以下、図面を参照して、商品販売データ処理装置及びプログラムの実施形態について説明する。本実施形態は、商品販売データ処理装置及びプログラムを、客自身が売上登録及び会計処理に係る操作を行うセルフチェックアウト装置に適用した例である。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の構成〉
図1は、第1の実施形態に係るセルフチェックアウト装置の構成の一例を示す外観斜視図である。セルフチェックアウト装置1は、商品販売データ処理装置の一例であり、例えばスーパーマーケット等の店舗で用いられる。
セルフチェックアウト装置1は、POS端末2、第1の商品載置台20、第2の商品載置台23を備える。
まず、POS端末2について説明する。POS端末2は、タッチパネル3、モニタ4、スキャナ5、ハンドスキャナ6、カード挿入口7、レシート発行口8、紙幣入出金口9、硬貨投入口10、硬貨取出口11を備える。タッチパネル3は、モニタ4に配設される。モニタ4は、各種画面を表示する。モニタ4としては、例えば、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等が用いられる。
スキャナ5およびハンドスキャナ6は、商品に付されたバーコードや二次元コード等を読み取る。スキャナ5およびハンドスキャナ6は、「コードシンボル読取部」の一例であり、バーコードや二次元コード等は、「コードシンボル」の一例である。また、スキャナ5およびハンドスキャナ6は、「撮像部」の一例でもある。なお、「撮像部」として、別途商品撮像用のカメラを設けてもよい。
スキャナ5は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光学的撮像素子を備え、読取窓手前の撮像領域を撮影する。客は、商品に付されたバーコードや二次元コード等をスキャナ5の読取窓に翳すことで、スキャナ5にバーコードや二次元コード等を読み取らせる。
ところで、ダンボール箱や長尺の商品等の大型の商品に関しては、商品に付されたバーコードや二次元コード等をスキャナ5の読取窓に翳すことは難しい。このような場合、客は、商品に付されたバーコードや二次元コード等にハンドスキャナ6を翳すことによって、バーコードや二次元コード等を読み取らせる。
バーコードや二次元コード等には、商品を一意に特定可能なJAN(Japanese Article Number)コードやCODE128等のコード情報が登録されている。なお、スキャナ5およびハンドスキャナ6は、更に、商品を一般物体認識(オブジェクト認識)により特定する機能を備えていてもよい。
カード挿入口7には、会計(精算)時に客の会員カードやクレジットカードを挿入する。カード挿入口7は、後述するカードリーダ38と連通している。レシート発行口8は、後述するレシートプリンタ39が印刷したレシートを排出する。レシート発行口8は、レシートプリンタ39と連通している。
紙幣入出金口9は、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りに用いられる。硬貨投入口10は、精算時に硬貨を投入するために用いられる。硬貨取出口11は、釣り硬貨を受け取るために用いられる。これらの紙幣入出金口9、硬貨投入口10及び硬貨取出口11は、後述する釣銭機37と連通している。
次に、第1の商品載置台20について説明する。第1の商品載置台20は、客が、かごに入った未登録の商品を載置するための台である。第1の商品載置台20は、POS端末2の右側に設けられ、天板21を備えている。天板21は、略平滑な板である。なお、天板21は、後述する第1のアンテナ31から放射される電波を透過する素材で形成される。天板21の素材は、例えば、木材やアクリル等である。
また、第1の商品載置台20は、第1の載置領域22を有する。第1の載置領域22は、未登録の商品が入ったかごを載置する領域である。
次に、第2の商品載置台23について説明する。第2の商品載置台23は、客が登録済の商品を載置するための台である。第2の商品載置台23は、POS端末2の左側に設けられ、天板24を備えている。第2の商品載置台23は、第2の載置領域25を有する。第2の載置領域25は、客が登録済の商品を載置する領域である。
天板24は、天板21と同様に、略平滑な板であって、後述する第2のアンテナ33から放射される電波を透過する素材で形成される。
ここで、第1の商品載置台20の内部構造について説明する。図2は、第1の商品載置台の内部構造を模式的に示す図である。第1の商品載置台20は、天板21の下方に、間仕切り板26を備える。間仕切り板26は、天板21と略平行に設けられる。第1の載置領域22の下方の天板21と間仕切り板26との間に形成される空間には、第1のアンテナ31が設置される。
第1のアンテナ31は、上方(z軸正方向)に向けて電波を放射することで、天板21の上方にRFIDタグと交信可能な放射範囲を形成する。具体的には、第1のアンテナ31が放射する電波により、第1の載置領域22の上方には放射範囲32が形成される。
ここで、客が商品の収納されたかごを第1の載置領域22に載置すると、かごに収納された商品は放射範囲32に包含されることになる。商品の各々に付されたRFIDタグは、第1のアンテナ31が放射した電波により起動し、自身が記憶している情報を第1のアンテナ31に送信する。これにより、第1の載置領域22では、第1の載置領域22に置かれた商品の各々からタグに書込まれた情報を一括して読み取ることができる。
なお、第1のアンテナ31の設置位置や個数、電波の放射方向は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、第1の商品載置台20の代わりにショッピングカードが通過できる程度の大きさのトンネルを設け、トンネル内に複数のアンテナを設置し、多方向へ電波の放射を行えるようにしてもよい。
次に、第2の商品載置台23の内部構造について説明する。第2の商品載置台23は、天板24と略平行に設けられた間仕切り板27を備え、天板24と間仕切り板27との間に形成される空間には、第2のアンテナ33が設置されている。第2のアンテナ33は、電波を放射することにより、第2の載置領域25の上方に放射範囲34を形成する。
第2の商品載置台23の内部構造は、第1の商品載置台20の内部構造と略同様であるため、詳細な説明については省略する。なお、上記の図2を第2の商品載置台23の内部構造を示す図としても見ることができるように、図2内にかっこ書きで図2を第2の商品載置台23として見る場合の符号を記した。
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1のハードウェア構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
