JP7362208B2 - アンテナ施工補助方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ施工補助方法に係り、特に、高速通信に用いるアンテナの方向を容易に決定し、施工の効率化を図ることが可能なアンテナ施工補助方法に関する。
近年、高速通信が可能な5G(第5世代移動通信システム)が注目されている。5Gは、超高速による大容量通信、超低遅延通信、多数機器の同時接続が可能であるなどの特徴を有している。
5Gで大容量の高速通信を実現するために使用する高周波帯域の電波は、電波伝搬損失が増大するため、広い通信エリアをカバーすることができない。このため、通信エリアを広げるために、小エリアをカバーする小型基地局であるスモールセルを多数設けることが必要となる。
小型基地局における高周波帯域のアンテナは、一般にアレーアンテナが用いられる。アレーアンテナは多数の素子で構成され、各素子に対して送信する信号の振幅と位相を制御してビームを生成して指向性を持たせている。
これにより、ビームの伝搬方向がアンテナ角度に一致しないことがあるため、どの方向にビームが伝搬するのか不明であり、このため、指向性を有するアレーアンテナの電波を良好な状態で受信するために、受信アンテナは電波のカバーエリア内に位置していることが必要となる。
そこで、アンテナの指向方向を確認するべく、種々の提案がなされてきた。例えば、特許文献1には、指向性アンテナにレーザーを取り付けて、指向性アンテナの指向方向を目標方向に合致させることで、レーザーの放射方向がアンテナの指向方向であることが分かる移動無線端末が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、移動する基地局と携帯端末双方に指向性アレイアンテナを付けておき、携帯端末の向きを360度変えるようにして、基地局からの電波を受信した携帯端末の画面に電波受信強度を表示させ、電波の受信レベルが最大値になる方向に携帯端末を向けるようにして、手動で最も電波効率の良い向きに携帯端末の向きを変えさせる無線通信システムが開示されている。
特公平8-031732号公報 特許第4879098号公報
前述したように、5Gで高周波帯域を使用して、大容量の高速通信を実現するためには、小エリアをカバーする小型基地局であるスモールセルを多数設けることが必要となる。
小型基地局であるスモールセルには、多数の素子で構成されたアレーアンテナが使用されており、各素子に対して送信する信号の振幅と位相等を制御して、多数の素子を協調動作させることにより指向性を有する多数のビームを生成して、多数のユーザーとの同時接続を行うようにする。
また、多数のユーザーでのビームの干渉による通信速度が低下しないように、アレーアンテナを制御する。このように、小型基地局には、アレーアンテナを制御するための高機能の制御部が設けられている。
しかしながら、5Gの実現には、新たな設備の導入が必要となり、小型基地局においても多額な投資が必要となり、アンテナの設置、試験等に要する施工期間も長くなる。そのため、5Gの構築、移行には、高額な費用および時間を要するため、なかなか普及していない。
そこで発明者は、基地局と利用者(ユーザー)を結ぶ区間の小さいエリアを、基地局におけるアレーアンテナのアンテナビームを絞って特定の場所、建物の利用者側に設けられたリピータに飛ばすようにして、リピータを介して通信可能なエリアを広げるようにし、基地局の構成及び基地局のアレーアンテナの施工を簡素化して基地局の導入コストを下げることにより、新たな設備の導入が容易になることに思い至った。
そのため、多数のビームを生成して、多数のユーザーとの同時接続を行うようにするのではなく、制御装置等を大きく簡素化して、アレーアンテナのビームを絞ってリピータが位置する特定の地点にビームが到達するようにするべく、アレーアンテナのビームの指向方向に対してアレーアンテナを確実に向ける必要がある。
そこで、本発明は、高周波通信システムにおける小型基地局でのアンテナ設置について、通信事業者の基地局と利用者(ユーザー)を結ぶ最後の区間であるラストoneマイルでの小型基地局の支柱にアンテナを配するアンテナの施工及び通信確認作業において、アレーアンテナを正確な方向に容易に向けることができるようにして、短時間でアンテナの施工及び通信確認を容易かつ効率的に行うことができるアンテナ施工補助方法を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明のアンテナ施工補助方法は、複数個の放射素子が配列されたアンテナについて、前記複数の放射素子の少なくとも一部を所定の信号により励振した場合の放射パターン情報と、所望の地点及び角度で設置された前記アンテナの外形の状態からなるアンテナ外形情報とから、前記所望の地点及び角度で設置された前記アンテナの実際のローブ中心軸となるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を算出することを特徴とする。
また、本発明の前記放射パターン情報は、当該放射パターンにおけるローブの中心軸理論情報及び/又は電波伝搬理論範囲であることを特徴とする。
また、本発明の前記ビームフォーミング中心軸の方向は、当該ビームフォーミング中心軸の方位、仰俯角及び/又は到達点であることを特徴とする。
また、本発明の前記電波伝搬範囲は、電波伝搬位置ごとの電波強度及び/又は通信速度も含むことを特徴とする。
また、本発明のアンテナ施工補助方法は、前記アンテナの設置された地点と、設置された前記アンテナの電波放射面の向いている方向と、前記放射パターン情報とを組み合わせて設置された前記アンテナの実際のローブ中心軸となるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を算出することを特徴とする。
また、本発明の前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲は、可搬性端末の表示部に表示可能であることを特徴とする。
また、本発明の前記可搬性端末は、前記アンテナを撮影可能なカメラ部及び当該カメラ部により撮影した画像を表示可能な前記表示部を備え、前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を前記カメラ部より撮影した前記アンテナが設置された前記地点の周辺の風景画像に重畳して表示可能であることを特徴とする。
また、本発明の前記可搬性端末は、ヘッドアップディスプレイであって、前記アンテナを撮影可能なカメラ部及び透過型ディスプレイからなる表示部を備え、前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を前記アンテナが設置された前記地点の周辺における前記ヘッドアップディスプレイの使用者の視野に重畳して前記表示部において表示可能であることを特徴とする。
また、本発明のアンテナ施工補助方法は、前記可搬性端末の所在地、前記アンテナの設置された地点、及び、前記カメラ部によって撮影された前記アンテナから得られた前記アンテナ外形情報から、当該アンテナの前記電波放射面の向いている方向を算出することを特徴とする。
また、本発明の前記アンテナの設置された地点は、前記カメラ部により前記アンテナを撮影した方向を検知又は入力し、かつ、前記カメラ部より撮影された前記アンテナから得られた前記アンテナ外形情報から、前記可搬性端末の所在地からの距離を演算することにより特定することを特徴とする。
また、本発明のアンテナ施工補助方法は、設置された前記アンテナの寸法データと前記カメラ部により前記アンテナを撮影することにより得られた前記アンテナ外形情報とにより、前記アンテナの前記電波放射面の向いている方向を演算することを特徴とする。
また、本発明のアンテナ施工補助方法は、設置される前記アンテナについて、各種方向から当該アンテナを予め撮影して、各種方向ごとに関連付けられたアンテナ外形予備情報を管理するアンテナ外形予備情報管理装置を用いて、前記カメラ部により前記アンテナを撮影することにより得られた前記アンテナ外形情報を前記アンテナ外形予備情報に照合して、前記アンテナの向いている方向を算出することを特徴とする。
また、本発明の前記可搬性端末は、前記表示部において前記アンテナを表示していない状態へと遷移した場合でも、前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を表示可能であることを特徴とする。
また、本発明の前記表示部には、所望の前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を描画可能であることを特徴とする。
