JP7365534B1 - 水中油型乳化物及び水中油型乳化物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良く冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、柔らかい物性となるフィリング等の水中油型乳化物を提供することを目的とする。示差走査熱量計で測定したときの特定の温度での融解熱で表された油脂を用いた水中油型乳化物が、課題を解決できることを見出した。

Description

本発明は、水中油型乳化物及び水中油型乳化物の製造方法に関する。
冷凍流通菓子市場では最終消費者の下で、冷蔵/室温で喫食した際にとろけるような柔らかいフィリングの需要がある。これまではもともと柔らかいフィリングを生地中に充填して、菓子製品を製造している。しかし、もともと柔らかいフィリングは充填、包餡をしにくい問題がある。また、焼成生地の場合は、後充填となり、必要な設備が増えるという問題もある。
従来技術としては、例えば、製菓用セルクルに冷凍可能なフィリングを該セルクルに注入後、該フィリングの外表面のみを冷凍固化した後、外表面を冷凍固化したフィリングを可食性シート生地で被覆する技術がある(特許文献1)。
また、冷凍温度帯でのフィリング等の食感、品質を維持する試みもなされている。例えば、フィリング等のペースト状食品に澱粉を配合する技術(特許文献2)がある。
また、冷凍した乳化組成物を含む食品を加熱後、良好な状態で喫食させる技術として、ハンバーグ等の製品に特定の練り込み用乳化油脂組成物を配合する技術(特許文献3)等がある。
特開2002-095418号公報 特開2006-042739号公報 特開2005-087014号公報
上記、柔らかいフィリングの需要に対応するためには、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良く冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、とろけるような柔らかい状態となるフィリング等が必要である。
しかし、特許文献1の技術ではフィリング外表面だけを凍結するような冷凍温度帯を設定しなければならない等条件面で煩雑で、冷凍温度によってはフィリング自体の食感にも影響があるという問題がある。また、特許文献2の技術では、フィリングとして生地に充填する場合に充填性や冷凍保存時の品質にも改良の余地がある。また、特許文献3の技術についても、物性等まだまだ満足できるものではない。
本発明は、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良く冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、柔らかい物性となるフィリング等の水中油型乳化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた。水中油型乳化物に用いる油脂を種々検討した結果、冷凍温度帯と冷蔵温度帯の油脂の物性が影響することが判明し、その物性を示差走査熱量計で測定したときの特定の温度での融解熱で表すことができ、さらに水中油型乳化物に関して特定の温度での硬さの比を指標とすることで物性を表現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)水中油型乳化物の油相が、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上であり、該水中油型乳化物中の油脂含量が20質量%以上である水中油型乳化物であって、前記水中油型乳化物を以下の(A)~(C)の条件で保存したものの最大荷重を測定したとき、(A)の最大荷重が1.0N以上であり、かつ、(C)/(B)が0.80以下である、水中油型乳化物、
(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重、
(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、
(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、
(2)水中油型乳化物中の油脂含量が20~90質量%である、(1)記載の水中油型乳化物、
(3)水中油型乳化物がさらに蛋白質素材を含む、(1)記載の水中油型乳化物、
(4)水中油型乳化物がさらに蛋白質素材を含む、(2)記載の水中油型乳化物、
(5)水中油型乳化物の油脂含量が20~90質量%、蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、(3)記載の水中油型乳化物、
(6)水中油型乳化物の油脂含量が20~90質量%、蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、(4)記載の水中油型乳化物、
