JP7361325B2 - ジオポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年8月1日、土木学会年次学術講演会講演概要集,第73巻,第V号(土木学会発行)に発明の内容を掲載 平成31年2月14日、Journal of Asian Institute of Low Carbon Design,第10巻,第1号(Asian Institute of Low Carbon Design 発行)に発明の内容を掲載 平成31年2月20日、土木学会西部支部研究発表会講演概要集,第30巻,第5号(土木学会西部支部発行)に発明の内容を掲載
本発明は、ジオポリマー組成物の製造方法に関する。
特許文献1には、ジオポリマー組成物を製造する方法が記載されている。このジオポリマー組成物を製造する方法は、設定される圧縮強度に応じて決定された、フライアッシュを置換する高炉スラグの配合割合を内割り置換率として、フライアッシュと高炉スラグとを配合してフィラーとし、水ガラスと水酸化ナトリウムとを2:1~3:1の体積比で含有するアルカリ溶液の質量を、フィラーの質量に対し、フロー値が110~240となる範囲で決定し、フィラーとアルカリ溶液と、フィラーの2~4倍量の骨材とを混練し、蒸気養生を行って硬化させる。
特許6408454号公報
ここで一般に、製造時における作業性の観点から、フレッシュ状態のジオポリマー組成物は流動性が高いことが好ましい。
本発明は、原材料を混練する工程においてより濃度が低いアルカリシリカ溶液を使用でき当該原材料が凝集することなく容易に混練されるとともに、硬化前の流動性が高いジオポリマー組成物の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、60~80℃にて少なくとも3時間高温養生することで前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、常温養生により前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法である
本発明によれば、原材料を混練する工程においてより濃度が低いアルカリシリカ溶液を使用でき当該原材料が凝集することなく容易に混練されるとともに、硬化前の流動性が高いジオポリマー組成物の製造方法を提供できる。
本発明の実施例1に係るジオポリマーモルタルのモルタルフロー試験結果である。 (A)、(B)は、それぞれ原灰GP及び改質灰GPの説明図である。 本発明の実施例1に係るジオポリマーモルタルの体積比GPW/Pが一定の配合で試験した場合の圧縮強度試験結果である。 本発明の実施例1に係るジオポリマーモルタルのフロー値が一定の配合で試験した場合の圧縮強度試験結果である。 本発明の実施例2に係るジオポリマーモルタルのCO排出量である。 本発明の実施例3に係るジオポリマーモルタルのフロー速度試験結果である。 本発明の実施例3に係るジオポリマーモルタルのモルタルフロー試験結果である。 本発明の実施例3に係るジオポリマーモルタルのモルタルフロー可使時間の測定結果である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
本発明の一実施の形態に係るジオポリマー組成物の製造方法は、未燃カーボンの含有率が低減された改質フライアッシュを主たる活性フィラーとするジオポリマー組成物を製造できる。
ここで、ジオポリマー組成物は、例えばジオポリマーモルタルやジオポリマーコンクリートである。
改質フライアッシュは、未燃カーボンを多く含んだ従来のフライアッシュを処理することにより、未燃カーボンの含有率が2wt%以下に低減されたフライアッシュである。
次に、ジオポリマー組成物の製造方法について説明する。ジオポリマー組成物の製造方法は、以下の工程P1~P4に従って実施される。ただし、可能な場合には、各工程は順番を入れ替えて実施されてもよいし、並行して実施されてもよい。
(フライアッシュ生成工程P1)
未燃カーボンの含有率が2wt%以下の改質フライアッシュを生成する工程である。改質フライアッシュは、浮遊選鉱法により生成される。
より詳細には、改質フライアッシュは、未燃カーボンを含有する原料を水に分散させてスラリー化した被処理液を生成し、この被処理液を浮遊選鉱することにより生成される。
付言すると、本フライアッシュ生成工程P1における浮遊選鉱処理は、未燃カーボンの含有量を2wt%以下にできる浮遊選鉱処理であれば任意で良く、その方法の詳細は特に限定されないが、例えば特開2011-20070号公報や特開2016-49475号公報に開示されている技術を適用できる。
(脱水工程P2)
フライアッシュ生成工程P1にて生成された改質フライアッシュは湿分を含んでいるため、脱水処理し、湿分を低減したケーキ状のフライアッシュ(フライアッシュケーキ)を生成する。
