラトルエンスルホン酸イオン)、CHSO(メタンルスルホン酸イオン)、CFSO(トリフルオロメタンスルホン酸イオン)又はOH(水酸化物イオン)である[9]又は[10]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
[12] 前記一般式(1a)におけるXが、水素原子である[9]乃至[11]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
[13] 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基を有していてもよい。)である[9]乃至[12]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
[14] 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基を有していてもよい。)であり、尚且つ、Yが、塩化物イオン、臭化物イオン又はOH(水酸化物イオン)である[9]乃至[13]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
本発明により、スピロ構造を有するヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を使用するゼオライトの製造方法を提供することができる。さらには、小細孔ゼオライト、特にAFX型ゼオライトの高選択的な製造方法を提供することができる。また、新規なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を提供することができる。
実施例2-1のAFX型ゼオライトのXRDパターン 実施例2-1のAFX型ゼオライトのSEM観察図
以下、本発明について、実施形態の一例を示して説明する。
本発明は、上記の一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む組成物を結晶化させる結晶化工程、を有することを特徴とするゼオライトの製造方法に係る。
本実施形態のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩は、公知のアンモニウム塩の用途に適用できるが、ゼオライトの製造における有機構造規定剤(以下、「SDA」ともいう。)として適しており、特に小細孔ゼオライトの製造におけるSDAとして適している。
以下、本実施形態の一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩をSDAとして適用したゼオライトの製造方法について説明する。
一般式(1)におけるXは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
前記のハロゲン原子については、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が例示できる。
当該Xについては、同一又は相異なって、水素原子、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、同一であって、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1)におけるAは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表す。
前記の架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環としては、特に限定するものではないが、例えば、ピロリジン環、イミダゾリジン環、インドリン環、イソインドリン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロトリアジン環、ペンタメチレンイミン環、ヘキサメチレンイミン環、モルファン環、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン環又はデカヒドロキノリン環等が例示できる。
前記のハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が例示できる。
前記の炭素数1から6のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、3-シクロプロピルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1-メチルブチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシル基又はシクロヘキシルオキシ基が例示できる。
前記の炭素数1から6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロブチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、2-エチルプロピル基、シクロペンチル基、1-メチルペンチル基、2-エチルブチル基又はシクロヘキシル基が例示できる。
前記の炭素数1から6のハロアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基又は3-ブロモプロピル基が例示できる。
前記の炭素数6から12のアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,3,4-トリメチルフェニル基、2,3,5-トリメチルフェニル基、2,3,6-トリメチルフェニル基、2,4,5-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、3,4,5-トリメチルフェニル基、2,3,4,5-テトラメチルフェニル基、2,3,4,6-テトラメチルフェニル基、2,3,5,6-テトラメチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2,3-ジエチルフェニル基、2,4-ジエチルフェニル基、2,5-ジエチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、3,4-ジエチルフェニル基、3,5-ジエチルフェニル基、2-プロピルフェニル基、3-プロピルフェニル基、4-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、3-イソプロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、2-シクロプロピルフェニル基、3-シクロプロピルフェニル基、4-シクロプロピルフェニル基、2-ブチルフェニル基、3-ブチルフェニル基、4-ブチルフェニル基、2-(1-メチルプロピル)フェニル基、3-(1-メチルプロピル)フェニル基、4-(1-メチルプロピル)フェニル基、2-(2-メチルプロピル)フェニル基、3-(2-メチルプロピル)フェニル基、4-(2-メチルプロピル)フェニル基、2-シクロブチルフェニル基、3-シクロブチルフェニル基、4-シクロブチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、2-ビフェニリル基、3-ビフェニリル基、4-ビフェニリル基等が例示できる。
前記の炭素数7から13のアラルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が例示できる。
前記の炭素数6から10のアリールオキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニルオキシ基、2-メチルフェニルオキシ基、3-メチルフェニルオキシ基、4-メチルフェニルオキシ基、2,3-ジメチルフェニルオキシ基、2,4-ジメチルフェニルオキシ基、2,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,6-ジメチルフェニルオキシ基、3,4-ジメチルフェニルオキシ基、3,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6-トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2-エチルフェニルオキシ基、3-エチルフェニルオキシ基、4-エチルフェニルオキシ基、2,3-ジエチルフェニルオキシ基、2,4-ジエチルフェニルオキシ基、2,5-ジエチルフェニルオキシ基、2,6-ジエチルフェニルオキシ基、3,4-ジエチルフェニルオキシ基、3,5-ジエチルフェニルオキシ基、2-プロピルフェニルオキシ基、3-プロピルフェニルオキシ基、4-プロピルフェニルオキシ基、2-イソプロピルフェニルオキシ基、3-イソプロピルフェニルオキシ基、4-イソプロピルフェニルオキシ基、2-シクロプロピルフェニルオキシ基、3-シクロプロピルフェニルオキシ基、4-シクロプロピルフェニルオキシ基、2-ブチルフェニルオキシ基、3-ブチルフェニルオキシ基、4-ブチルフェニルオキシ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-シクロブチルフェニルオキシ基、3-シクロブチルフェニルオキシ基、4-シクロブチルフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基又は2-ナフチルオキシ基が例示できる。
前記の炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基として、そのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロブチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基として、そのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピルメチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基、又はシクロブチル基が例示でき、そのアシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基又はプロパノイルアミノ基が例示できる。
前記の窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基として、そのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピルメチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基として、その炭素数1から5のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基として、その炭素数1から4のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピルメチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示でき、その炭素数1から5のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロブチルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基としては、モノアルキルアミノカルボニルアミノ基、ジアルキルアミノカルボニルアミノ基、又はトリアルキルアミノカルボニルアミノ基を例示することができ、その炭素数1から4のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の炭素数2から12のジアルキルアミノ基として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ビス(2-メチルプロピル)アミノ基、ビス(2,2-ジメチルプロピル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピル)アミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、ビス(2-メチルブチル)アミノ基、ビス(3-メチルブチル)アミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、ジシクロブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ビス(2-メチルペンチル)アミノ基、ジ(1-メチルブチル)アミノ基、ビス(1,2-ジメチルブチル)アミノ基、ジ(1-エチルプロピル)アミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-プロピル基、N-シクロプロピル-N-メチルアミノ基、N-ブチル-N-メチルアミノ基、N-シクロブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ペンチル基、N-シクロペンチル-N-メチルアミノ基、N-ヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘプチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-オクチルアミノ基、N-メチル-N-ノニルアミノ基、N-デシル-N-メチルアミノ基、又は、N-メチル-N-ウンデシルアミノ基、アゼチジル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、アゼパニル基、モルホリノ基又は2-モルホリニル基が例示できる。
前記の炭素数6から10のモノアリールアミノ基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニルアミノ基、2-メチルフェニルアミノ基、3-メチルフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基、2,3-ジメチルフェニルアミノ基、2,4-ジメチルフェニルアミノ基、2,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,6-ジメチルフェニルアミノ基、3,4-ジメチルフェニルアミノ基、3,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,3,4-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,6-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,6-トリメチルフェニルアミノ基、3,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2-エチルフェニルアミノ基、3-エチルフェニルアミノ基、4-エチルフェニルアミノ基、2,3-ジエチルフェニルアミノ基、2,4-ジエチルフェニルアミノ基、2,5-ジエチルフェニルアミノ基、2,6-ジエチルフェニルアミノ基、3,4-ジエチルフェニルアミノ基、3,5-ジエチルフェニルアミノ基、2-プロピルフェニルアミノ基、3-プロピルフェニルアミノ基、4-プロピルフェニルアミノ基、2-イソプロピルフェニルアミノ基、3-イソプロピルフェニルアミノ基、4-イソプロピルフェニルアミノ基、2-シクロプロピルフェニルアミノ基、3-シクロプロピルフェニルアミノ基、4-シクロプロピルフェニルアミノ基、2-ブチルフェニルアミノ基、3-ブチルフェニルアミノ基、4-ブチルフェニルアミノ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-シクロブチルフェニルアミノ基、3-シクロブチルフェニルアミノ基、4-シクロブチルフェニルアミノ基、1-ナフチルアミノ基又は2-ナフチルアミノ基が例示できる。
前記の炭素数12から20のジアリールアミノ基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジフェニルアミノ基、ビス(2-メチルフェニル)アミノ基、ビス(3-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,5-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2-エチルフェニル)アミノ基、ビス(3-エチルフェニル)アミノ基、ビス(4-エチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-ブチルフェニル)アミノ基、ビス[2-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[4-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[2-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[4-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス(2-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロブチルフェニル)アミノ基、ジ(1-ナフチル)アミノ基、ジ(2-ナフチル)アミノ基、N-(2-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(4-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,4-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ基又はN-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ基が例示できる。
Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、オキソ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、アミノアシル基、アシルアミノ基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニル基及び炭素数2から6のジアルキルアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることが好ましく、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、オキソ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、アミノアシル基、アシルアミノ基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニル基及び炭素数2から6のジアルキルアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることがより好ましく、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、オキソ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、アミノアシル基、アシルアミノ基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニル基及び炭素数2から6のジアルキルアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることがより好ましく、同一又は相異なって、無置換の架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素脂肪族複素環であることが更に好ましい。
別の実施態様において、Aは、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよいアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)であることが好ましい。
別の実施態様において、Aは、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基を有していてもよい。)であることが好ましい。
別の実施態様において、Aは、同一であって、無置換の架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表すことが好ましく、無置換の架橋環又は縮環を有していてもよい5員又は6員の含窒素複素環を表すことがより好ましく、無置換の架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環を表すことが更に好ましい。
さらに別の実施態様において、Aは、同一であって、ピロリジン環、ピペリジン環又はヘキサメチレンイミン環(これらの環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、オキソ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、アミノアシル基、アシルアミノ基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニル基及び炭素数2から6のジアルキルアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることが好ましく、ピロリジン環、ピペリジン環又はヘキサメチレンイミン環(これらの環は、炭素数1から4のアルキル基で置換されてもよい。)を表すことがより好ましく、無置換のピロリジン環、ピペリジン環又はヘキサメチレンイミン環であることが更に好ましい。
前記の炭素数1から4のアルキルとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピルメチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の炭素数2から6のジアルキルアミノ基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ビス(3-シクロプロピル)アミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-プロピル基、N-シクロプロピル-N-メチルアミノ基、N-ブチル-N-メチルアミノ基、N-シクロブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ペンチル基、N-シクロペンチル-N-メチルアミノ基、アゼチジル基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、アゼパニル基、モルホリノ基又は2-モルホリニル基が例示できる。
前記の架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環としては、特に限定するものではないが、ピロリジン環、イミダゾリジン環、インドリン環、イソインドリン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロトリアジン環、モルファン環、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン環又はデカヒドロキノリン環等が例示できる。
前記の架橋環又は縮環を有していてもよい5から6員の含窒素複素環としては、特に限定するものではないが、ピロリジン環、イミダゾリジン環、インドリン環、イソインドリン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロトリアジン環、モルファン環、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン環又はデカヒドロキノリン環等が例示できる。
前記の架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環としては、特に限定するものではないが、インドリン環、イソインドリン環、モルファン環又は8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン環等が例示できる。
は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン、RSOで表されるスルホン酸イオン、RCOOで表されるカルボン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表す。
がハロゲン化物イオンである場合、該ハロゲン化物イオンは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンであり、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンであることが好ましい。
がRSOで表されるスルホン酸イオンである場合、Rは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
前記の炭素数1から9のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、1-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、オクチル基又はノニル基が例示できる。
前記の炭素数1から9のフルオロアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基又は1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブチル基が例示できる。
前記の炭素数1から4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基又はシクロブチル基が例示できる。
前記の炭素数1から4のフルオロアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基又は2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基が例示できる。
前記の炭素数1から4のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、tert-ブトキシ基又はシクロブトキシ基が例示できる。
前記の炭素数1から4のフルオロアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、ペルフルオロエチルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルオキシ基、1,1-ジフルオロエチルオキシ基、2,2-ジフルオロエチルオキシ基、ペルフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、3,3,3-トリフルオロプロピルオキシ基、1,1-ジフルオロプロピルオキシ基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)オキシ基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチルオキシ基、ペルフルオロシクロプロピルオキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピルオキシ基、ペルフルオロブチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルオキシ基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチルオキシ基、4,4,4-トリフルオロブチルオキシ基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピルオキシ基、1-(トリフルオロメチル)プロピルオキシ基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルオキシ基、ペルフルオロシクロブチルオキシ基又は2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチルオキシ基が例示できる。
におけるハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンが例示でき、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンであることが好ましい。
において、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されたフェニル基(以下、「置換フェニル基」ともいう。)としては、特に限定するものではないが、例えば、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-プロピルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4-メトキシフェニル基、4-(イソプロポキシ)フェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-シアノフェニル基、3-シアノフェニル基、4-シアノフェニル基、2-ニトロフェニル基、3-ニトロフェニル基又は4-ニトロフェニル基が例示できる。
は、フェニル基、4-メチルフェニル基又はメチル基であること、すなわち、RSOが、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン又はメタンスルホン酸イオンであることが好ましい。
がRCOOである場合、Rは、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。
前記の炭素数1から6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であればよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、1-エチルブチル基又はシクロヘキシル基が例示できる。
前記の炭素数1から4のフルオロアルキル基としては、特に限定するものではないが、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であればよく、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基又は1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブチル基が例示できる。
前記のフェニル基は、上記の通り、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。該炭素数1から4のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であればよく、特に限定するものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、3-メチルプロピル基又はシクロブチル基が例示できる。
は、フェニル基、4-メチルフェニル基又はメチル基のいずれかであることが好ましい。
は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン、RSOで表されるスルホン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)あることが好ましく、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CSO(ベンゼンスルホン酸イオン)、p-CHSO(パラトルエンスルホン酸イオン)、CHSO(メタンスルホン酸イオン)、CFSO(トリフルオロメタンスルホン酸イオン)又はOH(水酸化物イオン)であることがより好ましく、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、p-CHSO(パラトルエンスルホン酸イオン)又はOH(水酸化物イオン)であることがより好ましく、同一又は相異なって、臭化物イオン又は塩化物イオンであることがより好ましい。
本発明のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩(1)の具体例としては、以下の(1-1)から(1-330)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書中のMeはメチル基、Etはエチル基、tBuはtert-ブチル基、Phはフェニル基、TsOはp-トルエンスルホン酸イオンを表す。(1-1)から(1-330)で示される化合物のうち、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩としては1-2、1-4、1-50、1-51、1-60、1-61、1-62、1-63、1-80、1-81、1-82、1-108、1-109、1-110、1-127、1-128及び1-129で示される化合物が、反応収率が良い点で好ましい。
本実施形態のゼオライトの製造方法は、一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を結晶化させる結晶化工程、を有することを特徴とするゼオライトの製造方法である。
本実施形態のゼオライトの製造方法において、得られるゼオライトは、小細孔ゼオライトであることが好ましく、AFX型ゼオライトであることがより好ましい。本実施形態において、AFX型ゼオライトとは、AFX構造を有するゼオライトであり、AFX構造を有する結晶性アルミノシリケートである。
AFX構造とは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association;以下、「IZA」とする。)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、AFX型となる構造である。