(7)油脂、及び水を含有する原料を乳化する水中油型乳化物の製造方法であって、該水中油型乳化物の油相が、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上であり、該水中油型乳化物中の油脂含量が20質量%以上であり、該水中油型乳化物を以下の(A)~(C)の条件で保存したものの最大荷重を測定したとき、(A)が1.0N以上であり、かつ、(C)/(B)が0.80以下である、水中油型乳化物の製造方法、
(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重、
(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、
(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、
(8)水中油型乳化物中の油脂含量が20~90質量%である、(7)記載の水中油型乳化物の製造方法、
(9)さらに原料として蛋白質素材を含む、(7)記載の水中油型乳化物の製造方法、
(10)さらに原料として蛋白質素材を含む、(8)記載の水中油型乳化物の製造方法、
(11)水中油型乳化物の油脂含量が20~90質量%、蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、(9)記載の水中油型乳化物の製造方法、
(12)水中油型乳化物の油脂含量が20~90質量%、蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、(10)記載の水中油型乳化物の製造方法、
である。
本発明により、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良く冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、柔らかい物性となるフィリング等の水中油型乳化物を提供することができる。
(水中油型乳化物)
本発明の水中油型乳化物は、水中油型乳化物の油相が、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上であり、水中油型乳化物中の油脂含量が20質量%以上である水中油型乳化物であって、前記水中油型乳化物を以下の(A)~(C)の条件で保存したものの最大荷重を測定したとき、(A)が1.0N以上であり、かつ、(C)/(B)が0.80以下である、水中油型乳化物である。
(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重。
(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存。
(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存。
上記、本発明の水中油型乳化物は、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良く冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、柔らかい物性となる。
具体的にいうと、本発明の水中油型乳化物は、冷蔵以上の温度帯であれば解乳化はせず、硬さを保持した状態で、柔らかい物性とはならないため、このような温度帯で混合や包餡など作業適正がある。一方、本発明の水中油型乳化物を冷凍後、解凍すると解乳化がおこり、喫食する際には柔らかい物性となる。
本発明の水中油型乳化物は冷蔵以上の温度帯では解乳化せず、各温度に応じた硬さを示す可逆的な物性となる。一方、冷凍後、解凍した場合は、冷凍時は硬さがある物性であるが、解凍後は解乳化して柔らかな物性となり、冷凍時の物性と解凍後の物性は不可逆なものとなる。
本発明において、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上を要件の1つとしている。これは、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良いことを示している。 (A)4℃で24時間保存したときの最大荷重は、好ましくは1.5N以上である。また、上限は、好ましくは、50N以下であり、より好ましくは40N以下、さらに好ましくは30N以下、25N以下である。
また、本発明においては前記(C)/(B)の値をもう1つの要件としている。これは本発明の水中油型乳化物が、上記の通り冷蔵や室温の温度帯では解乳化せず硬さを保持した状態であるが、冷凍後解凍した際には解乳化が起こり柔らかい物性を持つ性質を表す指標となるものである。
前記(C)/(B)の値は、好ましくは0.75以下であり、より好ましくは0.73以下であり、さらに好ましくは0.71以下である。
なお、最大荷重の測定条件は後述する。
(レオナーを用いた最大荷重の測定方法)
本発明において水中油型乳化物のレオナー測定は、(株)山電製のクリープメーター(型式RHEONER II CREEP METER RE2-33005B)を用いて測定する。測定条件は以下の通りである。
測定歪率:90%、測定速度:0.5mm/sec、接触面直径:16mm、使用治具:16mm丸。
上記条件で測定歪率が90%時点での最大荷重値(単位:N)を求める。
(油脂)