生成されるフライアッシュケーキの湿分は、例えば15~30wt%である。
(混練工程P3)
脱水工程P2にて生成されたフライアッシュケーキ、高炉スラグ微粉末、骨材及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練し、ジオポリマー混練物を生成する。
本混練工程P3にて混練されるフライアッシュは、前述の通り、湿分を適度に含んだフライアッシュケーキであるため、混練されるフライアッシュがスラリー状のフライアッシュである場合と比較して、より濃度が低いアルカリシリカ溶液を使用でき、所定の法律に基づくアルカリシリカ溶液の管理が容易となる。また、混練されるフライアッシュがパウダー状のフライアッシュである場合と比較して、凝集することなく容易に混練され、混練に要する時間が短縮される。
ただし、脱水工程P2にて生成されたフライアッシュケーキに代えて、フライアッシュ生成工程P1にて生成された改質フライアッシュから得られたスラリー状のフライアッシュ又は湿分1wt%以下の乾粉状のフライアッシュを原料として混練することも可能である。
(硬化工程P4)
予め決められた温度にて予め決められた時間高温養生し、ジオポリマー混練物を硬化させる。予め決められた温度は、例えば60~80℃である。予め決められた時間は、少なくとも3時間である。
なお、高温養生に代えて、常温養生としてもよい。
このように、ジオポリマー組成物は、前述の工程P1~P4を経て製造される。特に、混練工程P3にてケーキ状のフライアッシュケーキが使用される場合には、製造する際の作業性に優れる。
発明者らは、前述の工程P1~P3により製造されたフレッシュ状態のジオポリマーモルタル(ジオポリマー組成物の一例)の流動性及び前述の工程P1~P4により製造されたジオポリマーモルタルの強度特性について、未燃カーボンを多く含む従来のフライアッシュを使用して同様に製造したジオポリマーモルタルと比較した。
まず、使用材料について説明する。
活性フィラーは、産出元の異なる2種類のフライアッシュFA-A及びフライアッシュFA-Bを用いた。ジオポリマーは、全粉体をフライアッシュとした配合が望ましいが、強度が非常に低く、評価が困難であったため、評価可能な強度が得られるよう、高炉スラグ微粉末をフライアッシュの質量比で10%置換した。また、ペーストの物性を比較することから、本実施例では、ペーストと細骨材の割合を体積比で1:1とし、細骨材量が一定のモルタル配合とした。養生条件は最高温度80℃、同保持時間を24時間とした。使用材料の物性及び配合をそれぞれ表1及び表2に示す。
表1中、「原灰」とは、改質前の未燃カーボンを多く含んだフライアッシュのことであり、「改質灰」とは、未燃カーボンの含有量が2wt%以下に改質された改質フライアッシュのことである(以下同様)。
表2中、「原灰GP」とは、使用材料を原灰としたジオポリマーであり、「改質灰GP」とは、使用材料を改質灰としたジオポリマーのことである(以下同様)。また、「GPW」はアルカリシリカ溶液、「FA」はフライアッシュ、「BFS」は高炉スラグ微粉末、及び「S」は海砂である。
フライアッシュ種別A、Bは、それぞれフライアッシュFA-A及びフライアッシュFA-Bを示している。各フライアッシュ種別A、Bにおいて、1と2は同一フロー値、1と3は同一の体積比GPW/Pが得られた配合である。この体積比GPW/Pは、アルカリシリカ溶液(GPW)とフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末からなる粉体(P)との体積比である。
本実施例においては、ペーストの容積一定のまま、体積比GPW/Pをパラメータとして、表2に示す配合に基づき作製したジオポリマーモルタルを対象に、1)モルタルフロー試験(JIS R 5201)及び2)圧縮強度試験(JIS A 1108)を実施した。この圧縮強度試験においては、体積比GPW/Pが一定の配合とフロー値が一定の配合とでそれぞれ比較した。
以下、各試験の結果について説明する。
(モルタルフロー試験)
モルタルフロー試験(JIS R 5201)の結果を図1に示す。同図1より、フライアッシュ種別A、Bにより同一の体積比GPW/Pでのフロー値に相違があるものの、いずれも改質灰GPのフロー値は原灰GPのそれと比較して約125%~140%を示した。
原灰GPにおいては、図2(A)に示すように、球体であるフライアッシュの表面に粘着質で複雑な形の未燃カーボンが付着し、複数のフライアッシュ粒子が結合することで、転がり抵抗が大きくなっている。一方、改質灰GPにおいては、改質によってフライアッシュ中から未燃カーボンが除去されたことにより、図2(B)に示すように、フライアッシュの転がり抵抗が小さくなり、ジオポリマーモルタルの流動性が向上したものと考えられる。
