以下、インバータ装置、及びインバータ装置の製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、ハイブリッド自動車などの車両の車輪の駆動力源となる交流の第1回転電機M1(第1交流機器)を駆動する第1インバータモジュール1と、同じ車両に搭載される付属機器(補機)の駆動力源となる交流の第2回転電機M2(第2交流機器)を駆動する第2インバータモジュール2とを備えたインバータ装置10を例として説明する。ここで、補機とは、例えば電動オイルポンプやエアコンディショナーのコンプレッサである。車両の駆動力源としての第1回転電機M1は、複数相の交流(ここでは3相交流)により動作する回転電機であり、電動機としても発電機としても機能することができる。また、本実施形態においては、第2回転電機M2も同様に複数相の交流(ここでは3相交流)により動作する回転電機である。本実施形態では、第1交流機及び第2交流機が共に回転電機である形態を例示しているが、回転電機以外の交流の電気機器であってもよい。
図1の模式的回路ブロック図は、直流電源(第1直流電源38)及び第1回転電機M1に接続されて直流と交流との間で電力を変換する第1インバータモジュール1と、第1直流電源38及び第2回転電機M2に接続されて直流と交流との間で電力を変換する第2インバータモジュール2を備えたインバータ装置10のシステム構成を示している。また、図2の模式的ブロック図は、インバータ装置10に含まれる制御基板5に形成された回路であって、第1インバータモジュール1及び第2インバータモジュール2を制御するインバータ制御回路30(制御回路)の構成を示している。
鉄道車両のように、外部から電力の供給を受けることができない自動車のような車両では、回転電機を駆動するための電力源としてニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどの直流電源を搭載している。図1及び図2に示すように、本実施形態では、第1回転電機M1及び第2回転電機M2に駆動電力を供給するための大電圧大容量の直流電源として、例えば電源電圧が200~400[V]の第1直流電源38(高圧直流電源)が備えられている。尚、第1直流電源38は、例えば第1回転電機M1により発電された電力を蓄電することも可能である。
車両には、第1直流電源38よりも低電圧の電源である第2直流電源39(低圧直流電源)も搭載されている(図2参照)。第2直流電源39の定格の出力電圧は、例えば12~24[V]である。第2直流電源39は、インバータ制御回路30の一部や、オーディオシステムや灯火装置、室内照明、計器類のイルミネーション、パワーウィンドウなどの電装品や、これらを制御する制御装置に電力を供給する。尚、第2直流電源39と第1直流電源38とは、互いに絶縁されており、互いに電気的にフローティングの関係にある。
本実施形態では、第1インバータモジュール1及び第2インバータモジュール2は、共にスイッチング素子Eによるブリッジ回路が1つの筐体内に構築されたIPM(Intelligent Power Module)として構成されている。図1に示すように、IPMには、第1直流電源38の正極Pの側に接続される上段側スイッチング素子E1と、第1直流電源38の負極Nの側に接続される下段側スイッチング素子E2とが直列接続されたアームが、複数相の交流の相数に応じて複数相並列接続されたブリッジ回路が構成されている。図1には、スイッチング素子EとしてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を利用する形態を例示しているが、スイッチング素子Eは、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)など、他のパワー半導体素子であってもよい。
車両の駆動力源となる第1回転電機M1と、電動オイルポンプやコンプレッサなどの補機の駆動力源となる第2回転電機M2とでは、当然ながら負荷も異なる。第2回転電機M2は、第1回転電機M1よりも低負荷の回転電機である。このため、第2インバータモジュール2は、第1インバータモジュール1に比べて消費電力が少ないインバータである。第1インバータモジュール1と第2インバータモジュール2とは、上述したようなブリッジ回路の構造は同様であるが、個々のスイッチング素子Eの電気的特性(定格電流や耐圧など)は異なる。本実施形態では、相対的に消費電力の少ない第2インバータモジュール2は、第1インバータモジュール1に比べて小型である。
第1インバータモジュール1及び第2インバータモジュール2と、第1直流電源38との間には、直流電圧(直流リンク電圧)を平滑化する直流リンクコンデンサC(平滑コンデンサ)が備えられている。直流リンクコンデンサCは、第1回転電機M1及び第2回転電機M2の消費電力の変動に応じて変動する直流電圧を安定化させる。図2に示すように、第1インバータモジュール1に近い位置に第1直流リンクコンデンサC1が配置され、第2インバータモジュール2に近い位置に第2直流リンクコンデンサC2が配置されている。第2直流リンクコンデンサC2は、第1直流リンクコンデンサC1よりも小型であり、本実施形態では、図2に示すように、例えば制御基板5に実装されている。