また、本発明の前記可搬性端末は、描画された所望する前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲に対して、現在の前記アンテナの状態から、必要となる前記アンテナの調整角度、前記アンテナの取付金具の状態調整及び/又は前記複数の放射素子への励振信号の信号調整に係る情報を出力可能であることを特徴とする。
本発明のアンテナ施工補助方法によれば、外観上からはビームの伝搬方向といった放射パターンが不明な複数個の放射素子が配列されたアンテナについて、実際に設置した場所における放射パターンを容易に確認可能となり、アンテナの向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となるため、アンテナの施工を容易に行うことが可能である。
即ち、本発明のアンテナ施工補助方法によれば、外観上からはビームの伝搬方向が不明なアレーアンテナについて、実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を容易に確認可能となり、アンテナの電波放射面の向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となるため、アンテナの施工を容易に行うことが可能である。
そのため、アレーアンテナの向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となることから、施工の効率化が可能となり、作業時間の短縮、作業人員の低減化(コスト低減)を図ることが可能である。
また、この場合、アレーアンテナの向いている方向が想定通りかどうかの確認は、実際に設置した場所におけるアレーアンテナの放射パターンをビジュアル(視覚)を通じて容易に可能となるため、熟練者を要することなく、例えば、日本語を理解しない者であっても、ビジュアルによりアンテナの向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となり、アンテナ施工における施工要員が限定されることなく、施工要員の確保も容易になることが想定される。
また、アレーアンテナの向いている方向が想定通りではないために、アンテナ角度の調整、アンテナの取付金具の状態調整及び/又は前記複数の放射素子への励振信号の信号調整が必要な場合も、事前に調整に係る情報が確認可能であるため、アンテナを地上に下ろして調整すればよく、高所等の危険箇所に設置するアンテナであっても調整の際には高所等の危険箇所での作業が不要となり、施工要員の安全確保を図ることが可能である。
また、本発明を利用することにより、小型基地局におけるアレーアンテナのアンテナビームを絞って特定の場所、建物の利用者側に設けられたリピータやWiFiアンテナに飛ばすようにして、リピータやWiFiアンテナを介して通信可能なエリアを広げるようにしたため、高額な小型基地局のみで利用者の通信可能エリアを構築することなく、小型基地局自体の数を削減可能となり、コストが下がるため、小型基地局を要する5Gの構築、移行が容易となり、5Gの普及が容易となる。即ち、通信事業者による5Gのエリア展開が進まない地域においても、独自に5Gシステム(ローカル5G)を構築及び利用することで、5Gの普及が容易となる。また、5Gに限定することなく、高周波を使用する無線LAN802.11ayや他の通信方式で使用する高周波アンテナの設置工事による地域の通信システムの構築、普及も容易になる。
また、本発明のアンテナ施工補助方法によれば、外観上からはビームの伝搬方向が不明なアレーアンテナについて、実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲のみならず、電波強度及び/又は通信速度を容易に確認可能となり、アンテナの施工を容易に行うことが可能である。
また、本発明のアンテナ施工補助方法によれば、外観上からはビームの伝搬方向が不明なアレーアンテナについて、可搬性端末を用いることにより、実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を容易に確認可能となり、アンテナの電波放射面の向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となるため、アンテナの施工を効率的に行うことが可能である。
この場合、可搬性端末を用いることにより、ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を可搬性端末のカメラ部より撮影した、アンテナが設置された地点の周辺の風景画像に重畳して表示可能であり、より容易かつ確実にアンテナの施工を容易に行うことが可能である。
また、可搬性端末がヘッドアップディスプレイである場合は、ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲をアンテナが設置された地点の周辺におけるヘッドアップディススプレイの使用者の視野に重畳して表示部で表示可能であり、より容易かつ確実にアンテナの施工を容易に行うことが可能である。
また、本発明のアンテナ施工補助方法によれば、可搬性端末の表示部には、修正等を希望する所望のビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を描画可能であり、描画された所望のビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲に対して、現在のアンテナの状態から、必要となるアンテナの調整角度、アンテナの取り付け金具の状態調整及び/又は複数の放射素子への励振信号の信号調整に係る情報を出力可能であるため、容易に修正等をすることが可能であり、アンテナの施工を容易に行うことが可能である。
本発明の実施形態に係るアンテナ施工補助方法に用いるアンテナ施工補助システムの機能ブロック図である。 図1の可搬性端末における表示画像の一例である。 図2の表示画像について、可搬性端末、アンテナ、建物の関係を示す平面図である。 本発明における放射パターン情報の一例を示す図であり、(a)は平面方向からの図であり、(b)は側面方向からの図である。 本発明におけるアレーアンテナの外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は平面図である。 図5のアレーアンテナについて、(a)は電波放射面を上側に向けた状態の正面側左方斜視図であり、(b)は電波放射面を下側に向けた状態の正面側左方斜視図である。 図5のアレーアンテナについて、(a)は電波放射面を上側に向けた状態の背面側左方斜視図であり、(b)は電波放射面を下側に向けた状態の背面側左方斜視図である。 本発明のアンテナ施工補助方法(アンテナ施工補助システム)に係るフローチャートである。 図1の可搬性端末における表示画像の一例であり、遷移前画像と遷移後画像を示している。 本発明を適用可能なヘテロジニアス・ネットワークの構成の一例を示す図である。 図10におけるヘテロジニアス・ネットワークにおいて建物内での電波の中継方法の一例を示す図であり、(a)はアレーアンテナと建物全景を示し、(b)は建物の各階の詳細を示している。
以下、図面を参照して、本発明によるアンテナ施工補助方法を実施するための形態について説明する。尚、本発明のアンテナ施工補助方法は、外観上からはビームの伝搬方向が不明なアレーアンテナについて、実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を容易に確認可能となり、アンテナの向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となるため、アンテナの施工を効率化し、容易に行うことを可能とするものである。
即ち、本発明は、設置されたアンテナの地点と、設置されたアレーアンテナの電波放射面の向いている方向と、アレーアンテナの放射パターン情報とを組み合わせて設置されたアレーアンテナの実際のローブ中心軸となるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を演算して可搬性端末の表示部に表示するものであり、これによりアンテナの向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能として、アンテナの施工を効率化し、容易に行うことを可能とするものである。
[アンテナ施工補助方法に用いるアンテナ施工補助システムの構成]