セルフチェックアウト装置1は、制御部40と、記憶部41と、入出力コントローラ43とを備える。
まず、制御部40について説明する。制御部40は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、を備える。CPU401は、バスライン42を介して、ROM402と、RAM403と接続する。
CPU401は、ROM402や記憶部41に記憶された各種プログラムを、RAM403に展開する。CPU401は、RAM403に展開された各種プログラムに従って動作することでセルフチェックアウト装置1を制御する。すなわち、制御部40は、一般的なコンピュータの構成を有する。
また、制御部40は、バスライン42を介して、記憶部41と入出力コントローラ43とに接続される。
記憶部41は、電源を切っても記憶情報が保持される、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部41は、制御プログラムを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムは、セルフチェックアウト装置1が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
入出力コントローラ43は、タッチパネル3と、モニタ4と、スキャナ5と、ハンドスキャナ6と、釣銭機37と、カードリーダ38と、レシートプリンタ39と接続される。また、入出力コントローラ43は、第1のRFIDリーダ35と、第1のアンテナ31と、第2のRFIDリーダ36と、第2のアンテナ33と接続される。
入出力コントローラ43は、制御部40からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアを制御する。なお、制御部40と、記憶部41と、入出力コントローラ43と、タッチパネル3と、モニタ4と、スキャナ5と、ハンドスキャナ6と、釣銭機37と、カードリーダ38と、レシートプリンタ39とは、POS端末2に備えられている。
また、第1のRFIDリーダ35と、第1のアンテナ31は、第1の商品載置台20に内蔵され、第2のRFIDリーダ36と、第2のアンテナ33は、第2の商品載置台23に内蔵される。なお、第1のRFIDリーダ35は、「第1無線タグ読取部」の一例であり、第2のRFIDリーダ36は、「第2無線タグ読取部」の一例である。
タッチパネル3は、モニタ4に表示された各種ボタンに対する操作者の操作を検出して、操作に応じた情報を、制御部40に送信する。なお、タッチパネル3の代わりに、POS端末2に、機械式スイッチを設けてもよい。
モニタ4は、セルフチェックアウト装置1を操作するための各種ボタンや、セルフチェックアウト装置1が読み取った商品情報等を表示する。
スキャナ5およびハンドスキャナ6については、上述のとおりであるため、説明を省略する。
釣銭機37は、客が商品の購入代金を現金で支払った際に、客の支払った紙幣と硬貨を受け取り、必要に応じて釣り銭を払い出す。
カードリーダ38は、予め客に配布された会員カードから、当該客を識別するための会員IDを読み取る。また、カードリーダ38は、客がクレジットカード決済を行う場合や電子マネーが登録されたカードで支払いを行う場合に、これらのカードの内容を読み取る。
レシートプリンタ39は、客の取引実績をレシートに印字して発行する。
第1のRFIDリーダ35は、第1のアンテナ31を動作させることで、第1のアンテナ31から電波を放射させる。また、第1のRFIDリーダ35は、第1のアンテナ31で受信されたRFIDタグからのタグ情報を取得し、POS端末2に出力する。つまり、第1のRFIDリーダ35は、RFIDタグに書込まれた情報を読取ると言い換えることもできる。
本実施形態において、第1のRFIDリーダ35は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取る前の商品に付されたRFIDタグの読取を行う。具体的には、第1のRFIDリーダ35は、第1の載置領域22において、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取る前の商品に付されたRFIDタグに予め書込まれたシリアル番号を読取る。
なお、RFIDタグのシリアル番号は、タグ毎に固有の値であり、予めRFIDタグに書込まれている情報である。
また、第2のRFIDリーダ36は、第2のアンテナ33を動作させることで、第2のアンテナ33から電波を放射させる。また、第2のRFIDリーダ36は、第2のアンテナ33で受信されたRFIDタグからのタグ情報を取得し、POS端末2に出力する。つまり、第2のRFIDリーダ36は、RFIDタグに書込まれた情報を読取ると言い換えることもできる。
本実施形態において、第2のRFIDリーダ36は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後の商品に付されたRFIDタグの読取を行う。具体的には、第2のRFIDリーダ36は、第2の載置領域25において、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後の商品に付されたRFIDタグに予め書込まれたシリアル番号を読取る。
また、本実施形態において、POS端末2は、RFIDタグから読み取った情報が、第1のRFIDリーダ35で読取った情報であるか、第2のRFIDリーダ36で読取った情報であるかを識別できるようになっているものとする。例えば、第1のRFIDリーダ35または第2のRFIDリーダ36が、受信元のアンテナを示す識別子をタグ情報に付してPOS端末2に出力するなどして、情報を識別できるようにする。
また、本実施形態において、第2のRFIDリーダ36は、スキャナ5またはハンドスキャナ6でバーコードや二次元コード等を読取った場合に読取可能な状態になり、これまでに第2のRFIDリーダ36が読取ったことのない新たなシリアル番号を読取ったら、読取不可能な状態になるものとする。これにより、精算を行っていない商品等を第2の載置領域25に移動させる等の不正を防止できる。
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の機能〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の機能構成について説明する。図4は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
セルフチェックアウト装置1は、画像取得部111、デコード部112、画像管理部113、比較部114、報知制御部115、会計処理部116を備える。
これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ(CPU401)とメモリ(ROM402、記憶部41)に記憶された各種プログラム(例えば、制御プログラム)との協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、これら機能部の一部又は全ては、専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
画像取得部111は、スキャナ5またはハンドスキャナ6で撮像される画像を取得する。具体的には、画像取得部111は、タッチパネル3の操作或いはPOS端末2から通知される信号により取引開始が指示されると、入出力コントローラ43を介して、スキャナ5またはハンドスキャナ6で撮像された画像データの取り込みを開始する。
また、画像取得部111は、タッチパネル3の操作或いはPOS端末2から通知される信号により取引終了が指示されると、画像データの取り込みを停止する。
デコード部112は、エンコードされた情報をデコードすることで、その情報を取り出す。具体的には、デコード部112は、画像取得部111が取得した画像データからバーコードや二次元コード等を表す領域を検出し、当該バーコードや二次元コード等が保持するエンコードされたデータをデコードするための処理を実行する。
また、デコード部112は、バーコードや二次元コード等が保持するエンコードされたデータをデコードすることにより取り出したデータをPOS端末2等に出力する。
画像管理部113は、撮像部が撮像した画像と、無線タグの情報と、を関連付けて商品画像データ411を生成する。
本実施形態において、画像管理部113は、商品に付されたRFIDタグに予め書込まれているシリアル番号と、画像取得部111が取得した商品の画像と、を関連付けて商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。なお、商品画像データ411は、「画像情報」の一例である。商品画像データ411については、後述する。
具体的には、画像管理部113は、第2のRFIDリーダ36が新たなシリアル番号を読取ったとき、そのシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36がそのシリアル番号を読取る直前に画像取得部111が取得した商品の画像と、を関連付けて商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。
なお、画像管理部113は、第2のRFIDリーダ36が読取ったシリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない場合は、シリアル番号と商品画像との関連付けの際、そのシリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報を付加して、商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。
この場合、第1のRFIDリーダ35の読取不具合が疑われるため、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加された商品画像を客に提示し、本当に購入予定の商品かを客に確認させる。
ここで、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加された商品画像がある場合にその商品画像を提示し、本当に購入予定の商品かを客に確認させるためには、第2のRFIDリーダ36が読取ったシリアル番号は、そのシリアル番号のRFIDタグが付されている商品の画像と関連付けられる必要がある。
そこで、本実施形態において、画像取得部111は、スキャナ5またはハンドスキャナ6によるバーコードや二次元コード等の読取が成功した後、第2のRFIDリーダ36が新たなシリアル番号を読取るまでの間、スキャナ5またはハンドスキャナ6が撮像した画像の取得を停止する。
これにより、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後、第2のRFIDリーダ36がシリアル番号を読取る前に別の商品の画像が取得されることがなくなるため、第2のRFIDリーダ36が読取った新たなシリアル番号は、確実にそのシリアル番号のRFIDタグが付されている商品の画像と関連付けられる。
比較部114は、第1無線タグ読取部が読取った情報と、第2無線タグ読取部が読取った情報と、を比較する。本実施形態において、比較部114は、第1のRFIDリーダ35が読取ったRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取ったRFIDタグの枚数と、を比較する。
また、比較部114は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号と、を比較する。
ここで、本実施形態において、RFIDタグは、商品1個に対して1枚付されており、RFIDタグには、そのRFIDタグを識別する1つのシリアル番号が予め書込まれている。このことから、第1のRFIDリーダ35が読取ったRFIDタグのシリアル番号の個数から第1のRFIDリーダ35が読取ったRFIDタグの枚数がわかる。同様に第2のRFIDリーダ36が読取った枚数もわかる。
したがって、比較部114は、商品登録処理前に第1の載置領域22に載置された商品の個数と、商品登録処理後に第2の載置領域25に載置された商品の個数と、を比較することができる。
これにより、商品登録処理前の商品個数と商品登録処理後の商品個数が一致することを確認することで、不正がないかをチェックすることができる。これは、例えば、商品登録処理前の商品を精算せずに持ち出そうとした場合、商品登録処理前の商品個数が商品登録処理後の商品個数よりも多くなるためである。
報知制御部115は、比較部114の比較結果に基づいて、報知部に報知を行わせる制御を行う。本実施形態において、報知制御部115は、比較部114による第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数と、の比較結果に基づいて、報知部に報知を行わせる制御を行う。
また、本実施形態において、報知制御部115は、比較部114による比較の結果、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数と、が一致しない場合、モニタ4に、客に確認を促すメッセージを表示させる制御を行う。
なお、表示は「報知」の一例であり、モニタ4は「報知部」の一例であり、客は「操作者」の一例である。