本実施形態において、結晶性アルミノシリケートはアルミニウム(Al)とケイ素(Si)を骨格金属(以下、「T原子」ともいう。)とし、T原子が酸素(O)を介して結合した三次元のネットワーク構造からなる骨格構造を有する。本実施形態においては、T原子にリン(P)を含むネットワークからなる骨格構造を有するアルミノフォスフェートやシリコアルミノホスフェートなどのゼオライト類縁物質と、ゼオライトである結晶性アルミノシリケートは異なる。
ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩は、小細孔ゼオライト、特にAFX型ゼオライト、を指向するSDAとして機能する。
シリカ源は、シリカ(SiO)又はその前駆体となるケイ素化合物であり、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、沈殿法シリカ、ヒュームドシリカ、結晶性アルミノシリケート及びアルミノシリケートゲルの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、結晶性アルミノシリケート及びアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることが好ましい。
アルミナ源は、アルミナ(Al)又はその前駆体となるアルミニウム化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル、結晶性アルミノシリケート及び金属アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、結晶性アルミノシリケート及びアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることが好ましい。
アルカリ源は、アルカリ金属の水酸化物又はハロゲン化物が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムの群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、水酸化ナトリウムであることがさらに好ましい。
本実施形態において、原料組成物は以下に示すモル組成比のいずれかの組合せを有することが好ましい。
SiO/Al : 5以上、100以下、
好ましくは10以上、50以下、
より好ましくは15以上、40以下
OH/SiO : 0.06以上、1.0以下、
好ましくは0.08以上、0.60以下、
より好ましくは0.10以上、0.40以下
M/SiO : 0.06以上、1.0以下、
好ましくは0.08以上、0.60以下、
より好ましくは0.10以上、0.40以下
SDA/SiO : 0.01以上、2.0以下
好ましくは0.02以上、0.50以下
より好ましくは0.03以上、0.30以下
O/SiO : 5以上、60以下、
好ましくは10以上、50以下、
より好ましくは15以上、40以下
上記組成において、SiO/Alは原料組成物中のアルミナに対するシリカのモル比であり、OH/SiO、M/SiO、SDA/SiO及びHO/SiOは、それぞれ、原料組成物中のシリカに対する水酸化物イオン、アルカリ金属、SDA又は水のモル比である。なお、Mはアルカリ金属であり、例えば、アルカリ金属がナトリウムである場合、又は、アルカリ金属がナトリウムとカリウムである場合、M/SiOは、それぞれ、Na/SiO、又は(Na+K)/SiOとなる。
本実施形態において、原料組成物は種晶を含んでいてもよい。種晶を含む場合、原料組成物の種晶の含有量は、原料組成物中のケイ素をシリカ(SiO)換算した重量に対する種晶中のケイ素をシリカ(SiO)換算した重量の重量割合として、0重量%以上10.0重量%以下、更には0.5重量%以上5.0重量%以下、また更には0.5重量%以上3.5重量%以下であることが挙げられる。
種晶は、結晶構造中に奇数員環を含まないゼオライトであればよく、例えば、FAU、CHA、AEI、LEV、AFX、ERI、OFF、LTL及びGMEの群から選ばれるいずれか構造を有するゼオライトであることが好ましく、CHA、AEI、LEV、AFX及びERIの群から選ばれるいずれかの構造を有するゼオライトであることがより好ましく、AFX型ゼオライトであることが更に好ましい。
本実施形態において、結晶化工程では原料組成物を結晶化するが、原料組成物を水熱処理することによって、これを結晶化すればよい。水熱処理は、原料組成物を密閉耐圧容器に入れ、これを加熱すればよい。水熱処理条件として以下のものを挙げることができる。
処理温度 :80℃以上190℃以下、好ましくは150℃以上190℃以下
処理時間 :2時間以上500時間以下
処理圧力 :自生圧
結晶化における原料組成物の状態は任意であり、静置下又は撹拌下のいずれでもよいが、撹拌下であることが好ましい。
本実施形態のゼオライト製造方法は、洗浄工程、乾燥工程、SDA除去工程、又は、アンモニウム処理工程などの後処理工程を含んでもよい。
洗浄工程は、液相と分離した後のゼオライトを洗浄する。洗浄方法は任意であるが、ゼオライトと液相とを固液分離・回収したゼオライトを十分量の純水と接触させることが例示できる。
乾燥工程は、ゼオライトから水分を除去する。乾燥方法は任意であるが、ゼオライトを、大気中、100℃以上、150℃以下で2時間以上処理することが例示できる。
SDA除去工程は、ゼオライトに残存するSDAを除去する。SDA除去方法として、大気中、400℃以上700℃以下で、1~2時間処理することが挙げられる。
アンモニウム処理工程は、ゼオライトからのアルカリ金属の除去、及び、カチオンタイプをアンモニウム型(以下、「NH 型」とする。)にする。アンモニウム処理方法は、アンモニウムイオンを含有する水溶液とAFX型ゼオライトと接触させることが挙げられる。なお、NH 型のゼオライトを、熱処理し、カチオンタイプがプロトン型(以下、「H型」とする。)のゼオライトとしてもよい。具体的な熱処理条件として、大気中、500℃、1~2時間が例示できる。
本実施形態のゼオライトの製造方法により得られるゼオライトは、例えば、吸着剤、触媒、吸着剤の担体又は触媒担体など、公知のゼオライトの用途に使用することができる。
また、本願発明は、新規化合物である下記一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩に係る。
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表し、当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン、RSOで表されるスルホン酸イオン、RCOOで表されるカルボン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表し、
は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、又はフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。
但し、一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩については、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。

一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩における各置換基の定義および好ましい範囲については、一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩における各置換基の定義および好ましい範囲と同義である。
一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の好ましい実施形態として、一般式(1b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が挙げられる。
[式中、X及びYは前述と同じであり、A’は、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表し、当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。

より好ましい実施形態として、一般式(1c)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が挙げられる。
[式中、A’’は、架橋環又は縮環を有していてもよい5又は6員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数2から8のジアルキルアミノ基で置換されてもよい)であり、
が、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CSOで表されるベンゼンスルホン酸イオン、p-CHSOで表されるp-トルエンスルホン酸イオン、CHSOで表されるメタンスルホン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表し、好ましくは、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン又はOH(水酸化物イオン)である。
但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。

さらに好ましい実施形態として、一般式(1d)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が挙げられる。
[式中、A’’’は、無置換の5員又は6員の含窒素脂肪族複素環を表し、
は、同一又は相異なって、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CSOで表されるベンゼンスルホン酸イオン、p-CHSOで表されるp-トルエンスルホン酸イオン、CHSOで表されるメタンスルホン酸イオン又はOH(水酸化物イオン)を表し、好ましくは、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン又はOH(水酸化物イオン)を表す。
但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。

次に、本実施形態のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法について説明する。
<製造方法の実施形態1>
本実施形態のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法として、下記一般式(2)で表される芳香族化合物と、下記一般式(3a)で表される第二級アミンと、下記一般式(3b)で表される第二級アミンとを反応させる工程、を有する、下記一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法(以下、「製法1」ともいう。)を挙げることができる。
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はRSOOで表されるスルホニルオキシ基を表す。前記のRは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
(式中、Aaは、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表し、当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
(式中、Abは、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表し、当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
(式中、Aa、Ab及びXは前述と同じである。Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン又はRSOで表されるスルホン酸イオンを表し、Rは前記と同義である。)
一般式(2)におけるYaのハロゲン原子は、特に限定するものではないが、例えば、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が例示できる。
一般式(3a)におけるAa及び一般式(3b)におけるAbは架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環を表し、当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、これらの具体的な置換基としては、一般式(1)におけるAと同じものがそれぞれ例示できる。
製法1では以下に示す反応によって、一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が得られる。
(式中、Aa、Ab、X及びYaは前述と同じである。)
製法1の反応に供する、第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)は、同一の第二級アミンを用いても良いし、異なる2種類の第二級アミンを用いても良く、異なる2種類の第二級アミンを用いた場合、AaとAbが異なる非対称の本発明のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩(1e)を得ることができる。
製法1において、第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)は、芳香族化合物(2)と段階的に反応させてもよい。
製法1の反応に供する、芳香族化合物(2)は、本明細書中の参考例1-4及び参考例1-5に記載の製造方法によって得られるもの、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法として、例えば、Tetrahedron,71巻,6944-6955頁,2005年やJournal of the American Chemical Society,129巻,13362-13363頁,2007年などで開示された製造方法が例示できる。
製法1の反応に供する、第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)は、公知のもの又は市販のものを用いることができる。
製法1の反応において、芳香族化合物(2)に対する、第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)の量は、2~100モル当量であることが好ましく、2~10モル当量であることがより好ましい。
製法1の反応において、芳香族化合物(2)と第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)は塩基存在下で反応させることが好ましい。該塩基として有機塩基又は無機塩基が挙げられる。有機塩基としてトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンの群から選択される1つ以上が、一方、無機塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムの群から選択される1つ以上が、それぞれ、例示できる。
該塩基は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピロリジン、ジエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムであることが好ましく、ピロリジン、ジエチルアミン又は水酸化ナトリウムであることがより好ましい。
また、該第二級アミンを過剰量とすること、例えば芳香族化合物(2)に対して、2当量以上、更には5当量以上とすること、で製法1の反応を塩基存在下の反応としてもよい。
製法1の反応に供する、第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)は化学的に許容される塩を用いてもよく、塩基存在下で反応を実施することが好ましい。
製法1の反応において、芳香族化合物(2)と第二級アミン(3a)及び第二級アミン(3b)を溶媒中で反応させることができる。該溶媒は反応を阻害しないものが好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、ウレア系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール系溶媒及び水の群から選択される1つ以上が挙げられる。
これらの溶媒の具体的なものとして、芳香族炭化水素系溶媒としてトルエン、キシレン及びクロロベンゼンの群から選択される1つ以上が、エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンの群から選択される1つ以上が、エステル系溶媒として酢酸エチル又は酢酸ブチルの少なくともいずれかが、ハロゲン系溶媒としてクロロホルム、四塩化炭素、及びクロロベンゼンの群から選択される1つ以上が、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくともいずれかが、ウレア系溶媒として1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン又は1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オンの少なくともいずれかが、ケトン系溶媒としてアセトン又はメチルエチルケトンの少なくともいずれかが、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル、プロピオニトリル及びベンゾニトリルの群から選択される1つ以上が、スルホキシド系溶媒としてジメチルスルホキシドが、アルコール系溶媒としてメタノール、エタノール及びプロパノールの群から選択される1つ以上が、それぞれ、例示できる。
