JP7366747B2 - 血液凝固抗体 - Google Patents

血液凝固抗体 Download PDF

Info

Publication number
JP7366747B2
JP7366747B2 JP2019541422A JP2019541422A JP7366747B2 JP 7366747 B2 JP7366747 B2 JP 7366747B2 JP 2019541422 A JP2019541422 A JP 2019541422A JP 2019541422 A JP2019541422 A JP 2019541422A JP 7366747 B2 JP7366747 B2 JP 7366747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
seq
antigen
variable domain
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019541422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020506927A (ja
JP2020506927A5 (ja
Inventor
カリーナ・トアン
ビャーネ・グラム・ハンセン
ラウスト・ブルーン・ヨンセン
ミゲル・ノース・ハーンデール
ジル・ヤン
ヘンリク・ウスタゴー
ピア・ジェイ・グライセン
エヴァ・ヨハンソン
モーテン・グランベク・ラシュ
ジャンヘ・チェン
アンダース・スヴェンソン
ハイスン・ジュ
ロン・ジョウ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novo Nordisk AS
Original Assignee
Novo Nordisk AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Novo Nordisk AS filed Critical Novo Nordisk AS
Publication of JP2020506927A publication Critical patent/JP2020506927A/ja
Publication of JP2020506927A5 publication Critical patent/JP2020506927A5/ja
Priority to JP2021124447A priority Critical patent/JP2021176898A/ja
Priority to JP2023173586A priority patent/JP2023179628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7366747B2 publication Critical patent/JP7366747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/36Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against blood coagulation factors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/001154Enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/31Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency multispecific
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/34Identification of a linear epitope shorter than 20 amino acid residues or of a conformational epitope defined by amino acid residues
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/55Fab or Fab'
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/75Agonist effect on antigen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