第1インバータモジュール1及び第2インバータモジュール2が有するスイッチング素子Eは、インバータ制御回路30によって生成されるスイッチング制御信号によって制御される。図2に示すように、インバータ制御回路30には、第1インバータモジュール1を制御する第1インバータ制御部31(INV-CTRL1)、第1ドライブ回路33、第1トランス電源35、アイソレーション素子37を含むと共に、第2インバータモジュール2を制御する第2インバータ制御部32(INV-CTRL2)、第2ドライブ回路34、第2トランス電源36を含む。
第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32は、マイクロコンピュータなどのプロセッサ中核とした電子回路によって構成されている。多くの場合、このような電子回路の電源電圧は、1.5~5[V]程度であり、後述するように第2直流電源39から電力を供給されて動作する。つまり、第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32から出力されたスイッチング制御信号は、第1直流電源38の電源電圧(上述したように200~400[V])に比べて遙かに低電圧である。従って、そのままの駆動力(電圧振幅や出力電流)では、直接、第1インバータモジュール1及び第2インバータモジュール2が有するスイッチング素子Eを駆動することができない。このため、第1インバータ制御部31と第1インバータモジュール1との間には、第1ドライブ回路33(DRV)が設けられ、第2インバータ制御部32と第2インバータモジュール2との間には、第2ドライブ回路34が設けられている。第1ドライブ回路33及び第2ドライブ回路34は、第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32から出力されたスイッチング制御信号を増幅して、駆動力(電圧振幅や出力電流)を高めてスイッチング素子Eに中継する。
制御基板5には、第1回転電機M1及び第2回転電機M2を駆動制御する回路群が搭載されている。上述したように、車両を駆動する第1回転電機M1に比べて、補機を駆動する第2回転電機M2は、その出力(トルク等)も小さく、消費電力も小さい。このため、第1回転電機M1を駆動制御する回路群に比べて、第2回転電機M2を駆動制御する回路群の方が、回路規模が小さくなる。従って、本実施形態の制御基板5は、第1回転電機M1を駆動制御する回路群を中核として構成され、そこに、第2回転電機M2を駆動制御する回路群及び第2インバータモジュール2も搭載されている。第1インバータモジュール1は、制御基板5上に実装されるのではなく、制御基板5とは別に配置され、配線ケーブルやバスバーなどによって電気的に接続されている。第2インバータモジュール2は、第1インバータモジュール1に比べて小型であるため、本実施形態では制御基板5上に実装されている。
上述したように、第2直流電源39は、定格の出力電圧が概ね12~24[V]の直流電源である。第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32の動作電圧は、上述したように1.5~5[V]程度である。このため、第2直流電源39から第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32へは、レギュレータ回路などの不図示の電圧調整回路を介して電力が供給されている。
第1インバータ制御部31及び第2インバータ制御部32は、車両の運行を制御する不図示の車両制御装置などからCAN(Controller Area Network)などの車内ネットワークを介した通信によって取得する指令に従って、第1回転電機M1及び第2回転電機M2を制御する。また、第1インバータ制御部31は、ステータコイルを流れる電流を検出する不図示の電流センサや回転(回転速度や磁極位置)を検出する不図示の回転センサの検出結果を利用して、第1回転電機M1をフィードバック制御する。第2インバータ制御部32も同様に、不図示の電流センサや不図示の回転センサの検出結果を利用して、第2回転電機M2をフィードバック制御してもよいが、第2回転電機M2は要求トルクや回転速度の変化が少ない場合が多いので第1インバータ制御部31に比べて簡易的な制御により、第2回転電機M2を制御してもよい。
上述したように、第1インバータモジュール1は第1直流電源38に接続されているが、第1インバータ制御部31は、第2直流電源39に接続されている。また、第1直流電源38と第2直流電源39とは絶縁されているから、第1インバータモジュール1と第1インバータ制御部31とは、互いに電気的にフローティングの関係にある。従って、第1インバータ制御部31により生成されたスイッチング制御信号は、アイソレーション素子37(IS)を介して第1インバータ制御部31から第1インバータモジュール1に伝達される。アイソレーション素子37は、例えばフォトカプラ、磁気カプラ、信号用トランスなどである。また、第1インバータモジュール1からは、スイッチング素子Eの過電流や過熱などの異常の検出結果である異常検出信号が出力され、第1インバータ制御部31へフィードバックされる。これらの信号も、アイソレーション素子4を介して伝達される。
