JP7368722B2 - オーステナイト系耐熱鋼溶接金属、溶接継手、およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料 - Google Patents

オーステナイト系耐熱鋼溶接金属、溶接継手、およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料 Download PDF

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Description

本開示は、オーステナイト系耐熱鋼溶接金属、溶接継手、およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料に関する。
近年、環境負荷軽減の観点から火力発電用ボイラ等では運転条件の高温・高圧化が世界的規模で進められている。過熱器管および再熱器管に使用される材料には、より優れた高温強度、耐食性等の特性を有することが求められている。
このような要求を満たす材料として、従来、多量の窒素および多量のニッケルを含有させた種々のオーステナイト系耐熱鋼(以下、多量の窒素および多量のニッケルを含有させたオーステナイト系耐熱鋼を「高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼」とも称する)が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、高温割れ感受性が低く、クリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属として、C:0.06%~0.14%、Si:0.1%~0.6%、Mn:0.1%~1.8%、Ni:25%~35%、Cr:20%~24%、W:4.5%を超え7.5%以下、Nb:0.05%~0.5%、V:0.05%~0.4%、N:0.1%~0.35%、O:0.08%以下、B:0.0005~0.005%含み、かつ、fn1=10(Nb+V)+1.5W+20N+1500B-25Siとした場合に、fn1が10以上であるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属が開示されている。
国際公開第2019/098034号
特許文献1に開示されている高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼溶接金属は、高温割れ感受性が低く、クリープ破断強度に優れるが、高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼の性能をより一層活用し得るには、クリープ破断強度がさらに向上し、引張強度にも優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属が望ましい。
本開示は、耐溶接割れ性、引張強度、およびクリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびそれを有する溶接継手を提供することを目的とする。
本開示はまた、高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼を溶接して耐溶接割れ性、引張強度、およびクリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびそれを有する溶接継手を得るのに好適な溶接材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 化学組成が、質量%で、
C :0.06%~0.14%、
Si:0.1%~0.6%、
Mn:0.1%~1.8%、
P :0.025%以下、
S :0.003%以下、
Ni:25%~35%、
Cr:20%~24%、
W :4.5%を超え7.5%以下、
Nb:0.5%を超え1.0%以下、
V :0.05%~0.40%、
N :0.1%~0.35%、
O :0.08%以下、
B :0.0005~0.005%、
Al:0%~0.08%、
Ti:0%~0.25%、
Cu:0%~4%、
Co:0%~2%、
Mo:0%~2%、
Ta:0%~1%、
Ca:0%~0.02%、
Mg:0%~0.02%、
REM:0%~0.06%、
残部:Feおよび不純物であり、かつ、
下記(1)式を満足する、オーステナイト系耐熱鋼溶接金属。
14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0 ・・・(1)
式(1)中のC、N、V、Nb、Wは、各元素の質量%での含有量が代入される。
<2> 前記化学組成が、質量%で、
Al:0.0005%~0.08%、
Ti:0.01%~0.25%、
Cu:0.01%~4%、
Co:0.01%~2%、
Mo:0.01%~2%、
Ta:0.01%~1%、
Ca:0.0005%~0.02%、
Mg:0.0005%~0.02%、および
REM:0.0005%~0.06%、
からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、<1>に記載のオーステナイト系耐熱鋼溶接金属。
<3> <1>または<2>に記載のオーステナイト系耐熱鋼溶接金属と、
オーステナイト系耐熱鋼の母材と、を備える、溶接継手。
<4> 前記母材の化学組成が、質量%で、
C :0.02%~0.14%、
Si:0.05%~1%、
Mn:0.1%~3%、
P :0.04%以下、
S :0.002%以下、
Ni:26%~35%、
Cr:20%~26%、
W :1%~7%、
Nb:0.01%~1%、
V :0.01%~1%、
N :0.1%~0.6%、
B :0.0005%~0.008%、
REM:0%~0.06%、
O :0.02%以下、
Al:0%~0.3%、
Ti:0%~0.5%、
Co:0%~2%、
Cu:0%~4%、
Mo:0%~4%、
Ta:0%~1%、
Ca:0%~0.02%、
Mg:0%~0.02%、
残部:Feおよび不純物である、<3>に記載の溶接継手。
<5> 前記母材の化学組成が、質量%で、
REM:0.003%~0.06%、
Al:0.0005%~0.08%、
Ti:0.01%~0.5%、
Co:0.01%~2%、
Cu:0.01%~4%、
Mo:0.01%~4%、
Ta:0.01%~1%、
Ca:0.0005%~0.02%、および
Mg:0.0005%~0.02%、
からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、<4>に記載の溶接継手。
<6> 化学組成が、質量%で、
C :0.06%~0.14%、
Si:0.1%~0.4%、
Mn:0.1%~1.2%、
P :0.01%以下、
S :0.003%以下、
Ni:25%~35%、
Cr:20%~24%、
W :4.5%を超え7.5%以下、
Nb:0.5%を超え1.0%以下、
V :0.05%~0.37%、
N :0.1%~0.35%、
O :0.08%以下、
B :0.0005~0.005%、
Al:0%~0.08%、
Ti:0%~0.25%、
Cu:0%~4%、
Co:0%~2%、
Mo:0%~2%、
Ta:0%~1%、
Ca:0%~0.02%、
Mg:0%~0.02%、
REM:0%~0.06%、
残部:Feおよび不純物であり、かつ、
