JP7369096B2 - 誘電加熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、誘電加熱システムに関する。
高周波誘電加熱システムによる解凍及び加熱では、高周波電源のインピーダンスと、負荷のインピーダンスとを整合させる必要がある。そのため、高周波電源と、負荷との間には、整合器が設けられる。そして、加熱は、高周波電源の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとを整合させる動作モード(以下、整合点探索モードという)と、負荷6に電力を印加する動作モード(以下、定常電力印加モードという)とを繰り返すことで行われる。
整合点探索モードでは、高周波電源への反射電力が大きくなり、高周波電源に使用される半導体スイッチング素子が破壊されてしまう虞がある。その解決法として、整合点探索モードでの電力を、定常電力印加モードでの電力よりも低くする方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004-340471号公報
しかしながら、特許文献1で開示される技術を用いて、単に高周波電源および負荷のインピーダンスを整合させた場合、定常電力印加モードにおいて、被加熱物の状態変化により負荷の入力インピーダンスが変化するので、整合点からずれが生じる。高周波電源は、負荷に電力を印加し続けながら、整合点検出モードに移行するまで、高周波電源の増幅器の効率が悪い領域であっても、稼働を継続する。そのような増幅器の効率が悪い領域での稼働が継続した場合、高周波電源が受けるストレスにより、スイッチング素子の破壊、劣化等の虞が生じる。
本発明の一態様は、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、高周波電源が受けるストレスを軽減することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る誘電加熱システムは、高周波の電力を出力する電源部と、上記電源部から出力された電力が印加されることにより対象物を加熱する加熱部と、上記電源部と、上記加熱部との間に介設され、自らのインピーダンスを変更可能である可変部と、上記電源部と、上記可変部との間に介設され、上記電源部から上記可変部に出力される出力電力と、当該出力電力が上記可変部に反射されて上記電源部に戻る反射電力とを検出する検出部と、上記電源部が負荷に印加する電力である定常電力を出力するときに当該電源部の出力インピーダンスである電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスであって、上記対象物、上記加熱部、および、上記可変部を含む上記負荷の入力インピーダンスである負荷インピーダンスを調整する制御部と、を備え、上記制御部は、上記負荷インピーダンスを調整する場合に、上記電源部に備えられた増幅器の効率であって、上記電源部に入力される入力電力に対する上記出力電力の割合である効率を取得し、上記電源部が上記定常電力を出力する場合に、上記取得した効率を用いて、上記負荷インピーダンスが許容範囲内であり、かつ、上記効率が所定値以上で推移するための、当該負荷インピーダンスの初期値を特定する。
本発明の一態様によれば、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、高周波電源が受けるストレスを軽減することができる。
本発明の実施形態1に係る高周波誘電加熱システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る出力電力の制御イメージを示す図である。 上図は本発明の実施形態1に係る整合器の構成例を示す図であり、下図は本発明の実施形態1に係る3つのスイッチの開閉と、整合器の状態との関係を示す表である。 本発明の実施形態1に係る整合点探索モードにおける制御器の処理を示すフローチャートである。 図4の処理を実行した場合の、進行波および反射波の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係る整合点探索モードから定常電力印加モードにおける制御器の処理を示すフローチャートである。 増幅器の効率の推移を示すスミスチャートである。 本発明の実施形態2に係る整合器の構成例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る整合点探索モードにおける制御器5の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る制御器の電力値モニタ部および出力パワー制御部の具体例を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
(実施形態1の概要)
図2は、本実施形態に係る出力電力の制御イメージを示す図である。本実施形態では、図2に示すように、整合点探索モードにおいて、電源インピーダンスと、負荷インピーダンスと(以下、両インピーダンスともいう)が整合していない場合には電力を小さくし、両インピーダンスが整合している場合には電力を大きくするような電力制御を行いながら、負荷インピーダンスが電源インピーダンスに整合する整合点を探索する。
一例として、反射波の電力が規定値以下となるように出力電力を絞りながら、反射波の電力が許容値以下の場合には進行波電力(出力電力)を定常電力印加モードにおける電力と等しいか、それに近いレベルまで大きくするように電力制御を行う等の方法がある。なお、定常電力は、負荷6に印加する電力である。