(圧縮強度試験)
圧縮強度試験(JIS A 1108)の結果を図3及び図4に示す。
図3は、体積比GPW/Pが一定の配合で試験した場合の圧縮強度試験結果である。
体積比GPW/Pが一定の配合で比較した場合、フライアッシュの種類に関わらず、フライアッシュ改質前後のジオポリマーでほぼ同じ強度を示した。これにより、同一の体積比GPW/Pの条件下では、圧縮強度は概ね同一である傾向が示された。
図4は、フロー値が一定の配合で試験した場合の圧縮強度試験結果である。なお、フロー値は150mmのものを採用した。
同図4より、同一流動性を有する場合、改質灰GPの圧縮強度は、原灰GPの約170%~200%を示した。その要因として、改質灰GPでは、原灰GPと同一フローを得るための単位GPW量(アルカリシリカ溶液量)が減少したことで、体積比GPW/Pが相対的に低下し、改質灰GPの圧縮強度が大きくなったものと考えられる。
続いて発明者らは、実施例1に係るジオポリマーモルタル製造時のCO排出量を算出した。
発明者らは、次式(1)に基づいて、同一フロー値の原灰GPと改質灰GPを比較した場合のCO排出量を計算し、図5に示す結果を得た。
EII = M × Ipm 式(1)
ここで、EIIは、製造段階の環境影響指標であり、Mは、1mのコンクリートの製造に消費される原材料mの量(kg)であり、Ipmは、原材料mの製造による環境影響原単位(CO・kg/kg)である。
発明者らは、環境負荷低減評価のため、ジオポリマーモルタルについてのCO排出量と、改質灰と同程度の強度を有する普通ポルトランドセメント(OPC)を使用したモルタル(同一ペースト量)についてのCO排出量と、を比較した。同図5より、ジオポリマーはOPCよりもCO排出量が明らかに少ない。また、未燃カーボンを除去することによって改質灰GPは流動性が増加するため、一定の流動性を確保するためのアルカリシリカ溶液量を減少させることが可能となる。その結果、原灰GPよりも更にCO排出量の削減が可能であることが明らかとなった。
更に発明者らは、改質灰に高炉スラグ微粉末を併用して作製したジオポリマーモルタル及び原灰に高炉スラグ微粉末を併用して作製したジオポリマーモルタルのフレッシュ性状について、それぞれ評価を行った。
まず、表3に示す使用材料について説明する。
活性フィラーは、フライアッシュとして、それぞれ原灰FA-13及び改質灰FA-1.1を用いた。また、粉体はフライアッシュの他に高炉スラグ微粉末を用いた。細骨材はモルタル中の含水量に影響を与えないように、絶乾状態の海砂を使用した。配合に関して、ペーストが流動性に寄与するため、本実施例においては、ペーストと細骨材の割合を体積比で1:1とし、細骨材量が一定のモルタル配合とした。
未燃カーボン量が多いフライアッシュを使用したジオポリマーでは、流動性が著しく悪化することが懸念されることから、配合選定のため予備実験を行った。予備実験は高炉スラグ微粉末(BFS)を全粉体(P)の体積比で置換した割合BFS/Pが10%において、アルカリシリカ溶液と粉体との体積比GPW/Pをパラメータとして、フロー試験を実施した。なお、各フライアッシュFA-13、FA-1.1を用いたジオポリマーモルタルの目標フロー値は170mm±10mmとした。その後、決定した割合BFS/P=10%の配合を基本配合とし、アルカリシリカ溶液(GPW)の量を一定にしたまま割合BFS/P=30%、50%の配合を決定した。ジオポリマーモルタルの配合を表4に示す。
本実施例では、ペースト容積一定の条件の下で、割合BFS/Pをパラメータとして表4に示す配合に基づき作製したジオポリマーモルタルを対象に、1)モルタルフローの広がりの速さを測定するフロー速度試験、2)モルタルフロー試験(JIS R 5201)及び3)モルタルフロー可使時間の測定を実施した。
(フロー速度試験)
フロー速度試験の方法については、透明なアクリルテーブル上でフロー試験を行い、その様子を下からデジタルカメラで動画撮影を行った。フローコーンを上げた瞬間を0秒とし、その後2秒ごとのフロー値をフローの広がりが収束するまで計測した。フロー速度については次式(2)に従い算出した。
U = (Ln+1-L)/(Tn+1-T) 式(2)
ここで、Uはフロー速度(mm/s)であり、Lはフロー値(mm)であり、Tは測定時間(s)である。
基本配合(割合BFS/P=10%)におけるフロー速度試験の結果を図6に示す。改質灰FA-1.1によるジオポリマー、原灰FA-13によるジオポリマーともに30秒経過したあたりからはフローが収束し始め、ほとんどフロー速度に差異は見られないが、最初の20秒程度、特に0秒から10秒あたりでは改質灰FA-1.1によるジオポリマーモルタルの方が原灰FA-13によるジオポリマーモルタルよりもフロー速度が大きくなった。