下記(1)式を満足する、オーステナイト系耐熱鋼用溶接材料。
14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0 ・・・(1)
式(1)中のC、N、V、Nb、Wは、各元素の質量%での含有量が代入される。
<7> 前記化学組成が、質量%で、
Al:0.0005%~0.08%、
Ti:0.01%~0.25%、
Cu:0.01%~4%、
Co:0.01%~2%、
Mo:0.01%~2%、
Ta:0.01%~1%、
Ca:0.0005%~0.02%、
Mg:0.0005%~0.02%、および
REM:0.0005%~0.06%、
からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、<6>に記載のオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料。
本開示によれば、耐溶接割れ性、引張強度、およびクリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびそれを有する溶接継手、ならびに、高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼を溶接して耐溶接割れ性、引張強度、およびクリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびそれを有する溶接継手を得るのに好適な溶接材料が提供される。
本開示の一例である実施形態について説明する。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」または「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、成分組成の元素の含有量は、元素量(例えば、C量、Si量等)と表記する場合がある。
また、成分組成の元素の含有量について、「%」は「質量%」を意味する。
本発明者らは、WやNbを含有させた高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼に関して、種々の検討を実施した結果、以下の事項が判明した。
700℃を超える高温で必要なクリープ破断強度を確保するには、高含有量のWを添加させる必要があり、Nb、W等の固溶強化元素を増量させることで、引張強度およびクリープ破断強度が向上する。しかし、Wが多過ぎるとσ相が析出して脆化し易くなるため、Nb量を多くすることが有効である。
Nb、Wのほか、C、N、Vが、引張強度およびクリープ破断強度の向上に寄与し、引張強度およびクリープ破断強度に対する各元素の寄与に応じて係数付けした下記式(1)を満足することで、引張強度およびクリープ破断強度を効果的に向上させることができる。
14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10 ・・・(1)
(以下、「fs=14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W」とし、式fsにおいて各元素の質量%での含有量を代入して算出される値を「fs値」と称する場合がある。)
引張強度は常温での強さの指標であり、fs値に関係する各元素の固溶強化によって引張強度が向上すると考えられる。一方、クリープ破断強度は高温での強さの指標であり、高温で生じた炭化物、窒化物などの析出物による析出強化によって向上すると考えられる。
<溶接金属および溶接材料>
本開示において、オーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料の化学組成を限定する理由は次のとおりである。
なお、本開示において、溶接金属の化学組成は、溶接金属のうち母材の希釈の影響が顕著ではない部分の化学組成を定量したものとする。溶接金属の化学組成は、より具体的には、溶接金属の中央部付近の化学組成を定量したものとし、可能な場合には、フュージョンラインから0.5mm以上離れた部分の化学組成を定量したものとする。また、「不純物」とはオーステナイト系耐熱鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップまたは製造環境などから混入する成分であり、意図的に含有させたものではない成分を指す。
C:0.06%~0.14%(溶接金属)
0.06%~0.14%(溶接材料)
炭素(C)は、オーステナイト組織を安定にするとともに、微細な炭化物を形成し、高温使用中のクリープ強度を向上させる。これらの効果を十分に得るために、Cは0.06%以上含有させる必要がある。しかしながら、C含有量が過剰である場合、溶接金属中に炭化物が多量に存在するため、延性および靭性が低下する。そのため、溶接金属および溶接材料ともに、C含有量の上限は0.14%以下とする。C含有量の下限は、望ましくは0.07%以上であり、さらに望ましくは0.08%以上である。C含有量の上限は、望ましくは0.13%以下であり、さらに望ましくは0.12%以下である。
Si:0.1%~0.6%(溶接金属)
0.1%~0.4%(溶接材料)
ケイ素(Si)は、脱酸作用を有するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。その効果を得るために、Siは0.1%以上含有させる必要がある。しかしながら、Siが過剰に含有された場合には、組織安定上、Cr、NiおよびNからなる窒化物が析出し、母相中の固溶窒素量低下が生じ、クリープ強度の低下を招く。そのため、Si含有量の上限は、溶接金属では0.6%以下、溶接材料で0.4%以下とする。Si含有量の下限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは0.12%以上であり、さらに望ましくは0.15%以上である。溶接金属のSi含有量の上限は、望ましくは0.58%以下であり、さらに望ましくは0.55%以下であり、さらに望ましくは0.40%以下である。溶接材料のSi含有量の上限は、望ましくは0.38%以下であり、さらに望ましくは0.35%以下である。
Mn:0.1%~1.8%(溶接金属)
0.1%~1.2%(溶接材料)
マンガン(Mn)は、Siと同様、脱酸作用を有する。また、Mnは、オーステナイト組織を安定にし、クリープ強度の向上に寄与する。これらの効果を得るために、Mnは0.1%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mn含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、クリープ延性の低下も生じる。また、溶接材料にMnが含まれる場合、溶接時の凝固割れ感受性が高まる。そのため、Mn含有量の上限は、溶接金属では1.8%以下、溶接材料では1.2%以下とする。Mn含有量の下限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは0.15%以上であり、さらに望ましくは0.2%以上である。溶接金属のMn含有量の上限は、望ましくは1.6%以下であり、さらに望ましくは1.4%以下である。溶接材料のMn含有量の上限は、望ましくは1.1%以下であり、さらに望ましくは1.0%以下である。
P:0.025%以下(溶接金属)
0.01%以下(溶接材料)
