JP7369350B2 - 車両の電源制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の電源制御装置に関し、特に、エンジンの動力に基づいて変速機を介して車輪を駆動する車両に搭載され、上記エンジンの動力により発電を行う車両の電源制御装置に関する。
特開2004-23985号公報(特許文献1)には、車両のハイブリッドシステムが記載されている。この車両のハイブリッドシステムは、入力軸の回転を変速する変速機と、エンジンと変速機を断続するクラッチと、回転電機と、回転電機からの電力を蓄える蓄電要素と、を備えている。このようなハイブリッドシステムにおいて、エンジンが運転状態かつ変速機がニュートラル、かつクラッチが接続されている状態では、駆動系に歯打ち音(ガラ音)が発生してしまう。このような歯打ち音は、空転状態のギヤに対して、トルク変動のある駆動力が伝達されることにより発生する。
特許文献1記載の車両のハイブリッドシステムにおいては、蓄電要素への充電が必要ない場合には、回転電機を所定の目標トルクに制御することにより、歯打ち音の発生を抑制している。即ち、特許文献1記載の車両のハイブリッドシステムにおいては、エンジン回転速度の検出値から現在のエンジントルク値を求め、現在のエンジントルク値とマップデータに基づく負荷なし時のエンジントルク値との差に相当するトルク値を所定の目標トルクに設定している。
特開2004-23985号公報
しかしながら、特許文献1記載の車両のハイブリッドシステムにおいては、回転電機により発電を行っている状況では、歯打ち音を抑制することができないという問題がある。また、特許文献1記載の発明において、発電が必要な状況では、回転電機による発電量を制限し、発電に基づいてエンジンに作用する負荷トルクを低減して歯打ち音を抑制することが考えられる。しかしながら、このような対応では、必要にして十分な電力を生成することができないという問題がある。
従って、本発明は、十分な発電量を確保しながら、歯打ち音を抑制することができる車両の電源制御装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、エンジンの動力に基づいて変速機を介して車輪を駆動する車両に搭載され、エンジンの動力により発電を行う車両の電源制御装置であって、エンジンの動力により発電する回転電気機械と、この回転電気機械により生成された電力を蓄積する蓄電装置と、回転電気機械による発電量を制御する制御ユニットと、を有し、制御ユニットは回転電気機械による発電量を制限するように構成されると共に、車両の変速機がニュートラルである場合においては、車両の車速が高いときは、車両の車速が低いときよりも、発電量の上限値を高く設定すると共に、制御ユニットは、エンジンの回転数が所定の共振回転数帯域内にある場合には、所定の共振回転数帯域外にある場合よりも、発電量の上限値を低く設定することを特徴している。
このように構成された本発明においては、回転電気機械がエンジンの動力により発電を行い、生成された電力が蓄電装置に蓄積される。制御ユニットは、回転電気機械による発電量を制限するように構成されており、変速機がニュートラルである場合に、車両の車速が高いときは、車速が低いときよりも、発電量の上限値を高く設定する。
歯打ち音は、変速機がニュートラルにされた状態において、回転電気機械により発電を行い、発電によってエンジンに大きな負荷トルクを与えると発生することが知られている。即ち、発電によってエンジンに負荷トルクを与えると、エンジンのトルク変動が大きくなり、これがニュートラルにされた変速機の遊動ギヤに歯打ち音を発生させる。この問題は、車両の停車中の他、車両の走行中において変速機がニュートラルにされた場合に、特に顕著であることが本件発明者により見出された。一方、歯打ち音は、仮に発生していたとしても、車両の走行速度が高い場合には、エンジン音や、走行音にマスクされるため、乗員によって認識されることが少ないことも見出された。そこで、本発明においては、制御ユニットが、回転電気機械による発電量を制限することにより、変速機がニュートラルにされた状態において、歯打ち音が発生しにくいようにしている。加えて、車両の車速が高いときは、車速が低いときよりも、制限される発電量の上限値を高く設定することにより、回転電気機械による発電量を十分に確保しながら、歯打ち音により乗員に不快感を与えにくくしている。
発生する歯打ち音は、ギヤの歯が当たる際に発生する音が直接認識されることは少なく、ギヤの歯が当たる際に発生する振動が、車両に搭載された何らかの部材を振動させ、加振された部材が共振したときに、大きな歯打ち音として認識されることが本件発明者により見出された。例えば、ギヤの歯が当たることにより、変速機に接続されたシフトケーブルが共振し、これが大きな歯打ち音として車両の乗員に認識される場合があることが本件発明者により見出された。即ち、エンジンの回転によりギヤの歯が当たることにより、車両に搭載された部材が、エンジンの回転数に応じた所定の周波数で加振され、加振された部材が共振すると大きな歯打ち音が発生する。上記のように構成された本発明によれば、エンジンの回転数が所定の共振回転数帯域内にある場合に、発電量の上限値が低く設定される。このため、共振回転数帯域外のエンジン回転数であれば、回転電気機械によって、エンジンに大きな負荷を与えることが可能であり、十分な発電量を確保することができる。
