JP7365953B2 - 線路構造物の桁の交換方法及び該交換に用いられる台車 - Google Patents

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Description

本発明は、コークスを消火する消火車などが走行する軌条が桁の上に設けられた線路構造物の桁の交換方法及び該交換に用いられる台車に関わる。
コークス炉では、一般的に、炉体の下部に蓄熱室が配置され、蓄熱室の上部に燃料室と炭化室が炉団方向に交互に複数配置されており、炭化室の上部に設けられた装入口から石炭を装入し、燃焼室からの熱により炭化室内で石炭を乾留しコークスを製造する。石炭の乾留が終了すると、各炭化室の両側の開口に設けられた炉蓋を開放する。次いで、一方の開口側に配置された押出機によって炭化室内のコークスを他の開口から排出し、ガイド車を介して消火車に回収する。
また、コークス炉では、炉団方向に延在する軌条が敷設されており、消火車はこの軌条上を走行する。
この軌条を含む線路構造物としては、軌条と交差する方向に延在し且つ軌条と平行方向に複数連設された枕木と、上記平行方向に延在し且つ上記平行方向に複数連なるように基礎に固定された桁とを備え、該桁に締結された枕木上に軌条が固定されたものがある。
コークス炉における線路構造物の側方には重機などを置ける空間がないため、この線路構造物の桁の取り替えの際には、従来、取り替え対象の桁の付近の軌条を枕木から取外し、さらに同付近の枕木を桁から取外し、そして基礎から桁を取り外して新しい桁と取り替え、その後、枕木と軌条を元の位置に取付けていた。
特許文献1には、軌条が枕木を介して敷設された桁の一例である橋桁の交換方法として、以下の方法が開示されている。すなわち、操縦車を用いた交換方法であり、この操縦車が、軌条上を走行可能な車両本体と、フックを有するビーム装置が先端に設けられたアームとを備え、該アームが車両本体から延び車両本体の長手方向に沿って移動可能となっている。特許文献1に開示の方法では、交換対象の桁上の軌条とは異なる軌条上に操縦車が位置し、該操縦車のアームのフックに橋桁を引っ掛け、軌条及び枕木が取り付けられた状態のまま橋桁を除去する。
特開平9-255272号公報
しかし、上述した線路構造物における桁の交換方法、すなわち、交換対象の桁の周囲の軌条と枕木を全て取り外してから桁を交換する方法では、非常に時間がかかり、コークス炉の操業に支障をきたすことがある。
また、特許文献1に開示の方法を線路構造物における桁の交換方法に適用した場合、軌条及び枕木が取り付けられた状態のまま桁を取り外した後、該取り外された桁から軌条及び枕木を新しい桁に付け替えるとすると時間がかかる。新しい桁に事前に軌条や枕木を付けておけば桁の取り換え時間を短縮することはできるが、事前の作業に時間を要する。また、周囲を設備やケーブルで囲まれた狭隘なスペースで操縦車を使用しての作業は困難である。
このような問題は、同様の構造を有する線路構造物であればコークス炉におけるものに限られず、例えば橋における線路構造物でも同様な問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基礎などの別の構造体に固定された桁上に枕木を介して軌条が固定された線路構造物における桁の交換方法において、事前の作業時間を増加させることなく、交換に要する時間を短縮することをその目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、軌条と、該軌条と交差する方向に延在し且つ前記軌条と平行方向に複数連設された枕木と、前記平行方向に延在し且つ別の構造体に固定され前記平行方向に複数連設された桁とを備え、前記桁に締結された前記枕木上に前記軌条が固定された線路構造物における桁の交換方法であって、交換対象の前記桁と前記枕木との締結を解除する解除工程と、前記交換対象の桁の前記別の構造体に対する固定を解消する固定解消工程と、新たな桁を搭載した台車を、前記交換対象の桁の上部に移動させる新桁搬入工程と、前記台車に設けられた吊り機構を用いて、前記交換対象の桁を吊り上げ、前記新たな桁を搭載した当該台車上に搭載する古桁搭載工程と、前記台車に設けられた吊り機構を用いて、前記新たな桁を吊り下げ、前記交換対象の桁が設置されていた位置に載置する新桁載置工程と、前記交換対象の桁が搭載された前記台車を所定の場所まで移動させる古桁搬出工程と、前記新たな桁を前記別の構造体に固定する固定工程と、前記新たな桁と前記枕木とを締結する締結工程と、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、桁の交換に際し、軌条や枕木の取り外しを伴わないので短時間で桁を交換することができると共に、交換の際の事前準備に時間を要することがない。