また、上述したように、第1インバータ制御部31と第1インバータモジュール1との間には、第1ドライブ回路33が設けられている。第1ドライブ回路33は、例えばIGBTのゲート端子とエミッタ端子との間に、ゲートをオン状態にするために必要な電圧(15~20[V])を印加するために設けられる。このため、基本的には、各スイッチング素子Eに対応する第1ドライブ回路33ごとに異なると共に、第2直流電源39とは絶縁された電源が必要である。本実施形態では、図2に示すように、トランス(T)を用いた第1トランス電源35が、それぞれの第1ドライブ回路33に対応して設けられている。第1トランス電源35の一次側には、第2直流電源39が接続され、第1トランス電源35の二次側には、第1ドライブ回路33が接続される。
上述したように、第2インバータモジュール2は、第1インバータモジュール1に比べて定格の消費電力が小さい。従って、第2インバータモジュール2と第2インバータ制御部32とは、互いに絶縁されていてもよいし、絶縁されていなくてもよい。また、絶縁されている場合であっても、第2ドライブ回路34を構成するICなどの素子の内部で、絶縁されていてもよい。このため、図2では、第2インバータ制御部32と第2インバータモジュール2との間にアイソレーション素子(IS)を設けていない構成を例示している。
第2インバータ制御部32と第2インバータモジュール2との間には、第2ドライブ回路34が設けられている。第2ドライブ回路34には、トランス(T)を用いた第2トランス電源36から電力が供給される。尚、第2インバータ制御部32を動作させる電力は、第1インバータ制御部31と同様に、第2直流電源39からレギュレータ回路などの不図示の電圧調整回路を介して供給されてもよいし、第2トランス電源36の二次側からレギュレータ回路などの不図示の電圧調整回路を介して供給されてもよい。
本実施形態のインバータ装置10は、このような制御基板5と、後述するシールド部材7(図3等参照)と、ケース8と、第1インバータモジュール1と、第2インバータモジュール2とを含んで構成されている。以下、これらの部材を含むインバータ装置10の構造について図3から図4も参照して説明する。
図3は、インバータ装置10の組み立ての途上で形成される中間組立品6の分解斜視図を示しており、図4は、この中間組立品6を用いたインバータ装置10の分解斜視図を示している。図3及び図4に示すように、インバータ装置10は、第1インバータモジュール1と、第1インバータモジュール1よりも小型の第2インバータモジュール2と、インバータ制御回路30が形成された制御基板5と、電磁ノイズの通過を制限する金属製のシールド部材7と、これらが収容されるケース8とを備えている。尚、以下においては、制御基板5の基板面に直交する方向を基板直交方向Zとして説明する。
図4に示すように、第1インバータモジュール1は、図1に示す複数のスイッチング素子Eを含む半導体素子が樹脂モールドされた回路部である第1本体部11と、樹脂モールド部(第1本体部11)から突出した端子部である第1端子部12と、第1インバータモジュール1を取付ける際に第1端子部12の位置合わせを案内する位置決めピン13とを備えている。また、第2インバータモジュール2は、図1に示す複数のスイッチング素子Eを含む半導体素子が樹脂モールドされた回路部である第2本体部21と、樹脂モールド部(第2本体部21)から突出した端子部である第2端子部22と、樹脂モールド部(第2本体部21)を支持体(ここではシールド部材7)に固定するための固定部材挿通部23とを備えている。
図3及び図4に示すように、制御基板5とシールド部材7とは基板直交方向Zに対向して配置されている。図3に示すように、シールド部材7は、制御基板5に対向する基板対向面7a(第1面)の側に、制御基板5を支持する基板支持部75と、第2インバータモジュール2を支持する第2インバータ支持部72とを備えている。基板支持部75及び第2インバータ支持部72は、第2インバータモジュール2の回路部である第2本体部21が第2インバータ支持部72に支持され、制御基板5が基板支持部75に支持された状態で、第2本体部21から突出した接続端子である第2端子部22が制御基板5に接続されるように構成されている。第2インバータ支持部72は、1つの第2インバータモジュール2に対応して1箇所に設けられており、基板支持部75は、複数箇所で制御基板5を支持できるように、複数箇所に設けられている。また、第2インバータ支持部72には、第2インバータモジュール2の第2本体部21を固定するための第2インバータ固定部78が形成されている。
図3に示すように、本実施形態では、シールド部材7は、基板対向面7aの側に、第2インバータモジュール2に接続されるコネクタ9を支持するコネクタ支持部79をさらに備えている。コネクタ支持部79は、コネクタ9がコネクタ支持部79に支持され、制御基板5が基板支持部75に支持された状態で、コネクタ9の接続端子であるコネクタ端子部92が制御基板5に接続されるように構成されている。