具体的には、報知制御部115は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、まず、客に未登録の商品が残っていないか確認を促す旨のメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
そして、未登録の商品が残っていない場合、報知制御部115は、モニタ4に店員を呼び出している旨のメッセージを表示させる制御を行う。なお、客に未登録の商品が残っていないか確認を促す旨のメッセージの表示は、「操作者に確認を促す報知」の一例である。
また、報知制御部115は、モニタ4に店員を呼び出している旨のメッセージを表示させる制御を行う場合、セルフチェックアウト装置1を使用している客には知られない形で、報知部に不正行為が行われた疑いがある旨の警告を報知させる制御を行う。例えば、客には確認できない位置に設置した管理用モニタに、不正行為が行われた疑いがある旨のメッセージを表示させる制御を行う。なお、この場合の「報知部」は管理用モニタである。
より具体的には、報知制御部115は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、まず、「かごの中に未登録の商品が残っていませんか?」等、客に対して第1の載置領域22に商品が残っていないか確認を促すメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
そして、未登録の商品が残っていない場合、報知制御部115は、「確認のため、店員を呼び出しています」等のメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
さらに、報知制御部115は、サーバを介してセルフチェックアウト装置1に接続された管理用モニタに、「不正行為が行われた疑いがあります」等の警告メッセージと、不正行為が行われた疑いのあるセルフチェックアウト装置1を識別する情報と、を表示させる制御を行う。
なお、報知制御部115は、上記の処理に加えて、スピーカに報知音を鳴らさせる制御等を行ってもよい。
また、報知制御部115は、第1のRFIDリーダ35で読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と第2のRFIDリーダ36で読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が一致する場合であっても、第1のRFIDリーダ35で読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36で読取った商品登録処理後の商品に付されたシリアル番号と、が一致しない場合は、上記と同様に、店員を呼び出している旨を報知させる制御等を行う。
これは、全商品の登録処理終了後において、第2のRFIDリーダ36で読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号の中に、第1のRFIDリーダ35で読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号と一致しないシリアル番号がある場合、第1の載置領域22に載置されていた商品とは異なる商品が第2の載置領域25に載置されたと考えられるため、例えば、商品のすり替え等の不正が疑われるからである。
また、本実施形態において、報知制御部115は、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、商品画像データ411に基づいて、モニタ4に、客に確認を促す旨のメッセージを表示させる制御を行う。
具体的には、報知制御部115は、比較部114による比較の結果、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、記憶部41に記憶された商品画像データ411を参照する。
そして、報知制御部115は、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加された商品画像をモニタ4に表示させ、併せて「この商品は本当に購入しようとしている商品ですか?」等、本当に購入予定の商品であるか客に確認を促すメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
ここで、第2のRFIDリーダ36が読取ったRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取ったRFIDタグの枚数よりも多い場合は、第1のRFIDリーダ35の読取不具合が生じている可能性が極めて高い。しかし、他の原因で第2のRFIDリーダ36が読取ったRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取ったRFIDタグの枚数よりも多くなる可能性もないとは言い切れない。
そこで、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、このような場合に本当に購入予定の商品であるか客に確認を促すことにより、購入予定のない商品が誤って商品登録処理されてしまうことを防ぐことができる。
なお、第1のRFIDリーダ35の読取不具合以外の原因で商品登録後に読取ったRFIDタグの枚数が多くなった場合、店員による状況確認が必要であると考えられるため、報知制御部115は、店員を呼ぶ旨のメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
また、報知制御部115は、比較部114による比較の結果、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、が一致する場合には、モニタ4に会計処理を開始する旨のメッセージを表示させる制御を行う。
会計処理部116は、客が購入する商品の会計処理を行う。本実施形態において、会計処理部116は、比較部114による比較の結果、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、が一致する場合、スキャナ5またはハンドスキャナ6が読取った各商品の情報に含まれる価格に基づいて、会計処理を行う。
次に、セルフチェックアウト装置1の記憶部41に記憶される情報について説明する。記憶部41には、画像管理部113が生成した商品画像データ411が記憶される。商品画像データ411は、RFIDタグに予め書き込まれているシリアル番号と、商品画像と、を関連付けたデータである。なお、商品画像データ411の記憶先は、記憶部41に限定されない。例えば、サーバ等の外部装置の記憶部等に記憶されてもよい。
