JP7363165B2 - 半導体光増幅器、光出力装置、および距離計測装置 - Google Patents

半導体光増幅器、光出力装置、および距離計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体光増幅器、光出力装置、および距離計測装置に関し、特に分布ブラッグ反射鏡による導波路を用いた半導体光増幅器、該半導体光増幅器を用いた光出力装置、および距離計測装置に関する。
特許文献1には、分布ブラッグ反射鏡導波路を用いた半導体光増幅器に関連して、基板上に形成された発光部と、発光部から基板の基板面に沿って延伸され、発光部より延伸方向の長さが長く、発光部から延伸方向に伝播する光を増幅するとともに延伸方向に沿って形成された光出射部から増幅された光を出射する光増幅部と、を有する半導体積層構造体を複数備え、複数の半導体積層構造体は、それぞれの光増幅部の延伸方向がお互いに略平行となるように配置された発光素子アレイが開示されている。
特開2018-032793号公報
本発明は、種光の波長を考慮しない場合と比較して、レーザ光入力のモードを維持することが可能な半導体光増幅器、光出力装置、および距離計測装置を提供することを目的とする。
第1態様に係る半導体光増幅器は、レーザ光を出射する光源部と、基板上に形成されるとともに、前記光源部から前記基板の基板面に沿い予め定めた方向に延伸して形成された活性領域を備え、前記光源部から前記予め定めた方向に伝播する伝播光を増幅し、増幅した前記伝播光を前記基板面と交差する方向に出射光として出射する光増幅部と、を含み、 前記レーザ光の波長が、前記活性領域が有する利得スペクトルのピーク波長よりも長波長側の波長であるものである。
第2態様に係る半導体光増幅器は、第1態様に係る半導体光増幅器において、前記レーザ光の波長が、前記利得スペクトルにおいて前記ピーク波長における利得の1/10以下の利得となる波長であるものである。
第3態様に係る半導体光増幅器は、第1態様に係る半導体光増幅器において、前記光源部は、前記半導体光増幅器の外部に設けられた光源であり、前記光源部から出射された光を前記半導体光増幅器内に入力させる入力部をさらに含むものである。
第4態様に係る半導体光増幅器は、第3態様に係る半導体光増幅器において、前記入力部は、前記半導体光増幅器の一部を削除した部分に設けられているものである。
第5態様に係る半導体光増幅器は、第1態様に係る半導体光増幅器において、前記光源部は、前記光増幅部と一体に形成されているものである。
第6態様に係る半導体光増幅器は、第5態様に係る半導体光増幅器において、前記光源部は、前記レーザ光の波長を制御する制御部を備えるものである。
第7態様に係る半導体光増幅器は、第1態様から第6態様のいずれかの態様に係る半導体光増幅器において、前記レーザ光のモードと前記出射光のモードとが同じモードであるものである。
第8態様に係る半導体光増幅器は、第7態様に係る半導体光増幅器において、前記モードが、シングルモードであるものである。
第9態様に係る光出力装置は、第1態様から第8態様のいずれかの態様に係る半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器から出射された光を集光する集光部と、を含むものである。
第10態様に係る距離計測装置は、第1態様から第8態様のいずれかの態様に係る半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器から出射され、被測定対象物で反射した反射光を受光する受光部と、前記受光部が受光した反射光に基づき、前記被測定対象物までの距離を計測する計測部と、を含むものである。
第1態様、第7態様、第9態様、および第10態様によれば、種光の波長を考慮しない場合と比較して、レーザ光入力のモードを維持することが可能な半導体光増幅器、光出力装置、および距離計測装置が提供される、という効果を奏する。
第2態様によれば、レーザ光の波長が、利得スペクトルにおいてピーク波長における利得の1/10より大きい利得となる波長である場合と比較して、レーザ光入力のモードがより維持しやすい、という効果を奏する。
第3態様によれば、光源部が、半導体光増幅器の外部に設けられた光源である場合において、光源部から出射された光を半導体光増幅器内に入力させる入力部をさらに含まない場合と比較して、より簡易に光源が結合される、という効果を奏する。