第1インバータモジュール1は、図4に示すように、第1インバータモジュール1の回路部である第1本体部11が基板直交方向Zにおいてシールド部材7に対して制御基板5の側とは反対側(シールド部材7のモジュール対向面7b(第2面)の側)に配置されている。そして、第1インバータモジュール1は、第1本体部11から突出した接続端子である第1端子部12が、シールド部材7に対して制御基板5の側(基板対向面7aの側)まで延在して制御基板5に接続されている。基板直交方向Zにおいて、モジュール対向面7bの側に配置された第1インバータモジュール1と、基板対向面7aの側に配置された制御基板5との間には、シールド部材7が配置されている。このため、図3に示すように、シールド部材7には、基板直交方向Zに沿って第1端子部12が挿通される開口部71が形成されている。
図2に例示したインバータ制御回路30を構成する部品の多くは、制御基板5においてシールド部材7に対向する側の面(5a)に実装されている。このため、ここでは便宜的にこの面を部品面5aと称する。また、リード端子を有する部品(ディスクリート部品)は、部品面5aの側から裏面(5b)の側にリード端子を貫通させて、裏面(5b)において半田付けされる。このため、ここでは便宜的にこの面を半田面5bと称する。当然ながら、表面実装部品等が、半田面5bに実装されることを妨げるものではない。
図3及び図4に示すように、制御基板5には、第1端子接続孔51、第2端子接続孔52、第2インバータ固定部材貫通孔53、第1インバータ位置決め孔54、制御基板固定部材貫通孔57、中間組立品固定部材貫通孔58、コネクタ端子接続孔59が形成されている。第1端子接続孔51は、第1インバータモジュール1の第1端子部12が貫通すると共に第1端子部12が半田付けによって接続されるスルーホール(基板両面及び孔の内壁に連続した導電パターンを有する貫通孔)である。第2端子接続孔52は、第2インバータモジュール2の第2端子部22が貫通すると共に第2端子部22が半田付けによって接続されるスルーホールである。第2インバータ固定部材貫通孔53は、第2インバータモジュール2をシールド部材7に固定するための第2インバータ固定部材41の全体が貫通する抜き孔(導電パターンを有さない孔)である。第1インバータ位置決め孔54は、第1インバータモジュール1の位置決めピン13が貫通する抜き孔である。制御基板固定部材貫通孔57は、シールド部材7に対して制御基板5を固定する制御基板固定部材42が貫通する抜き孔である。中間組立品固定部材貫通孔58は、ケース8に対して中間組立品6を固定する中間組立品固定部材43が貫通する抜き孔である。コネクタ端子接続孔59は、コネクタ端子部92が貫通すると共にコネクタ端子部92が半田付けによって接続されるスルーホールである。
以下、さらに図5から図7も参照してインバータ装置10を製造する方法について説明する。図7のフローチャートは、インバータ装置10の組み立て手順の一例を示しており、インバータ装置10は、図7に示すように、第1工程#1~第4工程#4の大きく4つの工程を経て製造される。図5の部分断面図は、第1工程#1における中間組立品6の第2インバータモジュール2は配置される部分を示しており、図6の部分断面図は、第2工程#2における中間組立品6の同一部分を示している。
第1工程#1は、中間組立品6を構成する各部材を機械的に組み付ける第1組付工程(ASSEMBLY1)であり、第2工程#2は、さらに半田付け等により制御基板5と第2インバータモジュール2等とを電気的に接続して中間組立品6を完成させる第1半田工程(SOLDERING1)である。第3工程#3は、中間組立品6と第1インバータモジュール1とをケース8に組み付ける第2組付工程(ASSEMBLY2)であり、第4工程#4は、さらに半田付け等により第1インバータモジュール1と制御基板5とを電気的に接続してインバータ装置10を完成させる第2半田工程(SOLDERING2)である。
第1工程#1では、始めにシールド部材7の第2インバータ支持部72に第2インバータモジュール2の第2本体部21が支持される。この際、第2インバータ支持部72に伝熱性のグリス60(図5、図6参照)が塗布されると好適である。尚、伝熱性のグリス60の塗布に限らず、伝熱性シートが貼付されてもよい。また、本実施形態では、さらに、コネクタ支持部79にコネクタ9のハウジング部91が支持される。
次に、シールド部材7の基板対向面7a(第1面)と制御基板5の部品面5aとを対向させて、第2端子接続孔52に第2端子部22を挿入させると共にコネクタ端子接続孔59にコネクタ端子部92を挿入させる。この状態で、シールド部材7の基板支持部75に制御基板5が支持される。図3に示すように、基板支持部75には、第1基板支持部75aと第2基板支持部75bとがある。第1工程#1では、全ての基板支持部75において制御基板5が支持されると共に、制御基板固定部材42(ここでは締結部材、ネジ)により複数箇所(ここでは3箇所)の第1基板支持部75aにおいて制御基板5がシールド部材7に固定される。