本発明において、好ましくは、制御ユニットは、車両に搭載された電気負荷の消費電力に基づいて、回転電気機械に対する最小要求発電量を算出するように構成され、発電量の上限値が最小要求発電量以下に低下した場合でも、回転電気機械に最小要求発電量の電力を生成させる。
このように構成された本発明によれば、車両に搭載された電気負荷の消費電力に基づいて最小要求発電量が算出され、発電量の上限値が最小要求発電量以上である場合には、上限値以下の電力が回転電気機械により発電される。また、発電量の上限値が最小要求発電量以下に低下した場合でも、最小要求発電量の電力が生成される。このため、電気負荷によって要求された最小限の電力を常に確保することができ、電力不足に陥るのを回避することができる。
本発明において、好ましくは、所定の共振回転数帯域は、車両の変速機を切り替えるためのシフトケーブルが共振する回転数帯域に設定されている。
シフトケーブルは、変速機に機械的に接続されていると共に、構造的に強い共振を起こしやすい。上記のように構成された本発明によれば、発電量の上限値を低く設定する共振回転数帯域が、シフトケーブルが共振する回転数帯域に設定されているので、シフトケーブルの共振を効果的に抑制することができ、十分な発電量を確保しながら、歯打ち音を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御ユニットは、車両の走行中に変速機がニュートラルに切り替えられた状態において、発電量の上限値を設定するように構成されている。
停車中におけるエンジンのアイドリング回転数は、通常、所定の範囲内にあり、この回転数の範囲内において共振する部材がなければ、大きな歯打ち音が発生することはない。上記のように構成された本発明によれば、車両の走行中に変速機がニュートラルに切り替えられた場合に発電量の上限値が設定されるので、停車中には、常に十分な発電量を確保することができ、蓄電装置の蓄電量が欠乏するリスクを軽減することができる。
本発明の車両の電源制御装置によれば、十分な発電量を確保しながら、歯打ち音を抑制することができる。
本発明の実施形態による車両の電源制御装置が適用されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の電源制御装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の電源制御装置の作用を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による車両の電源制御装置の作用の一例を示すタイムチャートである。 歯打ち音の発生のメカニズムを模式的に示す図である。 本発明の実施形態による車両の電源制御装置における発電量の上限値を設定するための車速補正係数を示すマップである。 本発明の実施形態による車両の電源制御装置における発電量の上限値を設定するための回転数補正係数を示すマップである。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の電源制御装置を説明する。
[装置構成]
まず、本発明の実施形態による車両の電源制御装置に関する装置構成について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置が適用されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、ハイブリッド車両1は、エンジン11と、ギヤ駆動式スタータ12と、回転電気機械であるISG(Integrated Starter Generator)13と、高電圧蓄電装置であるキャパシタ14と、DC-DCコンバータ17と、低電圧蓄電装置である鉛蓄電池19と、低電圧電気負荷であるライト20、電動パワーステアリングの駆動モータ21、及びアクセサリ類22と、を有する。
エンジン11は、ハイブリッド車両1の駆動力を発生する内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)である。エンジン11の駆動力は、出力軸9、クラッチ2a、変速機であるトランスミッション2b、減速機3及び駆動軸4を介して、車輪5に伝達される。エンジン11の出力軸9には、ギヤを介してギヤ駆動式スタータ12が連結されている。ギヤ駆動式スタータ12は、ユーザによりイグニッションスイッチ(図示省略)がオンにされると、鉛蓄電池19から供給される電力を用いて、エンジン11を始動する。一方、エンジン11がアイドリングストップから再始動される場合には、キャパシタ14から供給される電力を用いて、ISG13がエンジン11を再始動させる。また、ハイブリッド車両1は、ドライバによるブレーキペダルの操作に応じた制動力を車両1に付与するためのブレーキシステム7を有する。このブレーキシステム7は、例えば電動ブレーキにより構成される。
ISG13は、エンジン11により駆動されて発電する発電機能と、ハイブリッド車両1の駆動力を発生する電動機能と、エンジン11を再始動させる機能と、を備えるモータジェネレータである。ISG13は、ベルト8を介してエンジン11の出力軸9に連結されている。また、ISG13は、キャパシタリレー6aを介して、キャパシタ14に電気的に接続されるようになっている。このキャパシタリレー6aは、キャパシタ14とISG13の接続、非接続を切り替えるリレー装置として機能する。通常走行時にはキャパシタリレー6aは接続状態にされ、キャパシタ14に不具合が生じた場合等に非接続状態に切り替えられる。