第4態様によれば、入力部を、半導体光増幅器の一部を削除しないで設ける場合と比較して、高い光結合効率が得られる、という効果を奏する。
第5態様によれば、光源部が、光増幅部と別体に形成されている場合と比較して、光半導体装置の構成が簡素化される、という効果を奏する。
第6態様によれば、光源部が、レーザ光の波長を制御する制御部を備えない場合と比較して、レーザ光の波長の設定がより容易に行える、という効果を奏する。
第8態様によれば、レーザ光のモードが、マルチモードである場合と比較して、レーザ光のモードがシングルモードの場合においても、レーザ光入力のモードが維持される、という効果を奏する。
第1の実施の形態に係る半導体光増幅器の構成の一例を示す、(a)は平面図、(b)は断面図である。 第1の実施の形態に係る半導体光増幅器の、(a)は特性を示す図、(b)は(a)を正規化した図である。 第2の実施の形態に係る半導体光増幅器の構成の一例を示す、(a)は平面図、(b)は断面図である。 第3の実施の形態に係る、(a)は光加工装置の一例を示すブロック図、(b)は距離計測装置の一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1および図2を参照して本実施の形態に係る半導体光増幅器10について説明する。図1(a)は半導体光増幅器10の平面図、図1(b)は図1(a)に示すA-A’線に沿った断面図である。図1に示すように、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)10は、光増幅部50、および光結合部52を備えている。
光増幅部50は、光結合部52に結合された光(種光)を増幅し、出射する機能を有する。光結合部52は、本発明に係る「光源部」の一例である。本実施の形態に係る光増幅部50は、一例としてGaAs系の分布ブラッグ反射鏡導波路(以下、「DBR(Distributed Bragg Reflector)導波路」)を用いた面出射型の光増幅部とされている。すなわち、光増幅部50は、基板30の裏面に形成されたN電極40、基板30上に形成された下部DBR32、活性領域34、上部DBR36、非導電領域60、導電領域58、およびP電極18を含んで構成されている。
本実施の形態では、基板30をn型のGaAs基板とし、N電極40は基板30の裏面に設けられている。一方、本実施の形態に係る下部DBR32はn型であり、上部DBR36はp型である。半導体光増幅器10を駆動する際には、駆動用電源の正極をP電極18に印加し、負極をN電極40に印加し、P電極18からN電極40に駆動電流を流す。しかしながら、基板30、下部DBR32、上部DBR36の極性はこれに限られず、これらの極性を逆に、すなわち、基板30をp型のGaAs基板とし、下部DBR32をp型、上部DBR36をn型としもよい。
下部DBR32は、以下で説明する上部DBR36と対になって、半導体光増幅器10における発光に寄与する共振器を構成している。下部DBR32は、半導体光増幅器10の発振波長をλ、媒質(半導体層)の屈折率をnとした場合に、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的な一例として、下部DBR32は、Al0.90Ga0.1Asによるn型の低屈折率層と、Al0.2Ga0.8Asによるn型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。
本実施の形態に係る活性領域34は、例えば、下部スペーサ層、量子井戸活性領域、及び上部スペーサ層を含んで構成されてもよい(図示省略)。本実施の形態に係る量子井戸活性領域は、例えば、4層のAl0.3Ga0.7Asからなる障壁層と、その間に設けられた3層のGaAsからなる量子井戸層と、で構成されてもよい。なお、下部スペーサ層、上部スペーサ層は、各々量子井戸活性領域と下部DBR32との間、量子井戸活性領域と上部DBR36との間に配置されることにより、共振器の長さを調整する機能とともに、キャリアを閉じ込めるためのクラッド層としての機能も有している。