さらに、図3に示すように、第2インバータ固定部材貫通孔53から、第2インバータ固定部材41(ここでは締結部材、ネジ)がシールド部材7の側に挿入される。そして、図5に示すように、第2インバータ固定部材41は、第2インバータモジュール2の固定部材挿通部23を通ってシールド部材7の第2インバータ固定部78に締結される。この際、第2インバータ固定部材41を締結するためのスクリュードライバーなどの工具も、第2インバータ固定部材貫通孔53を通ることができる。これにより、第2インバータモジュール2は、第2インバータ支持部72においてシールド部材7に固定される。第2インバータモジュール2及び制御基板5は、第2インバータモジュール2の第2端子部22が制御基板5の第2端子接続孔52を貫通した状態で、共にシールド部材7に対して固定されている。第1工程#1では、第2端子部22と第2端子接続孔52とは接続されておらず、第2端子部22と第2端子接続孔52との間には、ある程度の隙間が存在する。このため、第1工程#1では、第2端子部22及び第2端子接続孔52に機械的な負荷を掛けることなく、第2インバータモジュール2と、制御基板5とを適切に位置合わせして、中間組立品6を構成する各部材を組み付けることができる。
続いて第2工程#2では、図6に示すように、第2端子接続孔52と第2端子部22とが半田付けによって電気的に接続される共に、コネクタ端子接続孔59とコネクタ端子部92とが半田付けによって電気的に接続されて中間組立品6が形成される。半田付けの後で、シールド部材7と制御基板5とが固定されると、第2端子接続孔52と第2端子部22との接続部や、コネクタ端子接続孔59とコネクタ端子部92との接続部に機械的な負荷が掛かり、接続不良等を招く可能性がある。しかし、第2端子接続孔52と第2端子部22との相対位置、及び、コネクタ端子接続孔59とコネクタ端子部92との相対位置が固定された状態で半田付けが行われることにより、これらの接続部に機械的な負荷が掛かることを抑制することができる。また、図6に示すように、半田は、半田面5bだけではなく、第2端子部22及びコネクタ端子部92に沿って部品面5aにも浸潤する必要がある。製造工程では、しばしば半田付けの状態が目視確認されるが、中間組立品6の状態であれば、基板面に沿った方向から容易に部品面5aの側の半田付けの状態も確認することができる。
第3工程#3では、第1インバータ固定部材44(締結部材、ネジ)によりケース8に固定された第1インバータモジュール1と、中間組立品6とが組み付けられる。第1インバータモジュール1とケース8とは、第3工程#3において固定されてもよいし、第3工程#3の開始前に別の工程で固定されていてもよい。第3工程#3では、シールド部材7における基板対向面7a(第1面)とは反対側のモジュール対向面7b(第2面)と第1インバータモジュール1の第1本体部11とを対向させた状態で、位置決めピン13を第1インバータ位置決め孔54に貫通させて第1端子部12が第1端子接続孔51に誘導され、第1端子部12が第1端子接続孔51に貫通される。第3工程#3では、第2端子部22などの他の端子を考慮することなく、第1端子部12を第1端子接続孔51に通すことに集中することができるので、他の端子を考慮しなければならない場合に比べて作業の難易度を低下させることができる。
また、第3工程#3では、第1端子接続孔51に第1端子部12が挿入された状態で、中間組立品6と第1インバータモジュール1との相対位置が固定される。本実施形態では、第1インバータモジュール1がケース8に固定されているため、中間組立品6を中間組立品固定部材43によりケース8に固定することで、中間組立品6と第1インバータモジュール1との相対位置が固定される。中間組立品固定部材貫通孔58及び第2基板支持部75bを貫通する中間組立品固定部材43(締結部材、ネジ)により、制御基板5、シールド部材7、ケース8が共締めされることによって、中間組立品6とケース8とが固定される。
第4工程#4では、第1端子接続孔51と第1端子部12とが半田付けによって電気的に接続されてインバータ装置10が形成される。
上述したように、本実施形態では、シールド部材7のコネクタ支持部79にコネクタ9が支持され、コネクタ端子接続孔59にコネクタ端子部92が挿入された状態で、シールド部材7の基板支持部75に制御基板5が支持され、その状態で、コネクタ端子接続孔59とコネクタ端子部92とが電気的に接続される形態を例示した。本実施形態では、コネクタ支持部79により、コネクタ9が支持されることで、コネクタ端子接続孔59に対してコネクタ端子部92を挿入させる作業の難易度が低下されている。
図8は、制御基板5の半田面5bの側の平面図を示しており、図9は、比較例の制御基板50の平面図を示している。コネクタ9がコネクタ支持部79に支持されない場合には、位置決めピン(不図示)を備えたコネクタ9を用い、比較例の制御基板50のように、位置決め孔55を設けることが好ましい。このように位置決め孔55を設けると、その分、配線や部品実装が可能な面積が減少するため、基板の寸法が大きくなる可能性がある。また、位置決めピンを備えたコネクタ9は、位置決めピンを備えないコネクタ9に比べて部品単価が高い可能性もある。しかし、本実施形態のように、コネクタ9がコネクタ支持部79に支持されることで、制御基板5の面積の拡大を抑制でき、制御基板5やコネクタ9の部品コストの上昇も抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、2つのインバータモジュールを備えたインバータ装置10を効率良く適切に組み立てることができる。