製法1の反応において、好ましい溶媒としてエーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びニトリル系溶媒の群から選択される1つ以上が、より好ましい溶媒としてテトラヒドロフラン、エタノール及びアセトニトリルの群から選択される1つ以上が、例示できる。
製法1の反応において、好ましい反応温度として0℃以上200℃以下の任意の温度が、より好ましい反応温度として20℃以上80℃以下が、好ましい反応時間として1時間以上100時間以下が、それぞれ、例示できる。
製法1は、一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を単離する工程(以下、「単離工程」ともいう。)、若しくは、これ(又は単離後のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩)をイオン交換する工程(以下、「イオン交換工程」ともいう。)の少なくともいずれか、を有していてもよい。
単離工程において、一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が反応混合物から単離できればその方法は任意であり、単離方法として、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶の群から選択される1つ以上が例示できる。
イオン交換工程では、一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩をイオン交換する。これにより、一般式(1f)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を得ることができる。
(式中、Aa、Ab及びXは、前記と同じである。Ybは、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン又はOHを表す。)
一般式(1f)におけるYbのハロゲン原子は、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が例示できる。
イオン交換は、一般式(1e)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩と、イオン交換樹脂とを接触させればよい。イオン交換樹脂として、交換基Ybを有するイオン交換樹脂であればよく、例えば、アンバーライトIRA-400、アンバーライトIRA-402、アンバーライトIRA-404、アンバーライトIRA-900、アンバーライトIRA-904、アンバーライトIRA-458、アンバーライトIRA-958、アンバーライトIRA-420、アンバーライトIRA-411及びアンバーライトIRA-910の群から選択される1つ以上が、好ましくはアンバーライトIRA-400が例示できる。
イオン交換は、イオン交換を阻害しない溶媒中で実施すればよい。該溶媒として、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アルコール系溶媒及び水の群から選択される1つ以上が挙げられる。具体的な溶媒は、それぞれ、前述の製法1の反応における具体的な溶媒と同じものが例示できる。

<製造方法の実施形態2>
本実施形態のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法の別の実施形態として、下記一般式(4a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールと、下記一般式(5a)で表されるアルキル化剤と、下記一般式(5b)で表されるアルキル化剤とを反応させる工程、を有することを特徴とする、下記一般式(1g)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法(以下、「製法2」ともいう。)が挙げられる。
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は、同一又は相異なって、水素原子又はRC(O)で表されるアルカノイル基を表す。
は炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
(式中、Zは、炭素数2から11のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はRSOOで表されるスルホニルオキシ基を表す。
前記のRは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
(式中、Zは、炭素数2から11のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はRSOOで表されるスルホニルオキシ基を表す。
前記のRは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
[式中、Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Aa及びAbは、各々独立に、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表す。
Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン又はRSOで表されるスルホン酸イオンを表し、Rは前記と同義である。]
前記のZ及びZにおける炭素数2から11のアルキレン基については、特に限定するものではないが、例えば、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、3-オキサペンタン-1,5-ジイル基、3-アザペンタン-1,5-ジイル基等が挙げられる。
該アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、該炭素数1から6のアルキル基、該炭素数1から6のアルコキシ基、該炭素数1から6のハロアルキル基、該炭素数6から12のアリール基、該炭素数7から13のアラルキル基、該炭素数6から10のアリールオキシ基、該炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、該炭素数1から4のアルキル基、該炭素数1から8のアシルアミノ基、該炭素数1から9のアルキルオキシカルボニルオキシ基、該炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、該ウレイド基、該炭素数2から12のジアルキルアミノ基、該炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び該炭素数12から20のジアリールアミノ基は、一般式(1)におけるAで例示した置換基と同じものが例示できる。
一般式(4a)におけるRがRC(O)である場合、Rにおける炭素数1から10のハロアルキル基は、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基又は3-ブロモプロピル基が例示できる。
製法2では以下に示す反応によって、一般式(1g)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が得られる。
(式中、R、Z、Z、Aa、Ab、X、Ya及びYaは前述と同じである。)
製法2の反応に供する、アルキル化剤(5a)及びアルキル化剤(5b)は、同一のアルキル化剤を用いても良いし、異なる2種類のアルキル化剤を用いても良く、異なる2種類のアルキル化剤を用いた場合、非対称の本発明のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩(1g)を得ることができる。
製法2において、アルキル化剤(5a)及びアルキル化剤(5b)は、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a)と段階的に反応させてもよい。
製法2の反応に供する、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a)は、本明細書中の参考例1-2及び参考例1-3に記載に示す製造方法により得られるもの、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法として、例えば、Tetrahedron,74巻,1144-1150頁,2018年やSynthesis,1巻,79-86頁,2008年などで開示された製造方法が例示できる。
製法2の反応に供する、アルキル化剤(5a)又はアルキル化剤(5b)は、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法として、例えば、The Journal of Organic Chemistry,77巻,11227-11231頁,2012年やLangmur,26巻,17882-17889頁,2010年などで開示された製造方法が例示できる。
製法2の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a)に対する、アルキル化剤(5a)及び一般式(5b)で表されるアルキル化剤の量は、2~100モル当量であることが好ましく、2~10モル当量であることがより好ましい。
製法2の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a)とアルキル化剤(5a)及び(5b)は、塩基存在下で反応させることが好ましい。該塩基としては、無機塩基又はアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。無機塩基として製法1の反応における無機塩基と同じものが、アルカリ金属アルコキシドとしてナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドが、それぞれ、例示できる。
該塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドのいずれかであることが好ましく、水酸化ナトリウムであることがより好ましい。
製法2の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a)と、アルキル化剤(5a)及び(5b)を溶媒中で反応させることができる。該溶媒は、反応を阻害しないものが好ましく、製法1の反応における溶媒と同じものが例示できる。
製法2の反応における、具体的な溶媒、好ましい溶媒、反応温度及び反応時間その他条件は、製法1の反応における条件と同じ条件が例示できる。
製法2は、一般式(1g)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を単離する工程、若しくは、これ(又は単離後の一般式(1h)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩)をイオン交換する工程の少なくともいずれか、を含んでいてもよい。
単離方法その他の条件は、製法1の単離工程と同じ条件が例示できる。
一般式(1g)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩のイオン交換により、一般式(1h)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を得ることができる。
(式中、X、Aa、Ab及びYbは前述と同じである。)
イオン交換は、一般式(1g)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩と、イオン交換樹脂とを接触させればよい。該イオン交換における、イオン交換樹脂、及び、溶媒その他の条件は、製法1のイオン交換工程と同じ条件が例示できる。
<一般式(4a’)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法>
製法2に供する、一般式(4a’)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法の実施形態の一例として、下記一般式(2)で表される芳香族化合物と、下記一般式(6
a)で表されるアミド化合物と下記一般式(6b)で表されるアミド化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(4a’)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法(以下、「原料製法1」ともいう。)、を挙げることができる。
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。Yaは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はRSOOで表されるスルホニルオキシ基を表す。前記のRは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
(式中、R4aは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
(式中、R4bは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
(式中、X、R4a及びR4bは、前記と同じである。)
原料製法1では、以下に示す反応によって、一般式(4a’)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールが得られる。
(式中、X及びYaは、前述と同じである。R4a及びR4bは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
一般式(6a)におけるR4a及び一般式(6b)におけるR4bの炭素数1から10のハロアルキル基は、一般式(4a)におけるRの炭素数1から10のハロアルキル基と同じものが例示できる。
原料製法1の反応に供する、アミド化合物(6a)及びアミド化合物(6b)は、同一のアミド化合物を用いても良いし、異なる2種類のアミド化合物を用いても良く、異なる2種類のアミド化合物を用いた場合、非対称のヘキサヒドロベンゾピロール(4a’)を得ることができる。
製法1において、アミド化合物(6a)及びアミド化合物(6b)は、芳香族化合物(2)と段階的に反応させてもよい。
原料製法1において、一般式(2)で表される芳香族化合物に対して、一般式(6a)及び(6b)で表されるアミド化合物の量は、2~50当量であることが好ましく、さらに好ましくは2~5当量である。
原料製法1において、反応は塩基存在下で実施することで、収率を向上させることができる。該塩基としては、有機塩基及び無機塩基等が挙げられる。具体的な有機塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等が例示でき、無機塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウム等が例示することができる。該塩基は、収率が良くなる点で、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、水素化ナトリウム、水素化カリウムのいずれかであることが好ましく、水素化ナトリウムであることが特に好ましい。
原料製法1において、反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン等のウレア系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒又はジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒を例示できる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。原料製法1における好ましい溶媒としてエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒を挙げることができ、さらに好ましい溶媒には、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。
原料製法1において、反応温度は、特に限定するものではないが、室温以上200℃以下の任意の温度とすることができる。ヘキサヒドロベンゾジピロール(4a’)の収率が高くなる傾向があるため、反応温度は、室温以上80℃以下であることが好ましい。
原料製法1において、反応時間に特に制限はなく、例えば、1時間以上100時間以下を挙げることができる。
