JP7360585B2 - 梁補強金具及び梁補強金具積み重ね構造 - Google Patents
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Description
上記特許文献1に記載のような梁の補強構造は、貫通孔に鉄骨補強部材をはめ込み、鉄骨補強部材の一方の面側の周部全周を鉄骨に溶接してあり、他方の面側の周部全周を鉄骨に溶接しないので、施工コストの増加を抑制できる。
しかし、このような梁の補強構造は、鉄骨補強部材を鉄骨の厚み方向に位置決めするのが難しく、あるいは、梁を寝かせた状態で貫通孔に鉄骨補強部材をはめ込み、鉄骨補強部材と梁を仮溶接してから梁を裏返し、その後、鉄骨補強部材の周部全周を梁に溶接しなければならず、作業に多大な労力を要し、コストが増大しかねなかった。
この鉄骨梁補強金具は、鉄骨梁を寝かせた状態で、貫通孔の内部に突出部を挿入し、本体部の接触端面を鉄骨梁のウェブの側面に接触させるだけで、貫通孔に対して径方向および軸線方向に位置決めされるので、仮溶接が不要であり、固定作業中に鉄骨梁を裏返す必要がなく、作業の負担を大きく軽減できる。
本発明が解決しようとする課題は、梁の貫通孔にはめ込むことにより軸線方向及び径方向に位置決めできる突起を有しているにもかかわらず、多段に積み重ねても崩れにくく、保管及び搬送に有利な梁補強金具を提供することにある。
また、貫通孔を必要以上に大きくしないために、突起の径方向の幅を小さくしても、梁補強金具を重ねたとき、突起は隣り合う他の梁補強金具の収容部に収容されるので、保管や搬送の際に崩れないよう安定して積み重ねることができる。
第1の実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、使用状態の梁補強金具1を示し、図2は、積み重ねた状態の梁補強金具1を示している。
梁補強金具1は、鋼材を鍛造あるいは鋳造して成形され、貫通孔21と同心の円環状のリング状本体10を備える。リング状本体10の外径は貫通孔21の直径より大きく、リング状本体10の内径は貫通孔21の直径よりやや小さい。
また、リング状本体10の一端面10a及び他端面10bは、互いに平行で、かつ、梁2のウェブ20の側面と平行であり、一端面10aが梁2のウェブ20の側面に接触するようになっている。他端面10bは、一端面10aの反対側の面である。
位置決め突起11の断面は角形であり、貫通孔21の直径を配管や配線に必要な寸法より無用に大きくしないために、位置決め突起11の径方向の幅は4mm~5mmとしてある。
この結果、隣り合ったリング状本体10の位置決め突起11と収容部12とが係合するとともに、一端面10aと他端面10bとが接触し、多段に積み重なった梁補強金具1が傾かないようになっている。
また、位置決め突起11が収容部12に収容されるので、保管や搬送の際に、位置決め突起11が保護されることになり、損傷や変形による貫通孔21への挿入に支障が生じることを防止することができる。
図3を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については、説明を省略する。
収容部12の寸法は、リング状本体10の一端面10aと他端面10bとを接触させるとともに中心軸を一致させて梁補強金具1を積み重ねたとき、隣り合う梁補強金具1の位置決め突起11が収容される寸法とする。
図4を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、第1及び第2の実施形態と共通する部分については、説明を省略する。
突部13の内周面は、位置決め突起11の外径よりわずかに径大の円に沿う円弧面であり、突部13の軸線方向の高さは位置決め突起11の高さよりわずかに高い。
したがって、リング状本体10の一端面10aと他端面10bとを接触させるとともに中心軸を一致させて梁補強金具1を積み重ねたとき、梁補強金具1の位置決め突起11が、隣り合う梁補強金具1の収容部12に収容される。
図5を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態では、2個の突部13が、リング状本体10の1本の直径(図5の(ア)における左右方向の直径)の両端に相対向するよう配置されている。
第4の実施形態における突部13の周長は、第3の実施形態における突部13の周長よりも長く、突部13が2個であっても、突部13で囲まれた収容部12に収容した位置決め突起11を安定して保持することができる。
その他の構造および使用方法は第3の実施形態と同様なので、説明を省略する。
図6を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。
第5の実施形態は、突部13の内周面が直線に沿う平面である点で第3の実施形態と異なっている。相対向する突部13の内周面間の距離は位置決め突起11の外径よりもやや大きく、梁補強金具1を重ねたとき、位置決め突起11を隣り合う梁補強金具1の収容部12に収容することができる。
その他の構造および使用方法は、第3の実施形態と変わるところはないので、説明を省略する。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
10 リング状本体
11 位置決め突起
12 収容部
13 突部
2 梁
20 ウェブ
21 貫通孔
Claims (8)
- 梁を貫通する貫通孔に固定される梁補強金具であって、
外径が前記貫通孔の直径より大きく、内径が前記貫通孔の直径より小さく、前記梁の側面に接触する一端面及び前記一端面の反対側の他端面を有するリング状本体を備え、
前記リング状本体は、
前記一端面に突設され、前記貫通孔へ挿入可能な突起と、
前記他端面に形成された収容部と、を備え、
前記収容部は、前記突起と同一形状を有する物の該同一形状の部位を収容可能な形状である
ことを特徴とする梁補強金具。 - 前記突起及び前記収容部は、前記貫通孔と同心の環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梁補強金具。
- 前記収容部は、前記他端面を切り欠いた凹部よりなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梁補強金具。
- 前記リング状本体の前記他端面において、前記一端面の前記突起に対応する位置の外周囲より径方向外側の位置に、複数の突部が周方向に配設されており、前記突部で囲まれた内側に前記収容部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の梁補強金具。
- 梁を貫通する貫通孔に固定される梁補強金具を複数積み重ねた梁補強金具積み重ね構造であって、
前記複数積み重ねた梁補強金具のうち一の梁補強金具と他の梁補強金具の各々は、外径が前記貫通孔の直径より大きく、内径が前記貫通孔の直径より小さく、前記梁の側面に接触する一端面及び前記一端面の反対側の他端面を有するリング状本体を備え、
前記リング状本体は、
前記一端面に突設され、前記貫通孔へ挿入可能な突起と、
前記他端面に形成された収容部と、を備え、
前記収容部は、前記一又は他の梁補強金具が備える前記突起を収容可能な形状であり、
前記一又は他の梁補強金具の前記突起を、前記他又は一の梁補強金具の前記収容部に収容させて積み重ねた
ことを特徴とする梁補強金具積み重ね構造。 - 前記突起及び前記収容部は、前記貫通孔と同心の環状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の梁補強金具積み重ね構造。
- 前記収容部は、前記他端面を切り欠いた凹部よりなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の梁補強金具積み重ね構造。
- 前記リング状本体の前記他端面において、前記一端面の前記突起に対応する位置の外周囲より径方向外側の位置に、複数の突部が周方向に配設されており、前記突部で囲まれた内側に前記収容部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の梁補強金具積み重ね構造。
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JP2006342604A (ja) | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Okabe Co Ltd | 鋼製梁の貫通孔補強構造及びそれに用いる貫通孔補強用具 |
JP2016211365A (ja) | 2015-04-30 | 2016-12-15 | 旭化成建材株式会社 | 梁補強金具 |
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