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記においては、シールド部材7が、基板直交方向Zに沿って第1端子部12が挿通される開口部71を備える形態を例示した。しかし、このような開口部71を有する形態に限らず、図10の斜視図に例示するように、シールド部材7が切り欠かれていてもよい。
(2)上記においては、コネクタ9がコネクタ支持部79に支持される形態を例示し、コネクタ支持部79を有する場合の利点について説明した。しかし、コスト差が無い場合やコスト差が許容できる場合、また、コネクタ支持部79にコネクタ9が支持されなくても作業性にほとんど影響がないような場合には、コネクタ9がコネクタ支持部79に支持されなくてもよい。当然ながら、コネクタ9がコネクタ支持部79に支持されない場合においても、コネクタ9が位置決めピンを備えず、制御基板5が位置決め孔55を備えていない形態であってもよい。
(3)上記においては、インバータ装置10がケース8を備える形態を例示した。具体的には、第1インバータモジュール1がケース8に固定され、中間組立品6がケース8に固定されて、第1インバータモジュール1と中間組立品6との相対位置が固定される形態を例示した。しかし、インバータ装置10はケース8を備えることなく構成されていてもよい。この場合には、例えば、第1インバータモジュール1と中間組立品6とが直接固定されることで相対位置を固定することができる。
(4)上記においては、第2インバータモジュール2から第2インバータ支持部72にグリス60などの伝熱性部材を介して熱を伝搬させる形態を例示した。しかし、第2インバータモジュール2が金属性のシールド部材7に接触する状態で固定されていれば、伝熱性部材を用いるよりも熱抵抗が大きくなる可能性はあるが、第2インバータモジュール2の熱をシールド部材7に伝搬させることができる。従って、グリス60などの伝熱性部材を用いていない場合であっても、第2インバータモジュール2と第2インバータ支持部72とが熱伝達可能に接すようにインバータ装置10を構成することができる。
(5)上記においては、第2インバータモジュール2及び第2インバータモジュール2に接続されるコネクタ9がシールド部材7に支持された状態で、それぞれの端子部(22,92)が制御基板5を貫通し、その状態でシールド部材7と制御基板5とが固定される形態を例示した。しかし、さらにこれら以外のセンサやコネクタなどのディスクリート部品もシールド部材7に支持された状態で、それぞれの端子部が制御基板5を貫通し、その状態でシールド部材7と制御基板5とが固定されていてもよい。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明したインバータ装置(10)の概要について簡単に説明する。
インバータ装置(10)は、1つの態様として、第1交流機器(M1)を駆動する第1インバータモジュール(1)と、前記第1交流機器(M1)とは別の第2交流機器(M2)を駆動するインバータモジュールであって前記第1インバータモジュール(1)よりも小型の第2インバータモジュール(2)と、前記第1インバータモジュール(1)及び前記第2インバータモジュール(2)を制御する制御回路(30)が形成された制御基板(5)と、電磁ノイズの通過を制限するシールド部材(7)と、を備え、前記制御基板(5の基板面に直交する方向を基板直交方向(Z)として、前記制御基板(5)と前記シールド部材(7)とが前記基板直交方向(Z)に対向して配置され、前記第1インバータモジュール(1)は、前記第1インバータモジュール(1)の回路部である第1本体部(11)が前記基板直交方向(Z)において前記シールド部材(7)に対して前記制御基板側(7aの側)とは反対側(7bの側)に配置されていると共に、前記第1本体部(11)から突出した接続端子である第1端子部(12)が、前記シールド部材(7)に対して前記制御基板側(7aの側)まで延在して前記制御基板(5)に接続され、前記シールド部材(7)は、前記制御基板(5)に対向する基板対向面(7a)の側に、前記制御基板(5)を支持する基板支持部(75)と、前記第2インバータモジュール(2)を支持する第2インバータ支持部(72)と、を備え、前記基板支持部(75)及び前記第2インバータ支持部(72)は、前記第2インバータモジュール(2)の回路部である第2本体部(21)が前記第2インバータ支持部(72)に支持され、前記制御基板(5)が前記基板支持部(75)に支持された状態で、前記第2本体部(21)から突出した接続端子である第2端子部(22)が前記制御基板(5)に接続されるように構成されている。
