JP7367954B2 - 還元材及び金属酸化物の還元方法 - Google Patents

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Description

本発明は、還元材及び金属酸化物の還元方法に関する。
鉄は、鉄鉱石に主要成分として含まれる酸化鉄を還元することで生産される。酸化鉄の還元するための還元材として、木炭又は石炭が用いられる。製鉄に石炭を用いる場合、石炭を1000~1300℃で蒸し焼きにして、石炭中の不純物を揮発させたコークスが使用される。鉄鉱石とコークスとを混合し焼き固めた焼結鉱を溶鉱炉で溶かすことで、銑鉄が得られる。
コークスの原料となる石炭は化石燃料であるため有限である。石炭の燃焼及び溶鉱炉でのコークスの使用は、大気中の二酸化炭素量を増大させる。このため、製鉄における石炭の使用によって、環境問題を引き起こされることが懸念される。
特許文献1には、鉱石から金属鉄を生産するための還元材として、バイオマス物質の粒子又はプラスチック樹脂物質の粒子を用いることが開示されている。
特表2009-530492号公報
特許文献1に開示された鉄の生産方法では、上記還元材を酸化鉄と混合した混合物を溶鉱炉で1375~1425℃に加熱し、還元反応を行わなければならない。鉄に限らず、例えば銅鉱石から粗銅を得る工程では、酸化銅を還元するために2000℃を越える高温で銅鉱石を加熱しなければならない。還元反応に要する温度が高いと、燃料の使用量増大に伴って高コストになり、排出する二酸化炭素量も増大してしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、金属酸化物の還元反応に要する温度をより低温にすることができる還元材及び金属酸化物の還元方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る還元材は、
炭化したイグサ科の植物と、
炭化していない植物と、を含み、
前記炭化したイグサ科の植物と前記炭化していない植物との重量比は、
1:10~10:1である。
本発明の第の観点に係る金属酸化物の還元方法は、
上記本発明の第1の観点に係る還元材及び金属酸化物を含む混合物を撹拌する撹拌ステップと、
前記撹拌ステップで得られた前記混合物を加熱する加熱ステップと、
を含む。
この場合、前記撹拌ステップは、
前記炭化したイグサ科の植物及び前記金属酸化物を含む第1の混合物を撹拌する第1の撹拌ステップと、
前記第1の混合物に前記炭化していない植物を混合した第2の混合物を前記混合物として撹拌する第2の撹拌ステップと、
を含む、
こととしてもよい。
本発明によれば、金属酸化物の還元反応に要する温度をより低温にすることができる。
実施例A1に係る生成物の回折チャートを示す図である。 実施例A2に係る生成物の回折チャートを示す図である。 実施例A3に係る生成物の回折チャートを示す図である。 実施例A4に係る生成物の回折チャートを示す図である。 実施例A5及びA6に係る生成物、並びに標準物質の回折チャートを示す図である。 実施例B1~B3に係る生成物及び標準物質の回折チャートを示す図である。 実施例C1及びC2に係る生成物、並びに標準物質の回折チャートを示す図である。 実施例C3及びC4に係る生成物、並びに標準物質の回折チャートを示す図である。
本発明に係る実施の形態について説明する。なお、本発明は下記の実施の形態によって限定されるものではない。
(実施の形態)
本実施の形態に係る還元材は、炭化した植物1を含む。植物1の種類は特に限定されず、任意の種類の、任意の部位を使用することができる。植物1は、採取直後の植物1でもよいし、採取から数日間経過した植物1でもよい。植物1は、好ましくは葉である。植物1として、より具体的には、マキ科のマキの葉及びモッコク科サカキ属のサカキの葉が挙げられる。
好適には、植物1はイグサ科の植物である。例えば、イグサ科の植物は、主に畳表及びゴザ等に利用されるイグサである。イグサは、好ましくは乾燥されて当該還元材に用いられる。イグサの含水率は、特に限定されないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。イグサの含水率は、天日干し及び加熱乾燥等の公知の乾燥処理により調整することができる。イグサとして、好ましくはイグサの茎が用いられる。イグサの茎は、円筒形状の外筒部と、外筒部の内部に綿状の繊維を有している。