配列表の参照による組み込み
「160163WO02_ST25」と題する配列表は198キロバイトであり、2018年1月30日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。
血友病AおよびBを有するヒトなどの凝固障害を持つ患者では、凝固カスケードの様々な工程が、例えば、機能的凝固因子の欠如または不十分な存在によって、機能不全となる。こうした凝固カスケードの一部の機能不全は、不十分な血液凝固および潜在的に生命を脅かす出血、または関節などの内臓への損傷をもたらす。
一般的に血友病Aと呼ばれる凝固第VIII因子(FVIII)欠損症は、世界中の約420,000人に影響を及ぼす先天性出血障害であり、そのうち約105,000人が現在診断されている。
血友病Aを有する患者は、外因性FVIIIなどの凝固因子補充療法を受けうる。従来的治療は、出血症状の予防またはオンデマンド療法として提供される、補充療法からなる。最近まで、重度の血友病Aを有する患者に対する予防処置は、血漿由来FVIIIまたは組み換えFVIII、またはその長時間作用型変異体のいずれかで、一週間に最大三回の静脈内注射であった。
しかしながら、このような患者は、このような外因性因子に対する中和抗体、いわゆる阻害物質を発生させるリスクがあり、以前に効率的だった治療も無効にする。阻害物質を有する血友病A患者は、部分的に先天的であり、部分的に後天的である凝固障害の非限定的な例である。FVIIIに対する阻害物質を発生させた患者は、従来の置換療法で治療できない。最近、ヘムライブラという新薬が、阻害物質を有する血友病Aの皮下予防治療として承認された。外因性凝固因子は、静脈内にのみ投与される可能性があり、これは患者にとってかなりの不便と不快感である。例えば、乳児および幼児は、静脈へのアクセスを保証するために、胸部静脈に静脈内カテーテルを外科的に挿入する必要がありうる。これにより、細菌感染症の発症リスクが高まる。したがって、ヘムライブラを導入しても、阻害物質を有する血友病には、代替的皮下治療が必要である。
出血している個体では、血管外TFが血液中の活性化FVII(FVIIa)にさらされると、組織因子/第VIIa因子(TF/FVIIa)複合体の形成によって凝固が開始される。TF/FVIIa複合体の形成は、凝固第X因子(FX)が活性化凝固第Xa因子(FXa)に活性化され、活性化凝固第V因子(FVa)と共に、限られた量のトロンビンを生成し、次に血小板を活性化する。活性化された血小板は、活性化第VIII因子(FVIIIa)および活性化凝固第IX因子(FIXa)から構成されるテナーゼ複合体のアセンブリをサポートする。テナーゼ複合体は、非常に効率的なFX活性化の触媒であり、この第二の工程で生成されるFXaは、最終的なトロンビンバーストに関与するFVa/FXaプロトロンビナーゼ複合体中の活性プロテアーゼとして機能する。トロンビンは、フィブリノゲンを切断してフィブリンモノマーを生成し、これは重合してフィブリンネットワークを形成し、漏れた血管を封鎖して、出血を止める。急速および広範囲のトロンビンバーストは、固体化し安定なフィブリン血栓形成の必要条件である。
FVIII活性の低下または欠如によって引き起こされる不適切なFXa形成およびトロンビン生成の低下は、血友病A患者の出血素因の根底にある理由である。
言及したように、FXの酵素的に活性な形態FXaへのタンパク質分解変換は、FIXaおよびその補因子FVIIIaを含む固有のFX活性化複合体によって達成されうる。補因子結合は、FIXaの酵素活性を約五桁のオーダーで増加させ、Scheiflingerらが、(2008)J Thromb Haemost、6:315-322で概説したように、複数のメカニズムを通じて生じると考えられている。特に、FVIIIaは、FXに対するタンパク質分解活性を増加させたFIXaの構造を安定化させることがわかっている(Kolkman JA、Mertens K(2000)Biochemistry、39:7398-7405、Zogg T、Brandstetter H(2009)Biol Chem、390:391-400)。この観察に基づき、抗体が様々なタンパク質間相互作用を模倣できる多用途の結合タンパク質であることを認識し、Scheiflingerらは、リン脂質表面およびカルシウムの存在下、しかし天然補因子FVIIIaの非存在下で、FIXaによるFX活性化を強化する能力を特徴とするアゴニスト抗FIXa抗体のスクリーニングを実施した。5280のハイブリドーマ上清のスクリーニングから、88が様々な程度のFIXaアゴニスト活性を示す抗体を産生することがわかった。EP1220923 B1およびEP1660536 B1を参照のこと。FX活性化の動態およびFVIII欠損ヒト血漿におけるトロンビン生成を刺激する能力に関して、EP1660536 B1は一貫して最も効率的な抗体として224F3を示している(例えば、セクション0060および0062を参照のこと)。
ACE910またはEmicizumAb(商名名Hemlibra(登録商標))は、血友病Aの治療用に中外製薬が開発したヒト化二重特異性抗FIX(a)/抗FX(a)モノクローナル抗体である。ACE910は、FVIII補因子機能を模倣するように設計されている(Sampeiら:(2013)PloS One、8、e57479、およびWO2012067176を参照のこと)。
特に血友病コミュニティ、および一般に凝固障害を持つ対象において、まだ多くの満たされていない医療ニーズがあり、本発明は、FVIIIの代わりとなることができ、したがって血友病Aなどの凝固障害の治療に有用である改善された化合物に関する。
本発明は、凝固障害を患う患者、特に阻害物質を有する血友病A患者を含む、血友病A患者などの機能性FVIIIを欠く患者において、凝固第VIII因子(FVIII)の代替物として役立つ化合物に関する。
したがって、本発明の一態様は、FXaの生成を増強し、したがってFVIIIを欠く患者の凝固を部分的にまたは完全に回復させることができる化合物に関する。
一態様では、化合物は抗体である。こうした一態様では、化合物は二重特異性抗体などの多重特異性抗体である。
特定の一態様では、本発明は、血友病A患者などのFVIIIを欠く患者のFVIIIの代替物として役立つ血液凝固抗体に関する。
そのような一態様では、抗体は、FXに対するFIXaの酵素活性に結合し、増加させ、任意でFXにも結合する。
一態様では、本発明は、FXおよび結合FXに対するFIXaの酵素活性を増加させる二重特異性血液凝固抗体を含む、FXに結合する血液凝固抗体に関する。
一態様では、本発明は、凝固FIX/FIXaおよびFX/FXaに結合することができる血液凝固二重特異性抗体に関する。
一態様では、抗体はヒトまたはヒト化である。
本発明のさらなる態様は、特定の抗FIXまたは抗FIXa抗体またはその抗原結合性断片などの血液凝固抗体の一部である個別抗体またはその抗原結合性断片に関する。本発明のさらなる態様は、特定の抗FXまたは抗FXa抗体またはその抗原結合性断片などの血液凝固抗体の一部である個別抗体またはその抗原結合性断片に関する。
本発明のさらなる態様は、本明細書に開示される抗体、およびその中間体の製造に関する。
本発明のさらなる態様は、FIX/FIXaへの結合について、本明細書に開示される血液凝固抗体またはこの抗原結合性断片と競合する抗体に関する。
本発明のさらなる態様は、FX/FXaへの結合について、本明細書に開示される抗体またはこの抗原結合性断片と競合する血液凝固抗体に関する。
本発明のなおさらなる態様は、凝固障害の予防および/または治療のために該抗体の送達用に製剤化された本明細書に開示される血液凝固抗体を含む医薬組成物に関する。
本発明のさらなる態様は、凝固障害、凝固障害を伴う疾患、または凝固障害によって引き起こされる疾患の予防および/または治療のための本明細書に開示される血液凝固抗体に関する。
本発明はまた、例示的な実施形態の開示から明らかとなる、さらなる問題を解決する可能性がある。
図1は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの相補性決定領域1、2および3(CDR1、CDR2、およびCDR3)がボックス内で連続的に強調されている、配列番号3~188の整列した配列を示す。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図2は、ヒト組織因子活性化血友病A乏血小板血漿(HA-PPP)の二重特異性抗体mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、mAb5-1409、およびACE910からのトロンビン生成試験(TGT)データを示す。実験は、実施例17に記述されるように実施された。点線および点状線は、それぞれHA-PPPおよび通常PPPにおける抗FVIII抗体が存在しない場合に観察されるピークトロンビンレベル(nM)を示し、それらの標準偏差は点線で示されている。mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、およびmAb5-1409のプロファイルは、上向きの三角形で示されているが、ACE910のそれは下向きの三角形で示されている。実験A~Dは、独立した実験を意味し、これらの各実験の中で、各抗体濃度におけるピークトロンビンのレベルは、少なくとも三つの独立した実験の平均±標準偏差を表す。 図3は、ヒト組織因子活性化血友病A多血小板血漿(HA-PRP)の二重特異性抗体mAb5-0057、mAb5-1409、およびACE910からのトロンビン生成試験(TGT)データを示す。実験は、実施例17に記述されるように実施された。点線および点状線は、それぞれHA-PRPおよび通常PRPにおける抗FVIII抗体が存在しない場合に観察されるピークトロンビンレベル(nM)を示し、それらの標準偏差は点線で示されている。mAb5-0057およびmAb5-1409のプロファイルは、上向きの三角形で示されているが、ACE910のそれは下向きの三角形で示されている。結果は、四つの独立した実験からの平均±標準偏差として示されている。 図4は、ヒト第XIa因子活性化乏血小板血漿中のmAb1-9016および224F3の一価ワンアームド(OA)抗体からのトロンビン生成試験(TGT)データを示す。実験は、実施例18に記述されるように実施された。点状線は、抗体が存在しない場合に観察された平均ピークトロンビンレベル(nM)を示し、その標準偏差(±1SD)は点線で示されている。mAb1-9016および224F3(mAb1-1582)のOAバージョンのプロファイルは、それぞれ三角形の上向きと下向きで示されている。
配列の簡単な説明
配列番号1は、ヒト凝固第IX因子のアミノ酸配列である。
配列番号2は、ヒト凝固第X因子のアミノ酸配列である。
配列番号3~188は、本明細書に記載の抗FIXおよび抗FXモノクローナル抗体(mAbs)の重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)の配列である。対応するワンアームド(OA)抗体ならびに特定の二重特異性抗体のIDも表に示す。CDR1-3配列を図1のボックスで強調する。
抗体略語、標的、および対応するVおよびV配列の配列番号の概要:
Figure 0007366747000001
Figure 0007366747000002
一列目(「OAまたは二重特異性抗体ID」)は、一価ワンアームド(OA)抗体およびまたは二重特異性抗体の略語を含む。二列目(「mAb ID」)は、対応する成分抗体の略語を表す(二重特異性抗体の場合、二列目の最初に記載されている抗体は抗FIX/FIXa抗体であり、二番目は抗FX/FXa抗体である)。四列目(「配列番号(V)」)および五列目(「配列番号(V)」)は、VおよびV配列の配列番号をそれぞれ表し、各列の最初の配列番号は、抗FIX/FIXa抗体を表し、二番目は抗FX/FXa抗体を表す。
血友病Aを有するヒトなどの凝固障害を持つ対象では、凝固カスケードは機能的FVIIIの欠如または不十分な存在によって機能不全にされる。こうした凝固カスケードの一つの部分の機能不全は、不十分な血液凝固および潜在的に生命を脅かす出血、または関節などの内臓への損傷をもたらす。本発明は、凝固障害を患う患者、特に阻害物質を有する血友病A患者を含む、血友病A患者などの機能性FVIIIを欠く患者において、凝固第VIII因子(FVIII)の代替物として役立つ化合物に関する。一態様では、こうした化合物は抗体である。
特に、本発明の発明者らは、高い効力および有効性を有するFVIII補因子活性を模倣する驚くほど識別された抗体を持つ。
特定の一態様では、本発明は、血友病A患者などの機能的FVIIIを欠く患者のFVIIIの代替物として役立つ凝血原抗体に関する。
こうした一態様では、血液凝固抗体は、凝固第X因子(FX)に対する凝固第Xa因子(FIXa)の酵素活性に結合し、酵素活性を増加させ、任意でFXも結合する。かかる一態様において、本発明の抗体は、FIX/FIXaおよびFXに結合することができる二重特異性抗体である。
凝固第IX因子
FIXは、第VII因子、プロトロンビン、第X因子、およびタンパク質Cと構造的に類似したビタミンK依存性凝固因子である。循環する酵素前駆体型は、N末端γ-カルボキシグルタミン酸リッチ(Gla)ドメイン、二つのEGFドメイン、およびC末端トリプシン様セリンプロテアーゼドメインを含む、四つの異なるドメインに分割された415個のアミノ酸から成る。FIXは、血漿中で単鎖酵素前駆体(配列番号1)として循環する。FIXの活性化は、Arg145およびArg180での限定的タンパク質分解によって生じ、活性化ペプチドを放出する(配列番号1の残基146~180)。したがって、活性化されたFIX(FIXa)は、配列番号1(軽鎖)の残基1~145、および配列番号1(重鎖)の残基181~415から構成される。
したがって、循環FIX分子は、FIX酵素前駆体、および活性型のFIXを含み、これは本明細書では一般に、配列番号1に関してFIXおよびFIXaと呼ばれる。
活性化第IX因子は、第IXa因子またはFIXaと呼ばれる。「FIX(配列番号1)および/またはその活性型(FIXa)」という用語は、「FIX/FIXa」または「FIX(a)」とも呼ばれる。
FIXaは、テナーゼ複合体の一部として、凝固中に適切なトロンビン形成をサポートするために必要な第Xa因子のほとんどを生成することにより、止血において重要な役割を果たす、トリプシン様セリンプロテアーゼである。
FIXは、本明細書では、ヒトFIXのAla148対立遺伝子型に対応する配列番号1で表される(Ansonら、EMBO J.1984 3:1053-1060;McGrawら、Proc Natl Acad Sci USA.1985 82:2847-2851;Grahamら、Am.J.Hum.Genet.1988 42:573-580)。本発明では、FIXは、T148変異体(Uniprot ID P00740)などのFIXのすべての天然変異体を網羅することを意図している。
凝固第X因子
FXは、第VII因子、プロトロンビン、FIX、およびタンパク質Cと構造的に類似したビタミンK依存性凝固因子である。ヒトFX酵素前駆体は、N末端ガンマ-カルボキシグルタミン酸リッチ(Gla)ドメイン、二つのEGFドメイン、およびC末端トリプシン様セリンプロテアーゼドメインを含む、四つの異なるドメインを含む。FXは、配列番号2(軽鎖)の残基1~139および配列番号2(重鎖)の残基143~448を含む、二鎖酵素前駆体として血漿中で循環する。FXの活性化は、Arg194での限定されたタンパク質分解によって起こり、活性化ペプチドの放出をもたらす(Aa143~194)。したがって、活性化FX(FXa)は、配列番号2(軽鎖)の残基1~139および配列番号2(活性化重鎖)の残基195~448から構成される。したがって、循環FX分子は、FX酵素前駆体、および活性型のFXを含み、これは本明細書では、配列番号2に関してそれぞれFXおよびFXaと呼ばれる。本発明では、FXは、FXのすべての天然変異体を網羅することを意図している。「FX(配列番号2)および/またはその活性型(FXa)」という用語は、「FX/FXa」または「FX(a)」とも呼ばれる。
抗体
本明細書において「抗体」という用語は、抗原またはその一部に結合する能力を有する免疫グロブリン配列に由来するタンパク質を指す。抗体という用語には、任意のクラス(またはアイソタイプ)、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、IgMおよび/またはIgYの全長抗体が含まれるが、これらに限定されない。抗体という用語は、二重特異性抗体などの二価である抗体を含むが、これに限定されない。
天然全長抗体は、ジスルフィド結合によって結合される二つの重鎖(HC)および二つの軽鎖(LC)の少なくとも四つのポリペプチド鎖を含む。一部の事例では、天然抗体は、軟骨魚類に見られるIgNARの場合のように、四つ未満の鎖を含む。特定の医薬品の免疫グロブリンの一つのクラスはIgGである。ヒトにおいて、IgGクラスは、それらの重鎖定常領域の配列に基づいて、四つのサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4に分割されてもよい。軽鎖は、それらの配列組成物の差異に基づいて、二つのタイプ、カッパ鎖およびラムダ鎖に分けることができる。IgG分子は、二つ以上のジスルフィド結合によって連結された二つの重鎖、およびそれぞれがジスルフィド結合によって重鎖に結合した二つの軽鎖で構成されている。IgG重鎖は、重鎖可変ドメイン(V)および最大三つの重鎖定常(C)ドメイン:C1、C2、およびC3を含んでもよい。軽鎖は、軽鎖可変ドメイン(V)および軽鎖定常ドメイン(C)を含んでもよい。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が点在する、相補性決定領域(CDR)または超可変領域(HvR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分化されうる。VおよびVドメインは、一般に三つのCDRと四つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序で配置される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。超可変領域(CDR)を含有する重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインは、抗原と相互作用できる構造を形成する一方で、抗体の定常領域は、免疫グロブリンの宿主組織または因子への結合を媒介しうる。この宿主組織または因子には免疫系の種々の細胞(エフェクター細胞)、Fc受容体、および第一の構成要素である、伝統的補体系のC1複合体のC1qなどが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の抗体は、単一B細胞からまたはB細胞のクローン集団によって発現される一連の固有の重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列を表すという意味で、モノクローナル抗体(mAbs)であってもよい。本発明の抗体は、当業者に公知の様々な方法を使用して生成および精製されてもよい。例えば、抗体はハイブリドーマ細胞から生成されてもよい。抗体は、B細胞増殖によって生成されうる。抗体またはその断片は、哺乳類または微生物の発現系で、またはインビトロ翻訳により組み換え発現されてもよい。抗体またはその断片はまた、例えば、ファージディスプレイ、細菌表示、酵母表示、哺乳類細胞表示、またはリボソームもしくはmRNA表示によって、細胞表面結合分子として組み換え発現されてもよい。
本発明の抗体は単離されてもよい。「単離抗体」という用語は、それが生成された環境中の他の成分から分離および/または回収された抗体、および/またはそれが生成された環境中に存在する構成要素の混合物から精製された抗体を指す。
抗体のある抗原結合性断片は、抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片によって実行できることが示されているため、本発明の文脈において適切でありうる。抗体の「抗原結合性断片」という用語は、本明細書に記載されるように、FIX/FIXa、FX/FXaまたは別の標的分子などの抗原に特異的に結合または認識する能力を保持する抗体の一つまたは複数の断片を指す。抗原結合性断片の例には、Fab、Fab’、Fab、Fab’、Fv(通常、抗体の単一アームのVドメインおよびVドメインの組み合わせ)、単鎖Fv(scFv)(例えば、Birdら、Science 1988;242:423-426;およびHustonら、PNAS 1988;85:5879-5883を参照のこと)、dSfv、Fd(通常、VおよびC1ドメイン)、単一のVおよび単一のVドメインの両方を含む一価分子、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、カッパボディ(例えば、IIIなど(1997)Protein Eng10:949-57を参照のこと)、ならびに一つまたは複数の単離されたCDRまたは機能的パラトープが含まれ(これらに限定されない)、単離されたCDRまたは抗原結合残基もしくはポリペプチドが、機能性抗体断片を形成するように関連または一緒に連結されうる。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来的技術を使用して取得されてもよく、また断片は、インタクトな抗体と同様の方法でスクリーニングされてもよい。
「Fab」断片および「Fab’」断片を含む、抗体の「Fab断片」は、抗体の重鎖を接続するヒンジシステイン残基のN末端側またはC末端側それぞれのヒンジ領域の重鎖の切断することによって、抗体から誘導されうる。「Fab」断片は、軽鎖の可変ドメインおよび定常ドメイン、ならびに重鎖の可変ドメインおよびC1領域を含む。「Fab’」断片は、それらのヒンジシステインによって一般に共有結合された一対の「Fab」断片を含む。Fab’は、Fab’の重鎖を接続するヒンジジスルフィド結合の切断により、Fab’断片から公式に誘導される。抗体断片のジスルフィド結合以外の他の化学的結合も当技術分野で公知である。Fab断片は、潜在的に低い親和性で、その抗原に結合する親抗体の能力を保持する。Fab’断片は二価の結合が可能だが、Fab断片およびFab’断片は一価しか結合できない。一般的に、Fab断片には、定常C2ドメインおよびC3ドメイン、すなわちFc受容体とC1qとの相互作用が発生するFc部位がない。したがって、Fab断片は一般的にエフェクター機能を欠いている。Fab断片は、抗体の酵素切断、例えば、Fabを得るためにパパインを使用して、またはFab’を得るためにペプシンを使用して、当技術分野で公知の方法によって生成されうる。Fab、Fab’、Fab’を含むFab断片は、当技術分野で公知の方法を使用して組み換え生成されうる。
「Fv」(断片可変)断片は、完全な抗原認識および結合部位を含有する抗体断片であり、一般的に、例えば、単鎖可変ドメイン断片(scFv)において、自然に共有結合できることに関連して、一つの重鎖および一つの軽鎖可変ドメインを含む。この構成では、各可変ドメインの三つの超可変領域が相互作用して、V-V二量体の表面上に抗原結合部位を定義する。集合的に、六つの超可変領域またはそのサブセットは、抗体に対する抗原結合特異性を与える。
「単鎖Fv」または「scFv」抗体は、抗体のVドメインおよびVドメインを含み、これらのドメインは単一ポリペプチド鎖に存在する。一般的に、Fvポリペプチドは、VドメインおよびVドメインの間のポリペプチドリンカーをさらに含み、scFvが抗原結合のために望ましい構造を形成することを可能にする。scFvのレビューについては、Pluckthun、1994、In:The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,Vol.113、Rosenburg、およびMoore eds.Springer-Verlag、New York、pp.269-315を参照のこと。
「単鎖Fab」または「scFab」抗体は、抗体のV、C1、VおよびCドメインを含み、これらのドメインは単一ポリペプチド鎖に存在する。一般的に、Fabポリペプチドは、抗原結合のための望ましい構造を形成することを可能にする、両方のVとCドメインとの間、またはVとCドメインとの間のどちらかの間のポリペプチドリンカーをさらに含む(Koerberら、(2015)J Mol Biol.427:576-86)。
「ダイアボディ」という用語は、二つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片を意味し、その断片は、同一ポリペプチド鎖(VおよびV)内の軽鎖可変ドメイン(V)に接続されている重鎖可変ドメイン(V)を含む。同じ鎖上の二つの可変ドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを使用して、可変ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと強制的にペアリングされ、二つの抗原結合部位を作り出す。
「線形抗体」という表現は、ザパタら、(1995)Protein Eng.8:1057-1062に記載される抗体を意味する。簡潔に述べると、これらの抗体は、相補的軽鎖ポリペプチドと共に、一対の抗原結合領域を形成する、一対のタンデムFdセグメント(V-C1~V-C1)を含有する。線形抗体は、二重特異性または単一特異性でありうる。
抗体断片は、従来的な組み換え型またはタンパク質エンジニアリング技術を使用して得ることができ、断片は、インタクトな抗体と同様の方法でFIXおよびその活性化型、FXまたは別の機能への結合についてスクリーニングすることができる。
本発明の抗体断片は、例えば、ポリペプチドのN末端および/またはC末端からの一つまたは複数のアミノ酸の除去によって、切断によって作製されてもよい。断片はまた、一つまたは複数の内部欠失によって生成されてもよい。
本発明の抗体は、抗体の断片、または本明細書に開示される抗体のいずれか一つの変異体であってもよく、またはそれを含んでもよい。本発明の抗体は、これらの抗体の一つの抗原結合部分、またはその変異体であってもよく、またはそれを含んでもよい。例えば、本発明の抗体は、これらの抗体のうちの一つのFab断片、もしくはその変異体であってもよく、またはこれらの抗体のうちの一つに由来する単鎖抗体、もしくはその変異体であってもよい。また、本発明の抗体は、全長抗体とその断片の組み合わせであってもよい。
本明細書において使用される場合、「ワンアームド」という用語は、抗体重鎖、Fab領域を欠いている切断型重鎖、および単一軽鎖によって構成される特定のタイプの一価抗体を指す。
本明細書で使用される場合、「単一特異性」抗体という用語は、一つの特定のエピトープ(二価抗体を含むがこれに限定されない)に結合することができる抗体を指す。
本明細書で使用される場合、「二重特異性」抗体という用語は、二つの異なる抗原または同じ抗原上の二つの異なるエピトープに結合することができる抗体を指す。
本明細書で使用される場合、「三重特異性」抗体という用語は、三つの異なる抗原、または同じ抗原上の三つの異なるエピトープ、または二つの異なる抗原上に存在する三つの異なるエピトープに結合することができる抗体を指す。
本明細書で使用される場合、「多重特異性」抗体という用語は、二つ以上の異なる抗原または同じ抗原上の二つ以上の異なるエピトープに結合することができる抗体を指す。したがって、多重特異性抗体は、二重特異性抗体および三重特異性抗体を含む。
全長IgG型の二重特異性抗体は、二つの個別ハイブリドーマの融合によって生成され、二重特異性ヘテロ二量体化抗体の断片を含む抗体の混合物を生成する、ハイブリッドクアドローマを形成することができる(Chelius D.ら;mAb.2010 May-Jun;2(3):309-319)。別の方法として、二重特異性ヘテロ二量体化抗体は、組み換え技術を使用することにより生成されうる。ヘテロ二量体化は、Fc領域の二量体化インターフェースを操作してヘテロ二量体化を促進することによって達成されうる。この一例は、いわゆるノブインホール変異であり、立体的に嵩高い側鎖(ノブ)が、対向するFc上の立体的に小さな側鎖(ホール)に一致する一つのFcに導入され、それによってヘテロ二量体化を促進する立体的相補性を生み出す。操作されたヘテロ二量体化Fcインターフェースの他の方法は、静電相補性、非IgGヘテロ二量体化ドメインへの融合、またはヘテロ二量化を制御するためのヒトIgG4の天然Fabアーム交換現象の利用である。ヘテロ二量体化二重特異性抗体の例は、文献、例えば、(Klein C.ら;mAb.2012 Nov-Dec;4(6):653-663)によく記載されている。ヘテロ二量体抗体の軽鎖には、特別な注意を払う必要がある。LCとHCとの正しいペアリングは、共通の軽鎖の使用によって達成することができる。また、LC/HCインターフェースのエンジニアリングを使用して、CrossMabの場合ように、ヘテロ二量体化または軽鎖クロスオーバーエンジニアリングを促進することができる。適切な変異を含有する二つの個別IgGからの穏やかな還元条件下での抗体のインビトロ再構築も、二重特異性抗体の生成に使用できる(例えば、Labrijnら、PNS、110、5145-5150(2013))。また、正しい軽鎖のペアリングを確実にするために、天然Fabアーム交換方法が報告されている。
多重特異性抗体ベースの分子はまた、文献に記載されるように、IgGの天然モジュールを組み合わせて多重特異性抗体誘導体および多価抗体誘導体を形成する融合タンパク質として組み換え発現させることもできる。融合抗体の例は、DVD-Igs、IgG-scFV、ダイアボディ、DARTなどである。特定の検出タグ、精製タグ、半減期延長部分、または他の構成要素を、融合タンパク質に組み込むことができる。追加的な非IgGモダリティーも融合タンパク質に組み込まれうる。Fcヘテロ二量化に基づく二重特異性全長抗体は、LCペアリング法に関わらず、一般的に非対称IgGと呼ばれる。
一般的に、二重特異性抗体は、Brinkmannらによって概説された様々な分子形式で生成されうる。(Brinkmannら。The making of bispecific antibodies.Mabs 9、182-212(2017))。
多重特異性抗体ベースの分子はまた、文献に記載されるように、個々の全長IgGの化学結合もしくはカップリング、またはIgG断片のカップリングによって生成され、多重特異性抗体誘導体および多価抗体誘導体を形成する場合もある。例としては、化学結合Fab断片、IgG-二量体などが挙げられる。特定の検出タグまたは精製タグ、半減期延長分子またはその他の構成要素を、複合体タンパク質に組み込むことができる。追加的な非IgGポリペプチドも融合タンパク質に組み込まれうる。多重特異性分子は、上述のものを含む組み換え型および化学的方法を組み合わせることによって生成されうる。
一態様では、本発明の抗体は、キメラ抗体、ヒト抗体、またはヒト化抗体である。こうした抗体は、例えば、適切な抗体表示または免疫化プラットフォーム、または当分野で公知のその他の適切なプラットフォームまたは方法を使用することによって生成することができる。本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、フレームワーク領域の少なくとも一部分および/またはCDR領域の少なくとも一部が、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変ドメインを持つ抗体を含むことが意図される。例えば、ヒト抗体は、フレームワークとCDR領域の両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変ドメインを有してもよい。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、定常領域またはその一部は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列にも由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基を含んでもよい(例えば、インビトロでの無作為もしくは部位特異的変異誘発、またはインビボでの体細胞変異によって導入された変異)。
かかるヒト抗体は、ヒトモノクローナル抗体であってもよい。かかるヒトモノクローナル抗体は、遺伝子導入非ヒト動物から得られたB細胞を含むハイブリドーマによって生成されてもよい。例えば、不死化細胞に融合されたヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖の遺伝子セグメントレパートリーを含むゲノムを有する遺伝子導入のマウス。
ヒト抗体は、ヒト生殖系列配列の選択に基づいて構築された配列ライブラリから単離されてもよく、天然および合成の配列多様性でさらに多様化されている。
ヒト抗体は、ヒトリンパ球のインビトロでの免疫化に続いて、リンパ球のエプスタイン・バーウイルスでの形質転換によって調製されうる。
ヒト抗体は、当該技術分野で公知の組み換え方法によって生成されてもよい。
「ヒト抗体誘導体」という用語は、抗体と別の薬剤または抗体とのコンジュゲートなど、ヒト抗体の任意の改変形態を指す。
「ヒト化抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、非ヒト免疫グロブリンに由来する配列(CDR領域またはその部分)を含有するヒト/非ヒト抗体を指す。したがって、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、レシピエントの少なくとも超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性、配列組成および機能性を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類など非ヒト種(ドナー抗体)からの抗体の超可変領域からの残基で置換される。一部の実例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(FR)残基は、対応する非ヒト残基で置換される。このような修飾の例は、一つまたは複数のいわゆる逆突然変異の導入であり、これは典型的にはドナー抗体に由来するアミノ酸残基である。抗体のヒト化は、当業者に公知の組み換え型技術を使用して実施されてもよい(例えば、Antibody Engineering、Methods in Molecular Biology、vol.248、Benny K.Lo編を参照のこと)。軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの両方に対する適切なヒトレシピエントフレームワークは、例えば、配列または構造相同性によって識別されうる。あるいは、例えば、構造、生物物理学特性および生化学特性の知識に基づいて、固定レシピエントフレームワークを使用してもよい。レシピエントフレームワークは、生殖系列由来または成熟抗体配列由来であってもよい。ドナー抗体からのCDR領域は、CDR移植によって導入することができる。CDR移植ヒト化抗体は、ドナー抗体からのアミノ酸残基の再導入(逆突然変異)がヒト化抗体の特性に有益な影響を与える重要なフレームワーク位置の特定により、例えば、親和性、機能性および生物物理学特性をさらに最適化することができる。ドナー抗体の逆突然変異に加えて、ヒト化抗体は、CDRまたはフレームワーク領域への生殖系列残基の導入、免疫原性エピトープの除去、部位特異的突然変異誘発、親和性成熟などによって操作されうる。
さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに改善するために作られる。一般的に、ヒト化抗体は少なくとも一つ、典型的に二つの可変ドメインを含み、その中で全てのまたは実質的に全てのCDR領域が、非ヒト免疫グロブリンのものと対応し、その中で全てのまたは実質的に全てのFR残基がヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は任意に、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンのものも含むことができる。
「ヒト化抗体誘導体」という用語は、抗体と化学的薬剤とのコンジュゲート、または抗体と別の抗体とのコンジュゲートなど、ヒト化抗体の任意の改変形態を指す。
「キメラ抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、二種以上の種に由来する抗体の部分を含む抗体を指す。例えば、このような抗体をコードする遺伝子は、可変ドメインをコードする遺伝子、および二つの異なる種から生じた定常ドメインをコードする遺伝子を含む。例えば、マウスモノクローナル抗体の可変ドメインをコードする遺伝子は、ヒト起源の抗体の定常ドメインをコードする遺伝子に結合されてもよい。
抗体の断片結晶可能領域(「Fc領域」/「Fcドメイン」)は、抗体のC末端領域であり、これはヒンジおよび定常C2およびC3ドメインを含む。Fcドメインは、Fc受容体と呼ばれる細胞表面受容体、ならびに補体システムのいくつかのタンパク質と相互作用する場合がある。Fc領域により、抗体が免疫系と相互作用することができる。本発明の一態様では、抗体は、とりわけ血清半減期、補体固定、Fc受容体結合、タンパク質の安定性、および/または抗原依存性細胞障害活性、またはそれらの欠如など、典型的にはその機能特性の一つまたは複数を変更するために、Fc領域内に修飾を含むように操作されてもよい。さらに、本発明の抗体は、もう一度いうが、抗体の機能的特性の一つまたは複数を変更するために、化学的に修飾されるか(例えば、一つまたは複数の化学的部分は抗体に取り付けられてもよい)、またはそのグリコシル化を変更するために修飾されてもよい。IgG1抗体は、特定のFcガンマ受容体(L234A、L235E、およびG237A)への親和性の低下、およびC1q介在性補体結合(A330SおよびP331S)の減少がそれぞれ結果として起こる、一つまたは複数、およびおそらく全ての以下の突然変異を含む、修飾Fcドメインを担持しうる(EU指標による残基番ナンバリング)。別の方法として、Fcガンマ受容体結合の変化(減少または増加)をもたらすことが当技術分野で公知のその他のアミノ酸置換、およびその組み合わせ、および上述との組み合わせが使用されうる。
本発明の抗体のアイソタイプは、IgG1など、IgG2など、IgG4などのIgGであってもよい。所望であれば、抗体のクラスは、公知の技術によって「切り替える」ことができる。例えば、元々IgM分子として産生された抗体は、IgG抗体にクラススイッチされる場合がある。クラススイッチング技術は、例えば、IgG1~IgG2またはIgG4、IgG2~IgG1またはIgG4、またはIgG4~IgG1またはIgG2から、一つのIgGサブクラスを別のものに変換するためにも使用されうる。異なるIgGサブクラスからの領域の組み合わせによって、定常領域キメラ分子を生成する抗体のエンジニアリングも実施することができる。
一実施形態では、抗体のヒンジ領域は、ヒンジ領域内のシステイン残基の数が変化するように、例えば、増加または減少するように修飾される。このアプローチは、例えば、Bodmerらによる米国特許第5,677,425号にさらに記載されている。
定常領域は、抗体を安定化させるように、例えば、半抗体に分離する二価抗体のリスクを低減させるように修飾されてもよい。例えば、lgG4定常領域では、残基S228(EUナンバリング指数およびKabatによるS241による)は、ヒンジにおける重鎖ジスルフィド架橋形成を安定化するためのプロリン(P)残基に変異してもよい(例えば、Angalら。Mol Immunol.1993;30:105-8を参照のこと)。
抗体またはその断片は、それらの相補性決定領域(CDR)の観点から定義されうる。「相補性決定領域」または「超可変領域」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原結合に関与するアミノ酸残基が位置する抗体の領域を指す。超可変性の領域またはCDRは、抗体可変ドメインのアミノ酸アライメントの最も高い可変性を有する領域として特定することができる。データベースは、KabatデータベースなどのCDR識別に使用でき、このCDRは、例えば、軽鎖可変ドメインのアミノ酸残基24-34(L1)、50-56(L2)および89-97(L3)と、重鎖可変ドメインの31-35(H1)、50-65(H2)および95-102(H3)を含むものとして定義される(Kabatら;1991;Sequences of Proteins of Immunological Interest、第五版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH公開番号91~3242)。別の方法として、CDRは、「超可変ループ」からのこれら残基として定義されうる(軽鎖可変ドメインの残基26-33(L1)、50-52(L2)および91-96(L3)、ならびに重鎖可変ドメインの26-32(H1)、53-55(H2)および96-101(H3);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.1987;196:901-917)。典型的には、この領域におけるアミノ酸残基のナンバリングは、上述のKabatらに記載される方法によって実施される。本明細書において、「Kabat位置」、「Kabat残基」、および「Kabatによれば」などの語句は、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインのためのこのナンバリングシステムを意味する。Kabatナンバリングシステムを使用すると、ペプチドの実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのフレームワーク(FR)またはCDRの短縮化または挿入に対応する、より少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、CDR H2の残基52の後のアミノ酸挿入(例えば、Kabatによる、残基52a、52b、および52cなど)、および重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによる、残基82a、82b、および82cなど)を含み得る。残基のKabatナンバリングは、抗体の配列と、「標準」Kabatナンバリング配列との、相同性領域でのアライメントにより、所与の抗体について決定されうる。
「フレームワーク領域」または「FR」残基という用語は、本明細書に定義されるように、CDR内ではないこれらのVまたはVアミノ酸残基を指す。
本発明の抗体は、本明細書に開示される特定の抗体のうちの一つまたは複数からのCDR領域を含み得る。
「血液凝固抗体」という用語は、例えば、血液凝固のプロセスを加速することによって、および/または一つまたは複数の凝固因子の酵素活性を増加させることによって血液凝固を増強する抗体を指す。
「血液凝固活性」という用語は、例えば、血液凝固のプロセスを加速することによって、および/または一つまたは複数の凝固因子の酵素活性を増加させることによって血液凝固を増強する抗体などの化合物の能力を指す。
「抗原」(Ag)という用語は、Agを認識する抗体(Ab)を産生するために、免疫能力のある脊椎動物の免疫に使用される分子実体を指す。本明細書において、Agはより広範に称され、Abによって特異的に認識される標的分子を含むことが一般的に意図されており、したがって、Abを生成するために使用される、免疫化プロセスまたはファージディスプレイなどの他のプロセスの断片または模倣物を含む。
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、抗体(Ab)とその対応する抗原(Ag)などの「抗原結合ポリペプチド」の間の分子相互作用の文脈で定義される。一般的に、「エピトープ」は、Abが結合するAg上の面積、または領域、すなわち、Abと物理的接触する面積、または領域を指す。物理的接触は、Ab分子およびAg分子の原子に対する、さまざまな基準(例えば、3Åなど、3.5Åなど、4.Åなど、4.5Åなど、5Aなどの2~6Åの間隔遮断、または溶媒露出度)を使用して定義され得る。
FIX/FIXaおよびFX/FXaは、多数の異なるエピトープを含み得、その中には(1)直鎖ペプチドエピトープ、(2)成熟FIX/FIXaまたはFX/FXa構造において相互に近接して位置する一つまたは複数の非連続アミノ酸からなる構造エピトープ、および(3)炭水化物基などのFIX/FIXaまたはFX/FXaに共有結合した分子構造の全部または一部のいずれかからなるエピトープが含まれる場合があるが、これらに限定されない。
所与の抗体(Ab)/抗原(Ag)対のエピトープを記述し、様々な実験的および計算的エピトープマッピング方法を用いて異なるレベルの詳細で特徴付けることができる。実験方法には、変異誘発法、X線結晶法、核磁気共鳴(NMR)分光法、水素重水素交換質量分析法(HDX-MS)および様々な競合結合方法、当分野に公知の方法が含まれる。各方法が独特の原則に依存するため、エピトープの説明は、それが決定された方法に本質的に連結される。したがって、用いられるエピトープマッピング方法に応じて、所与のAb/Agペアのエピトープを異なって説明することができる。
例えば、Fab断片、およびそのAgなどのAb間の複合体の空間座標によって定義されるX線由来結晶構造の文脈では、本明細書におけるエピトープという用語は、文脈により特に指定または矛盾しない限り、Abの重原子から3.5Åの距離内の重原子(すなわち、非水素原子)を有することを特徴とするFIX/FIXaまたはFX残基として特に定義される。
例えば、X線構造から決定されたアミノ酸レベルに記載されるエピトープは、同一のアミノ酸残基を含有する場合には同一であると言われる。少なくとも一つのアミノ酸残基がエピトープによって共有される場合、エピトープは重複すると言われる。アミノ酸残基がエピトープによって共有されない場合、エピトープは別々である(特有)と言われる。
「パラトープ」という用語の定義は、見方を逆転することによって「エピトープ」の上述の定義に由来する。したがって、「パラトープ」という用語は、Agが結合するAb上の面積または領域を指し、すなわち、それがAgに物理的接触をする。
Fab断片、およびそのAgなどのAb間の複合体の空間座標によって定義されるX線由来結晶構造の文脈では、本明細書におけるパラトープという用語は、文脈により特に指定または矛盾しない限り、FIX/FIXaまたはFXの重原子から3.5Åの距離内の重原子(すなわち、非水素原子)を有することを特徴とするAb残基として特に定義される。
所与の抗体(Ab)/抗原(Ag)対のエピトープおよびパラトープは、日常的な方法によって識別されうる。例えば、エピトープの一般的な位置は、FIX/FIXaまたはFXの異なる断片または変異体に結合する抗体の能力を評価することによって決定されうる。抗体(エピトープ)と接触するFIX/FIXaまたはFX内の特定のアミノ酸と、FIX/FIXaまたはFX(パラトープ)と接触する抗体における特定のアミノ酸は、日常的な方法を使用して決定されうる。例えば、抗体および標的分子を組み合わせてもよく、またAb:Ag複合体を結晶化してもよい。複合体の結晶構造は、抗体とその標的との間の相互作用の特定の部位を特定するために決定され、使用されてもよい。
抗原上のエピトープは、一つまたは複数のホットスポット残基、すなわち、同族抗体との相互作用に特に重要な残基を含んでもよく、該ホットスポット残基の側鎖によって媒介される相互作用は、抗体/抗原相互作用の結合エネルギーに有意に寄与する(Pengら。(2014)。PPNAS 111、E2656-E2665)。ホットスポット残基は、抗原(ここでFIX/FIXaおよびFX)の試験変異体によって特定することができ、ここで単一エピトープ残基は、例えば、同族抗体への結合のためにアラニンによって置換されている。アラニンとのエピトープ残基の置換が、抗体への結合に強い影響を及ぼす場合、該エピトープ残基はホットスポット残基とみなされ、したがって抗原への抗体の結合に特に重要である。
同じ抗原に結合する抗体は、それらの共通抗原に同時に結合する能力に関して特徴付けることができ、「競合結合」/「ビニング」を受けることができる。本文脈では、「ビニング」という用語は、同じ抗原に結合する抗体をグループ化する方法を指す。抗体の「ビニング」は、標準技術に基づいてアッセイにおける共通抗原に対する二つの抗体の競合結合に基づいてもよい。
抗体の「ビン」は、参照抗体を使用して定義される。二次抗体が参照抗体と同時に抗原に結合することができない場合、二次抗体は、参照抗体と同じ「ビン」に属すると言われる。この場合、参照抗体および二次抗体は、抗原の同一部分に競合的に結合し、「競合抗体」と呼ばれる。二次抗体が参照抗体と同時に抗原に結合することができる場合、二次抗体は、別々の「ビン」に属すると言われる。この場合、参照抗体および二次抗体は、抗原の同一部分に競合的に結合せず、「非競合抗体」と呼ばれる。
抗体「ビニング」は、エピトープに関する直接情報を提供しない。
競合抗体、すなわち、同一の「ビン」に属する抗体は、同一のエピトープ、オーバーラップしたエピトープ、またはさらには別個のエピトープを有してもよい。後者は、抗原上のそのエピトープに結合した参照抗体が、二次抗体が抗原上のそのエピトープに接触するために必要な空間を占有する場合である(「立体障害」)。非競合抗体は一般的に別個のエピトープを有する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、本明細書に特異的に開示される抗体の少なくとも一つと同じエピトープに結合する。
抗体が本明細書に開示される抗FIX/FIXaまたは抗X抗体との結合について競合するかどうかを決定するための競合アッセイは、当該技術分野で公知である。例示的な競合アッセイには、免疫アッセイ(例えば、ELISAアッセイ、RIAアッセイ)、表面プラズモン共鳴解析(例えば、BIAcore(商標)機器の使用)、バイオレイヤー干渉法(ForteBio(登録商標))およびフローサイトメトリーが含まれる。