この構成によれば、基板直交方向(Z)に見て制御基板(5)とシールド部材(7)との間に配置される第2インバータモジュール(2)の本体部(21)がシールド部材(7)の第2インバータ支持部(72)によって支持されると共に、制御基板(5)がシールド部材(7)の基板支持部(75)に支持された状態で、第2インバータモジュール(2)の第2端子部(22)が制御基板(5)に接続される。従って、制御基板(5)に第2インバータモジュール(2)を取り付ける際の位置決め等が容易となると共に、第2端子部(22)に機械的な負荷が掛かりにくい状態で、制御基板(5)と第2インバータモジュール(2)との相対位置を規定することができる。また、第1インバータモジュール(1)は、第1端子部(12)がシールド部材(7)に対して制御基板(5)の側まで延在して制御基板(5)に接続されるので、他の部材の取り付けによる影響を受けにくい。このように、本構成によれば、2つのインバータモジュールを備え、効率良く適切に組み立てられたたインバータ装置(10)を提供することができる。
また、前記シールド部材(7)は、前記基板対向面(7a)の側に、前記第2インバータモジュール(2)に接続されるコネクタ(9)を支持するコネクタ支持部(79)をさらに備え、前記コネクタ支持部(79)は、前記コネクタ(9)が前記コネクタ支持部(79)に支持され、前記制御基板(5)が前記基板支持部(75)に支持された状態で、前記コネクタ(9)の接続端子であるコネクタ端子部(92)が前記制御基板(5)に接続されるように構成されていると好適である。
基板直交方向(Z)に見て制御基板(5)とシールド部材(7)との間に、第2インバータモジュール(2)の本体部(21)以外に、第2インバータモジュール(2)に接続されるコネクタ(9)が配置される場合がある。この構成によれば、基板直交方向(Z)に見て制御基板(5)とシールド部材(7)との間に配置されるコネクタ(9)がシールド部材(7)のコネクタ支持部(79)によって支持されると共に、制御基板(5)がシールド部材(7)の基板支持部(75)に支持された状態で、コネクタ(9)のコネクタ端子部(92)が制御基板(5)に接続される。従って、制御基板(5)にコネクタ(9)を取り付ける際の位置決め等が容易となると共に、コネクタ端子部(92)に機械的な負荷が掛かりにくい状態で、制御基板(5)とコネクタ(9)との相対位置を規定することができる。
また、前記第2インバータモジュール(2)と前記第2インバータ支持部(72)とは、熱伝達可能に接していると好適である。
電磁ノイズの通過を制限するシールド部材(7)は一般的に金属によって構成されており、熱伝導性に優れている。このため、シールド部材(7)は、電磁ノイズの通過を制限すると共に、放熱部材としても機能させることが可能である。スイッチング素子を備え手構成される第2インバータモジュール(2)は発熱量も多いため、第2インバータモジュール(2)がシールド部材(7)と熱伝達可能に接していると、第2インバータモジュール(2)において生じた熱をシールド部材(7)によって放熱させることができる。
また、前記シールド部材(7)は、前記基板直交方向(Z)に沿って前記第1端子部(11)が挿通される開口部(71)を備えると好適である。
インバータ装置(10)には、基板直交方向(Z)に見て、制御基板(5)、シールド部材(7)、第1インバータモジュール(1)と配置されており、第1インバータモジュール(1)の第1端子部(12)は、シールド部材(7)に対して制御基板(5)の側まで延在して制御基板(5)に接続されている。シールド部材(7)に、この第1端子部(12)が通る開口部(71)が形成されていると、シールド部材(7)を避けて短い距離で、第1インバータモジュール(1)と制御基板(5)とを接続することができる。
上述したインバータ装置(10)の種々の技術的特徴は、インバータ装置の製造方法にも適用可能である。以下にその代表的な態様を例示する。例えば、インバータ装置の製造方法は、上述したインバータ装置(10)の特徴を備えた各種の工程を有することができる。当然ながらインバータ装置の製造方法も、上述したインバータ装置(10)の作用効果を奏することができる。さらに、インバータ装置(10)の好適な態様として例示した種々の付加的特徴を、インバータ装置の製造方法に組み込むことも可能であり、当該製造方法付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。
1つの好適な態様として、インバータ装置の製造方法は、第1交流機器(M1)を駆動する第1インバータモジュール(1)と、前記第1交流機器(M1)とは別の第2交流機器(M2)を駆動するインバータモジュールであって前記第1インバータモジュール(1)よりも小型の第2インバータモジュール(2)と、前記第1インバータモジュール(1)及び前記第2インバータモジュール(2)を制御する制御回路(30)が形成された制御基板(5)と、電磁ノイズの通過を制限するシールド部材(7)と、を備えたインバータ装置(10)を製造するインバータ装置の製造方法であって、前記制御基板(5)は、前記第1インバータモジュール(1)の回路部である第1本体部(11)から突出した端子部である第1端子部(12)が接続される第1端子接続孔(51)と、前記第2インバータモジュール(2)の回路部である第2本体部(21)から突出した端子部である第2端子部(22)が接続される第2端子接続孔(72)とを備え