上記還元材に用いられる植物1は、炭化されている。植物1に含まれる繊維が炭化されることで形成される構造に金属酸化物が吸着するため、効率よく還元反応を行うことができる。植物1としてのイグサの茎の場合、イグサの茎における綿状の繊維が炭化されることで形成される微細な構造に金属酸化物が吸着するため、さらに効率よく還元反応を行うことができる。植物1を高温で炭化処理すると、繊維が消失してしまうことがある。このため、植物1を炭化する炭化処理(炭化ステップ)では、植物1を、比較的低温で加熱して炭化する。
炭化処理では、植物1を、空気下で加熱してもよいし、窒素、二酸化炭素及びアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で加熱してもよい。空気下で加熱する場合、開放した容器内で植物1を加熱してもよいし、空気を供給した閉塞した容器内で植物1を加熱してもよい。不活性ガス雰囲気下で加熱する場合、不活性ガスを供給した閉塞した容器内で植物1を加熱すればよい。
加熱は公知の熱供給手段で行えばよい。熱供給手段としては、焚き木、ガスバーナー、電熱器及び電気炉等が挙げられる。植物の加熱にあたっては、適宜、温度センサ等を用いて、植物1を保持する容器内の温度を制御するのが好ましい。
炭化処理では、切断した植物1を加熱して炭化する。炭化処理の温度は、例えば、200~1000℃、200~800℃、200~600℃又は200~450℃、特に好ましくは200~350℃又は200~300℃である。炭化処理での加熱時間は、5~30分、5~20分又は8~15分、好ましくは10分である。植物1として植物の葉を炭化処理する場合、植物の葉は、好ましくは、長手方向で0.5~100mm、1~40mm、2~30mm又は3~10mmの長さに切断される。植物1として植物の枝を炭化処理する場合、植物の枝は、長手方向で0.5~10mm、0.8~5mm、又は1~3mmの長さに切断される。
植物1として炭化されるイグサの茎の長さは、長手方向に0.1~100mmが好ましく、0.2~50mmがさらに好ましく、1~30mmが特に好ましい。好適には、炭化されるイグサの茎の長さは、長手方向に0.5~7mm又は0.5~4mmである。
本実施の形態に係る還元材は、好ましくは、炭化していない植物2をさらに含む。好ましくは、植物2は、イグサ以外の植物である。植物2の種類は特に限定されず、任意の種類の、任意の部位を使用することができる。植物2は、採取直後の植物2でもよいし、採取から数日間経過した植物2でもよい。植物2としては、例えば葉、枝及び木材チップ又はこれらの組み合わせであってもよく、複数種の植物の葉、枝及び木材チップ等が混在してもよい。
植物2は、上述の炭化処理における植物1と同様に、あるいはさらに細かく切断されてから使用されてもよい。植物2として植物は、好ましくは、長手方向で0.5mm~8cm、0.8mm~7cm、1mm~6cm、1.5mm~5cm又は2mm~5cmの長さに切断されて用いられる。
還元材が炭化した植物1と炭化していない植物2とを含む場合、好ましくは、還元材は、それぞれ別個の容器又は袋等に梱包された植物1及び植物2を含む。還元材に含まれる植物1と植物2との重量比は、1:10~10:1、1:4~4:1、3:7~7:3、2:3~3:2である。好ましくは、植物1と植物2との重量比は、例えば1:2、1:6又は1:4である。
続いて、上記の還元材の使用方法について説明する。当該還元材は、金属酸化物を還元するのに適している。本実施の形態に係る金属酸化物の還元方法は、撹拌ステップと、加熱ステップと、を含む。撹拌ステップでは、上記還元材及び金属酸化物を含む混合物を撹拌する。混合物における還元材及び金属酸化物の混合比は、適宜調整されるが、例えば、還元材と金属酸化物との混合比は、重量比で1:10~10:1、1:4~4:1、3:7~7:3、2:3~3:2である。還元材と金属酸化物との混合比は、例えば、1:2、3:2、5:4又は1:4である。
