JP7361698B2 - ネコの慢性腎臓疾患のためのバイオマーカー及び分類アルゴリズム - Google Patents

ネコの慢性腎臓疾患のためのバイオマーカー及び分類アルゴリズム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月19日出願の米国仮特許出願第62/619,681号、及び2018年7月14日出願の米国仮特許出願第62/698,046号に対する優先権を主張するものであり、各仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本出願に援用され、またこれらそれぞれに対して優先権が主張される。
本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を決定する方法、並びにネコ科動物に関するCKDのリスクを予防及び/又は低減する方法に関する。
慢性腎臓疾患(CKD)は、慢性腎疾患又は慢性腎不全としても知られ、これは数ヶ月又は数年の期間にわたる腎機能の漸進的喪失である。CKDは、多様な条件及び機序によって引き起こされる可能性があり、ヒトにも他の哺乳類にも影響を与える。CKDは、加齢したネコ科動物の病気及び死の一般的な原因である。重大なダメージが発生する前に治療を開始するために、CKDを可能な限り早期に検出することが重要である。
腎疾患に罹患したネコについて、ネコ及びイヌのCKDの病期分類のためのスキームが、International Renal Interest Society(IRIS)によって開発されている(非特許文献1も参照)。病期分類は、まず空腹時血中クレアチニン濃度に基づいており、これは安定したネコにおいて少なくとも2回評価される。ネコは続いて、タンパク尿及び血圧に基づいて更に病期分類される。しかしながら、CKDのリスクを予測、予防、及び/又は低減する方法に対する需要が、当該技術分野において存在し続けている。
Elliott et al., Dietary therapy for feline chronic kidney disease, Encyclopedia of feline clinical nutrition, 2nd edition, 2015
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのシステムを提供し、上記システムは:プロセッサ;及びコードを保存したメモリを備え、上記コードは、上記プロセッサによって実行されると、上記コンピュータシステムに以下を実施させる:ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意にネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信することであって、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、受信すること;分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に上記年齢の上記入力レベルを、各上記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換することであって、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、上記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、上記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、上記分類アルゴリズムは、ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの上記分類ラベルを決定するハード分類子、及びネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、分析及び変換すること;上記分類ラベル又は上記確率スコアである出力を生成すること;上記出力に基づいて、ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかを決定又はカテゴライズすること;並びに上記決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定すること。
特定の実施形態では、上記コードは更に、上記プロセッサによって実行されると、上記システムに、上記決定又はカテゴライズ及び上記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示させる。
特定の実施形態では:上記システムは、情報を送信及び受信するための通信デバイスを更に備え、上記少なくとも1つの入力レベルは、上記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムから受信され;上記コードは更に、上記プロセッサによって実行されると、上記システムに、上記決定又はカテゴライズ及び上記カスタマイズされた推奨事項を、上記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムに送信させる。
特定の実施形態では、上記システムは、上記出力に基づいて、食事計画のカスタマイズされた推奨事項を提供し、及び/又は上記1つ以上のバイオマーカーを更に監視する。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定する方法を提供し、上記方法は:ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意にネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信するステップであって、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、ステップ;分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に上記年齢の上記入力レベルを、各上記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換するステップであって、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、上記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、上記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、上記分類アルゴリズムは、ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの上記分類ラベルを決定するハード分類子、及びネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、ステップ;上記分類ラベル又は上記確率スコアである出力を生成するステップ;上記出力に基づいて、ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかを決定又はカテゴライズするステップ;並びに上記決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定するステップを実施することによるものである。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクを低減する方法を提供し、上記方法は:ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意にネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信するステップであって、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、ステップ;分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に上記年齢の上記入力レベルを、各上記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換するステップであって、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、上記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、上記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、上記分類アルゴリズムは、ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの上記分類ラベルを決定するハード分類子、及びネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、ステップ;上記分類ラベル又は上記確率スコアである出力を生成するステップ;並びに上記出力に基づいて、食事計画のカスタマイズされた推奨事項を決定する、及び/又は上記1つ以上のバイオマーカーを更に監視するステップを含む。
特定の実施形態では、上記方法は、上記決定又はカテゴライズ、及び上記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するステップを更に含む。
特定の実施形態では:上記少なくとも1つの入力レベルは、通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムから受信され;上記方法は、上記決定又はカテゴライズ及び上記カスタマイズされた推奨事項を、上記通信デバイスを介して上記遠隔の第2のシステムに送信するステップを更に含む。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、命令を保存するコンピュータ可読媒体を提供し、上記命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに、本明細書で開示されている方法のうちのいずれのステップを実行させる。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、上記1つ以上のバイオマーカー及び任意に上記年齢の監視下で、教師あり訓練アルゴリズムを用いて開発される。特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは教師なし訓練アルゴリズムを用いて開発される。
特定の実施形態では、上記少なくとも1つの入力レベルは、異なる複数の時点で測定された上記1つ以上のバイオマーカーの連続測定値を含む。
特定の実施形態では、上記サンプルネコ科動物の第1のセットはCKDと診断されており、また上記サンプルネコ科動物の第2のセットはCKDと診断されていない。特定の実施形態では、上記訓練データセットは交差検証のために、2層以上に層化される。特定の実施形態では、上記訓練データセットは、包含及び/又は除外基準のセットによってフィルタリングされる。
特定の実施形態では、上記訓練アルゴリズムは、ロジスティック回帰、人工ニューラルネットワーク(artificial neural network:ANN)、リカレントニューラルネットワーク(recurrent neural network:RNN)、K最近傍法(K‐nearest neighbor:KNN)、単純ベイズ、サポートベクターマシン(support vector machine:SVM)、ランダムフォレスト、AdaBoost、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択されるアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、上記訓練アルゴリズムは、動的時間伸縮法(dynamic time warping:DTW)を伴うKNNを含む。特定の実施形態では、上記訓練アルゴリズムは、長・短期記憶(long short‐term memory:LSTM)を伴うRNNを含む。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、過剰適合を防止するための5%以上のドロップアウトを含む正則化アルゴリズムを含む。
特定の実施形態では、上記食事計画は、低リン食、低タンパク質食、低ナトリウム食、カリウム補充食、多価不飽和脂肪酸(PUFA)補充食、抗酸化剤補充食、ビタミンB補充食、液状食、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含む。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、及び尿pHに関連する情報を含む。特定の実施形態では、上記方法は、上記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び上記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップを含む。特定の実施形態では、上記方法は、尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含むバイオマーカーの入力レベルと、上記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信するステップを含む。
特定の実施形態では、本明細書で開示される方法のうちのいずれにおいて、上記分類アルゴリズムは標準RNNアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルは、上記ネコ科動物の1回以上の訪問の医療記録に関連する。特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルは、上記ネコ科動物の少なくとも2回の訪問の医療記録に関連する。特定の実施形態では、本明細書で開示される方法のうちのいずれにおいて、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、複数の中間確率スコアの組み合わせから変換され、各上記中間確率スコアは、上記ネコ科動物の1回の訪問の医療記録に関連する上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルに基づいて決定される。
特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の時点における、上記ネコ科動物の、慢性腎臓疾患(CKD)の罹患の状態に関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約1年後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約2年後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。
特定の実施形態では、本明細書で開示される方法のうちのいずれにおいて、上記カスタマイズされた推奨事項は、上記ネコ科動物における併存症の存在を診断することを含む。特定の実施形態では、上記併存症は、甲状腺機能亢進症、真性糖尿病、肝障害、体重不足、心雑音、関節炎、倦怠感、便秘、胃腸炎、嘔吐、炎症性腸疾患、結晶尿、腸炎、尿路感染、上気道疾患、尿路疾患、肥満、不適切な排泄、膀胱炎、大腸炎、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、上記併存症は、甲状腺機能亢進症、真性糖尿病、肝障害、体重不足、心雑音、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定する方法を提供し、上記方法は:上記ネコ科動物の1つ以上のバイオマーカーの量に基づいてスコアを算出するステップ;及び上記スコアを閾値と比較することによって、CKDの発症のリスクを決定するステップを含み、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらのいずれの組み合わせを含む。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクを低減する方法を提供し、上記方法は:上記ネコ科動物の1つ以上のバイオマーカーの量に基づいてスコアを算出するステップ;上記スコアを閾値と比較することによって、CKDの発症のリスクを決定するステップ;並びに上記リスクに基づいて、食事計画を推奨する、及び/又は上記1つ以上のバイオマーカーを更に監視するステップを含み、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらのいずれの組み合わせを含む。
特定の実施形態では、上記食事計画は、低リン食、低タンパク質食、低ナトリウム食、カリウム補充食、多価不飽和脂肪酸(PUFA)補充食、抗酸化剤補充食、ビタミンB補充食、液状食、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。
特定の実施形態では、上記スコアは、各上記バイオマーカーとその係数との積を合計することによって算出される。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーの上記係数は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、上記医療記録は、上記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む。
特定の実施形態では、上記閾値は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、上記医療記録は、上記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、クレアチニン、尿比重、及びBUN(又は尿素)を含む。特定の実施形態では、クレアチニン及びBUN(又は尿素)の量は、ミリグラム/デシリットル(mg/dL)を単位として測定され、尿比重の量は、尿サンプルの密度の、水の密度に対する比率として測定され、ここでクレアチニンの上記係数は約0.004~約0.01であり、尿比重の上記係数は約-5~約-80であり、上記尿素の係数は約0.01~約0.5であり、上記閾値は約-10~約-70であり;上記スコアが上記閾値より大きいことは、CKDのリスクを示す。特定の実施形態では、クレアチニンの上記係数は約0.005~約0.009であり、尿比重の上記係数は約-20~約-50であり、尿素の上記係数は約0.06~約0.12である。特定の実施形態では、上記閾値は約-20~約-50である。
訪問時のネコの年齢に対する、訪問の分布 min‐max正規化及び欠損値補完後のデータセットを含む61,160の記録の階層的クラスタリング及びヒートマッププロット。図2Aは、1223個の外れ値を削除した後のデータセットを示し、予測に使用されることになる6つの特徴が、赤色の長方形で囲まれて示されている。 図2A-1の続き。 min‐max正規化及び欠損値補完後のデータセットを含む61,160の記録の階層的クラスタリング及びヒートマッププロット。図2Bは、予測に使用されることになる6つの特徴のみのヒートマップを示す。 図2B-1の続き。 min‐max正規化及び欠損値補完後のデータセットを含む61,160の記録の階層的クラスタリング及びヒートマッププロット。図2Cは、1223個の外れ値を削除していないヒートマップを示す。 図2C-1の続き。 最も有益な6つの変数の散布図行列。健康なネコ及びCKDネコの訪問を、それぞれ緑色及び赤色のドットで示す。 図3-1の続き。 健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA及びt‐SNEプロット。図4Aは、健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA 2Dプロットを示す。 健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA及びt‐SNEプロット。図4Bは、健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA 3Dプロットを示す。 健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA及びt‐SNEプロット。図4Cは、健康なネコ及びCKDネコの訪問のt‐SNE 2Dプロットを示す。 健康なネコ及びCKDネコの訪問のPCA及びt‐SNEプロット。図4Dは、健康なネコ及びCKDネコの訪問のt‐SNE 3Dプロットを示す。 再帰的特徴消去トップダウンラッパー法による特徴の選択 全ての訓練データを使用した最適なKパラメータ選択 サンプリングされたデータセットの、K=3~17に関する受信者動作特性曲線(ROC曲線)及び精度再現曲線(PR曲線)。図7Aは、サンプリングされたデータセットの、K=3~17に関するPR曲線を示す。 サンプリングされたデータセットの、K=3~17に関する受信者動作特性曲線(ROC曲線)及び精度再現曲線(PR曲線)。図7Bは、サンプリングされたデータセットの、K=3~17に関するROC曲線を示す。 個々の時間的予測因子及び混合エキスパート(Mixture of Experts:MOE)に関するROC曲線及びPR曲線。図8Aは、個々の時間的予測因子及び混合エキスパート(MOE)に関するPR曲線を示す。 個々の時間的予測因子及び混合エキスパート(Mixture of Experts:MOE)に関するROC曲線及びPR曲線。図8Bは、個々の時間的予測因子及び混合エキスパート(MOE)に関するROC曲線を示す。 リカレントニューラルネットワークアーキテクチャ 機械学習プロセスの概略図。図10Aは、RNNアーキテクチャに対する訓練データセットの構造を示す。RNNタイムスライス毎に、一意のネコに関する6つの特徴のベクトルが読み込まれる。 機械学習プロセスの概略図。図10Bは、単一出力RNN(バニラ又はLSTM)に関する訓練スキームを示す。各タイムスライスにおいて、単一の訪問/ネコが読み込まれ、フォワードアクティブ化関数が計算される。最後の訪問において、出力が計算され(二値予測に変換されるCKDの確率)、実際のラベルと比較される。真のラベルと予測との間のいずれの差異を逆伝播することにより、重みを精密化する。この手順は、複数のエポックに対して繰り返され、ここで1つのエポックはデータセットの完全な使用である。 LSTMアーキテクチャ(上)及びバニラRNNアーキテクチャ(下)を、これらの3つのメトリックと共に示す。各構成に関して、第1行はレイヤー毎のノード分布を示し、続く3行は、それぞれF1スコア値、AUC ROC値、及びAUC PR値を示す。パフォーマンスが最高のものが、濃い緑色で囲まれて強調されている。 図11-1の続き。 LSTM(青色の丸)及びバニラRNN(橙色の丸)に関する、ノードの個数の関数としてのF1スコア RNN‐LSTMアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図13Aは、最適な構成(3つのLSTMレイヤー7‐7‐7、及び最後の高密度フィードフォワードレイヤー)のRNN‐LSTMアーキテクチャを示す。 RNN‐LSTMアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図13Bは、AUCが0.93~0.96(全体で0.94)での、5層CVに関するROC曲線を示す。 RNN‐LSTMアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図13Cは、エポックの個数に対する損失関数を示す。 RNN‐LSTMアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図13Dは、AUCが0.89~0.94(全体で0.91)での、5層CVに関するPR曲線を示す。ベースラインパフォーマンスは、CKDクラスのメンバーシップの事前確率(26%であり、星(*)で示されている。 バニラRNNアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図14Aは、バニラRNNアーキテクチャによる代替的な、最適に近い実装形態(3つのRNNレイヤー3‐5‐3、及び最後の高密度フィードフォワードレイヤー)を示す。 バニラRNNアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図14Bは、AUCが0.93~0.95(全体で0.94)での、5層CVに関するROC曲線を示す。 バニラRNNアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図14Cは、エポックの個数に対する損失関数を示す。 バニラRNNアルゴリズムに基づくモデルの特徴。図14Dは、AUCが0.90~0.93(全体で0.91)での、5層CVに関するPR曲線を示す。 リカレントニューラルネットワーク(RNN)アプローチの概略図。標準RNNでは、全ての訪問における入力特徴データ(ここでは例示的な尿比重(尿SG)、年齢、クレアチニン及び血中尿素窒素(BUN))を、それぞれ3個及び7個のノードを有する2つの隠しレイヤーを通して非線形に結合して、過去のCKD確率P(CKD)とマージすることにより、更新されたP(CKD)を得る。この非線形パターンを定義する重み及びアクティブ化関数は、全ての訪問に関して同一である。モデル出力は、最後の訪問におけるP(CKD)である。LSTM(長・短期記憶)アプローチは概念的には類似しているものの、過去の訪問からの情報を現在の訪問情報と結合する際に、過去の訪問からの情報の一部を忘却するための追加の機構を有する。 CKDステータスによって区別された研究データセットにおける、評価時(T0)の年齢、クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重の分布 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKD「CKDなし」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKD「CKDなし」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「恐らくCKD」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「恐らくCKD」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「CKD」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「CKD」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「CKD」。 クレアチニン、血中尿素窒素、及び尿比重に関する観察結果を診断(T0)前の時点の関数として示す、個々のネコの、ランダムに選択された電子健康記録(electronic health record:EHR)。CKDステータス「CKD」。 RNN及びLSTM予測モデルに関するモデルアーキテクチャの関数としてのF1スコア 試験データセットにおける、評価時(T0)に予測された、3つの異なる群に関するモデル確率出力の分布。0.5を超える診断確率p(CKD)は、将来のCKDのリスクの予測を示し、0.5未満の確率は、そのネコに関して将来のCKDのリスクが低いことを予測する。 診断の時点より前の訪問の回数の関数としての、95%信頼区間を有するモデル感度。診断の時点より前の訪問の回数が多くEHRが少ないほど、信頼区間が増大することに留意されたい。 診断の時点より前の訪問の回数の関数としての、95%信頼区間を有するモデル感度。予測はこの点までのデータしか用いずに実施された。 診断時の年齢の関数としての、95%信頼区間を有するモデル特異度
CKDを予測、治療、及び/又は予防する方法に対する需要は、現在まで存在し続けている。本出願は、ネコ科動物のバイオマーカー及び任意に年齢を用いた、慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対するネコ科動物の感受性の決定、並びにネコ科動物に関するCKDの発症のリスクを予防及び/又は低減する方法に関し、上記バイオマーカーは、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)(又は尿素)、白血球数(WBC)、及び尿pHを含むがこれらに限定されない。限定としてではなく分かりやすくするために、本開示の主題の詳細な説明を、以下のサブセクションに分割する:
1.定義;
2.バイオマーカー;
3.試験方法;
4.治療方法;並びに
5.デバイス及びシステム。
1.定義
本明細書中で使用される用語は一般に、当該技術分野内、本発明の文脈内、及び各用語が使用される特定の文脈内での、その通常の意味を有する。本発明の方法及び組成物の説明並びにこれらの作製及び使用方法の説明において、医療従事者に更なるガイダンスを提供するために、特定の用語について以下又は本明細書中の他の箇所で考察する。
本明細書中で使用される場合、単語「a」又は「an」の使用は、請求項及び/又は明細書中の用語「・・・を含む/備える(comprising)」と併用されているときには「1つの(one)」を意味し得るが、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」、及び「1つ又は2つ以上(one or more than one)」の意味とも一致している。更に、用語「・・・を有する(having)」、「・・・を含む(including)」、「・・・を含有する(containing)」及び「・・・を含む/備える(comprising)」は交換可能であり、当業者はこれらの用語が無制限的な用語であることを認識している。
用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、当業者によって決定されるような、特定の値に関する許容可能な誤差範囲内であることを意味し、この誤差範囲は、該値の測定又は決定方法、即ち測定システムの限界に部分的に依存する。例えば「約」は、当該技術分野の慣例に従って、3又は3を超える標準偏差以内を意味することができる。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、及び更に好ましくは1%までの範囲を意味することができる。あるいは、特に生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味することができる。
用語「有効な治療(effective treatment)」又は物質の「有効量(effective amount)」は、有益な又は所望の結果(臨床結果を含む)を実現するために十分な治療又は物質の量を意味し、従って「有効な治療」又は「有効量」は、適用される文脈に依存する。CKDのリスクを低減するための組成物の投与、及び/又はCKDを治療する若しくはその進行を遅らせるための組成物の投与の文脈では、本明細書に記載の組成物の有効量は、CKDを治療及び/又は改善する、並びにCKDの症状を低減する及び/又はCKDの発症の可能性を低減するために十分な量である。本明細書に記載の有効な治療は、CKDを治療及び/又は改善する、並びにCKDの症状を低減する及び/又はCKDの発症の可能性を低減するために十分な治療である。上記低減は、CKDの症状の重篤度又はCKDの可能性の、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%の低減であってよい。有効量は、1回以上の投与で投与できる。本明細書に記載の有効な治療の可能性は、治療が有効である、即ちCKDを治療及び/又は改善する、並びに症状を低減するために十分なものである確率である。
本明細書中で使用される場合、及び当該技術分野において十分に理解されているように、「治療(treatment)」は、有益な又は所望の結果(臨床結果を含む)を得るためのアプローチである。本発明の主題の目的のために、有益な又は所望の臨床結果は、1つ以上の症状の緩和若しくは改善、疾患の程度の低減、疾患の安定した(即ち悪化しない)状態、疾患の予防、疾患の発症の可能性の低減、疾患の進行の遅延、及び/又は疾患状態の改善若しくは緩和を含むがこれらに限定されない。上記低減は、合併症又は症状の重篤度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%の低減であってよい。「治療」は、治療を受けない場合に期待される生存に比べて生存が延長されることも意味することができる。
用語「ペットフード(pet food)」、又は「ペットフード組成物(pet food composition)」、又は「ペットフード製品(pet food product)」、又は「最終ペットフード製品(final pet food product)」は、ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ、鳥類、又はウマ等のコンパニオンアニマルによって消費されることを目的とし、かつこれらのコンパニオンアニマルに特定の栄養的利益を提供する、製品又は組成物を意味する。例えば限定するものではないが、コンパニオンアニマルは、「家庭の(domestic)」イヌ、例えばCanis lupus familiarisであってよい。特定の実施形態では、コンパニオンアニマルは、「家庭の(domestic)」ネコ、例えばFelis domesticusであってよい。「ペットフード」、又は「ペットフード組成物」、又は「ペットフード製品」、又は「最終ペットフード製品」は、いずれの食品、飼料、スナック、食品サプリメント、液体、飲料、おやつ、おもちゃ(噛むことができる及び/若しくは消耗品であるおもちゃ)、食品代替品、又は食品置換品を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「(predetermined reference value)」又は「基準値(reference value)」は、それとの比較によってCKDの診断を実施できる、バイオマーカーの閾値レベルを指す。基準値は、閾値又は基準範囲とすることができる。特定の実施形態では、基準値はROC曲線分析から導出でき、特異度をユーザ定義閾値より上に維持したまま感度を最大化するものとして選択される。受信者動作特性曲、即ちROC曲線は、二値分類器システムの診断能力を示すグラフプロットである。特定の実施形態では、基準値は、感度をユーザ定義閾値より上に、例えば80%の感度に維持したまま特異度を最大化するものとして選択できる。特定の実施形態では、CKDを有する被験者においてバイオマーカーが上昇する場合、即ち所定のアルゴリズムが正の論理である場合、基準値は、健康な被験者の集団から生成されるバイオマーカーレベルの範囲の上限とすることができる。反対に、CKDを有する被験者においてバイオマーカーが低下する場合、即ち所定のアルゴリズムが負の論理である場合、基準値は、健康な被験者の集団から生成されるバイオマーカーレベルの範囲の下限とすることができる。
用語「対照集団(control population)」は、慢性腎臓疾患を有さず、かついずれの変数も操作されていない、ネコ科動物の対照群を意味する。対照群に含まれることになるネコ科動物の選択は、遺伝的背景、平均健康状態、年齢、栄養の履歴、ワクチン接種、及び/又は予防的治療に基づくものであってよい。特定の実施形態では、対照集団は、遺伝的背景、年齢、及び/又は平均健康状態が類似した少なくとも3、好ましくは少なくとも10、又は更に好ましくは少なくとも50頭のネコ科動物の群を含むことができる。
用語「訪問(visit)」は、医療従事者とネコ科動物との間の面会を意味する。特定の実施形態では、訪問中又は訪問後に医療記録が生成される。特定の実施形態では、訪問中に1つ以上のバイオマーカーの量が決定される。特定の実施形態では、訪問中にCKDの診断が実施される。医療従事者は、病院及び/若しくは家、又は他の場所のネコ科動物を訪問できる。飼い主に連れられたネコ科動物は、医院又はオフィスの医療従事者を訪問できる。
用語「尿比重」(尿SG又はUSGとしても公知)は、水の密度に対する尿の密度の比を測定する。これは、尿中の溶質の濃度の尺度であり、腎臓が尿を濃縮する能力に関する情報を提供する。
2.バイオマーカー
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、CKDの発症に対するネコ科動物の感受性を決定するための、バイオマーカー及びその使用方法を提供する。
本明細書中で使用される場合、用語「バイオマーカー(biomarker)」は、関心対象の疾患の発症に関連するいずれの生物学的測定値、パラメータ、又はこれらの組み合わせを指す。特に、CKDを予測するためのバイオマーカーは、CKDの発症に関連する1つ以上の生物学的パラメータである。腎臓疾患の予防及び/又は治療は、バイオマーカーが示すCKDの発症のリスクに応じて調整できる。回復の予測も、バイオマーカーの監視によって決定できる。