上記により、両インピーダンスが整合していない場合には、電力が小さいため、反射波によるスイッチング半導体の破壊を防ぐことができる。一方、両インピーダンスが整合している場合には、定常電力印加モードとほぼ同じ状態になるため、整合点探索モードから定常電力印加モードに移行した場合に、高周波電源2の出力インピーダンスが大きく変化して、負荷6の入力インピーダンスとの整合がずれることが発生しなくなる。
従って、効率的な加熱を行い、かつ、スイッチング半導体の破壊を防ぎながら、定常出力印加モードにおける整合点を正確かつ円滑に探索することができる。
さらに、本実施形態では、整合点探索モードにおいて、整合点の探索と並行して、高周波電源2の増幅器21の効率データを取得し、当該効率データを用いて、定常電力印加モードにおける負荷インピーダンスの初期位置を調整することにより、定常電力印加モード時に効率のよい可動域で動作させる。
すなわち、制御器5は、負荷インピーダンスを調整する場合に、高周波電源2に備えられた増幅器21の効率であって、高周波電源2に入力される入力電力に対する、整合器4に出力される出力電力の割合である効率を取得する。そして、制御器5は、高周波電源2が定常電力を出力する場合に、取得した効率を用いて、負荷インピーダンスが許容範囲内であり、かつ、効率が通常値(所定値)以上で推移するための、当該負荷インピーダンスの初期値を特定する。
従って、増幅器21の効率が通常値以上で推移するので、高周波電源2、および、スイッチング素子(GaNデバイス等)へのストレスを低減することができる。
(高周波誘電加熱システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る高周波誘電加熱システム(以下、誘電加熱システムという)1の構成を示す図である。誘電加熱システム1は、高周波電源(電源部)2と、検波器(検出部)3と、整合器(可変部)4と、制御器(制御部)5と、2つの電極(加熱部)61とを備えている。なお、高周波電源2、検波器3、整合器4、および、下側の電極61は、接地7に接続されている。
2つの電極61は対向しており、当該電極61の間には、ターゲット(対象物)Tが介設されている。ターゲットTは、加熱または解凍の対象である。2つの電極61は、高周波電源2から出力された電力が印加されることによりターゲットTを加熱する。
高周波電源2は、例えば、13.56MHz、40.68MHz等の高周波の交流電力を出力する。なお、当該交流電力の電力レベルは、制御器5により制御可能である。
高周波電源2から出力される電力は、検波器3、および、整合器4を通過して、電極61間に印加される。電力の印加により電極61間に発生した電界は、ターゲットTに作用する。すなわち、当該電界により、ターゲットTは、加熱または解凍される。
検波器3は、高周波電源2と、整合器4との間に介設される。検波器3は、高周波電源2から整合器4の方向に進む進行波の電力レベル(整合器4に出力される出力電力)と、当該進行波(出力電力)が整合器4に反射されて高周波電源2に戻る反射波の電力レベル(反射電力)とを検出し、それぞれに対応した信号を出力する。なお、検波器3は、進行波と、反射波との比である反射率に応じた信号を出力するものであってもよい。
整合器4は、高周波電源2と、2つの電極61との間に介設され、自らのインピーダンスを変更可能である。すなわち、整合器4は、コイルと、コンデンサとを備えており、一部またはすべての、コイルのインダクタンスと、コンデンサのキャパシタンスとを変化させることができる。整合器4は、当該インダクタンスと、当該キャパシタンスとを変化させることにより、負荷6のインピーダンスを変化させることが可能である。なお、整合器4は、コイルのみの構成であってもよいし、コンデンサのみの構成であってもよい。
制御器5は、電力値モニタ部51と、出力パワー制御部52と、整合調整部53とを備えている。電力値モニタ部51は、検波器3の電力値を取得する。出力パワー制御部52は、検波器3が取得した電力値を参照して、高周波電源2の電力レベルを制御する。整合調整部53は、整合器4のインダクタンスおよびキャパシタンスの少なくとも一方を変化させることにより、負荷6のインピーダンスを制御する。
制御器5は、高周波電源2が定常電力を出力するときに、整合面において高周波電源2の出力インピーダンスである電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスであって、負荷6の入力インピーダンスである負荷インピーダンスを調整する。図1に示すように、負荷6は、ターゲットT、2つの電極61、および、整合器4を含む。
制御器5は、負荷インピーダンスを調整する場合に、進行波の電力レベルおよび反射波の電力レベルを参照して、電源インピーダンスと、負荷インピーダンスとが整合していないときに進行波の電力レベルを小さくし、電源インピーダンスと、負荷インピーダンスとが整合しているときに進行波の電力レベルを大きくする。
(整合器4の構成例)
図3上図は、本実施形態に係る整合器4の構成例を示す図である。図3上図に示すように、整合器4において、並列接続されたコイルL(L1、L2、L3)と、スイッチS(S1、S2、S3)とを一つの構成要素とし、複数の当該構成要素が入出力回路内に直列または並列に接続されている。
コイルLと並列に接続されたスイッチSをオンすると、コイルLの両端は短絡するので、上記構成要素のインダクタンスはゼロ(0)になる。そして、スイッチSをオフすると、上記構成要素のインダクタンスはコイルLのインダクタンスに等しくなる。