還元材が第1の容器又は袋に梱包された植物1及び第1の容器又は袋とは異なる第2の容器又は袋に梱包された植物2を含む場合、撹拌ステップは、炭化した植物1及び金属酸化物を含む第1の混合物を撹拌する第1の撹拌ステップと、第1の混合物に炭化していない植物2を混合した第2の混合物を撹拌する第2の撹拌ステップを含む。この場合、例えば、第1の撹拌ステップでは、植物1として炭化したイグサの茎と金属酸化物とを含む混合物を撹拌する。第2の撹拌ステップでは、当該混合物に植物2としてイグサ科以外の炭化していない葉、枝及び木材チップを混合し撹拌する。
混合物の撹拌には、公知の任意の方法が用いられる。好適には、混合物の撹拌には回転式の撹拌機が用いられる。撹拌の時間は、混合物における還元材及び金属酸化物が均一に混ざり合えば、特に限定されず、例えば5分~2時間、5分~1.5時間又は10~1時間である。なお、上記の第2の撹拌ステップでは、回転式の撹拌機を用いた第1の撹拌ステップでの撹拌よりも軽く撹拌するようにしてもよい。
金属酸化物は、金属が酸化されたものであれば特に限定されない。好ましくは、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化マンガン等が挙げられる。酸化鉄は、赤鉄鉱(Fe)、磁鉄鉱(Fe)及び褐鉄鉱(Fe・nHO)等であってもよく、酸化鉄として、針鉄鉱(FeO(OH))、鱗鉄鉱、菱鉄鉱(FeCO)等を用いてもよい。また、酸化鉄として、鉄鉱石を用いてもよい。酸化銅としは、例えば、赤銅鉱(酸化銅(I)、CuO)及び黒銅鉱(酸化銅(II)、CuO)が挙げられる。好ましくは、金属酸化物として、金属酸化物の粉体が用いられる。金属酸化物の粉体の粒径は、例えば数百μm、数十μm、好ましくは1~9μmであってもよいし、1~1000nmであってもよい。
加熱ステップでは、撹拌ステップで得られた混合物を加熱する。加熱ステップは、上記の炭化処理と同様に公知の熱供給手段で行えばよい。加熱ステップにおける温度及び加熱時間は、金属酸化物の種類に応じて、予備検討により適宜設定される。加熱ステップでは、混合物の温度を、500~1200℃、600~1200℃、700~1100℃又は800~1000℃にすればよい。例えば、金属酸化物が酸化鉄の場合、混合物を700~900℃、好ましくは800~900℃、より好ましくは800℃又は900℃に加熱する。加熱時間は、例えば、1~4時間、1.5~3時間、好ましくは1時間又は2時間である。また、金属酸化物が酸化銅の場合、混合物を500~800℃、好ましくは600~700℃、より好ましくは600℃又は700℃に加熱する。加熱時間は、例えば、1~4時間、1.5~3時間、好ましくは1時間又は2時間である。
加熱ステップは、温度の異なる2段階の加熱処理を含んでもよい。この場合、混合ステップは、混合物を第1の温度で加熱する第1の加熱処理と、第1の温度よりも高い第2の温度で混合物を加熱する第2の加熱処理を含む。第1の温度は、600~1200℃から選択され、第2の温度は、第1の温度より高い温度が600~1200℃から選択される。第1の加熱処理の時間は、第2の加熱処理の時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1の加熱処理の時間及び第2の加熱処理の時間は、例えば、それぞれ30分~2時間又は45分~1.5時間である。好ましくは、第1の加熱処理の時間及び第2の加熱処理の時間は、それぞれ1時間である。
上述の加熱ステップによって金属酸化物が還元され、金属が生成物として得られる。具体的には、金属酸化物が酸化鉄の場合、生成物として鉄が得られる。また、金属酸化物が酸化銅の場合、生成物として銅が得られる。
下記実施例に示すように、本実施の形態に係る還元材によれば、従来よりも低温で金属酸化物を還元して金属を得ることができる。すなわち、金属酸化物の還元反応に要する温度をより低温にすることができる。これにより、金属酸化物の還元にかかるコストを抑えることができ、さらに排出する二酸化炭素量を抑制することができる。
本実施の形態に係る還元材では、炭化した植物1としてイグサ科の植物を用いてもよいこととした。下記実施例1に示すように、イグサを炭化することによって、金属酸化物の還元反応に要する温度をさらに低温にすることができる。また、本実施の形態に係る還元材は、炭化していない植物2をさらに含んでもよいこととした。これにより、下記実施例1及び2に示されるように、効率よく金属酸化物を還元することができる。