また、商品画像データ411として生成されたデータには、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加されている場合がある。
上述のように、本実施形態において、商品画像データ411は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数と、に不一致があり、第1のRFIDリーダ35の読取不具合が疑われる場合において、画像の商品が本当に購入予定の商品であるか客に確認を促す処理に用いられる。
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の処理について説明する。図5は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、客は、バーコードや二次元コード等およびRFIDタグが付された商品が入ったかごを第1の載置領域22に載置する。第1のRFIDリーダ35は、商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに予め書込まれているシリアル番号を読取る(ステップS101)。次に、スキャナ5またはハンドスキャナ6は、商品に付されたバーコードや二次元コード等を読取り、商品登録処理を行う(ステップS102)。
商品登録処理が終了した商品は、客によって第2の載置領域25へ移動される。第2のRFIDリーダ36は、商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグに予め書込まれているシリアル番号を読取る(ステップS103)。
そして、セルフチェックアウト装置1の制御部40は、客からの商品登録処理終了指示の有無を確認する(ステップS104)。商品登録処理終了指示が無い場合(ステップS104:No)、商品登録処理終了指示を受付けるまで、ステップS102、ステップS103の処理を繰り返す。
商品登録処理終了指示を受付けた場合(ステップS104:Yes)、比較部114は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数とが一致するか、および、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグのシリアル番号とが一致するかを比較する(ステップS105)。
枚数およびシリアル番号が一致した場合(ステップS105:Yes)、報知制御部115は、モニタ4に会計処理を開始する旨のメッセージを表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS109)。
一方、ステップS105で、枚数またはシリアル番号が一致しない場合(ステップS105:No)、比較部114は、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多いか否かを確認する(ステップS106)。
第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が多い場合(ステップS106:Yes)、報知制御部115は、記憶部41に記憶された商品画像データ411を参照し、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加されたデータの商品画像と、その商品は本当に購入予定の商品かを問うメッセージと、「はい」ボタンと、「いいえ」ボタンとをモニタ4に表示させる制御を行う(ステップS107)。
客から「はい」の入力を受付けた場合(ステップS107:Yes)、報知制御部115は、モニタ4に会計処理を開始する旨のメッセージを表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS109)。なお、客から「いいえ」の入力を受付けた場合は(ステップS107:No)、モニタ4に店員を呼ぶ旨のメッセージを表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS110)。
一方、ステップS106で、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数の方が少ない、または、同数の場合(ステップS106:No)、報知制御部115は、モニタ4に未登録の商品が残ってないかを問うメッセージと、「はい」ボタンと、「いいえ」ボタンとを表示させる制御を行う(ステップS108)。
そして、客から「いいえ」の入力を受付けた場合(ステップS108:No)、報知制御部115は、モニタ4に店員を呼ぶ旨のメッセージを表示させる制御を行う。さらに、報知制御部115は、管理用モニタに、不正行為が行われた疑いがある旨の警告メッセージと、不正行為が行われた疑いがあるセルフチェックアウト装置1を識別する情報と、を表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS109)。
なお、客から「はい」の入力を受付けた場合(ステップS108:Yes)、ステップS102に戻り、処理を継続する。
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の効果〉
次に、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の効果について説明する。本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数およびシリアル番号と、を比較し、比較結果に基づいて、報知部に報知を行わせる制御を行う。
具体的には、報知制御部115は、比較部114による比較の結果、RFIDタグの枚数およびシリアル番号が一致した場合、モニタ4に会計処理へ進む旨のメッセージを表示させる制御を行い、商品登録処理前のRFIDタグの枚数が多い場合または商品登録処理前後でシリアル番号が一致しない場合、モニタ4に客に未登録商品が残っていないか確認を促すメッセージを表示させる制御を行う。
そして、報知制御部115は、未登録商品が残っていない場合、報知部に、客にはわからない形で、店側に対して、不正行為が行われた疑いがある旨の報知を行わせる制御を行う。
このため、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、不正の有無のチェックを目的とした商品登録処理の前後に行う重量チェックを回避することができる。そして、RFIDタグの読取は瞬時に終了するため、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、生産性を低下させることなく、迅速に不正の有無をチェックすることが可能になり、効率的に会計処理を行うことができる。