リン(P)は、不純物として含まれ、クリープ延性を低下させる元素である。また、溶接材料として用いられる場合、Pは溶接時の凝固割れ感受性を高める。そのため、Pの含有量に上限を設けて、溶接金属では0.025%以下、溶接材料では0.01%以下とする。溶接金属のP含有量の上限は、望ましくは0.023%以下、さらに望ましくは0.020%以下である。溶接材料のP含有量の上限は、望ましくは0.008%以下、さらに望ましくは0.006%以下である。なお、P含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の下限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは0.0005%以上、さらに望ましくは0.0008%以上である。
S:0.003%以下(溶接金属)
0.003%以下(溶接材料)
硫黄(S)は、Pと同様に、不純物として含まれ、高温での使用初期に溶接金属の柱状晶境界に偏析して靭性を低下させる。さらに、溶接時の凝固割れ感受性をも高める。これらを安定して抑制するためには、Sの含有量にも上限を設けて0.003%以下とする必要がある。S含有量は、望ましくは0.0025%以下、さらに望ましくは0.002%以下である。なお、Sの含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は溶接材料の製造コストの増大を招く。そのため、S含有量の下限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは0.0001%以上、さらに望ましくは0.0002%以上である。
Ni:25%~35%(溶接金属)
25%~35%(溶接材料)
ニッケル(Ni)は、長時間使用時のオーステナイト組織の安定性を高め、クリープ強度の向上に寄与する。その効果を十分に得るために、溶接金属および溶接材料ともに、25%以上含有させる必要がある。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量の含有はコストの増大を招く。そのため、Ni含有量には上限を設けて、溶接金属および溶接材料ともに、35%以下とする。溶接金属のNi含有量の下限は、望ましくは25.5%以上であり、さらに望ましくは26%以上である。溶接材料のNi含有量の下限は、望ましくは26%以上であり、さらに望ましくは27%以上である。Ni含有量の上限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは34.5%以下であり、さらに望ましくは34%以下である。
Cr:20%~24%(溶接金属)
20%~24%(溶接材料)
クロム(Cr)は、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。また、微細な炭化物を形成してクリープ強度の確保にも寄与する。十分にその効果を得るために、Crは20%以上含有させる必要がある。しかしながら、Cr含有量が24%を超えると、高温でのオーステナイト組織の安定性が劣化して著しいクリープ強度の低下を招く。したがって、Cr含有量は、溶接金属および溶接材料ともに、20%~24%とする。Cr含有量の下限は、望ましくは20.5%以上であり、さらに望ましくは21%以上である。Cr含有量の上限は、望ましくは23.5%以下であり、さらに望ましくは23%以下である。
W:4.5%を超え7.5%以下(溶接金属)
4.5%を超え7.5%以下(溶接材料)
タングステン(W)は、マトリックスに固溶して、高温でのクリープ強度および引張強度の向上に大きく寄与する元素である。その効果を十分に発揮させるために、Wは少なくとも4.5%を超えた含有が必要である。しかしながら、Wは高価な元素であるため、Wの過剰の含有はコストの増大を招くとともに、組織安定性が低下する。そのため、溶接金属および溶接材料ともに、W含有量の上限は7.5%以下とする。W含有量の下限は、望ましくは4.7%以上であり、さらに望ましくは5%以上であり、さらに望ましくは5.5%以上である。W含有量の上限は、望ましくは7.3%以下であり、さらに望ましくは7%以下である。
Nb:0.5%を超え1.0%以下(溶接金属)
0.5%を超え1.0%以下(溶接材料)
ニオブ(Nb)は、炭素および窒素との親和力が強く、微細な炭窒化物として粒内に析出し、溶接金属の高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。その効果を十分に得るために、Nbは0.5%以上含有させる。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると、高温での使用初期の析出量が増加し、靭性の低下を招くほか、溶接割れが発生し易くなる。そのため、Nb含有量の上限は1.0%以下とする。
クリープ強度および引張強度確保の観点から、Nb含有量の下限は、溶接金属および溶接材料ともに、望ましくは0.55%以上であり、さらに望ましくは0.60%以上である。
靭性低下抑制および溶接割れ抑制の観点から、溶接金属および溶接材料ともにNb含有量の上限は、望ましくは0.95%以下であり、さらに望ましくは0.90%以下である。
V:0.05%~0.40%(溶接金属)
0.05%~0.37%(溶接材料)
バナジウム(V)は、Nbと同様、微細な炭窒化物を形成するが、Nbに比べて、炭素および窒素との親和力が弱い。そのため、Vは使用初期の靭性にNbほど影響を与えることなく、溶接金属のクリープ強度の向上に寄与する。この効果を得るために、Vは0.05%以上含有させる必要がある。しかしながら、Vを過剰に含有すると多量に析出するとともに、析出物の粗大化が著しくなり、クリープ強度および延性の低下を招く。そのため、V含有量の上限は、溶接金属では0.40%以下、溶接材料では0.37%以下とする。V含有量の下限は、望ましくは0.08%以上であり、さらに望ましくは0.1%以上である。溶接金属のV含有量の上限は、望ましくは0.38%以下であり、さらに望ましくは0.35%以下である。溶接材料のV含有量の上限は、望ましくは0.35%以下であり、さらに望ましくは0.32%以下である。
N:0.1%~0.35%(溶接金属)
0.1%~0.35%(溶接材料)
窒素(N)は、オーステナイト組織を安定にするとともに、固溶強化または析出強化により高温強度の向上に寄与する。その効果を得るために、Nは0.1%以上含有させる必要がある。しかしながら、Nが0.35%を超えて含有されると、多量の窒化物が析出して、靭性の低下を招く。そのため、溶接金属および溶接材料ともに、N含有量は0.1%~0.35%とする。N含有量の下限は、望ましくは0.12%以上であり、さらに望ましくは0.15%以上である。N含有量の上限は、望ましくは0.32%以下であり、さらに望ましくは0.30%以下である。
O:0.08%以下(溶接金属)
0.08%以下(溶接材料)
酸素(O)は、不純物として溶接金属中および溶接材料中に含有される。しかしながら、Oの含有量が過剰になると、靭性および延性の劣化を招く。そのため、溶接金属および溶接材料ともに、O含有量の上限は0.08%以下とする。O含有量の上限は、望ましくは0.06%以下であり、さらに望ましくは0.04%以下である。なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量の望ましい下限は0.0005%以上であり、さらに望ましい下限は0.0008%以上である。