なお、上記構成要素に用いるものは、コイルLではなく、コンデンサCであってもよい。また、コイルLまたはコンデンサCとセットで用いるスイッチSは、コイルLまたはコンデンサCに対して直列に接続されてもよい。
整合器4は、複数配置された構成要素のスイッチSのオン、オフの組み合わせを変えることにより、離散的にインピーダンスを変更可能であり、負荷6のインピーダンスを調整することが可能になる。この場合、負荷6のインピーダンスは、2の「スイッチの個数」乗通りのインピーダンスが実現できることになる。本実施形態では、説明のため、3つの上記構成要素を用いた整合回路を扱うものとする。この場合、8(=2の3乗)通りのインピーダンスが実現可能である。
なお、スイッチSは、半導体スイッチであってもよいし、メカニカルリレーであってもよい。
図3下図は、本実施形態に係る3つのスイッチSの開閉と、整合器4の状態との関係を示す表である。以下の説明のため、図3下図に示すように、3つのスイッチSをそれぞれS1、S2、S3とし、それぞれのスイッチSの開閉の組み合わせによる整合器4の状態1~8を定義する。例えば、スイッチS1、S2、および、S3がすべて閉である場合、整合器4の状態は状態1になる。整合器4の状態1~8は、それぞれ異なるインピーダンスに対応する。
(整合点探索モードの処理)
図4は、本実施形態に係る整合点探索モードにおける制御器5の処理を示すフローチャートである。なお、以下に記載する制御部の処理内容はあくまでも一例に過ぎない。他の公知技術によって、整合器4の状態を調整してインピーダンス整合を行ってもよい。
ここで、出力パワー制御信号は、高周波電源2の出力を制御するための信号である。なお、出力パワー制御信号と、高周波電源出力レベルとは比例するものとする。設定値V1は、出力パワー制御信号の値のうち、予め設定された値であり、定常電力印加モードにおける出力パワー制御信号の値より小さいものとする。
(ステップS401)
制御器5において、出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号の電圧値を設定値V1に設定する。そして、整合調整部53は、整合器4の状態を「状態1」に設定する。すなわち、整合調整部53は、スイッチS1、S2、および、S3をすべて閉にする。
(ステップS402)
制御器5において、電力値モニタ部51は、検波器3から出力される電力値から進行波電力と、反射波電力(反射電力)とを読み取る。そして、電力値モニタ部51は、反射波電力が予め設定された閾値(第1の閾値)R1よりも小さく、かつ、進行波電力が定常出力印加時の電力値である閾値(第3の閾値)F1よりも小さいか否かを判定する。当該条件を満たす場合(ステップS402のYES)、制御器5は、ステップS403の処理を実行する。当該条件を満たさない(すなわち、反射波電力が閾値R1以上、または、進行波電力が閾値F1以上である)場合(ステップS402のNO)、制御器5は、ステップS404の処理を実行する。
(ステップS403)
出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号を増加させることにより、高周波電源2の出力電力を増加させる。そして、制御器5は、ステップS402の判定を再度実行する。
(ステップS404)
電力値モニタ部51は、進行波電力および反射波電力、ならびに、進行波電力に対する反射波電力の割合である反射率の少なくとも一方を、整合器4の状態に対応付けて記録する。例えば、電力値モニタ部51は、それらの値をメモリに記憶させる。なお、電力値モニタ部51は、反射率を記録する場合には、進行波電力および反射波電力から反射率を算出する。
電力値モニタ部51は、さらに、高周波電源2に内蔵された(備えられた)増幅器21の効率データを取得し、当該効率データを整合器4の状態に対応付けて記録する。当該効率データは、後述する定常電力印加モードにおいて使用される。その詳細については、後述する。
(ステップS405)
電力値モニタ部51は、すべての、整合器4の状態で(整合器4の各インピーダンスについて)記録を行ったか否かを判定する。すべての状態で記録を行った場合(ステップS405のYES)、制御器5は、ステップS406の処理を実行する。すべての状態では記録を行っていない場合(ステップS405のNO)、制御器5は、ステップS408の処理を実行する。
(ステップS406)
制御器5は、ステップS404の処理で記録された、各状態の反射率を比較し、最も反射率が低い状態を整合がとれた状態と判断する。すなわち、制御器5は、反射率のうち最も小さい反射率に対応する、整合器4のインピーダンスを含む負荷インピーダンスが、高周波電源2が定常電力を出力するときの電源インピーダンスに整合すると判断する。この場合、メモリに反射率が記憶されていないとき、制御器5は、進行波電力および反射波電力から反射率を算出する。
(ステップS407)
制御器5は、増幅器21の効率データを用いて整合点のずれの進行方向を確認し、増幅器21の効率が推移する範囲のうち、当該効率が通常値以上の範囲を選択する。
制御器5は、ステップS407の処理に続いて、定常電力印加モードの処理を行う。
(ステップS408)
制御器5において、出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号の電圧値を設定値V1に設定する。そして、整合調整部53は、整合器4の状態を変更して別の状態に設定する。詳細には、整合調整部53は、メモリに未だ記憶されていない状態に整合器4の状態を設定する。整合調整部53は、例えば、状態2から状態3、状態4、・・・、状態8と順次設定してもよい。その後、制御器5は、ステップS402の判定を再度実行する。