特定の実施形態では、バイオマーカーは、少なくとも1つのクレアチニンレベル、少なくとも1つの尿比重レベル、少なくとも1つの血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、又はこれらのいずれの組み合わせを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせを含む。
特定の実施形態では、BUN及び尿素測定値は交換可能である。BUNは尿素の窒素含量(分子量28)しか反映せず、尿素測定値は分子全体(分子量60)を反映するため、尿素測定値はBUN測定値の2.14(60/28)倍である。
特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の尿サンプルの尿比重レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血中の総クレアチニンレベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血清中のクレアチニンレベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血漿中のクレアチニンレベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の尿サンプル中のクレアチニンレベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の尿サンプル中の尿タンパク質レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血中の総尿素レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血清中の尿素レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血漿中の尿素レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の尿サンプル中の尿素レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血中の血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の血中の白血球数(WBC)を含む。特定の実施形態では、バイオマーカーは、ネコ科動物の尿サンプル中の尿pHを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーのレベルの変化は、CKDの発症のリスクの上昇に関連する。
各バイオマーカーを用いて、バイオマーカーのレベルの上昇又は低下により、その特定のバイオマーカーに応じた、CKDの発症に対するネコ科動物の感受性に関する情報を与えることができる。例えば、特定の実施形態では、尿比重のレベルの低下は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、尿比重のレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿比重の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿比重のレベルが低いことは、CKDの発現のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿比重の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿比重のレベルが高いことは、CKDの発現のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿比重の平均レベルは、約1.00~約1.1、約1.01~約1.09、約1.02~約1.08、又は約1.03~約1.07である。特定の実施形態では、対照集団の尿比重の平均レベルは、約1.001~約1.08である。特定の実施形態では、尿比重の所定の基準値は、対照集団の尿比重の平均レベルの範囲の約100%、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約80%、約75%、約70%若しくはそれ未満、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、尿比重の所定の基準値は、対照集団の尿比重の平均レベルの約99.9%~約90%、約95%~約90%、又は約99%~約92%である。特定の実施形態では、尿比重の所定の基準値は、約1.001~約1.08、約1.001~約1.07、約1.001~約1.06、約1.001~約1.05、又は約1.001~約1.04である。特定の実施形態では、ネコ科動物の水分補給状態が、尿比重レベルを調整すると考えられる。
特定の実施形態では、クレアチニンのレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、クレアチニンのレベルの低下は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団のクレアチニンの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、クレアチニンのレベルが高いことは、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、対照集団のクレアチニンの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、クレアチニンのレベルが低いことは、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団のクレアチニンの平均レベルは、約0.5mg/dL~約5mg/dL、約0.8mg/dL~約3mg/dL、約1mg/dL~約2.8mg/dL、又は約1.2mg/dL~約2.2mg/dLである。特定の実施形態では、対照集団のクレアチニンの平均レベルは、約0.8mg/dL~約2.4mg/dLである。特定の実施形態では、クレアチニンの所定の基準値は、対照集団のクレアチニンの平均レベルの約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、約150%、約200%、約250%、約300%、約400%、約500%、若しくはそれより高いパーセンテージ、又はいずれの中間パーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、クレアチニンの所定の基準値は、対照集団のクレアチニンの平均レベルの約100%~約120%、約120%~約150%、約150%~約200%、又は約200%~約500%である。特定の実施形態では、クレアチニンの所定の基準値は、約0.5mg/dL~約3mg/dL、約1mg/dL~約2.4mg/dL、約1mg/dL~約2mg/dL、又は約1.2mg/dL~約1.8mg/dLである。
特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルの低下は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルの低下は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿タンパク質の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿タンパク質のレベルが低いことは、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿タンパク質の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿タンパク質のレベルが高いことは、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルが高いことは、感染症又は腎臓の損傷を示す。特定の実施形態では、過去における尿タンパク質の上昇の発生は、過去の感染、及び/又は腎臓の損傷の高いリスクを示す。特定の実施形態では、現時点での尿タンパク質の上昇は、腎機能の低下及び/又はCKDのリスクが高いことを示す。特定の実施形態では、ネコ科動物は、現在において、所定の基準値に比べて高い尿タンパク質のレベルを呈し、例えば、ネコ科動物の現時点のサンプルにおいて、又はネコ科動物の最近の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約10週、約3か月、若しくは約6か月前までに作成された記録)において、比較的高い尿タンパク質のレベルが見られる。特定の実施形態では、ネコ科動物は、過去において、所定の基準値に比べて高い尿タンパク質のレベルを呈し、例えば、ネコ科動物の過去のサンプルにおいて、又はネコ科動物の過去の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約1か月、約2か月、約3か月、若しくは約6か月より前に作成された記録)において、比較的高い尿タンパク質のレベルが見られる。特定の実施形態では、対照集団の尿タンパク質の平均レベルは、約0mg/dL~約50mg/dL、約0mg/dL~約25mg/dL、約0mg/dL~約10mg/dL、又は約0mg/dL~約5mg/dLである。特定の実施形態では、対照集団の尿タンパク質の平均レベルは、約0mg/dL~約20mg/dLである。特定の実施形態では、尿タンパク質の所定の基準値は、対照集団の尿タンパク質の平均レベルの、少なくとも約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%、約200%、約250%、約300%、約400%、約500%、約1000%、約2000%、約5000%、約10000%、若しくはそれより高いパーセンテージ、又はいずれの中間パーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、尿タンパク質の所定の基準値は、対照集団の尿タンパク質の平均レベルの約100%~約200%、約200%~約500%、又は約200%~約1000%である。特定の実施形態では、尿タンパク質の所定の基準値は、約0.001mg/dL~約100mg/dL、約1mg/dL~約80mg/dL、約5mg/dL~約70mg/dL、約10mg/dL~約60mg/dL、又は約20mg/dL~約50mg/dLである。
特定の実施形態では、BUN又は尿素のレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、BUN又は尿素のレベルの低下は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団のBUN又は尿素の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、BUN又は尿素のレベルが高いことは、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、対照集団のBUN又は尿素の平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、BUN又は尿素のレベルが低いことは、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団のBUNの平均レベルは、約5mg/dL~約100mg/dL、約10mg/dL~約50mg/dL、約15mg/dL~約40mg/dL、又は約20mg/dL~約30mg/dLである。特定の実施形態では、対照集団のBUNの平均レベルは、約16mg/dL~約36mg/dLである。特定の実施形態では、対照集団の尿素の平均レベルは、約10.7mg/dL~約214mg/dL、約21.4mg/dL~約107mg/dL、約32.1mg/dL~約85.6mg/dL、又は約42.8mg/dL~約64.2mg/dLである。特定の実施形態では、対照集団の尿素の平均レベルは、約34.24mg/dL~約77.04mg/dLである。特定の実施形態では、BUN又は尿素の所定の基準値は、対照集団のBUN又は尿素の平均レベルの約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、約150%、約200%、約250%、約300%、約400%、約500%、若しくはそれより高いパーセンテージ、又はいずれの中間パーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、BUN又は尿素の所定の基準値は、対照集団のBUN又は尿素の平均レベルの約100%~約120%、約120%~約150%、約150%~約200%、又は約200%~約500%である。特定の実施形態では、BUNの所定の基準値は、約10mg/dL~約100mg/dL、約15mg/dL~約90mg/dL、約20mg/dL~約80mg/dL、約30mg/dL~約70mg/dL、約40mg/dL~約70mg/dL、又は約40mg/dL~約60mg/dLである。特定の実施形態では、尿素の所定の基準値は、約21.4mg/dL~約214mg/dL、約32.1mg/dL~約192.6mg/dL、約42.8mg/dL~約171.2mg/dL、約64.2mg/dL~約149.8mg/dL、約85.6mg/dL~約149.8mg/dL、又は約85.6mg/dL~約128.4mg/dLである。
特定の実施形態では、WBCのレベルの低下は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、WBCのレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、WBCのレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、WBCのレベルの低下は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、WBCを予測モデルによって使用することにより、他の感染症を除外できる。特定の実施形態では、WBCを予測モデルによって使用することにより、過去の感染症を将来のリスクに関連付けることができる。特定の実施形態では、WBCを予測モデルによって使用することにより、脱水レベルを理解して、他のバイオマーカーの値を正規化できる。特定の実施形態では、機械学習プロセスによって生成される予測モデルは、訪問に応じたWBC数、他のバイオマーカーの現時点及び/又は過去の値を解釈できる。特定の実施形態では、対照集団のWBCの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、WBCのレベルが高いことは、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、WBCのレベルが高いことは、感染症又は腎臓の損傷を示す。特定の実施形態では、過去におけるWBCの上昇の発生は、過去の感染、及び/又は腎臓の損傷の高いリスクを示す。特定の実施形態では、現時点でのWBCの上昇は、腎機能の低下及び/又はCKDのリスクが高いことを示す。特定の実施形態では、ネコ科動物は、現在において、所定の基準値に比べて高いWBCのレベルを呈し、例えば、ネコ科動物の現時点のサンプルにおいて、又はネコ科動物の最近の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約10週、約3か月、若しくは約6か月前までに作成された記録)において、比較的高いWBCのレベルが見られる。特定の実施形態では、ネコ科動物は、過去において、所定の基準値に比べて高いWBCのレベルを呈し、例えば、ネコ科動物の過去のサンプルにおいて、又はネコ科動物の過去の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約1か月、約2か月、約3か月、若しくは約6か月より前に作成された記録)において、比較的高いWBCのレベルが見られる。特定の実施形態では、対照集団のWBCの平均レベルは、約1×10/L~約60×10/L、約2×10/L~約50×10/L、約5×10/L~約30×10/L、約6×10/L~約20×10/L、又は約8×10/L~約16×10/Lである。特定の実施形態では、対照集団のWBCの平均レベルは、約5.5×10/L~約19.5×10/Lである。特定の実施形態では、WBCの所定の基準値は、対照集団のWBCの平均レベルの約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約140%、約150%、約200%、約250%、約300%、約400%、約500%、若しくはそれより高いパーセンテージ、又はいずれの中間パーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、WBCの所定の基準値は、対照集団のWBCの平均レベルの約100%~約120%、約120%~約150%、約150%~約200%、又は約200%~約500%である。特定の実施形態では、WBCの所定の基準値は、約2×10/L~約100×10/L、約5×10/L~約80×10/L、約10×10/L~約70×10/L、約20×10/L~約60×10/L、又は約30×10/L~約50×10/Lである。特定の実施形態では、対照集団のWBCの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、WBCのレベルが低いことは、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、WBCの所定の基準値は、対照集団のWBCの平均レベルの約100%、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約60%、約50%、若しくはそれ未満、又はいずれの中間パーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、WBCの所定の基準値は、対照集団のWBCの平均レベルの約100%~約90%、約80%~約60%、又は約60%~約40%である。
ネコ科特定の実施形態では、尿pHのレベルの低下は、CKDの発症のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、尿pHのレベルの上昇は、CKDの発症のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿pHの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿pHのレベルが低いことは、CKDの発現のリスクの上昇を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿pHの平均レベルに基づく所定の基準値と比較して、尿pHのレベルが高いことは、CKDの発現のリスクの低下を示す。特定の実施形態では、対照集団の尿pHの平均レベルは、約4~約8.5、約5~約8、約5.2~約7.5、又は約6~約7である。特定の実施形態では、対照集団の尿pHの平均レベルは、約5.5~約7.5である。特定の実施形態では、尿pHの所定の基準値は、対照集団の尿pHの平均レベルの範囲の約100%、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約60%、約50%若しくはそれ未満、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲である。特定の実施形態では、尿pHの所定の基準値は、対照集団の尿pHの平均レベルの約100%~約80%、約80%~約60%、又は約60%~約40%である。特定の実施形態では、尿pHの所定の基準値は、約3~約8、約4~約7.5、約4.5~約7、約4.5~約6.5、約5~約6.5、又は約5~約6である。特定の実施形態では、ネコ科動物の食品及びネコ科動物の尿サンプルの取り扱いが、尿比重レベルを調整すると考えられる。
特定の実施形態では、バイオマーカーのレベルの上昇又は低下は、現時点で検出され、例えば、ネコ科動物の現時点のサンプルにおいて、又はネコ科動物の最近の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約10週、約3か月、若しくは約6か月前までに作成された記録)において、バイオマーカーのレベルの上昇又は低下が見られる。特定の実施形態では、ネコ科動物は、過去において、バイオマーカーのレベルの上昇又は低下を呈し、例えば、ネコ科動物の過去のサンプルにおいて、又はネコ科動物の過去の医療記録(例えば本明細書で開示される方法のうちのいずれか1つを実施する約1週、約2週、約1か月、約2か月、約3か月、若しくは約6か月より前に作成された記録)において、尿タンパク質のレベルの上昇又は低下が見られる。
一般に、バイオマーカーに関する平均レベルの範囲は、健康かつ正常な集団の80~90%以上を占めることができる。従って、該集団の約5~10%は、平均/正常範囲の上端より高い値を有することができ、該集団の別の約5~10%は、平均/正常範囲の下端より低い値を有することができる。しかしながら、これらの値は、特定のネコ科動物については正常であり得る。特定の実施形態では、バイオマーカーの実際の範囲及び有効性は、各実験室又は試験によって、平均/正常範囲を決定するための機械、及び/又は平均/正常範囲を決定するために試験されるネコ科動物の集団に応じて決定できる。更に、実験室での試験は、サンプルの取り扱い及び機械の保守/較正の影響を受ける可能性がある。機械の更新によっても、正常範囲の変化が発生する可能性がある。これらの因子のいずれの1つを、各バイオマーカーの平均レベル及び/又は所定の基準値の調整に関して考慮できる。
特定の実施形態では、バイオマーカーは、少なくとも1つの更なるバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、実施例1の表1において同定されているバイオマーカーである。特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、リン酸及び副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)、対称ジメチルアルギニン(symmetric dimethylarginine:SDMA)、収縮期血圧、カリウム、総カルシウム、ヒアルロン酸、細胞死受容体5、トランスフォーミング増殖因子β1、フェリチン、βグロビン、カタラーゼ、αグロビン、上皮成長因子受容体経路基質8、ムチンアイソフォーム前駆体、エズリン、δグロビン、モエシン、リンタンパク質アイソフォーム、アネキシンA2、ミオグロビン、ヘモペキシン、セリンプロテアーゼ阻害剤、セルピンペプチダーゼ阻害剤、CD14抗原前駆体、フィブロネクチンアイソフォームプレタンパク質、アンジオテンシノーゲンプレタンパク質、補体成分前駆体、炭酸脱水酵素、ウロモジュリン前駆体、補体因子H、補体成分4BP、ヘパラン硫酸プロテオグリカン2、オルファクトメジン‐4、ロイシンリッチα2糖タンパク質、RINGフィンガータンパク質167、インターα(グロブリン)阻害剤H4、ヘパラン硫酸プロテオグリカン2、N‐アシルスフィンゴシンアミノヒドロラーゼ、セリンプロテアーゼ阻害剤クレードAメンバー1、ムチン1、クラステリンアイソフォーム1、brain abundant membrane attached signal protein 1、ジペプチダーゼ1、フィブロネクチン1アイソフォーム5プレタンパク質、アンジオテンシノーゲンプレタンパク質、炭酸脱水酵素、ウロモジュリン前駆体、メタロプロテイナーゼ阻害剤2、インスリン様成長因子結合タンパク質7、免疫グロブリンA、免疫グロブリンG1、免疫グロブリンG2、α‐1アンチトリプシン、血清アミロイドP成分、肝細胞成長因子、細胞間接着分子1、β‐2糖タンパク質1、インターロイキン‐1β、好中球エラスターゼ、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー11B、インターロイキン‐11、カテプシンD、C‐Cモチーフケモカイン24、C‐X‐Cモチーフケモカイン6、C‐Cモチーフケモカイン13、C‐X‐Cモチーフケモカイン‐1、‐2及び‐3、マトリリシン、インターロイキン‐2受容体α鎖、インスリン様成長因子結合タンパク質3、マクロファージコロニー刺激因子1、アポリポタンパク質C‐I、アポリポタンパク質C‐II、フィブリノゲンα鎖、フィブリノゲンA‐α鎖、キニノゲン、インターα阻害剤H4(ITIH4)、ケラチンI型細胞骨格10、シスタチンA、シスタチンB、並びにこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。例えば米国公開特許第2012/0077690号明細書、米国公開特許第2013/0323751号明細書、欧州公開特許第3,112,871号明細書、欧州公開特許第2,462,445号明細書、及び欧州公開特許第3,054,301号明細書を参照。
特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、ネコ科動物の血中に存在する。特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、ネコ科動物の血清中に存在する。特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、ネコ科動物の血漿中に存在する。特定の実施形態では、少なくとも1つの更なるバイオマーカーは、ネコ科動物の尿中に存在する。
特定の実施形態では、バイオマーカーの所定の基準値は、対照集団の試験サンプルにおけるバイオマーカーの平均量に基づくものであってよい。対照集団は、遺伝的背景、年齢、及び平均健康状態が類似した、少なくとも3、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも50頭のネコ科動物の群とすることができる。
特定の実施形態では、バイオマーカーの所定の基準値は、対照集団のバイオマーカーの平均レベルの約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、又は約1%未満とすることができる。特定の実施形態では、バイオマーカーの所定の基準値は、対照集団の血中のバイオマーカーの平均レベルの約110%超、約120%超、約130%超、約140%超、約150%超、約160%超、約170%超、約180%超、約190%超、約200%超、約250%超、約300%超、約400%超、約500%超、約600%超、約700%超、約800%超、約900%超、又はそれより高いパーセンテージとすることができる。
特定の実施形態では、ネコ科動物の体内のバイオマーカーの量は、当該技術分野で公知のいずれの手段によって検出及び定量できる。特定の実施形態では、クレアチニン、尿タンパク質、WBC、尿素及び/又はBUNのレベルは、蛍光法又はルミネッセンス法で決定される。特定の実施形態では、クレアチニン、尿タンパク質、WBC、尿素及び/又はBUNのレベルは、抗体ベースの検出法、例えば酵素結合免疫吸着法(enzyme‐linked immunosorbent assay:ELISA)、例えばサンドイッチELISAによって決定される。特定の実施形態では、尿タンパク質のレベルは、尿アルブミン抗体を用いて決定される。特定の実施形態では、尿比重のレベルは、屈折率測定、水分測定、及び試薬ストリップによって測定できる。特定の実施形態では、尿pHのレベルは、pH試験ストリップ、又はpHメータ及びpHプローブによって測定できる。特定の実施形態では、WBCのレベルは、フローサイトメトリーによって測定できる。
特定の実施形態では、他の検出法、例えば他の分光法、クロマトグラフィ法、標識技法、又は定量化学法を使用できる。特定の実施形態では、ネコ科動物からのバイオマーカーのレベル、及び該バイオマーカーの所定の基準値は、同一の方法で決定される。
3.試験方法
本開示の主題は、慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対するネコ科動物の感受性を決定するための試験方法、並びにネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症を予防する、及び/又は発症のリスクを低減する方法を提供する。
特定の非限定的な実施形態では、上記方法は:ネコ科動物の体内の1つ以上のバイオマーカーの量を取得するステップ;及び上記1つ以上のバイオマーカーそれぞれの上記量を、所定の基準値と比較するステップを含む。特定の実施形態では、上記所定の基準値は、対照集団のサンプルにおけるバイオマーカーの平均量に基づく。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、クレアチニン、尿比重、及びBUN又は尿素を含む。特定の実施形態では、第1の所定の基準値を超えるクレアチニンの量、第2の所定の基準値を超える尿比重の量、及び第3の所定の基準値を超えるBUN又は尿素の量は、CKDのリスクを示す。特定の実施形態では、上記第1の所定の基準値は、約0.5mg/dL~約3mg/dL、約1mg/dL~約2.4mg/dL、約1mg/dL~約2mg/dL、又は約1.2mg/dL~約1.8mg/dLである。特定の実施形態では、上記第2の所定の基準値は、約1.001~約1.08、約1.001~約1.07、約1.001~約1.06、約1.001~約1.05、又は約1.001~約1.04である。特定の実施形態では、BUNの測定値を使用する場合、上記第3の所定の基準値は、約10mg/dL~約100mg/dL、約15mg/dL~約90mg/dL、約20mg/dL~約80mg/dL、約30mg/dL~約70mg/dL、約40mg/dL~約70mg/dL、又は約40mg/dL~約60mg/dLである。特定の実施形態では、尿素の測定値を使用する場合、上記第3の所定の基準値は、約21.4mg/dL~約214mg/dL、約32.1mg/dL~約192.6mg/dL、約42.8mg/dL~約171.2mg/dL、約64.2mg/dL~約149.8mg/dL、約85.6mg/dL~約149.8mg/dL、又は約85.6mg/dL~約128.4mg/dLである。
特定の非限定的な実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素、白血球数(WBC)、及び/又は尿pHを含む。特定の実施形態では、第1の所定の基準値を超えるクレアチニンの量、第2の所定の基準値を超える尿比重の量、第3の所定の基準値を超えるBUN又は尿素の量、第4の所定の基準値を超える尿タンパク質の量、第5の所定の基準値を超えるWBCの量、及び第6の所定の基準値未満の尿pHの量は、CKDのリスクを示す。特定の実施形態では、上記第1の所定の基準値は、約0.5mg/dL~約3mg/dL、約1mg/dL~約2.4mg/dL、約1mg/dL~約2mg/dL、又は約1.2mg/dL~約1.8mg/dLである。特定の実施形態では、上記第2の所定の基準値は、約1.001~約1.08、約1.001~約1.07、約1.001~約1.06、約1.001~約1.05、又は約1.001~約1.04である。特定の実施形態では、BUNの測定値を使用する場合、上記第3の所定の基準値は、約10mg/dL~約100mg/dL、約15mg/dL~約90mg/dL、約20mg/dL~約80mg/dL、約30mg/dL~約70mg/dL、約40mg/dL~約70mg/dL、又は約40mg/dL~約60mg/dLである。特定の実施形態では、尿素の測定値を使用する場合、上記第3の所定の基準値は、約21.4mg/dL~約214mg/dL、約32.1mg/dL~約192.6mg/dL、約42.8mg/dL~約171.2mg/dL、約64.2mg/dL~約149.8mg/dL、約85.6mg/dL~約149.8mg/dL、又は約85.6mg/dL~約128.4mg/dLである。特定の実施形態では、上記第4の所定の基準値は、約0.001mg/dL~約100mg/dL、約1mg/dL~約80mg/dL、約5mg/dL~約70mg/dL、約10mg/dL~約60mg/dL、又は約20mg/dL~約50mg/dLである。特定の実施形態では、上記第5の所定の基準値は、約2×10/L~約100×10/L、約5×10/L~約80×10/L、約10×10/L~約70×10/L、約20×10/L~約60×10/L、又は約30×10/L~約50×10/Lである。特定の実施形態では、上記第6の所定の基準値は、約3~約8、約4~約7.5、約4.5~約7、約4.5~約6.5、約5~約6.5、又は約5~約6である。
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物に関する慢性腎臓疾患(CKD)のリスクを予測する方法は:上記ネコ科動物から得られたサンプルからの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルを受信するステップ;分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベルを分析及び変換するステップ;並びに出力を生成するステップを含む。特定の実施形態では、ネコ科動物に関する慢性腎臓疾患(CKD)のリスクを予測する方法は:上記ネコ科動物から得られたサンプルからの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び上記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップ;分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び上記年齢の上記入力レベルを分析及び変換するステップ;並びに出力を生成するステップを含む。特定の実施形態では、上記方法は更に、決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定するステップを含む。特定の実施形態では、コードは、プロセッサによって実行されると、システムに、上記決定又はカテゴライズ及びカスタマイズされた推奨事項をグラフィカルユーザインタフェース上に表示することを、更に実施させる。特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記年齢は、本明細書で開示される方法を実施する際の年齢である。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む。特定の実施形態では、上記バイオマーカーは更に、実施例1の表1から選択される1つ以上のパラメータを含む。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に上記年齢の上記入力レベルを分析及び変換する上記ステップは、各上記入力レベルを編成及び修正するステップを含む。特定の実施形態では、上記少なくとも1つの入力レベルは正規化される。特定の実施形態では、上記少なくとも1つの入力レベルは、上記1つ以上のバイオマーカーの複合レベルへと変換される。特定の実施形態では、上記年齢の上記入力レベルは、上記年齢の複合レベルへと変換される。特定の実施形態では、上記少なくとも1つの入力レベルは、上記ネコ科動物の生物学的情報、例えば体重、年齢、身長、医療履歴、品種等に応じて変換及び/又は調整される。特定の実施形態では、上記少なくとも1つの入力レベルは、異なる複数の時点において測定された、上記1つ以上のバイオマーカーの連続した測定値を含む。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含む。特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、機械学習技法、例えば訓練アルゴリズムを用いて開発される。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、上記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの分類ラベルを決定するハード分類子、又は上記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子である。
特定の実施形態では、上記出力は、上記分類ラベル又は上記確率スコアである。
特定の実施形態では、データを取得する上記ステップは、上記ネコ科動物からのサンプルにおける上記1つ以上のバイオマーカーそれぞれの量を測定するステップを含む。特定の実施形態では、試験サンプルからデータを取得する上記ステップは、上記データを決定するために、上記ネコ科動物からのサンプルにおける上記1つ以上のバイオマーカーそれぞれの量を測定した第三者から、データを受信するステップを含む。特定の実施形態では、固体からのサンプルは、血液サンプル又は尿サンプルである。