また、本発明によれば、軌の上を走行する台車を用いて、取り外された桁や新しい桁を運搬するため、線路構造物の側方にスペースがなくとも桁の交換を容易に行うことができる。さらにまた、本発明によれば、取り外された桁と新しい桁との両方を台車に搭載しているため、すなわち、2つの桁を同時に搭載可能な台車を用いているため、新しい桁の搬入と取り外された対象の縦桁の搬出とを一往復で行うことができるため、桁の交換に要する時間を短縮することができる。
前記古桁搭載工程では、前記台車における前記軌条より外側の部分に、前記交換対象の桁を搭載してもよい。
前記台車は、前記古桁搭載工程において前記交換対象の桁が前記台車に搭載されたときに当該台車が転倒することを防ぐカウンターウェイトが搭載されていてもよい。
前記新桁載置工程以後に、前記交換対象の桁を、前記古桁搭載工程において搭載された位置から内側の位置へ移動させる位置調整工程をさらに含んでもよい。
別な観点による本発明によれば、線路構造物の桁の交換に用いられる台車であって、前記線路構造物は、軌条が、該軌条と交差する方向に延在し且つ前記軌条と平行方向に複数連接された枕木に固定され、該枕木が、前記平行方向に延在し且つ前記平行方向に複数連接されている桁上に締結され、前記軌条上を走行するための車輪と、前記桁を吊り上げ及び吊り下げるための吊り機構と、交換対象の前記桁と新たな桁とを同時に搭載可能な搭載面を有する荷台と、を備えることを特徴としている。
本発明の線路構造物における桁の交換方法によれば、事前の作業時間を増加させることなく、交換に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施形態に係る交換方法の対象となる線路構造物の一例を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る交換方法の対象となる線路構造物の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る桁の交換方法で用いられる台車について説明する図である。 図4の台車の側面図である。 図4の台車の正面図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における離間工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における離間工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における固定解消工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における新桁搬入工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における新桁搬入工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における古桁搭載工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における古桁搭載工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における新桁載置工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における新桁載置工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における古桁搬出工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における固定工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における離間解消工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における開口形成工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法におけるアンカーボルト切断工