改質灰FA-1.1を用いたジオポリマーモルタルでは未燃カーボンが少なく、図2(B)に示すように、フライアッシュの球形が多いため転がり抵抗が抑制される一方で、原灰FA-13を用いたジオポリマーモルタルは、図2(A)に示すように、改質灰FA-1.1によるジオポリマーモルタルに比べて未燃カーボンが多く形状が複雑なフライアッシュが多く、転がり抵抗が大きくなるので、改質灰FA-1.1によるジオポリマーモルタルの方が原灰FA-13によるジオポリマーモルタルに比べてフローの広がりが速くなったと考えられる。
(モルタルフロー試験)
モルタルフロー試験ではフローコーンを引き上げ、フローの広がりが収束した時点でのフロー値を0打フロー値とし、その後フローテーブルによって15回の打撃を与えたものを15打フロー値とした。
本実施例で得られたフロー試験の結果を図7に示す。同図7より、改質灰FA-1.1を使用したジオポリマーモルタルでは割合BFS/Pの増加に伴い、フロー値は小さくなった。しかし一方で、原灰FA-13を使用したジオポリマーモルタルでは、割合BFS/Pとフロー値に関係性が見られなかった。
このことから、改質灰FA-1.1を用いたジオポリマーモルタルと異なり、強熱減量の高い原灰FA-13を用いたジオポリマーモルタルでは割合BFS/Pとジオポリマーモルタルのフロー値に関係性がないことが示された。
(モルタルフロー可使時間の測定)
可使時間の測定は0打フロー値が練り上り直後からのフロー値から100mmに達するまでの時間を10分おきに計測した。
割合BFS/P毎のフロー値の経時変化を図8に示す。割合BFS/Pが大きくなるに伴い、原灰FA-13によるジオポリマーモルタル、改質灰によるFA-1.1によるジオポリマーモルタルともに、可使時間が減少していることがわかる。特に、割合BFS/Pの増加に伴って、改質灰FA-1.1を使用したジオポリマーモルタルでは可使時間が短くなる傾向がみられた。
この要因として、改質灰FA-1.1を用いたジオポリマーモルタルでは、モルタル中の高炉スラグ微粉末とアルカリシリカ溶液の接触面積が増加し、高炉スラグ微粉末による硬化反応が急速に進んだためと考えられる。
このように、ジオポリマー組成物の製造方法によれば、未燃カーボンの含有率が2wt%以下に低減された改質フライアッシュを主たる活性フィラーとするため、流動性が高いジオポリマー組成物が製造される。その結果、圧縮強度が高く、CO排出量が抑制されたジオポリマー組成物が提供される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
BFS 高炉スラグ微粉末
GPW アルカリシリカ溶液
P 粉体

Claims (3)

  1. 未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、
    前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、
    前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、
    60~80℃にて少なくとも3時間高温養生することで前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法。
  2. 未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、
    前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、
    前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、
    前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法。
  3. 未燃カーボンを含有する原料を水に分散させ、スラリー化した被処理液を浮遊選鉱し、未燃カーボンの含有率が2wt%以下のフライアッシュを生成するフライアッシュ生成工程と、
    前記フライアッシュの湿分を低減し、当該湿分が15~30wt%のケーキ状のフライアッシュを生成する脱水工程と、
    前記ケーキ状のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びアルカリシリカ溶液を含む原料を混練したジオポリマー混練物を生成する混練工程と、
    常温養生により前記ジオポリマー混練物を硬化させる硬化工程と、を含むジオポリマー組成物の製造方法。
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