本発明に用いる油脂は、冷蔵温度域と冷凍温度域での状態、つまり、各温度域での結晶量が重要と考えている。この結晶量の指標として、本発明では示差走査熱量計(DSC)で測定したときの融解熱の分析値を用いて表す。
すなわち、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上である油脂であり、この数値範囲の物性を示す油脂を用いることで、冷凍した状態では固化した状態であるが解凍後に柔らかい物性となる水中油型乳化物を製造することが可能となる。
4℃の融解熱は好ましくは12.0J/g以下であり、-20℃の融解熱は好ましくは20.0J/g以上である。
使用する油脂は、上記要件を満たす限りにおいて、特に制限されない。
例えば、大豆油、菜種油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、米油、綿実油、コーン油、サフラワー油、落花生油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、カポック油、モリンガ油、ゴマ油等の植物性油脂、MCT、もしくはこれらの分別油、エステル交換油、硬化油等を用いることができる。これらの油脂は、1種、または2種以上を併用して使用することができる。すなわち、1種の油脂または、2種以上の油脂を併用して得られる油脂が、示差走査熱量計(DSC)による融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上となるようにすれば良い。
示差走査熱量計(DSC)を用いた測定条件は後述する。
(示差走査熱量計を用いた融解熱の測定方法)
本発明において油脂の融解熱は示差走査熱量計(DSC)(TA instrument製のDISCOVERY series DSC2500)を用いて測定する。油脂の融解熱の測定条件は、以下の通りである。
(融解熱の測定条件)
○油脂:80℃で溶解
○冷却速度:-5℃/分(4℃あるいは-20℃まで冷却)
○保持時間:4℃あるいは-20℃で180分間保持
○昇温速度:5℃/分(60℃まで昇温)
本発明の水中油型乳化物中の油脂含量は20質量%以上である。下限として好ましくは、22質量%以上であり、より好ましくは24質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上である。上限として好ましくは90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、78質量%以下、76質量%以下、75質量%以下を選択することできる。
具体的には、20~90質量%、20~85質量%、20~80質量%、20~75質量%、22~90質量%、22~85質量%、22~80質量%、22~75質量%、24~90質量%、24~85質量%、24~80質量%、24~75質量%、25~90質量%、25~85質量%、25~80質量%、25~75質量%等を例示できる。
(蛋白質素材)
本発明の蛋白質素材は植物性蛋白質素材、動物性蛋白質素材を用いることができる。
本発明の蛋白質素材の概念は、植物性あるいは動物性蛋白質を主成分とし、各種加工食品や飲料に原料として使用されている食品素材である。該植物性蛋白質素材の由来の例として、大豆、エンドウ、緑豆、ルピン豆、ヒヨコ豆、インゲン豆、ヒラ豆、ササゲ等の豆類、ゴマ、キャノーラ種子、ココナッツ種子、アーモンド種子等の種子類、とうもろこし、そば、麦、米などの穀物類、野菜類、果物類などが挙げられる。より具体的な実施形態では、該植物性蛋白質素材は、豆類の蛋白質から調製される。さらに具体的な実施形態では、該植物性蛋白質素材は大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、緑豆蛋白質又は空豆蛋白質から調製される。さらにより具体的な実施形態では、該植物性蛋白質素材は大豆蛋白質又はエンドウ豆蛋白質から調製される。一例として大豆由来の蛋白質素材の場合、脱脂大豆や丸大豆等の大豆原料からさらに蛋白質を濃縮加工して調製されるものであり、一般には分離大豆蛋白質、濃縮大豆蛋白質や粉末豆乳、あるいはそれらを種々加工したものなどが概念的に包含される。
また、動物性蛋白質素材としては、例えば、カゼイン、カゼインナトリウム、ホエー蛋白等の乳蛋白、卵白等が挙げられる。
蛋白質素材の水中油型乳化物中の含量は、好ましくは0.1~20質量%である。より好ましくは0.5~15質量%であり、さらに好ましくは0.8~10質量%である。
(植物性蛋白質素材A)
本発明において、使用する植物性蛋白質素材の1態様として以下のa)~c)を満たす特徴を有する植物性蛋白質素材Aを用いることができる。
a)蛋白質純度
該植物性蛋白質素材Aは固形分中の蛋白質含量が70質量%以上、例えば、80質量%以上、85質量%以上、又は90質量%以上である。上記範囲に含まれる植物性蛋白質素材の原料としては、分離蛋白質が好ましく、分離大豆蛋白質や分離エンドウ蛋白質などが挙げられる。
<蛋白質純度の測定>