特定の実施形態では、上記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカーと、サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカーとの両方に関する医療情報を含む。特定の実施形態では、上記サンプルネコ科動物の第1のセットはCKDと診断されており、また上記サンプルネコ科動物の第2のセットはCKDと診断されていない。特定の実施形態では、上記訓練データセットは、CKDと診断されたネコ科動物及びCKDと診断されていないネコ科動物からのバイオマーカーの量を含む。特定の実施形態では、上記第1の複数のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、及びこれらのいずれの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、上記第1の複数のバイオマーカーは、本出願で開示されているバイオマーカーのうちのいずれの1つを含む。特定の実施形態では、上記第2の複数のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、及びこれらのいずれの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、上記第2の複数のバイオマーカーは、本出願で開示されているバイオマーカーのうちのいずれの1つを含む。
特定の実施形態では、上記データが、CKDのリスクを意味するものとして分類される場合、上記ネコ科動物は、上記データが低いCKDのリスクを意味するものとして分類される場合に比べて、CKDの発症の可能性が高いと予測される。
特定の非限定的な実施形態では、慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対するネコ科動物の感受性を決定する上記方法は:上記ネコ科動物の複数のバイオマーカーの量、及び任意に上記ネコ科動物の年齢を含むデータを取得するステップ;並びに分析アルゴリズム、例えば分類アルゴリズム、即ち分類子によって、上記データに対する分析を実施するステップを含む。特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムによって開発される。特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発される。
特定の非限定的な実施形態では、動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対するネコ科動物の感受性を決定する方法は:
ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルを受信し、また任意にネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップであって、上記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせを含む、ステップ;
分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、上記1つ以上のバイオマーカーの上記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に上記年齢の上記入力レベルを、各上記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換するステップであって、上記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、上記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢とに関する医療情報を含み、上記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、
ここで上記分類アルゴリズムは、上記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの分類ラベル、又は上記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定する、ステップ;
上記分類ラベル又は上記確率スコアである出力を生成するステップ;
上記出力に基づいて、カスタマイズされた推奨事項、例えば食事計画を決定する、及び/又は上記1つ以上のバイオマーカーを更に監視するステップ;並びに
上記出力及び/又は上記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するステップ
を含む。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含む。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、及び尿pHに関連する情報を含む。
特定の実施形態では、上記方法は、上記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び上記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップを含む。
特定の実施形態では、上記方法は、上記ネコ科動物の:尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含むバイオマーカーの入力レベル;並びに年齢の入力レベルを受信するステップを含む。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、ロジスティック回帰アルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム(ANN)、リカレントニューラルネットワークアルゴリズム(RNN)、K最近傍法アルゴリズム(KNN)、単純ベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム(SVM)、ランダムフォレストアルゴリズム、AdaBoostアルゴリズム、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択されるアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、正則化アルゴリズムを含む。特定の実施形態では、正則化アルゴリズムは過剰適合を防止する。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、入力レイヤー、出力レイヤー、及び隠しレイヤーを備える、標準RNNアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、RNNは、バニラノード及び/又はレイヤーを含む。特定の実施形態では、RNNは、長・短期記憶(LSTM)ノード及び/又はレイヤーを含む。特定の実施形態では、RNNは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、又はそれより多数の隠しレイヤーを備える。特定の実施形態では、RNNは、約1~約3、約2~約4、約3~約5、約5~約10、約1~約4、約1~約5、又は約2~約6の隠しレイヤーを備える。
特定の実施形態では、各レイヤーは、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500のノード、又はいずれの中間の個数若しくは範囲のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約2~約10、約2~約20、約3~約30、約2~約50、約3~約100、約4~約200、約5~約300、約10~約500、約2~約1000、約4~約500のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約5~約300のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約6~約250のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約7~約200のノードを備える。特定の実施形態では、隠しレイヤーは、tanh活性化関数を備える。
特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルは、上記ネコ科動物の1回以上の訪問の医療記録に関連する。特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルは、上記ネコ科動物の少なくとも約2回の訪問、少なくとも約3回の訪問、少なくとも約4回の訪問、少なくとも約5回の訪問、少なくとも約6回の訪問、少なくとも約7回の訪問、少なくとも約8回の訪問、少なくとも約9回の訪問、少なくとも約10回の訪問、又はそれより多数の訪問の医療記録に関連する。特定の実施形態では、上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルは、上記ネコ科動物の約1回の訪問~約10回の訪問、約2回の訪問~約10回の訪問、約3回の訪問~約10回の訪問、約1回の訪問~約5回の訪問、約1回の訪問~約3回の訪問、約2回の訪問~約5回の訪問、約3回の訪問~約5回の訪問の医療記録に関連する。
特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、複数の中間確率スコアの組み合わせから変換され、各上記中間確率スコアは、上記ネコ科動物の1回の訪問の医療記録に関連する上記ネコ科動物の上記バイオマーカー及び上記年齢の上記入力レベルに基づいて決定される。
特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の時点における、上記ネコ科動物の、慢性腎臓疾患(CKD)の罹患の状態に関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。
特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、又はそれより長期間後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、又はそれより長期間後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。
特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約1か月~約12か月、約1か月~約6か月、約1か月~約3か月、約3か月~約12か月、約6か月~約12か月、約3か月~約6か月後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。特定の実施形態では、上記分類ラベル又は上記確率スコアは、上記分類ラベル又は上記確率スコアの上記決定の約1年~約5年、約1年~約3年、約1年~約2年、約2年~約5年、約2年~約3年、約3年~約5年後の、上記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する。
特定の実施形態では、上記カスタマイズされた推奨事項は、上記ネコ科動物における併存症の存在を診断することを含む。特定の実施形態では、上記併存症は、甲状腺機能亢進症、真性糖尿病、肝障害、体重不足、心雑音、関節炎、倦怠感、便秘、胃腸炎、嘔吐、炎症性腸疾患、結晶尿、腸炎、尿路感染、上気道疾患、尿路疾患、肥満、不適切な排泄、膀胱炎、大腸炎、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、上記併存症は、甲状腺機能亢進症、真性糖尿病、肝障害、体重不足、心雑音、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される
特定の実施形態では、上記ネコ科動物はイエネコである。
訓練データセット
本開示の主題においては、訓練データセットは、複数のネコ科動物の医療記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、ネコ科動物の、本明細書で開示されているバイオマーカーの量、及び任意に年齢を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の1回以上の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の少なくとも2回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における少なくとも3回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における少なくとも4回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における直近の2回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における直近の3回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における直近の4回の訪問の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、あるネコ科動物の、異なる時点における最初の訪問及び最後の訪問の記録を含む。
特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約100頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約100頭の異なるネコ科動物の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約200頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約200頭の異なるネコ科動物の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約500頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約500頭の異なるネコ科動物の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約1000頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約1000頭の異なるネコ科動物の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約2000頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約2000頭の異なるネコ科動物の記録を含む。特定の実施形態では、上記医療記録は、CKDと診断された少なくとも約5000頭の異なるネコ科動物、及びCKDと診断されていない少なくとも約5000頭の異なるネコ科動物の記録を含む。
特定の実施形態では、上記訓練データセットは、交差検証のために層化される。交差検証は、どのようにして訓練アルゴリズムの結果(例えば分類アルゴリズム)を独立したデータセットに一般化できるかを評価するプロセスである。訓練データセットは、2重以上に分割又は層化でき、ここで1つ以上のサブセットを用いて、1つ以上の異なるサブセットによって訓練された分類アルゴリズムを検証する。特定の実施形態では、訓練データセットは約2層に層化される。特定の実施形態では、訓練データセットは約3層に層化される。特定の実施形態では、訓練データセットは約4層に層化される。特定の実施形態では、訓練データセットは約5層に層化される。特定の実施形態では、訓練データセットは約6層、約7層、約8層、約9層、約10層、約15層、約20層、約30層、約40層、約50層、又はそれより多数に層化される。
特定の実施形態では、上記訓練データセットは、異なる複数の予測モデルのためのサブセットに分割される。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問中に既にCKDと診断されている個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後3か月以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後6か月以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後9か月以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後12か月以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後2年以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後3年以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後4年以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、あるサブセットは、所与の訪問後5年以上以内にCKDと診断された個体に対応する測定値を含む。特定の実施形態では、訓練データセットは、上で開示されている1つ以上のサブセットを含むサブセットに分割される。
特定の実施形態では、あるネコ科動物の記録が、1つ以上のバイオマーカーの量若しくはレベルを含まない、及び/又は年齢を含まない場合、上記1つ以上のバイオマーカーの量若しくはレベル及び/又は年齢は補完される。特定の実施形態では、この補完は、ランダムフォレスト実装を用いて実施される。
特定の実施形態では、訓練データセットは、包含及び除外基準のセットによってフィルタリングされる。特定の実施形態では、あるネコ科動物の訪問回数は、2回以上、3回以上、4回以上、又は5回以上である(例えば血液又は尿のデータを必ずしも伴わない)。特定の実施形態では、訪問の医療履歴は、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、又はそれより長い期間をカバーする。特定の実施形態では、ネコ科動物の訪問年齢は、約1~約25年、約1.5~約22年、約2~約20年(例えば全ての訪問を平均して19.5年未満)である。
特定の実施形態では、ネコ科動物の品種は所定の品種である。ネコに関しては、品種は、ドメスティックショートヘア(domestic short hair:DSH)、ドメスティックミディアムヘア(domestic medium‐haired:DMH)、ドメスティックロングヘア(domestic long‐haired:DLH)、又は一般的な雑種ネコとすることができる。
特定の実施形態では、ネコ科動物の記録は、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、又はそれより長期間にわたる、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ以上のクレアチニン測定値を含む。特定の実施形態では、ネコ科動物の記録は、CKDの診断前の約3年、約3.5年、約4年、約4.5年、約5年、約5.5年、約6年、約6.5年、約7年、約7.5年、約8年、約8.5年、約9年、又はそれより長期間以内の、少なくとも1つのクレアチニン測定値を含む。特定の実施形態では、診断されていない状態で2年以上経過した、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年、約5年、約5.5年、約6年、約6.5年、約7年、約7.5年、約8年、約8.5年、約9年、又はそれより長期間以内の、少なくとも1つのクレアチニン測定値を含む。
機械学習アルゴリズム
特定の実施形態では、機械学習アルゴリズムは:(例えばロジスティック回帰を用いた、バックプロパゲーションニューラルネットワークを用いた)教師あり学習;(例えばAprioriアルゴリズムを用いた、K-meansクラスタリングを用いた)教師なし学習;半教師あり学習、(例えばQ学習アルゴリズムを用いた、時間差学習を用いた)強化学習;及び他のいずれの好適な学習スタイルのうちのいずれの1つ以上の学習スタイルを有する、アルゴリズムを含む。
特定の実施形態では、機械学習アルゴリズムは:回帰アルゴリズム(例えば通常の最小二乗法、ロジスティック回帰、段階的回帰、多変量適応回帰スプライン、局所推定散布図平滑化等);インスタンスベースの方法(例えばK最近傍法、学習ベクター量子化、自己組織化マップ等);正則化法(例えばリッジ回帰、最小絶対収縮及び選択演算子、エラスティックネット等);決定木学習法(例えば分類及び回帰木、Iterative Dichotomiser 3、C4.5、カイ二乗自動相互作用決定、決定株、ランダムフォレスト、多変量適応回帰スプライン、勾配ブースティングマシン等);ベイジアン法(例えば単純ベイズ、平均化1依存推定器、ベイジアンビリーフネットワーク(Bayesian belief network)等);カーネル法(例えばサポートベクターマシン、放射基底関数、線形判別分析等);クラスタリング法(例えばK平均法、期待値最大化等);関連規則学習アルゴリズム(例えばAprioriアルゴリズム、Eclatアルゴリズム等);人工ニューラルネットワークモデル(例えばパーセプトロン法、逆伝播法、ホップフィールドネットワーク法、自己組織化マップ法、学習ベクター量子化法等);深層学習アルゴリズム(例えば制限付きボルツマンマシン、ディープビリーフネットワーク(Deep Belief Network)法、畳み込みネットワーク法、積層自己符号化器法等);次元削減法(例えば主成分分析、部分的最小二乗回帰、サモンマッピング、多次元尺度構成、射影追跡等);アンサンブル法(例えばブースティング、ブートストラップアグリゲーティング、AdaBoost、スタッキング、勾配ブースティングマシン法、ランダムフォレスト法等);条件付き確率場アルゴリズム;及びいずれの好適な形式のアルゴリズムのうちのいずれの1つ以上を含む。
特定の実施形態では、分類アルゴリズムは、教師あり学習アルゴリズムを用いて訓練される。特定の実施形態では、分類アルゴリズムは、ロジスティック回帰アルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム(ANN)、リカレントニューラルネットワークアルゴリズム(RNN)、K最近傍法アルゴリズム(KNN)、単純ベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム(SVM)、ランダムフォレストアルゴリズム、AdaBoostアルゴリズム、及びこれらの組み合わせから選択されるアルゴリズムを用いて訓練される。特定の実施形態では、分類アルゴリズムは正則化アルゴリズムである。特定の実施形態では、正則化アルゴリズムは過剰適合を防止する。
特定の実施形態では、分類アルゴリズムは、KNN‐動的時間伸縮法(DTW)を用いて訓練される。特定の実施形態では、1つ以上のバイオマーカー及び/又は年齢は、例えばピアソンの相関係数を用いて、フィルタリング法によって選択される。特定の実施形態では、1つ以上のバイオマーカー及び/又は年齢トップダウンラッパー法KNN‐DTWによって選択される。特定の実施形態では、Kは7であり、例えば7個の近傍を用いる。特定の実施形態では、1つ以上のバイオマーカー及び/又は年齢はボトムアップラッパー法によって選択される。特定の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素、白血球数(WBC)及び/又は尿pHを含む。特定の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、表1及び9の1つ以上のパラメータを含む。特定の実施形態では、分類アルゴリズムを、訓練データセットの層化されたサブセットを用いて訓練することにより、予測因子が生成され、この予測因子は、ある訪問(この訪問中に1つ以上のバイオマーカーの量を決定する)から様々な期間だけ後におけるCKDの発症のリスクを予測する。特定の実施形態では、予測因子は、バイオマーカーの量の決定の約0か月、約3か月、約6か月、約9か月、又は約12か月後のCKDの発症のリスクを予測するように生成される。特定の実施形態では、予測因子は、バイオマーカーの量の決定の約0年、約0.5年、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、又はそれより長期間だけ後のCKDの発症のリスクを予測するように生成される。特定の実施形態では、混合エキスパート(MOE)アプローチを採用して分類アルゴリズムを訓練する。ここでは、複数の予測因子のアンサンブルを、例えば単純な投票又は重み付き投票によって組み合わせる。特定の実施形態では、分類アルゴリズムはKNNアルゴリズムを用いて訓練され、ここでKは少なくとも約7である。特定の実施形態では、分類アルゴリズムはKNNアルゴリズムを用いて訓練され、ここでKは少なくとも約13である。特定の実施形態では、分類アルゴリズムはKNNアルゴリズムを用いて訓練され、ここでKは約15である。特定の実施形態では、分類アルゴリズムはKNNアルゴリズムを用いて訓練され、ここでKは約17である。
特定の実施形態では、上記分類アルゴリズムは、入力レイヤー、出力レイヤー、及び隠しレイヤーを備えるRNNアルゴリズムを用いて訓練される。特定の実施形態では、RNNは、バニラノード及び/又はレイヤーを含む。特定の実施形態では、RNNは、長・短期記憶(LSTM)ノード及び/又はレイヤーを含む。特定の実施形態では、RNNは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、又はそれより多数の隠しレイヤーを備える。特定の実施形態では、RNNは、約1~約3、約2~約4、約3~約5、約5~約10、約1~約4、約1~約5、又は約2~約6の隠しレイヤーを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500のノード、又はいずれの中間の個数若しくは範囲のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約2~約50、約3~約100、約4~約200、約5~約300、約10~約500、約2~約1000、約4~約500のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約5~約300のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約6~約250のノードを備える。特定の実施形態では、各レイヤーは、約7~約200のノードを備える。特定の実施形態では、隠しレイヤーは、tanh活性化関数を備える。特定の実施形態では、出力レイヤーはソフトマックス関数を含む。特定の実施形態では、損失の算出のために二値交差エントロピーを使用できる。特定の実施形態では、分類アルゴリズムは、過剰適合を防止するための正則化アルゴリズムを含む。特定の実施形態では、正則化アルゴリズムは、過剰適合を回避するために、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のドロップアウトを発生させる。特定の実施形態では、正則化アルゴリズムは、過剰適合を回避するために、約5%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、又は約30%~約40%のドロップアウトを発生させる。
特定の実施形態では、後続のステップは、機械学習アルゴリズムを評価又は検証するステップを含むことができる。例えばこの評価/検証に基づいて、機械学習アルゴリズムを更新できる。特定の実施形態では、訓練データセットは、交差検証のために、約2層、約3層、約4層、約5層、約6層、約7層、約8層、約9層、約10層、約20、約30層、約40層、約50層若しくはそれより多数、又はいずれの中間の個数へと層化される。
特定の実施形態では、分類アルゴリズムのパフォーマンスは、約0.50~約0.99の曲線下面積(AUC)を特徴とする。特定の実施形態では、分類アルゴリズムのパフォーマンスは、約0.60~約0.99の曲線下面積(AUC)を特徴とする。特定の実施形態では、分類アルゴリズムのパフォーマンスは、約0.70~約0.99の曲線下面積(AUC)を特徴とする。特定の実施形態では、分類アルゴリズムのパフォーマンスは、約0.80~約0.99の曲線下面積(AUC)を特徴とする。特定の実施形態では、分類アルゴリズムのパフォーマンスは、約0.80~約0.95の曲線下面積(AUC)を特徴とする。
線形法
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)のリスクを予測する方法は:上記ネコ科動物の1つ以上のバイオマーカーの量に基づいてスコアを算出するステップ;及び上記スコアを閾値と比較するステップを含む。特定の実施形態では、上記スコアは、各上記バイオマーカーとその係数との積を合計することによって算出される。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーの上記係数は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(LDA)を適用することによって決定され、上記医療記録は、上記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む。特定の実施形態では、上記閾値は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(LDA)を適用することによって決定され、上記医療記録は、上記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む。特定の実施形態では、上記スコアが上記閾値より大きいことは、CKDのリスクを示す。特定の実施形態では、上記スコアが上記閾値より小さいことは、CKDのリスクを示す。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、クレアチニン、尿比重、及び/又はBUN若しくは尿素を含む。特定の実施形態では、クレアチニンの量は、ミリグラム/デシリットル(mg/dL)を単位として測定される。特定の実施形態では、尿比重の量は、尿サンプルの密度の、水の密度に対する比率として測定される。特定の実施形態では、BUN又は尿素の測定値は、ミリグラム/デシリットル(mg/dL)を単位として測定される。
特定の実施形態では、クレアチニンの係数は、約0.000001~約10、約0.00001~約1、約0.00005~約0.5、約0.0001~約0.10、又は約0.0005~約0.05である。特定の実施形態では、クレアチニンの係数は、約0.001~約0.02、約0.002~約0.015、約0.003~約0.012、約0.004~約0.01、約0.005~約0.009、約0.0055~約0.0085、約0.0057~約0.0083、又は約0.006~約0.007である。特定の実施形態では、クレアチニンの係数は、約0.0057、約0.0058、約0.0061、約0.0068、約0.0069、又は約0.0083である。
特定の実施形態では、尿比重の係数は、約-0.01~約-1000、約-0.05~約-500、約-0.1~約-300、又は約-0.5~約-200である。特定の実施形態では、尿比重の係数は、約-1~約-100、約-5~約-80、約-10~約-70、約-15~約-60、約-20~約-50、約-25~約-45、又は約-30~約-40である。特定の実施形態では、クレアチニンの係数は、約-25.7343、約-36.9897、約-40.0563、約-44.3369、約-47.042、又は約-49.9186である。
特定の実施形態では、尿素の係数は、約0.00001~約100、約0.0001~約10、約0.0005~約5、約0.001~約1、又は約0.005~約0.8である。特定の実施形態では、尿素の係数は、約0.01~約0.5、約0.02~約0.4、約0.03~約0.3、約0.04~約0.2、約0.05~約0.15、約0.06~約0.12、約0.07~約0.11、又は約0.08~約0.1である。特定の実施形態では、尿素の係数は、約0.0659、約0.1044、約0.1077、約0.1085、約0.1137、又は約0.1182である。特定の実施形態では、BUNの測定値を使用する場合、尿素の係数を2.14倍する。
特定の実施形態では、上記スコアは、以下の式によって算出される:
スコア=クレアチニンの測定値×クレアチニンの係数+尿比重の測定値×尿比重の係数+BUN又は尿素の測定値×BUN又は尿素の係数
特定の実施形態では、閾値は、約-0.01~約-1000、約-0.05~約-500、約-0.1~約-300、又は約-0.5~約-200である。特定の実施形態では、閾値は、約-1~約-100、約-5~約-80、約-10~約-70、約-15~約-60、約-20~約-50、約-25~約-45、又は約-30~約-40である。特定の実施形態では、閾値は、約-38.7128、約-22.603、約-34.8051、約-42.7709、約-45.625、又は約-48.7966である。
特定の実施形態では、上記閾値、並びにクレアチニン、尿比重、及び尿素の係数は、実施例4の表19に従って選択される。特定の実施形態では、BUNの測定値を使用する場合、尿素の係数を2.14倍する。
特定の実施形態では、上記スコアが上記閾値より大きいことは、CKDのリスクを示す。特定の実施形態では、上記スコアが上記閾値より小さいことは、CKDのリスクがないことを示す。
特定の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの量の決定の約0か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約18か月及び/又は約24か月後のCKDのリスクを予測する。特定の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの量の決定の約0年、約0.5年、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、及び/又はそれより長期間だけ後のCKDの発症のリスクを予測する。
4.治療方法
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)を治療する、予防する、又はCKDの発症のリスクを低減する方法を提供する。特定の実施形態では、上記方法は、ネコ科動物の飼い主に、ネコ科動物に関するCKDを治療又は予防するための食事計画を提供するステップを含む。
本開示の主題の組成物及び方法は、多様なネコ科動物、例えばイエネコに対して有用であり得る。
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物は慢性腎臓疾患のリスクを有する。
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物は、慢性腎臓疾患のリスクを有することが知られていない。
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物は慢性腎臓疾患と診断されている。
特定の非限定的な実施形態では、ネコ科動物は、慢性腎臓疾患を有することが知られていない。
本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)を治療する、予防する、又はCKDの発症のリスクを低減する方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示されている予測方法のいずれを用いて、上記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかを決定するステップを含み、上記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有する場合、上記方法は、本出願で開示されている1つ以上のバイオマーカーの更なる分析を含む。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーの上記更なる分析は、上記ネコ科動物からのサンプル中の上記1つ以上のバイオマーカーの量を決定するステップを含む。特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素、白血球数(WBC)及び/又は尿pHを含む。特定の実施形態では、上記方法は更に、本出願で開示されている予測方法のいずれを用い、また上記ネコ科動物の上記バイオマーカーの新たに得られた測定値と、任意に年齢とを用いた、CKDの発症のリスクの再分析を含む。
特定の実施形態では、上記1つ以上のバイオマーカーは、対称ジメチルアルギニン(SDMA)、尿比重及び/又はクレアチニンを含む。特定の実施形態では、上記方法は更に、上記ネコ科動物がCKDを有するかどうかを診断するステップを含む。いずれの標準的なCKD診断方法、例えばInternational Renal Interest Society(IRIS)によって開発された病期分類方法を使用できる(www.iris-kidney.com;Elliott et al., Dietary therapy for feline chronic kidney disease, Encyclopedia of feline clinical nutrition, 2nd edition, 2015も参照)。特定の実施形態では、上記診断方法は、以下の実施例3及び/又は表17に記載の病期分類基準に従ったものである。