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における縦桁ジャッキアップ工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における基礎部除去工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における高ナット取付工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法におけるベースプレート設置工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における桁搬入工程後の線路構造物の様子を示す図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における仮固定工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における打設準備工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における打設工程を説明する図である。 本実施形態に係る桁の交換方法における後処理工程を説明する図である。 本発明の実施形態に係る交換方法により桁を交換することが可能な線路構造物の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る交換方法の対象となる線路構造物の一例を示す図であり、図1は側面図、図2は線路構造物の長手方向と垂直な断面での断面図である。
図1及び図2の例の線路構造物1は、コンクリート製の架台2に支持されるものであり、軌条10と、本発明に係る「枕木」としての横桁11と、本発明に係る「桁」としての縦桁12と、を備える。
軌条10は、コークスを消火する不図示の消火車が該軌条10上を走行するものであり、架台2の中央の上方向に突出する凸部2aの上部で対になるように設けられている。対となる軌条10間の長さは、例えば1500mmである。
横桁11及び縦桁12は共にH型鋼で構成することができる。
横桁11は、軌条10と交差する方向、例えば軌条10と直交する方向に延在するものであり、軌条10と平行方向に沿って等間隔に複数連設されている。横桁11は、例えば、高さが300mm、奥行きが300mm、幅が2700mmであり、550mmピッチで設けられる。
縦桁12は、軌条10と平行方向に延在するものであり、軌条10と平行方向に沿って複数連設されている。また、縦桁12は、架台2の中央の凸部2aを間に挟む形態で対になるように設けられている。縦桁12は、例えば、高さが900mm、奥行きが300mm、厚みが上下端部のフランジ部で28mm、それ以外の部分で16mm、幅が8700mmである。
線路構造物1では、縦桁12上に横桁11が締結され、横桁11上に軌条10が固定される。縦桁12と横桁11との締結及び横桁11と軌条10との固定は例えば両方ともボルトとナットを用いてなされる。
本例の桁の交換方法では、以上のように構成される線路構造物1の縦桁12を交換する。
次に、本実施形態に係る桁の交換方法で用いられる台車について説明する。図3は台車の使用状態を示す図、図4は台車の側面図、図5は台車の正面図である。なお、図5では、後述のステージやステップの図示は省略している。
図3の台車20は、新しい縦桁12を交換位置まで搬入したり取り外された縦桁12を交換位置から搬出したりするために、縦桁12を搭載して軌条10上を移動するものであり、その全長は縦桁12より長く形成されている。本例では、台車20は第1の台車21と第2の台車22とに分割されている。台車20の使用状態において第1及び第2の台車21、22が軌条10と平行な方向に連なるように連結部材23により連結されて、台車20は構成される。このような構成とすることで台車20のスケールを小さくすることができ、台車20の保管場所を小さくすることができる。なお、連結部材23は例えば古い軌条である。連結部材23の一端を第1の台車21と、他端を第2の台車22と、それぞれクランプ(図5の符号50参照)等により互いに固定することで、第1の台車21と第2の台車22とを連結部材23により連結することができる。
第1の台車21と第2の台車22の構成は同様であるため、以下では第2の台車22の説明については省略し、第1の台車21についてのみ説明する。