典型的には、競合アッセイは、固体表面に結合したまたは細胞表面に発現した抗原、試験FIXまたはFIXa結合抗体、および参照抗体の使用を含む。参照抗体は標識化され、試験抗体は標識化されていない。競合阻害は、試験抗体の存在下での固体表面または細胞に結合した標識化された参照抗体の量を決定することによって測定される。通常、試験抗体は、過剰に存在する(例えば、1、5、10、20、100、1000、10000または100000倍)。競合アッセイで競合的であると特定された抗体(すなわち、競合抗体)は、参照抗体と同じエピトープ、または重複エピトープに結合する抗体、および立体障害が生じるために参照抗体が結合するエピトープに十分に近位の隣接するエピトープに結合する抗体が含まれる。
例示的な競合アッセイでは、参照抗FIXまたは抗FIXa抗体は、市販の試薬を使用してビオチン化される。ビオチン化参照抗体は、試験抗体または標識化されていない参照抗体の段階希釈液と混合し(自己競合対照)、標識化された参照抗体に対して、試験抗体(または標識化されていない参照抗体)の様々なモル比の混合物(例えば、1、5、10、20、100、1000、10000または100000倍)が得られる。抗体混合物を、FIXまたはFIXaポリペプチド被覆ELISAプレートに添加する。次いで、プレートを洗浄し、検出試薬としてセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)-ストレプトアビジン(strepavidin)をプレートに添加する。標的抗原に結合した標識化された参照抗体の量は、当技術分野で公知である、発色基質(例えば、TMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)またはABTS(2,2”-アジノ-ジ-(3-エチルベンズアゾリン-6-スルホナート))の添加後に検出される。光学密度読み取り値(OD単位)は、分光計(例えば、SpectraMax(登録商標)M2分光計(分子装置))を使用して作られる。ゼロパーセント阻害がに対応する応答(OD単位)は、任意の競合抗体を含まないウェルから決定される。100%阻害、すなわち、アッセイバックグラウンドに対応する応答(OD単位)は、任意の標識化された参照抗体または試験抗体を含まないウェルから決定される。各濃度での試験抗体(または標識化されていない参照抗体)によるFIXまたはFIXaに対する標識化された参照抗体の阻害率は、以下のように計算される:%阻害=(1-(OD単位-100%阻害)/(0%阻害-100%阻害))*100。
当業者であれば、二つ以上の抗FX/FXa抗体が、結合領域、ビンを共有し、および/または競合的に抗原を結合するかどうかを決定するために、類似のアッセイを実施しうることを理解するであろう。当業者であれば、競合アッセイが、当技術分野で知られている様々な検出システムを使用して実施できることも理解するであろう。
競合結合アッセイで測定されるように、過剰な一つの抗体(例えば、1、5、10、20、100、1000、10000または100000倍)が他の抗体の結合を阻害する場合、例えば、少なくとも50%、75%、90%、95%、または99%、試験抗体は、抗原への結合について参照抗体と競合する。
特に明記しない限り、競合は、上記の競合ELISAアッセイを使用して決定される。
「結合親和性」という用語は、本明細書では、二つの分子間、例えば、抗体またはその断片と抗原との間の非共有相互作用の強度の測定値として使用される。「結合親和性」という用語は、一価の相互作用を記述するために使用される。
一価相互作用を介しての二つの分子間、例えば、抗体またはその断片と抗原との間の結合親和性は、平衡解離定数(K)を決定することによって定量化され得る。Kは、複合体形成および解離の動態を、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)法または等温滴定熱量測定(ITC)法などで測定することによって決定できる。一価複合体の会合および解離に対応する速度定数は、それぞれ会合速度定数k(またはkon)、および解離速度定数k(またはkoff)と呼ばれる。Kは、式K=k/kを介して、kおよびkと関連する。
上記の定義にしたがって、所与抗原に対する異なる抗体の結合親和性の比較など、異なる分子相互作用に関連する結合親和性は、個々の抗体/抗原複合体のK値の比較により比較してもよい。
解離定数の値は、周知の方法によって直接決定することができる。標的に向かう抗体などのリガンドの結合能力を評価する標準アッセイは、当技術分野で公知であり、例えば、ELISA、ウエスタンブロット、RIAおよびフローサイトメトリー解析を含む。抗体の結合動態性および結合親和性も、SPRなどの当技術分野で公知の標準アッセイによって評価することができる。しかしながら、等温滴定熱量測定(ITC)を使用して、抗体/標的相互作用のための親和性を測定し、相互作用のための熱力学パラメータを導き出すことが好ましい。
標的への抗体の結合が、別の抗体などのその標的の別の配位子による標的の結合と比較される競合結合アッセイを行うことができる。
本発明の抗体は、その標的の1×10-4M以下、1×10-5M以下、1×10-6M以下、1×10-7M以下、1×10-8M以下、または1×10-9M以下、または1×10-10M以下、1×10-11M以下、1×10-12M以下、1×10-13M以下または1×10-14M以下のKを有する。
本発明の抗体のKが、10μM未満、1μM未満、0.9μM未満、0.8μM未満、0.7μM未満、0.6μM未満、0.5μM未満、0.4μM未満、0.3μM未満、0.2μM未満、0.1μM未満など、100μM未満であってもよい。
一つのこうした実施形態では、抗体は、10μM未満、1μM未満、0.9μM未満、0.8μM未満、0.7μM未満、0.6μM未満、0.5μM未満、0.4μM未満、0.3μM未満、0.2μM未満、0.1μM未満、0.09μM未満、0.08μM未満、0.07μM未満、0.06μM未満、0.05μM未満、0.04μM未満、0.03μM未満、0.02μM未満、0.01μM未満、9nM未満、8nM未満、7nM未満、6nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、1nM未満、0.5nM未満などの100μM未満のFXに対するKを有する抗FXアームを含む二重特異性抗体である。
本明細書に記載される抗体およびその抗体断片は、当技術分野で公知の他の抗体および抗体断片と組み合わされて、二重特異性、三重特異性または多重特異性抗体分子を生成してもよい。FVIII補因子機能を模倣する化合物は、その他のFIX/IXaおよびFX/Xa結合ドメインを使用して以前生成されてきたが、本明細書に記載されるFIX/IXaおよび/またはFX/Xa結合ドメインを潜在的にそれぞれ置換する可能性がある。したがって、本発明のFIX/IXaおよびFX/Xa結合ドメインは、個々の分子として別個の対象であり、ならびに少なくとも一つのFIX/IXaおよび/またはFX/Xa結合ドメインを含む二重、三重、または多重特異性抗体の一部として「中間体」であることが明らかである。
二重、三重、および多重特異性抗体を含む血液凝固抗体の活性は、当分野に公知の方法によって決定されうる。標準アッセイには、全血-トロンビン産生試験(TGT)が含まれ、トロンボエラストグラフィー(TEG)およびFXa生成アッセイによって凝固時間を測定する。
同一性
当技術分野で公知の「同一性」という用語は、配列を比較することによって決定される、二つ以上のポリペプチドの配列の間の関係を指す。当技術分野では、「同一性」はまた、二つ以上のアミノ酸残基の文字列の間の一致の数によって決定される、ポリペプチド間の配列の関連性の程度を意味する。「同一性」とは、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって対処された隙間調整(もしあれば)を有する二つ以上の配列の小さい方の間の同一の一致の割合を測定する。関連するポリペプチドの同一性は、公知の方法によって容易に計算することができる。このような方法は、限定されるものではないが、以下に記載されている。Computational Molecular Biology、Lesk、A.M.、ed.、Oxford University Press、New York、1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith、D.W.、ed.、Academic Press、New York、1993;Computer Analysis of Sequence Data、Part 1、Griffin、A.M.、および Griffin,H.G.,eds.、Humana Press,New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heinje,G.,Academic Press、1987;Sequence Analysis Primer、Gribskov,M.and Devereux、J.,eds.、M.Stockton Press、New York、1991;および Carilloら、SIAM J.Applied Math.1988;48:1073。
同一性を決定するための好ましい方法は、試験された配列間で最大の一致が得られるように設計されている。同一性を判定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに記載されている。二つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法には、GAP(Devereuxら、Nucl.Acid.Res.1984;12:387)を含むGCG プログラムパッケージ、Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison,Wis.)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Altschulら、J.Mol.Biol.1990;215:403-410)が含まれる。BLASTXプログラムは、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)およびその他のソース(BLAST Manual、Altschulら、NCB/NLM/NIH Bethesda、Md.20894;Altschulら、上記参照)から公開されている。周知のスミス・ウォーターマン・アルゴリズムは、同一性を決定するためにも使用されうる。
例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,Wis.)を使用して、配列同一性の割合が決定される二つのポリペプチドは、それぞれのアミノ酸(アルゴリズムにより決定される「一致したスパン」)の最適なマッチングのために整列させる。ギャップ開始ペナルティ(平均斜角の3倍として計算され、「平均斜角」は、使用される比較マトリクスの対角線の平均であり、「斜角」は特定の比較マトリクスによってそれぞれ完全アミノ酸一致に割り当てられたスコアまたは数値)およびギャップ伸張ペナルティ(通常、ギャップ開始ペナルティの{分数(1/10)}倍)、およびPAM 250またはBLOSUM 62などの比較マトリクスが、アルゴリズムと組み合わせて使用される。標準比較マトリックス(PAM 250比較マトリクスには、Dayhoffら、1978;Atlas of Protein Sequence and Structure、vol.5、supp.3;BLOSUM 62比較マトリクスには、Henikoffら、PNAS 1992;89:10915-10919を参照)もアルゴリズムによって使用される。
ペプチド配列比較のための好ましいパラメータには以下が含まれる:アルゴリズム:Needlemanら。J.Mol.Biol.1970;48:443-453;比較マトリクス:Henikoffら、PNAS 1992;89:10915-10919からのBLOSUM 62;Gapペナルティ:12、ギャップ長ペナルティ:4、類似性の閾値:0。
GAPプログラムは、上記のパラメータに有用である。前述のパラメータは、GAPアルゴリズムを使用したペプチド比較(末端ギャップのペナルティなし)のデフォルトパラメータである。
「類似性」という用語は、関連する概念であるが、「同一性」とは対照的に、同一性の一致と保存的置換の一致の両方を含む配列関係を指す。二つのポリペプチド配列が例えば、(分数(10/20))同一のアミノ酸を有し、残りの部分はすべて非保存的置換である場合、同一性および類似性の割合は両方とも50%である。同じ例で、保存的置換がある位置がさらに5つある場合、同一性の割合は25%で、類似性の割合は75%(分数(15/20))になる。したがって、保存的置換がある場合、二つのポリペプチド間の類似性の程度は、二つのポリペプチド間の同一性の割合よりも高くなる。
医薬製剤
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の抗体などの本発明の化合物を含む組成物および製剤を提供する。例えば、本発明は、薬学的に許容可能な担体と共に製剤化された、本発明の一つまたは複数の抗体を含む医薬組成物を提供する。
したがって、本発明の一つの目的は、0.25mg/ml~250mg/mlの濃度で存在するこのような抗体を含む医薬製剤を提供することであり、該製剤は2.0~10.0のpHを有する。製剤は、緩衝系、保存剤、等張化剤、キレート剤、安定剤、または界面活性剤、ならびにそれらの様々な組み合わせのうちの一つまたは複数をさらに含んでもよい。医薬組成物中の防腐剤、等張剤、キレート剤、安定剤および界面活性剤の使用は、当業者には周知である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照のこと。
一実施形態では、医薬製剤は水性製剤である。こうした製剤は典型的には溶液または懸濁液であるが、コロイド、分散剤、乳濁液、および多相材料も含み得る。用語「水性製剤」は、少なくとも50%w/wの水を含む製剤として定義される。同様に、「水溶液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液として定義され、「水性懸濁液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含む懸濁液として定義される。
別の実施形態では、医薬製剤は、使用前に医師または患者が溶媒および/または希釈剤を加える凍結乾燥製剤である。
さらなる態様では、医薬製剤はこのような抗体の水溶液、およびこの抗体が1mg/ml以上の濃度で存在する緩衝剤を含み、該製剤は約2.0~約10.0のpHを有する。
投与
抗体などの本発明の化合物は、静脈内、筋肉内、皮下など、非経口的に投与してもよい。別の方法として、本発明の抗体は、経口的または局所的など、経口経路を介して投与されてもよい。本発明の抗体は、予防的に投与されてもよい。本発明の抗体は、(要求に応じて)治療的に投与されてもよい。
投薬量
送達される化合物の用量は、一日あたり約0.01mg~500mgの化合物、好ましくは一日あたり約0.1mg~250mg、より好ましくは一日あたり約0.5mg~約250mgであってもよく、状態の重症度に応じて、初回量および維持量として、一日、一週間、二週間、または一ヶ月に一回でもよい。適切な用量は、特定の化合物について、そのインビボ半減期または平均滞留時間およびその生物活性を含む、その化合物の特性に基づいて調整されてもよい。例えば、送達される化合物は、一実施形態では一週間に一回、または別の実施形態では一週間おきに一回、または別の実施形態では一ヶ月に一回投与されてもよく、前記実施形態のいずれかにおいて、例えば体重一kgあたり0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10mgの用量で投与されてもよい。
本明細書に開示される化合物を含有する組成物は、予防的処置および/または一部の実施形態では治療的処置で投与することができる。治療用途では、組成物は、上述のようないかなる出血障害などの疾患に罹患している被験者に、疾患およびその合併症を治癒、緩和、または部分的に阻止するのに十分な量で投与される。これを達成するために適切な量は、「治療有効量」と定義される。当業者によって理解されるように、この目的のための有効量は、疾患または傷害の重症度、ならびに対象の体重および全身状態にかかっている。
実施形態
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基H256を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型FIXaの残基H257を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基N258を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基K293を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基K301を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基D332を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基R333を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基A334を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基T335を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基L337を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基R338を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基S339を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基T340を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基K341を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基T343を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基N346を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基R403を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基Y404を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基N406を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基W407を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基E410を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基K411を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基L337、R338、S339、T340、K341、およびT343を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基K301、D332、R333、A334、T335、R338、およびN346を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)の残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410、およびK411を含むエピトープを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合することができ、ここで抗体はFIXへの結合についてFab7236と競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合することができ、ここで抗体はFIXへの結合についてFab7237と競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合することができ、ここで抗体はFIXへの結合についてFab7238と競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合し、ここで抗体はFab7236と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合し、ここで抗体はFab7237と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を結合し、ここで抗体はFab7238と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX(配列番号2)またはその活性型のFXaを結合することができ、ここで抗体はmAb1-6723のCDRを含む抗体と競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号21および配列番号22によるmAb1-6723の可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを特異的に結合することができ、ここで抗体は配列番号21および配列番号22によるmAb1-6723のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号21および配列番号22によるmAb1-6723の可変ドメインを含む、Fabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを特異的に結合することができ、ここで抗体は配列番号21および配列番号22によるmAb1-6723と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを特異的に結合することができ、ここで抗体は配列番号21および配列番号22による抗原結合ドメインを含む抗体またはFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体はmAb1-1371のCDRを含む抗体と競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号65および配列番号66によるmAb1-1371の可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号65および配列番号66によるmAb1-1371のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号65および配列番号66によるmAb1-1371の可変ドメインを含む、Fabと同一の本明細書では「ビンA」と呼ぶ「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号65および配列番号66によるmAb1-1371と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号65および配列番号66による抗原結合ドメインを含む抗体またはFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを特異的に結合することができ、ここで抗体はmAb1-1376、mAb1-6705、mAb1-7388またはmAb1-7563のCDRを含む抗体と競合する。かかる抗体は、本明細書ではビンBに属すると呼ばれる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、配列番号67および68、配列番号23および24、配列番号39および40、配列番号59および60によりそれぞれ識別されるmAb1-1376、mAb1-6705、mAb1-7388またはmAb1-7563の可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、配列番号67および68、配列番号23および24、配列番号39および40、配列番号59および60によりそれぞれ識別されるmAb1-1376、mAb1-6705、mAb1-7388またはmAb1-7563のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、配列番号67および68、配列番号23および24、配列番号39および40、配列番号59および60によりそれぞれ識別されるmAb1-1376、mAb1-6705、mAb1-7388またはmAb1-7563の可変ドメインを含むFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、配列番号67および68、配列番号23および24、配列番号39および40、配列番号59および60によりそれぞれ識別されるmAb1-1376、mAb1-6705、mAb1-7388またはmAb1-7563と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号67および68、配列番号23および24、配列番号39および40、または配列番号59および60による抗原結合ドメインを含む抗体またはFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、mAb1-6723、1-6716、1-6721、1-6730、1-6731、1-6737、1-6754、1-7378、1-7413、1-7424、1-7466、1-7481、1-7483、およびmAb1-7591からなる群から選択される抗体のCDRまたは可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、mAb1-6723、1-6716、1-6721、1-6730、1-6731、1-6737、1-6754、1-7378、1-7413、1-7424、1-7466、1-7481、1-7483、1-7591、1-7388、1-7563、1-7462およびmAb1-7571からなる群から選択される抗体のCDRまたは可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、以下から選択される変数配列またはそのCDRを含むmAbs群から選択されるmAbと同一の「ビン」に属する。配列番号21および22、配列番号25および26、配列番号27および28、配列番号29および30、配列番号31および32、配列番号33および34、配列番号35および36、配列番号37および38、配列番号39および40、配列番号41および42、配列番号43および44、配列番号45および46、配列番号51および52、配列番号53および54、および配列番号55および56、配列番号57および58、配列番号59および60、配列番号61および62、ならびに配列番号63および64。抗体のこの「ビン」は、本明細書ではビンCと呼ばれ、mAb1-6723、1-6716、1-6721、1-6730、1-6731、1-6737、1-6754、1-7378、1-7413、1-7424、1-7466、1-7481、1-7483、1-7591、1-7388、1-7563、1-7462、およびmAb1-7571などの多数の個別抗体で例証されている。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、以下から選択される変数配列またはそのCDRを含むmAbsからなる抗体群から選択される参照抗体と、FX、FX酵素前駆体、またはFXaへの結合を競合する。配列番号21および22、配列番号25および26、配列番号27および28、配列番号29および30、配列番号31および32、配列番号33および34、配列番号35および36、配列番号37および38、配列番号41および42、配列番号43および44、配列番号53および54、および配列番号55および56、配列番号57および58、ならびに配列番号63および64。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号21および22、配列番号25および26、配列番号27および28、配列番号29および30、配列番号31および32、配列番号33および34、配列番号35および36、配列番号37および38、配列番号41および42、配列番号43および44、配列番号53および54、配列番号55および56、配列番号57および58、または配列番号63および64のCDRを含む抗原結合性断片とFX/FXaへの結合を競合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体はmAb1-7447、1-7441、1-7571または1-7462のCDRを含む抗体と競合する。これらは本明細書ではビンDの抗体と呼ばれる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、それぞれ配列番号47および48、配列番号45および46、配列番号51および53、または配列番号61および62によるmAb1-7447、1-7441、1-7571または1-7462の可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、それぞれ配列番号47および48、配列番号45および46によるmAb1-7447または1-7441の可変ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、それぞれ配列番号47および48、配列番号45および46、配列番号51および53、または配列番号61および62によるmAb1-7447、1-7441、1-7571または1-7462のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号2によるFX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、それぞれ配列番号47および48、配列番号45および46、配列番号51および53、または配列番号61および62によるmAb1-7447、1-7441、1-7571またはmAb1-7462の可変ドメインを含むFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は、それぞれ配列番号47および48、配列番号45および46、配列番号51および53、または配列番号61および62によるmAb1-7447、1-7441、1-7571またはmAb1-7462と同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、FX/FXaを結合することができ、ここで抗体は配列番号47および48、配列番号45および46、配列番号51および53、または配列番号61および62による抗原結合ドメインを含む抗体またはFabと同一の「ビン」に属する。
一実施形態では、本発明の抗体は、前述の実施形態のいずれかによる抗体であり、ここで抗体は特異的にFX酵素前駆体を結合する。
このような実施形態では、抗体は、配列番号2のアミノ酸残基1~139、143~448によるFX酵素前駆体を特異的に結合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、前述の実施形態のいずれかによる抗体であり、ここで抗体はFXを結合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、前述の実施形態のいずれかによる抗体であり、ここで抗体はFXaを結合する。
このような一実施形態では、抗体は、配列番号2のアミノ酸残基1~139、195~448によるFXaを特異的に結合する。
一実施形態では、抗体は単一特異性抗体である。一実施形態では、抗体は多重特異性抗体である。かかる一実施形態では、抗体は二重特異性抗体である。かかる一実施形態では、二重特異性抗体は、FIXまたはその活性型(FIXa)およびFX/FXaに結合することができる。かかる一実施形態では、二重特異性抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaに特異的に結合することができる。
一実施形態では、抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを結合することができる二重特異性抗体であり、FIX/FIXa結合ドメインは、ビン1の抗体に由来し、FX/FXa結合ドメインはビンAの抗体に由来する。
一実施形態では、抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを結合する二重特異性抗体であり、FIX/FIXa結合ドメインは、ビン2の抗体に由来し、FX/FXa結合ドメインはビンAの抗体に由来する。
一実施形態では、抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを結合する二重特異性抗体であり、FIX/FIXa結合ドメインは、ビン2の抗体に由来し、FX/FXa結合ドメインはビンBの抗体に由来する。
一実施形態では、抗体はFIX/FIXaおよびFX/FXaを結合する二重特異性抗体であり、FIX/FIXa結合ドメインはBin2の抗体に由来し、FX/FXa結合ドメインはビンBの抗体に由来する。
一実施形態では、抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを結合する二重特異性抗体であり、FIX/FIXa結合ドメインはビン1の抗体に由来し、FX/FXa結合ドメインはビンCまたはDの抗体に由来する。
一実施形態では、抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを結合する二重特異性抗体であり、結合ドメインは、mAb1-1371/mAb1-1307、mAb1-6705/mAb1-1307、mAb1-1371/mAb0-1886、mAb1-7441/mAb0-1886、mAb1-7447/mAb0-1886、mAb1-7481/mAb0-1886、mAb1-1371/mAb0-1998、mAb1-6716/mAb0-1998、mAb1-6723/mAb0-1998、mAb1-6730/mAb0-1998、mAb1-6731/mAb0-1998、mAb1-6737/mAb0-1998、mAb1-6754/mAb0-1998、mAb1-7378/mAb0-1998、mAb1-7441/mAb0-1998、mAb1-7447/mAb0-1998、mAb1-7481/mAb0-1998、mAb1-1371/mAb1-4707、mAb1-6705/mAb1-4707、mAb1-1371/mAb1-4071、mAb1-7441/mAb1-5788、mAb1-7447/mAb1-5788、mAb1-7481/mAb1-5788、mAb1-1371/mAb1-4857、mAb1-6716/mAb1-4857、mAb1-6723/mAb1-4857、mAb1-6730/mAb1-4857、mAb1-6731/mAb1-4857、mAb1-6737/mAb1-4857、mAb1-6754/mAb1-4857、mAb1-7378/mAb1-4857、mAb1-7441/mAb1-4857、mAb1-7447/mAb1-4857またはmAb1-7481/mAb1-4857からなるmAb対由来である。
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体は、FXに結合する抗体アームと、FIX/FIXaに結合する抗体アームを含む。かかる一実施形態では、FXに結合する抗体アームは、FXの活性化ペプチドの一つまたは複数の残基を含むエピトープに結合し、FIX/FIXaに結合する抗体アームは、FIXプロテアーゼドメインの一つまたは複数の残基を含むエピトープに結合する。
一実施形態では、本発明の抗体は、二重、または三重特異性抗体などの多重特異性抗体である。
一実施形態では、本発明の抗体は、全長IgG4などのIgG型である。
一実施形態では、本発明の抗体は、二つのFab断片またはscFv断片のコンジュゲート、またはそれらの組み合わせなど、二つの抗体断片の化学的コンジュゲートである。
一実施形態では、本発明の抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。
一実施形態では、本明細書に開示される抗体は、二重特異性抗体の製造で使用するための中間体である。
一実施形態では、本発明は、本明細書に開示される抗体と、FIX/FIXaへの結合について競合する抗体を含む。
本発明の抗体は、凝固障害および特に血友病Aを有する対象を治療するために使用できる。したがって、本発明はまた、それを必要とする対象の治療のためのFIX/FIXaのプロテアーゼドメインに結合することができるモノクローナル抗体の使用、ならびにそれを必要とする対象の治療のための薬剤の製造のための該抗体の使用に関する。さらに、本発明は、FIX/FIXaのプロテアーゼドメインに結合することができるモノクローナル抗体を用いて、それを必要とする対象を治療する方法を含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、FIXを結合する親和性よりも高い親和性でFIXaを結合することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、FXに対するFIXaの酵素活性を増加させることができる。
かかる一実施形態では、本発明の抗体は、本明細書に記載される一価ワンアームド抗体を使用したFXa生成アッセイにおいて測定されるFXに対するFIXaの酵素活性を増加させることができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、本明細書に記載される二価抗体を使用したFXa生成アッセイにおいて測定されるFXに対するFIXaの酵素活性を増加させることができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、以下に記載される抗FIX抗体CLB-FIX 13ではない。Rohlenaら。(2003)J.Biol.Chem.278(11):9394-9401。一実施形態では、本発明の抗体は、抗FIX抗体HIX-1(IgG1マウス)(Merck KGaA、SigmaAldrich社)ではない。一実施形態では、本発明の抗体は、抗FIX抗体AHIX-5041(IgG1)(Haematologic Technologies、Inc.)ではない。
一実施形態では、本発明の抗体は、当技術分野の血液凝固抗体と比較して免疫原性が低減している。
一実施形態では、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を認識する第一の抗原結合部位、、およびFX(配列番号2)またはその活性型(FXa)を認識する第二の抗原結合部位、を含み、ここで
a)第一の抗原結合部位は、以下のCDR配列を含み、
-CDR1:DYAMH
-CDR2:GISWRGDIIGYVDSVKG
-CDR3:SYGSGSFYNAFDS
-CDR1:RASQSISSWLA
-CDR2:KASRLDR
-CDR3:LEYSSYIRT
および
b)第二の抗原結合部位は、以下のCDR配列を含み、
-CDR1:TSWIV
-CDR2:MIDPSDSFTSYSPSFQG
-CDR3:LHYYHSEEFDV
-CDR1:RASQSVSSSYLA
-CDR2:GASSRAR
-CDR3:QQFGSSRLFT
一実施形態では、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片は、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を認識する第一の抗原結合部位、、およびFX(配列番号2)またはその活性型(FXa)を認識する第二の抗原結合部位、を含み、ここで
a)第一の抗原結合部位は、以下のCDR配列を含み、
-CDR1:DYAMH
-CDR2:GISWRGDIIGYVDSVKG
-CDR3:SYGSGSFYNAFDS
-CDR1:RASQSISSWLA
-CDR2:KASRLDR
-CDR3:LEYSSYIRT
および
b)第二の抗原結合部位は、以下のCDR配列を含み、
-CDR1:TSWIV
-CDR2:MIDPSDSFTSYSPSFQG
-CDR3:LHYYHSEEFDV
-CDR1:RASQSVSSSYLA
-CDR2:GASSRTR
-CDR3:QQFGSSRLFT
本発明は以下の実施形態によってさらに説明される。
1.配列番号1による第IX因子(FIX)またはこの活性型(FIXa)に結合することができる抗体またはその抗原結合性断片。
2.抗体またはその抗原結合性断片が「ビン1」の一部である、実施形態1に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
3.実施形態1に記載の抗体またはその抗原結合性断片であって、抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、該参照抗体が、
a.配列番号15によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号16によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
b.配列番号19によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号20によって識別された軽鎖可変ドメインを含む、抗体またはその抗原結合性断片。
4.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体。
5.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号15によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号16によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号19によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号20によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号69によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号70によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
d.配列番号71によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号72によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
e.配列番号73によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号74によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
f.配列番号83によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号84によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
g.配列番号81によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号82によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
h.配列番号75によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号76によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
i.配列番号77によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号78によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、または
j.配列番号177によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号178によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
6.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態5に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
7.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態5に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
8.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態6および7に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
9.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.
i.配列番号15によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号16によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
b.
i.配列番号19によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号20によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
c.
i.配列番号69によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号70によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
d.
i.配列番号71によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号72によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
e.
i.配列番号73によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号74によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
f.
i.配列番号83によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号84によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
g.
i.配列番号81によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号82によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
h.
i.配列番号75によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号76によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、または
i.
i.配列番号77によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号78により識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、または
j.
i.配列番号177により識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号178によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
10.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態9に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
11.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態9に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
12.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態9に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
13.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態9に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
14.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号15によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号16によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
b.配列番号19によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号20によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
c.配列番号3によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号4によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