蛋白質純度はケルダール法により測定する。具体的には、105℃で12時間乾燥した蛋白質素材質量に対して、ケルダール法により測定した窒素の質量を、乾燥物中の蛋白質含量として「質量%」で表す。なお、窒素換算係数は6.25とする。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
b)蛋白質のNSI
該植物性蛋白質素材Aは、蛋白質の溶解性の指標として用いられているNSI(Nitrogen Solubility Index:窒素溶解指数)が80以上のものである。より好ましくはNSIが85以上、90以上、95以上、又は97以上のものを用いることができる。例えば、NSIが高い植物性蛋白質素材として、蛋白質が不溶化される処理、例えば酵素分解処理やミネラルの添加処理等、がされていないもの、あるいはされていたとしてもわずかであるもの、を用いることが好ましい。
なお、NSIは後述する方法に基づき、全窒素量に占める水溶性窒素(粗蛋白)の比率(質量%)で表すものとし、本発明においては後述の方法に準じて測定された値とする。
<NSIの測定法>
試料3gに60mlの水を加え、37℃で1時間プロペラ攪拌した後、1400×gにて10分間遠心分離し、上澄み液(I)を採取する。次に、残った沈殿に再度水100mlを加え、再度37℃で1時間プロペラ撹拌した後、遠心分離し、上澄み液(II)を採取する。(I)液及び(II)液を合わせ、その混合液に水を加えて250mlとする。これをろ紙(NO.5)にてろ過した後、ろ液中の窒素含量をケルダール法にて測定する。同時に試料中の窒素量をケルダール法にて測定し、ろ液として回収された窒素量(水溶性窒素)の試料中の全窒素量に対する割合を質量%として表したものをNSIとする。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
c)分子量分布
該植物性蛋白質素材Aは、ゲルろ過によって分子量を測定した場合に、その分子量分布の面積比率は、2,000Da以上20,000Da未満が30%以上、20,000Da以上が70%以下である。具体的な実施形態では、2,000Da以上20,000Da未満が35%以上、20,000Da以上が65%以下である。
また、ある特定の実施形態では、植物性蛋白質素材Aは、ゲルろ過によって分子量を測定した場合に、その分子量分布の面積比率は、2,000Da以上10,000Da未満が10~40%であり、好ましくは、15~35%であり、より好ましくは、20~30%である。また、10,000Da以上が50~80%であり、好ましくは55~75%であり、より好ましくは60~75%である。
また別のある特定の実施形態では、植物性蛋白質素材Aはゲルろ過によって分子量を測定した場合に、その分子量分布の面積比率は、2,000Da以上20,000Da未満が45~90%であり、好ましくは、47~85%、より好ましくは50~75%である。
<分子量分布>
溶離液で蛋白質素材を0.1質量%濃度に調整し、0.2μmフィルターでろ過したものを試料液とする。2種のカラム直列接続によってゲルろ過システムを組み、はじめに分子量マーカーとなる既知の蛋白質等(表1)をチャージし、分子量と保持時間の関係において検量線を求める。次に試料液をチャージし、各分子量画分の含有量比率%を全体の吸光度のチャート面積に対する、特定の分子量範囲(時間範囲)の面積の割合によって求める(1stカラム:「TSK gel G3000SWXL」(SIGMA-ALDRICH社)、2ndカラム:「TSK gel G2000SWXL」(SIGMA-ALDRICH社)、溶離液:1%SDS+1.17%NaCl+50mMリン酸バッファー(pH7.0)、23℃、流速:0.4ml/分、検出:UV220nm)。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
Figure 0007365534000001
(分子量分布調整処理または変性・分子量分布調整処理)
本態様の油脂乳化組成物に用いられる植物性蛋白質素材は、蛋白質の分解及び/又は変性と、分子量分布の調整を組み合わせることにより得られ得る。蛋白質を分解又は変性させる処理の例として、酵素処理、pH調整処理(例えば、酸処理、アルカリ処理)、変性剤処理、加熱処理、冷却処理、高圧処理、有機溶媒処理、ミネラル添加処理、超臨界処理、超音波処理、電気分解処理及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。分子量分布を調整する処理の例として、酵素処理、ろ過、ゲルろ過、クロマトグラフィー、遠心分離、電気泳動、透析及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。蛋白質を分解又は変性させる処理と、分子量分布を調整する処理の順序及び回数は特に限定されず、蛋白質を分解又は変性させる処理を行ってから分子量分布を調整する処理を行ってもよいし、分子量分布を調整する処理を行ってから蛋白質を分解又は変性させる処理を行ってもよいし、両処理を同時に行ってもよい。また、例えば2回以上の分子量分布を調整する処理の間に蛋白質を分解又は変性する処理を行う、2回以上の蛋白質を分解又は変性する処理の間に分子量分布を調整する処理を行う、各々複数回の処理を任意の順に行う、等も可能である。