また、従来技術のように重量チェックで不正の有無をチェックする場合は、商品登録処理前後で商品の重量が略一致したとき、商品登録処理前後で商品個数が一致していると判断し、商品登録処理前後で商品個数が一致していれば、不正は無いと判断する。
つまり、不正チェックに重量チェックを用いる場合、商品登録処理前後に直接商品個数をカウントして、不正の有無を判断している訳ではなかった。したがって、例えば、会計に無関係なものを商品登録処理後の商品の重量を確認するセンサに検知させたような場合でも、商品登録処理前後で、センサが検知した重量が略一致すれば、商品個数が一致していると判断し、不正は無いと判断してしまう可能性があった。
これに対し、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数と、が一致することをもって商品個数が一致していると判断し、不正は無いと判断する。
ここで、本実施形態では、1商品に1枚のRFIDタグが付されているため、第1のRFIDリーダ35が読取ったタグの枚数は、商品登録処理前の商品個数と同一視することができる。また、同様に第2のRFIDリーダ36が読取ったタグの枚数は、商品登録処理後の商品個数と同一視することができる。
したがって、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、重量チェックを行う場合とは異なり、商品登録処理前後で直接的に商品個数をカウントして比較することができる。つまり、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、重量チェックを用いた場合よりも高い精度で、商品登録処理前後での商品個数の一致を確認することができると言える。
また、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、商品に付されたRFIDタグに予め書込まれているシリアル番号と、スキャナ5またはハンドスキャナ6が撮像した商品の画像と、を関連付けて商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する画像管理部113を備える。
なお、画像管理部113は、第2のRFIDリーダ36が読取ったシリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない場合は、シリアル番号と商品画像との関連付けの際、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報を付す処理を行う。
そして、報知制御部115は、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、シリアル番号を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加されたデータの商品画像を表示し、客に画像の商品は本当に購入予定の商品か確認を促す報知を行わせる制御を行う。
第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、第1のRFIDリーダ35に読取不具合が生じている可能性が極めて高い。
しかし、他の何らかの原因で第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多くなった可能性も完全には否定できない。
そこで、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、客に画像の商品は本当に購入予定の商品か確認を促す処理を行うことにより、購入する予定のない商品が誤って商品登録処理されることを防止することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1について説明する。この第2実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の動作を示す箇所には、図面等において同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成〉
第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1のハードウェア構成について説明する。図6は、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1と、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1とは、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1が、第1のRFIDリーダ35および第2のRFIDリーダ36を備えているのに対し、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、第1のRFIDリーダライタ51および第2のRFIDリーダライタ52を備えている点で相違する。
本実施形態において、第1のRFIDリーダライタ51は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取る前の商品に付されたRFIDタグの読取を行う。第2のRFIDリーダライタ52は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後の商品に付されたRFIDタグの読取を行う。
また、本実施形態において、第1のRFIDリーダライタ51は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取る前の商品に付されたRFIDタグに情報を書込む。また、第2のRFIDリーダライタ52は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後の商品に付されたRFIDタグに情報を書込む。
なお、第1のRFIDリーダライタ51は、「第1無線タグ読取部」の一例であり、「第1無線タグ書込部」の一例でもある。第2のRFIDリーダライタ52は、「第2無線タグ読取部」の一例であり、「第2無線タグ書込部」の一例でもある。
次に、第1のRFIDリーダライタ51が行う具体的な処理について説明する。まず、第1のRFIDリーダライタ51は、第1の載置領域22に載置されたかごに収納された商品に付されたRFIDタグに「商品番号」、「登録前」の情報を書込む。なお、登録前の情報は、「第1情報」の一例である。
「商品番号」は、商品を識別する番号であり、第1実施形態における「シリアル番号」と同様の役割を果たす番号である。なお、第1のRFIDリーダライタ51は、番号が重複しなければ、「商品番号」として、どんな番号をRFIDタグに書込んでもよい。