d.配列番号109によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号110によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
e.配列番号153によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号154によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
f.配列番号171によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号172によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
g.配列番号177によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号178によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
h.配列番号187によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号188によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
15.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号15によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号16によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
b.配列番号19によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号20によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
c.配列番号3によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号4によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
d.配列番号109によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号110によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
e.配列番号153によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号154によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
f.配列番号171によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号172によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
g.配列番号177によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号178によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
h.配列番号187によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号188によって識別された軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
16.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343のうちの一つまたは複数を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
17.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基R338を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
18.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基R338およびK341を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
19.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343のうちの二つまたは三つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
20.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343のうちの四つまたは五つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
21.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1の
a.R338、S339、T340、K341およびT343、
b.L337、S339、T340、K341およびT343、
c.L337、R338、T340、K341およびT343、
d.L337、R338、S339、K341およびT343、
e.L337、R338、S339、T340およびT343または
f.L337、R338、S339、T340およびK341
を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
22.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
23.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346のうちの一つまたは複数を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
24.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
25.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346のうちの二つまたは三つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
26.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346のうちの四つまたは五つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
27.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346のうちの五つまたは六つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
28.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1の
a.D332、R333、A334、T335、R338およびN346
b.K301、R333、A334、T335、R338およびN346
c.K301、D332、A334、T335、R338およびN346
d.K301、D332、R333、T335、R338およびN346
e.K301、D332、R333、A334、R338およびN346
f.K301、D332、R333、A334、T335およびN346または
g.K301、D332、R333、A334、T335およびR338
を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
29.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基D332、R333、L337およびR338を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
30.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
31.抗体またはその抗原結合性断片が「ビン2」に属する、実施形態1に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
32.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号17の配列によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号18の配列によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態1に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
33.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体。
34.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号17によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号18によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号85によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号86によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、または
c.配列番号79によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号80によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
35.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態34に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
36.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態34に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
37.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態35および36に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
38.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.
i.配列番号17によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号18によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
b.
i.配列番号85によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号86によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、または
c.
i.配列番号79によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号80によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
39.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態38に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
40.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態38に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
41.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態38に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
42.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態38に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
43.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号17によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と、
配列番号18によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体または抗原結合性断片。
44.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号17によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号18によって識別された軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
45.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411のうちの一つまたは複数を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
46.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1アミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
47.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411のうちの二つ、三つ、または四つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
48.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411のうちの五つ、六つ、または七つを含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
49.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411のうちの八つ、九つ、または十を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
50.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基
a.H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411、
b.H256、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411、
c.H256、H257、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411、
d.H256、H257、N258、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411、
e.H256、H257、N258、K293、Y404、N406、W407、E410およびK411、
f.H256、H257、N258、K293、R403、N406、W407、E410およびK411、
g.H256、H257、N258、K293、R403、Y404、W407、E410およびK411、
h.H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、E410およびK411、
i.H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407およびK411または
j.H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407およびE410
を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
51.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
52.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号1のアミノ酸残基H257、K293およびN406を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
53.抗体が血液凝固抗体である、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
54.抗体またはその抗原結合性断片が、FIXaの血液凝固活性を増加させることができる、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
55.抗体が、FXに対するFIXaの酵素活性を増加させることができる、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
56.抗体がFVIIIおよび/またはFVIIIaを機能的に置換することができる、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
57.FX(配列番号2)またはその活性型(FIXa)に結合することができる抗体またはその抗原結合性断片。
58.抗体またはその抗原結合性断片が「ビンA」の一部である、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
59.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号65によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号66によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
60.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体。
61.抗体またはその抗原結合性断片が、FX/FXaのアミノ酸残基H101、E103、R113、T116、L117、A118、T127、S227、E228、F229、Y230、E266、R287、L303、P304、E305、L419、K420、D423、R424、M426、K427およびT428のうちの一つまたは複数を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
62.抗体またはその抗原結合性断片が、FX/FXaのアミノ酸残基H101、E103、R113、T116、L117、A118、T127、S227、E228、F229、Y230、E266、R287、P304、L303、P304、E305、L419、K420、D423、R424、M426、K427およびT428を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
63.抗体またはその抗原結合性断片が、FX/FXaのアミノ酸残基R113、Y230、K420 D423、R424およびK427のうちの一つまたは複数を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
64.抗体またはその抗原結合性断片が、FX/FXaのアミノ酸残基R113、Y230、K420 D423、R424およびK427を含むエピトープを結合することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
65.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号65によって識別された配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインと、配列番号66によって識別された配列と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
66.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態65に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
67.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態65に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
68.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態66および67に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
69.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号65によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
b.配列番号66によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
70.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態69に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
71.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態69に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
72.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態69に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
73.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態69に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
74.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号65によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号66によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
75.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号65によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号66によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
76.抗体またはその抗原結合性断片が「ビンB」の一部である、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
77.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号67によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号68によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
78.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
79.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号67によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号68によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号23によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号24によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号39によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号40によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、または
d.配列番号59によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号60によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
80.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態79に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
81.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態79に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
82.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態80および81に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
83.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.
i.配列番号67によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号68によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
b.
i.配列番号23によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号24によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
c.
i.配列番号39によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号40によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、または
d.
i.配列番号59によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号60によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
84.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態83に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
85.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態83に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
86.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態83に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
87.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態83に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
88.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号67によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号68によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
b.配列番号23によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号24によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
c.配列番号39によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号40によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
d.配列番号59によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号60によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
89.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号67によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号68によって識別された軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号23によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号24によって識別された軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号39によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号40によって識別された軽鎖可変ドメイン、または
d.配列番号59によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号60によって識別された軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
90.抗体またはその抗原結合性断片が「ビンC」の一部である、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
91.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号21によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号22によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
92.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
93.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号21によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号22によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号25によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号26によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号27によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号28によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
d.配列番号29によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号30によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
e.配列番号31によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号32によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
f.配列番号33によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号34によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
g.配列番号35によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号36によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
h.配列番号37によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号38によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
i.配列番号39によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号40によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
j.配列番号41によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号42によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
k.配列番号43によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号44によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
l.配列番号51によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号52によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
m.配列番号53によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号54によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
n.配列番号55によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号56によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
o.配列番号57によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号58によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
p.配列番号59によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号60によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
q.配列番号61によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号62によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、または
r.配列番号63によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号64によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
94.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態93に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
95.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態93に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
96.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態94および95に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
97.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.
i.配列番号21によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号22によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
b.
i.配列番号25によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号26によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
c.
i.配列番号27によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号28によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
d.
i.配列番号29によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号30によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
e.
i.配列番号31によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号32によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
f.
i.配列番号33によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号34によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
g.
i.配列番号35によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号36によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
h.
i.配列番号37によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号38によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
i.
i.配列番号39によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号40によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
j.
i.配列番号41によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号42によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
k.
i.配列番号43によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号44によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
l.
m.
i.配列番号51によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号52によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
n.
i.配列番号53によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
配列番号54によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
o.
i.配列番号55によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号56によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
p.
i.配列番号57によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号58によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
q.
i.配列番号59によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号60によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
r.
i.配列番号61によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号62によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
s.
i.配列番号63によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号64によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
98.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態97に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
99.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態97に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
100.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態97に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
101.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態97に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
102.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号21によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号22によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
b.配列番号25によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号26によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
c.配列番号27によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号28によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
d.配列番号29によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号30によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
e.配列番号31によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号32によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
f.配列番号33によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号34によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
g.配列番号35によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号36によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
h.配列番号37によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号38によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
i.配列番号39によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号40によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
j.配列番号41によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号42によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
k.配列番号43によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号44によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
l.配列番号51によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号52によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
m.配列番号53によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号54によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
n.配列番号55によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号56によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
o.配列番号57によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号58によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
p.配列番号59によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号60によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
q.配列番号61によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号62によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、または
r.配列番号63によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号64によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
103.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号21および22、
b.配列番号25および26、
c.配列番号27および28、
d.配列番号29および30、
e.配列番号31および32、
f.配列番号33および34、
g.配列番号35および36、
h.配列番号37および38、
i.配列番号39および40、
j.配列番号41および42、
k.配列番号43および44、
l.配列番号51および52、
m.配列番号53および54、
n.配列番号55および56、
o.配列番号57および58、
p.配列番号59および60、
q.配列番号61および62または
r.配列番号63および配列番号64によってそれぞれ識別された、重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
104.抗体またはその抗原結合性断片が「ビンD」に属する、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
105.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号47によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号48によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