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)を治療又は予防する方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示されている予測方法のいずれを用いて、上記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかを決定するステップを含み、上記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有すると決定された場合、上記方法は更に、上記ネコ科動物に対して治療計画を処方するステップを含む。
特定の実施形態では、上記治療計画は、食事療法、血液透析、腎代替療法、腎臓損傷性化合物の回収、腎臓移植、腎臓損傷性の手順の遅延又は回避、利尿剤投与の修正、及びこれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの治療計画を含む。特定の実施形態では、上記治療計画は、リン酸塩摂取量の低減、タンパク質摂取量の低減、多価不飽和脂肪酸の投与、リン酸結合剤療法の投与、カリウムの投与、食事性ナトリウム摂取量の低減、アルカリサプリメントの投与、及びこれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの治療計画を含む。例えば、 Jonathan D. Foster, Update on Mineral and Bone Disorders in Chronic Kidney Disease, Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2016 Nov;46(6):1131‐49を参照。
特定の実施形態では、上記治療計画は食事療法である。特定の実施形態では、上記食事療法は:低リン食;低タンパク質食;低ナトリウム食;カリウム補充食;ポリ不飽和脂肪酸(PUFA、例えば長鎖オメガ3脂肪酸)補充食;抗酸化剤補充食;ビタミンB補充食;液状食;及びこれらの組み合わせから選択される食事を含む。
特定の実施形態では、低リン食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.01%~約5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1%、約0.05%~約2%、又は約0.5%~約1.5%のリンを含む。特定の実施形態では、低リン食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%のリン酸塩、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のリン酸塩を含む。特定の実施形態では、低リン食は、約0.1g/1000kcal、約0.2g/1000kcal、約0.3g/1000kcal、約0.4g/1000kcal、約0.5g/1000kcal、約0.6g/1000kcal、約0.7g/1000kcal、約0.8g/1000kcal、約0.9g/1000kcal、約1.0g/1000kcal、約1.1g/1000kcal、約1.2g/1000kcal、約1.3g/1000kcal、約1.4g/1000kcal、約1.5g/1000kcal、約1.6g/1000kcal、約1.7g/1000kcal、約1.8g/1000kcal、約1.9g/1000kcal、約2.0g/1000kcal、約2.1g/1000kcal、約2.2g/1000kcal、約2.5g/1000kcal、約2.8g/1000kcal、約3.0g/1000kcal、約3.5g/1000kcal、約4g/1000kcal、約5g/1000kcal、約10g/1000kcal、約15g/1000kcal、約20g/1000kcal、又はいずれの中間の量若しくは範囲のリン酸塩を含む。特定の実施形態では、低リン食は、約0.1g/1000kcal~約0.5g/1000kcal、約0.5g/1000kcal~約1.0g/1000kcal、約1.0g/1000kcal~約2.0g/1000kcal、約2.0g/1000kcal~約5.0g/1000kcal、約0.01g/1000kcal~約0.1g/1000kcal、約0.05g/1000kcal~約1.0g/1000kcal、約0.1g/1000kcal~約1g/1000kcal、約0.1g/1000kcal~約2g/1000kcal、約1g/1000kcal~2g/1000kcalのリン酸塩を含む。特定の実施形態では、低リン食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.5%(例えば乾燥腎臓病食に関して約1.2g/1000kcal、又は湿潤腎臓病食に関して約1.0g/1000kcal)のリン酸塩を含む。特定の実施形態では、低リン食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.9又は1%(例えば乾燥腎臓病食に関して約1.8g/1000kcal、又は湿潤腎臓病食に関して約2.3g/1000kcal)のリン酸塩を含む。
特定の実施形態では、低ナトリウム食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.00001%~約5%、約0.0001%~約1%、約0.001%~約0.1%、又は約0.001%~約0.05%のナトリウムを含む。特定の実施形態では、低ナトリウム食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%のナトリウム、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のナトリウムを含む。特定の実施形態では、低ナトリウム食は、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約3mg/kg/日、約4mg/kg/日、約5mg/kg/日、約6mg/kg/日、約7mg/kg/日、約8mg/kg/日、約9mg/kg/日、約10mg/kg/日、約15mg/kg/日、約20mg/kg/日、約30mg/kg/日、約40mg/kg/日、約50mg/kg/日、約60mg/kg/日、約70mg/kg/日、約80mg/kg/日、約90mg/kg/日、約100mg/kg/日、約120mg/kg/日、約150mg/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲のナトリウムを含む。特定の実施形態では、低ナトリウム食は、約1mg/1000kcal~約50mg/1000kcal、約2mg/1000kcal~約20mg/1000kcal、約5mg/1000kcal~約50mg/1000kcal、約1mg/1000kcal~約10mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約5mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約10mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約20mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約40mg/1000kcal、約10mg/1000kcal~20mg/1000kcalのナトリウムを含む。特定の実施形態では、低ナトリウム食は、約0.4~約0.9mmol/kg/日、又は約9.2~約20.7mg/kg/日のナトリウムを含む。特定の実施形態では、低ナトリウム食は、約2mmol/kg/日、又は約46mg/kg/日のナトリウムを含む。
特定の実施形態では、カリウム補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するカリウムに加えて、約0.00001%~約5%、約0.0001%~約1%、約0.001%~約0.1%、又は約0.001%~約0.05%のカリウムサプリメントを含む。特定の実施形態では、カリウム補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するカリウムに加えて、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%、若しくはそれより多量のカリウムサプリメント、又はペットフード中に存在するカリウムに加えて、いずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のカリウムサプリメントを含む。特定の実施形態では、カリウム補充食は、ペットフード中に存在するカリウムに加えて、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約3mg/kg/日、約4mg/kg/日、約5mg/kg/日、約6mg/kg/日、約7mg/kg/日、約8mg/kg/日、約9mg/kg/日、約10mg/kg/日、約15mg/kg/日、約20mg/kg/日、約30mg/kg/日、約40mg/kg/日、約50mg/kg/日、約60mg/kg/日、約70mg/kg/日、約80mg/kg/日、約90mg/kg/日、約100mg/kg/日、若しくはそれより多量、又はいずれの中間の量若しくは範囲のカリウムサプリメントを含む。特定の実施形態では、カリウム補充食は、ペットフード中に存在するカリウムに加えて、約1mg/1000kcal~約10mg/1000kcal、約2mg/1000kcal~約20mg/1000kcal、約5mg/1000kcal~約50mg/1000kcal、約1mg/1000kcal~約10mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約5mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約10mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約20mg/1000kcal、約0.1mg/1000kcal~約40mg/1000kcal、約10mg/1000kcal~20mg/1000kcalのカリウムサプリメントを含む。
特定の実施形態では、低タンパク質食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.0001%~約20%、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.05%~約2%、又は約0.01%~約1%のタンパク質を含む。特定の実施形態では、低タンパク質食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%のタンパク質、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のタンパク質を含む。特定の実施形態では、低タンパク質食は、約1g/kg/日、約2g/kg/日、約3g/kg/日、約4g/kg/日、約5g/kg/日、約6g/kg/日、約7g/kg/日、約8g/kg/日、約9g/kg/日、約10g/kg/日、約15g/kg/日、約20g/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲のタンパク質を含む。特定の実施形態では、低タンパク質食は、約1g/kg/日~約20g/kg/日、約1g/kg/日~約50g/kg/日、約2g/kg/日~約30g/kg/日、約2g/kg/日~約10g/kg/日、約2g/kg/日~約8g/kg/日、約5g/kg/日~約20g/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲のタンパク質を含む。特定の実施形態では、低タンパク質食は、約4~約6g/kg/日、又は約5~約5.5g/kg/日のタンパク質を含む。
特定の実施形態では、PUFA補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するPUFAに加えて、約0.01%~約30%、約0.1%~約20%、約1%~約10%、約0.1%~約5%、又は約1%~約10%のPUFAサプリメントを含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するPUFAに加えて、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、若しくはそれより多量のPUFAサプリメント、又はペットフード中に存在するPUFAに加えて、いずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲のPUFAサプリメントを含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、ペットフード中に存在するPUFAに加えて、約0.1g/kg/日、約0.5g/kg/日、約1g/kg/日約1g/kg/日、約2g/kg/日、約3g/kg/日、約4g/kg/日、約5g/kg/日、約6g/kg/日、約7g/kg/日、約8g/kg/日、約9g/kg/日、約10g/kg/日、約15g/kg/日、約20g/kg/日、約30g/kg/日、約40g/kg/日、約50g/kg/日、約60g/kg/日、約70g/kg/日、約80g/kg/日、約90g/kg/日、約100g/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲のPUFAサプリメントを含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、ペットフード中に存在するPUFAに加えて、約0.1g/kg/日~約20g/kg/日、約1g/kg/日~約100g/kg/日、約2g/kg/日~約200g/kg/日、約5g/kg/日~約150g/kg/日、約10g/kg/日~約100g/kg/日、約5g/kg/日~約50g/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲のPUFAサプリメントを含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、n‐6 PUFA(例えば植物油)を含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、n‐3 PUFA(例えば魚油)を含む。特定の実施形態では、PUFA補充食は、エイコサペンタエン酸(EPA)及び/又はドコサヘキサエン酸(DHA)を含む。
特定の実施形態では、抗酸化剤補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在する抗酸化剤に加えて、約0.001%~約5%、約0.01%~約1%、約0.01%~約2%、約0.1%~約1%、又は約1%~約5%の抗酸化剤サプリメントを含む。特定の実施形態では、抗酸化剤補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在する抗酸化剤に加えて、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約3%、約4%、約5%、若しくはそれより多量の抗酸化剤サプリメント、又はいずれの中間のパーセンテージ若しくは範囲の抗酸化剤サプリメントを含む。特定の実施形態では、抗酸化剤補充食は、ペットフード中に存在する抗酸化剤に加えて、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約3mg/kg/日、約4mg/kg/日、約5mg/kg/日、約6mg/kg/日、約7mg/kg/日、約8mg/kg/日、約9mg/kg/日、約10mg/kg/日、約15mg/kg/日、約20mg/kg/日、約30mg/kg/日、約40mg/kg/日、約50mg/kg/日、約60mg/kg/日、約70mg/kg/日、約80mg/kg/日、約90mg/kg/日、約100mg/kg/日若しくはそれより多量、又はいずれの中間の量若しくは範囲の抗酸化剤サプリメントを含む。特定の実施形態では、抗酸化剤補充食は、ペットフード中に存在する抗酸化剤に加えて、約1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約1mg/kg/日~約100mg/kg/日、約2mg/kg/日~約200mg/kg/日、約5mg/kg/日~約150mg/kg/日、約10mg/kg/日~約100mg/kg/日、約5mg/kg/日~約50mg/kg/日、又はいずれの中間の量若しくは範囲の抗酸化剤サプリメントを含む。特定の実施形態では、抗酸化剤は、ビタミンE、ビタミンC、タウリン、カロテノイド、フラバノール、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、フラバノールは、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキンガレート、プロシアニジン、タンニン、又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。特定の実施形態では、抗酸化剤補充食は、高いフラバノール濃度を有する植物、例えばココア、ブドウ、及び緑茶を含む。
特定の実施形態では、ビタミンB補充食は、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン若しくはニコチンアミドリボシド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、若しくはピリドキサミン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(コバラミン、例えばシアノコバラミン若しくはメチルコバラミン)、又はこれらのいずれの組み合わせを含む。特定の実施形態では、ビタミンB補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するビタミンBに加えて、約0.001%~約2%、約0.01%~約1%、約0.05%~約1%、約0.001%~約0.1%、又は約0.01%~約0.2%のビタミンBを含む。特定の実施形態では、ビタミンB補充食は、ペットフードの重量を基準とした重量で、ペットフード中に存在するビタミンBに加えて、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、若しくはそれより多量のビタミンB、又は中間のパーセンテージ若しくは範囲のビタミンBを含む。特定の実施形態では、ビタミンB補充食は、ペットフード中に存在するビタミンBに加えて、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約3mg/kg/日、約4mg/kg/日、約5mg/kg/日、約6mg/kg/日、約7mg/kg/日、約8mg/kg/日、約9mg/kg/日、約10mg/kg/日、約15mg/kg/日、約20mg/kg/日、約30mg/kg/日、約40mg/kg/日、約50mg/kg/日、約60mg/kg/日、約70mg/kg/日、約80mg/kg/日、約90mg/kg/日、約100mg/kg/日、若しくはそれより多量、又は中間の量若しくは範囲のビタミンBサプリメントを含む。特定の実施形態では、ビタミンB補充食は、ペットフード中に存在するビタミンBに加えて、約1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約1mg/kg/日~約100mg/kg/日、約2mg/kg/日~約200mg/kg/日、約5mg/kg/日~約150mg/kg/日、約10mg/kg/日~約100mg/kg/日、約5mg/kg/日~約50mg/kg/日、又は中間の量若しくは範囲のビタミンBサプリメントを含む。
特定の実施形態では、食事療法は、当該技術分野におけるいずれの食事療法であってよい。例えば、Elliott et al., Dietary therapy for feline chronic kidney disease, Encyclopedia of feline clinical nutrition, 2nd edition, 2015、及びElliott et al., Chronic renal disease: the importance of nutrition, Encyclopedia of feline clinical nutrition, 2nd edition, 2015を参照。
5.デバイス、システム、及びアプリケーション
特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題はまた、例えばネコ科動物のCKDの発症に対する感受性を決定するため又はCKDの発症のリスクを低減するための、本出願で開示されている1つ以上の方法のためのデバイス、システム、及びアプリケーションを提供する。上記デバイス、システム、及び/又はアプリケーションにより、世話人又は飼い主等のユーザは、自力でCKDの発症のリスクを評価して行動を起こすことができ、又は医療専門家/獣医師の助けを借りて、ネコ科動物のCKDの発症のリスクを評価し、必要に応じてネコ科動物に好適な治療を投与できる。
特定の実施形態では、あるデバイスを用いて、本出願で開示されている1つ以上の方法を実施する。特定の実施形態では、上記デバイスは、ユーザ入力を受け取るよう構成される。特定の実施形態では、上記ユーザ入力は、本出願で開示されている方法の入力情報、例えば1つ以上のバイオマーカーのレベルを受信するステップによる、ネコ科動物の複数のバイオマーカーのレベルと、任意にネコ科動物の年齢の入力レベルとを含む。特定の実施形態では、上記複数のバイオマーカーは、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素、白血球数(WBC)、又は尿pHを含む。特定の実施形態では、上記デバイスは、本出願で開示されている方法の分析及び変換ステップ、例えば確率スコア又は分類ラベルを導出するために、1つ以上のバイオマーカーの入力情報と、任意に年齢の入力レベルとを、分析及び変換するステップを、自動的に(又要求に応じて)実施する。特定の実施形態では、上記分析及び変換ステップは、本出願で開示されているいずれの方法に従って開発される分類アルゴリズムを用いて実施される。この分析は、ネコ科動物におけるCKDの発症のリスクの分類を提供して、出力情報を提供する。
特定の実施形態では、上記デバイスは、ステップ(b)の出力を伴うメッセージを提供する。特定の実施形態では、上記メッセージは警告を含み、この場合、上記ネコ科動物はCKDの発症のリスクを有すると判断されている。特定の実施形態では、1つ以上の上記方法の結果を上記デバイスによってユーザインタフェースに提供する。特定の実施形態では、デバイスは、本出願で開示されている治療/予防方法に従った治療/予防の提案の推奨事項、例えば食事及び/又は食事計画を提供する。
特定の実施形態では、上記デバイスは、要求される目的のために特別に構築されていてよく、又はコンピュータに保存されたコンピュータプログラム/アプリケーションによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを含んでよい。特定の実施形態では、上記コンピュータプログラム/アプリケーションは、本明細書で開示されている方法のうちのいずれの1つを実施するためのコードを含む。このようなコンピュータプログラム/アプリケーションは、コンピュータ可読記憶媒体に保存でき、このコンピュータ可読記憶媒体は例えば:読み取り専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);EPROM;EEPROM;フラッシュメモリ;磁気若しくは光カード;フロッピーディスク、光ディスク、CD‐ROM、及び光磁気ディスクを含むいずれのタイプのディスク;又は電子的な命令の保存に好適な、コンピュータシステムの相互接続子にそれぞれ連結された、いずれのタイプの媒体であるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、上記デバイスは、アプリケーションを実行するプロセッサを備え、上記アプリケーションは、上記デバイスに、入力情報を受信するステップ並びに分析及び変換ステップに関連するユーザ入力のエントリのためのデータフィードを提供させる。特定の実施形態では、上記アプリケーションは、上記プロセッサを用いて、バイオマーカーの測定後の特定の期間におけるネコ科動物のCKDの発症のリスクを評価する。特定の実施形態では、上記アプリケーションは、本出願で開示されているいずれの1つ以上の方法を実施するために、例えばオンラインで、簡単にナビゲートできるアプリケーションである。
特定の実施形態では、上記デバイスは、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又はパーソナルデジタルアシスタントである。特定の実施形態では、上記デバイスは、スマートフォン及びタブレット等の移動体デバイスである。
特定の実施形態では、本出願で開示されている、ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかを決定する1つ以上の方法のためのシステムも提供される。特定の実施形態では、上記システムは、本出願で開示されている遠隔地のデバイスに接続されたデータベースを備える。特定の実施形態では、上記デバイスは、本出願で開示されている1つ以上の方法による決定を評価する分析を実行する、プロセッサを備える。特定の実施形態では、上記システム及び/又は上記デバイスは更に、情報を送信及び受信するための通信デバイスを備える。特定の実施形態では、バイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び任意に年齢の入力レベルは、上記通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムから受信される。特定の実施形態では、上記システム及び/又は上記デバイスは、上記決定又はカテゴライズ、及びカスタマイズされた推奨事項を、上記通信デバイスを介して上記遠隔の第2のシステムへと送信する。
以下の記述から明らかなように、特段の記載がない限り、本記載全体を通して、「処理する(processing)」、又は「計算する(computing)」、又は「算出する(calculating)」、又は「決定する(determining)」、又は「表示する(displaying)」、又は「分析する(analyzing)」等の用語を用いた記述は、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの動作及びプロセスであって、上記動作及びプロセスは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の、物理(電子)量として表現されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又は他の上述のような情報記憶、送信、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表現される他のデータへと変換する、動作及びプロセスを指すことを理解されたい。
本明細書中で提示されているアルゴリズム及びディスプレイは、いずれの特定のコンピュータ又は他のデバイスに本質的に関連付けられたものではない。様々な汎用のシステムを、本明細書中の教示によるアプリケーションと共に使用してよく、又は要求された方法の動作を実施するために更に特化されたデバイスを構成すると便利であることが分かっている場合もある。これらの多様なシステムの構造は、これ以前の説明から明らかであろう。更に、本発明の実施形態は、いずれの特定のプログラミング言語を参照して説明されてはおらず、従って多様なプログラミング言語を用いて様々な実施例を実装できる。本出願で開示されている方法及び食事/食事計画の全ての好ましい特徴及び/又は実施形態が、上記デバイス、上記システム、及び上記アプリケーションに適用される。
限定としてではなく本発明の例示として提供される以下の実施例を参照することにより、本開示の主題はよりよく理解されるだろう。
実施例1
獣医データベースの70,000頭を超えるネコからの600,000を超えるデータポイントを用いて、予測モデルを構築及び検証した。慣用の方法で測定された血液及び尿パラメータからの情報を使用した。上記モデルは、数千のコンピュータコアを数百時間にわたって使用して、健康なままのネコ及びCKDを発症したネコの血液及び尿の化学的性質のパターンを学習した。続いてこの知見を、上記モデルによる観察の対象である新たなネコそれぞれに適用し、そのネコがCKDの発症のリスクを有するかどうかを、過去の症例又は対照と類似しているかどうかに基づいて予測する。
方法
包含/除外基準
データに関する基本的な包含基準は、以下の通りである:
1.データベース中の訪問回数が、あるネコに関して3回以上である(いずれの血液又は尿データを必ずしも伴わない)こと;
2.訪問期間が2年以上であること、即ちあるネコが少なくとも2年間観察されている(いずれの血液又は尿データを必ずしも伴わない)こと;
3.訪問年齢が1.5~22歳である(年齢が、全ての訪問の平均で19.5年未満である)こと;
4.品種が、ドメスティックショートヘア(DSH)、ドメスティックミディアムヘア(DMH)、又はドメスティックロングヘア(DLH)、即ち一般的な雑種ネコであること;
5.少なくとも2年にわたって少なくとも3回のクレアチニン測定(これらの測定の一部は、最後の2年において「健康な」ネコに関するものである場合、又はCKD症例としての診断後、データセット中にない場合がある);及び
6.診断前6.5年以内、又は診断されていない年を2年以上有する6.5年以内の、少なくとも1つのクレアチニン測定。これにより、上記モデルが少なくとも1つのクレアチニンデータポイントを観察したことが保証される。
更なる基準は、以下の通りである:
1.特定のモデルでは、訪問が少なくとも3回のネコだけが3.5年の診断ウィンドウ内のクレアチニン値を含むようにする、又は健康なデータのカットオフを可能とするために、データをフィルタリングした。更にフェーズ3により、1回及び2回の訪問でモデルが更に良好な予測を行うのを支援するために、1又は2回の訪問をデータセットに入れた。
2.特定のモデルのデータは、データベースのネコのうちのランダムな半分を使用し、訓練と試験とのためにこれらを再びランダムに半分に分割した。
3.特定のモデルのネコは、そのペットIDによって順次、即ち時間経過に沿った3つの連続する番号毎に2つが訓練データとなるように、訓練セット又は盲検セットへとランダムに割り当てられた。残りは盲検に使用された。特定のモデルは、データベース中の全ての適切なネコを使用した。
4.特定のモデルに関して、約18,500頭のネコが、医療ノートの採点と、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、及び尿比重(尿SG又はUSG)値のヒューリスティックな分析との組み合わせから、「リスクあり」として同定されたため、対照から分離された。これについては以下で詳述する。次に訓練データを、0~3.5年における>0のクレアチニンデータポイントと、>0のUSGデータポイントとに関してフィルタリングした。
症例(Case)は、獣医データベースに記録されている履歴中のいくつかの時点において、以下の表2に列挙されている診断のうちの1つを有するものとして定義される。医療ノートにおいて1回しか診断を受けていないネコは、現在のところ症例としては含まれない。というのは、医療ノートが一貫して使用されておらず、また手動で分類するにはネコの数が多すぎるためである。急性腎不全は、血液の化学的性質が類似している場合があるため、含まれなかった。本発明者らは、データセットからARFを除去してCRFだけを訓練/試験する必要があるかどうかを確認するために、これを試験する。
対照(Control)は、生涯のいずれの時点においても、列挙されている腎臓疾患として診断されていないネコとして定義される。対照は他のいずれの疾患を有する場合がある。(訓練/試験中のみにおいて)このモデルに関する対照のデータのうちの最後の丸2年を除去し、これにより対照を、モデルに指定された最後のデータポイントから2年にわたってCKDを有しない状態とした。これは、対照が、血液の化学的性質が変化している場合があるもののまだ診断されていないCKDを発症している可能性があるためである。続いて対照は、以下で説明するヒューリスティックなアプローチによって更にクリーンアップされる。
モデル化中に試験された血液及び尿の検体
太字のパラメータを、本モデルに関して選択した。モデルのパフォーマンスが改善されるかどうかを観察するために、更なるパラメータ、例えば尿中グルコースを検査できる。
Figure 0007361698000001
包含/除外される診断
特定のモデルの目的のために、表2の太字の病気を、その一部が急性のものである可能性はあるものの、CKD診断として分類した。「腎不全、慢性」は、これらの診断の中で最も一般的なものである。表2で太字ではない病気は、記載されてはいるものの、ネコの生涯のうちのいずれかの時点において赤色のカテゴリからの診断が存在しなかった場合には、対照としてモデルに含めた。
特定のモデルの最終試験中に、これらの診断全てにわたって予測が行われ、また「健康な」ネコ、及び「腎不全、慢性」と診断されたネコのみを用いて(即ち症例及び対照から、以下の表中の他のいずれの疾患を有する全てのネコを除外して)予測の第2のセットが実施された。これらの予測は、他の疾患を除去した場合に更に正確になることが分かった。
全ての訓練中、診断ステータスは調査されず、太字のカテゴリの「病気ID]を有する全てのネコは、獣医師によって少なくともCKDの疑いがあると想定され、症例に含めた。試験の最終段階は、診断が更に「確認済み(confirmed)」である(即ち診断が後で「解決済み(resolved)」、「変更済み(changed)」、又は無効としてマークされない)、精密化されたネコのサブセットを使用した。
Figure 0007361698000002
データセット
データセットを生成し、盲検を実施した。データセットは、獣医データベースの、クリーンアップされ拡張されたコピーから生成され、ペットの訪問の日付は1995年まで遡る。データセット及びモデルの複数の反復が構築された。訓練のためのデータセットのサイズを表3にまとめる。
Figure 0007361698000003
対照群のクリーンアップのためのヒューリスティクス
CKDとして正式に診断されず、対照として分類されたネコを、腎臓の問題のエビデンスのために分析した。ネコの生涯にわたる尿比重、クレアチニン、及びBUNのレベルを、以下のアルゴリズムで分析した。更に、特定のキーワード、例えば「腎臓(renal)」、「K/D」、「高窒素血症(azotemia)」、「CKD」を、医療ノートから参照した。医療ノートはまた、症例及び対照の医療ノートで訓練されたテキスト分析アルゴリズムによって採点された。これらの因子の組み合わせを用いて、CKDに向かうリスクを有するか又は既にCKDを有するものの医療ノートにしか記録されていないネコを、対照からフィルタリングした。以下で「3」又は「4」として分類されたネコは、訓練及び試験セットから除去され、別個に評価される。
このアルゴリズムは、略確実に対照であるネコ、又は調査中のパラメータを上昇させる可能性がある他の疾患を有するネコを対照から除外することがあるという点で、極めて保守的である。しかしながら、モデルを訓練及び試験するために、クリーンアップされた症例及び対照を用いることが、更に重要であると考えられた。また、併存症、及びCKDと間違われる可能性がある他の疾患の分析にも有用となり得る。
例示的なヒューリスティックアルゴリズム:
max (case when ail_k.Diag_Age_First is not null then '0 Diagnosed CKD' else
case when (URINE_SG_MIN < 1.025 and (CREATININE_MAX > 2.4 or BUN_MAX >= 36 or PREDICTION_MAX > 0.4 or RENAL_NOTES_TOT > 1) )
or (CREATININE_MAX > 3 and BUN_MAX >= 40 )
then '3 CKD'
else case when (URINE_SG_MIN <= 1.035 and (CREATININE_MAX > 1.8 or BUN_MAX >= 32) )
or (CREATININE_MAX > 2.4 and BUN_MAX > 36 )
or (CREATININE_MAX > 1.8 and BUN_MAX >= 32 and ( PREDICTION_COUNT > 1 or RENAL_NOTES_TOT > 1 ) )
then '2 CKD Risk'
else '1 Normal' end
end end) OVER (partition by enc.pet_id) Renal_Filter, -- 医療ノート及び血液の化学的性質に基づくフィルタ- select only '0 Diagnosed CKD' or '1 Normal' for modelling datasets.