さらに、DC-DCコンバータ17には、バイパスリレー6bが並列に接続されている。通常時には、バイパスリレー6bは非接続状態にされており、キャパシタ14はDC-DCコンバータ17を介して鉛蓄電池19に接続されている。また、ライト20等の低電圧電気負荷の消費電力が増大して、ISG13及びキャパシタ14側から鉛蓄電池19に供給すべき電流が増大すると、DC-DCコンバータ17の能力を超える場合がある。このような場合には、バイパスリレー6bが接続状態に切り替えられ、ISG13の発電電流が直接鉛蓄電池19に直接供給される。
また、ISG13は、発電機能により動作する際は、エンジン11の出力軸9と連動して回転するロータを磁界中で回転させることにより発電を行う発電機として機能する。ISG13は、整流器(図示省略)を内蔵しており、この整流器を用いて、発電した交流電力を直流電力に変換する。ISG13の発電により生成された電力は、キャパシタ14に供給されて充電される。他方で、ISG13は、電動機能により動作する際は、キャパシタ14に充電された電力を用いて、ベルト8を介してエンジン11の出力軸9を駆動する。なお、ISG13における発電機能による動作と電動機能による動作との切り替え時などにおいてベルト8のテンションを調整するために、振り子式可変張力テンショナー(デカップリング・オルタネータ・テンショナー)をベルト8に適用するのがよい。
鉛蓄電池19は、直列接続された複数の鉛蓄電池を含む。また、本実施形態においては、キャパシタ14が作動する電圧はDC12.5~25Vであり、鉛蓄電池19の公称電圧はDC12Vである。キャパシタ14は急速な充放電が可能であるが、蓄電可能な容量を大きくすることが困難である。また、キャパシタ14に蓄積されている蓄電量は、キャパシタ14の端子間電圧(キャパシタ14の電圧)に基づいて求めることができ、キャパシタ14の電圧を蓄電量とすることができる。一方、鉛蓄電池19は、化学反応によって電気エネルギーを蓄えるものであるため、急速な充放電には不向きであるが、充電容量を確保し易いため、比較的多量の電力を蓄えることができるという特性を有する。
DC-DCコンバータ17は、キャパシタ14と鉛蓄電池19との間に設けられている。DC-DCコンバータ17は、例えば、内蔵するスイッチング素子のオンオフスイッチングによって入力電圧を変化させて出力する。具体的には、DC-DCコンバータ17は、キャパシタ14の出力電圧を降圧して鉛蓄電池19側へ供給し、鉛蓄電池19に充電する。例えば、DC-DCコンバータ17は、キャパシタ14側から供給されるDC20V程度の電圧をDC12V程度に降圧して鉛蓄電池19側へと出力する。
車両に搭載された低電圧電気負荷であるライト20、電動パワーステアリングの駆動モータ21、アクセサリ類22等は、キャパシタ14の電圧よりも低い、例えばDC12V程度の電圧で動作する電気負荷である。また、低電圧電気負荷には、ISG13の発電により生成されてキャパシタ14に充電され、DC-DCコンバータ17により降圧された電力、及び鉛蓄電池19に充電された電力の少なくともいずれかが供給される。また、低電圧電気負荷には、エアコンや、オーディオ機器なども含まれる。
[車両の電源制御装置の電気的構成]
次に、図2を参照して、本発明の実施形態による車両の電源制御装置の電気的構成を説明する。図2は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
本実施形態においては、ハイブリッド車両1は、図2に示すような制御ユニットである制御器10によって制御される。この制御器10は、1つ以上のプロセッサ、当該プロセッサ上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
具体的には、図2に示すように、制御器10は、主に、車速センサ30、エンジン回転数センサ34、及び消費電力センサ18のそれぞれによって検出されたパラメータに対応する検出信号が入力される。また、制御器10には、クラッチ2aの状態を表す信号、及びトランスミッション2bの状態を表す信号が入力される。車速センサ30は、ハイブリッド車両1の車速を検出する。エンジン回転数センサ34は、エンジン11の回転数[r.p.m]を検出する。また、消費電力センサ18は、車両に搭載されたライト20、電動パワーステアリングの駆動モータ21、アクセサリ類22等のハイブリッド車両1に搭載された電気機器の全消費電力を検出するように構成されている。例えば、DC-DCコンバータ17から鉛蓄電池19、低電圧電気負荷等に供給される電流を検出することにより、消費電力を求めることができる。
さらに、クラッチ2aは、クラッチ2aが接続状態であるか、非接続状態であるかを表す信号を、制御器10に出力するように構成されている。また、トランスミッション2bは、ニュートラルの状態にあるか、或いは何れの変速段に切り替えられているかを示す信号を、制御器10に出力するように構成されている。制御器10は、これらの信号に基づいて、ISG13が生成すべき発電量[W]を制御するように構成されている。具体的な発電量の制御については後述する。