活性領域34上に設けられた非導電領域60および導電領域58はp型の酸化狭窄層、つまり電流狭窄層である。すなわち、非導電領域60が酸化領域、導電領域58が非酸化領域に対応している。導電領域58と非道電領域60との界面が酸化フロント56を形成している。本実施の形態では、上部DBR36を構成する多層膜のうちの1層を酸化させて非導電領域60(酸化領域)が形成され、該1層の非導電領域60以外の領域が酸化されていない導電領域58(非酸化領域)となっている。P電極18からN電極40に向かって流れる電流は、導電領域58によって絞られる。なお、本実施の形態では非導電領域60(酸化領域)を上部DBR36の1層に形成する形態を例示して説明するが、これに限られず上部DBR36の複数層に形成する形態としてもよいし、下部DBR32に形成する形態としてもよい。
上部DBR36は、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的な一例として、上部DBR36は、Al0.90Ga0.1Asによるp型の低屈折率層と、Al0.2Ga0.8Asによるp型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。
本実施の形態に係る光結合部52は、半導体光増幅器10への入力光(種光Ls)を生成する光源を結合する部位である。本実施の形態では、図示を省略する外部光源から光ファイバ69を介して入力光を伝播させ、光ファイバ69の出力端を半導体光増幅器10の光源部として機能する光結合部52に結合させて入力光をDBR導波路に導入している。外部光源としては例えば面型発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Suface Emitting Laser))を用いる。光ファイバ69は、光の結合効率の観点から、レンズドファイバを用いてもよい。
ここで、本実施の形態に係るDBR導波路についてより詳細に説明する。光結合部52から導入された種光Lsは紙面左側から右側に向かう伝播方向に伝播する。この際、伝播光は、図1(b)に示すように主として下部DBR32、活性領域34、導電領域58、上部DBR36を、所定の分布をもって伝播する。従って、「DBR導波路」は、これらの部分を含んで構成されている。
DBR導波路を用いた半導体光増幅器は、半導体基板上に設けられた一対のDBRと、一対のDBRの間にある活性領域および共振器スペーサ層から構成されている。DBRに挟まれた領域は光導波路として機能し、このDBR導波路内へ入力された光は斜め方向に多重反射しながらスローライト伝播する。このとき、DBRの両側に設けられたP電極18、N電極40により活性領域34へ電流を注入すると、入力光が増幅され、基板面に対して交差する方向であってかつ伝播光のDBR導波路の伝播方向前方に傾いた方向(斜め前方方向)へ増幅ビームが出力される。図1(b)では、この出力された光を「出力光Lf」として示している。
つまり、P電極18、N電極40が設けられた半導体光増幅器10の領域(P電極18とN電極40とで挟まれた領域)は光導波路と光増幅部としての機能を併せ持ち、増幅された光は基板30の面に対して交差する方向に出射する。すなわちDBR導波路を用いた半導体光増幅器は面出射型の半導体光増幅器を構成している。一方、この増幅部への光入力は、エッチングによりDBRの一部を除去することにより反射率が低減された光入射部(光結合部52)を作成し、外部光を斜め入射させて結合するか、半導体光増幅器の一部として光源(発光部)を横方向に集積し、光増幅部へ染み出した光を伝播させることで構成される(本実施の形態は、前者の形態。後者の形態は後述)。
ところで、半導体光増幅器においては、入力された光のモード(縦モード、横モード)と、出力される光のモードとの関係が問題となる場合がある。すなわち、出力光Lfのモードが、種光Lsのモードから変化する場合がある。例えば、種光Lsをシングルモードとしても、出射光はマルチモードで出射される場合がある。これは、出力光Lfのモードが制御できないことを意味し、例えばシングルモードの光を前提とするシステムでは極めて都合が悪い。
そこで、本発明では、種光Lsの波長を、活性領域34が有する利得スペクトルのピーク波長よりも長波長側の波長とした。このことにより、出力光Lfのモードは種光Lsのモードを維持し易くなるので、結果として、出力光のモード制御が容易となる。