図5は、図4の処理を実行した場合の、進行波および反射波の時間変化を示すグラフである。図5には、整合器4の状態1から8における、進行波および反射波の各波形が示されている。
(定常電力印加モードの処理)
図6は、本実施形態に係る整合点探索モードから定常電力印加モードにおける制御器5の処理を示すフローチャートである。
(ステップS601)
制御器5は、整合点探索モードの処理を実施する。当該処理の詳細は、図4およびその説明を参照のこと。
(ステップS602)
制御器5は、整合点の探索が完了したか否かの判定を行う。当該判定の詳細は、図4のステップS405およびその説明を参照のこと。そして、制御器5は、ステップS406において、最も反射率が低くなる整合器の状態を整合がとれた状態と判断して、整合点探索モードを完了する。
整合点の探索が完了した場合(ステップS602のYES)、制御器5は、ステップS604の処理を実行する。整合点の探索が完了していない場合(ステップS602のNO)、制御器5は、ステップS603の処理を実行する。
(ステップS603)
制御器5は、増幅器21の効率データを取得する。電力値モニタ部51は、高周波電源2の増幅器21の効率データを、整合器4の状態(スイッチSの開閉に対応する、整合器4のインピーダンス)に対応付けて記録する。高周波電源2の増幅器の効率データとは、例えば、増幅器21から出力される電力を高周波電源2に入力された電力により除算した値を示すデータである。すなわち、「効率=出力電力÷入力電力(×100)」である。
詳細には、制御器5は、電力値モニタ部51が検波器3から取得した進行波電力を、出力パワー制御部52が設定した出力パワー制御信号の電圧値に対応する入力電力で除算した値を効率データとして取得する。
なお、ステップS603の処理は、整合点探索モードの処理のうち、図4のステップS404における処理の一部に対応する。
(ステップS604)
制御器5は、整合点探索モードから定常電力印加モードに切り替える。詳細には、出力パワー制御部52は、定常電力印加モードにおける出力パワー制御信号の値を設定する。
(ステップS605)
制御器5は、整合点探索によってインピーダンス整合がとれた状態で、整合点のずれの方向を確認する。詳細には、ターゲットTの状態が変化する(例えば、氷から水への変化)ために、負荷インピーダンスが変化することにより、インピーダンス整合がなされた状態から反射波電力の増減が発生する。その際に、反射波電力が増える、または、減少することをずれの方向と考える。
(ステップS606)
制御器5は、インピーダンス整合のずれの方向を確認した後、定常電力印加モードの初期位置を設定する。すなわち、制御器5は、高周波電源2が定常電力を出力する場合に、増幅器21の効率が減少する状況に応じて、負荷インピーダンスの初期値を特定する。
詳細には、制御器5は、高周波電源2の増幅器21の効率データと、インピーダンス整合の許容範囲とに従って、負荷インピーダンスの初期位置を設定する。すなわち、整合点としては、進行波電力と、反射波電力とが同じであるのがよいが、進行波電力および反射波電力の何れかがより大きい許容範囲がある。制御器5は、当該許容範囲内で、増幅器21の効率がよい点を特定する。
これにより、高周波電源2の増幅器21の効率と、整合点探索モードで得られたインピーダンス整合の許容範囲内において、定常電力印加モードを実施することができる。そして、上記の構成によれば、本実施形態における誘電加熱システム1は、高周波電源2、スイッチング素子へのストレスを軽減することができる。
なお、本実施形態に係る制御器5の、整合点探索モードにおける増幅器21の効率データの取得、および、定常電力印加モードにおける初期位置の設定は、整合点探索モードおよび定常電力印加モードを有する誘電加熱システムに適用することができる。
図7は、増幅器21の効率の推移を示すスミスチャートである。図7の上図は、定常電力印加モードにおいて、本実施形態に該当しない増幅器21であって、インピーダンス整合がとれた状態における増幅器21の効率が増減する様子を示す。そのうち、図7の左上図は、増幅器21の効率が80%から70%に減少する様子を示す。一方、図7の右上図は、増幅器21の効率が80%から90%に増加する様子を示す。このように、定常電力印加モードにおいては、増幅器21の効率が減少することもあれば、増加することもある。
図7の下図は、定常電力印加モードにおいて、本実施形態に係る増幅器21であって、負荷インピーダンスの許容範囲内で選択した増幅器21の効率が90%から80%に減少する様子を示す。
本実施形態に係る制御器5は、定常電力印加モードにおいて、増幅器21の効率が80%から70%に減少しながら、高周波電源2が稼働する(図7の左上図)のを避けて、整合点探索モードにおいて取得した効率であって、負荷インピーダンスが許容範囲内にある効率を用いて、増幅器21の効率が90%から80%に推移しながら、高周波電源2が稼働する(図7の下図)ように、負荷インピーダンスの初期位置(初期値)を設定する。
なお、定常電力印加モードにおいて、増幅器21の効率が通常値以上の範囲で推移するのであれば、必ずしも負荷インピーダンスの初期位置が許容範囲内になくてもよい。
また、高周波電力を加えると、ターゲットTにおいて、+および-の電荷を持つ分子が衝突し、振動することにより摩擦熱が発生する。このとき、ターゲットTに加えられたエネルギーを通過エネルギーという。