URINE_SG_MINは、全ての訪問にわたってそのネコについて観察されたUSGの最小値である。
CREATININE_MAXは、全ての訪問にわたってそのネコについて観察されたクレアチニンの最大値である。
BUN_MAXは、全ての訪問にわたってそのネコについて観察されたBUNの最大値である。
PREDICTION_MAXは、CKD関連の単語がノート内にあるかどうかを見るために使用される採点アルゴリズムからの、いずれの医療ノートに関する最高スコアである。
PREDICTION_COUNTは、CKDに関連するとして採点される医療ノートの数である。
RENAL_NOTES_TOTは、上述の単語(「腎臓(renal)」、「K/D」、「高窒素血症(azotemia)」、「CKD」、「CRF」)のうちのいずれを含む医療ノートの数である。
結果
予測モデルのまとめ
上記モデルは、診断機能ではなく予測機能のために選択された6つの因子を使用する。これらは:尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)、白血球数(WBC)、尿pHである。尿比重、クレアチニン、及びBUNは、CKDの診断に役立つことが知られており、この疾患のIRIS病期分類に使用される。尿タンパク質、WBC、及び尿pHは比較的新規のものであり、上記モデルによる更なる疾患の予測を支援する。WBCは、場合によっては他の感染症を除外するために上記モデルによって使用でき、また脱水レベルを理解して他の値を正規化するために使用できる。
上記モデルは、これらのパラメータの変化を経時的に調べる。例えば上記モデルは、尿比重、尿pH及びWBC数の低下を、これらの因子のいずれもが正常範囲外でない場合であっても、腎機能の低下の指標として経時的にピックアップできる。これにより、獣医師はネコの医療履歴を更に詳細に調べることができ、また早期の治療を開始でき、又は必要に応じて更なる試験を用意できる。
モデルの正解率
獣医データベースからの数万頭のネコの履歴データを用いて、上記モデルを検証した。これらのネコにおいて、多数の偽陽性を得ることなく更なるCKDを予測するにあたって、上記モデルが有効であることが示された。上記モデルは、血液及び尿のデータを伴う複数回(2回以上)の訪問を用いると最も良好に機能し、3回以上の訪問を用いると更に正確になった。ある期間にわたるウェルネス計画に供されていたペットは、このモデルから最大の利益を得ることができる。
上記モデルは、理想的なデータを用いて95%超の正解率を有することが示された。これは即ち、獣医データベースの過去のネコに対する上記モデルの予測が、10回中9回以上正確であったことを意味する。上記モデルの感度(疾患を有するネコの疾患を予測する能力)は、診断の0.5~1年前において最高であり、全体として、将来診断されることになるネコのうち79%超をピックアップした。しかしながら、上記モデルは、診断前の更に早期において良好な予測能力を有し、ネコが最終的に診断を受ける3年も前のデータを観察した場合であっても、将来のCKDの診断を50%超も正確に予測できた。正式な診断の4年前までのパフォーマンスもまた、驚くほど良好であるようである。リスクを有するネコを、その一部であっても極めて早期にハイライトできる能力と、低い偽陽性率との組み合わせにより、獣医師は、問題が深刻化して治療が困難になるまで発見されなかった可能性があるこれらのネコを調査するにあたって自信を得ることができる。これにより、多数のネコに対して、極めて早期に介入を開始する機会を与えることができ、これにより、より深刻化する前に状態を安定させることができ、ネコの健康寿命を潜在的に延長できる。また、このような疾患の初期段階のために特別に調整された食事を開発する機会も得られ、これにより、他の介入を必要とすることなく、ネコを安定させることができる。
表4は、獣医データベースからの盲検縦断データ(複数回の訪問にわたって過去に観察されなかったデータ)に対して実施された6バイオマーカーモデルに関する結果を示す。ネコは、その診断に基づいて、またIRISステージ0又はステージ3+と一致する血液及び尿データを有していたため、症例及び対照に分けられた。これにより、多数の曖昧なネコが除去され、モデルはその残りに対して極めて良好な予測を行った。このネコのサブセットに関する偽陽性率は1%未満であった。診断の3.5年前における予測は、高い正解率を示す。4年以上の縦断データを有するネコの数は不十分であった。
Figure 0007361698000004
表5は、1回の訪問しか観察していない(即ち横断的な)モデルを用いた同一の分析を示す。1回の訪問が比較的多かったため、予測はネコが診断を受ける4年も前に示されている。このモデルは、1回の訪問のデータに対して極めて良好な予測を行い、その正解率は複数回の訪問と略同等に良好であった。これは一部には、1回の訪問のデータが、クレアチニン及びUSG両方の測定値を伴う訪問に限られており、一方で上記縦断モデルは極めて多数の欠落に対する予測を行っていたためである。上記縦断モデルの予測は、データが完全であるほど(ペットあたりのウェルネス訪問数が多いほど)改善される。
参考として、ランダムでは約20%の感度が期待されるため、4年で47%という感度はランダムよりもはるかに良好であり、これらのクリーンアップされたデータの特異度は極めて高かった(偽陽性が約1%)。
Figure 0007361698000005
完全を期すために、全データセット(即ち妥当な品質のデータを有するものの、データベースにキャプチャされた獣医診断のみに基づいており、血液の化学的性質による病期分類によってクリーンアップされていない、ネコ)に対する同一の予測を表6及び7に含めた。これらの個々のネコの一部は、血液の化学的性質の値が非常に高く、また尿比重が低い場合があった。医師は、発生し得る腎臓疾患に関する医療ノートにコメントを記載することが多かったが、エビデンスが不十分であるため、これらのネコ全てに対して正式な診断を必ずしも下さなかった。従って上記モデルは、これらの追加のネコにおいてCKDを予測する場合もあったが、CKDの公式の診断は存在しなかった。これにより、偽陽性が若干増加し、クリーンアップされていないデータ全体にわたる見かけの正解率が低下した。これらの一部には甲状腺機能亢進症のような併存症も存在する場合があり、これにより診断が困難となり得る。
縦断予測の結果を表6に示し、これはクレアチニンが少ない症例と、クレアチニンが多い対照とを含む、全てのデータを伴う。このデータセットの対照は、クレアチニン>1.6mg/dL(140μmol/L)である大きなパーセンテージを含んでいた。
より曖昧なデータが導入されると、全体として感度は高いままであったが、偽陽性率が上昇するため、特異度及び正解率は降下した。しかしながら結果は極めて良好かつ堅牢なままであった。
Figure 0007361698000006
表7は、横断(1回訪問)予測の結果を示し、これはクレアチニンが少ない症例と、クレアチニンが多い対照とを含む、全てのデータを伴う。このデータセットの対照は、クレアチニン>1.6mg/dL(140μmol/L)である大きなパーセンテージを含んでいた。
Figure 0007361698000007
モデルの構築
データセット
1.生データ
獣医データベースからの8,806頭のユニークなネコ(6,711頭の健康な対照、及び2,095頭のCKDを有する/発症したネコ)に関する61,159回のネコ科動物の訪問の訓練データセットを使用した。対象者属性、血液の化学的性質、血液学、及び尿レベルに由来する35の特徴が存在する(表8)。健康な対照は、最後の(診断されていない)訪問から2年前までに訪問のエントリを有し、CKDネコは、CKD診断をもたらした訪問から1ヶ月後までに訪問を有している。
Figure 0007361698000008
2.前処理
欠損値は、ランダムフォレストの実装を用いて補完した[1]。全ての訪問から尿SG値が欠損したネコ科動物は削除した(記録の10.1%)。各特徴に関するmin‐max正規化を適用した[2]。
3.データの概要
図1は、CKDネコの年齢分布を示し、最初の診断時の年齢(赤色)、及び健康なネコの年齢分布(緑色)の両方を示す。健康なネコ及びCKDネコの訪問の中央値は、それぞれ5.8±4.17及び13.5±3.80である。
図2は、min‐max正規化及び欠損値補完後の階層的クラスタリング(データセット全体)の結果を示す。少数の外れ値が存在すると、データ範囲の変動性がマスクされる(図2C)ため、これらの極値は視覚化のために除去された(1223個の値)。得られたヒートマップ及び階層的クラスタリング(凝集型)を図2Aに示す。特徴の選択肢の中で最も有益であることが分かった6つの特徴(尿SG、尿タンパク質、尿pH、WBC、クレアチニン、BUN)は、赤色で強調され、図2Bにも示されている。階層的クラスタリングにより、クレアチニンとBUN、及び尿SGと尿pHがまとめられ、各サンプルにおけるこれらの値の高い相関が主張される。尿タンパク質及びWBCは、クレアチニン/BUNクラスタに近い。
図3は、6つの最も有益な特徴の散布図行列及びヒストグラムを示す。各変数の範囲が大きいことは、外れ値、健康なネコ(緑色)の訪問とCKDネコ(赤色)の訪問との間の変数値の重複が大きいことに起因している可能性があり、これにより、予測タスクが不明瞭なものとなる可能性がある。
図4A及び4Bは、それぞれPCA(線形)及びt‐SNE(非線形)次元削減を実施することによって、データセットを特徴空間に投影する。表9は、PCA及びt‐SNEの結果に基づいてランク付けされた特徴を列挙しており、これらを、特徴選択方法(フィルタ、ラッパー)に基づくランク付けと比較する。
教師あり学習
1.データセットの訓練及び試験
予測因子によって回答されるべき質問は、「あるネコの記録が与えられた場合に、そのネコは次の2年以内にCKDを有することになるか?」である。訓練及び試験のための準備のために、データセットを更に処理する必要があった。可能な限り全ての訪問の軌跡のスーパーセットである汎ネコデータセットを構成し、これを置換してサンプリングすることにより、サンプリング済みのデータセットを生成した。
訪問がN回であるネコに関して、その軌跡は、時間順に並べられた訪問のリストとして定義された。減少した軌跡は、最後のK回の訪問が削除された、訪問のいずれの順序のサブセットとして定義され、ここでKは1~Nの数である。換言すれば、ネコの訪問履歴を文字列とみなすことができ、文字列中の各要素が1回の訪問に対応している場合、減少した軌跡は文字列のいずれの接頭辞となり、最大N-1個の可能な接頭辞(軌跡)が存在し得る。診断の2年前までの訪問が削除されたCKDネコに関する全ての可能な減少した軌跡を含むように、元のデータセットを拡張すると、汎ネコデータセットと呼ばれる拡張データセットが生成された。
サンプリング済みのデータセットは、各CKDネコに関する単一の軌跡がランダムに選択された、汎ネコデータセットのサブセットとして定義される。なお、健康なネコの記録は初期データセットと同一である。乱数生成器を様々なシードで使用して、多数のサンプリング済みのデータセットを生成することにより、各ペットidに対して異なる軌跡(異なる訪問数)を選択した(置換によるサンプリング)。
予測因子の訓練及び試験にサンプリング済みのデータが必要となる理由は、以下の通りであった:CKDを有するネコそれぞれに関して、初期データセットは、該ペットの履歴の始点から診断の1か月後までのデータを含む。このデータセットを用いて予測因子を訓練すると、予測因子は、診断されていないネコが1か月前にCKD診断されたかどうかを同定することを学習することになるが、これにはほとんど価値がなかった。しかしながら、サンプリング済みのデータセットを使用すると、予測因子は、次の2年の間のいずれの時点においてCKDのと診断されることになるネコに関するパターンを学習する。
2.特徴の選択
特徴は、K=7の近傍、訓練データの25%、3重の交差検証、及びF1測定値を選択基準として用いた、フィルタリング法(ピアソンの相関係数;PCC)及びトップダウンラッパー法KNN‐DTWを用いて選択された(図4)。その結果には、最初の6つの特徴に関するボトムアップラッパー法も一致した[3]。表9に示すように、これらの上位の特徴は、尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素(BUN)、WBC、及び尿pHである。興味深いことに、訪問年齢は出力ラベルと高い相関を有していたが、いずれの(トップダウン又はボトムアップ)ラッパー法も、訪問年齢を重要な特徴としてピックアップしなかった。データを詳細に考察することにより、この特徴は、クレアチニンと同様の情報(ただし程度が幾分低い)を有していたことが示され、従って、後者が包含されることにより、前者の価値は低くなった。
Figure 0007361698000009
表9は、特徴の分析及び選択を示す。データセット中の35個の特徴を、ラッパーのトップダウン削除に基づいてランク付けした(1=最も有益である;35=最も有益でない)。また表9は、CKDの出力、P値、及びPC1の特徴の重みを伴う、各特徴のピアソンの相関係数も示す。
3.時系列予測
ユークリッド距離をメトリクスとして、動的時間伸縮法(DTW)を用いたK最近傍法(KNN):KNN‐DTWを使用した[4][5]。5重の交差検証を用いて最適なKを見出した。これを実施するために、(訓練及び試験の両方が行われた)CKDネコの履歴の最後の{0,3,6,9,12,18、24}か月を除去して、「私のネコは今からXか月以内にCKDに罹るか?」という質問に答える予測因子を生成した。また、予測因子を、「サンプリング済みのデータセット(sampled dataset)」に基づいて訓練及び評価した。この「サンプリング済みのデータセットは、最後の{0,3,6,9,12,18、24}か月を除去することによって各ネコに関するランダムな軌跡を含み、予測因子を、元の質問(「私のネコは次の2年以内にCKDに罹るか?」)に答えるように訓練する。図6に示すように、K=7の後、このメトリクスはわずかしか上昇せず、パフォーマンスはK=13まで漸近的に上昇した。サンプリング済みのデータセットの場合、K=15及びK=17に関して実施を継続し、極めてわずかな差異を観察した(AUC ROCがそれぞれ91.0%及び91.1%)。従って、最終的な予測因子は、K=17のサンプリング済みのデータセットに基づくものであり、その混同表を表10に、ROC/PRを図7に示す。
Figure 0007361698000010
混合エキスパート(MOE):次に、個々のKNN‐DTW予測因子がそれぞれ{0、3、6、9、12、18、24}か月にわたるCKDを予測するよう訓練される、アンサンブル学習技法を検討した。MOEメタ予測因子を、単純な投票又は重み付け投票によって検討した。全ての予測因子に関するROC/PRの結果を図8に示す。AUCは個々の予測因子より大幅に低かったが、F1測定値は最も高かった。
長・短期記憶を用いたリカレントニューラルネットワーク(RNN‐LSTM):図9に示されているアーキテクチャを、リカレントニューラルネットワーク(RNN)の訓練のために使用した。1~4個の隠しレイヤー、及び1レイヤーあたり6~250個のノードという異なる複数の構成を実施した。隠しレイヤーの活性化関数としてTanhを使用し、出力レイヤーではsoftmax(ここでは二値分類であるためシグモイド)を使用した。二値クロスエントロピーを用いて損失を算出し、過剰適合の回避のために20%のドロップアウトを考慮した[6]。RMSprop勾配降下最適化アルゴリズムでの訓練のために、経時的な逆伝播を使用した。バニラRNN構造に加えて、またこれと並行して、消失する勾配に対処するために長・短期記憶(LSTM)セル構造を検討した。
図10は、データセットをRNNへの入力として構成する方法(図10A)、及びRNNを経時的に訓練する方法(図10B)を示す。レイヤーあたりのノードの数、及びレイヤーの数に対して、ランダム化されたパラメータスイープを実施することにより、異なる複数の構成を検討した(図11)。図12は、F1測定値がノードの総数の関数としてどのように変化するかを示している。5重の交差検証後の最良の2つの構成は、3レイヤーRNN‐LSTM(図13)及び3レイヤーバニラRNN(図14)であった。これら2つの実装に関する混同表を、表11及び12に示す。損失は最初の5エポック内で指数関数的に降下し、その後迅速に飽和する(図13C、14C)。異なる複数の分割の交差検証にわたって様々なメトリクスを算出することによって、アーキテクチャの堅牢性を試験した全てのパラメータの考察後、推奨されるのは、7‐7‐7RNN‐LSTMアーキテクチャを用いて続行することである。
Figure 0007361698000011
Figure 0007361698000012
モデル構築のまとめ
2つの縦断分析の方法:K最近傍法‐動的時間伸縮法(KNN‐DTW)、及びバニラセルを用いたリカレントニューラルネットワーク(RNN)又は長・短期記憶セルを用いたリカレントニューラルネットワーク(RNN‐LSTM)を使用した。データセットは、獣医データベースからの8,806頭のユニークなネコ(6,711頭の健康な対照、及び2,095頭のCKDを有する/発症したネコ)に関する61,159回のネコ科動物の訪問記録を有していた。対象者属性、血液の化学的性質、血液学、及び尿レベルに由来する35の特徴が存在していた。
構築された数百の予測因子から、最良の2つは、(a)K=17の近傍を用いたKNN‐DTW(AUC ROC=0.91;AUC PR=0.87;F1=0.795)、並びに(b)3つのLSTMレイヤー(7‐7‐7)及び1つの高密度レイヤーを用いたRNN‐LSTM(AUC ROC=0.94;AUC PR=0.91;F1=0.842)であった。混合エキスパート構成により、パフォーマンスがわずかに低くなったが、より良好な安定性が得られた。(非)線形次元削減の後、3D空間において明確なデータの分離が存在した。分類には上位の6つの特徴で十分であった。体重は良好な予測因子ではなく、また(絶対的又は相対的な)体重変化がなかった。興味深いことに、訪問年齢はCKDの発症と高い相関を有していたが、分類には使用しなかった。
データが予測を提供できる全ての情報を得るために必要な特徴は、以下の6つだけであった:尿SG、クレアチニン、尿タンパク質、BUN、WBC、尿pH(情報内容に基づく順序)。最終的なKNN‐IDT及びRNN‐LSTM予測因子を提供した。事前訓練済みのRNN予測因子は、KNN予測因子よりも算出が迅速であり、良好に機能する。これらの予測因子は、正解率、精度、再現率、特異度の全てが高い数値で、0.94AUC ROC、0.91AUC PR及び0.842F1を達成した。このパフォーマンスは、ネコが次の2年以内のランダムな層化された時点においてCKDを有する場合の現実的なシナリオにおいて測定された。CKDを既に有するネコをある固定された時間範囲内で試験すると、パフォーマンスは、現時点から0~3か月以内、21~24か月以内にCKDを有するネコに関して、それぞれ~0.95、~0.83の正解率であった。更なる最適化によって、このプロジェクトサイクル内でパフォーマンスが5%を超えるとは予想されなかった。データの量/品質が高いほど、将来のパフォーマンスが向上する。
参考文献
[1] Stekhoven, Daniel J. “MissForest - nonparametric missing value imputation for mixed- type data.” Oxford Journal’s Bioinformatics 28.1 (2012) 2012, 112-118
[2] http://scikit-learn.org/stable/modules/generated/sklearn.preprocessing.MinMaxScaler
[3] Granitto, Pablo M., et al. “Recursive feature elimination with random forest for PTR- MS analysis of agroindustrial products.” Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems 83.2 (2006): 83-90.
[4] Giorgino, Toni. “Computing and visualizing dynamic time warping alignments in R: the dtw package.” Journal of statistical Software 31.7 (2009): 1-24.
[5] Tan, Songbo. “Neighbor-weighted k-nearest neighbor for unbalanced text corpus.” Expert Systems with Applications 28.4 (2005): 667-671.
[6] Srivastava, Nitish, et al. “Dropout: a simple way to prevent neural networks from overfitting.” Journal of Machine Learning Research 15.1 (2014): 1929-1958.