、前記シールド部材(7)は、一方側の面である第1面(7a)の側に、前記制御基板(5)を支持する基板支持部(75)と前記第2本体部(21)を支持する第2インバータ支持部(72)とを備え、前記第2インバータ支持部(72)に前記第2本体部(21)を支持し、前記第1面(7a)と前記制御基板(5)とを対向させて、前記第2端子接続孔(52)に前記第2端子部(22)が挿入された状態で、前記シールド部材(7)の前記基板支持部(75)に前記制御基板(5)を支持する第1工程(#1)と、前記第2端子接続孔(52)と前記第2端子部(22)とを電気的に接続して中間組立品(6)を形成する第2工程(#2)と、前記シールド部材(7)における前記第1面(7a)とは反対側の第2面(7b)と前記第1本体部(11)とを対向させて、前記第1端子接続孔(51)に前記第1端子部(12)が挿入された状態で、前記中間組立品(6)と前記第1インバータモジュール(1)との相対位置を固定する第3工程(#3)と、前記第1端子接続孔(51)と前記第1端子部(12)とを電気的に接続する第4工程(#4)と、を備える。
この製造方法によれば、第1工程(#1)において、第2インバータ支持部(72)に第2インバータモジュール(2)の第2本体部(21)を支持し、制御基板(5)の第2端子接続孔(52)に第2インバータモジュール(2)の第2端子部(22)が挿入された状態で、シールド部材(7)の基板支持部(75)に制御基板(5)が支持される。従って、制御基板(5)に第2インバータモジュール(2)を取り付ける際の位置決め等が容易となる。そして、続く第2工程(#2)において、第2端子接続孔(52)と第2端子部(22)とが電気的に接続されて中間組立品(6)が形成される。第1工程(#1)において、第2端子部(22)と第2端子接続孔(52)とは、互いに固定されていない状態で位置合わせされているので、第1工程(#1)における組み立て時には、第2端子部(22)及び第2端子接続孔(52)に掛かる機械的負荷が軽減される。第2工程(#2)では、既に位置合わせが完了しており、第2端子部(22)と第2端子接続孔(52)との相対位置が規定されているため、第2端子部(22)及び第2端子接続孔(52)に機械的負荷を掛けることなく、両者を電気的に接続することができる。第3工程(#3)では、中間組立品(6)と第1インバータモジュール(1)との相対位置が固定される。第3工程(#3)では、第2インバータモジュール(2)は、中間組立品(6)を構成するシールド部材(7)に支持されると共に制御基板(5)に接続されている。従って、中間組立品(6)を構成する制御基板(5)の第1端子接続孔(51)に、第1インバータモジュール(1)の第1端子部(12)を挿入する際の位置合わせには、他の部材による影響をほとんど受けることがない。また、第4工程(#4)では、既に第3工程(#3)において第1端子部(12)と第1端子接続孔(51)との相対位置が規定されているため、第1端子部(12)及び第1端子接続孔(51)に機械的負荷を掛けることなく、両者を電気的に接続することができる。このように、本製造方法によれば、2つのインバータモジュールを備えたインバータ装置(10)を効率良く適切に組み立てることができる。
また、前記シールド部材(7)が、前記第1面(7a)の側に、前記第2インバータモジュール(2)に接続されるコネクタ(9)を支持するコネクタ支持部(79)をさらに備え、前記制御基板(5)は、前記コネクタ(9)から突出した接続端子であるコネクタ端子部(92)が接続されるコネクタ端子接続孔(59)をさらに備える場合、インバータ装置の製造方法は、前記第1工程(#1)では、前記コネクタ支持部(79)に前記コネクタ(9)を支持し、前記コネクタ端子接続孔(59)に前記コネクタ端子部(92)が挿入された状態で、前記シールド部材(7)の前記基板支持部(75)に前記制御基板(5)を支持し、前記第2工程(#2)では、前記コネクタ端子接続孔(59)と前記コネクタ端子部(92)とを電気的に接続して前記中間組立品(6)を形成すると好適である。
この製造方法によれば、第1工程(#1)において、コネクタ支持部(79)にコネクタ(9)を支持し、制御基板(5)のコネクタ端子接続孔(59)にコネクタ(9)のコネクタ端子部(92)が挿入された状態で、シールド部材(7)の基板支持部(75)に制御基板(5)が支持される。従って、制御基板(5)にコネクタ(9)を取り付ける際の位置決め等が容易となる。そして、続く第2工程(#2)において、コネクタ端子接続孔(59)とコネクタ端子部(92)とが電気的に接続されて中間組立品(6)が形成される。第1工程(#1)において、コネクタ端子部(92)とコネクタ端子接続孔(59)とは、互いに固定されていない状態で位置合わせされているので、第1工程(#1)における組み立て時には、コネクタ端子部(92)及びコネクタ端子接続孔(59)に掛かる機械的負荷が軽減される。第2工程(#2)では、既に位置合わせが完了しており、コネクタ端子部(92)とコネクタ端子接続孔(59)との相対位置が規定されているため、コネクタ端子部(92)及びコネクタ端子接続孔(59)に機械的負荷を掛けることなく、両者を電気的に接続することができる。