B:0.0005%~0.005%(溶接金属)
0.0005%~0.005%(溶接材料)
ホウ素(B)は炭化物を微細に分散させることにより、溶接金属のクリープ強度を向上させるとともに、粒界を強化して靭性の向上にも寄与する。その効果を発揮させるために、Bは0.0005%以上含有させる必要がある。しかしながら、Bは、過剰に含有すると、溶接中の凝固割れ感受性を高める。そのため、溶接金属および溶接材料ともに、B含有量の上限は0.005%以下とする。B含有量の上限は、望ましくは0.004%以下であり、さらに望ましくは0.003%以下であり、さらに望ましくは、0.002%以下である。B含有量の望ましい下限は0.0007%以上であり、さらに望ましい下限は0.001%以上である。
14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0(溶接金属)
14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0(溶接材料)
上述の通り、C、N、V、Nb、Wは引張強度およびクリープ破断強度の向上に寄与する。高温でのクリープ破断強度を確保するため、溶接金属および溶接材料ともに、fs値を10以上とし、望ましくは12以上であり、さらに望ましくは12.5以上である。
なお、fs値の上限は、各元素の含有量の上限値を代入した値であるが、本発明者らの実験によれば、fs値が大き過ぎると靭性が低下する傾向がある。そのため、fs値は、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。
本実施形態によるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料の化学組成の残部は、Feおよび不純物、または、Fe、後述する選択元素および不純物である。
本実施形態によるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料は、Feに代えて、Al、Ti、Cu、Co、Mo、Ta、Ca、Mg、およびREMからなる群から選択される1種または2種以上の元素を含有してもよい。これらの元素は、すべて選択元素である。すなわち、本実施形態のオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料は、これらの元素を含有していなくてもよい。下記に、各成分について説明する。
Al:0~0.08%(溶接金属)
0~0.08%(溶接材料)
アルミニウム(Al)は、母材の製造時に脱酸剤として含有される場合があり、溶接材料の製造時にも脱酸剤として含有される場合がある。その結果、溶接金属にもAlが含有される場合がある。多量のAlを含有すると延性が低下する。そのため、Alを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Al含有量の上限は0.08%以下とする必要がある。Al含有量の上限は、望ましくは0.06%以下であり、さらに望ましくは0.04%以下である。なお、Al含有量の下限は特に設ける必要はないが、Al含有量の極端な低減は、製造コストの増大を招く。そのため、Al含有量の望ましい下限は0.0005%以上であり、さらには望ましい下限は0.001%以上である。
Ti:0%~0.25%(溶接金属)
0%~0.25%(溶接材料)
チタン(Ti)は、NbおよびVと同様、微細な炭窒化物を形成して、高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ti含有量が過剰になると、Nbと同様に使用初期に多量に析出し、靭性の低下を招く。そのため、Tiを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Ti含有量の上限は、0.25%以下とする。Ti含有量の上限は、望ましくは0.23%以下であり、さらに望ましくは0.2%以下である。Ti含有量の下限は、望ましくは0.005%以上であり、さらに望ましくは0.01%以上である。
Cu:0%~4%(溶接金属)
0%~4%(溶接材料)
銅(Cu)は、オーステナイト組織の安定性を高めるとともに、微細に析出してクリープ強度の向上に寄与する。しかしながら、Cuを過剰に含有すると、延性の低下を招く。そのため、Cuを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Cu含有量の上限は4%以下とする。Cu含有量の上限は、望ましくは3.8%以下であり、さらに望ましくは3.5%以下である。Cu含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Co:0%~2%(溶接金属)
0%~2%(溶接材料)
コバルト(Co)は、NiおよびCuと同様、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト組織の安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。しかしながら、Coは、極めて高価な元素であるため、Coの過剰の含有は大幅なコスト増を招く。そのため、Coを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Co含有量の上限は2%以下とする。Co含有量の上限は、望ましくは1.8%以下であり、さらに望ましくは1.5%以下である。Co含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Mo:0%~2%(溶接金属)
0%~2%(溶接材料)
モリブデン(Mo)は、Wと同様、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。しかしながら、Moは、過剰に含有すると組織安定性を低下させ、逆にクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、Moは高価な元素であるため、過剰の含有はコストの増大を招く。そのため、Moを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Mo含有量の上限は2%以下とする。Mo含有量の上限は、望ましくは1.5%以下であり、さらに望ましくは1.2%以下である。Mo含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Ta:0%~1%(溶接金属)
0%~1%(溶接材料)
タンタル(Ta)は、炭窒化物を形成するとともに固溶強化元素として高温強度およびクリープ破断強度を向上させる。一方、Ta含有量が1%を超えると、鋼の加工性や機械的性質が損なわれる。そのため、Taを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Ta含有量の上限は1%以下とする。Ta含有量の下限は、望ましくは0.001%以上であり、さらに望ましくは0.005%以上であり、さらに望ましくは0.01%以上である。Ta含有量の上限は、望ましくは0.7%以下であり、さらに望ましくは0.6%以下である。
Ca:0%~0.02%(溶接金属)
0%~0.02%(溶接材料)