実施例2
この実施例は、尿の測定に基づくネコの高窒素血症(AZO)の予測モデリングシステムを開発する、及び上記システムを、獣医が使用するためのソフトウェアに実装するためのものであった。上記予測モデリングシステムは5つの独立した数学モデルを備え、これらはそれぞれ、測定から0、90、180、270、及び360二値後の高窒素血症の確率を予測する。これらのモデルは、クレアチニン、尿比重、及び尿素という3つの血液パラメータから所与の期間内にネコ科動物が高窒素血症になる確率を予測する、ロジスティック方程式に基づいている。これらのモデルはそれぞれ、それを超えると個体が陽性と予測されることになる確率に対応する決定閾値に関連付けられている。この限界は、各モデルのROC曲線及びヨーデン法によって決定された。上記予測モデリングシステムは、各ネコの測定値の履歴を考慮して、測定値の個数を増大させることによって予測を精密化できる、ベイジアン評価システムを組み込んでいる。
この例では、初期モデルの構築に使用されるデータとは独立したデータを用いて:1)初期モデルの検証;2)初期モデルの改良;及び3)ロジスティック方程式アプローチの代替としての教師ありニューラルネットワーク(ANN)アプローチの試験を行った。
方法
1.データ
新たなデータは、獣医データベースからのものである。生ファイルは58,292行を有し、これは、等間隔で追跡された8422頭の個々の個体に対応する。クレアチニン、尿比重、及び尿素の3つの変数を測定する。しかしながら、全ての個体がこれら3つの変数それぞれの値を常に表示したわけではない。モデルはこれら3つの変数全ての同時使用に基づいているため、欠損値を有する個体は研究から除外した。このプロセスの後、7051頭の個体に関する18,976行が残った。
以下の表13は、不完全な個体を除外する前及び後の、訪問年齢及び診断年齢の値を示す。
Figure 0007361698000013
不完全な個体の除外は、年齢分布特性、特に疾患の診断の年齢に関する年齢分布特性にほとんど影響しなかった。全体として、選択された7051頭の個体(18,976個の測定値)のうち、5348頭はAZOと診断されず、1703頭がAZOと診断された。18,976個の測定値のうち、1,302個は陰性であり、5933個は、フォローアップ中に陽性と診断された個体に関連していた。
データセットをランダムな描画によって2つの部分に分割し、以下を生成した:
1.9,469個の測定値(そのうち6,521個は陰性であり、2,948個は、フォローアップ中に陽性と診断された個体に関連していた)からなる、検証データセット。このデータセットを用いて、初期モデルの検証、並びに更新されたモデル及びANNの検証を行った。
2.9506個の測定値(そのうち6521個は陰性であり、2985個は、フォローアップ中に陽性と診断された個体に関連していた)からなる、学習データのセット。このデータセットを用いて、新しい学習フェーズにおける初期モデルの更新だけでなく、ANNの調整も行った。この目的のために、459個の陰性の測定値(170頭のユニークな個体)及び244個のフォローアップ中に陽性と診断された個体に関連する測定値(56頭のユニークな個体)を伴う、初期研究からのデータを、この学習ゲームに加えた。
特定の個体は、検証フェーズと学習フェーズとの間で共有される測定値を有していた。
その後、学習データセットを、5つのモデルに適合するように構築された複数のサブセットに分割する:
1.所与の訪問中に既にAZOと診断された個体に対応する測定値;
2.所与の訪問後3か月以内にAZOと診断される個体に対応する測定値;
3.所与の訪問後6か月以内にAZOと診断される個体に対応する測定値;
4.所与の訪問後9か月以内にAZOと診断される個体に対応する測定値;
5.所与の訪問後12か月以内にAZOと診断される個体に対応する測定値。
これらのサブセットそれぞれに対して、(このモデルに関して陰性を提供する)AZOと診断されていない全ての個体に対応する測定値を加える。
2.初期モデルの検証
第1のフェーズでは、全ての新しい測定値を初期モデルに投影する。各測定値(訪問)に関して、各モデル(t0、t3、t6、t9、t12)によって予測を実施し、対応する個体のデータに対する探索を実施して、モデルの予測期間(0か月、3か月、6か月、9か月、12か月)において該個体がAZOと診断されるかどうかを把握した。これにより、予測の品質を測定できる。
例えば、1月1日に測定を実施し、この測定は陰性であった(1月1日においてCKDではない)。モデルT0は陰性を予測し、一方でモデルT3はCKDを予測する。モデルT3に関して、ネコが病気にならない場合、又はネコが病気になるもののそれが3月1日以降である場合、エラーが発生し、1月1日の測定値ではネコが陰性である場合であってもネコが3月1日以前に病気になる場合、誤りは発生しない。
そして検証中のモデルの感度及び特異度を、真の陽性及び陰性、並びに偽陽性及び偽陰性の個数に基づいて算出した。
3.初期モデルの更新
第2のフェーズでは、学習データセットを用いて初期モデルを再調整した(オリジナルの研究報告を参照)。モデルを調整した後、ある個体を予測された患者又は病気を有しない患者を分類する決定閾値を、ヨーデン指数を用いて算出した。検証データセットをこの更新済みモデルに投影して、検証中のモデルの感度及び特異度の算出によって予測のマッチングを検証した。
4.ニューラルネットワークアプローチ
全体的なアプローチは上記と同様であり、学習データセットを用いてモデルを調整し、検証データを投影し、検証の感度及び特異度を算出した。ニューラルネットワークの調整フェーズは、ネットワークのパラメータに対する要因計画と、10分割の交差検証によるアプローチとの結合に基づくものであった。
手順は以下の通りである:
1.以下を用いて、パターン調整を5回繰り返した:
・学習データサブセット;
・全ての入力変数;
・各モデルに対する(ニューラルネットワークに固有の)パラメータの最良のセットを設定するための完全な要因デザイン(モデル微調整);
・各描画においてランダムに生成される、データセットの10分割パーティション:k分割交差検証の技法は、10個のスコアのうちの9個に基づいて訓練を実施するステップ、10番目のパーティションを検証するステップ、並びに全てのパーティションが学習及び検証に使用されるまで検証スコアを学習パーティションと交換することによって、このプロセスを繰り返すステップからなる。こうして、上記モデルが学習/検証データのある特定の構成によって訓練されたものではないことが保証された。従って、10個の重み調整が得られ、これらをアセンブルすることで、ニューラルネットワークの最良のパラメータを用いた全体的なモデルが形成される。
2.各繰り返し時の、上述のようにして確立されたモデルの検証のためのヨーデン指数の算出。
3.各繰り返しに対する最良のモデルの選択。
4.最終的なモデルは、アセンブルされたニューロンの10個のネットワークで構成された5つの最良のモデルの全体的なモデルであった。その結果、最終的な予測モデルは合計50個のネットワークを含み、これらをアセンブルして最終的な予測が得られた。このアセンブリの結果に基づいてヨーデン指数を算出して、検証データセット(この調整フェーズで使用されないサブセット)の投影中に決定閾値を形成した。
結果
初期モデル中の全ての新しいデータの投影の結果を表14に示す。
Figure 0007361698000014
モデルの初期訓練が、226頭の個体をカバーする703個以下の測定値に基づいて実施されたという事実を考慮すると、モデルの構築に使用されなかった18,976個の新たな測定値(7051頭の異なる個体)の投影の結果は、極めて良好であると考えることができる。特異度は、180日まで90%以上であり、T9及びT12においてそれぞれ88%及び87%であった。T0、T9、及びT12における特異度は低いものの、70%を超えたままであった。T6では特異度は69%であった。モデルT3の検証特異度だけが大幅に低かった(58%)。結果の品質を評価するためには、重要なのは感度又は特異度単独の値ではなく、感度‐特異度カップルであることにも留意しなければならない。というのは、これら2つのパラメータは相互依存性であり、一方が低下すると一方が上昇するものであるためである。
新しい検証データを含む更新済みの初期モデル中の新しい検証データの投影の結果を表15に示す。全てのモデルが、この新しいデータの追加によって改善された。全ての「感度+特異度」の合計が改善され、特に全ての特異度の値が上昇した。
Figure 0007361698000015
新しい学習データによって更新されたニューラルネットワークのモデル中の新しい検証データの投影の結果を表16に示す。
Figure 0007361698000016
ANNの結果もまた、十分に満足できるものであった。というのは、全てのモデルが、ロジスティック回帰によるこれらのモデルよりも1つずつ優れた「感度+特異度」の合計を提示するためである。全てのモデルにおいて大幅に改善されたのは特異度であったことに留意されたい。
議論
データの更新により、モデルの品質を大幅に改善できた。この改善は、新しいデータの追加による感度/特異度カップルの改善による量的改善でありながら、同時に、訓練に使用された新しいデータの数の重要性によってモデルが統合及び安定化されることを考慮すると、質的改善でもあると考えることができる。
ロジスティック回帰(訓練/検証データセットのランダム化)に基づくモデルの方法論的改善と、ニューラルネットワークアプローチとロジスティック回帰に基づくアプローチとを組み合わせることによってこれら2つのアプローチの長所(ニューラルネットワークはより良好な特異度を提供し、ロジスティックモデルはより良好な感度を有する)を組み合わせた包括的なモデルの構築とを探ることが推奨される。
実施例3
この実施例は、ネコに関するベースライン血清クレアチニンレベルを、実験室の基準範囲内のクレアチニンレベルと共に使用して、CKDを診断する方法に関する。
あるネコが血液検査(+/尿検査)を伴う過去の訪問を有する場合、そのネコに関する血清クレアチニンのベースラインを確立できる。ベースラインの確立のためには、以下の基準を満たさなければならない:
a.現在の訪問の時点で、ネコが過去2年以内に得られた少なくとも2つのクレアチニン結果を有する。利用可能であれば、基準(b)~(d)を満たす期間中に入手可能な全てのクレアチニン結果を使用することが推奨される;
b.ネコは、クレアチニン結果を伴う各訪問中に1歳以上である;
c.ベースラインで使用されることになる第1のクレアチニン結果の少なくとも2か月前にネコを卵巣除去/去勢する;及び
d.ネコは他の点では健康であり、いずれの併存疾患(甲状腺機能亢進症、糖尿病等)を有しないものでなければならない。
試験前の絶食は、血清クレアチニンの評価には必須ではない。
上述の基準を満たす過去のクレアチニン結果を用いて、平均クレアチニン値を算出することによってベースラインクレアチニンレベルを確立できる。
従って、表17を用いてCKDの診断を行うことができる。
Figure 0007361698000017
実施例4
この実施例は、実施例2において機械学習によって構築された予測モデリングシステムに加えて、高窒素血症(AZO)に罹患した/罹患していないネコの類型を確立するための、単純化された規則に関する。
本発明の予測モデリングシステムは、ネコの高窒素血症を予測するための6つのモデルからなる。各モデルは、疾患が引き起こされる可能性がある最初の時点から経過した期間に関連付けられている:0か月(t0)、3か月(t3)、6か月(t6)、9か月(t9)、12か月(t12)、及び24か月(t24)。
実施例2のニューラルネットワークによってAZO予測モデルを較正及び検証するために役立つデータを用いて、上記規則を開発した。提案された様々な規則のパフォーマンスを、これらのAUC、感度、及び特異度を算出することによって試験した。実施例2とは対照的に、交差検証は実施せず、即ち全てのデータを規則の確立及びモデルのパフォーマンスの算出に使用した。
表18は、機械学習プロセスによって構築された最適化済みAZO予測モデルのパフォーマンスを示す。
Figure 0007361698000018
単純化された予測規則
この単純化された予測規則は、線形判別分析(LDA)の適用に基づくものであり、これは、この疾患の予測を可能とする値を有する、SC1と呼ばれるスコアを算出する線形モデルを提供する。
ある訪問中に測定された3つの変数、即ちクレアチニン濃度(Creat;gm/dLを単位として測定)、尿比重(UrineSG)、及び尿素(Urea;gm/dLを単位として測定)、並びにこれらの係数、即ちa(Creat)、b(UrineSG)、及びc(Urea)を、この単純化された予測規則において使用した。これらの係数は、全ての予測時点(t0、t3、t6、t9、t12、t24)それぞれに関するデータに対するLDAの適用の結果であった。上記係数の値を、以下の表19に示す。
閾値係数を用いて、SC1値に基づいて、ネコが病気になるかどうかを決定した。閾値はLDAの適用の結果であり、全ての予測時点それぞれに関する値が表3に示されている。
上記単純化された予測規則は、以下のようにまとめられる:
1.SC1=a(Creat)×Creat+b(UrineSG)×UrinesSG+c(Urea)×Urea
2. SC1>閾値である場合、ネコは病気であると予測され、SC1≦閾値である場合、ネコは病気ではないと予測される。
Figure 0007361698000019
上記パフォーマンスは、表18に示されている機械学習プロセスによって構築された最適化済みAZO予測モデルのパフォーマンスに匹敵するものであった。
実施例5
実施例1に従って6つのバイオマーカーに基づいて開発された予測モデルを、更に改良した。選択基準を、異なる複数の時点において(即ち異なる複数のデータ量を削除して)ネコに対して実施された数万の予測に関して精密化した。
表20は、獣医データベースからの盲検データに対して縦断モードで実施された、この改良されたモデルに関する結果を示し、ここでネコは、その診断に基づいて症例と対照とに分けられ、IRISステージ0又はステージ3+に一致する血液及び尿データを有していた。これにより、多数の曖昧なネコが削除され、上記モデルは残りのネコに対して良好な予測を行った。このネコのサブセットに関する偽陽性率は1%未満であった。3年までの予測が高い正解率を有していた。
Figure 0007361698000020
表21は、上記モデルが1回の訪問しか観察しないことを除いて上記と同一の分析の結果を示す。1回の訪問は比較的多数であったため、4年までの予測が示されている。上記モデルは、1回の訪問のデータに対して良好に実施され、その正解率は複数回の訪問に匹敵するものであった。その1つの理由は、1回の訪問のデータがクレアチニン及びUSG測定値を有するものに限定されているのに対して、縦断モデルは相当な量の欠落データに対して予測を行っているためであった。従って縦断モデルは、より完全なデータ(ペットあたりのより多くのウェルネス訪問数)を用いると改善される。参考として、ランダムでは約20%の感度が期待されるため、4年で47%という感度はランダムよりも大幅に優れており、また特異度は高かった(偽陽性約1%)。
Figure 0007361698000021
全データセット(即ち妥当な品質のデータを有するものの、データベースにキャプチャされた獣医診断のみに基づいており、血液の化学的性質による感知検査(sense‐checking)によってクリーンアップされていない、ネコ)に対する同一の予測のパフォーマンスを以下に示す。特定のの個々のネコは、血液の化学的性質の値が非常に高く、また尿pHが低い場合があった。獣医師は、発生し得る腎臓疾患に関する特定の医療ノートにコメントを記載していたが、正式な診断を必ずしも下さなかった。従って上記モデルは、これらの追加のネコにおいて、CKDと診断されていない場合にCKDを予測する場合もあった。これにより、偽陽性が若干増加し、クリーンアップされていないデータ全体にわたる見かけの正解率が低下した。特定のボーダーラインとなるケースは、臨床医がより迅速な決定を行うのをモデルが支援できる場合であると考えられた。特定のケースにおいては甲状腺機能亢進症のような併存症も存在する場合があり、これにより診断が困難となり得る。
縦断モデルのパフォーマンスを表22に示し、これはクレアチニンが少ない症例と、クレアチニンが多い対照とを含む、全てのデータを伴う。このデータセットの対照は、クレアチニン>1.6mg/dl(140μmol/l)である大きなパーセンテージを含んでいた。
より曖昧なデータが導入されると、全体として感度は高いままであったが、偽陽性率が上昇するため、特異度及び正解率は降下した。しかしながら結果は堅牢なままであった。
Figure 0007361698000022
横断(1回訪問)モデルのパフォーマンスを表23に示し、これはクレアチニンが少ない症例と、クレアチニンが多い対照とを含む、全てのデータを伴う。このデータセットの対照は、クレアチニン>1.6mg/dl(140μmol/l)である大きなパーセンテージを含んでいた。
Figure 0007361698000023
実施例6
第2の獣医データベースからのデータ(63,500頭のネコ、177,500回の訪問)を用いて、予測モデルを更に試験及び改善した。データを処理して、最後の訪問がIRISステージ3であり、過去の訪問がIRISステージ3未満であるか、又は全ての訪問にわたってIRISステージ0のままであるかに基づいて、クリーンアップされた「症例」及び「対照」を生成した。ネコは、第2の獣医データベースにおけるこれらのネコに関する2年以上の結果にわたる)以下の生涯腎臓IRISステージを有するものとして定義された:
1.3日の期間内においてクレアチニン>2.8及び尿SG≦1.035である場合、ステージ3
2.全ての記録された訪問にわたってクレアチニン<1.6及び尿SG_min≧1.035である場合、ステージ0
他の全てのレベルの組み合わせが病期分類されたが、この予測セットには含まれなかった。他の臨床兆候を用いないIRIS病期分類は、CKDの診断に関して、高いレベルの相関関係があるものの不完全であることが分かっていた。しかしながら、第2の獣医データベースのネコの大半に関して、他の臨床情報は得られなかった。
(ネコが3未満に病期分類されている場合)ステージ3に到達する前までの訪問がモデルに与えられ、モデルは、次の訪問がステージ3に分類される可能性を予測した。これにより、リスクが高いと思われた場合に介入する機会が臨床医に与えられる。
パフォーマンスの例を以下に示す。まず、表24に示すように、このモデルは、全ての主要なネコの品種にわたって良好に機能した。
Figure 0007361698000024
2つ以上の過去のクレアチニン及びUSG値が存在する場合、上記モデルは、98%を超える正解率で将来の状態を(6か月の平均で)予測した。
正解率は、過去のクレアチニン値が1つしかない場合に若干低下したが、それでも96%を超えていた。
Figure 0007361698000025
Figure 0007361698000026
表27に示すように、将来の訪問におけるステージ3への進行を予測する際に、予測の時点までにネコが到達した最高のステージを算出した。予測の時点においてステージ0にしか到達していなかったネコ3080頭のうち8頭が、(次の訪問においてステージ3に到達することによって定義されるように)CKDに罹患した。このモデルは、これらの8頭のうち1頭しか予測しなかった。特定の症例は急性不全であり、ステージ0から3へと6~9か月で進行したと考えられた。上記モデルは、ステージ0のうちの3049頭についてステージ3未満のままであると正確に予測し、23頭しか予測を誤らなかった。従って開始時にステージ0であったネコに対して正解率は99%であった。ステージ3に到達する前の訪問時にステージ0.5であったネコに関して、上記モデルは、16頭のうちの4頭を正確に予測した。ここでもまた、これはCKDの急速な進行である可能性がある。前回(又は以前)の訪問時にステージ1以上であったネコに関して、上記モデルは、過去の訪問におけるステージが上昇するにつれて、症例を86%~100%の正解率で予測した。
ステージ0とステージ3との間の中間ステージは、クレアチニンの増大及びUSGの減少に基づくアルゴリズムを用いて定義されたが、IRISステージ3として分類するには重篤度が低すぎた。これらの大半は正常範囲内であるか、又は1つの分析物だけが超過しており、例えばステージ2.5ではUSGが低いものの、クレアチニンは2.6~2.8の正常範囲内で高い。ステージ2に関しては、クレアチニンは2~2.6であり、USGが低い。
Figure 0007361698000027
表28は、ステージ3の訪問の前に1つのクレアチニン測定値しか有しないネコに対して行われた(即ち、ただ1つのクレアチニン測定値+他の分析物に対して予測した)ことを除いて、同一の分析を示す。
Figure 0007361698000028
、明確には上記データは、ステージ2の全てのネコが9か月以内にステージ3へと進行することを必ずしも意味しなかった。この検証に関して、ネコは、ステージ3に到達することが分かっているものとして選択され、その後、ステージ3に到達する前の訪問に関して選択された。従ってこれらの症例全てに関して、ネコは次の訪問でステージ3に到達することが予想されており、これらのネコを用いて、上記モデルが正確に予測を行うか、又は偽陰性を予測するかを試験した。対照に関しては、上記モデルが偽陽性を予測するかどうかを試験した。
ステージ2のデータポイントを有するネコを、次のデータポイントがステージ3となることを指定せずにランダムに選択した場合、定常状態又は進行を予測する同様の能力が観察される。従って、ステージ2のネコ全てが短時間でステージ3に必ずしも進行するわけではない(ただし数千頭のネコの観察からは、進行は予想より頻繁であった)が、上記モデルは中期から後期へと進行するネコ(及びしないネコ)を発見するのに有効であった。しかし、当然のことながら、迅速にステージ3に進行するステージ0又は0.5のネコを発見するのは容易ではない場合がある。というのは、これらのネコにおける疾患の性質は恐らく異なるためである。
実施例7
実施例1、5及び6に記載の、6つのバイオマーカーに基づく予測モデルを、データ品質レベルがより高い更に多数のネコを用いて、更に改善した。獣医データベース中の純血種のネコに対する予測能力を検証した。獣医データベースからの盲検データに対するモデルのパフォーマンス(例えば正解率)は、約1%上昇した。この1%の正解率の上昇は、ほとんどの場合、偽陽性率の大幅な低下、例えば2.6%の偽陰性から1.5%の偽陰性への40%の低下を表している。
訓練のためのネコの総数は53,590頭、化学的性質のデータを伴う訪問が300,000回以上であった。盲検のためのネコの総数は150,000頭、化学的性質のデータを伴う訪問が700,000回以上であった。
表29は、比較的クリーンアップされていない、データを用いて、獣医データベース中の雑種及び全ての一般的な品種に関する、診断1年前における予測正解率を示す。正解率の若干の変動は、特定のグループのネコが少なかった(例えば25,248頭のDSHに対して86頭のレッドタビー)ことによるランダムな変動によって発生した。シャム及びヒマラヤンに関する見かけの正解率は、これらの品種におけるCKDの有病率が比較的高いため、わずかに低かった。しかしながら感度及び特異度はいずれも高かった。
Figure 0007361698000029
実施例8
予測モデル作成のための適切な変数を選択する新しい方法論を用いて、CKD4と呼ばれる、比較的単純な新規のネコCKDモデルを開発した。獣医データベースからのデータに基づいて開発されたCKD4は、クレアチニン、BUN、尿比重、及び年齢を使用し、また複数回の訪問にわたる縦断データを使用するが、1回の訪問を使用することもできる。比較として、実施例2及び4で開示されているCKD3モデルは、クレアチニン、BUN、及び尿比重、並びに1回の訪問からのデータを使用し、また実施例1及び5~7で開示されているCKD6モデルは、クレアチニン、BUN、尿比重、尿pH、尿タンパク質、及びWBC数を使用し、また複数回の訪問にわたる縦断データを使用するが、1回の訪問を使用することもできる。
CKD4の利点は、血球数データ、尿pH、又は尿タンパク質の必要に関して要求が少ない点である。従ってこれは、これらのデータが回収されていない比較的多数の医院及び訪問において適用可能である。
CKD6と、より単純なCKD4との、縦断盲検データ(獣医データベース中の150,000頭のネコ)に対するパフォーマンスを比較すると、これらのモデルが一致しないのは、予測のうちの約4%だけであった。これらの予測のうち、CKD4は対照の予測において比較的良好であった(CKD6の33%に対して、83%の正解)。CKD6は症例の予測において比較的良好であった(CKD4の20%に対して、77%)。縦断データでは、正解率に関してCKD4はCKD6より1%未満だけ悪化した。しかしながら、CKD4は、診断から1年における陽性予測値(positive predictive value:PPV)が、CKD6の92%に対して、より良好な94.9%であった。これは、CKD4の感度がわずかに低いものの特異度が高いことを示している(表30)。CKD6は、診断前のより遠い時点、例えば2.5年以上前において、わずかに良好に機能した。
1回の訪問データに対しては、パフォーマンスは逆転した。これらのモデルが一致しないのは予測のうちの4.9%だけであった。全体として、CKD4はCKD6よりも2~3%だけ正解率が高かった。BUN、クレアチニン、及びUSGのデータを1回の訪問から入手できる診断の1年前において、CKD4は、正解率が92%、PPVが89%であった(表31)。CKD4は、診断前のより遠い時点、例えば2.5年以上前において、わずかに良好に機能した。
以下の表では、「タイムスプリット(Time Split)」は、獣医データベースに入っている公式の診断の何年前かを表す。例えば、タイムスプリット2は、公式の診断の2年前にリスクを予測することを示す。これら2つのモデルは、各時点における盲検データで比較した。
Figure 0007361698000030
Figure 0007361698000031
実施例9
慢性腎臓疾患(CKD)は、糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)の低下をもたらす、腎臓の機能障害又は構造的損傷のエビデンスとして定義される。CKDは、5歳以上のネコの主な死亡原因として記述されており(O’Neill et al. 2015)、老ネコでは8~31%の有病率が報告されている(O’Neill et al. 2014;Lulich et al. 1992;Marino et al. 2014)。多くのネコ科動物のCKDの症例の病因は不明のままであり、組織学的調査では、毒性発作、低酸素症、慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、上部尿路閉塞、及びウイルス感染を含む、様々な根本的な原因から生じた可能性がある腎炎及び腎線維症が強調されている(Brown et al. 2016)。CKDを有するネコの予後は、診断時点での疾患の重篤度に依存し、IRISステージ4で同定されたネコの寿命は、IRISステージ2で診断を受けたネコに比べて9~25倍短いことが報告されている(Boyd et al. 2008;Geddes et al. 2013;Syme et al. 2006)。CKDの早期検出により、疾患の進行を遅らせることができ、臨床的な見通し及び生活の質を改善でき、また腎機能の悪化及び急性腎障害を引き起こし得る状況を回避できる、治療経路の実装が可能となる(例えばNSAIDの投与;Levin and Stevens、2011)。
臨床診療で腎機能を評価するための単一の正確なバイオマーカーは、現時点では存在しない(Sparks et al. 2016)。GFRの測定は腎機能の直接評価を提供するものの、承認された方法は、臨床現場における実装が技術的に困難である。その結果、血清クレアチニンは、初期診断の一部として、及び認識されている基準(例えばIRIS)を用いた疾患の病期分類において、GFRの標準的な代用物であり続けている(Finch 2014)。尿素、タンパク尿(尿タンパク質対クレアチニン比、UP/Cの上昇)、血圧、及び尿比重を含む更なる従来の臨床バイオマーカーもまた、診断の一部として参照される場合があり、UP/C及び血圧は、適切な治療経路の決定に際してネコを更に病期分類するために使用される。より最近では、血清対称ジメチルアルギニン(symmetric dimethylarginine:SDMA)が臨床現場で一般的になっている。これは、SDMAが血清クレアチニンよりも腎機能の変化に迅速に反応し、高窒素血症でないネコのCKDの早期検出を可能にするというエビデンスのためである(Hall et al. 2014)。更に、リン酸塩及びビタミンDの代謝の調節における重要な因子である線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が、GFRが低下するに従って、高窒素血症の発症前に循環中で増加することが示されている(Finch et al. 2013)。これらの比較的最近のCKDバイオマーカーは、ネコ科動物のCKDを高感度で又はより早期に検出するための診断試験の開発における進歩を表しているが、この疾患の複雑な性質のため、これらのアプローチの臨床的価値を完全に理解するためには更なる研究が必要である。
人間の健康管理では、機械学習モデルを用いて、リスクを評価して診療管理への通知を行い(Parikh et al. 2016)、個々の結果を予測し(Peck et al. 2012;Peck et al. 2013)、入院期間を予測し(Gultepe et al. 2013)、治療を推奨し(Tsoukalas et al. 2015)、医薬を個人に合わせて処方する(Callahan et al 2018;Pencina et al. 2016)。
この研究では、一般的な獣医診療から得られる106,251頭の個々のネコの電子健康記録(EHR)のデータセットを用いて、ネコが高窒素血症CKDを発症するリスクを高い特異度で予測するアルゴリズムを訓練及び検証した。早期診断のためのこのアルゴリズムの臨床使用、及び新たな臨床治療経路をもたらすオプションについて議論した。
方法
1.データソース及び初期のクリーンアップ
Banfield Pet Hospital(米国ワシントン州バンクーバー)を1995年1月1日から2017年12月31日までに訪問したネコの電子健康記録(EHR)から、データを抽出した。この期間の終了時には、米国の42の州にわたって1000を超えるBanfield病院が稼働していた。1.5歳未満のネコ及び22歳を超えるネコから収集されたデータを除外した。ネコ1頭あたり少なくとも3回の臨床訪問という更なる包含基準により、910,786頭のネコのサンプルが得られた。上記サンプルには、短毛、中毛及び長毛のイエネコ、並びに50を超える血統品種が含まれていた。血液及び尿の試験に関する極端な外れ値、即ち正常範囲の最大値を6標準偏差以上超えるものを、欠落データに設定した。
個々のEHRはそれぞれ、患畜の対象者属性データ(年齢、品種、体重、及び生殖状態)、血液及び尿の試験結果、並びに臨床情報(正式な診断、及び構造化されていない医療ノート)を含んでいた。合計35タイプの情報を、CKD予測モデルのための特徴として選択した。データポイントは、病院の訪問中又はその前後に主に収集され、個々の訪問にはタイムスタンプが付けられた。これは、このデータが本質的に縦断的なものであることを意味している。
2.CKDステータス及び評価時T0における年齢
研究データセットのEHRを、3つのCKDステータス群に分類した。第1の群は、正式に記録されたCKD診断を有するEHRからなる(「CKD」)。第1のCKD診断の年齢を、評価時(T0)における年齢として使用した。この群に関しては、診断から30日を超えて収集されたデータは除外された(診断の訪問直後に返される血清、血液、又は尿の試験データをキャプチャするために、追加の30日のウィンドウを含めた)。