なお、蛋白質を分解又は変性させる処理によって所望の分子量分布が得られる場合は、分子量分布の調整のための処理を行わなくてもよい。これらの処理を組み合わせて、複数回行う際、原料から全ての処理を連続で行ってもよいし、時間をおいてから行ってもよい。例えば、ある処理を経た市販品を原料として他の処理を行ってもよい。本明細書において、このような処理を便宜上「分子量分布調整処理」、蛋白質の変性を伴う場合は「変性・分子量分布調整処理」と称する。なお、上記特性を満たす限り、分子量分布調整処理又は変性・分子量分布調整処理を経た植物性蛋白質素材と、分子量分布調整処理又は変性・分子量分布調整処理を経ていない蛋白質を混合して、特定の植物性蛋白質素材としてもよい。この場合、両者の比率(処理を経たタンパク質素材:処理を経ていない蛋白質)は上記特性を満たす範囲で適宜調整可能であるが、質量比で例えば1:99~99:1、例えば50:50~95:5、75:25~90:10等が挙げられる。ある実施形態では、概植物性蛋白質素材は、分子量分布調整処理又は変性・分子量分布調整処理を経た植物性蛋白質素材からなる。
蛋白質を分解又は変性させる処理の条件、例えば酵素、酸、アルカリ、有機溶媒、ミネラル等の濃度、温度、圧力、出力強度、電流、時間等は、当業者が適宜設定できる。pH調整処理の場合、例えばpH2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12の任意の値を上限、下限とするpH範囲で処理し得る。酸処理の場合、酸を添加する方法であっても、また、乳酸発酵などの発酵処理を行う方法であってもよい。添加する酸の例として、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸が挙げられる。また、レモンなどの果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルト、醸造酢などの酸を含有する飲食品を用いて酸を添加してもよい。アルカリ処理の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを添加し得る。変性剤処理の場合、塩酸グアニジン、尿素、アルギニン、PEG等の変性剤を添加し得る。加熱又は冷却処理の場合、加熱温度の例として、60~150℃、例えば80℃~110℃、100℃~135℃、125℃~145℃が挙げられる。冷却温度の例として、-10~-75℃、例えば-15℃~-70℃、-20℃~-45℃が挙げられる。加熱又は冷却時間の例として、5秒~200分間、例えば10秒~10分間、5~60分間、30~120分間、90~150分間等が挙げられる。高圧処理の場合、圧力の条件として、100~1,000MPa、例えば200~700MPa、300~500MPa等が挙げられる。有機溶媒処理の場合、用いられる溶媒の例として、アルコールやケトン、例えばエタノールやアセトンが挙げられる。ミネラル添加処理の場合、用いられるミネラルの例として、カルシウム、マグネシウムなどの2価金属イオンが挙げられる。超臨界処理の場合、例えば、温度約30℃以上で約7MPa以上の超臨界状態の二酸化炭素を使用して処理できる。超音波処理の場合、例えば100KHz~2MHzの周波数で100~1,000Wの出力で照射して処理し得る。電気分解処理の場合、例えば蛋白質水溶液を100mV~1,000mVの電圧を印加することにより処理し得る。具体的な実施形態において、蛋白質を分解又は変性させる処理は、変性剤処理、加熱処理、及びそれらの組み合わせから選択される。
分子量分布を調整する処理の条件、例えば酵素の種類、ろ材の種類、回転数、電流、時間等は、当業者が適宜設定できる。使用される酵素の例として、「金属プロテアーゼ」、「酸性プロテアーゼ」、「チオールプロテアーゼ」、「セリンプロテアーゼ」に分類されるプロテアーゼが挙げられる。反応温度は20~80℃、好ましくは40~60℃で反応を行うことができる。ろ材の例として、ろ紙、ろ布、ケイ藻土、セラミック、ガラス、メンブラン等が挙げられる。ゲルろ過の担体の例として、デキストラン、アガロース等が挙げられる。遠心分離の条件の例として、1,000~3,000×g、5~20分間等が挙げられる。
(その他の原料)
本発明の水中油型乳化物には、各種原料を必要に応じて含有させることができる。
例えば、糖類、糖アルコール類、澱粉、食物繊維、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、水溶性多糖類、増粘多糖類、乳化剤、塩類、香料、甘味料、着色料、保存料、pH調整剤、安定剤、牛乳・バター・チーズ等の乳製品及び乳加工品、果汁、カカオマス、ココアパウダー,抹茶パウダー等の各種パウダー、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール等のアルコール類等が挙げられる。
(水中油型乳化物の製造)
本発明の水中油型乳化物の製造は公知の方法を用いて製造することができる。