106.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体。
107.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号47によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号48によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号45によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号46によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号51によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号52によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメイン、
または
d.配列番号61によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である重鎖可変ドメイン、および配列番号62によって識別された配列に対し、少なくとも90%同一である軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
108.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態107に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
109.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態107に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
110.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態108および109に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
111.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.
i.配列番号47によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号48によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
b.
i.配列番号45によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号46によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列、
c.
i.配列番号51によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号52によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つ軽鎖CDR配列、または
d.
i.配列番号61によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
ii.配列番号62によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
112.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態111に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
113.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態111に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
114.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態111に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
115.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態111に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
116.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号47によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号48によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
b.配列番号45によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号46によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
c.配列番号51によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号52によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列、
または
d.配列番号61によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列、および配列番号62によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
117.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号47によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号48によって識別された軽鎖可変ドメイン、
b.配列番号45によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号46によって識別された軽鎖可変ドメイン、
c.配列番号51によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号52によって識別された軽鎖可変ドメイン、
または
d.配列番号61によって識別された重鎖可変ドメイン、および配列番号62によって識別された軽鎖可変ドメインを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
118.抗体またはその抗原結合性断片が「ビンE」に属する、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
119.抗体またはその抗原結合性断片が参照抗体と競合し、参照抗体は配列番号49によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号50によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、実施形態57に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
120.参照抗体がFabである、前述の実施形態に記載の抗体。
121.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号49によって識別された配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインと、配列番号50によって識別された配列と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
122.重鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態121に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
123.軽鎖可変ドメインで、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態121に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
124.重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの両方で、識別された配列番号に対して少なくとも92%、94%、96%または98%同一である、実施形態122および123に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
125.抗体またはその抗原結合性断片が、
a.配列番号49によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの重鎖CDR配列、および
b.配列番号50によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列と比較して、最大で10個のアミノ酸変化を有する三つの軽鎖CDR配列を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
126.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態125に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
127.三つの重鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態125に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
128.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、8、7、6個などの最大で9個のアミノ酸変化を有する、実施形態125に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
129.三つの軽鎖CDR配列が、識別された配列番号のCDRと比較して、4、3、2個などの最大で5個、または最大で1個のアミノ酸変化を有する、実施形態125に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
130.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号49によって識別された重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号50によって識別された軽鎖可変ドメインのCDR配列とを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
131.抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号49によって識別された重鎖可変ドメインと、配列番号50によって識別された軽鎖可変ドメインとを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
132.FIX/FIXaおよびFX/FXaに結合することができる多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
133.抗体が前述の実施形態1~131のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
134.抗体が前述の実施形態2~30のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
135.抗体が前述の実施形態31~52のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
136.抗体が前述の実施形態57~131のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
137.抗体が前述の実施形態58~75のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
138.抗体が前述の実施形態76~89のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
139.抗体が前述の実施形態90~103のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
140.抗体が前述の実施形態104~117のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
141.抗体が前述の実施形態118~131のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
142.抗体が前述の実施形態1~56のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態57~131のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
143.抗体が前述の実施形態2~30のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態58~75のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
144.抗体が前述の実施形態2~30のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態76~89のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
145.抗体が前述の実施形態2~30のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態90~103のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
146.抗体が前述の実施形態31~52のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態58~75のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
147.抗体が前述の実施形態31~52のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態76~89のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
148.抗体が前述の実施形態31~52のいずれかに記載の抗原結合性断片および前述の実施形態90~103のいずれかに記載の抗原結合性断片を含む、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
149.抗体は、FIX/FIXaおよびFX/FXaを特異的に結合することのできる二重特異性抗体であり、結合ドメインは、mAb1-1371/mAb1-1307、mAb1-6705/mAb1-1307、mAb1-1371/mAb0-1886、mAb1-7441/mAb0-1886、mAb1-7447/mAb0-1886、mAb1-7481/mAb0-1886、mAb1-1371/mAb0-1998、mAb1-6716/mAb0-1998、mAb1-6723/mAb0-1998、mAb1-6730/mAb0-1998、mAb1-6731/mAb0-1998、mAb1-6737/mAb0-1998、mAb1-6754/mAb0-1998、mAb1-7378/mAb0-1998、mAb1-7441/mAb0-1998、mAb1-7447/mAb0-1998、mAb/mAb0-1998、mAb1-6723/mAb1-1307、mAb1-6723/mAb0-1886、mAb1-6705/mAb0-1886、mAb1-7481/mAb0-1998およびmAb1-6705/mAb0-1998からなるmAb対由来である、実施形態132に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
150.抗体が血液凝固二重特異性抗体である、実施形態132~149のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
151.抗体がFIXaの血液凝固活性を増加させることができる二重特異性抗体である、実施形態132~149のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
152.抗体がFXに対するFIXaの酵素活性を増加させることができる二重特異性抗体である、実施形態132~149のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
153.抗体がFVIIIおよび/またはFVIIIaを機能的に置換することができる二重特異性抗体である、実施形態132~149のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
154.FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体であって、FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を認識する第一の抗原結合部位、、およびFX(配列番号2)またはその活性型(FXa)を認識する第二の抗原結合部位、を含み、
a)第一の抗原結合部位は、mAb1-5743、mAb1-6584、mAb1-8768、mAb1-6037、mAb1-6081、mAb1-4857、mAb1-8780、mAb1-9016、mAb1-9015、mAb1-8467、mAb1-5783、またはmAb1-5781からなる群から選択される抗体のCDRを含み、
b)第二の抗原結合部位は、mAb1-6738、mAb1-6463、mAb1-6723、mAb1-7503、またはmAb1-6097からなる群から選択される抗体のCDRを含む、多重特異性抗体。
155.FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体であって、
FIX/FIXaを認識する第一のポリペプチドと、
FX/FXaを認識する第二のポリペプチドを含み、
a)第一のポリペプチドが、mAb1-5743、mAb1-6584、mAb1-8768、mAb1-6037、mAb1-6081、mAb1-4857、mAb1-8780、mAb1-9016、mAb1-9015、mAb1-8467、mAb1-5783、またはmAb1-5781の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、
b)第二のポリペプチドは、mAb1-6738、mAb1-6463、mAb1-6723、mAb1-7503、またはmAb1-6097の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む、多重特異性抗体。
156.抗体が二重特異性抗体である、実施形態154または155のいずれか一つに記載の抗体。
157.FXに対するFIXaの酵素活性の刺激は、一価ワンアームドの抗FIX/FIXa抗体を用いた本明細書に記載のFXa生成アッセイで決定され、FIXaが少なくとも80%の飽和をもたらすワンアームドの抗体濃度を使用して測定された場合、刺激指数は少なくとも94、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、3000、4000または5000倍である、実施形態150~156のいずれか一つに記載の抗体。
158.FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体であって、
FIX(配列番号1)またはその活性型(FIXa)を認識する第一の抗原結合部位、、およびFX(配列番号2)またはその活性型(FXa)を認識する第二の抗原結合部位、を含み、ここで
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基R338を含むエピトープを特異的に結合することができ、および
第二の抗原結合部位は、EGF-2ドメインおよび/またはFX/FXaの触媒サブユニットで結合することができる、多重特異性抗体。
159.実施形態158に記載の多重特異性抗体であって、
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基R338およびK341を含むエピトープを特異的に結合することができる、多重特異性抗体。
160.実施形態159に記載の多重特異性抗体であって、
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343を含むエピトープを特異的に結合することができる、多重特異性抗体。
161.FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体であって、FIX(配列番号1)またはその活性型FIXaを認識する第一の抗原結合部位、、およびFX(配列番号2)またはその活性型(FXa)を認識する第二の抗原結合部位、を含み、
ここで
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基D332、R333、L337およびR338を含むエピトープを特異的に結合することができ、および
第二の抗原結合部位は、EGF-2ドメインおよび/またはFX/FXaの触媒サブユニットで結合することができる、多重特異性抗体。
162.実施形態161に記載の多重特異性抗体であって、
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基K301、D332、R333、A334、T335、R338、N346を含むエピトープを特異的に結合することができる、多重特異性抗体。
163.FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体であって、
FIX/FIXaを認識する第一の抗原結合部位と、
FX/FXaを認識する第二の抗原結合部位とを含み、
ここで
第一の抗原結合部位は、FIX/FIXaのアミノ酸残基H257、K293およびN406を含むエピトープを特異的に結合することができ、および
第二の抗原結合部位は、EGF-2ドメインおよび/またはFX/FXaの触媒サブユニットで結合することができる、多重特異性抗体。
164.FXに対するFIXaの酵素活性の刺激は、一価ワンアームドの抗FIX/FIXa抗体を用いた本明細書に記載のFXa生成アッセイで測定され、FIXaが少なくとも80%の飽和をもたらすワンアームドの抗体濃度を使用して測定された場合、刺激指数は少なくとも94、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、3000、4000または5000倍である、実施形態1~56および132~156のいずれか一つに記載の抗体。
165.FXに対するFIXaの酵素活性の刺激は、一価ワンアームドの抗FIX/FIXa抗体を用いた本明細書に記載のFXa生成アッセイで測定され、FIXaが少なくとも80%の飽和をもたらすワンアームドの抗体濃度を使用して測定された場合、刺激指数は、94~2500倍など、100~2500倍など、200~2500倍など、300~2500倍など、400~2500倍など、500~2500倍など、600~2500倍など、700~2500倍など、800~2500倍など、500~2500倍など、600~2500倍など、700~2500倍など、800~2500倍など、900~2500倍など、1000~2500倍など、または1500~2500倍などの50~5000倍の間である、実施形態1~56および132~156のいずれか一つに記載の抗体。
166.抗体が血液凝固抗体である、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体。
167.該抗体がFVIIIおよび/またはFVIIIaを機能的に置換する、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体。
168.抗体が二重特異性抗体である、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体。
169.抗体アイソタイプがIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4またはそれらの組み合わせである、前述の実施形態のいずれか一つに記載の抗体。
170.該抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインが、アミノ酸残基R57、R96(配列番号22)を含み、該抗体の重鎖可変ドメインが、アミノ酸残基W33、D52、D55、H100、Y101、Y102、H103(配列番号21)を含む、実施形態57~131のいずれか一つに記載の抗体。
171.凝固障害または血液凝固障害の治療方法で使用するための前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片。
172.凝固障害または血液凝固障害の治療のための前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片を含む、医薬組成物。
173.凝固障害性血液凝固障害に罹患している対象を治療する方法であって、前述の実施形態のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合性断片を該対象に投与することを含む、方法。
174.凝固障害または血液凝固障害が、血友病Aまたは阻害物質を有する血友病Aである、実施形態173に記載の方法。
略語のリスト
ACN:アセトニトリル
CDR:相補性決定領域
EGR-CK:EGR-クロロメチルケトン
LC-MS 液体クロマトグラフィー質量分析
FACS:蛍光活性化細胞ソーティング
FIX:凝固第IX因子
FIXa:凝固第IXa因子
FX:凝固第X因子
FXa:凝固第Xa因子
HA:血友病A
HA-PPP:HA誘発ヒト乏血小板血漿
HA-PRP:HA誘発ヒト多血小板血漿
hFIXa:ヒト凝固第IXa因子
ITC:等温滴定熱量測定
MACS:磁気活性化細胞ソーティング
OA:ワンアームド
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
SPR:表面プラズモン共鳴
実施例1 第IX因子/FIXa FabおよびmAb発現プラスミドの開発
本明細書に開示されるようなFIX/FIXa結合抗体は、様々な抗体開発方法を使用して特定された。FIXaおよびFX を標的とする多様な抗体のセットを生成するために、マウスおよびウサギの免疫化ならびにファージディスプレイおよびAdimab酵母ディスプレイからの選択が実施された。
Adimab酵母ディスプレイ
Adimabプラットフォームは、1010の多様性を持ち、42のVHファミリーのうち20をカバーする、完全ヒトナイーブ型IgG1/カッパライブラリを包含する酵母ディスプレイシステムである。利用される抗体ファージディスプレイプラットフォームは、専有の完全ヒトFabディスプレイライブラリである。ライブラリには1010のサイズがあり、軽鎖の化学合成を利用する組み合わせ可能なアプローチ、ならびにヒト末梢血単核細胞からの重鎖CDR3のPCR増幅により相補された重鎖CDR1およびCDR2によって構築された。抗体選択プロセスは、リアルタイムで適用された選択基準を監視することを可能にするMACSおよびFACSベースの方法を使用して指示される。選択はMACSおよびFACSに基づいているため、標識された抗原(例えば、ビオチン)が必要である。ビオチン標識された活性部位阻害hFIXa(FIXa-EGR-ビオチン)、またはhFIXaの抗体媒介性固定化をを使用して選択キャンペーンを実施した。バイオレイヤー干渉法(Octet fortebio systems)を使用して、結合のヒットを評価した。
ファージディスプレイ
エピトープ多様性のカバレッジを最大化するために、ビオチン化FIXa-EGR、FX、活性部位阻害FXa、または抗FIXa抗体を使用した抗原捕捉を使用したパニングを含む、異なるパニング戦略を実施した。初期ヒットはファージELISAによって識別された。配列分析後、特有のヒットがクローン化され、IgG1として発現し、SPR(Biacore)またはバイオレイヤー干渉法(Octet fortebio systems)を使用してランク付けした。
インビボプラットフォーム
マウスにおける完全ヒト抗体の生成については、Kymouse(商標)マウスHKおよびHL1.0(それぞれカッパ鎖およびラムダ鎖を利用)を使用した。抗体多様性を最大化するために、野生型マウスおよびウサギで追加免疫を実施した。
抗FIXa抗体の生成
標準的なプロトコルを使用して、マウスまたはウサギをFIXa、FIXa-EGR、またはFXで免疫化した。マウスまたはウサギで生成された抗体を、ELISAでスクリーニングした。FIXa結合ウサギB細胞は、ランダムにビオチン化されたFIXa-EGRを使用してFACSソーティングされた。ウサギおよびマウスからの抗体ヒットは、組み換えで発現(ウサギmAbs)または繁殖(マウスハイブリドーマ)のいずれかであり、続いて抗体は小規模精製された。
抗FX抗体の生成
Kymouseマウスおよびウサギは、標準または複数部位での反復免疫(RIMMS)プロトコルを用いてFXで免疫化した。ウサギB細胞を、ランダムにビオチン化されたFXを使用してFACSソーティングにより単離した。融合およびソーティングからの抗FX mAbは、ELISAおよびOctet fortebio systemsを使用してスクリーニングされた。
Kymouseおよびwtマウス由来抗体のシーケンシング
Kymouseのマウスまたはwtマウスに由来するハイブリドーマを産生する抗FIXaおよび抗FX抗体を配列決定し、標準技術を使用してHEK293細胞に発現した。Octet fortebio systemsを使用して、発現抗体の結合を評価した。
選択された抗体のDNA配列をコードする得られた変数ドメイン(VおよV)は、pTTベースの哺乳類発現ベクター(Durocherら(2002)Nucleic Acid Res.30:E9)、またはDNA配列をコードする抗体定常領域を含有するpcDNA3.4哺乳類発現ベクター(Invitrogen)に挿入された。pTT/pcDNA3.4mAb発現ベクターの場合、VおよびV DNA配列は、それぞれ、ヒトIgG1、またはIgGS228P(C1C2C3)、またはDNA配列をコードするヒトCカッパ定常領域で、フレーム内に挿入された。対応するpTT/pcDNA3.4Fab発現ベクターの場合、V DNA配列は、DNA配列をコードするヒトIgG1でフレーム内に挿入された。
以下の実施例6、8および18で使用される224F3参照化合物について、224F3VおよびV配列は、EP1660536 B1(それぞれ配列番号1および2)から得た。DNA配列をコードする224F3 VおよびVは、それぞれ、ヒトIgG1(C1C2C3)、またはDNA配列をコードするヒトCカッパ定常領域と、フレーム内で、pTT5/pcDNA3.4ベースの哺乳類発現ベクターに挿入された。
すべての発現ベクターは、コザック配列を含有する5’末端DNA配列と、DNA配列をコードする抗体とフレーム内でシグナルペプチドをコードするDNA配列とを含んでいた。
実施例2 抗体および抗体Fab断片の組み換え発現
抗体および抗体Fab断片は、製造業者の指示に本質的に従って、HEK293懸濁細胞(293Expi、Invitrogen)の一過性導入を使用して発現された。293Expi細胞は典型的には、1%のP/S(GIBCOカタログ番号15140-122)で補充されたExpi293F発現培地(Invitrogen、カタログ番号A1435104)で、3~4日ごとに継代培養された。Expi293F細胞は、Expifectamineを使用して2.5~3mill/mLの細胞密度でトランスフェクトされた。Expi293F細胞の各リットルについて、合計1 mgのプラスミドDNA(V-C1(Fab)またはV-C1-C2-C3(mAb)およびLCプラスミドを1:1の比で)を、50mLのOptimem(GIBCO、カタログ番号番号51985-026、希釈A)に希釈することによって、および2.7mLのExpifectamineを50mLのOptimem(希釈B)に希釈することによって、トランスフェクションを実施した。同時導入を産生するFabおよびmAbの場合、V-C1およびLCプラスミド(Fab)ならびにV-C1-C2-C3およびLCプラスミド(mAb)をそれぞれ1:1の比で使用した。希釈AおよびBを混合し、室温で10~20分間インキュベートした。この後、導入混合物をExpi293F細胞に加え、細胞を軌道回転(85~125 rpm)を有する加湿インキュベーター中で、37℃でインキュベートした。導入一日後、導入された細胞を、5mlのExpiFectamine293トランスフェクションエンハンサー1および50mlのExpiFectamine293トランスフェクションエンハンサー2で補充した。細胞培養上清は、遠心分離によって導入4~5日後に典型的に回収し、濾過した。
実施例3 Fabおよび抗体の精製および特徴付け
Fab精製および特徴付け
Fab分子の精製は、kappaSelect樹脂(GE Healthcare、カタログ番号17-5458-11)を使用したアフィニティークロマトグラフィー、およびSuperdex200樹脂(GE Healthcare、カタログ番号17-1043-04)を使用した分子ふるいクロマトグラフィーから構成される2ステップのプロセスとして実施された。精製は、AktaExplorerクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare、カタログ番号18-1112-41)を使用して行われた。アフィニティ精製工程に使用される緩衝液システムは、20mMのリン酸Na pH7.2、150mMのNaclで構成される平衡緩衝液、10mMのギ酸pH3.5で構成される溶出緩衝液、および0.4Mのリン酸Na pH9.0で構成されるpH調節緩衝液であった。細胞上清は、予め平衡化されたkappaSelect SuReカラムを調整することなく直接適用された。カラムを10カラム容積の平衡緩衝液で洗浄し、Fab分子を溶出緩衝液の約5カラム容積で均一濃度で溶出した。プールした画分のpHは、溶出直後に、記述されたpH調節緩衝液を使用して中性に調節された。Fab分子をさらに精製し、カラム内で予め包装された該ゲル濾過樹脂を用いて緩衝液を交換した。分子ふるいクロマトグラフィで使用されるランニング緩衝液は、25mMのHEPESおよび150mMのNacl、pH7.4であった。Fab分子は、約0.5カラム容積で単一ピークとして溶出した。ピークをカバーする画分は、BIOSep-SEC-S3000 300×7.8mmカラム(Phenomenex、カタログ番号00H-2146-K0)、ならびに200mMのリン酸Na pH6.9、300mMのNacl、および10 %のイソプロパノールで構成されたランニング緩衝液を用いた、Agilent LC 1100/1200システム上の分子ふるい高性能液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)法を使用して分析した。この分析に基づき、画分をプールして均質なタンパク質調製を得た。最終調製物は、1ml/分の流量で約10分の保持時間で、単一の対称ピークとして溶出した。
精製されたFab分子は、SDS-PAGE/Coomassieおよび液体-クロマトグラフィー質量分析法解析を使用してさらに特徴付けられた。SDS-PAGE/Coomassie分析を、NuPage 4-12% Bis-Trisゲル(Invitrogen、カタログ番号NP0321BOX)を用いて実施した。全てのFab分子は、予想される軽鎖および重鎖構成要素を示した。Agilent 6210計器および脱塩カラムMassPREP(Waters、カタログ番号USRM10008656)における液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析法のセットアップを使用して、インタクトな分子量決定を実施した。使用された緩衝液システムは、LC-MS等級-HO中の0.1%ギ酸で構成される平衡緩衝液、およびLC-MS等級-ACN中の0.1%ギ酸で構成される溶出緩衝液であった。全てのFab分子は、配列にしたがって予想されるインタクトな分子質量を示した。最終純度は、SE-HPLC解析に基づいて決定された。純度推定値はすべて、異なるFab断片では95~99%であった。最終タンパク質濃度を決定するために、NanoDrop分光光度計(Thermo Scientific社)を使用して280nmでの吸光度測定を実施し、各Fab分子の特定の吸光係数を使用して濃度を計算した。
抗体の精製および特徴付け
抗体の精製は、Protein A MabSelect SuRe樹脂(GE Healthcare、カタログ番号17-5438-01)を用いたアフィニティークロマトグラフィで行われた。精製は、AktaExplorerクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare、カタログ番号18-1112-41)を使用して行われた。アフィニティ精製工程に使用される緩衝液システムは、20mMのリン酸Na pH7.2、150mMのNaclで構成される平衡緩衝液、10mMのギ酸pH3.5で構成される溶出緩衝液、および0.4Mのリン酸Na pH9.0で構成されるpH調節緩衝液であった。細胞上清は、予め平衡化されたMabSelect SuReカラムを調整することなく直接適用された。カラムを10カラム容積の平衡緩衝液で洗浄し、抗体を溶出緩衝液の約2~5カラム容積で均一濃度で溶出した。プールした画分のpHは、溶出直後に、記述されたpH調節緩衝液を使用して中性に調節された。
精製された抗体は、SDS-PAGE/Coomassie、分子ふるい高圧液体-クロマトグラフィー(SE-HPLC)および液体-クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)解析を使用して特徴付けられた。SDS-PAGE/Coomassie分析を、NuPage 4-12% Bis-Trisゲル(Invitrogen、カタログ番号NP0321BOX)を用いて実施した。ここで、全ての抗体は、予想される軽鎖および重鎖構成要素を示した。Agilent 6210計器および脱塩カラムMassPREP(Waters、カタログ番号USRM10008656)における液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析法のセットアップを使用して、インタクトな分子量決定を実施した。使用された緩衝液システムは、LC-MS等級-HO中の0.1%ギ酸で構成される平衡緩衝液、およびLC-MS等級-ACN中の0.1%ギ酸で構成される溶出緩衝液であった。N-グリコシダーゼF(Roche Diagnostics、カタログ番号11365177001)および還元剤(すなわち、メルカプトエタノールまたはDTT)を用いたり、用いなかったりして解析を行った。全ての抗体は、配列および一つの重鎖N-グリカンに従い、予想されるインタクトな分子量を示した。純度はSE-HPLCに基づいて決定された。最終タンパク質純度は、BIOSep-SEC-S3000 300×7.8mmカラム(Phenomenex、カタログ番号00H-2146-K0)、ならびに200mMのリン酸Na pH 6.9、300mMのNacl、および10%のイソプロパノールで構成されたランニング緩衝液を用いた、Agilent LC 1100/1200システム上のSE-HPLC法セットアップに基づいて分析した。検出のためにUV280および蛍光(Ex 280nm/Em 354nm)検出器を使用した。抗体は、抗体のサイズを反映する保持時間と共に、単一の対称ピークとして溶出された。純度推定値はすべて、異なる抗体では95~99%であった。最終タンパク質濃度を測定するために、NanoDrop分光光度計(Thermo Scientific社)を、各抗体の特定の吸光係数と共に使用した。
実施例4 抗FIXa刺激抗体の結合
FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができるとして選択された抗体は、ビニング実験で解析され、以下に記載の方法を使用して特定された抗体の結合特性を決定した。
抗体のビニング方法
ビニング実験は、抗ヒトIgGセンサー(Pall Life Sciences、米国カリフォルニア州メンローパーク)を備えたOctet fortebioシステム(HTX、Red384)、および8または32チャネルモード(Red384およびHTX)を使用して実施された。ビニングアッセイは、古典的なサンドイッチエピトープビニングの設定を使用して実施された。簡潔に述べると、(1)一次抗体は、抗ヒトAHCチップ(抗ヒトIgG Fc捕捉チップ(AHC部品番号18-5064)により捕捉され、(2)AHCチップ上の非ブロックIgG結合部位は、ヒトポリクローナルIgG(I4506 SIGMA社)によってブロックされ、(3)FIXaは一次抗体に結合しており、(4)競合する抗体がチップ上の抗体-抗原複合体に提示され、二次抗体の結合が検出されない場合、抗体は同じビンに属すると評価された。
分析は、それぞれ抗体mAb0-1886およびmAb1-1307によって定義される二つの異なるビン、ビン1および2を特定した。
抗FIX抗体のビニング
選択された抗FIX抗体は、互いにビニングされ、二つの異なるビン(ビン1および2)が特定された。数字はmAb番号を指し、例えば0-1998はmAb0-1998を示す。
Figure 0007366747000003
概要は、いくつかの抗体が、mAb0-1886およびmAb0-1998を含む、ビン1に属することが見いだされたことを示している。ビン2は、mAb1-1307に加えて、四つの抗体を含むことが見出された。二つの抗体、mAb1-0072およびmAb1-0073は、ビン1および2に共通した。
本明細書に開示される親抗体(系統)の変異体は、親抗体を有するビンおよびエピトープ(ホットスポット)残基を共有する。
本実施例でデータが提供される抗体変異体は、実施例5で提供される親抗体-FIXa複合体の結晶構造に基づいて、エピトープ認識に重要であることが示された位置にアミノ酸置換を含まないため、当業者であれば、開始点としての変異体が同じビンに属し、結合について競合し、それらが由来する抗体、すなわち、mAb0-1998、mAb0-1886、またはmAb1-1307と少なくとも同じホットスポット残基を、FIX/FIXaエピトープ内に認識することを理解するであろう。
実施例5 X線結晶化を使用した抗FIX/FIXa抗体の結晶化およびエピトープマッピング
結晶化に使用されるFIXaタンパク質(Cambridge Protein Works、プロダクトコード10316)は、細菌発現の結果としてN末端に結合した非天然メチオニン残基を有する切断型軽鎖(配列番号1の残基85~142)、および配列番号1の残基181~415を含有する重鎖で構成される。プロテアーゼの活性部位は、EGR-クロロメチルケトンによって遮断される。
結晶化
Fab0-7237:FIXa
FIXaタンパク質と1対1モル比で混合したFab0-7237(mAb0-1886に対応するFab断片)の結晶を、18 °Cでハンギングドロップ蒸気拡散法で成長させた。20mMのTris-Hcl、pH7.4、50mMのNaCl、および2.5mMのCaCl 中の0.8μl 7.5mg/mlのタンパク質溶液を、等量の4Mギ酸ナトリウムと沈殿剤として混合し、1mlの沈殿剤でインキュベートした。
Fab0-7238:FIXa
FIXaタンパク質と1対1モル比で混合したFab0-7238(mAb0-1998に対応するFab断片)の結晶を、18°Cでシッティングドロップ蒸気拡散法で成長させた。20mMのTris-Hcl、pH7.4、50mMのNaCl、および2.5mMのCaCl中の0.1μl 6.2mg/mlのタンパク質溶液を、0.1μlの100mMカコジル酸ナトリウム、pH 6.5および1 Mクエン酸三ナトリウムと沈殿剤として混合し、60μlの沈殿剤でインキュベートした。
Fab0-7236:FIXa
FIXaタンパク質と1対1モル比で混合したFab0-7236(mAb1-1307に対応するFab断片)の結晶を、18°Cでシッティングドロップ蒸気拡散法で成長させた。20mMのTris-Hcl、pH7.4、50mMのNaCl、および2.5mMのCaCl中の0.1μl 6.4mg/mlのタンパク質溶液を、等量の0.2Mの硫酸リチウム、40(v/v)%のPEG400、および0.1MのTris pH 8.5と沈殿剤として混合し、1mlの沈殿剤でインキュベートした。
回折データ収集
Fab0-7237:FIXa
結晶は、液体窒素でフラッシュ冷却する前に、3Mのギ酸ナトリウム、4%のグリセロール、4%のエチレングリコール、4.5%のスクロース、および1%のグルコースからなる溶液中で凍結保護された。回折データを、DectrisのPilatus2M画素検出器を使用して、Swiss Light SourceビームラインX06DA(1.0000Å波長)で100Kで収集した。データの自動インデックス、統合およびスケーリングは、XDSパッケージからのプログラムで実行された(回析データ統計を表1に要約する)。
Fab0-7238:FIXa
結晶は、液体窒素でフラッシュ冷却する前に、75mMのカコジル酸ナトリウム pH6.5、および0.75Mのクエン酸三ナトリウム、4%のグリセロール、4%のエチレングリコール、4.5%のスクロース、および1%のグルコースからなる溶液中で凍結保護された。回折データを、DectrisのPilatus2M画素検出器を使用して、Swiss Light SourceビームラインX06DA(1.0000Å 波長)で100Kで収集した。データの自動インデックス、統合およびスケーリングは、XDSパッケージからのプログラムで実行された(回析データ統計を表1に要約する)。
Fab0-7236:FIXa
三つの結晶は、液体窒素中のフラッシュ冷却の前に、0.15Mの硫酸リチウム、30(v/v)%のPEG400、および0.075MのTris pH8.5、4%のグリセロール、4%のエチレングリコール、4.5%のスクロース、および1%のグルコースからなる溶液中で凍結保護された。回折データを、DectrisのPilatus2M画素検出器を使用して、Swiss Light SourceビームラインX06DA(1.0000Å波長)で100Kで収集した。データの自動インデックス、統合、併合およびスケーリングは、XDSパッケージからのプログラムで実行された(回析データ統計を表1に要約する)。
構造の決定と改良
Fab0-7237:FIXa
構造は、タンパク質データバンクエントリ4NP4のH鎖およびL鎖、ならびにタンパク質データバンクエントリ3KCGのH鎖およびL鎖を含むプログラムスイートPhenixで実装されたPhaserを使用した分子置換によって決定された。非対称ユニットは、二つのFab:FIXa複合体を含む。モデルは、COOTにおいて、Phenix改良および手動再構築の工程を使用して改良された。改良統計が表1に示される。
Fab0-7238:FIXa
構造は、タンパク質データバンクエントリ4PUBのH鎖およびL鎖、ならびにタンパク質データバンクエントリ3KCGのH鎖およびL鎖を含むプログラムスイートPhenixで実装されたPhaserを使用した分子置換によって決定された。非対称ユニットは、二つのFab:FIXa複合体を含む。モデルは、COOTにおいて、Phenix改良および手動再構築の工程を使用して改良された。改良統計が表1に示される。
Fab0-7236:FIXa
上記のFab0-7238:FIXa複合体の複雑な構造のFab部分とタンパク質データバンクエントリ3KCGからのH鎖およびL鎖を含むプログラムスイートPhenixで実装されたPhaserを使用した分子置換により、構造を決定した。非対称ユニットは、一つのFab:FIXa複合体を含む。モデルは、COOTにおいて、Phenix改良および手動再構築の工程を使用して改良された。改良統計が表1に示される。
表1-データ収集および改良統計
Figure 0007366747000004
Figure 0007366747000005
エピトープの決定
上記に基づき、mAb0-1998、mAb1-1307、およびmAb0-1886が、エピトープが抗体の重原子から3.5Åの距離内で少なくとも一つの重原子を有する残基として定義される、FIXa上の異なるエピトープに結合することが見出された。
mAb0-1998エピトープは、170ループに位置し、プロテアーゼドメイン内の以下の残基を含む:L337、R338、S339、T340、K341、およびT343。
mAb1-1307エピトープは以下の残基を含む:H256、H257、N258、K293、R403、Y404、N406、W407、E410およびK411。
mAb0-1886エピトープは、170らせんに位置し、プロテアーゼドメイン内の以下の残基を含む:K301、D332、R333、A334、T335、R338およびN346。
mAb0-1998およびmAb0-1886のエピトープは、重複することが見いだされた。これは二つの抗体がFIX/FIXa(実施例4)への結合をめぐって競合するという観察結果と十分に一致する。
本明細書に開示される親抗体(系統)の変異体は、親抗体を有するビンおよびエピトープ(ホットスポット)残基を共有する。
上記実施例4および以下の特定の実施例でデータが提供される抗体変異体は、本実施例で提供される親抗体-FIXa複合体の結晶構造に基づいて、エピトープ認識に重要であることが示された位置にアミノ酸置換を含まないため、当業者であれば、開始点としての変異体が同じビンに属し、結合について競合し、それらが由来する抗体、すなわち、mAb0-1998、mAb0-1886、またはmAb1-1307と少なくとも同じホットスポット残基を、FIX/FIXaエピトープ内に認識することを理解するであろう。