また、制御器10は、上述した各センサ18、30、34からの検出信号、及びクラッチ2a及びトランスミッション2bからの信号に基づき、ISG13、DC-DCコンバータ17、キャパシタリレー6a、バイパスリレー6b、及び低電圧電気負荷のそれぞれに対して制御信号を出力する。こうして、制御器10は、ISG13の発電動作及び電動動作と、DC-DCコンバータ17による降圧動作と、低電圧電気負荷の駆動及び停止と、リレー6a、6bのオンオフと、を制御する。
典型的には、制御器10は、燃費の改善などを目的としてハイブリッド車両1の運転状態に応じて規定された複数の制御を、少なくともISG13を用いて実行するよう構成されている。この複数の制御は、ハイブリッド車両1が加速するときに、ISG13から動力を発生させてエンジン11による加速をアシストするための加速アシスト制御と、ハイブリッド車両1が減速するときに、ISG13を回生発電させる減速回生制御と、ハイブリッド車両1が停止したときにエンジン11を自動停止させ、この後にハイブリッド車両1が発進するときにISG13から動力を発生させてエンジン11を再始動させるアイドリングストップ制御と、を含む。さらに、制御器10は、ISG13による発電量を制限することにより、トランスミッション2bにおける歯打ち音を抑制する歯打ち音抑制制御を実行するように構成されている。歯打ち音抑制制御の詳細については、後述する。
なお、本発明の実施形態による「車両の電源制御装置」は、主に、「回転電気機械」としてのISG13と、「蓄電装置」としてのキャパシタ14又は鉛蓄電池19と、「制御ユニット」としての制御器10と、によって構成される。
[車両の電源制御装置の作用]
次に、図3乃至図7を参照して、本発明の実施形態による車両の電源制御装置の作用を説明する。
図3は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置の作用を示すフローチャートである。図4は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置の作用の一例を示すタイムチャートである。図5は、歯打ち音の発生のメカニズムを模式的に示す図である。図6は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置における発電量の上限値を設定するための車速補正係数を示すマップである。図7は、本発明の実施形態による車両の電源制御装置における発電量の上限値を設定するための回転数補正係数を示すマップである。
なお、図4のタイムチャートは、上段から順に、車速、トランスミッション2bの状態、キャパシタ14の端子間電圧、ISG13による発電量を時系列で示している。また、図3に示すフローチャートによる処理は、ハイブリッド車両1の作動中、制御器10において、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
まず、図3のステップS1においては、センサ等からの各種信号が、制御器10に読み込まれる。ステップS1において読み込まれる信号には、車速センサ30、エンジン回転数センサ34、クラッチ2a、トランスミッション2b、及び消費電力センサ18からの信号が含まれている。なお、車速センサ30はハイブリッド車両1の車速に関する信号を出力する。エンジン回転数センサ34は、エンジン11の回転数に関する信号を出力する。また、クラッチ2aは、クラッチ2aが接続されているか否かを示す信号を出力する。トランスミッション2bは、これがニュートラルにされているか否か、何れのギヤ段に切り替えられているかを示す信号を出力する。さらに、消費電力センサ18は、ハイブリッド車両1に搭載されているライト20等の電気負荷の消費電力の合計値を検出する。
次に、ステップS2においては、ハイブリッド車両1に搭載されているライト20等の電気機器による電力消費量に基づいてキャパシタ14の目標電圧が設定される。即ち、消費電力センサ18の検出値に基づいて、電気機器を安定して作動させるために必要なキャパシタ14の目標電圧が計算され、設定される。この目標電圧は、電気機器の作動を維持するために必要最小限の値に設定される。
さらに、ステップS3においては、ハイブリッド車両1が減速されているか否かが判断される。ハイブリッド車両1が減速されている場合にはステップS4に進み、減速されていない場合にはステップS5に進む。即ち、ハイブリッド車両1が減速されてない場合には、ステップS2において設定された目標電圧がそのまま維持される。図4に示すタイムチャートにおいては、時刻t0~t1の間において減速が行われていないため、目標電圧は一定に維持されている。