本発明のアンテナ施工補助方法においては、例えば、以下に説明するアンテナ施工補助システムによって実現することが可能である。そのため、まず、アンテナ施工補助システムの構成について図1乃至図7を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ施工補助方法に用いるアンテナ施工補助システムの機能ブロック図である。図2は、図1の可搬性端末における表示画像の一例である。図3は、図2の表示画像について、可搬性端末、アンテナ、建物の関係を示す平面図である。図4は、本発明における放射パターン情報の一例を示す図であり、(a)は平面方向からの図であり、(b)は側面方向からの図である。図5は、本発明におけるアレーアンテナの外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は平面図である。図6は、図5のアレーアンテナについて、(a)は電波放射面を上側に向けた状態の正面側左方斜視図であり、(b)は電波放射面を下側に向けた状態の正面側左方斜視図である。図7は、図5のアレーアンテナについて、(a)は電波放射面を上側に向けた状態の背面側左方斜視図であり、(b)は電波放射面を下側に向けた状態の背面側左方斜視図である。
[アンテナ施工補助システムの構成概要]
図1に示すように、アンテナ施工補助システム1は、大きくアンテナ施工補助装置2と可搬性端末3によって構成される。アンテナ施工補助装置2は、通信ネットワーク7によって可搬性端末3と接続されたコンピュータ上に所定のソフトウェアを搭載することにより構成され、所定のソフトウェアのプログラムに基づいて、アンテナ施工の補助を行うべく、アレーアンテナ(アンテナ)を実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を演算して、その表示を可能とするものである。
可搬性端末3は、通信ネットワーク7によって、アンテナ施工補助装置2と接続されており、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、携帯電話、モバイルPC、ゴーグル型スマートデバイス等が該当し、施工しようとするアンテナを撮影することにより、アンテナ施工補助装置2が演算及び画像を形成した、図2に示すようなアレーアンテナ5を実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を表示部に表示するものである。尚、可搬性端末3自体がアンテナ施工補助装置2の機能を備えて構成されることも可能である。
また、通信ネットワーク7は、アンテナ施工補助装置2と可搬性端末3との互いの通信を有線又は無線を問わずに可能とするものである。
また、本発明は複数個の放射素子が配列されたアレーアンテナについて、複数の放射素子の少なくとも一部を所定の信号により励振した場合の放射パターンを容易に確認可能とするものである。即ち、アレーアンテナが、多数の素子で構成され、各素子に対して送信する信号の振幅と位相等を制御して、多数の素子を協調動作させることにより指向性を有する様々なビームを生成することが可能であるため、外観上からはビームの伝搬方向といった放射パターンが不明なアレーアンテナであっても、容易にそのビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を確認可能とするものであり、例えば、アレーアンテナ5は、図5乃至図7に示すような形態を採る。
即ち、図5に示すように、アレーアンテナ5は、ボックス状の筐体51の正面側に多数の素子からなる電波放射面55が配されており、筐体51の背面側では、軸部等によって構成される取付金具53を介して支持ポール52に取り付けられている。尚、指示ポール52ではなく、壁面等に取り付けられることも当然にあり、その固定方法等が限定されるものでもない。
また、アレーアンテナ5は図5乃至図7に示すような形態に限定されるものではなく、曲面に電波放射面を配するような構成や、球面に電波放射面を配するような構成であってもよく、その形態及び構成等に限定されるものではない点が明白である。
[アンテナ施工補助装置]
アンテナ施工補助装置2は、演算部21、画像認識部22、ビーム画像形成部23、放射パターン情報管理部25、アンテナ寸法データ管理部26、アンテナ外形予備情報管理部27及び入出力28によって構成される。
[演算部]
演算部21は、所望の地点や角度で設置されたアレーアンテナ5の外形の状態からなるアンテナ外形情報からアレーアンテナ5の位置及び向いている方向を演算するためのものであり、アレーアンテナ5の電波放射面55の向いている方向を修正する場合においても、修正に必要となるアンテナ5を調整するべき角度等をも演算可能である。
[画像認識部]
画像認識部22は、可搬性端末3から送信された画像内からアンテナ外形情報としてのアンテナ5(の外形の状態)を認識するためのものであり、そのため画像認識機能を有し、例えば、アレーアンテナ5を認識して、図5(a)に示す4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの位置を特定したり、やはり4つの電波放射面隅部55a,55b,55c,55dの位置を特定することが可能である。また、同様に筐体背面隅部51e,51f,51g,51hの位置を特定することも可能である。この画像認識機能は、予め各種の方向及び角度から同種のアレーアンテナを事前に撮影して筐体の隅部や、電波放射面の隅部を機械学習させる人工知能(AI)等を用いて行うことが可能であり、公知の技術であり、詳細な説明は省略する。
[ビーム画像形成部]
ビーム画像形成部23は、演算部21が演算したアレーアンテナ5の位置及び電波放射面55の向いている方向と、放射パターン情報DB25aにより読み出した放射パターン情報とを用いて図2に示すような所望の地点及び角度で設置されたアレーアンテナ5の実際のビーム画像(ビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92)を形成するものである。
尚、ビーム画像形成部23が形成するビーム画像において、ビームフォーミング中心軸91の方向は、ビームフォーミング中心軸の方位、仰俯角及び/又は到達点を含み、電波伝搬範囲92には電波伝搬位置ごとの電波強度及び/又は通信速度も含む。
また、ビーム画像形成部23が形成するビーム画像は、図2に示すようなひとつのビーム画像に限られるものではない。例えば、アレーアンテナ5のビームフォーミングにより複数のビームを多重的に放射する場合や、メインローブのみならず、サイドローブをも示して複数のビーム画像を表示する場合の他、アレーアンテナ5の励振条件を変更したビーム画像を励振条件ごとに複数表示する場合等のように複数のビーム画像を表示することも可能である。
[放射パターン情報管理部]
放射パターン情報管理部25は、アレーアンテナ5の機種及び所定の励振条件ごとの放射パターン情報を管理するものであり、放射パターン情報データベース(放射パターン情報DB)25aを備えている。放射パターン情報DB25aは、アレーアンテナ5の機種ごとに、所定の励振条件ごとの放射パターン情報を予め格納している。アレーアンテナ5は、機種ごとの放射パターンの変化のみならず、各素子に対して送信する信号の振幅と位相等によって種々のビームフォーミングが可能となるため、励振条件によって放射パターンが変化するためである。
この放射パターン情報は、図4に示すようにビームフォーミングした場合のローブ理論中心軸91aの方向及び/又は電波伝搬理論範囲92aであり、ローブ理論中心軸91aの方向には、中心軸の方位、仰俯角及び/又は到達点が含まれ、電波伝搬理論範囲92aには、アレーアンテナ5を起点とする各地点における電波強度及び/又は通信速度等を含む。そのため、例えば、図2のようなアレーアンテナ5の実際のビーム画像において、さらに、ビームフォーミング中心軸91の方向や電波伝搬範囲92の他、図4のような電波強度や通信速度等を表示することも可能となる(図2では不図示)。
また、本発明の説明において放射パターン情報を構成するローブ理論中心軸91aは、アレーアンテナ5が実際に現場に設置されてアレーアンテナ5の電波放射面55の向いている方向にビームフォーミングされることにより、ビームフォーミング中心軸91と定義され、同様に放射パターン情報を構成する電波伝搬理論範囲92aは、アレーアンテナ5が実際に現場に設置されてアレーアンテナ5の電波放射面55の向いている方向に電波を放射されることにより、電波伝搬範囲92と定義される。さらに同様に放射パターン情報を構成するローブ中心軸理論到達点93aは、アレーアンテナ5が実際に現場に設置されてアレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向にビームフォーミングされることにより、ビームフォーミング中心軸到達点93と定義される。