カルシウム(Ca)は、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Caを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Ca含有量の上限は0.02%以下とする。Ca含有量の上限は、望ましくは0.015%以下であり、さらに望ましくは0.01%以下である。Ca含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
Mg:0%~0.02%(溶接金属)
0%~0.02%(溶接材料)
マグネシウム(Mg)は、Caと同様、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mgの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Mgを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、Mg含有量の上限は0.02%以下とする。Mg含有量の上限は、望ましくは0.015%以下であり、さらに望ましくは0.01%以下である。Mg含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
REM:0%~0.06%(溶接金属)
0%~0.06%(溶接材料)
希土類元素(REM)は、CaおよびMgと同様、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REMの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間加工性を劣化させる。そのため、REMを含有する場合、溶接金属および溶接材料ともに、REM含有量の上限は0.06%以下とする。REM含有量の上限は、望ましくは0.04%以下であり、さらに望ましくは0.03%以下である。REM含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
なお、「REM」とはSc、Y、およびランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量はREMのうちの1種または2種以上の元素の合計含有量を指す。また、REMについては一般的にミッシュメタルに含有される。そのため、例えば、REMは、REMの含有量が上記の範囲となるように、ミッシュメタルの形で含有させてもよい。
REMは、溶融した状態で安定して存在させることが困難である。そのため、溶接継手の特性の安定性という観点からは、溶接材料にはREMを含有させないことが好ましい。
本実施形態によるオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料は、通常の方法で製造することができる。例えば、上述した溶接材料の化学組成を有する合金を溶解し、インゴットとし、熱間鍛造、熱間圧延、冷間圧延または冷間抽伸、熱処理などの工程を経て、外径数mm(例えば、1.0mm~2.4mm)の線材とすることで、溶接材料が得られる。
本実施形態による溶接金属は、例えば、上述した溶接材料を用いて、オーステナイト系耐熱鋼を溶接することで製造することができる。
<溶接継手>
本開示の一実施形態による溶接継手は、上述した溶接金属と、オーステナイト系耐熱鋼の母材とを備える。溶接継手は、具体的には、継手部の溶接金属と、溶接金属を挟むオーステナイト系耐熱鋼からなる二つの母材とを有する。溶接継手の具体的形状、溶接継手を得るための溶接の具体的態様(溶接姿勢)は特に限定されず、例えば、鋼管に開先加工した後に突合せ溶接する場合、厚板に開先加工した後に突合せ溶接する場合などに適用すればよい。
<母材>
本施形態による溶接継手の母材は、下記の化学組成を有することが望ましい。
C:0.02%~0.14%
炭素(C)は、オーステナイト組織を安定にするとともに微細な炭化物を形成し、高温使用中のクリープ強度を向上させる。そのため、C含有量の下限は0.02%以上とすることが望ましい。しかしながら、Cが過剰に含有された場合、炭化物が多量に析出し、クリープ延性および靭性が低下する。そのため、C含有量の上限は0.14%以下とすることが望ましい。C含有量の上限は、さらに望ましくは0.03%以上であり、さらに望ましくは0.04%以上である。C含有量の下限は、さらに望ましくは0.13%以下であり、さらに望ましくは0.12%以下である。
Si:0.05%~1%
ケイ素(Si)は、脱酸作用を有するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。そのため、Si含有量の下限は0.05%以上とすることが望ましい。しかしながら、Siが過剰に含有された場合には、組織安定上、Cr、NiおよびNからなる窒化物が析出し、母相中の固溶窒素量低下が生じ、クリープ強度の低下を招く。そのため、Si含有量の上限は1%以下とすることが望ましい。Si含有量の下限は、さらに望ましくは0.08%以上であり、さらに望ましく0.1%以上である。Si含有量の上限は、さらに望ましくは0.8%以下であり、さらに望ましくは0.5%以下である。
Mn:0.1%~3%
マンガン(Mn)は、Siと同様、脱酸作用を有する。また、Mnは、オーステナイト組織の安定化に寄与する。そのため、Mn含有量の下限は0.1%以上とすることが望ましい。しかしながら、Mn含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、クリープ延性の低下も生じる。そのため、Mn含有量の上限は3%以下とすることが望ましい。Mn含有量の下限は、さらに望ましくは0.3%以上であり、さらに望ましくは0.5%以上である。Mn含有量の上限は、さらに望ましくは2.5%以下であり、さらに望ましくは2%以下である。
P:0.04%以下
リン(P)は、不純物として合金中に含まれ、溶接中に溶接熱影響部の結晶粒界に偏析して、液化割れ感受性を高める。さらに、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、P含有量の上限は0.04%以下とすることが望ましい。P含有量の上限は、さらに望ましくは0.028%以下であり、さらに望ましくは0.025%以下である。なお、Pの含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上、さらに望ましくは0.0008%以上である。
S:0.002%以下
硫黄(S)は、Pと同様に不純物として合金中に含まれ、溶接中に溶接熱影響部の結晶粒界に偏析して液化割れ感受性を高める。そのため、S含有量の上限は0.002%以下とすることが望ましい。S含有量の上限は、さらに望ましくは0.0018%以下であり、さらに望ましくは0.0015%以下である。なお、S含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、S含有量の下限は、さらに望ましくは0.0001%以上であり、さらに望ましくは0.0002%以上である。
Ni:26%~35%