実施例6 FXa生成アッセイにおける二価抗FIX/FIXa抗体の活性
二価抗FIX/FIXa抗体のFXに対するFIXaの酵素活性への刺激効果は、Scheiflingerら、(2008)J Thromb Haemost、6:315-322により説明された原理による血液凝固リン脂質膜の存在下でFIXaによるFX活性化を促進する能力から決定された。Scheiflingerらによって特定された抗体中で抗FIXa抗体224F3の高い活性を考えると、224F3は、以下の実験の参照として選択された(224F3構造の情報のための実施例1を参照)。
FXのFXaへのFIXa媒介活性化に対する抗FIXa抗体の刺激効果は、384ウェルプレートでの自動化高処理量生化学アッセイで測定された。簡潔に述べると、FIXaを4点5倍用量反応で精製抗体と混合した。FX/リン脂質(PL)混合物を加え、FXa基質(Pephafour)を追加することによってFXa生成を測定し、マルチラベルリーダー(PheraSTAR)で5分間蛍光を検出することによって基質加水分解速度を測定した。FIXaの相対的刺激活性は、FIXa-抗体複合体対FIXa単独からのFXa生成の割合として計算された。
各抗体は、ヒト血漿由来FX(Haematologic Technologies Inc、米国)を、150nMの濃度に加える前に、アッセイ緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNaCl、5mMのCaCl、0.1%(w/v)のPEG8000、pH7.3+1mg/ml BSA)中で、3nMのヒト血漿由来FIXa(Haematologic Technologies Inc、米国)および10μM 25:75のホスファチジルセリン:ホスファチジルコリン脂質ベシクル(Haematologic Technologies Inc、米国)と共に10分間のプレインキュベーションにより、0~200nMの濃度範囲で試験された。室温で10分の活性化後、反応物(50μl)を25μlの冷却緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNacl、60mMのEDTA、0.1%のPEG8000、pH7.3 + 1 mg/mlのBSA)の添加によりクエンチした。次いで、25μlの2mM S-2765発色基質(Chromogenix、スウェーデン)を添加し、マイクロプレートリーダーで405nmの吸光度測定(ΔOD/分)により発色基質変換を測定することによって、生成されるFXaの量を決定した。各抗体濃度でのFXa生成率は、公知量のヒト血漿由来FXa(Haematologic Technologies Inc、米国)で作製された標準曲線から決定された。
表2に、試験した濃度で各抗体の測定されたFXa生成率を示す。ここから、224F3のそれと比較して観察された最大FXa生成率として、各抗体のピーク刺激活性が計算された。このデータは表3に示されており、三つのファミリー(それぞれ、0-1886、0-1998、および1-1307)のそれぞれに属する抗体は、224F3(Scheiflingerら)で観測されたものよりも10~67倍高い活性を有することを示す。
表2-FXa生成率
示された抗FIX/FIXa抗体に対するpM/分(平均±SD、n = 2)のFXa生成率。各抗体は、第一のカラムに示されるように0~200nMの濃度範囲で試験された。
Figure 0007366747000006
表3-ピーク刺激活性
FXa生成アッセイでの224F3(Scheiflingerら)に対する抗FIX/FIXa抗体のピーク刺激活性(平均±SD、n=2)。
Figure 0007366747000007
実施例7 一価(ワンアームド)抗体の調製
従来的な単一特異性および二価抗体、例えば、FXa生成アッセイ(実施例8)および特定のSPR実験(実施例14および15)に関連する潜在的なアビディティー効果を避けるために、一価のワンアームド(OA)抗体型を使用した。Martensら。A Novel One-Armed Anti-c-Met Antibody Inhibits Glioblastoma Growth In vivo.Clin.Cancer Res.12、6144-6152(2006)に記載されるように、全重鎖、切断型重鎖(Fab領域を欠く)および軽鎖は共発現される。Martensらによって記述された三つの鎖の共発現の代わりに、本発明では、二重特異性抗体ついて記載されたDuobody(登録商標)を使用して、一価抗体を調製した(実施例10)。したがって、一価抗体は、完全単一特異性および二価抗体と、切断型重鎖二量体(正式にはFab領域を除去することにより完全な抗体に由来する)を混合することにより調製され、実施例10に記載される同じ実験条件下で鎖の交換を進めることができた。一価抗体の形成には、実施例10に記載されるように、抗体および切断型重鎖二量体が、ヘテロ二量体化を促進するために適切な相補的変異を持っていることが必要である、すなわち、IgG1に対してF405L/K409R、およびIgG4に対してF405L+R409K/WT。
IgG1サブタイプの一価抗体の場合、重鎖の切断は、N末端からCys220と上部ヒンジCys226(EUナンバリング)の間の位置までとすることができる。切断型IgG1重鎖の特定の例は、残基1~220が切断されることである。
IgG4サブタイプの一価抗体の場合、重鎖の切断は、N末端からCys200と上部ヒンジCys226(EUナンバリング)の間の位置までとすることができる。切断型IgG4重鎖の特定の例は、残基1~214が切断されることである。
実施例8 FXa生成アッセイにおける一価抗FIX/FIXa抗体の活性
従来の抗体型の二価の結果として生じる潜在的なアビディティー効果を避けるために、FXに対するFIXa酵素活性の抗FIX/FIXa抗体の刺激活性が、一価のワンアームド(OA)抗体型への再フォーマット後に決定された(実施例8参照)。試験した抗体を以下の表4に示す。実施例7でも参照される抗FIXa抗体224F3(mAb1-1582と表示)の一価OAバージョンは、比較のために含めた。
OA抗体の刺激活性を、ホスファチジルセリン(PS):ホスファチジルコリン(PC)脂質ベシクル(最終濃度500μM、Haematologic Technologies Inc、米国)および血漿由来FIXa(最終濃度0.17、0.5または1nM;Haematologic Technologies Inc、米国)の固定濃度で、アッセイ緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNacl、5mMのCaCl、0.1%(w/v)のPEG8000、pH7.3+1mg/mlのBSA)で測定した。FIXaの濃度は、基質FXの15%未満がFXaに変換されることを確実にするために選択された。一価OA抗体(表1に示された最終濃度)の存在下でのプレインキュベーション後、150nMの血漿由来FXを添加して、50μlの最終反応体積を得、室温で20分間活性化させた。次いで反応物は、25μlの冷却緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNaCl、60mMのEDTA、0.1%のPEG8000、pH7.3+1mg/mlのBSA)を追加することによりクエンチし、25μlの2mM S-2765発色基質(Chromogenix、スウェーデン)をさらに添加し、マイクロプレートリーダーで405nmの吸光度測定(ΔOD/分)により発色基質変換を測定することによって、生成されるFXaの量を決定した。測定された活性は、同じアッセイで測定したシグナルを減算することによってバックグラウンド活性に対して補正されたが、FIXaと抗体はアッセイ緩衝液で置き換えられ、その後、アッセイに存在するFIXa濃度にしたがって正規化された([FIXa]total)。この数値を、抗体の非存在下でのFXa生成の同様に正規化された割合で割ることにより(AFIXa、norm)、使用される濃度の抗体によるFIXa活性の何倍かの刺激を提供する抗体刺激指数が計算された。遊離FIXaによるFXaの生成速度が遅いため、抗体の非存在下での活性化反応を上記のように行ったが、5、10、または20nMのFIXaが存在した。次いで、測定された活性をバックグラウンドで減算し、アッセイのFIXa濃度にしたがって正規化した。刺激指数の計算には、遊離FIXaの三つの正規化された活性の平均を使用した。
刺激指数の決定
要約すると、刺激指数の計算について以下のように説明することができる。
刺激指数=((AFIXa +OA - Abckg)/[FIXa]total)/AFIXa、norm
式中、AFIXa+OAは、OA抗体の存在下で測定される活性であり、Abckgは、FIXaおよび一価抗体の非存在下で測定されるバックグラウンド活性であり、[FIXa]totalは、アッセイのFIXa濃度であり、AFIXa、normは、遊離FIXaの平均正規化活性である。
FIXa飽和の決定
アッセイで、OA抗体で飽和したFIXaの割合は、FIXaとOA抗体の濃度、およびそれらの相互作用を支配する平衡解離定数(K)によって決定される。後者は、等温滴定熱量測定(ITC)などの当分野で公知の技術によって測定することができる。
FIXaの飽和に達するまで、OA抗体の濃度が増加するにつれて刺激指数が増加するため、アッセイ中のOA抗体の濃度は、アッセイ中のFIXaが少なくとも80%飽和するように選択し、FIXaが完全に飽和した状態での刺激指数を適切に推定する必要がある。
平衡状態でOA抗体に結合したFIXaの画分(fFIXa+OA)は、アッセイのFIXa([FIXa]total)およびOA([OA]total)の総濃度、および二次結合式を使用した相互作用の平衡解離定数(K)から計算でき、これはKrishnaswamyら、(1992)J.Biol.Chem.、267:23696-23706に記載され、以下の式1および2に詳述されている。
は、アッセイにおける平衡でのFIXa-OA抗体複合体の計算された濃度を表す。
は、アッセイにおける平衡でのOA抗体に結合しているFIXaの計算された割合を(パーセントで)表す。
式1.
式2.
各一価OA抗体に対する刺激指数が表4に提供されている。すべての試験された抗体について、測定された刺激指数は、一価のワンアームド224F3抗体(mAb1-1582)に対して測定されたものよりも高いことが見いだされた。
アッセイにおいて、3260nMのワンアームド224F3抗体の濃度、およびKerschbaumerら(US7297336-B2)によって報告された0.477nMのFIXaとの相互作用のKで、95%を超えるFIXaは、アッセイにおいて、ワンアームド224F3抗体に結合した。
表4-一価ワンアームド(OA)抗FIXa抗体によるFIXa活性の刺激
抗FIX mAb IDは、OA形式への再フォーマットに使用される抗体のIDを指す。「OA抗体濃度(nM)」および「刺激指数」と表示した列は、アッセイで使用されるOA抗体(nM)の濃度および遊離FIXaに対して測定されたFIXa活性の対応する刺激を示す。
Figure 0007366747000012
実施例9 抗FX/FXa FabおよびmAb発現プラスミドの開発
本明細書に開示される抗FX/FXa抗体は、標準抗体開発方法を使用して開発され、発現プラスミドは、抗FIX/FIXa FabおよびmAb発現プラスミドについて実施例1に記載されるように調製された。実施例2および3の抗FIX/FIXa抗体について記載されるように、抗FX/Xa抗体の発現、精製および特徴付けを同様に行った。
実施例10 インビトロアセンブリによって調製された二重特異性抗体
二重特異性抗体は、二重特異性IgG1抗体について記載した(Labrijnら、PNAS、2013、vol.110、pp.5145-5150)Duobody(登録商標)法(Genmab)による一次および二次抗体のインビトロアセンブリによって、以下に詳述される二重特異性IgG4抗体のわずかに改変された変異体を使用して生成される。
IgG1の場合、一次抗体の重鎖定常領域はIgG1 K409R(抗FIX/FIXa)であり、二次抗体の重鎖定常領域はIgG1 F405L(抗FX/FXa)である。IgG1は、前述のように、エフェクター機能が低下したIgG1変異体であってもよい。
IgG4の場合、一次抗体の重鎖定常領域はIgG4 S228P(抗FIX/FIXa)であり、二次抗体の重鎖定常領域はIgG4 S228P F405L R409K(抗FX)である。二つの親抗体は、実施例1~3に記載されるように産生される。Fabアーム交換反応は、75mMの2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)を使用した還元条件下でHEPES緩衝液(pH7.4)中で実施され、30°Cで3時間インキュベートされる。
実施例11 二重特異性抗体の血液凝固活性
抗FIXa抗体と抗hFX抗体との対は、上記のDuobody(登録商標)技術の手段により、二重特異性抗体に作製された(実施例10)。二重特異性抗体は、以下の段落に記載されるように、上述のFXa生成アッセイ(実施例6)およびトロンビン生成試験(TGT)などの様々なアッセイにおける血液凝固活性について試験された。
トロンビン生成試験(TGT)アッセイ
TGTは、カオリントリガーを使用した自動化HTP 384ウェルセットアップで行われた(Haemonetics Corporation、#6300)。簡潔に述べると、抗体を111nMの濃度で(55nMで追加されたmAb1-1371および166nMで追加されたmAb1-0021を除き)血友病A(HA)プラズマ(George King)に加えた。次いで、リン脂質(Rossix、#PL604T)と混合したカオリンを加え、その後FIIa基質を添加した(FluCa、Thrombinoscope、#TS50.00)。蛍光を、1分間隔で2時間、Perkin Elmer EnVisionのマルチラベルプレートリーダー上で測定した。ピークの高さは、トロンボグラムで観察された最大値として計算され、その後、参照抗FIXaおよび抗FX抗体について観察されたピークの高さに正規化した。参照には常に、mAb1-4707、mAb1-5788およびmAb1-4857で表される三つのファミリーの各々からのFIXドメインと組み合わせて、抗FX抗体mAb1-2375(配列番号93および94により識別)からの結合ドメインが含まれる。抗体を、低い(0~24%)、+(24~50%)、++(50%~75%)および+++(>75%)として相対的TGT-活性にしたがってグループ化し、+が好ましく、++がより好ましく、+++は最も好ましい。
二重特異性抗FIXa/抗FX抗体の好ましい組み合わせの選択
三つの系統mAb1-1307、mAb0-1886およびmAb0-1998に属する抗FIXa抗体変異体と組み合わせて、多数の抗FX抗体を二重特異性抗体として試験した。TGTアッセイにおける有意な活性を示す抗FIXa/抗FX対の選択された組み合わせを表5に示す。
表5-二重特異性抗体の血液凝固活性
選択された抗FIXa/抗FX二重特異性抗体の対は、TGTアッセイ中でその活性と共に示される(上述のように)。二重特異性抗体(Duobody)は、IgG1であったIgG1-0021、mAb1-1335、およびmAb1-0985を除き、IgG4サブタイプであった。
Figure 0007366747000013
Figure 0007366747000014
表5から明らかとなるように、二重特異性抗体によって示される活性レベルは、特定の抗FIXa/抗FX組み合わせに依存する。例えば、抗FX抗体mAb1-6723は、抗FIXa抗体mAb0-1998と組み合わせて、強い活性(+++)を示し、一方でmAb1-6723の活性は、mAb0-1886(+)およびmAb1-1307(+)と組み合わせて低い。
実施例12 抗FX抗体のビニング
抗hFIXa抗体(実施例11)と組み合わせた二重特異性抗体型における有意なTGT活性を示す特定の抗FX抗体は、FIXaをFXで置換することを除いて、抗FIXa抗体(実施例4)について説明したものと同じセットアップを使用するOctet fortebio systemsを使用して、互いにビニングした。
分析は、それぞれ抗体mAb1-1371、mAb1-1376、mAb1-6723、mAb1-7447およびmAb1-7449によって定義される五つの異なるビンA~Eを特定した。二つのビン、ビンAおよびビンEはそれぞれ、単一の抗FX抗体によってのみ表される(表6参照)。
多数のクローンがビンCでmAb1-6723と競合していることが確認された。
表6-抗FX抗体のビニング
選択された抗FX抗体は互いにビニングされ、五つの異なるビン(ビンA-E)が特定された。数字は抗体IDを指し、例えば1-6723はmAb1-6723を示す。
Figure 0007366747000015
実施例13 X線結晶化を用いた抗FX抗体の結晶化およびエピトープマッピング
結晶化
Fab0-8954(mAb1-6723に対応するFab断片)をFXと複合体で結晶化する試みは失敗したが、活性部位阻害FXaを有する良質な結晶が得られた。したがって、活性部位阻害des-gla FXa(ヒトEGR阻害因子Xa glaドメインレス(野生型)細菌発現、Lot# hGDFXAEGR-022、Cambridge ProteinWorks)と1:1モル比で混合されたFab0-8954の結晶は、18℃でシッティングドロップ蒸気拡散技術を使用して成長させた。20mMのTris-HCl、pH7.4、50mMのNaCl、および2.5mMのCaCl中の、150nlの6.7mg/ml複合体のタンパク質溶液は、沈殿剤として、50nlの0.2Mの酢酸マグネシウム、0.1Mのカコジル酸ナトリウム、pH6.5、20%(w/v)のPEG 8000と混合し、60μlの沈殿剤を介してインキュベートした。
回折データ収集
結晶は、液体窒素でフラッシュ冷却する前に、結晶化ドロップに20%のエチレングリコールを加えた1μlの沈殿剤の添加により凍結保護した。回折データを、DectrisのPilatus2M画素検出器を使用して、Swiss Light SourceビームラインX06DA(1.0000Å波長)で100Kで収集した。データの自動インデックス、統合およびスケーリングは、XDSパッケージからのプログラムで実行された(回析データ統計を表7に要約する)。
構造の決定と改良
非対称ユニットは、Matthews係数解析から判断された四つのFab:FXa複合体を含む。構造は分子置換によって決定された。プログラムスイートPhenixに実装されたPhaserは、四つのFabを局在化する検索モデルとして、タンパク質データバンク入力5I1KのH鎖とL鎖と併用された。これらは、COOT を使用して正しいアミノ酸配列を用いて構築され、その後Phenix改良を使用して改良された。検索モデルとしてタンパク質データバンク入力1G2LからのA鎖およびB鎖を用いて、CCP4スイートからMolrepで分子置換を適用しながら、改良されたFabモデルは修正された。四つのFXa断片が見つかった。モデルは、COOTにおいて、Phenix改良および手動再構築の工程を使用して改良された。改良統計が表7に示される。
表7-データ収集および改良統計
Figure 0007366747000016
エピトープの決定
Fab0-8954:FXa複合体の結晶構造は、非対称なユニット内に複合体の四つのコピーを持ち、これらを個別に分析して、3.5Åカットオフ距離を使用してエピトープおよびパラトープを特定した。
ユニットセル内のFab0-8954:FXa複合体の四つのコピーの少なくとも一つで3.5Åの距離基準を満たす場合、mAb1-6723のエピトープに残基が含まれる。mAb1-6723のエピトープ残基およびパラトープ残基を表8に列挙する。
表8 mAb1-6723のエピトープおよびパラトープ
FX/FXa(配列番号2)のEGF-2およびプロテアーゼドメインにおけるmAb1-6723のエピトープ残基を、それぞれ第一および第二の列に列挙する。抗体V(配列番号21)およびV(配列番号22)のパラトープ残基は、それぞれ列3および4に列挙されている。
Figure 0007366747000017
本明細書に開示される親抗体(系統)の変異体は、親抗体を有するビンおよびエピトープ(ホットスポット)残基を共有する。
本明細書の実施例でデータが提供される抗体変異体は、本実施例で提供される親抗体-FXa複合体の結晶構造に基づいて、エピトープ認識に重要であることが示された位置にアミノ酸置換を含まないため、当業者であれば、開始点としての変異体が同じビンに属し、結合について競合し、それらが由来する抗体、すなわち、mAb1-6723と少なくとも同じホットスポット残基を、FX/FXaエピトープ内に認識することを理解するであろう。
実施例14 FX上のホットスポット残基の特定
実施例15に記載されるように、mAb1-1307、mAb0-1886およびmAb0-1998に対するFIX上のホットスポットエピトープ残基のマッピングと同様に、本実施例に提供されるデータは、mAb1-6723のFX上のホットスポットエピトープ残基を決定する。使用したFX変異体は、短いGSリンカー(GGGGSGGGGS)を介してN末端Hisタグ(HHHHHH、アフィニティー精製用)が付加されている、配列番号2の残基86~448に対応する、desGla-desEGF1-FXの単一部位アラニン変異体(野生型のアラニンであり、アラニンからセリンへの置換が導入された位置118を除く)である。実施例13に定義されるエピトープ残基をカバーする変異体を表9に列挙する。
表9-生成されたdesGla-desEGF1-FX変異体のリスト
Figure 0007366747000018
表9に列挙された野生型desGla-desEGF1-FXおよび変異体は、HEK293システムで発現され、アフィニティークロマトグラフィーで精製された。L117A、L303A、P304A、およびM426Aの変異体では、発現または低純度が観察されず、これら四つの変異体に対しては結合の評価はできなかった。
ホットスポットエピトープ残基の同定は、25℃でBiacore T200機器を使用して行われた。2μg/mlのHuman Antibody Capture Kit(GE Healthcare、カタログ番号BR100839)の抗hlgG Fc抗体は、標準アミンカップリング化学を使用してSeries S Sensor Chip CM5(GE Healthcare、カタログ番号BR100530)上で固定化した。抗FX 抗体mAb4-6934(mAb1-6723 の一価変異体)を、30秒間、5μL/分の流量で注入し、固定化した抗hlgG Fc抗体により捕捉した。続いて、5μ(2倍または3倍の段階希釈)のT116A、A118S、T127A、F229AおよびE226A変異体、10μM(5倍の段階希釈)のY230A変異体、ならびに10μM(2倍または3倍の段階希釈)のWTおよびH101A、E103A、R113A、S227A、E228A、R287A、E305A、L419A、K420A、D423A、R424A、K427AおよびT428A変異体を、5μM/分の流量で90秒間注入し、捕捉抗FX抗体への結合を可能にし、その後、緩衝液の90秒間の注入により、desGLA-desEGF1-FX変異体の解離を可能にした。ランニング緩衝液(抗FX抗体およびdesGLA-desEGF1-hFX変異体の希釈にも使用)は、10mMのHEPES、150mMのNaCl、1mg/mLのBSAおよび5mMのCaCl(pH7.4)を含有した。センサーチップの再生は、1Mのギ酸を使用して達成された。結合データは、GE Healthcare が供給するBiacore Evaluation Software 2.0の1:1モデルに従って、定常状態フィッティングを使用して解析した。結合データは、注入された5または10μMでの野生型FXの抗FX抗体への結合と比較して、FX変異体の抗FX抗体(一価mAb1-6723)への結合を%で報告し、以下の式にしたがって計算する:
結合(%)= 100% × [(Rmax_FXvar,Ab)/(Rmax_Ab)] / [(Rmax_FXwt,Ab)/(Rmax_Ab)]
式中、Rmax_Ab は抗FX抗体の捕捉レベル(RU)を表し、Rmax_FXvar、Abおよび Rmax_FXwt、Ab は捕捉抗FX抗体への同じ濃度(すべての濃度は5μM、Y230A変異体のみ10μM)でのFX変異体および野生型の結合(RU)をそれぞれ表す。結果を表10に示す。
表10-SPR分析の結果
mAb1-6723のエピトープ残基をカバーする選択されたFX変異体へのmAb1-6723結合の一価変異体のSPR解析の結果。
mAb1-6723のホットスポット残基
mAb1-6723のホットスポット残基は、野生型残基のアラニンによる置換(またはアラニンをセリンで置換した位置118)が、5μMのWT(または変異体)desGLA-desEGF1-FXの濃度での抗体の野生型FXへの結合と比較して、抗体の結合を30%以下に減少させる位置として定義される。
mAb1-6723のホットスポット残基(一価の対応物、mAb4-6934で実験的に表される):
R113、Y230、K420、D423、R424およびK427
実施例15 FIX/FIXa 上のホットスポット残基の特定
抗FIX/FIXa Abs、mAb0-1886、mAb0-1998およびmAb1-1307とFIX の間の相互作用(ホットスポットと呼ばれる)に対して重要な残基を決定するために、対応するFab断片と複合するFIXaの結晶構造に基づいて、FIX変異体一式が選択された(それぞれFab7237、Fab7238 およびFab7236)。以下に詳述するように、選択されたFIX変異体は哺乳類細胞で一時的に発現され、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用してmAb0-1886、mAb0-1998およびmAb1-1307の一価変異体への結合に関して、精製され、特徴付けられた。
FIX変異体の生成
一過性哺乳類発現に適したDNAプラスミドは、ヒトFIXのアミノ酸残基1-461をコードする発現カセット(UNIPROTナンバリングによるT194A変異を除き、配列番号1のT148Aに対応)と、それに続く六つのヒスチジン(6×His-タグ、アフィニティー精製用)で構築された。この構築物を使用して産生された分泌型の成熟FIXタンパク質鎖は、C末端His-タグの追加を除き、ヒトFIX(Ansonら。EMBO J.1984 3:1053-1060、McGrawら、Proc Natl Acad Sci USA.1985 82:2847-2851)のA148対立遺伝子型と同一である。
構築物をテンプレートとして使用して、選択された変異をPCRによって導入した。表11に列挙した各単一点変異について、所望のアミノ酸変化を含むフォワードプライマーおよびアミノ酸変異なしのリバースプライマーが設計された。これらのプライマーを、ベクター配列全体を増幅するためのテンプレートとして、上述のベクターを用いた標準PCR反応で使用した。ライゲーションフリークローニングを用いて、フォワードプライマーおよびリバースプライマーによって導入されたオーバーラップ配列を使用して、得られた増幅DNA断片の末端を、環状発現プラスミドに結合した。
環状化プラスミドを、大腸菌細胞に形質転換し、選択的寒天プレート上で成長させてコロニーを形成し、コロニーを使用して液体大腸菌培養を開始した。大腸菌培養物を一晩増殖させた後、プラスミド調製を実施し、変異体をDNAシーケンシングによって同定した。
組み換えタンパク質の産生は、Expi293 Expression(商標)培地(ThermoFisher Scientific、カタログ番号A1435101)の浮遊培養で増殖するexpi293F細胞を、ExpiFectamine(商標)293 Transfection Kit(ThermoFisher Scientific、カタログ番号A14525)および所望の変異体の各々をコードするプラスミドDNAならびに野生型FIX(C末端Hisタグ付き配列番号1に対応)を使用してトランスフェクションすることによって実施した。トランスフェクション時に、ビタミンKを最終濃度5 mg/mLまで加えた。ExpIfectamine(商標)293 Transfection Kitのトランスフェクションエンハンサー1および2を、トランスフェクションの翌日に追加した。トランスフェクションの5日後に、細胞培養物を遠心分離によって採取した。
各FIX変異体のC末端Hisタグは、マルチウェルのロボットセットアップでバッチタンパク質精製に使用された。簡潔に述べると、採取した細胞培養上清を、結合条件に調整し、Ni Sepharose 6 Fast Flow アフィニティー精製樹脂(GE Healthcare、カタログ番号17-5318-02、50μlの沈殿樹脂/ml細胞培養培地)と混合し、20分間振とうしながらインキュベートした。次に、樹脂/上清混合物をフィルタープレートに移動し、液体を真空の適用によってフィルタープレートを通して吸引した。フィルタープレート内に残っている樹脂を、高イミダゾール緩衝液中で溶出する前に3回洗浄した。
精製タンパク質溶液の濃度測定は、検出用の抗FIX抗体と標準曲線用の高純度組み換え野生型FIXを使用して、ELISAによって実施された。
表11-生成されたFIX変異体のリスト
Figure 0007366747000020
Figure 0007366747000021
FIX変異体の熱安定性
FIX変異体へのアミノ酸置換の導入が不安定化と不適切なフォールディングにつながるかどうかをテストするために、変異体の熱変性遷移の中間点(T)を決定した。
精製されたFIX変異体を標準毛細管(Prometheus NT.48 nanoDSF Grade Standard capillaries、Nanotemper Technologies GmbH、ミューンヘン)にロードし、Prometheus NT.48(Nanotemper Technologies GmbH、ミュンヘン)に挿入した。70%の励起強度を使用し、1.5℃/分の加熱ランプを用いて、20~90℃で熱変性を追跡した。トリプトファン蛍光は、280 nmで励起し、330 nmおよび350 nmで発光を記録することによって測定した。FIX変異体のT は、350 nmおよび330 nm(F350/F330)で測定した蛍光の比率から、(FIX N101D、H256A、L330A、S339A、G393I、Y404AおよびN406Qのタンパク質濃度が20μg/mL未満の場合を除く)決定することができる。すべての場合において、プログラムPR.ThermoControl v2.0.4(NanoTemper Technologies GmbH、ミュンヘン)は、F350/F330展開曲線の一次導関数の最大値を判定することによって、自動的にTに適合する。野生型FIXのT は51℃であり、変異体のT は47~54℃の範囲であることが判明し、アミノ酸置換によって大きな不安定化が誘導されなかったことを実証した。
SPR分析
FIX変異体は、C末端Hisタグを介してFIX変異体を捕捉することにより、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用したmAb0-1886、mAb0-1998およびmAb1-1307への結合に関して特徴付けられた。従来の二価抗体に関連する潜在的なアビディティー効果を避けるために、すなわち、1:1相互作用を確保するために、それぞれmAb4-0673、mAb4-0004およびmAb3-3279と表記されるmAb0-1886、mAb0-1998およびmAb1-1307の一価変異体(実施例7に記載したように調製された)を分析物として使用した。
SPR分析は、Biacore 4000またはBiacore T200機器(Biacore AB、Uppsala、スウェーデン)で行った。T200機器上の実験では、次の条件が適用され、測定は25℃の温度で行った。25 μg/ml(R&D Systems、カタログ番号MAB050)での抗His 抗体は、標準アミンカップリング化学を使用してCM5センサーチップ上で固定化された。25nMの抗FIX変異体を10μl/分の流量で1分間注入し、固定化された抗His抗体によってHisタグを介して捕捉した。続いて、mAb4-0004、mAb3-3279およびmAb4-0673の200nM(4倍の段階希釈)、1600nM(3倍の段階希釈)、および2000nM(3倍の連続希釈)を、それぞれ50μl/分の流量で5分間注入して捕捉されたFIX変異体への結合を可能にし、その後10分間緩衝液を注入して一価抗FIX抗体の解離を可能にした。使用されるランニング緩衝液は、20mMのTris、150mMのNaCl、5mMのCaCl、0.05%のTween-20、1 mg/mlのBSA、pH7.4であった。これは、抗FIX抗体およびFIXサンプルの希釈にも使用された。10mMのグリシンpH2.0を使用してチップの再生成が達成された。結合データを、製造者(Biacore AB、Uppsala、スウェーデン)により供給されたBiaEvaluation 4.1を使用して1:1モデルにしたがって分析した。同様の実験セットアップをBiacore 4000機器に使用した。
最初に、表11にリストされているすべてのFIX変異体は、三つすべての一価抗体、mAb4-0004、mAb3-3279およびmAb4-0673への結合についてBiacore 4000機器を使用してスクリーニングされた。それぞれのエピトープ残基に対応する位置に変異を含むFIX変異体への抗体の結合(実施例6で概説した距離基準により定義)は、予想されるように、可変程度に攪乱された。それぞれのエピトープ残基に対応しない位置で変異を含むFIX変異体については、抗体結合に有意な影響は観察されなかった。特に、EGF2ドメインで行われた置換は、いずれの抗体(データ非表示)への結合にも影響しなかった。
Biacore T200機器を使用して、エピトープ残基として定義された残基について、より詳細な結合解析を行った(実施例6参照)。結果を表12に示す。
結合データは、抗体の野生型FIXへの結合と比較して、抗体のFIX変異体への結合を%で報告し、以下の式にしたがって計算する:
結合(%)=100%×[(Rmax_Ab,FIX_var)/(Rmax_FIXvar)] / [(Rmax_Ab,FIX_wt)/(Rmax_FIXwt)]
式中、Rmax_FIXvarおよびRmax_FIXwtは、FIX変異体および野生型FIXの捕捉レベル(RU)をそれぞれ表し、またRmax_Ab、FIX_varおよびRmax_Ab、FIX_wtは、抗体の捕捉されたFIX変異体および野生型FIXへの結合(RU)をそれぞれ表す。結果を表12に示す。
表12-SPR分析の結果
mAb1-1307、mAb0-1998およびmAb0-1886のエピトープ残基をカバーする選択されたFIX変異体へのmAb3-3279、mAb4-0004、およびmAb4-0673(それぞれmAb1-1307、mAb0-1998およびmAb0-1886の一価変異体)の結合のSPR分析の結果。
ホットスポット残基mAb1-1307、mAb0-1998 および mAb0-1886
mAb1-1307、mAb0-1998およびmAb0-1886のホットスポット残基は、野生型残基のアラニンによる置換が、抗体の野生型FIXへの結合と比較して、抗体の結合を30%以下に減少させる位置として定義される。
mAb1-1307のホットスポット残基(mAb3-3279によって実験的に表される):
H257、K293、およびN406
mAb0-1998のホットスポット残基(mAb4-0004によって実験的に表される):
R338およびK341
mAb0-1886のホットスポット残基(mAb4-0673によって実験的に表される):
D332、R333、L337およびR338
mAb0-1998およびmAb0-1886の両方について、結合にほとんど寄与する残基はR338であり、FIXでのR338のアラニン(R338A)への置換は、抗体結合に対する最大の影響を示し、野生型FIXへの抗体結合と比較して、mAb0-1998とmAb0-1886でそれぞれ2%と3%に大幅に減少した。
実施例16 FXa生成アッセイにおける抗FIX(a)/FX(a)二重特異性抗体の活性
抗FIXa/FX二重特異性抗体の血液凝固活性は、血液凝固リン脂質膜の存在下で、FIXaによるFX活性化を促進する能力に基づいて決定された。試験された二重特異性抗体(BiAb)を表13に記載し、ACE910は比較のために含めた。
各二重特異性抗体の血液凝固活性は、所与の抗体濃度での遊離FIXaによるFX活性化に対する何倍かの刺激として報告される。二重特異性抗体は、アッセイ緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNacl、5mMのCaCl、0.1%(w/v)のPEG8000、pH7.3 + 1 mg/ml BSA)中で、125pMのヒト血漿由来FIXa(Haematologic Technologies Inc、米国)および500μM 25:75のホスファチジルセリン:ホスファチジルコリン脂質ベシクル(Haematologic Technologies Inc、米国)と共に10分間のプレインキュベーションにより、8濃度(アッセイ緩衝液での三倍段階希釈で作製)で試験された。次いで、ヒト血漿由来FX(Haematologic Technologies Inc、米国)を、25nMの濃度に加えることにより、活性化が開始された。室温で15分の活性化後、反応物(50μl)を25μlの冷却緩衝液(50mMのHEPES、100mMのNacl、60mMのEDTA、0.1%のPEG8000、pH7.3+1 mg/mlのBSA)の添加によりクエンチした。25μlの2mM S-2765発色基質(Chromogenix、スウェーデン)を添加し、マイクロプレートリーダーで405nmの吸光度測定(ΔOD/分)により発色基質変換を測定することによって、生成されるFXaの量を決定した。同様に、遊離FIXaによるFX活性化は、25nMのFIXa濃度および60分の反応時間で決定された。
測定された活性は、アッセイに存在するFIXaの濃度および反応時間にしたがって正規化された。この数を、抗体の非存在下での同様に正規化されたFXa生成の割合で割ることにより、所与の濃度での抗体による何倍かの刺激を計算した。
要約すると、biAb刺激の計算は以下のように説明することができる。
BiAb刺激=(AFIXa+biAb/([FIXa]assay×treaction))/AFIXa、norm
式中、AFIXa+biAbは、二重特異性抗体の存在下で測定された活性であり、[FIXa]assayは、アッセイ中のFIXa濃度であり、treactionは、反応時間であり、AFIXa、normは、遊離FIXaの正規化活性である。
表13は、試験された8つの抗体濃度の間の各二重特異性抗体に対して決定された最大刺激とともに、最大刺激が観察された濃度を示す。すべての試験された二重特異性抗体について、最大刺激は、0~15300nMの濃度間隔で試験されたACE910で測定されたものよりも高いことがわかった。
表13-二重特異性抗FIXa/FX抗体による最大刺激
Figure 0007366747000023
実施例17 ヒト血友病Aの乏血小板および多血小板模倣血漿におけるトロンビン生成試験(TGT)における二重特異性抗FIX(a)/FX(a)抗体の活性
二重特異性抗体mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、およびmAb5-1409(表14 を参照)の血液凝固活性は、血液凝固合成リン脂質膜または血小板のいずれかの存在下でのトロンビン生成を促進する能力に基づいて決定され、これはHemkerらにより説明された原理による(Pathophysiol Haemost Thromb、2002;32:249-253)。ACE910は比較のために含めた。各抗体(試験化合物)は、プールされた血友病A(HA)患者の乏血小板血漿(HA-PPP)および/またはHA誘発ヒト多血小板血漿(HA-PRP)でトロンビン生成試験(TGT)を試験した。
表14-二重特異性抗FIX(a)/FX(a)抗体
Figure 0007366747000024
血友病A誘発ヒト多血小板血漿(HA-PRP)
血液は、静脈穿刺によって健康的な同意ドナーから得た。6容量の血液を1容量のクエン酸デキストロース(ACD;85mMのクエン酸ナトリウム、110mMのデキストロース、62.3mMのクエン酸、pH4.9)最終pH6.5に収集し、室温(RT)で220gで20分間遠心分離した。多血小板血漿(PRP)を採取し、Medonic CA 620血液分析器(Boule Diagnostics AB、SpÅnga、スウェーデン)を用いて血小板濃度を決定した。血漿部分を含有する赤血球を、室温で600gでさらに10分間遠心分離した。乏血小板血漿(PPP)を採取し、300,000血小板/μlに希釈したPRPに使用した。HA条件は、最終濃度0.1mg/mlにFVIII-中和抗ヒトFVIII 抗体(ヒツジ抗ヒト第VIII因子-5mg、Haematologic Technologies、VT、米国)を添加することによって誘発され、室温で30分間、2rpmで穏やかに回転された。
トロンビン生成テスト
HA-PRPおよびHA-PPP(George King Bio-Medical Inc、KS、米国)のトロンビン生成試験(TGT)を、96ウェルプレート蛍光光度計(Fluoroscan Ascent FL、Thermolabsystems、Helsinki、フィンランド)を使用して、標準較正自動化されたトロンボグラフィーにより実施した。反応混合物は、70μl HA-PRP(300,000血小板/μl)またはHA-PPP、10 μlの試験化合物希釈(20mMのHEPES、140mMのNaCl、pH7.4、2%のBSAmに希釈)、組織因子(TF)を含む20μlのCAT試薬(PRP試薬;合成リン脂質を含まないTF、PPP試薬LOW;合成リン脂質を含むTF、1pMのTF最終、Thrombinoscope BV、Maastricht、オランダ)またはThrombin Calibrator(Thrombinoscope BV)、ならびに蛍光標識されたトロンビン基質z-Gly-Gly-Arg-AMC(3 mM)およびCaCl(90 mM)(Thrombinoscope BV)を含む20μlの混合物を含む。TGTは、最大8濃度の試験化合物(0.3、1.0、3、10、30、100、300、および900nM、最終血漿濃度)または追加緩衝液(20mMのHEPES、140mMのNaCl、pH7.4、2%のBSA)のみ(HA対照を表す)で実施された。濃度範囲は、HA-PPPにおける少なくとも三つの独立した実験で、同じストックから、または異なる四人のドナーからの血液中で試験された。TGT中の正常な対照レベルを、未処理のヒトPRPまたはCRYOcheck(商標)でプールした正常ヒトPPP血漿(Precision Biologic Inc.、Dartmouth、カナダ)を添加した緩衝液(20mMのHEPES、140mMのNaCl、pH7.4、2%のBSA)のみを使用して測定した。TGTを合計90分間進行させ、TGTパラメーターのピークトロンビン高さ(nM)をThrombinoscopeソフトウェア(Thrombinoscope BV)で解析した。
図2/表15は、HA-PPPで試験された濃度の各二重特異性抗体に対する測定されたピークトロンビン生成率を示す。データは、すべての試験化合物が、抗体の非存在化下で観察されたレベルを超えてトロンビン形成のピークを増加させることを示し、すなわち、血液凝固活性を示す。さらに、mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、およびmAb5-1409に対して30~300 nMの間のトロンビン生成レベルは、ACE910に観察されたものよりも高く、優れた効力を示す。さらに、300~900nMのmAb5-0057およびmAb5-1409におけるトロンビン生成レベルは、900nMのACE910で観察されたものよりも高く、ACE910と比較してこれらの化合物の高い効力および有効性を示す。
図3/表16は、HA-PRPで試験した濃度でのmAb5-0057およびmAb5-1409の測定されたピークトロンビン生成レベルを示す。これらの条件下では、mAb5-0057およびmAb5-1409も、ACE910と比較してより良好な効力および有効性を示す。
表15- 二重特異性抗体mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、mAb5-1409およびACE910のトロンビン生成試験(TGT)
ヒト組織因子活性化血友病A乏血小板血漿(PPP)における二重特異性抗体mAb4-7761、mAb4-7762、mAb4-7789、mAb5-0057、mAb5-1409、およびACE910のトロンビン生成試験(TGT)。HA-PPPの少なくとも三つの独立した実験で、試験された各化合物濃度で測定した平均ピークトロンビン生成レベル±標準偏差。実験A~Dは、図2の凡例に記載された独立した実験を意味する。
Figure 0007366747000025
表16-二重特異性抗体mAb5-0057、mAb5-1409およびACE910のトロンビン生成試験(TGT)
ヒト組織因子活性化血友病A多血小板血漿(PRP)の二重特異性抗体mAb5-0057、mAb5-1409、およびACE910のトロンビン生成試験(TGT)。HA-PRPの四つの独立した実験から試験された各化合物濃度での平均ピークトロンビン生成±標準偏差。
Figure 0007366747000026
実施例18 ヒト血友病A乏血小板血漿におけるトロンビン生成試験(TGT)での一価ワンアームド(OA)抗FIX/FIXa抗体の活性
mAb1-9016の一価ワンアームド(OA)バージョンの血液凝固活性は、血液凝固リン酸脂質膜の存在下でのトロンビン生成を促進する能力に基づいて決定され、これはHemkerらにより説明された原理による(2002)Pathophysiol Haemost Thromb、32:249-253。224F3抗体(mAb1-1582)のワンアームドバージョンを、比較のために含めた。各抗体(試験化合物)は、96ウェルプレート蛍光光度計(Fluoroscan Ascent FL、Thermolabsystems、Helsinki、フィンランド)を使用して、標準較正自動化されたトロンボグラフィーにより、プールされた血友病A(HA)患者の乏血小板血漿(HA-PPP)(George King Bio-Medical Inc、KS、米国)でトロンビン生成試験(TGT)を試験した。反応混合物は、70μlのHA-PPP、10μlの試験化合物(20mMのHEPES、140mMのNaCl、pH7.4、2%のBSAmに希釈)、活性化ヒト血漿由来第XI因子(hFXIa、8.3 mU/mL最終)(Enzyme Research Laboratories、IN、米国)含有の20μlのPRP試薬(合成リン脂質、Thrombinoscope BV、Maastricht、オランダ)またはThrombin Calibrator(Thrombinoscope BV)、ならびに蛍光標識されたトロンビン基質Z-Gly-Gly-Arg-AMC(3 mM)およびCaCl(90 mM)(Thrombinoscope BV)を含む20μlの混合物を含む。TGTは、5濃度の試験化合物(30、100、300、600および900nM、最終血漿濃度)または追加緩衝液(20mMのHEPES、140mMのNaCl、pH7.4、2%のBSA)のみ(HA対照を表す)で実施された。濃度範囲は、同じストックからのHA-PPPで、二つの独立した実験で試験された。TGTを合計90分間進行させ、TGTパラメーターのピークトロンビン高さ(nM)をThrombinoscopeソフトウェア(Thrombinoscope BV)で解析した。図4および表17は、試験された濃度の各一価ワンアームド抗体に対する測定されたピークトロンビン生成率を示す/列挙する。データは、mAb1-9016のOA抗体バージョンが、抗体の非存在化下で観察されたレベルを超えてトロンビン形成のピークを増加させることを示し、すなわち、血液凝固活性を示す。さらに、mAb1-9016のOA抗体バージョンによって誘発されるトロンビン生成は、224F3抗体(mAb1-1582)の一価OAバージョンで観察されたものよりも高い。
表17-試験された濃度の各一価ワンアームド抗体に対する測定されたピークトロンビン生成率 リストは、HA-PPPの二つの独立した実験の平均ピークトロンビン±標準偏差である。
Figure 0007366747000027
実施例19 等温滴定熱量測定(ITC)によって決定される結合親和性
FIX/FIXaおよびFX/FXaに結合する抗FIX/FIXa抗体および抗FX/FXa抗体の結合親和性は、それぞれPEAQ-ITC熱量計(Malvern、英国)を使用して、等温滴定熱量測定(ITC)によって測定される。実験は、25mMのTris、150mMのNaCl、5mMのCaCl(Tris-緩衝液)を使用して、37℃およびpH7.4で行われる。サンプルセル(200μl)には、FIX、FIXa、FX、またはFXaのいずれかが含まれ、抗FIX/FIXaおよび抗FX/FXa抗体がシリンジを介して注入される。一致した緩衝液条件を確保するために、測定前にすべてのタンパク質をTris緩衝液中で広範囲に透析する。熱平衡工程に続いて60秒の遅延があり、その後、抗体の最初の0.2μlの注入、その後120秒間隔で2.5μlの抗体の注入を14回行った。攪拌速度は750rpmで維持され、参照電力は5~10μcal/秒で一定に保たれる。抗体の各注入に伴う熱を統合し、リガンドと高分子のモル比に対してプロットする。得られた等温線は、製造業者によって提供されるソフトウェアを使用して、親和性(KD)、化学量論(n)、および相互作用のエンタルピー(ΔH)を得るために、一部位結合モデルに適合される。実験は二重または三重で実施された。
本明細書では本発明の特定の特徴を例示および説明してきたが、多くの修正、置換、変更、および同等物が当業者に思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にあるそのようなすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。