「登録前」は、その商品が商品登録処理前であることを示す情報である。スキャナ5またはハンドスキャナ6によりバーコードや二次元コード等が読取られる前の商品に付されたRFIDタグには、第1のRFIDリーダライタ51により「登録前」の情報が書込まれることになる。
本実施形態において、第1のRFIDリーダライタ51がRFIDタグに書込む情報は、「商品番号」、「登録前」であるが、この他に「日付」、セルチェックアウト装置を識別する「機器番号」、客を識別する「客番号」等の情報を書込んでもよい。第1のRFIDリーダライタ51は、RFIDタグに「商品番号」、「登録前」を書込んだ後、商品に付されたRFIDタグに書込んだ情報を読取る。
次に、第2のRFIDリーダライタ52が行う具体的な処理について説明する。第2のRFIDリーダライタ52は、スキャナ5またはハンドスキャナ6がバーコードや二次元コード等を読取った後の商品に付されたRFIDタグに書込まれた情報を読取る。
その後、第2のRFIDリーダライタ52は、RFIDタグに書込まれた「登録前」を、その商品が商品登録処理済であることを示す「登録後」に書換える。なお、登録後の情報は、「第2情報」の一例である。
ここで、第2のRFIDリーダライタ52が商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグから「商品番号」、「登録前」の情報を読取れなかった場合、第2のRFIDリーダライタ52は、第1のRFIDリーダライタ51が商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに書込んだ「商品番号」と重複しない「商品番号」を新たに書込む。また、第2のRFIDリーダライタ52は、同時に、商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグに「登録後」の情報を書込む。
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の機能構成〉
次に、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の機能構成について説明する。第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の機能構成自体は、第1実施形態と同様のため、処理の差異についてのみ説明する。
まず、画像管理部113の処理について説明する。本実施形態において、画像管理部113は、商品に付されたRFIDタグに第1のRFIDリーダライタ51が書込んだ「商品番号」と、画像取得部111が取得した商品の画像と、を関連付けて商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。
具体的には、画像管理部113は、第2のRFIDリーダライタ52が、第2のRFIDリーダライタ52が読取っていない新たな「商品番号」を読取ったとき、その「商品番号」と、第2のRFIDリーダライタ52がその「商品番号」を読取る直前に画像取得部111が取得した商品の画像と、を関連付けて商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。
また、画像管理部113は、第2のRFIDリーダライタ52が商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグから「商品番号」を読取れなかった場合、第2のRFIDリーダライタ52が新たに商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグに書込んだ「商品番号」と、第2のRFIDリーダライタ52がその「商品番号」を書込む直前に画像取得部111が取得した商品の画像データと、を関連付ける処理を行う。
そして、画像管理部113は、関連付けを行ったデータに、その「商品番号」を第1のRFIDリーダライタ51が書込んでいない旨の情報を付加し、商品画像データ411を生成し、記憶部41に記憶する。
次に、比較部114の処理について説明する。本実施形態において、比較部114は、第1のRFIDリーダライタ51が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数および商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに書込まれた「商品番号」と、第2のRFIDリーダライタ52が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数および商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグに書込まれた「商品番号」と、を比較する。
次に、報知制御部115の処理について説明する。本実施形態において、報知制御部115は、比較部114による比較の結果、第2のRFIDリーダ36が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダ35が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多い場合、記憶部41に記憶された商品画像データ411を参照する。
そして、報知制御部115は、「商品番号」を第1のRFIDリーダライタ51が書込んでいない旨の情報が付加された商品画像をモニタ4に表示させ、併せて「この商品は本当に購入しようとしている商品ですか?」等、本当に購入予定の商品であるか客に確認を促すメッセージをモニタ4に表示させる制御を行う。
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の処理について説明する。図5は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、客はバーコードや二次元コード等およびRFIDタグが付された商品が入ったかごを第1の載置領域22に載置する。第1のRFIDリーダライタ51は、商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに「商品番号」、「登録前」の情報を書込む(ステップS201)。
続いて、第1のRFIDリーダライタ51は、商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに書込んだ「商品番号」を読取る(ステップS202)。次に、スキャナ5またはハンドスキャナ6は、商品に付されたバーコードや二次元コード等を読取り、商品登録処理を行う(ステップS203)。