第1の台車21は、図4及び図5に示すように、荷台21a、車輪21bと、巻き取り機21cと、支持部材21dと、フレーム21eと、ステージ21fと、ステップ21gと、を備える。
荷台21aは、該荷台21a上に取り替え対象の縦桁12や新しい縦桁12が載置されるものであり、例えばH型鋼を井の字型に組みその上に金属製平板を固定して構成される。
荷台21aは、その上面が、縦桁12が搭載される搭載面21a,21aを構成する。例えば、荷台21aの上面は、正面視における両端部すなわちフレーム21eより外側の部分がそれぞれ、上記搭載面21a,21aを構成する。また、搭載面21a,21aそれぞれに、縦桁12を2つ同時に搭載することができる。本例では、後述するように、一方の搭載面21aに縦桁12が搭載されているとき、他方の搭載面21aには、カウンターウェイト(図10の符号60参照)が搭載される。
車輪21bは、軌条10上を走行するためのものであり、荷台21aの下側に設けられている。本例では、車輪21bは、一対の軌条10それぞれに対して2つずつ、計4つ設けられている。
巻き取り機21cは、本発明に係る「吊り機構」の一例であり、取り替え対象の縦桁12や新しい縦桁12を吊り上げまたは吊り下げるためのものであり、例えば縦桁12に取付けたチェーンを巻き取ることで縦桁12を持ち上げることができる。
支持部材21dは、巻き取り機21cを支持するものであり、例えば円形鋼管から成る。巻き取り機21cは支持部材21dの延在方向に沿って移動可能に構成されている。また、支持部材21dの長さは、第1の台車21の使用状態において、縦桁12より外側に巻き取り機21cが位置することが可能な長さである。例えば、一方の縦桁12の最外端から他方の縦桁12の最外端までの距離が2700mmである場合、支持部材21dの長さは3500mmである。
フレーム21eは、支持部材21dを支持するものであり、例えばH型鋼等からなり、その一端が荷台21aに固定され、他端に支持部材21dが固定されている。
ステージ21fは、作業員が作業するために搭乗するものであり、金属製の平板部材から成る。
ステップ21gは、ステージ21fへの搭乗を容易にすること等を目的としたものであり、金属製の平板部材等から成る。
次に、図2を参照し、図6~図17を用いて、本実施形態に係る縦桁12の交換方法を説明する。なお、これらの図では主な構成のみ図示している。
(1.締結解除工程)
線路構造物1の取り替え対象の縦桁12と横桁11は、図2に示すようにボルト51とナット52により締結されているので、本実施に係る交換方法では、まず、例えばボルト51とナット52を取り除き、または、ナット52を緩めて、上記締結を解除する。
(2.離間工程)
次いで、取り替え対象の縦桁12の付近において、図6及び図7に示すように、架台2の凸部2aの上面と軌条10の下面との間にジャッキ53を配置する。軌条10と横桁11は固定されているため、ジャッキ53により軌条10を持ち上げることにより、横桁11を持ち上げることができ、横桁11を縦桁12から離間させることができる。ジャッキ53による持ち上げ量は例えば300mm~600mmである。
(3.固定解消工程)
また、縦桁12は、架台2の基礎部2bに埋め込まれたアンカーボルト54とナット55により基礎部2bに固定されている。したがって、架台2の凸部2aを挟んで対向する1対の縦桁12のうちの一方の縦桁12であって取り替え対象の縦桁12を除去することできるように、図8に示すように、アンカーボルト54及びナット55による縦桁12と基礎部2bとの固定を解消する。
(4.新桁搬入工程)
図9及び図10に示すように、新たな縦桁12を搭載した台車20を軌条10上で走行させ、ジャッキ53により持ち上げた部分に、すなわち、取り替え対象の縦桁12の上部に位置する軌条10上に台車20を移動する。新たな縦桁12の上部には、巻き取り機21cで吊り下げるための吊ピース58が予め取付けられている。以下の説明や図面では新たな縦桁12を縦桁12´と記載することがある。
台車20の移動の完了後、台車20の前後の軌条10上などに、台車20がずれないようにするためのストッパ56を取り付ける。
なお、新たな縦桁12´は、台車20の荷台21aにおける取り替え対象の縦桁12側の搭載面21aに搭載されている。また、台車20における取り替え対象の縦桁12とは反対側の搭載面21aには、後述の桁搭載工程で取り替え対象の縦桁12を搭載面21aに搭載したときに台車20が転倒することを防ぐためのカウンターウェイト60が搭載されている。新たな縦桁12は、搭載面21aにおける軌条10の上方の位置に搭載され、カウンターウェイト60は、搭載面21aにおける軌条10の上方の位置に搭載される。