図2を参照して、上記本願の構成の原理について説明する。図2(a)は、種光Lsの波長を様々に変えた場合の出力光Lfの強度スペクトルを示している。図2(a)に示すSp1、Sp2、Sp3、Sp4、Sp5、およびSp6は、種光Lsの波長が各々838nm、840nm、842nm、844nm、846nm、および848nmの場合の強度スペクトルを示している。種光Lsのモード(縦モード)はシングルモードとしている。また、図2(a)に示す強度スペクトルSp0は、活性領域34が有する利得のスペクトル(以下、「利得スペクトル」)を示している。図2(b)は、図2(a)に示すSp0、Sp1~Sp5の各々ついて、強度スペクトルSp6を基準に正規化した図である。なお、強度スペクトルSp0は、種光Lsが入力されていない状態での光出力であり、複数の波長モードが連続的に混在する。強度スペクトルSp0は、光増幅部50のPL(Photoluminescence)に依存して発生するスペクトルであり、本実施の形態ではこのスペクトルを「利得スペクトル」と呼んでいる。
ここで、図2に示す強度スペクトルSp1~Sp6は、出力光Lfのビーム放射角を測定し、測定したビーム放射角をスペクトルに変換して算出している。ビーム放射角の測定は、一般的なビーム拡がり角(FFP:Far Field Pattern)測定系を用いて行った。ビーム拡がり角の測定系には、サンプルを中心にセンサを回転移動させる方式と、ビームをfθレンズに通して、拡がり角情報を位置情報へと変換し、2次元センサで受光する方式等があるが、図2に示す測定結果は後者の方式で測定した。また、ビーム放射角から波長への変換(強度スペクトルへの変換)は、以下の示す(式1)を解いて行っている。
sinθ=n×sqrt(1-(λ/λc)2) ・・・ (式1)
ここで、θ:放射角、n:導波路屈折率、λ:種光Lsの波長、λc:カットオフ波長(垂直共振波長)
なお、図2において、「強度」の単位は「cnts」(カウント/s)としているが、これは、センサとして用いたCCDにおいて、光電変換され蓄積された電荷の数を示す。なお、2次元センサの結果を1次元データに変換する場合は、各ラインの電荷の数を積算する。
図2(a)に示すように、利得スペクトルSp0に対して長波長側の強度スペクトルSp4~Sp6は、種光Lsのモードが維持されて出力光Lfがシングルモードとなっている。これに対し、利得スペクトルSp0に対して短波長側の強度スペクトルSp1~Sp3は、種光Lsのモードがシングルモードにもかかわらず、出力光Lfがマルチモードとなっている。なお、シングルモード、マルチモードの判別は、メインピークとセカンドピークの強度比を用いて行っている。
上記のような現象は、以下のような要因によって発生していると推察される。まず、半導体光増幅器内において、種光Lsが波長変換されるという要因である。すなわち、DBR導波路における伝播モード(スローライトモード)は、垂直共振波長をカットオフ波長として、それより短い波長域では各波長ごと無限に存在し得る。(例えば、λ840nm, λ841nm, λ842nm, ・・・, λ×××等々)。理想的には、波長シングル(シングル縦モード)の光を入射すると、伝播モードも単一となることが期待されるが、実際は、伝播中の散乱などにより、エネルギー保存則を満たして、長波長の伝播モードに変換されることがあり得る。当然ながら、入射光量(種光Lsの光量)のうちすべてがモード(波長)変換されるわけではなく、部分的に変換されるため、入射時は単一波長の伝播モードしかなくとも、伝播の過程で、複数の波長の伝播モードが存在してしまうという要因である。ここで、スローライトモードの光が伝播中に散乱されるのは、フォノン散乱、イオン化不純物散乱等に起因すると考えられる。例えば、種光Lsの波長を840nmとすれば、伝播中の散乱によって、一例としてλ840nmとλ841nmの2つのモードに分離し、その結果2つの波長のモードそれぞれが発振する。なお、ここでいうモードは縦モードである。本実施の形態では導電領域58の幅をシングルモード用に設計しているため、それぞれの横モードは基本モードのみとなっている。