原料製法1は、反応後、得られたヘキサヒドロベンゾジピロール(4a’)を単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、特に限定するものではないが、例えば、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶等を例示することができる。
<製造方法の実施形態3>
本実施形態のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法の別の実施形態として、下記一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールと、一般式RSOClで表されるスルホン酸塩化物(式中、Rは、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及びフェニル基の群から選択されるいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)とを反応させる工程、を有することを特徴とする、下記一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の製造方法(以下、「製法3」ともいう。)が挙げられる。
(式中、Zは、同一又は相異なって、炭素数2から11のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアルルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
[式中、Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表す。
Ycは、同一又は相異なって、塩化物イオン又はRSOで表されるスルホン酸イオンを表し、Rは前記と同じである。]
製法3では以下に示す反応によって、一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が得られる。
(式中、Z、R、A及びYcは前述と同じである。)
製法3の反応に供する、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4b)は、本明細書中の参考例1-2及び参考例1-3に記載に示す製造方法により得られるもの、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法として、例えば、Tetrahedron,74巻,1144-1150頁,2018年やSynthesis,1巻,79-86頁,2008年などで開示された製造方法が例示できる。
製法3の反応に供する、スルホン酸塩化物は、公知又は市販のものであればよい。
製法3の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4b)に対する、該スルホン酸塩化物の量は、2~10モル当量であることが好ましく、2~5モル当量であることがより好ましい。
製法3の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4b)と一般式RSOClで表されるスルホン酸塩化物は塩基存在下で反応させることが好ましい。該塩基として有機塩基、無機塩基及びアルカリ金属アルコキシドの群から選択される1以上が挙げられる。具体的な又は好ましい無機塩基、無機塩基として、製法1の反応における塩基と同じものが、アルカリ金属アルコキシドとして、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert-ブトキシドの群から選択される1以上が、それぞれ、挙げられる。
製法3の反応において、ヘキサヒドロベンゾジピロール(4b)と、該スルホン酸塩化物を溶媒中で反応させることができる。該溶媒は、反応を阻害しないものであることが好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、ウレア系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒及びスルホキシド系溶媒の群から選択される1つ以上が例示できる。
製法3の反応における、具体的な溶媒、好ましい溶媒、反応温度及び反応時間その他条件は、製法1の反応における条件と同じ条件が例示できる。
製法3は、一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を単離する工程、若しくは、これ(又は単離後の一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩)をイオン交換する工程の少なくともいずれか、を含んでいてもよい。
単離方法その他の条件は、製法1の単離工程と同じ条件が例示できる。
一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩のイオン交換により、一般式(1j)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を得ることができる。
[式中、Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5から7員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアラルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基又は炭素数12から20のジアリールアミノ基を有していてもよい。)を表す。
Ybは、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン又はOHを表す。]
イオン交換は、一般式(1i)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩と、イオン交換樹脂とを接触させればよい。該イオン交換における、イオン交換樹脂、及び、溶媒その他の条件は、製法1のイオン交換工程と同じ条件が例示できる。
<一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法>
製法3に供する一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法の実施形態の一例として、一般式(7)で表されるピロメリット酸ジイミドと、還元剤とを反応させる工程、を有することを特徴とする、一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法(以下、「原料製法2」ともいう。)、を挙げることができる。
(式中、Zは、同一又は相異なって、炭素数2から11のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から13のアルルキル基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数1から6のアルキルオキシカルボニル基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から8のアシルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から9のアミノカルボニル基、炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルオキシ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1から5のアルキルオキシカルボニルアミノ基、窒素原子が炭素数1から4のアルキル基で一つ以上置換されていてもよいウレイド基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
は、同一又は相異なって、水素原子又はRC(O)で表されるアルカノイル基を表し、
は、炭素数1から9のフルオロアルキル基若しくは炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基又は炭素数1から9のアルキル基を表す。)
(式中、Zは前記と同じである。)
原料製法2では以下に示す反応によって、一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾピロールが得られる。
(式中、Z及びRは前記と同じである。)
原料製法2の反応に供する、ピロメリット酸ジイミド(7)は、本明細書中の参考例1-2及び参考例1-3に記載の製造方法によって得られるもの、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法としては、例えば、Tetrahedron,56巻,6899-6911頁,2000年で開示された製造方法を挙げることができる。
前記還元剤は、ヒドリドの供給源であり、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ボラン-ジメチルスルフィド錯体、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、ボラン-ピリジン錯体、及び、水素化ホウ素ナトリウム/三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体の群から選択される1つ以上が例示でき、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ボラン-ジメチルスルフィド錯体、及び、ボラン-テトラヒドロフラン錯体の群から選択される1つ以上であることが好ましく、水素化アルミニウムリチウム又はボラン-ジメチルスルフィド錯体であることがより好ましい。
原料製法2の反応において、ピロメリット酸ジイミド(7)に対する、還元剤の量は、2~50モル当量であることが好ましく、4~10モル当量であることがより好ましい。
原料製法2の反応は、ピロメリット酸ジイミド(7)と還元剤とを溶媒中で反応させればよい。該溶媒は反応を阻害しないものであることが好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒及びアルコール系溶媒の群から選択される1つ以上が例示でき、好ましい溶媒として芳香族炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒の少なくともいずれかが、より好ましい溶媒としてトルエン又はテトラヒドロフランの少なくともいずれかが、例示できる。
原料製法2の反応において、好ましい反応温度として20℃以上150℃以下の任意の温度が、より好ましい反応温度として40℃以上120℃以下が、好ましい反応時間として1時間以上100時間以下が、それぞれ、例示できる。
原料製法2は、一般式(4b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールを単離する工程、を含んでいてもよい。
単離方法その他の条件は、製法1の単離工程と同じ条件が例示できる。
次に、本発明の実施例を示す。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
(H-NMR)
AscendTM AVANCE III HD(400MHz、Bruker製)又はUltraShieldTM Plus AVANCE III(400MHz、Bruker製)を使用して、試料のH-NMR測定を行った。測定溶媒として、重クロロホルム(CDCl)又は重ジメチルスルホキシド-d(DMSO-d)を、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて試料のH-NMRを測定した。また、測定溶媒として重水(DO)を用いた場合は、溶媒シグナルを4.70ppmに設定した。測定データは、化学シフト、多重度、カップリング定数(Hz)及び積分値の順に記載した。
(イオンクロマトグラフ)
イオンクロマトグラフ装置IC-2001(東ソー製)を使用し、陰イオンクロマトグラフを測定した。測定条件は以下のとおりである。
カラム: TSKgel SuperIC-AZ
溶離液: 7.5mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
+1.1mmol/L炭酸ナトリウム水溶基
流速 : 0.8mL/min
温度 : 40℃
検出 : 電気伝導度
(粉末X線回折)
一般的なX線回折装置(装置名:Ultima IV、RIGAKU製)を使用し、試料のXRD測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン幅 : 0.02°
発散スリット: 1.00deg
散乱スリット: 開放
受光スリット: 開放
計測時間 : 1.0分
測定範囲 : 2θ=3.0°~43.0°
得られたXRDのパターンとIZAのStructure Commissionのホーム-ページに掲載されたXRDパターンとを比較することによって、試料の結晶相及びXRDピーク強度比を確認した。
(ケイ素、アルミニウムの定量)
一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(装置名:OPTIMA3300DV、PERKIN ELMER製)を用いて、試料の組成分析を行った。試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。得られた測定溶液を装置に投入して試料の組成を分析した。得られたケイ素(Si)、アルミニウム(Al)のモル濃度から、SiO/Alを算出した。
式中、Acはアセチル基、Me基はメチル基、Etはエチル基、tBuはtert-ブチル基、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基、Tsは、p-トルエンスルホニル基を表す。
(ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の合成)
参考例1-1
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(21.1g,47.0mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,156mL)溶液にピロリジン(16.1mL,197mmol)を加え、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、エタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(18.4g,収率91%)を得た。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
実施例1-1
1,2,4,5-テトラキス(クロロメチル)ベンゼン(2.72g,10.0mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,24mL)溶液にピロリジン(3.40mL,42.0mmol)を加え、70℃で5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、エタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(2.04g,収率60%)を得た。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
実施例1-2
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(4.50g,10.0mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,40mL)溶液にピロリジン(3.43mL,42.0mmol)を加え、70℃で撹拌した。H-NMRで反応が完遂したことを確認した後、反応液を室温まで冷却し、メタノールを加えて析出した固体を溶解した。溶液に陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA-900 Cl型,100g)を加え、7時間穏やかに撹拌した後、12時間静置した。溶液から陰イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液から溶媒を減圧下で留去した。得られた粘稠性液体にクロロホルムを加え、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(1.91g,収率56%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンが塩化物イオンに交換していることを確認した(交換率>99%)。
実施例1-3
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(1.12g,2.50mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,10mL)溶液にピペリジン(1.03mL,10.5mmol)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をクロロホルムで洗浄して、白色固体のジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(0.747g,収率65%)を得た。
ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.85(s,8H),3.55~3.51(m,8H),1.94~1.85(m,8H),1.72~1.62(m,4H)。
実施例1-4
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(0.64g,1.4mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,5.8mL)溶液にアゼパン(0.67mL,6.0mmol)を加え60℃で17時間撹拌した。反応後、反応液を室温まで冷却し、析出した固体をろ取し、エタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、白色固体のジスピロ[アゼパン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-アゼパン]=ジブロミド(0.61g,88%)が得られた。
ジスピロ[アゼパン-1,2’-{1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム}-6’,1’’-アゼパン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.43(s,2H),4.93(s,8H),3.76~3.65(m,8H),2.04~1.92(m,8H),1.83~1.72(m,8H)。
実施例1-5
1,4-ジブロモ-2,3,5,6-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(1.52g,2.50mmol)のクロロホルム(25mL)溶液にピロリジン(0.86mL,11mmol)を加え、還流下で36時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(4’,8’-ジブロモ-1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(0.225g,収率16%)を得た。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(4’,8’-ジブロモ-1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):5.05(s,8H),3.83~3.70(m,8H),2.34~2.19(m,8H)。
実施例1-6
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-{1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム}-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(10.5g,24.5mmol)のメタノール溶液を陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA-900 Cl型,250cm)を充填したカラムに通じた後、溶液からメタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(8.33g,収率>99%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンが塩化物イオンに交換していることを確認した(交換率>99%)。
実施例1-7
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(0.769g,2.24mmol)の超純水(12mL)に溶解した。これにイオン交換樹脂(Amberlite IRA-900 OH型)(17.4g)を加え、穏やかに撹拌した後に、92時間静置した。これをろ過し、超純水で洗浄して、ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジヒドロキシド水溶液(61.6g)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、塩化物イオン濃度の減少を確認した。また、0.05M塩酸で滴定した結果、交換率75%であった。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジヒドロキシドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
参考例1-2
(N,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミドの合成)
ピロメリット酸無水物(4.36g,20.0mmol)と酢酸(40mL)の懸濁液に、5-アミノペンタノール(4.80mL,44.0mmol)を加え、加熱還流下で19時間撹拌した。反応後、反応液を室温に放冷し、水(120mL)を入れ、水層を酢酸エチル(120mLx3)で抽出した。併せた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、濃縮することで、淡黄色固体のN,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミド(8.88g,収率94%)を得た。この生成物は更なる精製をせずに次の反応に用いた。
N,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):8.18(s,2H),3.98(t,J=6.6Hz,4H),3.62(t,J=7.3Hz,4H),1.98(s,6H),1.70~1.54(m,8H),1.40~1.27(m,4H)。
(2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールの合成)
水素化アルミニウムリチウム(3.41g,90.0mmol)とテトラヒドロフラン(150mL)の懸濁液に、N,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミド(7.09g,15.0mmol)を氷浴下で加え、次いで、60℃で5時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(3.40mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(3.40mL)、水(10.2mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液から溶媒を減圧下で留去し、得られた液体をシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状の2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(2.26g,収率45%)を得た。
2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.00(s,2H),3.87(s,8H),3.64(t,J=6.5Hz,4H),2.71(t,J=7.3Hz,4H),1.67~1.54(m,8H),1.52~1.41(m,4H)(水酸基に由来するピークは観測できなかった。)。
実施例1-8
(ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジクロリドの合成)
2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(3.32g,10.0mmol)、トリエチルアミン(3.62mL,26.0mmol)及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.112g,1.00mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、塩化p-トルエンスルホニル(4.19g,22.0mmol)を氷浴下で加えた。室温で12時間撹拌した後、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色の固体を得た。次いで、得られた固体のメタノール溶液を陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA-400 Cl型,250cm)を充填したカラムに通じた後、溶液からメタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジクロリド(3.30g,2工程での総収率90%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、塩化物イオンの存在を確認した。
ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジクロリドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.85(s,8H),3.55~3.51(m,8H),1.94~1.85(m,8H),1.72~1.62(m,4H)。
参考例1-3
(N,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミドの合成)
ピロメリット酸無水物(4.36g,20.0mmol)と酢酸(40mL)の懸濁液に、4-アミノブタノール(4.10mL,44.0mmol)を加え、加熱還流下で19時間撹拌した。反応後、反応液を室温に放冷し、水(120mL)を入れ、水層を酢酸エチル(120mLx3)で抽出した。併せた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mLx2)で洗浄し、濃縮することで、淡黄色固体のN,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミド(8.72g,収率98%)を得た。この生成物は更なる精製をせずに次の反応に用いた。
N,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):8.19(s,2H),4.02(t,J=6.0Hz,4H),3.65(t,J=6.6Hz,4H),1.99(s,6H),1.73~1.55(m,8H)。
(2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールの合成)
水素化アルミニウムリチウム(4.10g,108mmol)とテトラヒドロフラン(180mL)の懸濁液に、N,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミド(8.00g,18.0mmol)を氷浴下で加え、次いで、60℃で5時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(4.10mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(4.10mL)、水(12.3mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液から溶媒を減圧下で留去し、得られた液体をシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状の2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(1.75g,収率32%)を得た。
2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.00(s,2H),3.88(s,8H),3.65(t,J=6.5Hz,4H),2.70(t,J=7.4Hz,4H),1.62~1.52(m,4H),1.51~1.39(m,4H)(水酸基に由来するピークは観測できなかった。)。
実施例1-9
(ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドの合成)
2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(1.25g,4.10mmol)、トリエチルアミン(1.50mL,10.7mmol)及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(45.9mg,0.410mmol)のジクロロメタン(41mL)溶液に、塩化p-トルエンスルホニル(1.72g,9.00mmol)を氷浴下で加えた。室温で12時間撹拌した後、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色の固体を得た。次いで、得られた固体のメタノール溶液を陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA-400 Cl型,250cm)を充填したカラムに通じた後、溶液からメタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、ジスピロ[ピロリジン-1,2’-{1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム}-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(1.25g,2工程での総収率89%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、塩化物イオンの存在を確認した。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
実施例1-10
2,6-ビス(トリフルオロアセチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(0.704g,2.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,6.8mL)溶液に、1,4-ジブロモブタン(0.50mL,4.2mmol)、30%水酸化ナトリウム水溶液(1.32mL,10.0mmol)を加え、70℃で20時間撹拌した。反応後、反応液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣にエタノールを加えて固体をろ別した後、ろ液からエタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄し、ろ取することで、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(0.803g,収率94%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンの存在を確認した。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
実施例1-11
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(906mg,2.01mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,6.8mL)溶液に4-メチルピペリジン(0.99mL,8.4mmol)を加え、70℃で17時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、真空下、60℃で3時間加熱乾燥し、白色固体の4,4’’-ジメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(526mg,収率54%)を得た。
4,4’’-ジメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.35(s,2H),4.84(s,4H),4.82(s,4H),3.63(brd,J=12.7Hz,4H),3.45(ddd,J=12.7, 2.8Hz,4H),1.87(brd,J=14.6Hz,4H),1.83~1.69(m,2H),1.66~1.55(m,4H),0.96(d,J=6.4Hz,6H)。
実施例1-12
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(448mg,1.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.3mL)溶液に4-トリフルオロメチルピペリジン(0.55mL,4.2mmol)を加え、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、白色固体の4,4’’-ビス(トリフルオロメチル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(253mg,収率43%)を得た。