また、本発明の説明においてローブの語は、メインローブのみを意味するものではなく、サイドローブを含むことが可能であり、サイドローブにおいても理論中心軸、電波伝搬理論範囲、中心軸理論到達点を放射パターン情報として放射パターン情報DB25aに格納しておき、利用することも可能である。
尚、例えば、図5乃至図7に示すアレーアンテナ5において、電波放射面55の中心部55eから垂線を正面方向に引いた場合に、この垂線が図4におけるローブ理論中心軸91aと一致するものではなく、アレーアンテナ5ごとの特性やアレーアンテナ5の各素子に対して送信する信号の振幅と位相等によってこのローブ理論中心軸91aの方向は変化してずれており、このためにアレーアンテナ5は外観上からはビームの伝搬方向が不明となり、本発明の適用が待たれることとなる。これは曲面に電波放射面を配するような構成や、球面に電波放射面を配するような構成においても同様である。
[アンテナ寸法データ管理部]
アンテナ寸法データ管理部26は、アレーアンテナ5の機種ごとの外形の寸法(アンテナの寸法データ)を管理するものであり、アンテナ寸法データベース(アンテナ寸法DB)26aを備えている。アンテナ寸法DB26aは、例えば、図5(a)に示すアレーアンテナ5の4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの位置を互いの相対的な空間座標データとして予め格納している。またこれは、アレーアンテナ5の4つの電波放射面隅部55a,55b,55c,55dの位置における互いの相対的な空間座標データであっても良いし、これらを組み合わせても良く、この点は、筐体背面隅部51e,51f,51g,51hの位置であってもよいことは当然である。
これらのアンテナ寸法データを予めアンテナ寸法DB26aに格納しておくことにより、可搬性端末3のカメラ部32によって、現場に設置されたアレーアンテナ5を撮影することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算部21により演算可能となる。尚、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向とは、電波放射面55が向いている方位、仰俯角を意味する。
この場合、現場に設置されたアレーアンテナ5を撮影することにより、アンテナの外形からなるアンテナ外形情報が得られ、アンテナ寸法DB26aに格納されたアンテナの寸法データと比較することにより、アレーアンテナ5の外形の状態から可搬性端末3に対してのアレーアンテナ5の電波放射面55の傾き(電波放射面55が向いている方向)を演算し、アレーアンテナ5の大きさからアレーアンテナ5までの距離を計算可能となり、さらに、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータをも利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算部21により演算する。この点は公知の技術であり、詳細な演算方法等の説明は省略する。
例えば、画像認識部22により、4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの位置を特定できれば、4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dがどのように画像内に位置しているかによって、アンテナの寸法データと比較することで、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータを利用し、可搬性端末3の所在地からアレーアンテナ5までの距離を演算することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算部21により演算可能となる。
この演算方法は種々の方法が想定され、公知の手法を採用可能である。例えば、図5(a)に示す4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点の位置関係や、筐体正面隅部51a,51bを結んだ線を横辺(横軸)と定め、筐体正面隅部51a,51dを結んだ線を縦辺(縦軸)と定め、それらの空間内での傾き及び長さからアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算部21により演算する方法や、筐体正面隅部51a,51cを結んだ線と筐体正面隅部51b,51dを結んだ線をからなる2本の対角線について、それらの空間内での傾き及び長さからアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算部21により演算することも想定される。
例えば、前述の如く、図5(a)に示す4つの筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点の位置関係を利用した場合、図5(a)のように、アレーアンテナ5を正面から可搬性端末3のカメラ部32によって撮影した場合は、筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点によって構成される形状は完全な矩形状となり、撮影する可搬性端末3からの距離によってその筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点間の距離は遠方からの撮影になればなるほど小さくなり、近場からの撮影になればなるほど距離が大きくなる。
一方で、図6(a)に示すように電波放射面55を上側に向けた状態において正面側斜め左方からアレーアンテナ5を捉えた場合は、筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点によって構成される形状は上辺が下辺より左側に位置する平行四辺形となり、撮影する可搬性端末3からの距離によってその筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点間の距離は遠方からの撮影になればなるほど小さくなり、近場からの撮影になればなるほど距離が大きくなる。
さらに、図6(b)に示すように電波放射面55を下側に向けた状態において正面側斜め左方からアレーアンテナ5を捉えた場合は、筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点によって構成される形状は上辺が下辺より右側に位置する平行四辺形となり、図6(b)においては、図6(a)よりもさらに左側面側からアレーアンテナ5を捉えているため、筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点によって構成される四角形上の面積が小さくなっており、また、撮影する可搬性端末3からの距離によってその筐体正面隅部51a,51b,51c,51dの4点間の距離は遠方からの撮影になればなるほど小さくなり、近場からの撮影になればなるほど距離が大きくなる。
また、これらは、図7に示すように、アレーアンテナ5を背面側から捉えた場合においても同様であり、例えば、画像認識部22によってアレーアンテナ5の正面側からの撮影か、背面側からの撮影かを判別するか、撮影者自らの設定によりアレーアンテナ5の正面側からの撮影か、背面側からの撮影かを明らかにすることにより、図7(a)に示すような筐体背面隅部51e,51f,51g,51hの4点の位置関係を利用してアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算部21により演算してもよい。図7(a)とはアレーアンテナが向いている方向が異なる図7(b)においても同様である。
また、そもそも、筐体正面や背面の隅部の4点等を特定することなしに、画像認識部22により、アレーアンテナ5の筐体51の正面側や背面側の外縁として、横辺(横軸)と縦辺(縦軸)を画像認識して、それらの空間内での傾き及び長さからアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算部21により演算する方法等でもよく、アレーアンテナ5の画像認識からアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算する方法は公知の技術で種々存在し、それらの演算が可能であればいかなる方法にも限定されるものではない。