さらに、別の要因として、上記の要因によって波長変換された光の波長と、利得スペクトルSp0との関係が挙げられる。活性領域34の利得スペクトルSp0において、長波長側の一定の範囲の波長(以下、便宜上「長波長側の裾野」という場合がある)の波長を有する種光Lsの出力光Lfは、種光Lsのモードのみで発振する。これは、利得スペクトルSp0の傾きが負であるため、伝播の過程で長波長のモードに変換されても、その波長に対する利得強度が低く発振には至らないためと考えられる。一方、短波長側の裾野の波長を有する種光Lsは、例えば種光がシングルモードでも出力光はマルチモードになってしまう。これは、利得スペクトルSp0の傾きが正であるため、伝播の過程で長波長のモードに変換されると、その波長に対する利得強度が高いため、種光のモードを含む複数のモードで発振に至るためと考えられる。
以上の考察を勘案すると、種光Lsのモードを維持した出力光Lfを得るためには、種光Lsの波長を利得スペクトルSp0から長波長側に離間させればよいとも考えられる。しかしながら、種光Lsの波長を利得スペクトルSp0の範囲から、さらに長波長側に離間させていくと、種光Lsに対応する利得強度が減少し、発振条件を満たすことができなくなり、種光Lsを入力しない場合と同様の誘導自然放出光が放射される。このことにより、種光Lsの波長の利得スペクトルSp0から離間させる波長幅には一定の限界がある。種光Lsの波長の、長波長側に離間可能な波長幅は、例えばノイズレベルの誘導自然放出光が発生する波長幅までと規定できる。
一方、VCSELを用いたSOAでは、種光Lsの波長は、光増幅部50の垂直共振波長(カットオフ波長)より短くする必要がある。従って、種光の波長の上限は、垂直共振波長からも制限を受ける。なお、光増幅部における垂直共振モードは、エピ構造設計によって規定される。
ここで、種光Lsの波長と利得スペクトルSp0との関係について、本発明者による実測による検討の結果によれば、種光Lsの波長は、利得スペクトルSp0において、ピーク強度の1/10以下の強度となる波長に設定することが望ましいことが分かっている。種光Lsの波長をこの範囲の波長とすることによって、出力光Lfのモードにおいて種光Lsのモードがより効率的に維持される。
[第2の実施の形態]
図3を参照して、本実施の形態に係る半導体光増幅器10Aについて説明する。図3(a)は半導体光増幅器10Aの平面図を、図3(b)は図3(a)におけるB-B’線で切断した断面図を、各々示している。半導体光増幅器10Aは、半導体光増幅器10の光結合部52の配置された領域に、光源部として機能する、例えばVCSEL等の発光素子を半導体光増幅器と一体に形成した形態である。従って、同様の構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図3(a)に示すように、半導体光増幅器10Aは、種光部62と、光増幅部50とに区画される。図3(b)に示すように、半導体光増幅器10Aは、基板30上に形成された、下部DBR32、活性領域34、非導電領域60、p-DBR66、位相制御層64、i-DBR68、絶縁部54、およびP電極18-1、18-2、基板30の裏面に形成されたN電極40を含んで構成されている。
種光部62は、種光Lsを発生する部位であり、本実施の形態ではVCSELとして構成されている。図3(b)に示すように、種光部62から発生した種光Lsは、光増幅部50に向けて伝播する。
p-DBR66、およびi-DBR68は、半導体光増幅器10における上部DBR36に相当する層である。p-DBR66はp型であるが、i-DBR68は不純物を含まない。
位相制御層64は、p-DBRとi-DBRとの間に形成され、種光Lsの波長と、光増幅部50における垂直共振波長との関係を調整する層である。本実施の形態では、位相制御層64は、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiON)、あるいはGaAs等を用いて形成する。本実施の形態では、一例として、位相制御層64を形成後エッチングし、位相制御層64の膜厚を薄くすることによって種光Lsの波長を制御している。
絶縁部54は、種光部62と光増幅部50とを電気的に絶縁する層であり、本実施の形態では、一例としてイオン注入によって形成されている。
P電極18-1は光増幅部50のP電極であり、P電極18-2は種光部62のP電極である。
以上の構成を有する半導体光増幅器10Aは、半導体光増幅器10において種光Lsの光源が集積化された形態であり、基本的には半導体光増幅器10と同様の機能、作用を有する。半導体光増幅器10Aによれば、本発明に係る半導体光増幅器の機能、作用を有する半導体光増幅器が1チップで実現される。
[第3の実施の形態]