4,4’’-ビス(トリフルオロメチル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.38(brs,2H),4.93(s,4H),4.90(s,4H),3.79(brd,J=13.0Hz,4H),3.61~3.51(m,4H),2.77~2.60(m,2H),2.22~1.99(m,8H).19F-NMR(376MHz,DO)δ-73.7(s)。
実施例1-13
4-ピペリジノピペリジン(354mg,2.10mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(451mg,1.00mmol)のクロロホルム(8mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、攪拌した。得られた粘稠性液体をエタノールで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1M,2.00mL,2.00mmol)を加えて20分間撹拌した。溶液から溶媒を減圧下で留去し、固体を得た。この固体をアセトンで洗浄し、固体をろ別した。得られた固体を真空下、60℃で4時間加熱乾燥することで、淡黄色固体の4,4’’-ジピペリジノジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(706mg,収率>99%)を得た。
4,4’’-ジピペリジノジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.36(s,2H),4.88(d,4H),4.85(d,4H),3.74(brd,J=12.9Hz,4H),3.52(brdd,J=12.9,12.9Hz,4H),2.72~2.60(m,2H),2.52(brs,8H),2.11(brd,J=14.3Hz,4H),1.91(brdd,J=13.5,12.9Hz,4H),1.57~1.48(m,8H),1.44~1.33(m,4H)。
実施例1-14
4-クロロピペリジン(241mg,2.01mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(452mg,1.00mmol)のクロロホルム(6mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、エタノールで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1.0M,2.0mL,2.0mmol)を加えて20分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、固体をアセトンで洗浄後、ろ液を濃縮し、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン-エタノール(1/1)混合液で洗浄後、真空下、60℃で3時間加熱乾燥することで、淡黄色固体の4,4’’-ジクロロジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(307mg,収率58%)を得た。
4,4’’-ジクロロジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.40~7.33(m,2H),4.93(s,4H),4.87(s,4H),4.53~4.44(m,2H),3.83(brdd,J=11.8,11.8Hz,4H),3.64~3.54(m,4H),2.52~2.40(m,4H),2.23~2.11(m,4H)。
実施例1-15
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(447mg,0.99mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3mL)溶液に4-ベンジルピペリジン(0.74mL,4.2mmol)を加え、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄した。また、ろ液は濃縮後、酢酸エチル、アセトンで洗浄した。洗浄後の固体とろ別時の固体二つを併せて、60℃で8時間加熱乾燥することで、白色固体の4,4’’-ジベンジルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(352mg,収率56%)を得た。
4,4’’-ビスジベンジルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.32(brs,2H),7.30(brd,J=7.6Hz,4H),7.25~7.18(m,6H),4.85~4.78(m,8H),3.66~3.58(m,4H),3.40(brdd,J=12.8,12.8Hz,4H),2.63(brd,J=6.8Hz,4H),2.02~1.88(m,2H),1.88~1.77(m,4H),1.68~1.60(m,4H)。
実施例1-16
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(474mg,1.05mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.5mL)溶液に(S)-3-ピペリジノール(0.36mL,4.5mmol)を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄した。また、ろ液で生じた粉末状固体をろ別し、テトラヒドロフランで洗浄して、先に得られた固体と併せた。得られた固体を酢酸エチル、アセトンで洗浄することで、白色固体の3S,3S’’-ジヒドロキシジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(379mg,収率78%)を得た。
3S,3S’’-ジヒドロキシジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.56~7.50(m,2H),5.72(brs,2H),5.04(brs,4H),4.97(brs,4H),4.63(brs,2H),3.94~3.82(m,4H),3.73~3.62(m,4H),2.62~2.49(m,2H),2.1~2.03(m,2H)。
実施例1-17
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(448mg,1.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.3mL)溶液に4-ピペリジンカルボン酸メチル(0.57mL,4.2mmol)を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液、酢酸エチル、テトラヒドロフランで順次洗浄することで、白色固体の4,4’’-ビス(メトキシカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(381mg,収率67%)を得た。
4,4’’-ビス(メトキシカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.54~7.39(m,2H),5.03~4.91(m,8H),3.68(s,6H),3.68~3.59(m,8H),2.87~2.67(m,2H),2.20~1.99(m,8H)。
実施例1-18
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(449mg,1.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.4mL)溶液に3-ピペリジンカルボン酸エチル(0.66mL,4.3mmol)を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄し他。得られた固体を真空下、60℃で3時間加熱乾燥することで、白色固体の3,3’’-ビス(エトキシカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(134mg,収率22%)を得た。
3,3’’-ビス(エトキシカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.39~7.35(m,2H),4.95~4.82(m,4H),4.10(q,J=7.1Hz,4H),3.88(brd,J=12.7Hz,2H),3.67(brd,J=11.6Hz,2H),3.62-3.52(m,2H),3.46~3.35(m,2H),3.13(tt,J=12.1,3.9Hz,2H),2.19(brd,J=13.4Hz,2H),2.04~1.94(m,4H),1.73~1.59(m,2H),1.52(t,J=7.1Hz,6H)。
実施例1-19
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(456mg,1.01mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.2mL)溶液に4-フェニルピペリジン(695mg,4.31mmol)を入れ、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液、酢酸エチル、アセトンで順次洗浄することで、白色固体の4,4’’-ジフェニルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(195mg,収率32%)を得た。
4,4’’-ジフェニルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.40(brs,2H),7.40-7.32(m,10H),7.32~7.23(m,2H),4.99(s,4H),4.91(s,4H),3.78(brd,J=12.5Hz,4H),3.65(brdd,J=12.8,12.5Hz,4H),3.05~2.94(m,2H),2.24~2.03(m,8H)。
実施例1-20
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(525mg,1.17mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.4mL)溶液に3-アセトアミドピロリジン(633mg,4.94mmol)を入れ、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、固体をエタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液でろ別後、固体をアセトンで洗浄することで、白色固体の3,3’’-ビス(アセトアミド)ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(203mg,収率30%)を得た。
3,3’’-ビス(アセトアミド)スピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):8.47(brd,J=5.7Hz,2H),7.53~7.47(m,2H),5.03(brs,4H),4.98(brs,4H),4.59~4.49(m,2H),4.10~4.01(m,2H),3.90~3.80(m,2H),3.79~3.68(m,2H),3.61(dd,J=11.8,5.1Hz,2H),2.64~2.50(m,2H),2.21~2.10(m,2H),1.87(s,6H)。
実施例1-21
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(445mg,0.99mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.3mL)溶液に3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(784mg,4.21mmol)を入れ、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を酢酸エチルで洗浄することで、白色固体の3,3’’-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(403mg,収率62%)を得た。
3,3’’-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)スピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.52(brs,2H),7.52~7.46(m,2H),5.01(brs,4H),4.96(brs,4H),4.47~4.34(m,2H),4.04(dd,J=12.2,8.2Hz,2H),3.86~3.77(m,2H),3.86~3.67(m,2H),3.65~3.55(dd,J=12.2,5.1Hz,2H),2.61~2.50(m,2H),2.18~2.06(m,2H),1.41(s,18H)。
実施例1-22
ノルトロピノン塩酸塩(659mg,4.07mmol)のクロロホルム(12mL)溶液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(12mL)を氷浴下で加えた後、0℃で15分間撹拌した。反応液をクロロホルム(14mLx3)で抽出し、併せた有機相層が20mL程度になるまで濃縮することで、ノルトロピノンのクロロホルム溶液を得た。
先に得られたノルトロピノンのクロロホルム溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(452mg,1.00mmol)のクロロホルム(5mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で15時間30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、エタノールで洗浄することで、白色固体のジスピロ[ノルトロピノン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ノルトロピノン]=ジブロミド(137mg,収率26%)を得た。
ジスピロ[ノルトロピノン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ノルトロピノン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.49~7.40(m,2H),5.26(s,4H),4.95(s,4H),4.43~4.32(m,4H),3.31~3.26(m,2H),3.26~3.21(m,2H),2.73~2.69(m,2H),2.69~2.64(m,2H),2.61~2.52(m,4H),2.25~2.11(m,4H)。
実施例1-23
2-メチルピペリジン(0.24mL,2.04mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(449mg,1.00mmol)のクロロホルム(6.0mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、エタノールで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1.0M,2.0mL,2.0mmol)を加えて20分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、固体を酢酸エチル、アセトンで洗浄し、真空下、60℃で3時間加熱乾燥した。得られた固体をテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン-エタノール(1/1)混合液で洗浄後、ろ液を濃縮し、得られた粗生成物をアセトンで洗浄し、真空下、60℃で5時間30分間加熱乾燥することで、白色固体の2,2’’-ジメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(157mg,収率33%)を得た。
2,2’’-ジメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.40~7.27(m,2H),5.17~4.98(m,6H),4.78(brd,J=14.7Hz,2H),3.96~3.78(m,3H),3.74(m,1H),3.61~3.41(m,2H),1.96~1.68(m,10H),1.65~1.50(m,2H),1.09(d,J=6.6Hz,3H),1.01(d,J=6.4Hz,3H)。
実施例1-24