Claims (10)

  1. FIX(配列番号1)および/またはその活性型(FIXa)に結合することができる第一の抗原結合部位、ならびにFX(配列番号2)および/またはその活性型(FXa)に結合することができる第二の抗原結合部位を含む、FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体またはその抗原結合性断片であって、
    前記第一の抗原結合部位が、FIX/FIXaのアミノ酸残基R338およびK341を含むエピトープに結合することができ、
    前記第二の抗原結合部位が、FX/FXaのアミノ酸残基R113、Y230、K420、D423、R424およびK427を含むエピトープに結合することができる、多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  2. 前記第一の抗原結合部位が、FIX/FIXaのアミノ酸残基L337、R338、S339、T340、K341およびT343を含むエピトープに結合することができる、請求項1に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  3. 前記第二の抗原結合部位が、FX/FXaのアミノ酸残基H101、E103、T116、L117、A118、T127、S227、E228、F229、E266、R287、L303、P304、E305、L419、M426およびT428のうちの一つまたは複数を更に含むエピトープに結合することができる、請求項1または2に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  4. 前記多重特異性抗体またはその抗原結合性断片が、FIX/FIXaへの結合について参照抗体と競合し、前記参照抗体が、
    a)配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、または
    b)配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、または
    c)配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  5. 前記多重特異性抗体またはその抗原結合性断片が、FX/FXaへの結合について参照抗体と競合し、前記参照抗体が、配列番号179に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および配列番号180に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項1または4に記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  6. FIX(配列番号1)および/またはその活性型(FIXa)に結合することができる第一の抗原結合部位、ならびにFX(配列番号2)および/またはその活性型(FXa)に結合することができる第二の抗原結合部位を含む、FXに対するFIXaの酵素活性を刺激することができる多重特異性抗体またはその抗原結合性断片であって、
    a.配列番号177に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号178に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号179に示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号180に示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列と、
    b.配列番号181に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号182に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号183に示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号184に示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列のCDR配列と、または
    c.配列番号187に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号188に示されるアミノ酸配列を有する抗FIX/FIXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号185に示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体重鎖可変ドメインのCDR配列と、配列番号186示されるアミノ酸配列を有する抗FX/FXa抗体軽鎖可変ドメインのCDR配列とを含む、多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  7. 前記多重特異性抗体またはその抗原結合性断片が二重特異性抗体である、請求項1~6のいずれかに記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  8. 阻害物質を有する血友病Aまたは阻害物質を有しない血友病Aの治療のための、請求項1~7のいずれかに記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片および薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
  10. 阻害物質を有する血友病Aまたは阻害物質を有しない血友病Aの治療のための、請求項1~7のいずれかに記載の多重特異性抗体またはその抗原結合性断片を含む、医薬組成物。
JP2019541422A 2017-02-01 2018-02-01 血液凝固抗体 Active JP7366747B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021124447A JP2021176898A (ja) 2017-02-01 2021-07-29 血液凝固抗体
JP2023173586A JP2023179628A (ja) 2017-02-01 2023-10-05 血液凝固抗体