次に図4を参照して、本実施の形態に係る光出力装置、および距離計測装置について説明する。図4(a)は本発明に係る光出力装置の一例としての光加工装置70のブロック図を示し、図4(b)は距離計測装置90のブロック図を示している。
図4(a)に示すように、光加工装置70は、半導体光増幅器71、および集光用のレンズ72を備えている。半導体光増幅器71は、例えば上記実施の形態に係る半導体光増幅器10(または10A)である。図4(a)に示すように、半導体光増幅器71から出射された光はレンズ72によって集光され、光出力Poとして加工対象物OB1に照射されて、加工対象物OB1における加工処理が行われる。
一方、図4(b)に示すように、距離計測装置90は、半導体光増幅器91、測距センサ92、および計測部93を備えている。半導体光増幅器91は、例えば上記実施の形態に係る半導体光増幅器10(または10A)である。また、測距センサ92は、例えばフォトダイオード等の受光素子によって構成され、計測部93は、CPU、ASIC等の半導体素子を中心に構成されている。
距離計測装置90においては、半導体光増幅器91から出射された投光光Ptが被測定物OB2(例えば、人や物)に照射され、被測定物OB2で反射された反射光が受光光Prとして測距センサ92に入力される。測距センサ92に入力された受光光Prは電気信号に変換され、該電気信号に基づき計測部93において予め定められた演算処理が実行され、例えば距離計測装置90と被測定物OB2との距離が計測される。
10、10A 半導体光増幅器
18、18-1、18-2 P電極
30 基板
32 下部DBR
34 活性領域
36 上部DBR
40 N電極
50 光増幅部
52 光結合部
54 絶縁部
56 酸化フロント
58 導電領域
60 非導電領域
62 種光部
64 位相制御層
66 p-DBR
68 i-DBR
69 光ファイバ
70 光加工装置
71 半導体光増幅器
72 レンズ
90 距離計測装置
91 半導体光増幅器
92 測距センサ
93 計測部
Lf 出力光
Ls 種光
Po 光出力
Pt 投光光
Pr 受光光
OB1 加工対象物
OB2 被測定物

Claims (9)

  1. 板上に形成されるとともに、記基板の基板面に沿い予め定めた方向に延伸して形成された活性領域を備え、レーザ光を出射する光源ら前記予め定めた方向に伝播する伝播光を増幅し、増幅した前記伝播光を前記基板面と交差する方向に出射光として出射する光増幅部含み、
    前記レーザ光の波長が、前記活性領域が有する利得スペクトルのピーク波長よりも長波長側の波長であり、前記利得スペクトルにおいて前記ピーク波長における利得の1/10以下の利得となる波長であり、前記光増幅部の垂直共振波長より短い、
    半導体光増幅器。
  2. 前記光源、前記半導体光増幅器の外部に設けられた外部光源であり、
    前記外部光源ら出射された光を前記半導体光増幅器内に入力させる入力部をさらに含む 請求項1に記載の半導体光増幅器。
  3. 前記入力部は、前記半導体光増幅器の一部を削除した部分に設けられている
    請求項に記載の半導体光増幅器。
  4. 前記光源、前記光増幅部と一体に形成されている
    請求項1に記載の半導体光増幅器。
  5. 記レーザ光の波長を制御する制御部を備える
    請求項に記載の半導体光増幅器。
  6. 前記レーザ光前記出射光とは、波長の数が同じある
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体光増幅器。
  7. 前記波長の数が、単一である
    請求項に記載の半導体光増幅器。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体光増幅器と、
    前記半導体光増幅器から出射された光を集光する集光部と、を含む
    光出力装置。
  9. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体光増幅器と、
    前記半導体光増幅器から出射され、被測定対象物で反射した反射光を受光する受光部と、
    前記受光部が受光した反射光に基づき、前記被測定対象物までの距離を計測する計測部と、を含む
    距離計測装置。
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