上記によれば、通過エネルギーの積分値は同じであっても、高周波電源2の増幅器21の効率を加味したときに、当該効率を通常値以上の範囲で推移させることができる。従って、高周波電源2が受けるストレスを減らして、スイッチング素子の破壊、劣化等を抑制することができる。
本実施形態において、限定する要件ではない点を、以下に示す。
(1)出力パワー制御信号と、出力電力との関係は、比例である必要はない。例えば、出力パワー制御信号を増加させることにより、出力電力が減少する関係でもよいし、線形比例する必要もない。
(2)出力パワー制御信号は、アナログ信号である必要はない。例えば、パルス信号のデューティ比による制御でもよいし、何段階かのデジタル的な制御でもよい。
(3)図4のステップS402の判定に用いるデータは、反射率であってもよい。詳細には、制御器5は、反射波電力が閾値R1よりも小さくなり、または、反射率が閾値R2(第2の閾値)よりも小さくなるように、進行波電力を変化させながら負荷インピーダンスを調整してもよい。また、制御器5は、反射波電力が閾値R1よりも小さくなり、または、反射率が閾値R2よりも小さくなるように、かつ、進行波電力が閾値F1と等しくなるか、または、閾値F1を超えない範囲においてできる限り大きくなるように変化させながら、負荷インピーダンスを調整してもよい。
さらに、制御器5は、ステップS402において、上記の判定を行いながら、例えば、調整開始からの経過時間、または、出力パワー制御信号の大きさが閾値に達したと判定した場合には、調整が完了したものとして、ステップS404の処理に移行してもよい。
(4)図4のステップS402の判定に用いる進行波の閾値F1は、定常電力印加モードの電力と同じである必要はない。例えば、高周波電源2の出力レベルが所定値以上であれば出力インピーダンスが変化しないことが分かっている場合には、閾値F1を下げてもよい。また、反射率を正確に記録する目的のために、閾値F1を定常電力印加モードの電力よりも大きい値としてもよい。
(5)整合器4の状態すべてについて反射率を確認する必要はなく、反射率の確認順序も重要ではない。反射率が規定値以下となった時点で探索を完了してもよいし、探索する状態の数を減らしても構わない。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
誘電加熱システム1全体の構成は、実施形態1と同様である。
図8は、本実施形態に係る整合器4aの構成例を示す図である。図8に示すように、整合器4aにおいて、複数のバリアブルコンデンサC(C1、C2)が入出力回路内に直列または並列に接続されている。バリアブルコンデンサCは、キャパシタンスを変化させることができる。整合器4aは、複数配置されたバリアブルコンデンサCのキャパシタンスを変えることにより、連続的にインピーダンスを変更可能であり、負荷6のインピーダンスを調整することが可能である。この場合、負荷6のインピーダンスは、連続的に変化する。
図9は、本実施形態に係る整合点探索モードにおける制御器5の処理を示すフローチャートである。
本実施形態が実施形態1と異なる点は、バリアブルコンデンサCのキャパシタンスが連続的に変化するため、反射率がゼロになる状態が存在することにある。そのため、制御器5は、反射率がゼロとなる、バリアブルコンデンサCのキャパシタンスを探索し、その状態を見つけた時点で探索モードを終了する。
(ステップS901)
制御器5において、出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号の電圧値を設定値V1に設定する。
(ステップS902)
制御器5において、電力値モニタ部51は、検波器3から出力される電力値から進行波電力と、反射波電力とを読み取る。そして、電力値モニタ部51は、反射波電力が予め設定された閾値R1よりも小さく、かつ、進行波電力が定常出力印加時の電力値である閾値F1よりも小さいか否かを判定する。当該条件を満たす場合(ステップS902のYES)、制御器5は、ステップS903の処理を実行する。当該条件を満たさない(すなわち、反射波電力が閾値R1以上、または、進行波電力が閾値F1以上である)場合(ステップS902のNO)、制御器5は、ステップS904の処理を実行する。
(ステップS903)
出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号を増加させることにより、高周波電源2の出力電力を増加させる。そして、制御器5は、ステップS902の判定を再度実行する。
(ステップS904)
電力値モニタ部51は、進行波電力および反射波電力を記録し、さらに高周波電源2の増幅器21の効率データを記録する。詳細は、図4のステップS404およびその説明を参照のこと。
(ステップS905)
電力値モニタ部51は、反射波電力がゼロ、かつ、進行波電力が定常出力印加時の電力値である閾値F1以上か否かを判定する。当該条件を満たす場合(ステップS905のYES)、制御器5は、ステップS906の処理を実行する。当該条件を満たさない(すなわち、反射波電力がゼロでない、または、進行波電力が閾値F1以上である)場合(ステップS905のNO)、制御器5は、ステップS908の処理を実行する。
(ステップS906)
制御器5は、現在の整合器4aの状態を整合がとれた状態と判断する。すなわち、制御器5は、現在の整合器4のインピーダンスを含む負荷インピーダンスが、高周波電源2が定常電力を出力するときの電源インピーダンスに整合すると判断する。
(ステップS907)
制御器5は、増幅器21の効率データを用いて整合点のずれの進行方向を確認し、増幅器21の効率が推移する範囲のうち、当該効率が通常値以上の範囲を選択する。