商品登録処理が終了した商品は、客によって第2の載置領域25へ移動される。第2のRFIDリーダライタ52は、第1のRFIDリーダライタ51によりRFIDタグに書込まれた「商品番号」、「登録前」の情報を読取る(ステップS204)。
そして、第2のRFIDリーダライタ52は、「登録前」を「登録後」に書換える(ステップS205)。
なお、商品登録終了後の商品に付されたRFIDタグに「商品番号」、「登録前」の情報が書込まれていなかった場合、第2のRFIDリーダライタ52は、第1のRFIDリーダライタ51が商品登録前の商品に付されたRFIDタグに書込んだ「商品番号」と重複しない新たな「商品番号」と「登録後」の情報を商品登録終了後の商品に付されたRFIDタグに書込む。
そして、セルフチェックアウト装置1は、客からの商品登録処理終了指示の有無を確認する(ステップS206)。商品登録処理終了指示が無い場合(ステップS206:No)、商品登録処理終了指示を受付けるまで、ステップS203乃至ステップS205の処理を繰り返す。
商品登録処理終了指示を受付けた場合(ステップS206:Yes)、比較部114は、第1のRFIDリーダライタ51が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数と、第2のRFIDリーダライタ52が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数とが一致するか、および、第1のRFIDリーダライタ51が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの「商品番号」と、第2のRFIDリーダライタ52が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの「商品番号」とが一致するかを比較する(ステップS207)。
枚数および「商品番号」が一致した場合(ステップS207:Yes)、報知制御部115は、モニタ4に会計処理を開始する旨のメッセージを表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS211)。
一方、枚数または「商品番号」が一致しない場合(ステップS207:No)、比較部114は、第2のRFIDリーダライタ52が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が、第1のRFIDリーダライタ51が読取った商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグの枚数よりも多いか否かを確認する(ステップS208)。
第2のRFIDリーダライタ52が読取ったRFIDタグの枚数が多い場合(ステップS208:Yes)、報知制御部115は、記憶部41に記憶された商品画像データ411を参照し、「商品番号」を第1のRFIDリーダ35が読取っていない旨の情報が付加されたデータの商品画像と、その商品は本当に購入予定の商品かを問うメッセージと、「はい」ボタンと、「いいえ」ボタンとをモニタ4に表示させる制御を行う(ステップS209)。
客から「はい」の入力を受付けた場合(ステップS209:Yes)、報知制御部115は、モニタ4に会計処理を開始する旨のメッセージを表示させる処理を行い、本処理を終了する(ステップS211)。なお、客から「いいえ」の入力を受付けた場合は(ステップS209:No)、店員を呼ぶ旨のメッセージを表示して本処理を終了する(ステップS212)。
一方、ステップS208で、第2のRFIDリーダライタ52が読取った商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグの枚数が少ない、または、同数の場合(ステップS208:No)、報知制御部115は、モニタ4に未登録の商品が残っていないかを問うメッセージと、「はい」ボタンと、「いいえ」ボタンとを表示させる制御を行う(ステップS210)。
そして、客から「いいえ」の入力を受付けた場合(ステップS210:No)、報知制御部115は、モニタ4に店員を呼ぶ旨のメッセージを表示する処理を行う。さらに、報知制御部115は、管理用モニタに、不正行為が行われた疑いがある旨の警告メッセージと、不正行為が行われた疑いがあるセルフチェックアウト装置1を識別する情報と、を表示させる制御を行い、本処理を終了する(ステップS213)。
なお、客から「はい」の入力を受付けた場合(ステップS210:Yes)、ステップS203に戻り、処理を継続する。
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の効果〉
第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、第1実施形態と同様の効果を奏することに加え、第1のRFIDリーダライタ51および第2のRFIDリーダライタ52を備えることによる新たな効果を奏する。
本実施形態において、第1のRFIDリーダライタ51は、商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに「商品番号」を書込む。これにより、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、シリアル番号が書込まれていないRFIDタグを使用する場合であっても、事前にRFIDタグに情報を書込む必要がなく、各商品に1枚ずつRFIDタグを付すだけで、迅速かつ簡単に不正チェックを行うことができ、効率的に会計処理を行うことができる。
また、本実施形態において、第1のRFIDリーダライタ51は、商品登録処理前の商品に付されたRFIDタグに「登録前」の情報を書込む。そして、第2のRFIDリーダライタ52は、商品登録処理後の商品に付されたRFIDタグに書込まれている「登録前」を「登録後」に書換える。これにより、ある商品が、精算前の商品であるか、精算後の商品であるかを区別することができる。
したがって、例えば、店舗の出入口等にRFIDリーダを内蔵したゲートを設け、RFIDタグから「登録前」の情報を受信した場合に警告を発するようなシステムを構築するなどすれば、精算が済んでいない商品が店外に持ち出されるのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムは、セルフチェックアウト装置1が備える記憶媒体(ROM402又は記憶部41)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
なお、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。