ニッケル(Ni)は、長時間使用時のオーステナイト組織の安定性を確保し、クリープ強度を確保するための元素である。そのため、Ni含有量の下限は26%以上とすることが望ましい。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量の含有はコストの増大を招く。そのため、Ni含有量の上限は35%以下とすることが望ましい。Ni含有量の下限は、さらに望ましくは27%以上であり、さらに望ましくは28%以上である。Ni含有量の上限は、さらに望ましくは34%以下であり、さらに望ましくは33%以下である。
Cr:20%~26%
クロム(Cr)は、高温での耐酸化性および耐食性の確保のための元素である。また、微細な炭化物を形成してクリープ強度の確保にも寄与する。そのため、Cr含有量の下限は20%以上とすることが望ましい。しかしながら、Cr含有量が26%を超えると、高温でのオーステナイト組織の安定性が劣化して、クリープ強度の低下を招く。したがって、Crの含有量は20%~26%とすることが望ましい。Cr含有量の下限は、さらに望ましくは20.5%以上であり、さらに望ましくは21%以上である。Cr含有量の上限は、望ましくは25.5%以下であり、さらに望ましくは25%以下である。
W:1%~7%
タングステン(W)は、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度および引張強度の向上に大きく寄与する元素である。そのため、W含有量の下限は1%以上とすることが望ましい。しかしながら、Wを過剰に含有させても、その効果は飽和するか、場合によってはクリープ強度を低下させる。さらに、Wは高価な元素であるため、Wの過剰の含有はコストの増大を招く。そのため、W含有量の上限は7%以下とすることが望ましい。W含有量の下限は、さらに望ましくは1.2%以上であり、さらに望ましくは1.5%以上である。W含有量の上限は、望ましくは6.8%以下であり、さらに望ましくは6.5%以下である。
Nb:0.01%~1%
ニオブ(Nb)は、微細な炭窒化物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。そのため、Nb含有量の下限は0.01%以上とすることが望ましい。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性および靭性の低下を招く。そのため、Nb含有量の上限は1%以下とすることが望ましい。Nb含有量の下限は、さらに望ましくは0.05%以上であり、さらに望ましくは0.1%以上である。Nb含有量の上限は、さらに望ましくは0.9%以下であり、さらに望ましくは0.8%以下である。
V:0.01%~1%
バナジウム(V)は、Nbと同様、微細な炭窒化物を形成して高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。そのため、V含有量の下限は0.01%以上とすることが望ましい。しかしながら、Vの含有量が過剰になると多量に析出して、クリープ延性および靭性の低下を招く。そのため、V含有量の上限は1%以下とすることが望ましい。V含有量の下限は、さらに望ましくは0.05%以上であり、さらに望ましくは0.1%以上である。V含有量の上限は、さらに望ましくは0.9%以下であり、さらに望ましくは0.8%以下である。
N:0.1%~0.6%
窒素(N)は、オーステナイト組織を安定にするとともに、固溶または窒化物として析出し、高温強度の向上に寄与する。そのため、N含有量の下限は0.1%以上とすることが望ましい。しかしながら、Nが過剰に含有されると、長時間使用中に多量の微細窒化物が粒内に析出して、クリープ延性および靭性の低下も招く。そのため、Nの含有量の上限は0.6%以下とすることが望ましい。N含有量の下限は、望ましくは0.12%以上であり、さらに望ましくは0.15%以上である。N含有量の上限は、望ましくは0.58%以下であり、さらに望ましくは0.55%以下である。
B:0.0005%~0.008%
ホウ素(B)は、粒界炭化物を微細分散させることにより、クリープ強度を向上させるとともに、粒界に偏析して粒界強化に寄与する。そのため、B含有量の下限は0.0005%以上とすることが望ましい。しかしながら、B含有量が過剰になると、溶接中の熱影響部の液化割れ感受性を高める。そのため、B含有量の上限は0.008%以下とすることが望ましい。B含有量の上限は、さらに望ましくは0.006%以下であり、さらに望ましくは0.005%以下である。B含有量の下限は、望ましくは0.0006%以上であり、さらに望ましくは0.0008%以上である。
REM:0%~0.06%
希土類元素(REM)は、製造時の熱間変形能の改善に寄与する。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REMの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、逆に熱間変形能を害する。そのため、REM含有量の上限は0.06%以下とすることが好ましい。REM含有量の上限は、さらに望ましくは0.04%以下であり、さらに望ましくは0.03%以下である。REM含有量の下限は、望ましくは0.003%以上であり、さらに望ましくは0.005%以上である。
O:0.02%以下
酸素(O)は、不純物として合金中に含まれ、過剰に含有すると熱間加工性が低下するとともに、靭性および延性の劣化を招く。そのため、O含有量の上限は0.02%以下とすることが望ましい。O含有量の上限は、さらに望ましくは0.018%以下であり、さらに望ましくは0.015%以下である。なお、O含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.0008%以上である。
本実施形態による溶接継手の母材の化学組成の残部は、Feおよび不純物である。
本実施形態による溶接継手の母材は、Feに代えて、Al、Ti、Co、Cu、Mo、Ta、Ca、およびMgからなる群から選択される1種または2種以上の元素を含有してもよい。下記に、各成分について説明する。
Al:0%~0.3%
アルミニウム(Al)は、母材の製造時に脱酸剤として含有される場合がある。しかしながら、多量のAlを含有すると鋼の清浄性が劣化し、熱間加工性が低下する。そのため、Al含有量の上限は0.3%以下とすることが望ましい。Al含有量の上限は、さらに望ましくは0.25%以下であり、さらに望ましくは0.2%以下である。なお、Al含有量の下限は特に設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの増大を招く。そのため、Al含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
Ti:0%~0.5%
チタン(Ti)は、NbおよびVと同様、微細な炭窒化物を形成して、高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ti含有量が過剰になると、Nbと同様に使用初期に多量に析出し、靭性の低下を招く。そのため、Ti含有量の上限は、0.5%以下とすることが望ましい。Ti含有量の上限は、さらに望ましくは0.3%以下であり、さらに望ましくは、0.2%以下である。Ti含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.02%以上である。
Co:0%~2%