制御器5は、ステップS907の処理に続いて、定常電力印加モードの処理を行う。定常電力印加モードの処理は、実施形態1と同様である。
(ステップS908)
制御器5において、出力パワー制御部52は、出力パワー制御信号の電圧値を設定値V1に設定する。
(ステップS909)
制御器5において、整合調整部53は、コンデンサC1のキャパシタンスおよびコンデンサC1のキャパシタンスの少なくとも一方(整合器4aのインピーダンス)を変化させることにより、負荷6のインピーダンスを変更する。その後、制御器5は、ステップS902の判定を再度実行する。
上記により、効率的な加熱を行い、かつ、スイッチング半導体の破壊を防ぎながら、定常出力印加モードにおける整合点を正確かつ円滑に探索することができる。
なお、図9のステップS902の判定に用いるデータは、反射率であってもよい。詳細には、制御器5は、反射波電力が閾値R1よりも小さくなり、または、反射率が閾値R2(第2の閾値)よりも小さくなるように、進行波電力を変化させながら負荷インピーダンスを調整してもよい。また、制御器5は、反射波電力が閾値R1よりも小さくなり、または、反射率が閾値R2よりも小さくなるように、かつ、進行波電力が閾値F1と等しくなるか、または、閾値F1を超えない範囲においてできる限り大きくなるように変化させながら、負荷インピーダンスを調整してもよい。
さらに、制御器5は、ステップS902において、上記の判定を行いながら、例えば、調整開始からの経過時間、または、出力パワー制御信号の大きさが閾値に達したと判定した場合には、調整が完了したものとして、ステップS905の判定に移行してもよい。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態に係る誘電加熱システム1の構成、および、整合器4、4aの構成は、実施形態1または2と同様である。
図10は、本実施形態に係る制御器5の電力値モニタ部51および出力パワー制御部52の具体例を示すブロック図である。制御器5は、エラーアンプ(誤差増幅器)54、および、リミッタ(信号制限変換器)55を備えている。
エラーアンプ54は、検波器3から反射波電力検出値(反射電力)の信号を取得し、予め設定された閾値(第1の閾値)R1の信号を取得し、取得した2つの信号の差分に比例した信号を出力する。すなわち、エラーアンプ54は、反射波電力検出値が閾値R1よりも大きい場合に出力を下げ、反射波電力検出値が閾値R1よりも小さい場合に出力を上げる。
リミッタ55は、エラーアンプ54から出力された信号を取得し、当該信号に比例した信号を上限設定値の範囲内で高周波電源2に出力する回路である。リミッタ55の出力は、高周波電源2に対する出力パワー制御信号になっている。なお、高周波電源2は、リミッタ55からの出力パワー制御信号に比例した電力を出力する。
上記により、高周波電源2には、反射波が閾値R1と等しくなるようなフィードバック制御がかかることになる。また、反射波が非常に小さい場合には、リミッタ55にて設定された上限出力を出力することになる。
さらに、上記によれば、本実施形態に係る制御器5を用いながら、整合器4、4aの状態を変えることにより、反射が大きい場合には高周波電源2の出力を小さくし、反射が小さい場合には高周波電源2の出力を大きくするように動作することができる。
したがって、高周波電源2から負荷に電力を印加する場合に、電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスを正確かつ円滑に調整することができる。
なお、本実施形態に係る制御器5においても、実施形態1および2の整合点探索モードにおける増幅器21の効率データの取得、および、定常電力印加モードにおける初期位置の設定を適用することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
誘電加熱システム1の制御器5の制御ブロック(特に、電力値モニタ部51、出力パワー制御部52、および、整合調整部53)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御器5は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る誘電加熱システムは、高周波の電力を出力する電源部と、上記電源部から出力された電力が印加されることにより対象物を加熱する加熱部と、上記電源部と、上記加熱部との間に介設され、自らのインピーダンスを変更可能である可変部と、上記電源部と、上記可変部との間に介設され、上記電源部から上記可変部に出力される出力電力と、当該出力電力が上記可変部に反射されて上記電源部に戻る反射電力とを検出する検出部と、上記電源部が負荷に印加する電力である定常電力を出力するときに当該電源部の出力インピーダンスである電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスであって、上記対象物、上記加熱部、および、上記可変部を含む上記負荷の入力インピーダンスである負荷インピーダンスを調整する制御部と、を備え、上記制御部は、上記負荷インピーダンスを調整する場合に、上記電源部に備えられた増幅器の効率であって、上記電源部に入力される入力電力に対する上記出力電力の割合である効率を取得し、上記電源部が上記定常電力を出力する場合に、上記取得した効率を用いて、上記負荷インピーダンスが許容範囲内であり、かつ、上記効率が所定値以上で推移するための、当該負荷インピーダンスの初期値を特定する。