正式なCKD診断を有しないものの、正常値を上回る血中クレアチニン、正常値を下回る尿比重、及び医療ノート中の「CKD」、「高窒素血症」、「ロイヤルカナン獣医用腎臓療法食」又は「ヒルズ・プリスクリプション・ダイエットk/d」から選択される、CKDを示唆する少なくとも2つのデータポイントを有するEHRは、「CKDの疑いあり」として分類した。これらのEHRに関して、正式な診断が欠けている正確な理由は不明のままであるが、獣医師が診断に関して革新を持てなかったか、又は正式な診断を記入しなかった可能性がある。この群に関しては、評価時(T0)における年齢は、利用可能な最後の訪問時の年齢に設定され、EHR全体を使用した。
上記2つの群に含まれず、またCKDの不在を検証するためにEHRの終了時に少なくとも2年のデータ(記録された訪問)を有する、全てのEHRには、「CKDなし」ステータスが割り当てられた。これらのEHRに関しては、評価時(T0)における年齢は、最後の訪問時の年齢から2年を引いたものとして設定され、データの最後の2年はEHRから削除された。
3.モデル構築及び試験のためのデータセット
切り捨てを経たEHRを、EHRが血中クレアチニンデータを伴う少なくとも2回の訪問を含んでいなければならないという条件を課すことによって、その情報コンテンツに基づいて更にフィルタリングした。その結果、106,251個の個々のネコのEHRを伴うデータセットが得られた。このデータセットをランダムに2つの部分に分割した。合計70,687個のEHR、即ちデータのおよそ67%を用いて、CKD予測モデルを構築した。残りの35,564個のEHR、即ちおよそ33%を、モデルのパフォーマンスを評価するための試験セットとして使用した。これら両方のデータセットは、試験段階におけるいかなるバイアスも排除するために、分析全体を通して分割されたままであった。使用前、血液及び尿の試験データの欠落情報を、CKDステータス情報を用いずに補完した。これを、モデル構築データセット及び試験データセットに関して別個に実施することにより、これら2つのデータセットの間でのいかなる情報の流れも回避した。
4.モデル構築
最も良好に特性決定されたEHRだけが学習に使用されることを更に確実にするために、モデル構築データセットを使用前にフィルタリングした。「CKDの疑いあり」のステータスを有するEHRは削除され、また同様に、7,549個の、併存症として「急性腎障害」又は「尿路感染」を伴う「CKD」及び「CKDなし」のEHRが削除された。これにより、53,590個のEHRが残り、そのうち9,586個が「CKD」であり、44,004個が「CKDなし」であった。モデルをCKDの早期検出のために機能できるようにするために、オリジナルのEHRの切り捨てを行ったバージョン(最後のk回の訪問を削除したもの(ここでkは、1から、訪問の総数-1までである))を追加することによって、このデータセットを拡張した(Perez and Wang, 2017)。これにより、データセットが充実したものとなり、EHRが、モデルによって観察された最後の訪問と診断の時点との間に最大2年の間隔を有するようになった。
CKD予測モデルへの第1のステップは、含むべき特徴の限定的なセットを選択することであった。特徴の選択は、3‐5‐3隠しレイヤー構造を有する標準的なリカレントニューラルネットワーク(RNN、(Goodfellow et al. 2016)図15)を用いたトップダウン及びボトムアップラッパー法(Tang et al., 2014)によって実施した。このRNNモデルは探査的研究(その結果は示されていない)に基づいて選択され、ここで上記RNNモデルは、K最近傍法‐動的時間伸縮法(KNN‐DTW)(Salvador and Stan, 2007)及び長・短期記憶RNN(LSTM、(Gulli and Pal 2017)、図15)といった代替手段よりも優れていた。RNNは、隠しレイヤーのtanh活性化関数、及び出力レイヤーをCKD確率スコアに変換するためのsoftmaxによって実装された。RMSprop勾配最適化アルゴリズムによる訓練のために、経時的逆伝播を用いた。モデルのパフォーマンスは、3分割交差検証セットアップでのF1クロスエントロピーに基づいて評価された。F1クロスエントロピーは、CKDの発生率とは無関係に感度と特異度とをバランスさせるため、メトリックとして使用された。
次に、上述のRNN構造及びLSTM代替手段に関して選択された機能を用いて、完全なモデルアーキテクチャスクリーンを実施した。いずれの構造に関しても、1~5の隠しレイヤーという異なる構成を、1レイヤーあたり3~200個のノードで試験した。このセットアップは、過剰適合を回避するために20%のドロップアウトを追加した(Srivastava et al., 2014)ことを除いて、上記と同一であった。評価は、10分割交差検証セットアップのF1スコアに基づくものであった(Powers et al, 2011)。最後に、同一の交差検証セットアップにおいて、最良のモデル構成について、訓練時間に関する微調整を実施した。
5.モデルの試験
選択された予測モデルを試験データセットに適用することによって、バイアスのないモデルのパフォーマンスを評価した。「CKD」、「CKDの疑いあり」、及び「CKDなし」群の全てのEHRに関して予測を実施した。結果を、大まかなモデル出力のレベル(CKD診断の確率p)において、及びp=0.5をカットオフポイントとして用いた「CKDなし」及び「CKD」への分類後に、解釈した。「CKD」群及び「CKDなし」群に関する分類結果を用いて、感度(真の陽性、即ちCKDとして予測される「CKD」ステータスの割合)及び特異度(真の陰性、即ちCKDではないものとして予測される「CKDなし」の割合)の推定値を算出した。感度及び特異度の推定値の信頼区間を、通常の近似を用いて算出した。併存症分析に関するオッズ比検定(表35)を、標準的なカイ2乗検定で実施した。
上記モデルの、確定診断に先立ってCKDを予測する能力を、「CKD」群に関する診断時の年齢より前の様々な時点にEHRを切り捨てることによって、評価した。
5.ソフトウェア
全体的なデータ管理、統計分析、及びプロットは、Rバージョン3.4.3(R Core Team, 2017)を用いて実施され、補完は、MissForestパッケージバージョン1.4(Stekhoven et al., 2012)で実施された。機械学習作業は、Tensorflowバージョン1.3(github.com)で実施され、また、500コア、4GBメモリ/コアの、デュアルIntel E5‐2690v3CPUを搭載したDell PowerEdge R730xdクラスタ上で実行されるKeras深層学習ライブラリバージョン2.0.8(faroit.github.io)を用いて、Python内からインタフェースされた。
結果
1.研究データセット及び臨床CKD診断
この研究は、Banfield Pet Hospitalを1995年から2017年までの間に訪問した106,251頭の個々のネコのEHRの抜粋に対して実施された。CKDステータスによって区別されたこのサンプルの対象者属性、並びに診断時点の血液及び尿の試験データの概要を表33に示す。このサンプルにおけるCKD有病率は、「CKD」ステータスの群のみに基づくと17%であり、「CKDの疑いあり」のネコを追加で含めると42%であった。「CKD」ステータスを有するネコは、「CKDなし」のネコよりも老齢であった。欠落データの有病率は、大半の血液の化学的性質の測定値に関しておよそ9%であり、尿の試験結果に関して最高62%であった(これらは全ての訪問において日常的に測定されるわけではない)。モデル構築及び試験データセット(表32)の分類後も、結果は極めて類似しており、これは、これらを同一の集団の独立したサンプルとして使用できることを示している。
Figure 0007361698000032
Figure 0007361698000033
CKDの診断のためのガイドラインは複数存在し、またこれらはこの研究でキャプチャした期間中に進化したため、この研究で使用されるCKDステータスが、CKD診断を行う際に通常評価される様々な診断パラメータにどのように関連するのかを調査した。ステータス「CKD」を有するネコは、「CKDなし」ステータスのネコに比べて、一般に老齢であり、クレアチニンレベルが高く、USGが低かった。これらの結果は、承認されている診断基準に対する、Banfieldデータベース内のCKD診断の品質を裏付け、モデルの構築に使用したバックグラウンドデータに信頼性を提供する。評価された全ての基準に関して、CKDステータス群間で分布の大幅な重複が存在したため、いずれの単一のパラメータだけでは、診断に十分な区別能力がない。このようなネコ科動物のCKDの本質的に多元的な性質は、予測モデルに臨床的価値を付加するための理想的な条件である。
獣医師は診断の実施時に履歴(縦断)データを参照し、EHR内のこれらの診断パラメータの更なる分析により、ネコのステータスに基づく様々な変動だけでなくステータス群内での様々な変動も強調された(図17)。これは、予測モデルが診断の時点での多数の因子を考慮するだけでなく、診断前の異なる複数の時点でのこれらの因子に関する情報も含む必要があることを示している。
2.CKDの予測モデルの構築
3‐5‐3隠しレイヤー構造を有する標準RNNを、CKD診断の多元的及び時間的側面の両方を認識するCKDの予測モデルのための開始点として使用した。35の候補因子又は特徴を有するこのタイプのモデルの使用は、モデルの訓練のためにも、またこのモデルを後で実際に使用するためにも非現実的であった。従って、訓練データセットに対するトップダウン及びボトムアップ特徴選択戦略を用いて、最も重要な特徴を最初に選択した。このアプローチは、モデルのパフォーマンスがクロスエントロピースコアに関して、4つまでの特徴を追加することによって改善され、それ以降は安定した(データは示されていない)ことを示した。結果として、以下の特徴:クレアチニン、血中尿素窒素、尿比重、及び訪問年齢を用いた予測モデルが構築された。
これらの4つの特徴を用いて、標準RNN及びLSTM変形例のための、隠しレイヤーに関する最良の構造、即ちレイヤーの数及び1レイヤーあたりのノードの数を決定した。クロスエントロピースコアに関する結果(図18)、及びクロスエントロピースコアが高いほど良好であるという概念は、RNNモデルがLSTMモデルよりもわずかに優れていることを実証した。RNNに関して、ノードの個数が少ない単純なモデルほど、複雑なモデルよりも良好であった。3‐7構造を有する2レイヤーRNNが最良であった。様々な個数のエポックを試験することによって、これを訓練時間に関して最適化することにより、16個のエポックで訓練された3‐7構造を有する最終的なRNNモデルが得られた。
3.診断の時点におけるCKDの検出
CKDモデルの臨床的価値を理解するために、CKDモデルを、モデルの構築に使用されなかった40,205頭のネコのEHRの試験データセットに適用した。モデル(表34)は、ステータス「CKD」に基づいて90.7%(6,418/6,943)の感度、及びステータス「CKDなし」に基づいて98.9%(22,166/23,432)の特異度を示した。「CKDの疑いあり」の群に関する予測は、「CKD」及び「CKDなし」の予測に分かれている。
Figure 0007361698000034
生のCKD予測モデル出力の分布(図19)は、「CKDなし」及び「CKD」ステータス群に関して同様に明確な画像を示す:「CKDなし」に関しては0に近い位置であり、「CKD」に関しては1に近い位置である。「CKDの疑いあり」ステータス群は、1に近い約30%と、0.5付近に広がった残部とが混ざり合っており、これは恐らく、診断が曖昧であったか、又は早期の症例であったことを示唆している。
また、「CKDなし」のネコに関する誤った分類が特定の併存症に関連するかどうかを、正しく分類された「CKDなし」のネコと誤って分類された「CKDなし」のネコとの間の併存症発症率を比較することによって、評価した。甲状腺機能亢進症及び真性糖尿病は、肝障害及び体重不足と同様に、偽陽性に分類されたネコにおいて明らかに過剰に表れていることが分かった(表35)。
Figure 0007361698000035
予測感度に対する過去の情報の量(訪問の回数)の影響は、このようなアプローチの臨床的実装を評価する際に重要な考慮事項である。一般的なモデルパフォーマンスデータは、1回から15回までの訪問を含むEHRの完全なサンプルに基づくため、このような考慮事項に対処できない。従って次に、モデル感度を、診断が実施された訪問の前のEHR内の訪問の回数によって検査した。感度は過去の情報から明らかな便益を得ることが分かった。というのは、診断前の少なくとも2回の訪問を用いると、感度がおよそ90%まで上昇するためである(図20)。これは、履歴情報が、平均2年間での2回の訪問という範囲までのCKDの診断に寄与することを示している。
4.早期検出のためのモデルの使用
上記モデルは診断の約2年前のCKDシグナルを検出するため、将来の疾患リスクの早期予測のための上記モデルの使用を評価した。これを達成するために、EHRを診断前の様々な時点で切り捨て(例えば1年の早期予測に関しては、診断と1年前との間の全ての情報を削除し)、その後、上記モデルの、CKDの将来の発症を予測する能力を評価した。予想されたように、予測と診断との間の時間が増大すると感度(図21)は低下したが、CKDを発症することになったネコのうち、63%は診断の1年前に、また44.2%は診断の2年前に正しく予測された。
この文脈において特異度を評価するためには、EHRの切り捨ては無意味である。というのは、ネコは病院への全ての過去の訪問において「CKDなし」のままであるためである。従って、その代わりに、特異度を評価時の年齢の関数として算出した(図22)。特異度は11歳までは一貫して98%を超え、その後低下して、15歳で80%に達した。
議論
計算モデル化アプローチを、日常的な獣医の診療からの電子健康記録(EHR)の大規模で豊富なデータセットに対して適用して、CKDを診断するアルゴリズムを導出して検証し、ネコが高窒素血症CKDを将来発症するリスクを予測した。候補である35の特徴の初期セットから、上記モデルを4つ(クレアチニン、血中尿素窒素、尿比重、及び訪問年齢)にまで絞り込んだ。診断の時点付近でCKDを予測すると、上記モデルは90.7%の感度及び98.9%の特異度を示した。興味深いことに、CKDリスクの予測は、診断の1年前及び2年前において、それぞれ63.0%及び44.2%の感度で可能であった。これらの先行した時点の両方において、特異度は99%を超えていた。
高窒素血症CKDの発症の予測を可能とする、選択されたモデルの特徴は、CKDが疑われる場合に獣医師が日常的に参照されており、従って病因に機構的に関係付けられる。クレアチニン及び血中尿素窒素濃度はろ過マーカーであり、循環中でのこれらの滞留は、機能している腎臓の質量の減少を示す場合がある。尿素はクレアチニンよりも容易に脂質膜を通過し、また集合尿細管の尿素透過性は抗利尿ホルモンによって選択的に上昇させられるため、尿素は、機能している腎臓の質量が減少した場合だけでなく、身体が水の不足に応答して水を節約する機序を活性化している場合に、血中に保持される。このモデルにクレアチニン及び尿素の両方を含めることにより、システムが、急性的に体積が減少したネコ科動物を、誤ってCKDと同定してしまうのを回避するのを支援できる(これらの状況下では、尿素は血漿クレアチニンよりもはるかに大きく変化する)。クレアチニンの産生は腎臓以外の因子(例えば筋肉量;Sparkes et al. 2016)に影響される場合があるため、クレアチニンの連続監視は、1回限りの測定よりも高い感度で、腎臓の質量の喪失を同定する。しかしながら、本明細書に記載のアプローチの強みは、アルゴリズムが、腎機能の漸進的悪化を共に示す様々な診断パラメータの変化を経時的に同定することである。これらは多くの場合経時的にわずかしか変化せず、特に実験室での値が正常範囲から外れていない場合には、獣医師によって見落とされる場合がある。
USGは、腎臓の、溶質(大半は老廃物)を過剰な水分の中に排出する能力の指標であるが、機能している腎臓の質量が減少するに従ってUSGも減少する。正常で健康な腎臓を有するあるネコ科動物からの単一の尿サンプルは、このネコ科動物が水分を節約する必要があるか、又は過剰な水分を排泄する必要があるかに応じて、変動するUSGを有する可能性があるため、単一の評価の解釈は困難である。ネコは多くの場合、IRISステージ2及び3のCKDにおいてある程度の濃縮能力を保持し、尿は、ネコがIRISステージ4のCKDに近づいた場合にのみ、等張尿範囲に近づく(Elliott et al. 2003)。USGに関する直列データを血漿クレアチニン及び血中尿素窒素と共に解釈することにより、上記モデルが、機能している腎臓の質量の低下を予測するパターンを同定して、これらのパターンを脱水の正常又は急性エピソード付近の自然変動から区別するのが支援される可能性がある。
最後に、CKDは主に加齢による疾患であるため、ネコの年齢を最終的なモデルにおける特徴として選択したことは、驚くべきことではない。表33で強調されているように、「CKDなし」及び「CKD」群の年齢プロファイルは異なっていたが、上記モデルを若齢のネコ及び老齢のネコに対して試行するために十分な重複は存在していた。この比率及び年齢分布は、Banfield病院によって過去20年間に観察されたネコの実際の分布を表す。加齢は様々な慢性状態に関連しており、CKDは一般に、高血圧、甲状腺機能亢進症、及び真性糖尿病の前、又はこれらと同時に診断される(Conroy et al. 2018)。EHR中に複数の診断が存在する状況で上記モデルがどのように機能したかを理解するために、上記モデルによる「CKDなし」又は「CKD」に関する誤った分類が、特定の併存症に関連しているかどうかについても評価した(表35)。甲状腺機能亢進症及び真性糖尿病は、偽陽性に分類されたネコにおいて過剰発現したが、これは、これらの状態にわたる診断の通知のために日常的に採用される臨床パラメータの非特異的な性質が原因である。上記モデルの相対的なパフォーマンスに対するこれらのケースの影響は穏やかなものであったものの、これは獣医師もまた臨床診療で遭遇する課題であることに留意されたい。
このモデルて提示されるバイオマーカーの選択は、ほとんどの臨床状況下で高い予測正解率を提供するパラメータの組み合わせを表している。(本文書の範囲を超えた)更なる研究は、他のバイオマーカーが、より複雑なモデルの組み合わせを用いて適用されれば、将来のCKDの予測に有用となり得ることを強調している。これらは例えば、極めて老齢のネコを予測する際の特異度の損失を低減することによって機能でき(図22)、又は他の併存症(表35)をより正確に分離するのを支援できる。同定されている他の予測バイオマーカーとしては、尿タンパク質、尿pH、及び白血球数が挙げられる。履歴データ中のこれらのパラメータに関連する欠落値(これは、これらが全ての訪問では測定されていないことによる)の量は、これらがシグナルを強化するだけでなく、モデルに更なるノイズをもたらすことを意味する。より完全なデータを用いて更試験を行うと、これらのバイオマーカー及び他のバイオマーカーの予測能力が高まる可能性がある。
現在、血清SDMA濃度は、GFRの代替となるマーカーとして提案されている。というのは、これがネコの血漿クレアチニン(Jepson et al., 2008)及び血漿イオヘキソールクリアランス(Barff et al., 2014)と密接に相関することが示されているためである。栄養研究に使用されたネコのコロニーの管理の一部として収集された保存済みの縦断サンプルの遡及的分析により、SDMAの血清濃度が、血漿クレアチニンの増加の検出前に、高窒素血症を発症した21頭のネコのうちの17頭において、実験室基準範囲外まで上昇したことが示された。平均では、SDMAの上昇はクレアチニンの上昇の17か月(1.5~48か月)前に検出された(Hall et al., 2014)。ネコの群が小さいこと、及び本研究の遡及的性質により、SDMAの感度及び特異度が、高窒素血症CKDの発症の予測因子として過大評価されている可能性がある。SDMAは、本研究で使用されるデータの収集期間のほとんどにおいて利用不可能であった。興味深いことに、極めて多数のネコを様々な異なる疾患による獣医師の診療に供することを伴う、これらの巨大な縦断データセットから導出されるアルゴリズムは、高窒素血症CKDの発症を、獣医師の診療で日常的に収集されるデータを用いて、その発症の3年も前から予測できたことに留意されたい。SDMAの縦断的測定によって、本研究で開発されたアルゴリズムの予測値が改善されるかどうかについては、更なる研究が必要である。
EHRデータは間違いなく臨床的に関連があるが、これを科学的環境で使用するのは困難であった。従って、CKDの診断の正解率の確認は重要な最初のステップであった。このモデルの構築及び検証に使用されたデータは、20年を超える期間にわたって、極めて多数の病院及び獣医師から得られたものであり、正式なCKD診断を受けたネコは、現在承認されているガイドラインに一致する血液及び尿のパターンを示した(図16)。これ自体は、モデルの開発のための基準点としてこれらのデータを使用することの信頼性を提供する。正式なCKD診断を受けていないネコの相補的なセットの健康状態の定義は、更に問題であった。これらのうち、「CKDの疑いあり」として分類されたサブセットには、血液及び/若しくは尿の試験結果中のCKDの明らかな兆候、又は医療ノート中のCKDを示唆する言及があった。このネコの群は、獣医師が(恐らく情報の矛盾を原因として)診断に確信が持てなかった場合、又はネコが疾患の早期であった場合、又はネコを形式上の理由で診断できなかった場合を含む。ただしこの群は、感度を計算する際には含まれななかった。予測がより困難なケースを含んでいる場合があるため、この群は推定にバイアスを付与する可能性がある。正式なCKD診断を受けていない他のネコに関しては、観察を伴い、かつCKDがない、2年間のウィンドウ(これはこれらのネコの「CKDなし」のステータスの確証となる)を課した。これもまた、一部のネコが極めて早期のCKDを有していた可能性があるため、特異度の推定にバイアスを付与した可能性がある。
CKDを有するネコの予後は、診断時点での疾患の重篤度に依存し、IRISステージ4で同定されたネコの寿命は、早期に診断を受けたネコに比べて大幅に短いことが報告されている(Boyd et al. 2008;Geddes et al. 2013;Syme et al. 2006)。CKDの早期検出により、疾患の進行を遅らせることができ、臨床的な見通し及び生活の質を改善でき、また腎機能の悪化及び急性腎障害を引き起こし得る状況を回避できる、治療経路の早期実装が可能となる(Levin and Stevens、2011)。その結果、CKDの早期診断において臨床医をサポートし、また現在の獣医師の診療で日常的に適用されている臨床尺度(例えば血漿クレアチニン、USG)(その限界は十分に認識されている)の改善を表す、新規の診断ツールの開発及び検証が継続されている。ここでは、CKD診断を有するネコと有しないネコとの間の、日常的に適用される様々な診断基準の分布の有意な重複が実証された(図16)。これは、CKDの本質的に多元的な性質を強調しており、即ち、単一の既存の臨床パラメータだけでは、診断を通知するための十分な区別能力がないことを意味する。
本研究で開発されたCKD予測モデルは、獣医師の診療に複数の利点をもたらす。第1の利点は、ある特定のケースに関して現在利用可能な血液及び尿の試験データに基づいて適切な診断を実施するにあたり、獣医師をサポートすることである。診断はCKDの多元的な性質によって複雑なものとなり、個々のネコは多くの場合、これらのパラメータの展開が異なる(図17)。これは恐らく、疾患の病因及び進行のわずかな違いによるものである。可能性のある全てのパターンを人間が学習できるかどうかについてさえ議論になるかも知れない。というのは、バターンは個々のネコで大きく異なる場合があるためである(例えば図17E及び図17HのCKDネコを比較されたい)。従って、CKDのリスクを強調するアルゴリズムが得られれば、診療を行う獣医師のツールキットに対する極めて有用な追加物となり得る。第2の利点は、上記アルゴリズムが、従来の診断戦略よりも良好に、診断の2年前に44.2%、診断の1年前に63%の成功率(感度)でCKDのリスクを予測できる点である。しかしながら、この早期検出を実現するためには、ネコが定期的に(2年又は1年に1回)獣医師を訪問するだけでなく、各訪問時に尿及び血液サンプルを採取することが重要である。データベースから判断すると、これは現在一般的に行われていることではない(表33)。このようなアプローチは予防ケアの価値を強調し、スクリーニングの頻度を増加させると、CKDのより早期の検出がサポートされるだけでなく、日常的な臨床尺度によって診断される広範な状態を予防的に監視する機会も適宜提示される。最後に、CKDの早期予測に基づいて、治療経路(例えば疾患の進行を遅延又は停止させるために特別に処方された療法食の開始)を開発及び検証することが重要である
結論として、診断の2年前までにCKDの発症のリスクを有するネコを予測するアルゴリズムを構築するための機械学習の使用に関するエビデンスが、ここに提示された。このアルゴリズムの高い特異度(>99%)と63%の感度との組み合わせは、有病率が15%のネコ100頭のうち90例が、次の12か月以内に高窒素血症を発症しない又は高窒素血症を発症するものとして正確に予測されることを意味している。このアプローチの特定の強みは、日常的な獣医師の診療の一部として収集された健康スクリーニングデータを使用する点であり、即ちこのモデルは、獣医師による臨床決定の実施を直接サポートするために、病院での診療、及び/又は実験室用診断ソフトウェアに迅速に実装できる。
参考文献
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本開示の主題及びその利点について詳細に説明したが、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び改変を実施できることを理解されたい。更に、本出願の範囲が、明細書中に記載されているプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者であれば本開示の主題の開示から容易に理解するだろうが、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同一の機能を果たす、又は実質的に同一の結果を達成する、現時点で存在する又は将来開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを、本発明の主題に従って利用できる。従って、添付の請求項は、このようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップをその範囲内に含むことを意図している。
本出願全体を通して、特許、特許出願、公報、製品説明、及びプロトコルが引用されているが、これらの開示は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本出願に援用される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのシステムであって、前記システムは:
プロセッサ;及び
コードを保存したメモリ
を備え、
前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、受信すること;
分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に前記年齢の前記入力レベルを、各前記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換することであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、
ここで前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、分析及び変換すること;
前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成すること;
前記出力に基づいて、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかを決定又はカテゴライズすること;並びに
前記決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定すること
を実施させる、システム。
実施形態2
前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記決定又はカテゴライズ及び前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示させる、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3
情報を送信及び受信するための通信デバイスを更に備え;
前記少なくとも1つの入力レベルは、前記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムから受信され;
前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記決定又はカテゴライズ及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムに送信させる、実施形態1に記載のシステム。
実施形態4
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのシステムであって、前記システムは:
プロセッサ;及び
コードを保存したメモリ
を備え、前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、受信すること;
分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に前記年齢の前記入力レベルを、各前記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換することであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、
ここで前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、分析及び変換すること;
前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成すること;並びに
前記出力に基づいて、食事療法のカスタマイズされた推奨事項を決定すること、及び/又は前記1つ以上のバイオマーカーを更に監視すること
を実施させる、システム。
実施形態5
前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示させる、実施形態1に記載のシステム。
実施形態6
情報を送信及び受信するための通信デバイスを更に備え;
前記少なくとも1つの入力レベルは、前記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムから受信され;
前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記グラフィカルユーザインタフェース上の前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して、前記遠隔の第2のシステムに送信させる、実施形態1に記載のシステム。
実施形態7
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定する方法であって、前記方法は:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信するステップであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、ステップ;