一方、ハイブリッド車両1が減速されている場合にはステップS4に進み、ここでは、キャパシタ14の目標電圧が増加される。即ち、ハイブリッド車両1が減速され、停止した場合には、停車中にアイドリングストップを行うことが望ましい。しかしながら、アイドリングストップからエンジン11を再始動する際には、ISG13(又はギヤ駆動式スタータ12)により、エンジンのクランキングを行うため、所定の電力が必要となる。この再始動に要する電力を確保しておくために、車両が減速を始めると、制御器10はキャパシタ14の目標電圧を増加させ、キャパシタ14の蓄電量を多くする。図4に示す例においては、時刻t1においてハイブリッド車両1が減速を開始したため、制御器10は、一点鎖線で示すようにキャパシタ14の目標電圧を増加させている。即ち、制御器10は、キャパシタ14の目標電圧を時刻t1から所定の変化率で増加させ、目標電圧は、アイドリングストップが可能な所定の電圧となるまで(図4の時刻t2まで)増加される。また、キャパシタ14の電圧を上昇させる(蓄電量を増加させる)ために、ISG13による発電量も、時刻t1から増加されている。
次いで、ステップS5においては、ステップS2において設定されたキャパシタ14の目標電圧、又は、ステップS4において増加されたキャパシタ14の目標電圧を達成するために必要な、ISG13による発電量が計算される。このステップS5において計算された発電量は、ISG13に対する要求発電量となる。なお、ステップS2において設定された、車載電気機器を作動させるために必要な目標電圧の達成に要する発電量は、最小要求発電量に相当する。
さらに、ステップS6においては、ステップS1において読み込まれた信号に基づいて、クラッチ2aが接続された状態であるか否かが判断される。クラッチ2aが接続されている場合にはステップS7に進み、クラッチ2aが接続されていない場合にはステップS11に進む。ステップS11において、制御器10は、ステップS5において計算された要求発電量が生成されるよう、ISG13に指令信号を送信し、図3に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、クラッチ2aが接続されていない状態では、エンジン11のトルク変動がトランスミッション2bに伝わることがないため、トランスミッション2bにおける歯打ち音を抑制するための制御は実行されず、要求発電量がそのまま発電される。
一方、クラッチ2aが接続されている場合にはステップS7に進み、ここでは、トランスミッション2bがニュートラルにされているか否かが判断される。トランスミッション2bがニュートラルにされていない場合には、ステップS11に進み、図3に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、トランスミッション2bがニュートラルにされていない場合には、トランスミッション2bに空動ギヤがなく、駆動側のギヤと空動ギヤが当たることにより発生する歯打ち音は発生しない。従って、トランスミッション2bがニュートラルにされていない場合には、歯打ち音を抑制するための制御は実行されず、要求発電量がそのまま発電される。図4に示すタイムチャートにおいては、時刻t0~t1の間において、トランスミッション2bがニュートラルにされていないため、一定値の要求発電量が発電される。なお、時刻t0~t1においては、ステップS4における目標電圧の増加が行われていないため、要求発電量の値は最小要求発電量の値と等しくなる。
ここで、図5を参照して、歯打ち音の発生メカニズムを説明する。
図5に示すように、まず、エンジン11の出力軸はクラッチ2aの駆動軸に接続され、クラッチ2aの従動軸はトランスミッション2bの入力軸に接続されている。このトランスミッション2bの出力によりハイブリッド車両1の車輪が駆動される。
一方、エンジン11の出力軸9は、ベルト8を介してISG13の回転軸にも接続されている。ISG13が発電機として機能する場合には、エンジン11の出力軸9の回転により、ISG13の回転軸が回転駆動され、ISG13により電力が生成される。即ち、エンジン11からISG13に駆動トルクが付与され、この駆動トルクに基づいて発電が行われる。このため、ISG13による発電量[W]が大きい場合には、エンジン11からISG13に付与すべき駆動トルクも大きくなる。一方、ISG13による発電が行われない場合にはエンジン11からISG13に付与すべき駆動トルクは、実質的にISG13の回転軸の微少な回転抵抗のみとなる。従って、ISG13による発電量を設定することは、発電のためにISG13に付与するトルク(発電トルク)を設定することと等価である。また、ISG13が発電を行うと共に、クラッチ2aが接続されている状態においては、エンジン11が発生したトルクは、ISG13による発電、及びクラッチ2a、トランスミッション2bを介した車輪の駆動に使用される。
一方、トランスミッション2bがニュートラルにされている状態では、トランスミッション2bに内蔵されている一部のギヤが、軸に対して回転自在な遊動ギヤ36となっている。また、この遊動ギヤ36に対して、エンジン11の出力トルクに基づいて回転駆動されるギヤ38が噛み合っている。従って、トランスミッション2bがニュートラルの状態では、エンジン11により回転駆動されているギヤ38が遊動ギヤ36を回転させているが、これが軸に対して回転自在であるため、動力が伝達されない。この状態において、エンジン11の回転数やトルクに変動があると、ギヤ38の歯と遊動ギヤ36の歯が不規則にぶつかり、歯打ち音が発生する。