そのため、画像認識部22によって、アレーアンテナ5の外形状態を認識可能であれば、アレーアンテナ5の正面側、背面側、側面側、平面側、底面側等の撮影方向等を問うものでもなく、さらには、画像認識部22による画像認識を容易にするため、識別用の目印等を予めアレーアンテナ5の各所にマーキングしておくことにより、アレーアンテナ5の外形状態を認識してもよい。
このように、アレーアンテナ5の画像認識から、アレーアンテナ5の外形の状態より、アレーアンテナ5の傾き(電波放射面55が向いている方向)を演算し、かつ、アレーアンテナ5の大きさから可搬性端末3よりアレーアンテナ5までの距離を演算し、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータを利用して、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算する方法は公知の技術で種々存在し、そのため詳細な説明を省略する。
[アンテナ外形予備情報管理部]
アンテナ外形予備情報管理部27(アンテナ外形予備情報管理装置とも称する。)は、アレーアンテナ5の機種ごとの、各種方向から予め撮影したアンテナの外形の画像データを撮影した方向に関連付けてアンテナ外形予備情報として管理するものであり、アンテナ外形予備情報データベース(アンテナ外形予備情報DB)27aを備えている。アンテナ外形予備情報管理部27は、アンテナ寸法データ管理部26と択一的に利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を演算部21が演算するのに用いるものである。
即ち、アンテナ外形予備情報DB27aは、アレーアンテナ5の機種ごとの各種方向から撮影した多数の外形の画像データを撮影した方向に関連付けてアンテナ外形予備情報として管理するものであり、アレーアンテナ5の正面側(例えば、図5及び図6)、背面側(例えば、図7)等を問わずに、種々の方向からアレーアンテナ5を撮影方向に関連付けて格納しておく。
これにより、画像認識部22において可搬性端末3のカメラ部32が撮影したアレーアンテナ5を認識し、演算部21において、画像認識部22が認識したアレーアンテナ5の画像とアンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像との照合を行い、アンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像と一致した場合に、予め関連付けられて格納されている撮影した方向を読み出して、可搬性端末3に対してのアレーアンテナ5の電波放射面55の傾き(電波放射面55が向いている方向)を演算し、アレーアンテナ5の大きさから可搬性端末3よりアレーアンテナ5までの距離を計算し、さらに、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータをも利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算する。この点は公知の技術であり、詳細な演算方法等の説明は省略する。
この場合、アンテナ外形予備情報を用いることにより、例えば、図7(b)のように、筐体背面隅部51e,51f,51gが確認できるものの、アレーアンテナ5の支持ポール52によって、筐体背面隅部51hが確認できないような場合であっても、この図7(b)のような状態(支持ポール52によって、筐体背面隅部51hが確認できない状態)も予め撮影してアンテナ外形予備情報として管理しておけば、照合が可能である。これにより、演算部21において、画像認識部22が認識したアレーアンテナ5の画像とアンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像との照合を行い、一致した場合に、予め関連付けられて格納されている撮影した方向を読み出してアレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算可能となるため、筐体背面隅部51hのように死角となり画像内に表れない場合であっても、問題なくアレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算可能である。
そのため、図7に示すように、アンテナ外形予備情報管理部27を利用する場合は、図7(a)のように電波放射面55が水平方向よりも上方を向いている場合(仰角を生じている場合)や、同(b)のように水平方向よりも下方に向いているような場合(俯角を生じている場合)のように電波放射面55が水平方向に対して成す種々の仰俯角において、種々の方向からのアレーアンテナ5の外形の画像データを撮影した方向に関連付けてアンテナ外形予備情報として管理しておく。
この場合、画像認識部22における可搬性端末3のカメラ部32が撮影したアレーアンテナ5の画像認識や、演算部21における、画像認識部22が認識したアレーアンテナ5の画像とアンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像との照合には、機械学習により精度を高める人工知能(AI)等を用いて行うことが可能であり、公知の技術であり、詳細な説明は省略する。
また、アレーアンテナ5の電波放射面55の種々の外形の状態について、アレーアンテナ5の外形の画像データを撮影した方向に関連付けてアンテナ外形予備情報として管理しておくにあたり、実際にアレーアンテナ5を予め撮影しておく場合の他、3Dのアンテナ寸法データからアレーアンテナ5の外形の外縁を導き、撮影したと仮定した方向に関連付けて予め管理しておき、このアレーアンテナ5の外縁の状態と、画像認識部22に認識されたアレーアンテナ5の画像との照合を行っても良く、画像認識部22におけるアレーアンテナ5の認識画像と、アンテナ外形予備情報管理部27に予め格納されたアレーアンテナ5の画像の照合により、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算可能であれば、特定の方法に限られるものではない。
そのため、画像認識部22によって、アレーアンテナ5の外形状態を認識可能であれば、アレーアンテナ5の正面側、背面側、側面側、平面側、底面側等の撮影方向等を問うものでもなく、さらには、画像認識部22による画像認識を容易にするため、識別用の目印等を予めアレーアンテナ5の各所にマーキングしておくことにより、アレーアンテナ5の外形状態を認識してもよい。このように、アレーアンテナ5の画像認識からアレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナが向いている方向を算出する方法は公知の技術で種々存在し、そのため詳細な説明を省略する。
前述のように、アンテナ外形予備情報管理部27は、アンテナ寸法データ管理部26と択一的に利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナの電波放射面55が向いている方向を演算部21が演算することが可能である。
[入出力部]
入出力部28は、アンテナ施工補助装置2の各構成要素に対する情報の入力操作や、各構成要素からの情報の出力に用いるものであり、ディスプレイ、キーボード、マウス等の入出力機器によって構成され、また、可搬性端末3の入出力装置により、入出力部28とすることも可能である。
[可搬性端末]
可搬性端末3は、通信ネットワーク7によって、アンテナ施工補助装置2と互いに接続され、表示部31、カメラ部32、及び入力部33によって構成される。施工しようとするアレーアンテナ5を撮影するカメラ部32を備え、アンテナ施工補助装置2が算出及び画像を形成した、図2に示すような、実際に設置されたアレーアンテナ5のビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を表示部31に表示するものであり、入力操作を行うため、キーボード、タッチパネル、マウス等からなる入力部33を備えている。
このため、可搬性端末3は、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話、モバイルPC、ゴーグル型スマートデバイス等が該当する。
例えば、可搬性端末3が、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話、モバイルPC、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ等であるような場合には、可搬性端末3は、図2に示すようにビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92をカメラ部32より撮影したアレーアンテナ5が設置された地点の周辺の風景画像に重畳して表示部31において表示する。