(5.古桁搭載工程)
次いで、図11に示すように古い縦桁12に吊ピース58を取り付ける。そして、巻き取り機21cのチェーン57を吊ピース58に取付け、古い縦桁12を吊り上げ可能な状態とする。このまま吊り上げても、古い縦桁12と横桁11が衝突してしまうので、図12に示すように、古い縦桁12を吊って外側にずらす。その後、巻き取り機21cでの巻き上げ等を行う。これにより、古い縦桁12を台車20の荷台21aの搭載面21aに搭載する。具体的には、古い縦桁12を、台車20の荷台21aの搭載面21aにおける新しい縦桁12´より外側の位置すなわち軌条10より外側の位置に搭載する。
なお、この古桁搭載工程等において台車20が傾いて転倒することがないよう、本例では、古い縦桁12が搭載される搭載面21aとは反対側の搭載面21aにカウンターウェイト60を搭載している。これに代えて、荷台21aの古い縦桁12とは反対側の端部と、取り替え対象の縦桁12に対向する縦桁12とを、レバーブロック(登録商標)等を用いて固定することで、台車20の転倒を防ぐようにしてもよい。
(6.新桁載置工程)
次に、図13に示すように、巻き取り機21cのチェーン57の取り付け先を、交換対象の縦桁12の吊ピース58から新しい縦桁12の吊ピース58に変えて、新しい縦桁12を吊り上げ及び吊り下げ可能な状態とする。
続いて、図14に示すように、巻き取り機21cを用いて新しい縦桁12´を吊り上げたり吊り下げたり等することで、架台2の基礎部2b上における、取り替え対象の縦桁12が配設されていた位置の側方に、新しい縦桁12´を移動させる。その後、新しい縦桁12´を内側に移動させ、横桁11の下方に配設する。このようにして、取り替え対象の縦桁12が設置されていた位置に新しい縦桁12´を載置する。
(7.古桁搬出工程)
そして、図15に示すように、交換対象の縦桁12すなわち古い縦桁12を、上記古桁搭載工程において搭載された位置から内側の位置、具体的には、新しい縦桁12が搭載されていた位置へ移動させる。
また、ストッパ56やチェーン57、新しい縦桁12´の吊ピース58を取り外し、古い縦桁12を搭載した台車20を軌条10上で走行させ、所定位置まで移動させ、古い縦桁12を搬出する。なお、台車20を走行させている間に、古い縦桁12が台車20から落下することがないよう古い縦桁12と台車20の荷台21aとをクランプなどにより固定してもよい。
また、新しい縦桁12の搬入の際や古い縦桁12の搬出の際は、台車20を人力で動かしてもよいが、牽引機能を有しモータやエンジンを備える車両を用いて動かしてもよい。
本例では、この桁搬出工程において新しい縦桁12の吊ピース58を取り外すこととしたが、この取外しのタイミングは、前述の桁載置工程以後であって離間解消工程以前であればよい。
(8.固定工程)
固定工程では 図16に示すように、ボルト61とナット62を用いて新しい縦桁12を架台2の基礎部2bに固定する。
(9.離間解消工程)
新しい縦桁12の基礎部2bへの固定後、ジャッキ53による軌条10の持ち上げを解消させ、図17に示すように、横桁11の新しい縦桁12からの離間を解消させる。
(10.締結工程)
上記離間の解消後、ボルト51とナット52を用いて、新しい縦桁12と横桁11とを締結することで、図2と同様の状態となる。
以上のように、本実施形態に係る縦桁の交換方法は、軌条10や横桁11の取り外しを伴わないので短時間で縦桁12を交換することができると共に、交換の際の事前準備に時間を要することがない。また、本実施形態に係る方法では、架台2の上、具体的には軌条10の上を走行する台車20を用いて、取り外された縦桁12や新しい縦桁12を運搬するため、線路構造物1の側方にスペースがなくとも縦桁12の交換を容易に行うことができる。さらにまた、本実施形態に係る方法では、縦桁12を2つ同時に搭載可能な搭載面21a,21aを有する台車20を用いているため、新しい縦桁12の搬入と取り替え対象の縦桁12の搬出とを一往復で行うことができるため、縦桁12の交換に要する時間を短縮することができる。
なお、以上の例では、架台2の凸部2aを挟んで対向する縦桁12のうち一方を交換しているが、両方の交換が必要な場合は、作業時間が許容できるものであれば、両方の縦桁12を一度に交換してもよい。