ここで、エンジン11が発生しているトルクが微少である場合には、エンジン11の回転数やトルクの変動は少なく、歯打ち音は発生しにくい。これに対し、エンジン11が発生するトルクが増大すると、回転数やトルクの変動が大きくなり、歯打ち音が発生しやすくなる。また、トランスミッション2bがニュートラルにされた状態であっても、ISG13による発電量を多くすると、エンジン11は大きな発電トルクを発生させる必要があり、エンジン11の回転数やトルクの変動が大きくなる。このため、クラッチ2aが接続され、トランスミッション2bがニュートラルにされた状態で、ISG13の発電量を多くする(発電トルクを大きくする)と、エンジン11の回転数やトルクの変動が大きくなり、歯打ち音が発生しやすい。
しかしながら、本件発明者は、ギヤ38の歯と遊動ギヤ36の歯が不規則にぶつかる状態であっても、必ずしも大きな歯打ち音が発生し、ハイブリッド車両1の乗員によって認識されるものではないことを見出した。即ち、ギヤ38と遊動ギヤ36の歯が不規則にぶつかっていたとしても、必ずしも大きな歯打ち音が発生するわけではない。ギヤの歯がぶつかることによって発生する振動が、ハイブリッド車両1に搭載されている何らかの部材を共振させることにより、大きな歯打ち音が発生し、これが乗員に騒音として不快感を与えることになる。また、同じ歯打ち音が発生していたとしても、ハイブリッド車両1の走行音等、他の騒音が大きな環境では、歯打ち音の発生は乗員によって認識されにくい。
また、本件発明者は、ギヤ38と遊動ギヤ36の歯がぶつかることにより発生する振動は、トランスミッション2bに接続されているシフトケーブル40を共振させやすいことを見出した。シフトケーブル40は、一般に、トランスミッション2bに機械的に接続されていると共に、比較的振動しやすい状態で車体に取り付けられる。一例として、エンジン11回転数が1200[rpm]程度の回転数で、シフトケーブル40の共振を引き起こしやすいことが見出された。即ち、クラッチ2aが接続され、トランスミッション2bがニュートラルにされた状態で、エンジン11が1200[rpm]程度で運転されると、シフトケーブル40が共振し、大きな歯打ち音が乗員によって認識される。歯打ち音は、このような所定の共振回転数Nrにおいて最も大きくなり、回転数の低下と共に少しずつ低下する。また、共振回転数Nrよりも回転数が高い領域では、歯打ち音は急激に低下する。
次に、図3のステップS8においては、ISG13による発電量の上限値(発電トルクの上限値と等価)が計算される。即ち、クラッチ2aが接続され(ステップS6→S7)、トランスミッション2bがニュートラルにされ(ステップS7→S8)た状態では、歯打ち音が発生する可能性があるため、ステップS8以下の歯打ち音抑制制御が実行される。具体的には、歯打ち音抑制制御においては、ISG13による発電量の上限値を低下させることにより、エンジン11が出力すべきトルクを低下させて、回転数やトルクの変動を抑制する。ステップS8においては、ステップS1において読み込まれた検出信号に基づいて、ISG13による発電量の上限値が設定される。
図6及び図7は、ISG13による発電量の上限値を設定するための補正係数を示すマップである。
まず、歯打ち音抑制制御が実行されていない状態においては、ISG13による発電量の最大値は、Gmax[W]に設定されている。このGmaxの値は、ハイブリッド車両1が通常必要とする電力や、ISG13の仕様に基づいて設定されている。ステップS8においては、発電量の最大値Gmaxに対し、図6に示すマップに基づいて決定される車速補正係数K1、及び図7に示すマップに基づいて決定される回転数補正係数K2を乗じることにより、発電量の上限値が計算される。
車速補正係数K1は、車速センサ30によって検出された車速に基づいて、図6に示すマップを使用して決定される。車速補正係数K1は、車速の低い領域においては小さな値を取り、車速の上昇と共に大きくなり、所定の車速以上では最大値の「1」となる。このように車速補正係数K1を設定することにより、車両の車速が高いときは、車両の車速が低いときよりも、発電量の上限値が高く設定される。本実施形態において、車速補正係数K1は時速約40[km/h]以上の領域で、「1」になるように設定されている。即ち、車速の低い領域ではハイブリッド車両1の走行音等の騒音が小さく、歯打ち音が乗員に認識されやすいため、ISG13の発電量を低下させ、歯打ち音が発生しにくいように発電量の上限値を低下させている。また、車速が時速約40[km/h]以上の領域では、走行音等の騒音が比較的大きくなるため、発電量の上限値を低下させる必要性が低くなる。
次に、回転数補正係数K2は、エンジン回転数センサ34によって検出された回転数に基づいて、図7に示すマップを使用して決定される。回転数補正係数K2は、所定の共振回転数Nrにおいて最も小さな値を取り、エンジン回転数の低下と共に次第に大きくなる。即ち、回転数補正係数K2は、共振回転数Nr以下の、共振回転数帯域Br内では「1」未満の値をとる。また、回転数補正係数K2は、共振回転数Nrを超えると急激に大きくなり、共振回転数Nrよりも高い所定の回転数以上では最大値の「1」となる。このように回転数補正係数K2は、エンジン11の回転数が所定の共振回転数帯域Br内にある場合には、共振回転数帯域Br外にある場合よりも小さな値をとり、発電量の上限値が低く設定される。本実施形態においては、エンジン11の回転数が約1200[rpm]以下の領域が、共振回転数帯域Brに設定されている。