なお、上述の植物2としては、上記の他に、稲わらのような草本、植物由来の廃棄物(農業残渣)、スギ等の木材チップのような木本及び木本の葉等が挙げられる。また、本実施の形態に係る還元材は、炭化したイグサ科の植物と炭化していないイグサ科の植物とを含んでもよい。
上記の炭化処理及び加熱ステップにおいて、熱供給手段は、鉄及び合金等の熱伝導率の高い素材で形成された板を介して植物又は混合物を加熱してもよいし、回転パンや回転ドラムを介して植物1等を回転させたり、撹拌具を介して植物1等を撹拌したりしながら植物1等を加熱してもよい。
なお、上記実施の形態では、還元材が炭化した植物1と炭化していない植物2とを含む場合、還元材は、それぞれ別個の容器又は袋等に梱包された植物1及び植物2を含んでもよいこととしたが、これに限らない。還元材が炭化した植物1と炭化していない植物2とを含む場合、植物1と植物2とが均一に混ぜ合わされた状態で、還元材として容器又は袋等に梱包されてもよい。
別の実施の形態に係る還元材は、炭化されていないイグサ科の植物を含む。下記実施例1に示すように、イグサ科の植物は、炭化されていなくても、低温での還元反応によって、金属酸化物を還元して金属を得ることができる。なお、還元材が炭化されていないイグサ科の植物を含む場合、当該還元材は、イグサ科の植物以外の植物をさらに含んでもよい。イグサ科の植物以外の植物は、上記の植物2と同様で、複数種の植物の葉、枝及び木材チップ等が混在してもよく、切断されてから使用されてもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
低温炭化
乾燥させたイグサの茎を0.5~3mmの長さに切断した。切断したイグサの茎(以下、“乾燥イグサ”とする)の一部を、鉄板を用いて、空気下、200~350℃で5~15分間加熱し、炭化したイグサ(以下、“イグサ炭化物”とする)を得た。
加熱処理
乾燥イグサ又はイグサ炭化物と酸化鉄(Fe)又は酸化銅(CuO)の粉末とを、一端に設けられた蓋が開閉可能な円柱状の容器(底面の直径が3~4cm、高さが7~10cm)中で所定の重量比で混合し、回転式撹拌機(ボルテックスミキサーMX-S、アズワン社製)を用いて10分間~1時間撹拌した。回転式撹拌機から取り出した容器を上下左右に数分間さらに振ることで試料を得た。試料をアルゴン雰囲気下で加熱した。1000℃までの加熱には、熱処理炉(タナカテック社製)を用い、1000℃以上の加熱には、超高温炉SCC-U-30/220(倉田技研社製)を用いた。加熱後に得られた生成物を粉砕後、Cu-Kα線を用いたX線回折法によって分析した。
また、乾燥イグサ又はイグサ炭化物及び酸化金属の粉末に加え、採取したマキの葉及び枝を、回転式撹拌機で撹拌後に上記の容器で混合した試料についても調製した。この場合、葉及び枝は2mm~5cmの長さに切断して用いた。試料を上記と同様に加熱し、得られた生成物を粉砕後、Cu-Kα線を用いたX線回折法によって分析した。
本実施例に係る試料及び加熱処理の詳細を表1に示す。なお、表中、“-”は試料に含まれていないことを表す。上記低温炭化において、実施例A1、A3及びA4では、乾燥させたイグサの茎を0.5~3mmの長さに切断し、炭化時の温度を200~350℃とした。実施例A2では、乾燥させたイグサの茎を2~3mmの長さに切断した。一方、実施例B1~B3では、0.5~2mmの長さに切断した乾燥させたイグサの茎を還元材に用いた。実施例B3における低温炭化における温度は200~300℃とした。
Figure 0007367954000001
(結果)
図1に実施例A1に係る生成物の回折チャートを示す。当該回折チャートでも2θが45°、66°及び83°付近にある鉄の主なピークが確認され、実施例A1に係る生成物が鉄であることが示された。図2、図3及び図4は、それぞれ実施例A2、A3及びA4の回折チャートを示す。いずれの回折チャートにも2θが43°及び50°付近にある銅の主なピークが確認され、実施例A2、A3及びA4に係る生成物が銅であることが示された。実施例A2と実施例A4とを比較すると、還元材としてイグサ炭化物を用いることで、加熱処理の時間を短くしても、同様に銅が得られることがわかった。