以下では、上述の3.固定解消工程から8.固定工程までについて、図7を参照し、図18~図28を用いて、より詳しく説明する。なお、以下では、取り替え対象の縦桁12及び新しい縦桁12の一方の端部の周辺での作業のみ説明するが、他方の端部の周辺での作業については同様であるためその説明を省略する。
まず、上述の3.固定解消工程において、以下の開口形成工程、アンカーボルト切断工程、縦桁ジャッキアップ工程を行う。
(3-1.開口形成工程)
縦桁12は、図7に示すように、該縦桁12の平板部分12aより内側の部分と外側部分の両方において、架台2の基礎部2bに埋め込まれたアンカーボルト54とナット55により基礎部2bに固定されている。この固定を解除するためにはアンカーボルト54とナット55に対する作業が必要であるが、平板部分12aより内側の部分のものについては縦桁12の平板部分12aが障害となる。そこで、図18(A)及び図18(B)に示すように、取り替え対象の縦桁12の平板部分12aの端部に開口12bを形成する。開口12bの形成は例えばガス切断により行うことができる。
(3-2.アンカーボルト切断工程)
開口12bの形成後、図19(A)及び図19(B)に示すように、内側と外側のアンカーボルト54を、取り替え対象の縦桁12の下側フランジ12cの上面12dで切断する。
(3-3.縦桁ジャッキアップ工程)
古い縦桁12の取り外しに際し、図20(A)及び図20(B)に示すように、該縦桁12と架台2との間に油圧ジャッキ63を設置する。そして、アンカーボルト54が古い縦桁12から抜けるまで、すなわち、縦桁12の下側フランジ12cの下面が、アンカーボルト54の切断面より上に位置するまで、縦桁12を持ち上げる。
そして、前述の4.新桁搬入工程により、新しい縦桁12を台車20に搭載して搬入し、5.古桁搭載工程により古い縦桁12を台車20に搭載する。
また、上述の6.新桁載置工程前には以下の基礎部除去工程、高ナット取付工程、ベースプレート設置工程が行われる。
(A.基礎部除去工程)
図21(A)及び図21(B)に示すように、切断されたアンカーボルト54の周辺の基礎部2bを所定深さまで除去する。より具体的には、切断されたアンカーボルト54の周辺の不図示のベースプレート及びグラウトを撤去する。
(B.高ナット取付工程)
基礎部2bを除去することによりさらに基礎部2bの外に露出したアンカーボルト54を、所定長さが露出するよう切断し、その後、図22(A)及び図22(B)に示すように高ナット64を切断後のアンカーボルト54に取付ける。
(C.ベースプレート設置工程)
高ナット64の取り付け後、図23(A)及び図23(B)に示すように、新しい縦桁12を固定するための不図示の孔が形成されたベースプレート65を、該ベースプレート65の上面が架台2の基礎部2bの上面と一致するように設置する。ベースプレート65の高さは該ベースプレート65と架台2の間に挟むライナープレート66の厚さや枚数で調節することができる。
そして、6.新桁載置工程により、図24(A)及び図24(B)に示すように、ベースプレート65の上に新しい縦桁12を載置する。この際、新しい縦桁12の下側フランジ12cに形成されている不図示の孔と、ベースプレート65に形成されている不図示の孔と、高ナット64に形成されている不図示の孔とが連通するようにする。なお、新しい縦桁12の端部には開口12bが予め形成されていることが好ましい。
また、7.古桁搬出工程により、古い縦桁12を搬出する。
次いで、8.固定工程において、以下の仮固定工程、打設準備工程、打設工程、後処理工程を行う。
(8-1.仮固定工程)
図25(A)及び図25(B)に示すように、新しい縦桁12の下側フランジ12cに形成されている孔と、ベースプレート65に形成されている孔を通して、高ナット64にボルト67を接続する。そして、ボルト67に装着したナット68を締め付けることで、ベースプレート65を用いて新しい縦桁12を仮固定する。
(8-2.打設準備工程)
ベースプレート65と新しい縦桁12とを不図示の番線で固定しておき、図26(A)及び図26(B)に示すように、新しい縦桁12と架台2との間に油圧ジャッキ69を設け、油圧ジャッキ69により縦桁12をわずかに持ち上げ、ライナープレート66を除去する。そして、グラウト打設箇所の型枠70を組み立てる。
(8-3.打設工程)
型枠70の組み立て後、図27(A)及び図27(B)に示すように、速硬性のグラウト71をベースプレート65上面まで打設する。
(8-4.後処理工程)