図3のフローチャートのステップS8においては、図6に基づいて決定された車速補正係数K1と、図7に基づいて決定された回転数補正係数K2と、発電量の最大値Gmaxを乗じることにより、ISG13による発電量の上限値が設定される。上述したように、車速が時速約40[km/h]以上の領域で車速補正係数K1が「1」に設定され、エンジン11の回転数が約1200[rpm]以上の領域で回転数補正係数K2が「1」に設定される。このため、車速約40[km/h]以上、且つエンジン回転数約1200[rpm]以上の場合には、算出される上限値は発電量の最大値Gmaxと等しくなり、歯打ち音を抑制するための発電量の制限は、実質的に実行されない。これにより、歯打ち音を抑制しながら、歯打ち音の抑制が不要な運転条件においては、ISG13による十分な発電量を確保することができる。
さらに、ステップS9においては、ステップS8において計算されたISG13による発電量の上限値と、ステップS5において計算された要求発電量が比較される。要求発電量が上限値よりも大きい場合にはステップS10に進み、要求発電量が上限値よりも以下の場合にはステップS11に進む。ステップS11において、制御器10は、要求発電量の電力を生成するように、ISG13に制御信号を送り、図3のフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、要求発電量が上限値以下である場合には、要求された発電量をISG13に生成させても大きな歯打ち音が発生することはないため、要求された発電量がそのまま生成される。
一方、要求発電量が上限値よりも大きい場合にはステップS10に進み、ここでは、ステップS8において計算されたISG13による発電量の上限値と、ステップS5において計算された最小要求発電量が比較される。上限値が最小要求発電量以上である場合にはステップS12に進み、ここで制御器10は、上限値の電力を生成するように、ISG13に制御信号を送り、図3のフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、要求発電量が上限値によって頭打ちにされ、要求発電量よりも少ない電力がISG13によって生成される。このように、ISG13による発電量を抑制することにより、エンジン11がISG13を駆動するために発生するトルクが小さくなり、エンジン11の回転数変動、トルク変動が小さくなるため、歯打ち音の発生が抑制される。
図4に示すタイムチャートの例では、時刻t1において、キャパシタ14の目標電圧が増加されたため、これに伴いISG13による発電量も増加されている。しかしながら、キャパシタ14の目標電圧を達成するために必要な要求発電量が、ステップS8において設定された上限値を超えているため、ISG13の発電量は上限値によって頭打ちにされている。さらに、発電量の上限値は、図6に基づいて、図4に破線で示すように車速の低下と共に低下し、ISG13の発電量も上限値の低下と共に低下されている(図4の時刻t1~t3)。このため、キャパシタ14の実際の電圧は、目標電圧よりも低くなっている。
また、ステップS10において、上限値が最小要求発電量よりも小さい場合にはステップS13に進み、制御器10は、最小要求発電量の電力を生成するように、ISG13に制御信号を送り、図3のフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、歯打ち音抑制制御によって設定された発電量の上限値が最小要求発電量よりも小さい場合において、ISG13の発電量を上限値で頭打ちにしてしまうと、ライト20等の車載電気機器が必要とする電力を供給することができなくなってしまう。このため、発電量の上限値が最小要求発電量よりも小さくなった場合には、上限値に関わらず、最小要求発電量の電力を生成し、車載電気機器が消費する電力を確保する。
図4に示すタイムチャートの例では、発電量の上限値は、時刻t1から車速の低下と共に低下し、時刻t3において最小要求発電量を下回るようになる。このように、発電量の上限値が最小要求発電量よりも小さくなった場合には、最小要求発電量の電力がISG13によって生成される。このように、時刻t3以降は、発電量の上限値を超える電力をISG13に生成させるため、歯打ち音の抑制が十分でない可能性があるが、発電量が最小要求発電量よりも小さくなり、電力不足に陥るのを回避することができる。
本発明の実施形態の車両の電源制御装置によれば、制御器10が、ISG13による発電量を制限することにより、トランスミッション2bがニュートラルにされた状態において、歯打ち音が発生しにくいようにしている。加えて、ハイブリッド車両1の車速が高いときは、車速が低いときよりも、制限される発電量の上限値を高く設定する(図6)ことにより、ISG13による発電量を十分に確保しながら、歯打ち音により乗員に不快感を与えにくくしている。
また、本実施形態の車両の電源制御装置によれば、エンジン11の回転数が所定の共振回転数帯域Br内にある場合に、発電量の上限値が低く設定される(図7)。このため、共振回転数帯域Br外のエンジン回転数であれば、ISG13によって、エンジン11に大きな負荷を与えることが可能であり、十分な発電量を確保することができる。