上記の構成によれば、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、当該高周波電源に備えられた増幅器の効率が所定値以上で推移するので、高周波電源が受けるストレスを軽減することができる。
本発明の態様2に係る誘電加熱システムは、上記態様1において、上記制御部が、上記電源部が上記定常電力を出力する場合に、さらに、上記効率が減少する状況に応じて、負荷インピーダンスの初期値を特定することとしてもよい。
上記の構成によれば、増幅器の効率が減少する状況に応じて、当該効率が所定値以上で推移するように、負荷インピーダンスの初期値を精確に特定することができる。
本発明の態様3に係る誘電加熱システムは、上記態様1または2において、上記制御部が、上記負荷インピーダンスを調整する場合に、上記出力電力および上記反射電力を参照して、上記電源インピーダンスと、上記負荷インピーダンスとが整合していないときに上記出力電力を小さくし、上記電源インピーダンスと、上記負荷インピーダンスとが整合しているときに上記出力電力を大きくする。
上記の構成によれば、電源インピーダンスと、負荷インピーダンスとが整合していない場合には、出力電力が小さいため、反射波の大きさを抑制できるので、例えば、スイッチング半導体の破壊を防ぐことができる。一方、電源インピーダンスと、負荷インピーダンスとが整合している場合には、反射波が発生しないので、例えば、効率的な加熱を行うことができる。したがって、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスを正確かつ円滑に調整することができる。
本発明の態様4に係る誘電加熱システムは、上記態様3において、上記制御部が、上記反射電力が第1の閾値よりも小さくなり、または、上記出力電力に対する上記反射電力の割合である反射率が第2の閾値よりも小さくなるように、上記出力電力を変化させながら上記負荷インピーダンスを調整することとしてもよい。
上記の構成によれば、反射波の大きさを抑制できるので、例えば、スイッチング半導体の破壊を防ぐことができる。
本発明の態様5に係る誘電加熱システムは、上記態様4において、上記制御部が、上記反射電力が第1の閾値よりも小さくなり、または、上記反射率が第2の閾値よりも小さくなるように、かつ、上記出力電力が第3の閾値と等しくなるか、または、第3の閾値を超えない範囲で大きくなるように変化させながら、上記負荷インピーダンスを調整することとしてもよい。
上記の構成によれば、反射波の大きさ及び出力電力の大きさを抑制できるので、例えば、スイッチング半導体の破壊を防ぐことができる。
本発明の態様6に係る誘電加熱システムは、上記態様5において、上記可変部が、離散的にインピーダンスを変更可能であり、上記制御部が、上記可変部の各インピーダンスについて、(1)上記反射電力が第1の閾値よりも小さく、かつ、上記出力電力が第3の閾値よりも小さいとの条件を満たすか否かを判定し、(2)(1)の条件を満たす場合に上記出力電力を増加させて(1)の判定に戻り、(1)の条件を満たさない場合に(3)の処理に進み、(3)上記反射率を算出し、上記反射率のうち最も小さい反射率に対応する、上記可変部のインピーダンスを含む上記負荷インピーダンスが、上記電源部が定常電力を出力するときの上記電源インピーダンスに整合すると判断することとしてもよい。
上記の構成によれば、最も小さい反射率に対応する、可変部のインピーダンスを用いるので、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスを正確かつ円滑に調整することができる。
本発明の態様7に係る誘電加熱システムは、上記態様5において、上記可変部が、連続的にインピーダンスを変更可能であり、上記制御部が、(1)上記反射電力が第1の閾値よりも小さく、かつ、上記出力電力が第3の閾値よりも小さいとの条件を満たすか否かを判定し、(2)(1)の条件を満たす場合に上記出力電力を増加させて(1)の判定に戻り、(1)の条件を満たさない場合に(3)の判定に進み、(3)上記出力電力が第3の閾値よりも大きく、かつ、上記反射電力がゼロであるとの条件を満たすか否かを判定し、(4)(3)の条件を満たす場合に(5)の処理に進み、(3)の条件を満たさない場合に上記可変部のインピーダンスを変更して(1)の判定に戻り、(5)現在の上記可変部のインピーダンスを含む上記負荷インピーダンスが、上記電源部が定常電力を出力するときの上記電源インピーダンスに整合すると判断することとしてもよい。
上記の構成によれば、出力電力が第3の閾値よりも大きく、かつ、反射電力がゼロである、可変部のインピーダンスを用いるので、高周波電源から負荷に電力を印加する場合に、電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスを正確かつ円滑に調整することができる。
本発明の態様8に係る誘電加熱システムは、上記態様1から7において、上記制御部が、上記検出部から上記反射電力の信号を取得し、予め設定された第1の閾値の信号を取得し、取得した2つの信号の差分に比例した信号を出力する誤差増幅器と、上記誤差増幅器から出力された信号を取得し、当該信号に比例した信号を上限設定値の範囲内で上記電源部に出力する信号制限変換器と、を備えていることとしてもよい。
上記の構成によれば、電源部には、反射電力が第1の閾値と等しくなるようなフィードバック制御がかかることになる。また、反射電力が非常に小さい場合には、信号制限変換器にて設定された上限値の信号を出力することになる。したがって、反射電力が大きい場合には電源部の出力電力を小さくし、反射電力が小さい場合には電源部の出力電力を大きくすることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 高周波誘電加熱システム