例えば、蛋白質素材、油脂、水及びその他必要により副原料を混合し、ホモミキサー、高圧ホモゲナイザー、サイレントカッターやステファンクッカー等のカッター刃ミキサー、アジホモミキサー、コロイドミル、エクストルーダーやエマルダーなどのローター・ステーター型インラインミキサー等により溶液を均質化し、必要により加熱殺菌を行い、本発明の水中油型乳化物を得ることができる。
(用途)
本発明の水中油型乳化物は、チョコレートフィリング、練乳フィリング、抹茶フィリング、チーズフィリング、ホイップクリーム、カスタードクリーム、練り込み用クリーム、アイスクリーム、イチゴクリームやレモンクリーム等の各種フルーツ、フルーツピューレ、フルーツ果汁などを配合したクリーム、酸性クリーム、フラワーペースト、チョコレート様食品、含水チョコレート、生チョコレート、キャラメル、チーズ、チーズソース、パスタソース、カレーやシチューのルー等として使用することができる。
以下に実施例を記載することで本発明を説明する。尚、例中の%は特に断らない限り質量基準を意味するものとする。
(各種油脂の融解熱の測定)
表1に示す油脂について示差走査熱量計(DSC)で4℃、-20℃の融解熱を測定し、結果を表1に示した。評価として、本発明の油脂の融解熱の規定を満たすものは、「○」、満たさないものは、「×」とした。
なお、パームスーパーオレイン(商品名:パームエース10)、ハイオレイックひまわり油(商品名:ハイオール75B)、パームオレイン(商品名:PWLNS-N)、大豆油はいずれも不二製油製のものを用いた。
(表1)
Figure 0007365534000002
(実施例1~2)
油脂A、蛋白質素材として大豆蛋白(フジプロCL、不二製油製)、あるいは分離大豆蛋白質の変性・分子量分布調整処理品(不二製油株式会社テスト製造品で不二製油株式会社より入手可能。2,000Da以上20,000Da未満の分子量が64%、NSIが98.1、蛋白質含量は80%。表中、蛋白質素材A-1と表記)を用いて水中油型乳化物を調製した。
表2の配合に従い、原料をカッター刃ミキサー(R3 1500、ロボクープ製)を用いて、混合し水中油型乳化物を得た。各水中油型乳化物についてレオナーで最大荷重の測定を行った(表2)。なお、表中、「(A)4℃の最大荷重」と表記したものが、水中油型乳化物を4℃で24時間保存後、測定したものであり、「(B)4℃→25℃の最大荷重」と表記したものが、水中油型乳化物を4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存して測定したものであり、「(C)-20℃→25℃の最大荷重」と表記したものが、水中油型乳化物を-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存して測定したものである。
水中油型乳化物の評価は以下の通りで「○」が合格である。
○:(A)4℃の最大荷重が1.0N以上、かつ、最大荷重の(C)/(B)の値が0.80以下。
×:(A)4℃の最大荷重が1.0N未満の場合、最大荷重の(C)/(B)の値が0.80を超える場合、または、最大荷重の(B)、(C)いずれも解乳化して硬さがなく測定値が0の場合、の1つ以上を満たす場合。

評価が「○」の場合、冷蔵以上の温度帯では解乳化せず、一定の硬さを有するが、冷凍後、解凍した場合は、解乳化して柔らかな物性となることを示している。すなわち、4℃の最大荷重が1.0N以上であることで、原料の混合や包餡するのに適度な固さを有して作業性が良いことを示し、最大荷重の(C)/(B)の値が0.80以下となることで、冷凍流通後、解凍して冷蔵/室温で喫食する際には固いままではなく、柔らかい物性となることを示す。
(表2)
Figure 0007365534000003
表2に示す通り、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上である油脂Aを用いて調製した水中油型乳化物は、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上であった。また、(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重の(C)/(B)の値が0.80以下であり、良好だった。
(実施例3~9、比較例1~5)
油脂C~N、蛋白質素材として、以下に記載する方法で製造した植物蛋白質素材A-1を用いて表2の配合に従い、実施例1と同様に水中油型乳化物を調製し、評価を行った。評価結果を表3に示した。
(表3)
Figure 0007365534000004
油脂G、H、I、J、K、L、Mを用いて調製した実施例2~8の水中油型乳化物は、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上であった。また、(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、の(C)/(B)の値が0.80以下であり、良好であった。一方、油脂D、E、F、N、Cを用いて調製した比較例1~5の水中油型乳化物は評価が悪かった。
(実施例10~15、比較例6~9)
表4の配合に従い、油脂B、蛋白質素材として大豆蛋白(フジプロCL、不二製油製)を用いて、実施例1と同様にして水中油型乳化物を調製し、評価を行った。本態様はチョコレートフィリングとして使用できるものである。評価結果を表4に示した。