ここで、アレーアンテナ5が設置された地点の周辺とは、表示部31にて表示中の風景画像の範囲に一致し、アレーアンテナ5が設置された所望の地点を含むことが通常であるが、これに限られるものではない。
この場合、図2において、カメラ部32によって撮影された画像の外縁が符号81となり、アレーアンテナ5から放射されたビームのビームフォーミング中心軸91の方向及び電波伝搬範囲(の外縁)92が建物6に到達するとともに、建物6における送受信アンテナ61にビームが到達していることが確認可能である。
図3は、図2の状態における可搬性端末3、アレーアンテナ5及び建物6の位置関係を示す平面図となり、カメラ部32の撮影範囲となる画像の外縁81内にアレーアンテナ5と建物6が収まっていることがわかる。
例えば、可搬性端末3が、プロンプターのように使用者の視野に直接情報を表示するゴーグル型のヘッドアップディスプレイ等であるような場合には、可搬性端末3は、アレーアンテナ5を撮影可能なカメラ部32と透過型ディスプレイからなる表示部31を備えて構成され、アレーアンテナ5が設置された地点の周辺におけるヘッドアップディスプレイの使用者の視野に対してビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92を重畳して表示部31において表示する。
ここで、アレーアンテナ5が設置された地点の周辺とは、ヘッドアップディスプレイの使用者の視野の範囲に一致し、アレーアンテナ5が設置された所望の地点を含むことが通常であるが、これに限られるものではない。
従って、例えば、図2における風景は使用者の視野により直接視認し、ビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92が透過型ディスプレイからなる表示部31に表示される。図3の平面における各構成要素の位置関係は、可搬性端末3がスマートフォン、タブレットPC等の風景を画像で表示するようなタイプの可搬性端末3であるような場合と同様である。
可搬性端末3は、撮影地点(可搬性端末3の所在地)及び撮影した方向を撮影画像に関連付けて撮影及び保存、さらにはアンテナ施工補助装置2への送信を行うことが可能である。これにより、可搬性端末3の位置と撮影した方向からアレーアンテナ5の位置を演算することが可能である。
即ち、アレーアンテナ5の設置された地点は、カメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点(可搬性端末3の所在地)及び撮影した方向を検知したデータと、演算部21によってアンテナ寸法DB26a及び/又はアンテナ外形予備情報DB27aに格納されているデータをもとに演算して、アレーアンテナ5の大きさからアレーアンテナ5での距離を演算し、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータを利用して、アレーアンテナ5の位置を演算する。
尚、アレーアンテナ5を撮影した方向については、カメラ部32により検知する場合の他、撮影者が入力する方式を採ることも可能である。
このように、アレーアンテナ5の設置された地点が判明すれば、可搬性端末3の所在地、アレーアンテナ5の設置された地点、及び、カメラ部32によって撮影されたアレーアンテナ5から得られたアンテナ外形情報によって、演算部21はアンテナ寸法DB26a及び/又はアンテナ外形予備情報DB27aに格納されているデータをもとに演算して、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を算出することが可能となる。
尚、アレーアンテナ5の位置については、アンテナ施工計画により、事前にその位置が確定している場合も想定され、撮影者が自ら入力することも想定される。
また、可搬性端末3は、ゴーグル型の端末や3Dメガネを利用することにより、風景画像を右目と左目に映す画像に区別して、3D表示とすることも可能である。また、表示する画像を投影してスクリーン等で確認可能とすることも可能である。さらには、可搬性端末3周辺の地図画像に重畳してビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92を表示することも想定される。
[アンテナ施工補助システムの処理フロー]
次に、本発明のアンテナ施工補助システム1の実施形態における処理フローを、図8を用いて説明する。図8は、本発明のアンテナ施工補助方法(アンテナ施工補助システム)に係るフローチャートである。
図8に示すように、本発明のアンテナ施工補助システム1においては、まず、現場で施工するアレーアンテナ5の種類等の型式、ビームフォーミングする励振条件等を可搬性端末3の入力部33を用いて入力する(S1)。尚、これらの入力条件は、いずれの段階でも変更可能である。
次に、可搬性端末3のカメラ部32を利用して、所望の地点及び角度で設置されたアレーアンテナ5の外形の状態を撮影する(S2)。この際、可搬性端末3は、撮影地点及び撮影した方向を撮影画像に関連付けて、アンテナ施工補助装置2への送信を行う。
次に、アンテナ施工補助装置2における画像認識部22において、撮影したアレーアンテナ5の認識処理を行う(S3)。
次に、演算部21は、カメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向、かつ、アンテナ寸法DB26aからアレーアンテナ5の寸法を読みだして、カメラ部32によって撮影されたアレーアンテナ5の大きさから、可搬性端末3の所在地からアレーアンテナ5までの距離を演算することによりアレーアンテナ5の設置された地点を特定する。アレーアンテナ5の設置された地点が判明すれば、可搬性端末3の所在地(カメラ部32の撮影地点)、アレーアンテナ5の設置された地点、及び、カメラ部32によって撮影されたアレーアンテナ5から得られたアンテナ外形情報によって、演算部21はアンテナ寸法DB26aにアクセスして、予め格納されているアンテナ寸法データから、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算する(S4)。
又は、S4についてはアレーアンテナ5の位置の算出を、アンテナ外形予備情報DB27aを利用して行うことも可能である点は前述の通りである。その場合、演算部21は、画像認識部22において可搬性端末3のカメラ部32が撮影したアレーアンテナ5を認識し、演算部21において、画像認識部22が認識したアレーアンテナ5の画像とアンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像との照合を行い、アンテナ外形予備情報DB27aに格納されたアレーアンテナ5の画像と一致した場合に、予め関連付けられて格納されている撮影した方向を読み出して、可搬性端末3に対してのアレーアンテナ5の電波放射面55の傾き(電波放射面55が向いている方向)を演算し、アレーアンテナ5の大きさから可搬性端末3よりアレーアンテナ5までの距離を演算し、さらに、可搬性端末3のカメラ部32によりアレーアンテナ5を撮影した地点及び撮影した方向を検知したデータをも利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算する。
尚、前述のように、アンテナ外形予備情報管理部27は、アンテナ寸法データ管理部26と択一的に利用することにより、アレーアンテナ5の位置や、アレーアンテナ5の電波放射面55が向いている方向を演算部21が演算することが可能である。
次に、ビーム画像形成部23によって、放射パターン情報DB25aから、放射パターン情報を読みだして、アレーアンテナ5の位置及び電波放射面55が向いている方向に合わせてビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92といったビーム画像を形成して可搬性端末3に送信して表示部31に表示させる(S5)。
これにより、外観上からはビームの伝搬方向が不明なアレーアンテナ5について、実際に設置した場所におけるビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を容易に確認可能となり、アレーアンテナ5の向いている方向が想定通りかどうかを容易に確認可能となるため、アレーアンテナ5の施工を効率的に行うことが可能である。
[アレーアンテナの角度等の修正]