コバルト(Co)は、NiおよびCuと同様、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト組織の安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Coは、極めて高価な元素であるため、Coの過剰の含有は大幅なコスト増を招く。そのため、Co含有量の上限は2%以下とすることが望ましい。Co含有量の上限は、さらに望ましくは1.8%以下であり、さらに望ましくは1.5%以下である。Co含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.02%以上である。
Cu:0%~4%
銅(Cu)は、オーステナイト組織の安定性を高めるとともに、使用中に微細に析出して、クリープ強度の向上に寄与する。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Cuを過剰に含有すると、延性の低下を招く。そのため、Cu含有量の上限は4%以下とすることが望ましい。Cu含有量の上限は、さらに望ましくは3.8%以下であり、さらに望ましくは3.5%以下である。Cu含有量の下限は、望ましくは0.005%以上であり、さらに望ましくは0.01%以上である。
Mo:0%~4%
モリブデン(Mo)は、Wと同様、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度および引張強度の向上に寄与する元素である。そのため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Moは、過剰に含有すると組織安定性を低下させ、逆にクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、Moは高価な元素であるため、過剰の含有はコストの増大を招く。そのため、Mo含有量の上限は4%以下とすることが望ましい。Mo含有量の上限は、さらに望ましくは2%以下であり、さらに望ましくは1.2%以下である。Mo含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Ta:0%~1%
タンタル(Ta)は、炭窒化物を形成するとともに固溶強化元素として高温強度およびクリープ破断強度を向上させる。そのため、必要に応じて含有させてもよい。一方、Ta含有量が1%を超えると、鋼の加工性や機械的性質が損なわれる。そのため、Ta含有量の上限は1%以下とすることが望ましい。Ta含有量の上限は、さらに望ましくは0.7%以下、さらに望ましくは0.6%以下である。Ta含有量の下限は、望ましくは0.01%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Ca:0%~0.02%
カルシウム(Ca)は、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Ca含有量の上限は0.02%以下とすることが望ましい。Ca含有量の上限は、さらに望ましくは0.015%以下であり、さらに望ましくは0.01%以下である。Ca含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
Mg:0%~0.02%
マグネシウム(Mg)は、Caと同様、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mgの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Mg含有量の上限は0.02%以下とすることが望ましい。Mg含有量の上限は、さらに望ましくは0.015%以下であり、さらに望ましくは0.01%以下である。Mg含有量の下限は、望ましくは0.0005%以上であり、さらに望ましくは0.001%以上である。
本実施形態による溶接継手の製造に使用する溶接材料および母材は特に限定されないが、上述した化学組成を有する溶接材料を用いて、上述した化学組成を有する母材を溶接することで好適に製造することができる。
以下、実施例によって本開示をより具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
(溶接用母材の作製)
表1に示す化学組成を有する材料を実験室溶解して鋳込んだインゴットから、熱間鍛造、熱間圧延、冷間圧延、熱処理および機械加工により、板厚12mm、幅50mm、長さ120mmの板材を作製し、溶接用母材とした。
(溶接材料の作製)
さらに、表2に示す化学組成を有する材料を実験室溶解して鋳込んだインゴットから、熱間鍛造、熱間圧延、熱処理および機械加工により、板厚4mm、幅200mm、長さ500mmの板材を作製し、機械加工により、2mm角、500mm長さのカットフィラー(溶接材料)を作製した。


(溶接継手の作製)
上記の母材の長手方向に、角度30°、ルート面(ルートフェイス)1mmのV開先を加工した後、市販の鋼板(JIS G 3160(2008)に規定のSM400B、厚さ25mm、幅150mm、長さ200mm)上に、被覆アーク溶接棒(JIS Z3224(1999)に規定の「DNiCrFe-3」)を用いて、四周を拘束溶接した。
その後、上記作製したカットフィラーを用いて、シールドガスをArとした手動ティグ溶接により開先内に積層溶接を行って溶接継手を作製した。なお、溶接に際しては、入熱を9kJ/cm~15kJ/cmとした。
得られた溶接継手の溶接金属を長手方向に垂直に切断した断面において、幅方向中央かつ板厚方向中央をドリルで1mm程度切削して切粉を採取し、溶接金属の化学分析を行った。表3にその結果を示す。
[引張試験]
各溶接継手から、溶接金属を平行部中央とした丸棒引張試験片を採取し、JIS Z2241(2011)に準拠して、常温室温(10℃~35℃)での引張試験に供した。母材での破断を「合格」、溶接金属部での破断を「不合格」とした。
[クリープ破断試験]
各溶接継手から、溶接金属を平行部中央としたクリープ破断試験片を採取した。750℃、127MPaの条件でクリープ破断試験を行い、その破断時間が2000時間を超えるものを「合格」とし、2000時間以下であるものを「不合格」とした。
[耐溶接割れ性]
各溶接継手の溶接金属の5カ所から、観察面が継手の横断面(溶接ビードと垂直な断面)になるように試料を採取した。採取した試料を鏡面研磨、腐食した後、光学顕微鏡によって検鏡し(倍率:100倍)、溶接金属部における割れの有無を調査した。5個の試料のすべてで割れが観察されなかった溶接継手、または1個の試料で割れが観察された溶接継手を「合格」と判断した。2個以上の試料で割れが観察された溶接継手を「不合格」と判断した。
[シャルピー衝撃試験/靭性]
各溶接継手から、溶接金属を平行部中央とし、ノッチを加工した2mmVノッチフルサイズシャルピー衝撃試験片を3本採取し、シャルピー衝撃試験に供した。シャルピー衝撃試験は、JIS-Z2242(2005)に準拠して行った。試験は、20℃にて実施し、3本の試験片の吸収エネルギーの平均値が100J以上となるものを「合格」とし、中でも3本の試験片の吸収エネルギーの個値が全て100J以上となるものを「合格(優)」、それ以外を「合格(可)」とし、一方、3本の試験片の吸収エネルギーの平均値が100Jを下回るものを「不合格」とした。
表4に、上記各試験の結果を併せて示す。

表4に示すように、化学組成が本開示で規定する範囲にある符号1、3、5および7~12、15~18の溶接金属を有する溶接継手は、引張強度、クリープ破断強度、耐溶接割れ性が合格である。また、符号1、3、5、11および15~18は特に靭性も優れている。