図5は、実施例A5及びA6の回折チャートを示す。いずれの回折チャートにも2θが43°及び50°付近にある銅の主なピークが確認され、実施例A5及びA6に係る生成物のほとんどが銅であることが示された。
図6に実施例B1、B2及びB3に係る生成物の回折チャートを示す。いずれの回折チャートにも鉄のピークが確認された。実施例B1と実施例B3とを比較すると、還元材としてイグサ炭化物を用いることで、FeOの生成を抑制することができ、より純粋な鉄が得られることがわかった。
実施例A1の試料には葉及び枝が含まれないのに対し、実施例B3の試料には葉及び枝が含まれる。実施例B3は、実施例A1と比較して、短い時間かつ低温の加熱処理で純度の高い鉄を得ることができる。よって、還元材に炭化されていない葉及び枝が含まれることで、効率よく酸化鉄を還元することができる。同様に、実施例A3の試料には葉及び枝が含まれないのに対し、実施例A5及びA6の試料には葉及び枝が含まれる。実施例A5及びA6は、実施例A3と比較して、短い時間かつ低温の加熱処理で純度の高い銅を得ることができる。よって、還元材に炭化されていない葉及び枝が含まれることで、効率よく酸化銅を還元することができる。
また、実施例A1、A3及びA4におけるイグサの茎の炭化では、200~350℃で加熱したのに対し、実施例B3におけるイグサの茎の炭化では、200~300℃で加熱した。このことから、イグサ炭化物は、300~350℃よりも低温域の200~300℃で加熱しても還元材としての性能を備えることが示された。
(実施例2)
低温炭化
本実施例では、イグサ科の植物を使用しない還元材に係る実施例について説明する。採取したマキ及びサカキの葉を、0.5~3mmの長さに切断した。切断した葉を、鉄板を用いて、空気下、200~300℃で8~15分間加熱し、炭化した植物(以下、“植物炭化物”とする)を得た。
植物炭化物とは別に、マキ及びサカキの葉及び枝を、長手方向に約1~5cmの長さに切断した。切断した植物に長手方向に1cm程の長さの木材チップを混合して葉等混合物を得た。
加熱処理
植物炭化物と、酸化鉄(Fe)又は酸化銅(CuO)の粉末とを、上述の容器中で所定の重量比で混合し、回転式撹拌機を用いて10分間~1時間撹拌した。回転式撹拌機から取り出した容器を上下左右に数分間さらに振り、所定重量の葉等混合物を加え、さらに混合し、試料を得た。試料をアルゴン雰囲気下、実施例1と同様に加熱した。加熱後に得られた生成物を粉砕後、Cu-Kα線を用いたX線回折法によって分析した。
本実施例に係る試料及び加熱処理の詳細を表2に示す。
Figure 0007367954000002
(結果)
図7に実施例C1及びC2に係る生成物の回折チャートを示す。いずれの回折チャートにも鉄の主なピークが確認され、実施例C1及びC2に係る生成物が主に鉄であることが示された。図8は、実施例C3及びC4に係る生成物の回折チャートを示す。いずれの回折チャートにも銅の主なピークが確認され、実施例C3及びC4に係る生成物が銅であることが示された。イグサ炭化物のみならず、植物炭化物でも酸化鉄及び酸化銅を従来よりも低温で還元することができた。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等な発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、金属の生産に好適である。
1,2 植物

Claims (3)

  1. 炭化したイグサ科の植物と、
    炭化していない植物と、を含み、
    前記炭化したイグサ科の植物と前記炭化していない植物との重量比は、
    1:10~10:1である、
    還元材。
  2. 請求項1に記載の還元材及び金属酸化物を含む混合物を撹拌する撹拌ステップと、
    前記撹拌ステップで得られた前記混合物を加熱する加熱ステップと、
    を含む、金属酸化物の還元方法。
  3. 前記撹拌ステップは、
    前記炭化したイグサ科の植物及び前記金属酸化物を含む第1の混合物を撹拌する第1の撹拌ステップと、
    前記第1の混合物に前記炭化していない植物を混合した第2の混合物を前記混合物として撹拌する第2の撹拌ステップと、
    を含む、請求項に記載の金属酸化物の還元方法。
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