S5において表示されたビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92といったビーム画像を確認したところ、所望の建物6の送受信アンテナ61にビームが未到達であったり、電波伝搬範囲外となっている場合が当然想定される。
その際、可搬性端末3の使用者は、表示部31に対して所望するビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92を入力部33を介して入力可能であり、表示部31上に描画可能である。タッチペンによる入力や、指でビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92を移動させることにより、所望のビーム画像を描画可能である。
この場合、演算部21は、修正されたビーム画像(ビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲(の外縁)92)から、描画された修正等を希望するビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92に対して、現在のアレーアンテナ5の状態から、必要となるアレーアンテナ5の調整角度、アレーアンテナ5の取付金具の状態調整及び/又はアレーアンテナ5の複数の放射素子への励振信号の信号調整に係る情報を演算して出力可能であり、施工現場において容易にアレーアンテナ5の施工の再調整が可能となる。
[可搬性端末における画面遷移]
図2においては、可搬性端末3の表示部31において、アレーアンテナ5とビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92をビームフォーミング中心軸の到達点93をも含んで、一つの画像81内に収まっており、さらには、送受信アンテナ61を備えた建物6も画像81内に収まっている。
これに対して、ビームフォーミング中心軸の到達点93が遠距離である場合や、送受信アンテナ61を備える建物6が遠距離である場合は、アレーアンテナ5とともに一つの画像内に全てが収まらないことが想定される。そのため、本発明は図9に示すように、可搬性端末3の表示部31に表示する画像を遷移させることによっても、ビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を表示可能である。
即ち、図9は、図1の可搬性端末3における表示画像の一例であり、遷移前画像と遷移後画像を示している。この場合、可搬性端末3は、表示部31においてアレーアンテナ5を表示していない状態へと遷移した場合でも、ビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を表示可能であり、例えば、図9の符号82で示す遷移前の画像(の外縁)と符号83で示す遷移後の画像(の外縁)に示すように、遷移後画像83においてはアレーアンテナ5を表示していない状態でもビームフォーミング中心軸91の方向及び/又は電波伝搬範囲92を表示可能である。
[ヘテロジニアス・ネットワークへの本発明の適用]
本発明は、様々な周波数帯、様々な無線技術から構成されるヘテロジニアス・ネットワークの形態への適用が可能である。
以下に、図10及び図11を用いて、ヘテロジニアス・ネットワークへの本発明の適用について説明する。図10は、本発明が利用されるヘテロジニアス・ネットワークの構成の一例を示す図である。図11は、図10におけるヘテロジニアス・ネットワークにおいて建物内での電波の中継方法の一例を示す図であり、(a)はアレーアンテナと建物全景を示し、(b)は建物の各階の詳細を示している。
図10に示すように、ヘテロジニアス・ネットワークは、マクロセルとマクロセル内に位置するスモールセル、スポットセルなどで構成される。
ヘテロジニアス・ネットワークにおけるマクロセルは、数Kmの通信エリアをカバーし、スモールセルは、数百mの通信エリアをカバーし、スポットセルは、数百m内に位置する特定の場所、建物等の通信をカバーするものである。
ヘテロジニアス・ネットワークにおける周波数帯は、通信規格であるLTEの800MHz、1.5GHZ、2GHzなど既存の周波数帯に加え、NR(New Radio)の6GHz未満の周波数帯や6GHz以上の周波数帯などであり、既存の周波数帯とこれよりも高い周波数帯など様々な周波数帯が使用することができる。また、無線技術は、NR、LTE、WiFiなどの通信規格で構成される。
ヘテロジニアス・ネットワークでは、周波数帯や通信エリア等の異なる複数のセルで制御情報とユーザーデータを分離して伝送するようにする。例えば、通信エリアの広いマクロセルで既存周波数帯などで制御信号を扱い(C-planeと称する)、スモールセル、スポットセルでは、広帯域が確保しやすいミリ波等の高い周波数帯でユーザーデータを扱う(U-planeと称する)ようにする。
図10に示すように、マクロセルでは、既存のLTE、NRの6GHz未満の周波数帯、6GHz以上の周波数帯で主に制御信号を扱い(C-plane)、スモールセルでは、NRの6GHz以下の周波数帯、6GHzを超える周波数帯及びWiFiを使用する。また、スポットセルでは、NRの6GHz超える周波数帯やWiFiを使用する。
ヘテロジニアス・ネットワークにおける小型基地局スモールセルのアンテナは、5G用の高い周波数帯(SHF帯、EHF帯等)におけるアンテナ素子の小型化が可能であり、多素子アンテナの位相や振幅を制御して、指向性を持たせたビーム(ビームフォーミング)を作り出す超多素子アンテナ(Massive MIMO)が好適である。
また、スポットセルの超多素子アンテナは、多数のアンテナ素子を協調動作させ、ビームフォーミングして特定の方向に電波を形成する。
スポットセルは、アレーアンテナによってビームフォーミングにより指向性を高めて、例えば、建物に中継用アンテナを設けてスポットセルとの通信を行い、建物内は、高速通信が可能なWiFi(例えば通信規格である802.11ayなど)を使用することにより、ユーザーデータを扱う(U-plane)ことが可能となる。また、ユーザーデータを扱うU-planeは、制御信号を扱うC-planeとセットでの利用に限定せず、ユーザーデータを扱うU-planeだけの通信システムでの利用も可能となる。
図10に示すように、基地局のスポットセルに設けられたアンテナは、5G用の超多素子アンテナに加え小型のWiFi用の(収容可能な)アンテナも設けられている。WiFi用のアンテナを設けることにより、C-planeでの制御信号の通信がない状態で、小型のWiFi用のアンテナでWiFi端末との通信が可能である。
このように、ヘテロジニアス・ネットワークにおける基地局のスポットセルは、5Gの高速通信だけでなく他の通信規格、例えば、WiFiにも対応しており、5GとWiFiの帯域を同時に使用して呼制御を行うことも可能である。
また、ヘテロジニアス・ネットワークでは、基地局のスポットセルの5Gの帯域が逼迫して通信が混雑状態のときには、WiFi帯域のみでの呼制御が可能である。
また、呼制御は、スポットセルでのWiFiの送信(部)を5Gのアレーアンテナの送信に変えてもよく、呼制御の実施形態は、これに限定するものではない。
図10の符号を付したアレーアンテナ5、建物6及び送受信アンテナ61、さらにはその詳細として図11に示すように、本発明においては、アレーアンテナ5からのビームを特定の建物等に絞って制御することにより、アレーアンテナのビーム指向方向を容易に把握可能とするものであり、小型基地局のスポットセルと建物との間をスポットセルのアレーアンテナ5からビームフォーミングした高周波帯の電波で建物の外部に設けた(5G)クライアントモジュールのアンテナ(送受信アンテナ61)とで通信を行い、クライアントモジュールのリピータ62から各階に設けた802.11リピータでユーザーの各室に設けられたWiFi通信機能を有するCATV用コントローラ63とでデータ通信が可能となる。これにより、本発明によってアンテナが施工されるスポットセルは、特定の場所、建物をカバーするのに好適である。
また、ヘテロジニアス・ネットワークでは、小型基地局を多数設置することにより、ユーザーとの通信エリアを広げることができる。
このように、ヘテロジニアス・ネットワークは、電波を発する方向や出力をコントロールして、小さい通信エリアをカバーするスモールセルやスポットセルで通信できる場所は小型基地局にゆだねて、広いエリアはマクロセルがカバーするようにする。こうして、1つ基地局、1つのアンテナがカバーするサービスエリアである基地局(セル)の大きさが異なっても、電波を調節することで、さまざまな大きさのセルが混ぜ合って利用できるような通信ネットワークを形成することができる。