2 高周波電源(電源部)
3 検波器(検出部)
4、4a 整合器(可変部)
5 制御器(制御部)
6 負荷
T ターゲット(対象物)
21 増幅器
54 エラーアンプ(誤差増幅器)
55 リミッタ(信号制限変換器)
61 電極(加熱部)
R1 閾値(第1の閾値)
R2 閾値(第2の閾値)
F1 閾値(第3の閾値)

Claims (8)

  1. 高周波の電力を出力する電源部と、
    上記電源部から出力された電力が印加されることにより対象物を加熱する加熱部と、
    上記電源部と、上記加熱部との間に介設され、自らのインピーダンスを変更可能である可変部と、
    上記電源部と、上記可変部との間に介設され、上記電源部から上記可変部に出力される出力電力と、当該出力電力が上記可変部に反射されて上記電源部に戻る反射電力とを検出する検出部と、
    上記電源部が負荷に印加する電力である定常電力を出力するときに当該電源部の出力インピーダンスである電源インピーダンスに整合する負荷インピーダンスであって、上記対象物、上記加熱部、および、上記可変部を含む上記負荷の入力インピーダンスである負荷インピーダンスを調整する制御部と、
    を備え、
    上記制御部は、
    上記負荷インピーダンスを調整する場合に、上記電源部に備えられた増幅器の効率であって、上記電源部に入力される入力電力に対する上記出力電力の割合である効率を取得し、
    上記電源部が上記定常電力を出力する場合に、上記取得した効率を用いて、上記負荷インピーダンスが許容範囲内であり、かつ、上記効率が所定値以上で推移するための、当該負荷インピーダンスの初期値を特定する
    ことを特徴とする誘電加熱システム。
  2. 上記制御部は、
    上記電源部が上記定常電力を出力する場合に、さらに、上記効率が減少する状況に応じて、負荷インピーダンスの初期値を特定することを特徴とする請求項1に記載の誘電加熱システム。
  3. 上記制御部は、
    上記負荷インピーダンスを調整する場合に、上記出力電力および上記反射電力を参照して、上記電源インピーダンスと、上記負荷インピーダンスとが整合していないときに上記出力電力を小さくし、上記電源インピーダンスと、上記負荷インピーダンスとが整合しているときに上記出力電力を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の誘電加熱システム。
  4. 上記制御部は、上記反射電力が第1の閾値よりも小さくなり、または、上記出力電力に対する上記反射電力の割合である反射率が第2の閾値よりも小さくなるように、上記出力電力を変化させながら上記負荷インピーダンスを調整することを特徴とする請求項3に記載の誘電加熱システム。
  5. 上記制御部は、上記反射電力が第1の閾値よりも小さくなり、または、上記反射率が第2の閾値よりも小さくなるように、かつ、上記出力電力が第3の閾値と等しくなるか、または、第3の閾値を超えない範囲で大きくなるように変化させながら、上記負荷インピーダンスを調整することを特徴とする請求項4に記載の誘電加熱システム。
  6. 上記可変部は、離散的にインピーダンスを変更可能であり、
    上記制御部は、
    上記可変部の各インピーダンスについて、
    (1)上記反射電力が第1の閾値よりも小さく、かつ、上記出力電力が第3の閾値よりも小さいとの条件を満たすか否かを判定し、
    (2)(1)の条件を満たす場合に上記出力電力を増加させて(1)の判定に戻り、(1)の条件を満たさない場合に(3)の処理に進み、
    (3)上記反射率を算出し、
    上記反射率のうち最も小さい反射率に対応する、上記可変部のインピーダンスを含む上記負荷インピーダンスが、上記電源部が定常電力を出力するときの上記電源インピーダンスに整合すると判断する
    ことを特徴とする請求項5に記載の誘電加熱システム。
  7. 上記可変部は、連続的にインピーダンスを変更可能であり、
    上記制御部は、
    (1)上記反射電力が第1の閾値よりも小さく、かつ、上記出力電力が第3の閾値よりも小さいとの条件を満たすか否かを判定し、
    (2)(1)の条件を満たす場合に上記出力電力を増加させて(1)の判定に戻り、(1)の条件を満たさない場合に(3)の判定に進み、
    (3)上記出力電力が第3の閾値よりも大きく、かつ、上記反射電力がゼロであるとの条件を満たすか否かを判定し、
    (4)(3)の条件を満たす場合に(5)の処理に進み、(3)の条件を満たさない場合に上記可変部のインピーダンスを変更して(1)の判定に戻り、
    (5)現在の上記可変部のインピーダンスを含む上記負荷インピーダンスが、上記電源部が定常電力を出力するときの上記電源インピーダンスに整合すると判断する
    ことを特徴とする請求項5に記載の誘電加熱システム。
  8. 上記制御部は、
    上記検出部から上記反射電力の信号を取得し、予め設定された第1の閾値の信号を取得し、取得した2つの信号の差分に比例した信号を出力する誤差増幅器と、
    上記誤差増幅器から出力された信号を取得し、当該信号に比例した信号を上限設定値の範囲内で上記電源部に出力する信号制限変換器と、
    を備えていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の誘電加熱システム。
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