これに対して、符号2、4、6の溶接金属を有する溶接継手では、溶接金属のNb含有量が0.5%超を下回っており、引張強度およびクリープ破断強度がいずれも不十分であった。
符号13の溶接金属を有する溶接継手では、溶接金属のNb含有量が1.0%を超えており、耐溶接割れ性および靱性が不十分であった。
符号14の溶接金属を有する溶接継手では、fs値が10未満であり、引張強度が不十分であった。
このように、本開示の要件を満足する溶接金属は、溶接割れが発生し難く、引張強度およびクリープ破断強度に優れるため、溶接構造物として高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼の性能を十分活用し得ることが分かる。
本開示を活用すれば、高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼を溶接構造物として使用する際に、その性能を十分活用し得る、耐溶接割れ性、引張強度、およびクリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱鋼溶接金属およびそれを有する溶接継手を提供できる。そのため、本開示の溶接金属とそれを有する溶接継手は、高窒素高ニッケル含有オーステナイト系耐熱鋼を、火力発電用ボイラ等、高温で使用される機器に適用される溶接構造物を構成する溶接金属とそれを有する溶接継手として有用である。

Claims (7)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C :0.06%~0.14%、
    Si:0.1%~0.6%、
    Mn:0.1%~1.8%、
    P :0.025%以下、
    S :0.003%以下、
    Ni:25%~35%、
    Cr:20%~24%、
    W :4.5%を超え7.5%以下、
    Nb:0.5%を超え1.0%以下、
    V :0.05%~0.40%、
    N :0.1%~0.35%、
    O :0.08%以下、
    B :0.0005~0.005%、
    Al:0%~0.08%、
    Ti:0%~0.25%、
    Cu:0%~4%、
    Co:0%~2%、
    Mo:0%~2%、
    Ta:0%~1%、
    Ca:0%~0.02%、
    Mg:0%~0.02%、
    REM:0%~0.06%、
    残部:Feおよび不純物であり、かつ、
    下記(1)式を満足する、オーステナイト系耐熱鋼溶接金属。
    14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0 ・・・(1) 式(1)中のC、N、V、Nb、Wは、各元素の質量%での含有量が代入される。
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Al:0.0005%~0.08%、
    Ti:0.01%~0.25%、
    Cu:0.01%~4%、
    Co:0.01%~2%、
    Mo:0.01%~2%、
    Ta:0.01%~1%、
    Ca:0.0005%~0.02%、
    Mg:0.0005%~0.02%、および
    REM:0.0005%~0.06%、
    からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、請求項1に記載のオーステナイト系耐熱鋼溶接金属。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオーステナイト系耐熱鋼溶接金属と、
    オーステナイト系耐熱鋼の母材と、を備える、溶接継手。
  4. 前記母材の化学組成が、質量%で、
    C :0.02%~0.14%、
    Si:0.05%~1%、
    Mn:0.1%~3%、
    P :0.04%以下、
    S :0.002%以下、
    Ni:26%~35%、
    Cr:20%~26%、
    W :1%~7%、
    Nb:0.01%~1%、
    V :0.01%~1%、
    N :0.1%~0.6%、
    B :0.0005%~0.008%、
    REM:0%~0.06%、
    O :0.02%以下、
    Al:0%~0.3%、
    Ti:0%~0.5%、
    Co:0%~2%、
    Cu:0%~4%、
    Mo:0%~4%、
    Ta:0%~1%、
    Ca:0%~0.02%、
    Mg:0%~0.02%、
    残部:Feおよび不純物である、請求項3に記載の溶接継手。
  5. 前記母材の化学組成が、質量%で、
    REM:0.003%~0.06%、
    Al:0.0005%~0.08%、
    Ti:0.01%~0.5%、
    Co:0.01%~2%、
    Cu:0.01%~4%、
    Mo:0.01%~4%、
    Ta:0.01%~1%、
    Ca:0.0005%~0.02%、および
    Mg:0.0005%~0.02%、
    からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、請求項4に記載の溶接継手。
  6. 化学組成が、質量%で、
    C :0.06%~0.14%、
    Si:0.1%~0.4%、
    Mn:0.1%~1.2%、
    P :0.01%以下、
    S :0.003%以下、
    Ni:25%~35%、
    Cr:20%~24%、
    W :4.5%を超え7.5%以下、
    Nb:0.5%を超え1.0%以下、
    V :0.05%~0.37%、
    N :0.1%~0.35%、
    O :0.08%以下、
    B :0.0005~0.005%、
    Al:0%~0.08%、
    Ti:0%~0.25%、
    Cu:0%~4%、
    Co:0%~2%、
    Mo:0%~2%、
    Ta:0%~1%、
    Ca:0%~0.02%、
    Mg:0%~0.02%、
    REM:0%~0.06%、
    残部:Feおよび不純物であり、かつ、
    下記(1)式を満足する、オーステナイト系耐熱鋼用溶接材料。
    14×(C+N)+1.2×V+5.5×Nb+0.7×W≧10.0 ・・・(1)
    式(1)中のC、N、V、Nb、Wは、各元素の質量%での含有量が代入される。
  7. 前記化学組成が、質量%で、
    Al:0.0005%~0.08%、
    Ti:0.01%~0.25%、
    Cu:0.01%~4%、
    Co:0.01%~2%、
    Mo:0.01%~2%、
    Ta:0.01%~1%、
    Ca:0.0005%~0.02%、
    Mg:0.0005%~0.02%、および
    REM:0.0005%~0.06%、
    からなる群から選択される1種または2種以上を満たす、請求項6に記載のオーステナイト系耐熱鋼用溶接材料。
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