なお、ココアパウダーとして、Guan Chong Berhad製のものを用いた。
(表4)
Figure 0007365534000005
油脂Bを用いて、水中油型乳化物中の油脂の含量を20%以上で調製した実施例9~14の水中油型乳化物は、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上であった。また、(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、の(C)/(B)の値が0.80以下であり、良好だった。一方、水中油型乳化物中の油脂の含量が20%未満である比較例6~9は評価が悪かった。
(実施例16~18)
表5の配合に従い、油脂B、蛋白質素材として実施例2で蛋白質素材として使用した蛋白質素材A-1を用いて、実施例1と同様にして水中油型乳化物を調製し、評価を行った。本態様で実施例15は練乳フィリング、実施例16は抹茶フィリング、実施例17はチーズフィリングとして使用できるものである。評価結果を表5に示した。
(表5)
Figure 0007365534000006
実施例15~17の水中油型乳化物は、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上であった。また、(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、の(C)/(B)の値が0.80以下であり、保形性の評価も合格であった。
(実施例19~20)
表6の配合に従い、油脂B、蛋白質素材として、カゼインまたは、分離エンドウ蛋白質の変性・分子量分布調整処理品(不二製油株式会社テスト製造品で不二製油株式会社より入手可能。2,000Da以上20,000Da未満の分子量が68%、NSIが100.1、蛋白質含量は80%。表中、蛋白質素材A-2と表記)を用いて、実施例1と同様にして水中油型乳化物を調製し、評価を行った。評価結果を表6に示した。
(表6)
Figure 0007365534000007
実施例18、19の水中油型乳化物は、(A)4℃で24時間保存したときの最大荷重が1.0N以上であった。また、(B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、(C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重、の(C)/(B)の値が0.80以下であり、良好だった。

Claims (6)

  1. 水中油型乳化物の油相が、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上であり、該水中油型乳化物中の油脂含量が20質量%以上であり、かつ、植物性蛋白質素材を含む水中油型乳化物であって、前記水中油型乳化物を以下の(A)~(C)の条件で保存したものの最大荷重を測定したとき、(A)の最大荷重が1.0N以上、(C)の最大荷重が1.8N以下であり、かつ、(C)/(B)が0.80以下である、水中油型乳化物。
    (A)4℃で24時間保存したときの最大荷重。
    (B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重。
    (C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重。
  2. 水中油型乳化物中の油脂含量が20~90質量%である、請求項1記載の水中油型乳化物。
  3. 水中油型乳化物中の植物性蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、請求項1または2
    記載の水中油型乳化物。
  4. 油脂、植物性蛋白質素材及び水を含有する原料を乳化する水中油型乳化物の製造方法であって、該水中油型乳化物の油相が、示差走査熱量計(DSC)による油脂の融解熱の測定において、4℃の融解熱が13.0J/g以下、かつ-20℃の融解熱が15.0J/g以上であり、該水中油型乳化物中の油脂含量が20質量%以上であり、該水中油型乳化物を以下の(A)~(C)の条件で保存したものの最大荷重を測定したとき、(A)の最大荷重が1.0N以上、(C)の最大荷重が1.8N以下であり、かつ、(C)/(B)が0.80以下である、水中油型乳化物の製造方法。
    (A)4℃で24時間保存したときの最大荷重。
    (B)4℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重。
    (C)-20℃で24時間保存後、25℃で24時間保存したときの最大荷重。
  5. 水中油型乳化物中の油脂含量が20~90質量%である、請求項4記載の水中油型乳化物の製造方法。
  6. 水中油型乳化物中の植物性蛋白質素材の含量が0.1~20質量%である、請求項4または5記載の水中油型乳化物の製造方法。
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