この場合、本発明のアンテナ施工補助方法を利用することにより、通信ネットワークの一部を形成する基地局におけるアレーアンテナのアンテナビームを絞って特定の場所、建物の利用者側に飛ばすよう容易にできるため、基地局の構成及び基地局のアレーアンテナの施工を効率化することにより、基地局の導入コストを下げることができ、新たな設備の導入が容易となる。これにより、5Gの新たな通信ネットワークをさらに普及することが可能となり、通信事業者による5Gのエリア展開が進まない地域においても、独自に5Gシステム(ローカル5G)を構築及び利用することが可能となる。
また、本発明のアンテナ施工補助方法は、高周波通信システムにおける、5Gのユーザーデータを扱うU-planeのみを使用する場合、さらには、5Gに限定せず、アレーアンテナ技術を使うWiFiでの高周波を使用する無線LAN802.11ayでの活用、さらには、広くアレーアンテナ技術を使う通信方式に対して適用することができる。加えて、制御信号を扱うC-planeを不要とする代理応答や専用線に代表される、接続制御なく、リンク確立だけで使える通信方式での利用に対しても適用することができる。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
また、図1に示した機能ブロック図は、本発明のアンテナ施工補助方法に用いるアンテナ施工補助システム1の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態を制限しない。即ち、図中の機能ブロックに対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、さらには、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
1 アンテナ施工補助システム
2 アンテナ施工補助装置
3 可搬性端末
5 アレーアンテナ(アンテナ)
6 建物
7 通信ネットワーク
21 演算部
22 画像認識部
23 ビーム画像形成部
25 放射パターン情報管理部
25a 放射パターン情報DB
26 アンテナ寸法データ管理部
26a アンテナ寸法DB
27 アンテナ外形予備情報管理部
27a アンテナ外形予備情報DB
28 入出力部
31 表示部
32 カメラ部
33 入力部
51 筐体
51a,51b,51c,51d 筐体正面隅部
51e,51f,51g,51h 筐体背面隅部
52 支持ポール
53 取付金具
55 電波放射面
55a,55b,55c,55d 電波放射面隅部
55e 電波放射面中心部
61 送受信アンテナ
62 リピータ
63 CATV用コントローラ
81 画像(の外縁)
82 遷移前画像(の外縁)
83 遷移後画像(の外縁)
91 ビームフォーミング中心軸
91a ローブ理論中心軸
92 電波伝搬範囲(の外縁)
92a 電波伝搬理論範囲(の外縁)
93 ビームフォーミング中心軸到達点
93a ローブ中心軸理論到達点

Claims (14)

  1. 複数個の放射素子が配列されたアンテナについて、前記複数の放射素子の少なくとも一部を所定の信号により励振した場合の放射パターン情報と、
    所望の地点及び角度で設置された前記アンテナの外形の状態からなるアンテナ外形情報と、
    前記アンテナの設置された地点と、
    設置された前記アンテナの電波放射面の向いている方向とから、
    前記所望の地点及び角度で設置された前記アンテナの実際のローブ中心軸となるビームフォーミング中心軸の方向及び/又は電波伝搬範囲を算出することを特徴とするアンテナ施工補助方法。
  2. 前記放射パターン情報は、当該放射パターンにおけるローブの中心軸理論情報及び/又は電波伝搬理論範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ施工補助方法。
  3. 前記ビームフォーミング中心軸の方向は、当該ビームフォーミング中心軸の方位、仰俯角及び/又は到達点であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ施工補助方法。
  4. 前記電波伝搬範囲は、電波伝搬位置ごとの電波強度及び/又は通信速度も含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ施工補助方法。
  5. 前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲は、可搬性端末の表示部に表示可能であることを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  6. 前記可搬性端末は、前記アンテナを撮影可能なカメラ部及び当該カメラ部により撮影した画像を表示可能な前記表示部を備え、
    前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を前記カメラ部より撮影した前記アンテナが設置された前記地点の周辺の風景画像に重畳して表示可能であることを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  7. 前記可搬性端末は、ヘッドアップディスプレイであって、
    前記アンテナを撮影可能なカメラ部及び透過型ディスプレイからなる表示部を備え、
    前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を前記アンテナが設置された前記地点の周辺における前記ヘッドアップディスプレイの使用者の視野に重畳して前記表示部において表示可能であることを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  8. 前記可搬性端末の所在地、前記アンテナの設置された地点、及び、前記カメラ部によって撮影された前記アンテナから得られた前記アンテナ外形情報から、当該アンテナの前記電波放射面の向いている方向を算出することを特徴とする請求項6又は請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  9. 前記アンテナの設置された地点は、前記カメラ部により前記アンテナを撮影した方向を検知又は入力し、かつ、前記カメラ部より撮影された前記アンテナから得られた前記アンテナ外形情報から、前記可搬性端末の所在地からの距離を演算することにより特定することを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  10. 設置された前記アンテナの寸法データと
    前記カメラ部により前記アンテナを撮影することにより得られた前記アンテナ外形情報とにより、前記アンテナの前記電波放射面の向いている方向を演算することを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  11. 設置される前記アンテナについて、各種方向から当該アンテナを予め撮影して、各種方向ごとに関連付けられたアンテナ外形予備情報を管理するアンテナ外形予備情報管理装置を用いて、前記カメラ部により前記アンテナを撮影することにより得られた前記アンテナ外形情報を前記アンテナ外形予備情報に照合して、前記アンテナの向いている方向を算出することを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  12. 前記可搬性端末は、前記表示部において前記アンテナを表示していない状態へと遷移した場合でも、前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を表示可能であることを特徴とする請求項又は請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  13. 前記表示部には、所望の前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲を描画可能であることを特徴とする請求項に記載のアンテナ施工補助方法。
  14. 前記可搬性端末は、描画された所望する前記ビームフォーミング中心軸の方向及び/又は前記電波伝搬範囲に対して、現在の前記アンテナの状態から、必要となる前記アンテナの調整角度、前記アンテナの取付金具の状態調整及び/又は前記複数の放射素子への励振信号の信号調整に係る情報を出力可能であることを特徴とする請求項13に記載のアンテナ施工補助方法。
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