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN2017072796 2017-02-01
CNPCT/CN2017/072796 2017-02-01
CNPCT/CN2017/105556 2017-10-10
CN2017105556 2017-10-10
CN2017115210 2017-12-08
CNPCT/CN2017/115210 2017-12-08
EP18154489.1 2018-01-31
EP18154489 2018-01-31
PCT/EP2018/052550 WO2018141863A1 (en) 2017-02-01 2018-02-01 Procoagulant antibodies

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021124447A Division JP2021176898A (ja) 2017-02-01 2021-07-29 血液凝固抗体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020506927A JP2020506927A (ja) 2020-03-05
JP2020506927A5 JP2020506927A5 (ja) 2020-08-13
JP7366747B2 true JP7366747B2 (ja) 2023-10-23

Family

ID=61521468

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019541422A Active JP7366747B2 (ja) 2017-02-01 2018-02-01 血液凝固抗体
JP2021124447A Pending JP2021176898A (ja) 2017-02-01 2021-07-29 血液凝固抗体
JP2023173586A Pending JP2023179628A (ja) 2017-02-01 2023-10-05 血液凝固抗体

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021124447A Pending JP2021176898A (ja) 2017-02-01 2021-07-29 血液凝固抗体
JP2023173586A Pending JP2023179628A (ja) 2017-02-01 2023-10-05 血液凝固抗体

Country Status (15)

Country Link
US (1) US20210388114A1 (ja)
EP (2) EP3577140A1 (ja)
JP (3) JP7366747B2 (ja)
KR (1) KR20190112747A (ja)
CN (1) CN110248964A (ja)
AU (1) AU2018216008A1 (ja)
BR (1) BR112019015611A2 (ja)
CA (1) CA3051639A1 (ja)
CL (1) CL2019002136A1 (ja)
CO (1) CO2019008461A2 (ja)
IL (1) IL268140B2 (ja)
MX (1) MX2019009106A (ja)
PE (1) PE20191347A1 (ja)
PH (1) PH12019501708A1 (ja)
WO (1) WO2018141863A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201709970D0 (en) 2017-06-22 2017-08-09 Kymab Ltd Bispecific antigen-binding molecules
US11193588B2 (en) 2017-08-09 2021-12-07 Mainspring Energy, Inc. Reinforced sealing rings
CN117384296A (zh) 2018-08-01 2024-01-12 诺和诺德股份有限公司 改进的促凝血抗体
US11220554B2 (en) 2018-09-07 2022-01-11 Novo Nordisk A/S Procoagulant antibodies
WO2020115283A1 (en) * 2018-12-07 2020-06-11 Baxalta GmbH Bispecific antibodies binding factor ixa and factor x
TW202039583A (zh) * 2018-12-07 2020-11-01 瑞士商巴克斯歐塔有限公司 結合因子IXa及因子X的蛋白分子
WO2020114614A1 (en) * 2018-12-07 2020-06-11 Baxalta GmbH Proteinaceous molecules binding factor ixa and factor x
WO2020114615A1 (en) * 2018-12-07 2020-06-11 Baxalta GmbH Bispecific antibodies binding factor ixa and factor x
TWI772724B (zh) 2018-12-21 2022-08-01 英商克馬伯有限公司 具有共同輕鏈的FIXaxFX雙專一性抗體
KR20220044946A (ko) * 2019-07-03 2022-04-12 크리스탈 바이오사이언스 주식회사 항-b7-h3 항체 및 이의 사용 방법
JP2023512089A (ja) 2020-01-30 2023-03-23 ノヴォ ノルディスク アー/エス 二重特異性第viii因子模倣抗体
WO2022010830A2 (en) * 2020-07-06 2022-01-13 President And Fellows Of Harvard College Histamine binding polypeptides and uses thereof
WO2023111018A1 (en) * 2021-12-17 2023-06-22 F. Hoffmann-La Roche Ag Antibodies against coagulation factor x and uses thereof
WO2024008904A2 (en) 2022-07-08 2024-01-11 Novo Nordisk A/S Highly potent isvd compounds capable of substituting for fviii(a)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012067176A1 (ja) 2010-11-17 2012-05-24 中外製薬株式会社 血液凝固第viii因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子
WO2016166014A1 (en) 2015-04-17 2016-10-20 F. Hoffmann-La Roche Ag Combination therapy with coagulation factors and multispecific antibodies

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5677425A (en) 1987-09-04 1997-10-14 Celltech Therapeutics Limited Recombinant antibody
AT411997B (de) 1999-09-14 2004-08-26 Baxter Ag Faktor ix/faktor ixa aktivierende antikörper und antikörper-derivate
US7297336B2 (en) 2003-09-12 2007-11-20 Baxter International Inc. Factor IXa specific antibodies displaying factor VIIIa like activity
US9062115B2 (en) * 2010-09-22 2015-06-23 Novo Nordisk A/S Therapeutic factor VIII antibodies
WO2012098089A1 (en) * 2011-01-19 2012-07-26 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Binding proteins to inhibitors of coagulation factors
US20150110792A1 (en) * 2011-11-22 2015-04-23 Biogen Idec Ma Inc. ANTI-TIM-1 Antibodies And Uses Thereof
TW201605904A (zh) * 2013-11-07 2016-02-16 諾佛 儂迪克股份有限公司 治療凝血病變之新穎方法及抗體

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012067176A1 (ja) 2010-11-17 2012-05-24 中外製薬株式会社 血液凝固第viii因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子
WO2016166014A1 (en) 2015-04-17 2016-10-20 F. Hoffmann-La Roche Ag Combination therapy with coagulation factors and multispecific antibodies

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Blood,2016,Vol.127,No.13,pp.1633-1641
PLOS ONE,2013,Vol.8,Issue2,e57479

Also Published As

Publication number Publication date
CO2019008461A2 (es) 2020-01-17
JP2023179628A (ja) 2023-12-19
WO2018141863A9 (en) 2018-11-22
IL268140B2 (en) 2024-04-01
RU2019125970A (ru) 2021-03-02
JP2020506927A (ja) 2020-03-05
KR20190112747A (ko) 2019-10-07
RU2019125970A3 (ja) 2021-06-18
AU2018216008A1 (en) 2019-08-01
EP3848396A1 (en) 2021-07-14
MX2019009106A (es) 2019-09-10
PE20191347A1 (es) 2019-09-30
EP3577140A1 (en) 2019-12-11
PH12019501708A1 (en) 2020-06-01
TW201835107A (zh) 2018-10-01
CL2019002136A1 (es) 2019-10-18
JP2021176898A (ja) 2021-11-11
CN110248964A (zh) 2019-09-17
IL268140B1 (en) 2023-12-01
CA3051639A1 (en) 2018-08-09
WO2018141863A1 (en) 2018-08-09
US20210388114A1 (en) 2021-12-16
IL268140A (en) 2019-09-26
BR112019015611A2 (pt) 2020-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7366747B2 (ja) 血液凝固抗体
JP7355874B2 (ja) 改良された血液凝固促進抗体
JP2023512089A (ja) 二重特異性第viii因子模倣抗体
WO2020212415A1 (en) Bispecific antibodies
US11220554B2 (en) Procoagulant antibodies
TWI837084B (zh) 促凝血抗體
RU2810094C2 (ru) Прокоагулянтные антитела
RU2810748C2 (ru) Усовершенствованные прокоагулянтные антитела

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200703

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200703

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200803

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210729

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210729

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20210810

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210913

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210921

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20211119

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20211129

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220516

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20221011

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20221128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7366747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150