trans-デカヒドロキノリン(0.29mL,2.09mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(449mg,1.00mmol)のクロロホルム(6.0mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、エタノールで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1.0M,2.0mL,2.0mmol)を加えて20分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、固体をアセトンで洗浄後、メタノール/テトラヒドロフランで再結晶することで、白色固体のtrans,trans-ジスピロ[デカヒドロキノリン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-デカヒドロキノリン]=ジブロミド(85.6mg,収率15%)を得た。
4,4’’-ジクロロジスピロ[デカヒドロキノリン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-デカヒドロキノリン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.26(s,2H),5.30~5.09(m,4H),4.98(d,J=15.4Hz,2H),4.80(d,J=15.4Hz,2H),3.95(brd,J=12.2Hz,2H),3.72~3.61(m,2H),3.53~3.40(m,2H),2.04~1.40(m,16H),1.38~0.99(m,8H),0.98~0.83(m,2H)。
実施例1-25
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(222mg,0.49mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,1.7mL)溶液に(S)-2-(メトキシメチル)ピロリジン(0.26mL,2.1mmol)を入れ、70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をアセトンで洗浄することで、薄橙色固体の3S,3S’’-ビス(メトキシメチル)ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(88.9mg,収率36%)を得た。
3S,3S’’-ビス(メトキシメチル)スピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.43(s,2H),5.08(brd,J=14.8Hz,2H),5.03~4.98(m,4H),4.75(brd,J=14.8Hz,2H),4.26~4.14(m,2H),3.84~3.67(m,4H),3.67~3.51(m,4H),3.07(s,3H),3.02(s,3H),2.37~2.24(m,2H),2.22~1.94(m,6H)。
実施例1-26
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(445mg,0.99mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,3.3mL)溶液に4-ピペリジンメタノール(496mg,4.30mmol)を入れ、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ別し、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノールで洗浄することで、白色固体の4,4’’-ビス(ヒドロキシメチル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(290mg,収率56%)を得た。
4,4’’-ビス(ヒドロキシメチル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.56~7.41(m,2H),4.96~4.89(m,8H),4.73(brt,J=5.2Hz,2H),3.67~3.50(m,8H),3.36(dd,J=5.6,5.2Hz,4H),1.88(brd,J=13.3Hz,4H),1.83~1.70(m,2H),1.70~1.56(m,4H)。
実施例1-27
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(456mg,1.01mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,1.0mL)溶液にイソニコペタミド(548mg,4.28mmol)を入れ、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ別し、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/エタノール(1:1)混合液、メタノールで洗浄し、得られた固体を真空下、60℃で3時間加熱乾燥することで、白色固体の4,4’’-ビス(アミノカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(290mg,収率53%)を得た。
4,4’’-ビス(アミノカルボニル)ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):7.55~7.41(m,4H),7.04(brs,2H),4.98(brs,4H),4.94(brs,4H),3.70~3.52(m,8H),3.34~3.28(m,2H),2.01~1.94(m,8H)。
実施例1-28
3,5-ジメチルピペリジン(0.40mL,2.0mmol,cis/trans混合物,異性体比=2.5/1)のクロロホルム(10mL)溶液に、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(507mg,1.13mmol)のクロロホルム(9mL)溶液を氷浴下で加えた後、50℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、エタノールで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1.0M,2.0mL,2.0mmol)を加えて50℃にて30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、固体をアセトン、酢酸エチルで洗浄後、60℃で3時間加熱乾燥することで、白色固体の3,3’’,5,5’’-テトラメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミド(609mg,収率>99%)を得た。
3,3’’,5,5’’-テトラメチルジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.59~7.37(m,2H),5.18~4.79(m,8H),3.64~3.40(m,5H),3.22~3.08(m,3H),2.40~2.06(m,5H),1.90~1.50(m,2H),1.13~0.77(m,13H)。
参考例1-4
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(225mg,0.499mmol)のアセトニトリル(11mL)溶液にメタンスルホン酸銀(408mg,2.00mmol)を加え、85℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、固体をろ過して除き、ろ液を濃縮することで、白色固体の1,2,4,5-テトラキス(メタンスルホニルオキシ)メチルベンゼン(255mg,収率>99%)を得た。
1,2,4,5-テトラキス(メタンスルホニルオキシ)メチルベンゼンのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.63(s,2H),5.36(s,8H),3.06(s,12H)。
参考例1-5
1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(453g,1.01mmol)のアセトニトリル(22mL)溶液にp-トルエンスルホン酸銀(1.18,4.22mmol)を加え、85℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、固体をろ過して除き、ろ液を濃縮することで、白色固体の1,2,4,5-テトラキス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン(848g,収率>99%)を得た。
1,2,4,5-テトラキス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンのNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.72(brd,J=8.3Hz,8H),7.33(brd,J=8.3Hz,8H),7.09(s,2H),4.94(s,8H),2.45(s,12H)。
実施例1-29
参考例1-4で得た1,2,4,5-テトラキス(メタンスルホニルオキシ)メチルベンゼン(128mg,0.25mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,0.82mL)溶液にピロリジン(0.087mL,1.05mmol)を加え、70℃で16時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、エタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、灰色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ビス(メタンスルホネート)(50.0mg,収率39%)を得た。またろ液を濃縮し、得られた固体をテトラヒドロフランとアセトンで洗浄することで、橙色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ビス(メタンスルホネート)(63.7mg,収率50%)を得た。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ビス(メタンスルホネート)のNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.35(s,2H),4.83(s,8H),3.69~3.62(m,8H),2.71(s,6H),2.25~2.19(m,8H)。
実施例1-30
参考例1-5で得た1,2,4,5-テトラキス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン(265mg,0.320mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,1.04mL)溶液にピロリジン(0.011mL,1.33mmol)を加え、75℃で13時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ取し、エタノール/テトラヒドロフラン(1:1)混合液で洗浄して、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ビス(p-トルエンスルホネート)(157mg,収率80%)を得た。
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ビス(p-トルエンスルホネート)のNMRスペクトル:H-NMR(400MHz,DO)δ(ppm):7.60(brd,J=8.3Hz,8H),7.35(s,2H),7.28(brd,J=8.3Hz,8H),4.82(s,8H),3.68~3.61(m,8H),2.23(s,6H),2.25~2.18(m,8H)。
(AFX型ゼオライトの合成)
実施例2-1
実施例1-2で得られたジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドを構造規定剤(SDA)とし、48%NaOH及びY型ゼオライト(商品名:HSZ-350HUA、東ソー製、シリカ及びアルカリ源)を混合し組成物を得た。得られた組成物の組成を示す。
SiO/Al = 11.1
OH/SiO = 0.35
Na/SiO = 0.35
SDA/SiO = 0.10
O/SiO = 25
組成物の種晶含有量が3.0重量%となるように、組成物に種晶AFX型ゼオライトを添加した後、十分に撹拌した。
攪拌後の組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で168時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO/Alは10.9であった。
本実施例のAFX型ゼオライトのXRDパターンを図1、SEMイメージを図2に示す。

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む組成物を結晶化させる結晶化工程、を有することを特徴とするゼオライトの製造方法。
    [式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基又はオキソ基を有していてもよい。)を表し、
    は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオン又はOH(水酸化物イオン)を表す。]
  2. 前記一般式(1)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基又はオキソ基を有していてもよい。)である前記請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
  3. 前記一般式(1)におけるYが、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン又はOH(水酸化物イオン)である前記請求項1又は請求項2に記載のゼオライトの製造方法。
  4. 前記一般式(1)におけるXが、水素原子である前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
  5. 前記一般式(1)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子を有していてもよい。)であり、尚且つ、Yが、塩化物イオン、臭化物イオン又はOH(水酸化物イオン)である前記請求項1乃至請求項のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
  6. ゼオライトがAFX型ゼオライトである、前記請求項1乃至請求項のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
  7. 一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
    [式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    Aは、同一又は相異なって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基又はオキソ基を有していてもよい。)を表し、
    は、同一又は相異なって、ハロゲン化物イオンを表す
    但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。
  8. 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(当該含窒素複素環は、ハロゲン原子、水酸基又はオキソ基を有していてもよい。)である前記請求項に記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
    但し、下記で表される4つのヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を除く。
  9. 前記一般式(1a)におけるYが、同一又は相異なって、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンである前記請求項又は請求項に記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
  10. 前記一般式(1a)におけるXが、水素原子である前記請求項乃至請求項のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
  11. 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子を有していてもよい。)である前記請求項乃至請求項10のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
  12. 前記一般式(1a)におけるAが、同一であって、架橋環又は縮環を有していてもよい5員の含窒素複素環(該含窒素複素環は、ハロゲン原子を有していてもよい。)であり、尚且つ、Yが、塩化物イオン又は臭化物イオンである前記請求項乃至請求項11のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩。
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