さらに、本実施形態の車両の電源制御装置によれば、ハイブリッド車両に搭載されたライト20等の電気負荷の消費電力に基づいて最小要求発電量が算出され(図3のステップS5)、発電量の上限値が最小要求発電量以上である場合(図3のステップS10→S12)には、上限値以下の電力がISG13により発電される。また、発電量の上限値が最小要求発電量以下に低下した場合(図3のステップS10→S13)でも、最小要求発電量の電力が生成される(図3のステップS13)。このため、電気負荷によって要求された最小限の電力を常に確保することができ、電力不足に陥るのを回避することができる。
また、本実施形態の車両の電源制御装置によれば、発電量の上限値を低く設定する共振回転数帯域Brが、シフトケーブル40が共振する回転数帯域に設定されている(図7)ので、シフトケーブル40の共振を効果的に抑制することができ、十分な発電量を確保しながら、歯打ち音を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、本発明をハイブリッド車両に適用していたが、エンジンを備えた種々の車両に本発明を適用することができる。また、上述した実施形態においては、蓄電装置としてキャパシタ及び鉛蓄電池が使用されていたが、リチウムイオンバッテリ等、任意の蓄電装置を使用することができ、また、蓄電装置は一つだけ備えられていても良い。さらに、上述した実施形態においては、回転電気機械として、ISG(Integrated Starter Generator)が備えられていたが、回転電気機械は、発電機能のみを有するものであっても良い。また、上述した実施形態においては、発電量の上限値は、車速補正係数、及び回転数補正係数を使用して設定されていたが、車速補正係数のみによって発電量の上限値が設定されるように本発明を構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、共振回転数Nrである約1200[rpm]以下の領域が共振回転数帯域Brに設定され、共振回転数Nr以下の回転数において歯打ち音抑制制御が実行されていた。これに対して、変形例として、共振回転数帯域Brが所定の狭い回転数帯域となるように車両を構成しておき、エンジンのアイドリング回転数を、共振回転数帯域Brから十分に離れた回転数に設定する。これにより、エンジンがアイドリング状態にある停車中に、発電量の最大値Gmaxよりも低い上限値が設定されることがなくなり、上限値は走行中にトランスミッションがニュートラルに切り替えられた状態においてのみ設定されることになる。なお、この場合には、停車時(車速≒0)における車速補正係数を「1」に設定しておく。このように構成することにより、発電量の上限値を設定する歯打ち音抑制制御は、走行中にトランスミッションがニュートラルに切り替えられた、限定的な運転状態でのみ実行されるようになり、停車中には常に十分な電力を生成することが可能になる。
1 ハイブリッド車両
2a クラッチ
2b トランスミッション(変速機)
3 減速機
4 駆動軸
5 車輪
6a キャパシタリレー
6b バイパスリレー
7 ブレーキシステム
8 ベルト
9 出力軸(動力軸)
10 制御器(制御ユニット)
11 エンジン
12 ギヤ駆動式スタータ
13 ISG(回転電気機械)
14 キャパシタ(高電圧蓄電装置)
17 DC-DCコンバータ
18 消費電力センサ
19 鉛蓄電池(低電圧蓄電装置)
20 ライト(低電圧電気負荷)
21 電動パワーステアリングの駆動モータ(低電圧電気負荷)
22 アクセサリ類(低電圧電気負荷)
30 車速センサ
34 エンジン回転数センサ
36 遊動ギヤ
38 ギヤ
40 シフトケーブル

Claims (4)

  1. エンジンの動力に基づいて変速機を介して車輪を駆動する車両に搭載され、上記エンジンの動力により発電を行う車両の電源制御装置であって、
    上記エンジンの動力により発電する回転電気機械と、
    この回転電気機械により生成された電力を蓄積する蓄電装置と、
    上記回転電気機械による発電量を制御する制御ユニットと、
    を有し、
    上記制御ユニットは上記回転電気機械による発電量を制限するように構成されると共に、上記車両の変速機がニュートラルである場合においては、上記車両の車速が高いときは、上記車両の車速が低いときよりも、発電量の上限値を高く設定すると共に、
    上記制御ユニットは、上記エンジンの回転数が所定の共振回転数帯域内にある場合には、上記所定の共振回転数帯域外にある場合よりも、発電量の上限値を低く設定することを特徴とする車両の電源制御装置。
  2. 上記制御ユニットは、車両に搭載された電気負荷の消費電力に基づいて、上記回転電気機械に対する最小要求発電量を算出するように構成され、発電量の上限値が上記最小要求発電量以下に低下した場合でも、上記回転電気機械に上記最小要求発電量の電力を生成させる請求項記載の車両の電源制御装置。
  3. 上記所定の共振回転数帯域は、上記車両の変速機を切り替えるためのシフトケーブルが共振する回転数帯域に設定されている請求項1又は2に記載の車両の電源制御装置。
  4. 上記制御ユニットは、上記車両の走行中に上記変速機がニュートラルに切り替えられた状態において、上記発電量の上限値を設定するように構成されている請求項1乃至の何れか1項に記載の車両の電源制御装置。
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