分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に前記年齢の前記入力レベルを、各前記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換するステップであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、
ここで前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、ステップ;
前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成するステップ;
前記出力に基づいて、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかを決定又はカテゴライズするステップ;並びに
前記決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定するステップ
を含む、方法。
実施形態8
前記決定又はカテゴライズ、及び前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するステップを更に含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態9
前記少なくとも1つの入力レベルは、通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムから受信され;
前記方法は、前記決定又はカテゴライズ及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して前記遠隔の第2のシステムに送信するステップを更に含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態10
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクを低減する方法であって、前記方法は:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信するステップであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、ステップ;
分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベル、及び任意に前記年齢の前記入力レベルを、各前記入力レベルを編成及び/又は修正することによって分析及び変換するステップであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットから開発されたコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び任意に年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び任意に年齢との両方に関する医療情報を含み、
ここで前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、ステップ;
前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成するステップ;並びに
前記出力に基づいて、食事療法のカスタマイズされた推奨事項を決定する、及び/又は前記1つ以上のバイオマーカーを更に監視するステップ
を含む、方法。
実施形態11
前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するステップを更に含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態12
前記少なくとも1つの入力レベルは、通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムから受信され;
前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフェース上の前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して前記遠隔の第2のシステムに送信するステップを更に含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態13
命令を保存する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに、実施形態7~12のいずれか1つに記載の方法のステップを実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
実施形態14
前記分類アルゴリズムは、前記1つ以上のバイオマーカー及び任意に前記年齢の監視下で、教師あり訓練アルゴリズムを用いて開発される、実施形態1~13のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態15
前記分類アルゴリズムは、教師なし訓練アルゴリズムを用いて開発される、実施形態1~14のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態16
前記少なくとも1つの入力レベルは、異なる複数の時点で測定された前記1つ以上のバイオマーカーの連続測定値を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態17
前記サンプルネコ科動物の第1のセットはCKDと診断されており、また前記サンプルネコ科動物の第2のセットはCKDと診断されていない、実施形態1~16のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態18
前記訓練データセットは交差検証のために、2層以上に層化される、実施形態1~17のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態19
前記訓練データセットは、包含及び/又は除外基準のセットによってフィルタリングされる、実施形態1~18のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態20
前記訓練アルゴリズムは、ロジスティック回帰、人工ニューラルネットワーク(artificial neural network:ANN)、リカレントニューラルネットワーク(recurrent neural network:RNN)、K最近傍法(K‐nearest neighbor:KNN)、単純ベイズ、サポートベクターマシン(support vector machine:SVM)、ランダムフォレスト、AdaBoost、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択されるアルゴリズムを含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態21
前記訓練アルゴリズムは、動的時間伸縮法(dynamic time warping:DTW)を伴うKNNを含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態22
前記訓練アルゴリズムは、長・短期記憶(long short‐term memory:LSTM)を伴うRNNを含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態23
前記分類アルゴリズムは、過剰適合を防止するための5%以上のドロップアウトを含む正則化アルゴリズムを含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態24
前記食事療法は、低リン食、低タンパク質食、低ナトリウム食、カリウム補充食、多価不飽和脂肪酸(PUFA)補充食、抗酸化剤補充食、ビタミンB補充食、液状食、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~23のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態25
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのシステムであって、前記システムは:
プロセッサ;
ユーザインタフェース;
情報を送信及び受信するための通信デバイス;並びに
コードを保存したメモリ
を備え、
前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、前記ユーザインタフェースを介したユーザによる入力に基づく、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせに関連する情報を含む、受信すること;
前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記年齢の前記入力レベルとを、前記通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムに送信することであって、前記遠隔のシステムは、送信された前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベルと、任意に送信された前記年齢の前記入力レベルとに基づく、前記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかの決定又はカテゴライズに基づいて、カスタマイズされた推奨事項を決定する、送信すること;
前記決定又はカテゴライズ及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記遠隔の第2のシステムから、前記通信デバイスを介して受信すること;並びに
前記決定又はカテゴライズ及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記ユーザインタフェース上に表示すること
を実施させる、システム。
実施形態26
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのシステムであって、前記システムは:
プロセッサ;
ユーザインタフェース;
情報を送信及び受信するための通信デバイス;並びに
コードを保存したメモリ
を備え、
前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記ネコ科動物の年齢の入力レベルとを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、前記ユーザインタフェースを介したユーザによる入力に基づく、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらの組み合わせを含む、受信すること;
前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベルと、任意に前記年齢の前記入力レベルとを、前記通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムに送信することであって、前記遠隔のシステムは、送信された前記1つ以上のバイオマーカーの前記少なくとも1つの入力レベルと、任意に送信された前記年齢の前記入力レベルとに基づいて、前記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかの分類ラベル若しくは前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコア、及び食事療法のカスタマイズされた推奨事項を決定する、並びに/又は前記1つ以上のバイオマーカーを更に監視する、送信すること;
前記通信デバイスを介して、前記遠隔の第2のシステムから、前記分類ラベル若しくは前記確率スコア、及び前記食事療法のカスタマイズされた推奨事項を受信する、並びに/又は前記1つ以上のバイオマーカーを更に監視すること;並びに
前記分類ラベル又は前記確率スコア、及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記ユーザインタフェース上に表示すること
を実施させる、システム。
実施形態27
前記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態28
前記1つ以上のバイオマーカーは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベル、白血球数(WBC)、及び尿pHに関連する情報を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態29
前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び前記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップを含む、実施形態1~28のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態30
尿比重レベル、クレアチニンレベル、及び血中尿素窒素(BUN)又は尿素レベルに関連する情報を含むバイオマーカーの入力レベル;並びに
前記ネコ科動物の年齢の入力レベル
を受信するステップを含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態31
前記ネコ科動物の前記バイオマーカー及び前記年齢の前記入力レベルは、前記ネコ科動物の1回以上の訪問の医療記録に関連する、実施形態1~30のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態32
前記ネコ科動物の前記バイオマーカー及び前記年齢の前記入力レベルは、前記ネコ科動物の少なくとも2回の訪問の医療記録に関連する、実施形態1~31のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態33
前記分類ラベル又は前記確率スコアは、前記分類ラベル又は前記確率スコアの前記決定の時点における、前記ネコ科動物の、慢性腎臓疾患(CKD)の罹患の状態に関連する、実施形態1~32のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態34
前記分類ラベル又は前記確率スコアは、前記分類ラベル又は前記確率スコアの前記決定後の、前記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する、実施形態1~32のいずれか1つに記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態35
前記分類ラベル又は前記確率スコアは、前記分類ラベル又は前記確率スコアの前記決定の約1年後の、前記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する、実施形態34に記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態36
前記分類ラベル又は前記確率スコアは、前記分類ラベル又は前記確率スコアの前記決定の約2年後の、前記ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクに関連する、実施形態34に記載のシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は方法。
実施形態37
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定する方法であって、前記方法は:
前記ネコ科動物の1つ以上のバイオマーカーの量に基づいてスコアを算出するステップ;及び
前記スコアを閾値と比較することによって、CKDの発症のリスクを決定するステップ
を含み、
前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらのいずれの組み合わせを含む、方法。
実施形態38
ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクを低減する方法であって、前記方法は:
前記ネコ科動物の1つ以上のバイオマーカーの量に基づいてスコアを算出するステップ;
前記スコアを閾値と比較することによって、CKDの発症のリスクを決定するステップ;並びに
前記リスクに基づいて、食事療法を推奨する、及び/又は前記1つ以上のバイオマーカーを更に監視するステップ
を含み、
前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、尿pH、又はこれらのいずれの組み合わせを含む、方法。
実施形態39
前記食事療法は、低リン食、低タンパク質食、低ナトリウム食、カリウム補充食、多価不飽和脂肪酸(PUFA)補充食、抗酸化剤補充食、ビタミンB補充食、液状食、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される、実施形態38に記載の方法。
実施形態40
前記スコアは、各前記バイオマーカーと各前記バイオマーカーの係数との積を合計することによって算出される、実施形態37~39のいずれか1つに記載の方法。
実施形態41
前記1つ以上のバイオマーカーの前記係数は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、前記医療記録は、前記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42
前記閾値は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、前記医療記録は、前記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む、実施形態37~41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態43
前記1つ以上のバイオマーカーは、クレアチニン、尿比重、及びBUN又は尿素レベルを含む、実施形態37~42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態44
クレアチニン及びBUN又は尿素レベルの量は、ミリグラム/デシリットル(mg/dL)を単位として測定され、尿比重の量は、尿サンプルの密度の、水の密度に対する比率として測定され;
ここでクレアチニンの前記係数は約0.004~約0.01であり、尿比重の前記係数は約-5~約-80であり、尿素レベルの前記係数は約0.01~約0.5であり、前記閾値は約-10~約-70であり;
前記スコアが前記閾値より大きいことは、CKDのリスクを示す、実施形態43に記載の方法。
実施形態45
クレアチニンの前記係数は約0.005~約0.009であり、尿比重の前記係数は約-20~約-50であり、尿素レベルの前記係数は約0.06~約0.12である、実施形態44に記載の方法。
実施形態46
前記閾値は約-20~約-50である、実施形態43~45のいずれか1つに記載の方法。

Claims (23)

  1. ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは:
    プロセッサ;及び
    コードを保存したメモリ
    を備え、
    前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
    前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び前記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、又は尿pHのうちの少なくとも1つに関連する情報を含む、受信すること;
    分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つの入力レベル及び前記年齢の入力レベルを、前記入力レベルを編成又は修正することによって分析及び変換することであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットからのコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び年齢との両方に関する医療情報を含み、前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、
    ここで前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、分析及び変換すること;
    前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成すること;
    前記出力に基づいて、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかを決定又はカテゴライズすること;並びに
    前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかに基づいて、補充食を含むカスタマイズされた推奨事項を決定すること
    を実施させる、コンピュータシステム。
  2. 前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示させる、請求項1に記載のコンピュータシステム。
  3. 情報を送信及び受信するための通信デバイスを更に備え;
    前記少なくとも1つの入力レベルは、前記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムから受信され;
    前記コードは更に、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して、遠隔の第2のシステムに送信させる、請求項1に記載のコンピュータシステム。
  4. ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症のリスクを低減する方法であって、前記方法は:
    前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び前記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信するステップであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、又は尿pHのうちの少なくとも1つに関連する情報を含む、ステップ;
    分類アルゴリズムによって確率スコア又は分類ラベルを導出するために、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つの入力レベル及び前記年齢の入力レベルを、前記入力レベルを編成又は修正することによって分析及び変換するステップであって、前記分類アルゴリズムは、訓練データセットからのコードを含み、前記訓練データセットは、サンプルネコ科動物の第1のセットからの第1の複数のバイオマーカー及び年齢と、前記サンプルネコ科動物の第2のセットからの第2の複数のバイオマーカー及び年齢との両方に関する医療情報を含み、
    ここで前記分類アルゴリズムは、訓練アルゴリズムを用いて開発され、前記分類アルゴリズムは、前記ネコ科動物がCKDを発症するリスクを有するかどうかの前記分類ラベルを決定するハード分類子、及び前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコアを決定するソフト分類子のうちの一方である、ステップ;
    前記分類ラベル又は前記確率スコアである出力を生成するステップ;並びに
    前記出力に基づいて、補充食を含むカスタマイズされた推奨事項を決定し、前記出力に基づいて、前記1つ以上のバイオマーカーを監視するステップ
    を含む、方法。
  5. 前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、グラフィカルユーザインタフェース上に表示するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの入力レベルを、通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムから受信するステップ;及び
    前記グラフィカルユーザインタフェース上の前記出力及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記通信デバイスを介して前記遠隔の第2のシステムに送信するステップ
    を更に含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記分類アルゴリズムは、教師あり訓練アルゴリズムを用いて開発される、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  8. 前記分類アルゴリズムは、教師なし訓練アルゴリズムを用いて開発される、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  9. 前記少なくとも1つの入力レベルは、異なる複数の時点で測定された前記1つ以上のバイオマーカーの連続測定値を含む、請求項1~3及び7~8のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  10. 前記サンプルネコ科動物の第1のセットはCKDと診断されており、また前記サンプルネコ科動物の第2のセットはCKDと診断されていない、請求項1~3及び7~9のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  11. 前記訓練データセットは交差検証のために、二層以上に層化される、請求項1~3及び7~10のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  12. 前記訓練データセットは、包含又は除外基準のセットによってフィルタリングされる、請求項1~3及び7~11のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  13. 前記訓練アルゴリズムは、ロジスティック回帰、人工ニューラルネットワーク(artificial neural network:ANN)、リカレントニューラルネットワーク(recurrent neural network:RNN)、K最近傍法(K‐nearest neighbor:KNN)、単純ベイズ、サポートベクターマシン(support vector machine:SVM)、ランダムフォレスト、又はAdaBoostのうちの少なくとも1つから選択されるアルゴリズムを含む、請求項1~3及び7~12のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  14. 前記訓練アルゴリズムは、動的時間伸縮法(dynamic time warping:DTW)を伴うKNNを含む、請求項1~3及び7~13のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  15. 前記訓練アルゴリズムは、長・短期記憶(long short‐term memory:LSTM)を伴うRNNを含む、請求項1~3及び7~14のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  16. 前記分類アルゴリズムは、過剰適合を防止するための5%以上のドロップアウトを含む正則化アルゴリズムを含む、請求項1~3及び7~15のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  17. 前記補充食は、低リン食、低タンパク質食、低ナトリウム食、カリウム補充食、多価不飽和脂肪酸(PUFA)補充食、抗酸化剤補充食、ビタミンB補充食、液状食、及びこれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3及び7~16のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  18. ネコ科動物の慢性腎臓疾患(CKD)の発症に対する感受性を同定するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは:
    プロセッサ;
    ユーザインタフェース;
    情報を送信及び受信するための通信デバイス;並びに
    コードを保存したメモリ
    を備え、
    前記コードは、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータシステムに:
    前記ネコ科動物からの1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つの入力レベル、及び前記ネコ科動物の年齢の入力レベルを受信することであって、前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、前記ユーザインタフェースを介したユーザによる入力に基づく、尿比重レベル、クレアチニンレベル、尿タンパク質レベル、血中尿素窒素(BUN)若しくは尿素レベル、白血球数(WBC)、又は尿pHのうちの少なくとも1つに関連する情報を含む、受信すること;
    前記1つ以上のバイオマーカーのうちの少なくとも1つの入力レベル及び前記年齢の入力レベルを、前記通信デバイスを介して遠隔の第2のシステムに送信することであって、前記遠隔のシステムは、送信された前記1つ以上のバイオマーカー及び前記年齢のうちの少なくとも1つの入力レベルに基づいて、前記ネコ科動物がCKDの発症のリスクを有するかどうかの分類ラベル若しくは前記ネコ科動物がCKDを発症する確率スコア、及び補充食を含むカスタマイズされた推奨事項を決定し、前記1つ以上のバイオマーカーを監視する、送信すること;
    前記通信デバイスを介して、前記遠隔の第2のシステムから、前記分類ラベル若しくは前記確率スコア、及び前記補充食のカスタマイズされた推奨事項を受信し、前記1つ以上のバイオマーカーを監視すること;並びに
    前記分類ラベル又は前記確率スコア、及び前記カスタマイズされた推奨事項を、前記ユーザインタフェース上に表示すること
    を実施させる、コンピュータシステム。
  19. 前記ネコ科動物の前記バイオマーカー及び前記年齢の前記入力レベルは、前記ネコ科動物の1回以上の訪問の医療記録に関連する、請求項1~3及び7~18のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
  20. 前記分類ラベル又は前記確率スコアは、前記分類ラベル又は前記確率スコアの前記決定の1年後の、前記ネコ科動物のCKDの発症のリスクに関連する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
  21. 前記確率スコアは、各前記バイオマーカーと各前記バイオマーカーの係数との積を合計することによって算出される、請求項18に記載のコンピュータシステム。
  22. 前記1つ以上のバイオマーカーの前記係数は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、前記医療記録は、前記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む、請求項21に記載のコンピュータシステム。
  23. 前記確率スコアを閾値と比較することによって、CKDの発症のリスクを決定することをさらに含み、
    前記閾値は、複数のネコ科動物の医療記録を含むデータセットに線形判別分析(linear discriminant analysis:LDA)を適用することによって決定され、前記医療記録は、前記1つ以上のバイオマーカーの測定値を含む、請求項18に記載のコンピュータシステム。

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