グラウト71の養生後、油圧ジャッキ69を取り除き、型枠70を外し、図28(A)及び図28(B)に示すような状態とし、ボルト67すなわちナット68の増し締めを行う。そして、新しい縦桁12の開口12bの閉塞処理を行う。
このように古い縦桁12を固定していたアンカーボルト54を用いて新しい縦桁12を固定しているので、新しい縦桁12を固定するためのアンカーボルト54を埋め込む作業が不要となるため、縦桁12を交換するのに要する時間を大幅に削減することができる。
また、縦桁12の交換は、例えば数週間毎等の所定期間毎に設けられているメンテナンス用の時間に行われる。縦桁12を交換するのに要する時間が、このメンテナンス用の時間を超えるような場合は、一度目のメンテナンス用の時間に上述の8-1.仮固定工程まで行い、残りの工程は次のメンテナンス用の時間に行うようにしてもよい。新しい縦桁12を仮固定すれば操業は可能であるからである。
このように仮固定工程を設けることにより、操業に影響を与えることなく縦桁12の交換を行うことができる。
図29は本発明の実施形態に係る交換方法により桁を交換することが可能な線路構造物の他の例である。
図29の線路構造物1は、橋脚3に支持されるものであり、縦桁12が、別の構造体としての橋脚3に固定されている。この場合も、縦桁12の搬出/搬入の際は、軌条10と橋脚3との間に設けたジャッキ80等により、横桁11と固定された軌条10を支持しておくことで、取り替え対象の縦桁12の位置の上方まで図3と同様の台車20を走行させることができる。したがって、この例においても、線路構造物1の側方にスペースがなくとも縦桁12の交換を容易に行うことができる。
1…線路構造物
2…架台
2b…基礎部
3…橋脚
10…軌条
11…横桁
12…縦桁
12b…開口
20…台車
21a…荷台
21a,21a…搭載面
21b…車輪
21c…巻き取り機
53…ジャッキ
54…アンカーボルト
60…カウンターウェイト

Claims (5)

  1. 軌条と、該軌条と交差する方向に延在し且つ前記軌条と平行方向に複数連設された枕木と、前記平行方向に延在し且つ別の構造体に固定され前記平行方向に複数連設された桁とを備え、前記桁に締結された前記枕木上に前記軌条が固定された線路構造物における桁の交換方法であって、
    交換対象の前記桁と前記枕木との締結を解除する解除工程と、
    前記交換対象の桁の前記別の構造体に対する固定を解消する固定解消工程と、
    新たな桁を搭載した台車を、前記交換対象の桁の上部に移動させる新桁搬入工程と、
    前記台車に設けられた吊り機構を用いて、前記交換対象の桁を吊り上げ、前記新たな桁を搭載した当該台車上に搭載する古桁搭載工程と、
    前記台車に設けられた吊り機構を用いて、前記新たな桁を吊り下げ、前記交換対象の桁が設置されていた位置に載置する新桁載置工程と、
    前記交換対象の桁が搭載された前記台車を所定の場所まで移動させる古桁搬出工程と、
    前記新たな桁を前記別の構造体に固定する固定工程と、
    前記新たな桁と前記枕木とを締結する締結工程と、を含むことを特徴とする線路構造物における桁の交換方法。
  2. 前記古桁搭載工程では、前記台車における前記軌条より外側の部分に、前記交換対象の桁を搭載することを特徴とする請求項1に記載の線路構造物における桁の交換方法。
  3. 前記台車は、前記古桁搭載工程において前記交換対象の桁が前記台車に搭載されたときに当該台車が転倒することを防ぐカウンターウェイトが搭載されていることを特徴とする請求項2に記載の線路構造物における桁の交換方法。
  4. 前記新桁載置工程以後に、前記交換対象の桁を、前記古桁搭載工程において搭載された位置から内側の位置へ移動させる位置調整工程をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載の線路構造物における桁の交換方法。
  5. 線路構造物の桁の交換に用いられる台車であって、
    前記線路構造物は、軌条が、該軌条と交差する方向に延在し且つ前記軌条と平行方向に複数連接された枕木に固定され、該枕木が、前記平行方向に延在し且つ前記平行方向に複数連接されている桁上に締結され、
    前記軌条上を走行するための車輪と、
    前記桁を吊り上げ及び吊り下げるための吊り機構と、
    交換対象の前記桁と新たな桁とを同時に搭載可能な搭載面を有する荷台と、を備えることを特徴とする台車。
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